(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-23568(P2018-23568A)
(43)【公開日】2018年2月15日
(54)【発明の名称】生体用電極及び生体用電極付き着用具
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0408 20060101AFI20180119BHJP
A61B 5/0478 20060101ALI20180119BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20180119BHJP
【FI】
A61B5/04 300M
A61B5/04 300W
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-157105(P2016-157105)
(22)【出願日】2016年8月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(74)【代理人】
【識別番号】100089886
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】江尻 孝一郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 晴彦
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB23
4C053BB36
4C127LL13
4C127LL22
(57)【要約】
【課題】一定の面積を有する接触面が生体の表面に好適に密着し、且つ、好適な電気分布が得られる生体用電極及び生体用電極付き着用具の提供。
【解決手段】この生体用電極1は、互いに距離を置いて配置された多数の電極体4,4...を有する電極シート3と、電極シート3と重ね合わされた導電性布部5とを備え、電極シート4は、隣り合う電極体4,4を接続する伸縮線材31,31...を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成され、生体に追従して好適に変形することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体表面に接触し、生体と電気的に接続される生体用電極において、
互いに距離を置いて配置された多数の電極体を有する電極シートと、該電極シートと重ね合わされた導電性布部とを備え、
前記電極シートは、隣り合う電極体を連結する伸縮線材を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成されていることを特徴としてなる生体用電極。
【請求項2】
前記伸縮線材は、その一部又は全部が導電性伸縮線材である請求項1に記載の生体用電極。
【請求項3】
前記電極シートは、中心に位置する電極体が機器類と接続されるようにしている請求項1又は2に記載の生体用電極。
【請求項4】
前記伸縮線材は、その全てが絶縁性伸縮線材であって、前記各電極体がそれぞれ機器類と接続されるようにしている請求項1に記載の生体用電極。
【請求項5】
着用具を構成する絶縁性布部と一体化した生体用電極を備え、前記着用具を着用することにより前記生体用電極が生体表面に密着するようにした生体用電極付き着用具において、
前記生体用電極は、互いに距離を置いて配置された多数の電極体を有する電極シートと、該電極シートと重ね合わされた導電性布部とを備え、
前記電極シートは、前記隣り合う電極体を連結する伸縮線材を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成され、
前記絶縁性布部、前記電極シート及び前記導電性布部が積層配置に一体化されていることを特徴としている生体用電極付き着用具。
【請求項6】
前記伸縮線材は、その一部又は全部が導電性伸縮線材である請求項5に記載の生体用電極付き着用具。
【請求項7】
前記電極シートは、中心に位置する電極体が機器類と接続されるようにしている請求項5又は6に記載の生体用電極付き着用具。
【請求項8】
前記伸縮線材は、その全部が絶縁性伸縮線材であって、前記各電極体がそれぞれ機器類と接続されるようにしている請求項5に記載の生体用電極付き着用具。
【請求項9】
前記着用具は、衣類である請求項5〜8の何れか1に記載の生体用電極付き着用具。
【請求項10】
前記着用具は、筋肉、関節又は靭帯を覆う帯状、筒状、靴下状又は手袋状の装着具である請求項5〜8の何れか1に記載の生体用電極付き着用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体等の生体に接触させ、主に筋肉の刺激や身体情報の計測等に使用される生体用電極及び生体用電極付き着用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、低周波治療器などのように、人体の所望の位置に電極を接触させ、当該電極を通して筋肉に電気的刺激を与えることによって治療する装置が知られている。
【0003】
このような装置に使用される生体用電極は、皮膚に接触させるため、一般的な金属製の電極では、人体に対する十分な接触面積を確保し難く、また、接触面が人体の動作に伴う皮膚形状の変化に追随できないという問題がある。
【0004】
そこで、従来では、金属製の電極本体と皮膚との間に食塩水等の導電性媒体を含浸させたガーゼを介在させ、ガーゼと電極本体とをバンド等によって固定し、人体に対する接触面積と皮膚形状の変化に対する追随性を確保していた。
