【解決手段】加工に関する所定の評価項目に関し、実現可能な最大値及び最小値により規定された範囲内における達成度であって、所定の加工条件で加工した際の各評価項目に係る達成度データを当該加工条件と相互に関連付けて記憶した達成度データ記憶部11と、達成度データ記憶部11に記憶された加工条件データ及び達成度データを参照して、選択された加工条件に対応した各評価項目に係る達成度をディスプレイに表示する表示部7と、複数の加工条件の中から特定の加工条件を選択するための選択信号を入力する入力部4とを備える。表示部7は、入力部4から入力された選択信号を基に、達成度データ記憶部11のデータを参照して、選択信号に対応した加工条件における各評価項目の達成度を評価項目ごとに表示する。
予め設定された加工に関する複数の評価項目に関し、それぞれその実現可能な最大値及び最小値により規定された範囲内における、その達成度を示す達成度データであって、予め設定された複数の加工条件下でそれぞれ加工した際の、前記各加工条件データと、該加工条件ごとの前記各評価項目に係る達成度データとを相互に関連付けて記憶した達成度データ記憶部と、
ディスプレイを備え、前記達成度データ記憶部に記憶された加工条件データ及び達成度データを参照して、選択された加工条件に対応した各評価項目に係る達成度を前記ディスプレイに表示する表示部と、
前記複数の加工条件の内、これらの中から特定の加工条件を選択するための選択信号を入力する入力部とを備えて構成され、
前記表示部は、更に、前記入力部から選択信号が入力されると、入力された選択信号を基に、前記達成度データ記憶部に記憶されたデータを参照して、該選択信号に対応した加工条件下における各評価項目の達成度を認識し、認識された達成度を、それぞれ評価項目ごとに表示するように構成されていることを特徴とする加工状態表示装置。
前記表示部は、前記入力部から選択信号が入力されると、入力された選択信号を基に、前記達成度データ記憶部に記憶されたデータを参照して、該選択信号に対応した加工条件下における各評価項目の達成度を認識するとともに、前記各評価項目ごとに、その達成度を図形によって表示するように構成され、該図形は前記最大値及び最小値により規定される範囲に応じた長さを有する軸状図形と、該軸状図形上の、前記達成度に応じた比率の長さ位置に配置される指標図形とから構成されることを特徴とする請求項1記載の加工状態表示装置。
前記表示部は、前記各評価項目に応じた軸状図形を、相互に平行且つその両端部の位置が軸方向に揃った状態となるように配置して表示するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の加工状態表示装置。
前記表示部は、前記各評価項目に応じた軸状図形を、定められた基準点に前記最小値側の軸端が位置し、且つ該基準点を中心として放射状に等角度間隔となるように配置して表示するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の加工状態表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、NC工作機械を用いた加工の分野では、被加工物(ワーク)を効率よく加工すること、並びに加工コストを低減させることが永続的な課題として探求されている。一方、機械加工に求められる加工精度については、技術の進歩に伴って、より高い精度が日々求められている。したがって、NC工作機械を用いてワークを加工する場合、これら加工効率、加工コスト及び加工精度の各要素を総合的に判断して、それぞれが良好な状態となるような加工条件(切削条件)を設定する必要がある。
【0008】
ところが、前記加工効率、加工コスト及び加工精度は所謂二律背反的な関係にあり、オペレータは、これらについて十分な知見を有していないのが実情である。例えば、加工効率を高める、即ち、加工時間を短くするには、工具がフライスである場合、その切込幅及び切込深さを大きくするとともに、工具の回転速度及び送り速度を高くすればよいが、このようにすると、消費電力が大きくなるとともに、工具寿命が短くなって、加工コストを高める一因となり、また、切込幅及び切込深さを大きくすること、並びに送り速度を高くすることは、加工精度が悪化する要因となる。
【0009】
このように、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る加工上の評価項目(例えば、前記加工時間、加工精度及び工具寿命)は、その相互関係が二律背反的な関係にあり、また、その関係が極めて複雑であるため、熟練した知識を有しない一般的なオペレータは、その相互関係についての正確な知見を持ち得ていないのが実情である。
【0010】
したがって、上述した従来の切削条件自動設定装置を用いて、自動決定された標準的な切削条件を補正する場合に、一般的なオペレータは、どのような補正係数を用いて補正すれば、加工効率、加工コスト及び加工精度の各要素を総合的に判断した良好な切削条件を得ることができるのかを判断することができず、結局のところ、このような切削条件自動設定装置では、上述した総合的な判断の下で良好と言えるような切削条件を設定することはできない。
【0011】