【0005】
また、導電性布を衣服に織り込むことにより一定面積を有する面状電極を形成し、その面状電極に接続端子を接続したものを使用し、衣服を着用することで電極が人体の所望の位置に接触し、皮膚形状に追従するようにしたウェアラブル装置用の生体用電極も開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−349021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、電極本体より供給される電流が食塩水等の導電性媒体を介して供給されるため電流が分散し、効率よく筋肉に刺激を与えることができないおそれがあった。
【0008】
また、導電性布からなる面状電極では、面状電極が一定の面積を有するため、実際に刺激する位置が接続端子から離れているとその分の電気抵抗も大きくなりその部分における電気信号の出力が低下するおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、一定の面積を有する接触面が生体の表面に好適に密着し、且つ、好適な電気分布が得られる生体用電極及び生体用電極付き着用具の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、生体表面に接触し、生体と電気的に接続される生体用電極において、互いに距離を置いて配置された多数の電極体を有する電極シートと、該電極シートと重ね合わされた導電性布部とを備え、前記電極シートは、隣り合う電極体を連結する伸縮線材を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成されている生体用電極にある。
【0011】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記伸縮線材は、その一部又は全部が導電性伸縮線材であることにある。
【0012】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記電極シートは、中心に位置する電極体が機器類と接続されるようにしていることにある。
【0013】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記伸縮線材は、その全てが絶縁性伸縮線材であって、前記各電極体がそれぞれ機器類と接続されるようにしていることにある。
【0014】
請求項5に記載の発明の特徴は、着用具を構成する絶縁性布部と一体化した生体用電極を備え、前記着用具を着用することにより前記生体用電極が生体表面に密着するようにした生体用電極付き着用具において、前記生体用電極は、互いに距離を置いて配置された多数の電極体を有する電極シートと、該電極シートと重ね合わされた導電性布部とを備え、前記電極シートは、前記隣り合う電極体を連結する伸縮線材を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成され、前記絶縁性布部、前記電極シート及び前記導電性布部が積層配置に一体化されている生体用電極付き着用具にある。
【0015】
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項5の構成に加え、前記伸縮線材は、その一部又は全部が導電性伸縮線材であることにある。
【0016】
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項5又は6の構成に加え、前記電極シートは、中心に位置する電極体が機器類と接続されるようにしていることにある。
【0017】
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項5の構成に加え、前記伸縮線材は、その全てが絶縁性伸縮線材であって、前記各電極体がそれぞれ機器類と接続されるようにしていることにある。
【0018】
請求項9に記載の発明の特徴は、請求項5〜8の何れか1の構成に加え、前記着用具は、衣類であることにある。
【0019】
請求項10に記載の発明の特徴は、請求項5〜8の何れか1の構成に加え、前記着用具は、筋肉、関節又は靭帯を覆う帯状、筒状、靴下状又は手袋状の装着具であることにある。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る生体用電極は、上述したように、生体表面に接触し、生体と電気的に接続される生体用電極において、互いに距離を置いて配置された多数の電極体を有する電極シートと、該電極シートと重ね合わされた導電性布部とを備え、前記電極シートは、隣り合う電極体を連結する伸縮線材を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成されていることにより、生体に対する一定の接触面積を確保しつつ、密着した状態で生体の表面変動に好適に追随でき、多極化によって良好な電気分布が得られ、電流の分散や部分的な出力低下を好適に防止することができる。
【0021】
また、本発明において、前記伸縮線材は、その一部又は全部が導電性伸縮線材であることことにより、伸縮線材と絶縁性伸縮線材との組み合わせによって用途に応じた回路を構成することができる。さらに、伸縮線材の全てが導電性伸縮線材である場合、高電導性を有する電極シートとすることができる。
【0022】
更にまた、本発明において、前記電極シートは、中心に位置する電極体が機器類と接続されるようにしていることにより、中心電極体から同じ距離にある電極体までの電気抵抗値が均等になり、電極体間の電位差を低減することができる。