その一方、オペレータが、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る加工上の評価項目について、加工条件に応じた相互関係を認識することができれば、これを踏まえた加工条件の設定や、その調整を容易に行うことができる。また、各評価項目を総合的に判断した良好な加工条件を反映させたNCプログラムを生成することができ、或いは、既に生成されたNCプログラムをこのような良好な加工条件が反映されたNCプログラムに編集(修正)することができる。
【0012】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、予め設定された加工に関する複数の評価項目について、所定の加工条件下における、その実現可能な最大値から最小値までを範囲とした達成度を、相互に関連付けて表示するようにした加工状態表示装置、並びにこれを備えたNCプログラム生成装置及びNCプログラム編集装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明は、
予め設定された加工に関する複数の評価項目に関し、それぞれその実現可能な最大値及び最小値により規定された範囲内における、その達成度を示す達成度データであって、予め設定された複数の加工条件下でそれぞれ加工した際の、前記各加工条件データと、該加工条件ごとの前記各評価項目に係る達成度データとを相互に関連付けて記憶した達成度データ記憶部と、
ディスプレイを備え、前記達成度データ記憶部に記憶された加工条件データ及び達成度データを参照して、選択された加工条件に対応した各評価項目に係る達成度を前記ディスプレイに表示する表示部と、
前記複数の加工条件の内、これらの中から特定の加工条件を選択するための選択信号を入力する入力部とを備えて構成され、
前記表示部は、更に、前記入力部から選択信号が入力されると、入力された選択信号を基に、前記達成度データ記憶部に記憶されたデータを参照して、該選択信号に対応した加工条件下における各評価項目の達成度を認識し、認識された達成度を、それぞれ評価項目ごとに表示するように構成された加工状態表示装置に係る。
【0014】
この加工状態表示装置によれば、オペレータが、前記複数の加工条件の中から特定の加工条件を選択するための選択信号を前記入力部から入力すると、前記表示部は、入力された選択信号を基に、前記達成度データ記憶部に記憶されたデータを参照して、該選択信号に対応した加工条件下における各評価項目の達成度を認識し、認識された達成度を、それぞれ評価項目ごとに前記ディスプレイに表示する。
【0015】
尚、前記評価項目としては、例えば、「加工時間」、「加工精度」、「工具寿命」、「切削効率(=単位電力あたりの切削体積)」、「主軸モータ負荷」及び「送りモータ負荷」などから選択される三以上の項目を例示することができるが、これらに限定されるものではない。この場合、「加工時間」及び「切削効率」は前記加工効率に影響する要因であり、「工具寿命」、「主軸モータ負荷」及び「送りモータ負荷」は加工コストに影響する要因である。また、加工効率は加工コストにも影響を与える。また、「加工精度」の概念には、加工表面の表面粗さ等が含まれる。
【0016】
また、前記各評価項目における前記達成度は、上述のように、当該評価項目について実現可能な最大値及び最小値により規定される範囲内において、その達成レベルを表すものであり、例えば、最大値を「100」とし、最小値を「0」とした場合に、その中間値の達成レベルである場合には、達成度は「50」となる。
【0017】
また、前記加工条件は加工態様によって異なり、例えば、フライス加工の場合には、その加工条件としての要素は「切込深さ[mm]」、「切込幅[mm]」、「送り速度[m/min]」及び「切削速度[m/min]」であり、旋削の場合の要素は「切込深さ[mm]」、「送り速度[mm/rev]」及び「切削速度[m/min]」であり、ドリル加工の場合の要素は「送り速度[m/min]」及び「切削速度[m/min]」である。
【0018】
斯くして、この加工状態表示装置によれば、オペレータは、例えば、自身が注目する任意の加工条件を入力することで、当該加工条件下における各評価項目の達成度が認識され、認識された達成度が各評価項目ごとにディスプレイに表示されるので、当該加工条件下における、各評価項目ごとの達成度を容易に認識することができる。
【0019】
そして、このようにして表示される、加工条件に応じた各評価項目ごとの達成度を視認することで、オペレータは、各評価項目における達成度が総合的な観点からバランスした状態となる、或いは各評価項目における達成度がオペレータの希望する状態となるような加工条件を容易に認識して抽出することができ、加工効率、加工コスト及び加工精度を総合的に考慮した良好な加工条件を得ることができる。
【0020】
本発明において、前記表示部は、前記入力部から選択信号が入力されると、入力された選択信号を基に、前記達成度データ記憶部に記憶されたデータを参照して、該選択信号に対応した加工条件下における各評価項目の達成度を認識するとともに、前記各評価項目ごとに、その達成度を図形によって表示するように構成され、該図形は前記最大値及び最小値により規定される範囲に応じた長さを有する軸状図形と、該軸状図形上の、前記達成度に応じた比率の長さ位置に配置される指標図形とから構成されていても良い。
【0021】
この加工状態表示装置によれば、各評価項目にかかる達成度が、軸状図形及び指標図形から構成される図形によって表示されるので、オペレータは、当該達成度を瞬時に且つ直観的に認識することができる。
【0022】
また、本発明において、前記表示部は、前記各評価項目に応じた軸状図形を、相互に平行且つその両端部の位置が軸方向に揃った状態となるように配置して表示するように構成されていても良い。
【0023】
或いは、本発明において、前記表示部は、前記各評価項目に応じた軸状図形を、定められた基準点に前記最小値側の軸端が位置し、且つ該基準点を中心として放射状に等角度間隔となるように配置して表示するように構成されていても良い。
【0024】
更に、本発明において、前記表示部は、隣接する前記指標図形を相互に結ぶ線分を表示するように構成されていても良い。このようにすれば、オペレータは、各評価項目にかかる達成度の、各評価項目間におけるバランス状態を瞬時に且つ直観的に認識することができる。
【0025】
本発明において、前記表示部は、各加工条件又はこれに対応した符号をリスト表示するように構成されていても良い。このようにすれば、オペレータは、選択すべき加工条件の特定を容易に行うことができる。更に、この場合において、前記入力部は、前記表示部に表示されたリスト中の加工条件を選択するための選択信号を入力可能に構成されていても良い。このようにすれば、オペレータは、加工条件を選択するための選択信号を容易に入力することができる。
【0026】
また、本発明は、上記構成のいずれかの加工状態表示装置と、
NCプログラムを自動生成するための基礎データであって、前記加工条件データを含む基礎データを記憶する基礎データ記憶部と、
前記基礎データ記憶部に記憶された基礎データを基にNCプログラムを生成するNCプログラム生成部と、
前記基礎データ記憶部に格納された加工条件データを更新する基礎データ更新部とを備え、
前記入力部は、更に、前記選択信号に対応した加工条件で、前記基礎データ記憶部に格納された加工条件データを更新する更新要求信号を入力可能に構成され、
前記基礎データ更新部は、前記入力部から更新要求信号が入力されると、前記選択信号に対応した加工条件データで、前記基礎データ記憶部に格納された加工条件データを更新するように構成されたNCプログラム生成装置に係る。
【0027】
このNCプログラム生成装置によれば、NCプログラム生成部により、前記基礎データ記憶部に記憶された基礎データを基にNCプログラムが自動的に生成される。そして、前記加工状態表示装置の前記入力部から更新要求信号が入力されると、基礎データ更新部により、前記選択信号に対応した加工条件データでもって、前記基礎データ記憶部に格納された、対応する加工条件データが更新される。
【0028】
斯くして、このNCプログラム生成装置によれば、例えば、上述のようにして、オペレータが前記加工状態表示装置を用いて、適宜選択した加工条件下での前記各評価項目における達成度を確認しながら、各評価項目における達成度が総合的にバランスした状態となる、或いは各評価項目における達成度がオペレータの希望する状態となるような加工条件を確認し、ついで、この加工条件で、前記基礎データ記憶部に格納された、対応する加工条件データを更新することで、NCプログラムを生成するための基礎データ(加工条件データ)を、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る各評価項目を総合的に判断した良好な加工条件に設定することができる。そして、このように加工条件データを更新することによって、前記各評価項目における達成度が総合的に良好なものとなるようなNCプログラムを自動的に生成することができる。
【0029】
また、本発明は、上記構成のいずれかの加工状態表示装置と、
NCプログラムを記憶するNCプログラム記憶部と、
前記NCプログラム記憶部に格納されたNCプログラムを編集するNCプログラム編集部とを備え、
前記入力部は、更に、前記NCプログラム記憶部に格納されたNCプログラムを編集する箇所を指定すると共に、該指定箇所を、前記選択信号に対応した加工条件で編集することを要求する編集要求信号を入力可能に構成され、
前記NCプログラム編集部は、前記入力部から編集要求信号が入力されると、前記選択信号に対応した加工条件データで、前記NCプログラム記憶部に格納されたNCプログラムの前記指定箇所を編集するように構成されたNCプログラム編集装置に係る。
【0030】
このNCプログラム編集装置によれば、前記入力部から編集要求信号が入力されると、前記NCプログラム編集部により、前記選択信号に対応した加工条件データで、前記NCプログラム記憶部に格納されたNCプログラムの前記指定箇所が編集される。
【0031】
例えば、上述のように、オペレータが前記加工状態表示装置を用いて、適宜選択した加工条件下での前記各評価項目における達成度を確認しながら、各評価項目における達成度が総合的にバランスした状態となる、或いは各評価項目における達成度がオペレータの希望する状態となるような加工条件を確認し、ついで、前記入力部から、前記NCプログラム記憶部に格納されたNCプログラムを編集する箇所を指定した編集要求信号を入力すると、この選択信号に対応した加工条件データで、前記NCプログラム記憶部に格納されたNCプログラムの前記指定箇所が編集される。そして、このような加工条件データで前記NCプログラムの指定箇所を編集することで、当該指定箇所の加工を、前記各評価項目における達成度が総合的に良好なものとなるような加工とすることができる。