【0023】
また、本発明において、前記伸縮線材は、その全てが絶縁性伸縮線材であって、前記各電極体がそれぞれ機器類と接続されるようにしていることにより、各電極体が機器類に対し並列に接続され、各電極体に均等に電力を供給することができる。
【0024】
また、本発明において、着用具を構成する絶縁性布部と一体化した生体用電極を備え、前記着用具を着用することにより前記生体用電極が生体表面に密着するようにした生体用電極付き着用具において、前記生体用電極は、互いに距離を置いて配置された多数の電極体を有する電極シートと、該電極シートと重ね合わされた導電性布部とを備え、前記電極シートは、前記隣り合う電極体を連結する伸縮線材を備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成され、前記絶縁性布部、前記電極シート及び前記導電性布部が積層配置に一体化されていることにより、生体用電極を生体の所望の位置に密着させることができ、且つ、生体に対する一定の接触面積を確保しつつ、密着した状態で生体の表面変動に好適に追随でき、多極化によって良好な電気分布が得られ、電流の分散や部分的な出力低下を好適に防止することができる。
【0025】
更に、本発明において、前記伸縮線材は、その一部又は全部が導電性伸縮線材であること、前記電極シートは、中心に位置する電極体が機器類と接続されるようにしていること、又は、前記伸縮線材は、その全てが絶縁性伸縮線材であって、前記各電極体がそれぞれ機器類と接続されるようにしていることにより、着用具の用途に応じた最適な電極シートの回路設計が可能となる。
【0026】
また、本発明において、前記着用具が衣類であることにより、着用によって容易に生体用電極を生体表面に接触させることができ、また、前記着用具が筋肉、関節又は靭帯を覆う帯状、筒状、靴下状又は手袋状の装着具であることにより、目的に応じて生体の局部に生体用電極を密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係る生体用電極付き着用具の一例を示す正面図である。
【
図2】
図1中の生体用電極を示す部分拡大断面図である。
【
図3】(a)は電極シートの一例を示す平面図、(b)は同シートを使用した際の概略回路図である。
【
図5】電極シートのさらに他の一例を示す平面図である。
【
図6】電極シートのさらに他の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明に係る生体用電極及び生体用電極付き着用具の実施態様を
図1〜
図6に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は生体用電極、符号2は生体用電極付き着用具である。
【0029】
生体用電極付き着用具2は、
図1に示すように、衣類21を構成する絶縁性布部22と一体化した生体用電極1を備え、生体用電極1を機器類7に電気的に接続することによって、生体6を媒介させた電気回路を有する装置を構成するようになっている。尚、図中符号71は、生体6又はその他の部分に接触させるGND用電極である。
【0030】
絶縁性布部22は、ポリエステル等の化学繊維によって伸縮性及び柔軟性を備えた布状に形成され、衣類2は、絶縁性布部22によってシャツ状、バンド状、ソックス状等の用途に適した態様に形成され、着用により生体6に密着するようになっている。
【0031】
生体用電極1は、
図2に示すように、互いに距離を置いて配置された多数の電極体4,4...を有する電極シート3と、電極シート3と重ね合わされた導電性布部5とを備え、導電性布部5を生体6の表面に密着させて使用するようになっている。
【0032】
電極シート3は、
図3〜
図6に示すように、半球状の電極体4,4...と、隣り合う電極体4,4を連結する伸縮線材とを備え、伸縮性及び柔軟性を備えた網目シート状に形成されている。
【0033】
電極体4は、表面が金メッキ等の導電性金属によりメッキ処理された半球状に形成され、各電極体4,4間が伸縮線材31,31...によって導通した状態に連結されている。尚、電極体4の形状は、半球状に限定されず、球状であってもよい。
【0034】
伸縮線材には、導電性を有する導電性伸縮線材31,31...と、絶縁性を有する絶縁性伸縮材32,32...とがあり、電極シート3は、
図3に示す伸縮線材の全てが導電性伸縮線材31,31である場合、
図4に示す伸縮線材の全てが絶縁性伸縮線材32,32である場合、
図5、
図6に示す伸縮線材の一部が導電性伸縮線材31であって、その他の部分が絶縁性伸縮線材32である場合の何れかの態様が生体用電極1の用途に応じて適宜選択されるようになっている。
【0035】
導電性伸縮線材31は、例えば、らせん状に撚り合わされた導電性線材と、逆方向に撚り合わされた伸縮性及び可撓性を有する弾性繊維材とを編み合わせることにより、線軸方向及び曲げ方向に変形自在であるとともに復元性を備えている。この伸縮線材31は、芯材を有しておらず、好適に線軸方向及び曲げ方向に変形できるようになっている。
【0036】
尚、導電性伸縮線材31は、上述の態様に限定されず、例えば、弾性を有する樹脂等の材料に導電性材料を混練して線材状に加工したものであってもよい。
【0037】
一方、絶縁性伸縮線材32は、弾性を有する絶縁性の樹脂繊維によって構成され、線軸方向及び曲げ方向に変形自在であるとともに復元性を備えている。
【0038】