【発明の効果】
【0032】
以上詳述したように、本発明に係る加工状態表示装置によれば、オペレータは、任意の加工条件を入力することで、当該加工条件下における各評価項目の達成度がディスプレイに表示されるので、当該加工条件下における、各評価項目ごとの達成度を容易に認識することができる。そして、このようにして表示される、加工条件に応じた各評価項目ごとの達成度を視認することで、オペレータは、各評価項目における達成度が総合的な観点からバランスした状態となる、或いは各評価項目における達成度がオペレータの希望する状態となるような加工条件を容易に認識して抽出することができ、加工効率、加工コスト及び加工精度を総合的に考慮した良好な加工条件を得ることができる。
【0033】
また、本発明に係るNCプログラム生成装置によれば、NCプログラムを生成するための基礎データ(加工条件データ)を、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る各評価項目を総合的に判断した良好な加工条件に設定することができ、そして、このような加工条件とすることにより、前記各評価項目における達成度が総合的に良好なものとなるようなNCプログラムを自動的に生成することができる。
【0034】
また、本発明に係るNCプログラム編集装置によれば、既成のNCプログラムについて、その指定箇所に係る加工を、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る各評価項目を総合的に判断した良好な加工条件に設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るNCプログラム生成・編集装置の概略構成を示したブロック図である。
【0037】
図1に示すように、本例のNCプログラム生成・編集装置2は、加工状態表示装置3、基礎データ記憶部12、NCプログラム生成部13、NCプログラム記憶部14、NCプログラム編集部16及び基礎データ更新部15を備える。また、加工状態表示装置3は、達成度データ記憶部11、表示画面生成部10、入力制御部6、表示制御部9、入力装置5及び表示装置8を備えている。以下、各部の詳細について説明する。
【0038】
尚、前記入力制御部6、表示制御部9、表示画面生成部10、達成度データ記憶部11、基礎データ記憶部12、NCプログラム生成部13、NCプログラム記憶部14、NCプログラム編集部16及び基礎データ更新部15は、適宜NC工作機械の数値制御装置1内に組み込まれており、この数値制御装置1内には、この他に、前記NC工作機械の動作機構部20を数値制御する数値制御部17が設けられている。
【0039】
[加工状態表示装置の構成]
まず、前記加工状態表示装置3の構成について説明する。上述したように本例の加工状態表示装置3は、入力制御部6、表示制御部9、表示画面生成部10、達成度データ記憶部11、入力装置5及び表示装置8を備えて構成される。
【0040】
尚、本例において、前記表示画面生成部10、表示制御部9及び表示装置8は表示部7を構成し、入力制御部6及び入力装置5は入力部4を構成する。また、前記表示装置8は工作機械の操作盤に設けられるディスプレイ、前記入力装置5は同じく工作機械の操作盤等に設けられる入出力インターフェースやキーボード等から構成することができる。
【0041】
前記表示制御部9及び入力制御部6は所謂ユーザインターフェースを構成するもので、表示制御部9は表示装置8への画面表示を制御し、入力制御部6は入力装置5から入力されたデータや信号の送信を制御する。
【0042】
例えば、前記表示制御部9は、前記表示画面生成部10によって生成された表示画面を前記表示装置8に表示し、また、前記入力制御部6を介して前記入力装置5から入力される操作信号を受信して、表示画面をスクロールさせたり、画面内のポインタを移動させたり、表示画面上の画像を移動させる処理を実行する。
【0043】
また、入力制御部6は、上述のように、前記入力装置5から入力される操作信号を前記表示制御部9に送信する処理を行い、また、例えば、入力装置5から入力される確定信号を受信して、前記表示装置8に表示される表示画面上のポインタの位置や特定画像の位置を、前記表示制御部9を介して認識し、その位置に応じた入力信号を前記表示画面生成部10や、詳しくは後述するNCプログラム生成部13、NCプログラム編集部16及び基礎データ更新部15に送信する処理を行う。尚、このような表示装置8及び入力装置5の機能は、同じく工作機械の操作盤に設けられるタッチパネル等によって実現される。
【0044】
また、前記入力制御部6は、前記入力装置5から入力された達成度データ等を前記達成度データ記憶部11に格納する処理、同じく入力装置5から入力された基礎データを前記基礎データ記憶部12に格納する処理、並びに同じく入力装置5から入力されたNCプログラムをNCプログラム記憶部14に格納する処理を行う。
【0045】
前記達成度データ記憶部11は、所定の工具及びワークについて、予め設定された複数の加工条件下でそれぞれ加工した際の、各加工条件に係るデータと、該加工条件ごとの各評価項目に係る達成度データとを相互に関連付けて記憶する機能部であり、具体的には、例えば、
図2に示すようなデータテーブルとして各データを記憶する。
【0046】
設定される加工条件は、工具の種類(加工の態様)によって異なり、例えば、フライス加工の場合には、「切込深さ[mm]」、「切込幅[mm]」、「送り速度[m/min]」及び「切削速度[m/min]」であり、旋削の場合には、「切込深さ[mm]」、「送り速度[mm/rev]」及び「切削速度[m/min]」であり、ドリル加工の場合には、「送り速度[m/min]」及び「切削速度[m/min]」である。
【0047】
図2に示した例は、フライス加工の場合の加工条件を示しており、各要素について工具メーカが推奨する最大値(max)、最小値(min)及びその中間値(middle)の値を用い、これら3つの値を順次組み合わせて81通りの加工条件を設定しており、各加工条件には、C1〜C81の符号が付されている。尚、本例では、概念的に最大値(max)、最小値(min)及び中間値(middle)としているが、実際には具体的な数値によって設定される(以下において同様である)。
【0048】
そして、設定した各加工条件の下で、該当する工具及びワークを用いて試加工を行い、「加工時間」、「加工精度」、「工具寿命」、「切削効率」、「主軸モータ負荷」及び「送りモータ負荷」の各評価項目について実測を行う。ここで、「加工時間」はワークの所定体積を加工するのに要する時間であり、「加工精度」は所定体積加工後の当該ワークの表面粗さである。また、「主軸モータ負荷」は所定体積を加工する間に主軸モータに作用する平均負荷であり、「送りモータ負荷」は所定体積を加工する間に送りモータに作用する平均負荷である。また、「切削効率」は単位電力あたりの切削体積であり、所定体積を加工する間に要した主軸モータ及び送りモータの積算電力を計測し、前記所定体積を積算電力で除算することによって算出することができる。また、「工具寿命」は工具の摩耗量が所定量に至るまでの加工時間である。
【0049】
前記達成度は、前記各評価項目のそれぞれについて、実測された全データの最大値及び最小値によって規定される範囲内において、各加工条件における値がどのレベル(達成レベル)にあるかを表すものであり、例えば、最大値を「100」とし、最小値を「0」とした場合に、ある加工条件における値が最大値と最小値の丁度真中の値である場合には、達成度(達成レベル)は「50」となる。
【0050】
斯くして、上記の試加工によって得られた各評価項目についての実測値を基に、前記各加工条件下における前記各評価項目についてその達成度を算出して、対応する加工条件と、達成度とを相互に関連付けて前記達成度データ記憶部11に格納する。尚、この加工条件と達成度に関するデータは、工具の種類、工具材質及びワーク材質によって異なるため、工具の種類、工具材質及びワーク材質ごとに上記試加工によって取得され、この工具の種類、工具材質及びワーク材質ごとにデータテーブルとして前記達成度データ記憶部11に格納される。
【0051】
前記表示画面生成部10は、表示装置8に表示される表示画面を生成する機能部であり、この表示画面生成部10によって生成された画面が、前記表示制御部9による制御の下で、前記表示装置8に表示される。
【0052】
この表示画面生成部10によって生成される表示画面には様々なものがあり、例えば、表示画面生成部10は、数値制御装置1が起動された後に最初に表示する画面であって、他の表示画面を選択可能な初期画面や、前記達成度データ記憶部11に格納された
図2に示す達成度データを表示する画面、前記基礎データ記憶部12に格納されたデータを表示する画面、前記NCプログラム記憶部14に格納されたNCプログラムを表示する画面の他、
図3−
図6に示すような表示画面を生成して、前記表示装置8に表示させる。尚、初期画面以外の表示画面は、表示画面生成部10が、前記表示装置8に表示される表示画面上で選択される信号を前記入力制御部6から受信することによって、当該表示画面生成部10により生成される。
【0053】
図3に示した表示画面は、前記NCプログラム記憶部14に格納されたNCプログラムを編集、又は再生成するための表示画面であり、この表示画面には、NCプログラムを表示する領域R1及びNCプログラムの一覧を表示する領域R2が設定されており、更に、達成度を確認するためのキーK1、NCプログラム編集用のキーK2及びNCプログラム再生成用のキーK3が表示される。
【0054】
表示画面生成部10は、前記NCプログラム記憶部14を参照して、当該NCプログラム記憶部14に格納されているNCプログラムのプログラム番号の一覧を作成し、作成したプログラム番号の一覧を前記領域R2に表示する。そして、ポインタP等を用いて、表示された一覧の中から任意のプログラム番号が選択されると、表示画面生成部10は選択されたNCプログラムを前記NCプログラム記憶部14から読み出して前記領域R1内に表示する。
【0055】
そして、前記ポインタP等を用いて、領域R1に表示されたNCプログラムの一つの加工工程(工程番号)が選択され、前記達成度確認キーK1が選択されると、表示画面生成部10は、
図4に示す表示画面を生成して、表示制御部9を介して表示装置8に表示する。尚、
図3に示した例では、ポインタPを用いて、フェイスミルの加工工程である工程N20が選択されている。
【0056】
図4に示した表示画面には、選択された加工条件下における前記各評価項目の達成度を図形によって表示する領域R3、及び前記達成度記憶部11に格納された加工条件に対応した符号、即ち、加工条件のリストを表示する領域R4が設定されており、また、加工条件を更新するためのキーK4、及び元の画面、即ち、