図3に示す電極シート3は、隣り合う各電極体4,4...間がそれぞれ導電性伸縮線材31,31によって接続され、各電極体4,4間が導通されるとともに、各電極体4,4間が線軸方向及び曲げ方向に変形可能に連結されている。
【0039】
この電極シート3では、中心に位置する電極体4に接続端子(特に図示せず)を備え、その中心位置の電極体4が機器類7と接続されるようにすることが好ましく、それによって、中心電極体4から同じ距離にある電極体4までの電気抵抗値が均等になり、電極体4,4間の電位差を低減することができる。
【0040】
一方、
図4に示す電極シート3は、電極体4,4間が全て絶縁性伸縮線材32,32...によって連結され、各電極体4,4がそれぞれ機器類7と接続されるようにしている。よって、各電極体4,4は、機器類7に対し並列に接続され、均等に電力が供給(信号が印加)されるようになっている。
【0041】
図5に示す電極シート3は、互いに交差する一方向(網目の縦方向)で隣り合う電極体4,4...が導電性伸縮線材31で接続され、他方向(網目の横方向)で隣り合う電極体4,4がそれぞれ絶縁性伸縮線材32で連結され、縦方向に連なる電極体4,4...からなる複数の直列回路部41,41...を備え、各直列回路部41,41がそれぞれ機器類7に並列接続されるようにしている。
【0042】
また、
図6に示す電極シート3は、互いに交差する一方向(網目の縦方向)で隣り合う電極体4,4...がそれぞれ導電性伸縮線材31で接続されるとともに、所定の縦列端部電極体4,4間が導電性伸縮線材31で接続され、その他の隣り合う電極体4,4間が絶縁性伸縮線材32で連結されている。これにより、電極シート3は、図中一点鎖線で示すように、折り返し配置に全ての電極体4,4...が直列に接続されている。
【0043】
尚、電極シート3の態様は、
図3〜6の態様に限定されず、導電性伸縮線材31又は絶縁性伸縮線材32の配置及び組み合わせ、機器類7に接続される電極体4の位置及び数量等によって、用途に適した回路を形成できる。
【0044】
導電性布部5は、ナノファイバー等の極細の化学繊維によって伸縮性、柔軟性を備えた布状又はシート状に形成され、化学繊維間に導電性高分子が含浸されることにより布部全体が導電性を備えている。
【0045】
また、導電性布部5は、その周縁部を絶縁性布部22に固定する固定手段を備え、導電性布部5が絶縁性布部22に固定されることにより、絶縁性布部22と導電性布部5との間に電極シート3が挟持され、絶縁性布部22、電極シート3及び導電性布部5が積層配置に一体化されるようになっている。
【0046】
導電性布部5を絶縁性布部22に固定する手段は、特に限定されないが、例えば、導電性布部5を構成する繊維と絶縁性布部22を構成する繊維とを編み込むようにしてもよく、導電性布部5の周縁を熱融着させてもよく、縫い付け又は貼り付けてもよい。
【0047】
そして、この導電性布部5は、電極シート3と重ね合わせることにより各電極体4,4...と接触した状態が維持され、、導電性布部5と電極シート3とが電気的に接続した状態で互いに追随して変形できるようになっている。
【0048】
このように構成された生体用電極付き着用具2は、絶縁性布部22が伸縮性を有していることによって、着用とともに衣類21が生体6の表面に密着し、それに伴い絶縁性布部22と一体化した生体用電極1も生体6に密着する。
【0049】
その際、生体用電極1は、繊維からなる導電性布部5が生体表面に密着するので、良好な肌触りと生体6に対する一定の接触面積が得られるようになっている。
【0050】
一方、この生体用電極1は、導電性布部5が伸縮性及び柔軟性を備えているので生体6の動作に追随して変形し、生体6に密着した状態が維持されるとともに、電極シート3の隣り合う各電極体4,4間を連結する伸縮線材、即ち、導電性伸縮線材31又は絶縁性伸縮線材32がそれぞれ伸縮性及び柔軟性を備えているので、電極シート3が導電性布部5の変形に追随する。
【0051】
その際、多極配置の電極体4,4と導電性布部5とは、常に接触しているので、導電性布部5のどの位置においても、電極シート3の回路に応じた好適な電気分布を得られるようになっている。
【0052】
尚、上述の実施例では、主に電極シート3の中心に位置する電極体4が機器類7と接続されるようにした例について説明したが、用途に応じて電極シート3を構成するどの電極体4,4...が機器類7と接続されてもよい。
【0053】
また、上述の実施例では、着用具2としてシャツ等の衣類を使用した例について説明したが、衣類の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、ベスト状、腹巻状等であってもよい。
【0054】
更に、着用具2の態様は、衣類に限定されず、例えば、筋肉、関節又は靭帯を覆う帯状、筒状、靴下状又は手袋状の装着具(所謂サポーター)等であってもよい。
【0055】
また、上述の実施例では、生体用電極付き着用具2について説明したが、本発明に係る生体用電極1は、上述の実施例に示す着用具の他、椅子、寝床、その他の生体に接触して使用するものにも適用することができる。
【0056】
また、生体は、人体に限定されず、ペットや家畜等の動物にも適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 生体用電極
2 生体用電極付き着用具
21 衣類
22 絶縁性布部
3 電極シート
31 伸縮線材
32 絶縁性伸縮線材
4 電極体
41 直列回路部
5 導電性布部
6 生体
7 機器類
71 GND用電極