図3に示した画面に戻るためのキーK5が表示される。
【0057】
前記領域R4には、
図3に示した画面で選択された加工工程における加工条件であることを示す「現在」という文字と、その下に、
図2に示した各加工条件に対応する符号が表示され、この符号の表示は、前記入力装置5から入力される操作信号によってスクロールされる。また、「現在」及び各符号の横には、前記領域R3で表示される指標図形と線種が表示される。
【0058】
前記領域R3には、「現在」の加工条件下での各評価項目についての達成度と、ポインタPを用いて選択された加工条件下での各評価項目についての達成度とを表す画像が表示される。この画像は、前記表示画面生成部10によって生成され、表示画面生成部10は、まず、前記評価項目ごとに、例えば、上述したように、達成度の最大値を「100」とし、最小値を「0」とした範囲に応じた長さを有するスケールとしての軸状図形を設定するとともに、各軸状図形を、その最小値側の軸端が所定の基準点に位置し、且つ該基準点を中心として放射状に等角度間隔となるように配置した図形を生成する。尚、各軸状図形の最大値側の端部近傍には、対応する評価項目に係る文字が表示される。また、隣接する軸状図形の最大値側の端部同士を線分(
図4に示す例では一点鎖線)で結んでいる。このように表示される図形は正六角形を示し、各軸状図形は正六角形の対角線を構成する。
【0059】
次に、表示画面生成部10は、
図3の画面で選択されたNCプログラム中に含まれたワーク情報を基に、詳しくは後述する前記基礎データ記憶部12内に格納されたデータを参照して、当該ワークの材質を認識し、同じく
図3の画面で選択されたNCプログラムの加工工程で使用される工具番号を基に、前記基礎データ記憶部12内に格納されたデータを参照して、当該工具番号に対応した工具の種類及びその材質を認識する。また、表示画面生成部10は、選択された加工工程のNCプログラム等を解釈して、現在の加工条件、即ち、現在の切削速度、送り速度、切込幅及び切込深さを認識する。そして、表示画面生成部10は、認識された工具の種類及びその材質、ワーク材質並びに加工条件を基に、前記達成度データ記憶部11を参照して、この工具の種類及びその材質、並びにワーク材質に対応したデータテーブル(以下、「対応データテーブル」という)を認識し、この対応データテーブルの中から、現在の加工条件下での前記各評価項目についての達成度を認識する。尚、解釈された切削速度、送り速度、切込幅及び切込深さの値が、達成度データ記憶部11に格納されたものと一致しない場合には、最も近い値のものを選択する。
【0060】
次に、表示画面生成部10は、得られた現在の加工条件下での各評価項目についての達成度を示す指標図形(
図4に示した例では、白抜きのひし形の図形)を、対応する軸状図形上において、その達成度に応じた比率の長さ位置に配置するとともに、隣接する指標図形を相互に線分(
図4に示した例では破線)で結んだ図形を生成する。
【0061】
また、表示画面生成部10は、上述したように、前記ポインタPを用いて、領域R4に表示された加工条件リストの中から特定の加工条件が選択されると、選択された加工条件を基に、前記達成度データ記憶部11に格納された前記対応データテーブルを参照して、当該加工条件下での各評価項目についての達成度を認識し、認識した達成度を示す指標図形(
図5及び6に示した例では、黒丸の図形)を、対応する軸状図形上において、その達成度に応じた比率の長さ位置に配置するとともに、隣接する指標図形を相互に線分(
図5及び6に示した例では実線)で結んだ図形を生成する。尚、その際、前記領域R3において、選択された符号の横には、対応する線種と指標図形が表示される(
図5及び6に示した例では実線と黒丸の図形)。
【0062】
尚、表示画面生成部10は、前記ポインタPを用いて、領域R4に表示された加工条件リストの中から特定の加工条件が選択される度に、これに応じた指標図形及び線分図形を生成する。
図5は、加工条件「C2」を選択した場合の図形を示し、
図6は、加工条件「C27」を選択した場合の図形を示している。
【0063】
[他の構成]
次に、前記加工状態表示装置3以外の各構成について説明する。
【0064】
前記基礎データ記憶部12は、NCプログラムを生成するために必要な基礎データを記憶する機能部であり、前記入力制御部6による制御の下で、前記入力装置5から入力された前記基礎データを記憶する。
【0065】
尚、前記基礎データ記憶部12に格納される基礎データには、例えば、工作機械の固有情報、外径加工,内径加工、溝加工や平面加工といった加工工程に係る情報、各加工工程における加工方法(例えば、旋削加工、等高線加工や走査線加工)に係る情報、工具番号,その種類,材質,寸法といった工具の緒元に係る情報、並びにワークの材質及び工具の材質に応じた加工条件(切削速度、送り速度、切込幅及び切込深さ)に係る情報などの一般的なデータベースとなる共通情報が含まれる。
【0066】
また、この基礎データには、NCプログラムを生成するための、具体的な加工品に係る個別情報、例えば、素材の材質、形状及び寸法に係る情報、加工仕上り形状及び寸法、並びに設定された加工工程に係る情報(例えば、加工領域や加工方法)の他、各加工工程で使用される工具に係る情報などが含まれ、この個別情報がプログラム番号に関連付けられて基礎データ記憶部12に格納されている。
【0067】
前記NCプログラム生成部13は、前記基礎データ記憶部12に格納された基礎データを基に、NCプログラムを自動生成し、生成したNCプログラムを前記NCプログラム記憶部14に格納する処理を行う。
【0068】
具体的には、NCプログラム生成部13は、前記入力装置5からプログラム番号が指定され、NCプログラムの生成指令が入力されると、基礎データ記憶部12に格納された当該プログラム番号に対応した前記個別情報を認識し、前記共通情報を適宜参照しながら、設定された加工工程ごとにツールパスを生成するとともに、生成したツールパスに対して適切な切削速度及び送り速度を設定した後、得られたツールパス、切削速度及び送り速度を適宜処理によりNCコードに変換してNCプログラムを生成する。
【0069】
また、NCプログラム生成部13は、
図3に示した画面において、NCプログラム再生成用のキーK3がポインタPにより選択されると、現在選択されているプログラム番号に対応した加工品について、上記と同様にしてNCプログラムを再生成する処理を行う。
【0070】
前記NCプログラム記憶部14は、NCプログラムを記憶する機能部であり、NCプログラム生成部13によって生成されたNCプログラムがプログラム番号に関連付けられて格納される。
【0071】
前記基礎データ更新部15は、
図5や
図6に示した画面において、ポインタPを用いて加工条件更新用のキーK4が選択されたとき、同じくポインタPを用いて選択されている加工条件データにより、前記基礎データ記憶部12に格納された共通情報としての加工条件データであって、前記選択された加工条件に対応する工具の種類、その材質及びワーク材質に係る加工条件データを更新する処理を行う。
【0072】
前記NCプログラム編集部16は、
図5又は
図6に示した画面で加工条件更新用キーK4が選択され、前記基礎データ記憶部12に格納された加工条件データが前記基礎データ更新部15によって更新されている場合に、
図3に示した画面において、NCプログラム編集用のキーK2がポインタPによって選択されると、領域R1に表示された現在選択されている加工工程のNCプログラムを更新された加工条件に沿って編集する処理を行う。例えば、更新された切削速度となるようにNCプログラム中の主軸回転速度を変更し、また、更新された送り速度となるようにNCプログラム中の送り速度を変更する。また、可能である場合には、更新された切込幅や切込深さとなるようにツールパスを変更する。
【0073】
以上の構成を備えたNCプログラム生成・編集装置2によれば、加工状態表示装置3により、選択された加工条件下での前記各評価項目についての達成度が表示装置8に表示される。
【0074】
即ち、前記表示装置8には、まず、前記表示画面生成部10によって生成された
図3に示す画面が表示される。この表示画面は、前記NCプログラム記憶部14に格納されたNCプログラムを編集、又は再生成するための表示画面であり、領域R2に表示されるNCプログラムのリストから、ポインタPを用いて任意のNCプログラムが選択されると、当該NCプログラムが領域R1に表示される。
【0075】
そして、この領域R1に表示されたNCプログラムの一つの加工工程(工程番号)が前記ポインタPを用いて選択され、ついで、同じくポインタPを用いて達成度確認キーK1が選択されると、上記のようにして、前記表示画面生成部10により、
図4に示すような、当該加工工程の前記各評価項目についての達成度を示す図形が生成され、生成された図形が前記表示装置8に表示される。
【0076】
図4に示した画面の領域R3に表示される各軸状図形はスケールを表すもので、その各外端が最大値である「100」を示し、ひし形をした指標図形は、上記のようにして選択された加工工程の加工条件(現在の加工条件)下での各評価項目の達成度を示している。斯くして、この加工状態表示装置3によれば、オペレータは、既成のNCプログラムの特定の加工工程を選択することで、当該加工工程における各評価項目についての達成度、即ち、加工効率、加工コスト及び加工精度についての達成度を総合的にしかも視覚的に認識することができる。尚、
図4に示した例では、加工時間及び切削効率については良好であるが、工具寿命、加工精度、主軸モータ負荷及び送りモータ負荷については好ましい状態であるとは言えず、総合的にバランスの悪い加工となっていることが分かる。
【0077】
そして、
図4に示した画面において、例えば
図5に示すように、ポインタPを用いて加工条件C2が選択されると、表示画面生成部10により、前記達成度データ記憶部11に格納されたデータが参照されて、当該加工条件C2における各評価項目についての達成度が認識され、認識された達成度を示す黒丸の指標図形が対応する各軸状図形上において、その達成度に応じた比率の長さ位置に配置されるとともに、隣接する各指標図形を相互に実線で結んだ図形が生成され、生成された図形が表示装置8に表示される。尚、
図5では、選択された加工条件がC2の場合の達成度を黒丸の図形で示し、
図6では、選択された加工条件がC27の場合の達成度を黒丸の図形で示している。
【0078】
このように、現在の加工条件下における達成度が表示された状態で、前記達成度データ記憶部11に格納された各加工条件下での達成度を適宜選択しながら表示させることで、オペレータは、現在の加工条件における達成度と、他の加工条件における達成度とを比較して認識することができるので、各加工条件の良否を総合的な観点から容易に判断することができ、また、各評価項目について総合的にバランスのとれた加工条件を容易に認識することができる。
【0079】
因みに、
図5に示した例では、現在の加工条件の方が加工条件C2よりも、各評価項目についての達成度が総合的に見てバランスしており、現在の加工条件の方が加工条件C2よりも優れていることが分かる。一方、
図6に示した例では、加工条件C27の方が現在の加工条件よりも、各評価項目についての達成度が総合的にバランスしており、加工条件C27の方が現在の加工条件よりも優れていることが分かる。
【0080】
そして、以上のようにして、各評価項目について総合的にバランスのとれた加工条件が確認され、ポインタPを用いて
図4−
図6に示した加工条件更新キーK4が選択されると、前記基礎データ更新部15により、選択されている加工条件で、前記基礎データ記憶部12に格納された共通情報としての加工条件データが更新される。
【0081】
尚、本例では、選定すべき加工条件のリストを表示し、このリストの中から適宜加工条件を選択するようにしているので、オペレータは、選択すべき加工条件の特定を容易に行うことができる。
【0082】
ついで、ポインタPを用いて
図3の画面に戻るためのキーK5が選択されると、表示制御部9は
図3に示した画面を再度、表示装置8に表示させる。
【0083】
そして、この
図3に示した画面において、ポインタPを用いてNCプログラム再生成キーK3が選択されると、前記NCプログラム生成部13により、現在選択されているプログラム番号に対応した加工品について、前記基礎データ記憶部12に格納されたデータ(更新済みの加工条件データを含む)を用いて、当該プログラム番号に対応したNCプログラムが再生成され、前記NCプログラム記憶部14に格納された対応する既成のNCプログラムが、再生成されたNCプログラムによって更新される。
【0084】
一方、
図3の画面において、ポインタPを用いてNCプログラム編集キーK2が選択されると、前記領域R1に表示された現在選択されている加工工程のNCプログラムを、更新された加工条件に沿って編集する処理、即ち、更新された切削速度となるようにNCプログラム中の主軸回転速度を変更し、また、更新された送り速度となるようにNCプログラム中の送り速度を変更し、また、可能である場合には、更新された切込幅や切込深さとなるようにツールパスを変更する処理を行い、編集後のNCプログラムをNCプログラム記憶部14に格納する処理を行う。
【0085】
斯くして、このNCプログラム生成・編集装置2によれば、前記加工状態表示装置3を用いて、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る各評価項目を総合的に判断した良好な加工条件を選定すると共に、選定された加工条件で前記基礎データ記憶部12に格納された対応する加工条件を更新し、更新された加工条件でNCプログラムを再生成することができるので、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る各評価項目について、これらが総合的にバランスのとれた良好なNCプログラムを自動的に生成することができる。
【0086】
また、このNCプログラム生成・編集装置2によれば、既成のNCプログラムの任意の加工工程に係る部分を、加工効率、加工コスト及び加工精度に係る各評価項目について、これらが総合的にバランスのとれた良好なものとなるように、部分的に自動修正することができる。
【0087】
以上、本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明が採り得る態様は何らこれに限定されるものではない。
【0088】
例えば、上述した例では、前記領域R3に表示される達成度に係る図形について、各評価項目に対応した軸状図形を、その最小値側の軸端が所定の基準点に配置されるとともに、該基準点を中心として放射状に等角度間隔となるように配置される図形としたが、これに限られるものではなく、前記各評価項目に係る達成度を総合的に評価できる態様であれば、前記軸状図形をどのように配置したものであっても良い。
【0089】
例えば、前記軸状図形を配置する他の態様として、
図7に示した態様を例示することができる。
図7に示した例では、前記軸状図形は、これらが相互に平行且つその両端部の位置が軸方向に揃った状態となるように配置される。軸状図形をこのような配置しても、オペレータは、各評価項目についての達成度について、これらが総合的にバランスがとれているか否かを視覚的に認識することができる。
【0090】
尚、
図7において、現在の加工条件の達成度を示す白抜きのひし形の指標図形については、隣接する指標図形同士を破線で結び、選択された加工条件C27の達成度を示す黒丸の指標図形については、隣接する指標図形同士を実線で結んでいる。
【0091】
或いは、前記領域R3に表示する達成度の表示態様は、当該達成度を示す図形ではなく、各達成度を文字で表示する態様であっても良く、前記表示画面生成部10は、このような表示画面を生成するように構成されていても良い。
【0092】
また、前記評価項目は上述したものに限られるものではなく、これよりも多い項目数としても、或いはこれよりも少ない項目数としても良い。