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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-25984(P2018-25984A)
(43)【公開日】2018年2月15日
(54)【発明の名称】接近者監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20180119BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20180119BHJP
【FI】
   G08B21/02
   G08B25/00 510K
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-157664(P2016-157664)
(22)【出願日】2016年8月10日
(11)【特許番号】特許第6208826号(P6208826)
(45)【特許公報発行日】2017年10月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000220572
【氏名又は名称】株式会社トーツー創研
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】今関 洋一
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA52
5C086AA53
5C086CA06
5C086CA11
5C086FA07
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA05
5C087AA10
5C087AA25
5C087AA40
5C087AA44
5C087BB20
5C087DD03
5C087EE05
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG12
5C087GG66
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業者と危険個所とが離れている作業現場において、直接感知できない危険個所への通行人の侵入・近接を作業者に知らせ、以って、作業現場における通行人が絡む事故を未然に防止する接近者監視システムを提供する。
【解決手段】作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置される子機240と、作業現場において一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機270と、を備える。子機は、作業現場付近の所定範囲内への一般通行人の侵入を検知する手段110と、親機に対し、子機識別情報と共に、所定範囲内への一般通行人の侵入を検知した旨を通知する手段120と、を有する。親機は、子機識別情報と、作業現場付近への一般通行人の接近を作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する記憶手段140と、受信した通知に含まれる子機識別情報と関連付けられる所定の動作を行う手段150と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置される1つ以上の子機と、前記作業現場において前記一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機と、を有する接近者監視システムであって、
一の前記子機が、
前記作業現場付近の所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知する通行人検知手段と、
前記通行人検知手段が検知した場合、前記親機に対し、前記一の子機を識別する子機識別情報と共に、前記所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知した旨を通知する侵入通知手段と、を有し、
前記親機が、
前記子機識別情報と、前記作業現場付近への前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する親機動作記憶手段と、
前記侵入通知手段による通知を受信した場合、該通知に含まれる前記子機識別情報と関連付けられる前記所定の動作を行う親機動作手段と、を有することを特徴とする接近者監視システム。
【請求項2】
前記所定の動作が、前記親機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせる動作であることを特徴とする請求項1に記載の接近者監視システム。
【請求項3】
前記所定の動作が、前記作業者に対し、前記一般通行人が前記一の子機が設置される方向から前記作業現場へ接近していることを報知する動作であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接近者監視システム。
【請求項4】
前記子機が、
前記通行人検知手段が検知した場合、前記子機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人に対し、所定の警告情報を報知する子機動作手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の接近者監視システム。
【請求項5】
前記親機動作記憶手段において、前記侵入通知手段により通知を受けた前記子機識別情報の組合せと、該組合せを構成する前記子機識別情報で識別される前記子機が備える前記通行人検知手段による検知範囲が重なる領域に前記一般通行人が侵入したことを報知する動作と、を関連付けて記憶し、
前記親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知に含まれる前記子機識別情報の組合せと関連付けられる前記所定の動作を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の接近者監視システム。
【請求項6】
作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置される1つ以上の子機と、前記作業現場において前記一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機と、を有する接近者監視システムで行われる接近者監視方法であって、
一の前記子機において、
通行人検知手段が、前記作業現場付近の所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知するステップと、
侵入通知手段が、前記通行人検知手段が検知した場合、前記親機に対し、前記一の子機を識別する子機識別情報と共に、前記所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知した旨を通知するステップと、を含み、
前記子機識別情報と、前記作業現場付近への前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する親機動作記憶手段を有する前記親機において、
親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知を受信した場合、該通知に含まれる前記子機識別情報と関連付けられる前記所定の動作を行うステップ、を含む接近者監視方法。
【請求項7】
前記所定の動作が、前記親機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせる動作であることを特徴とする請求項6に記載の接近者監視方法。
【請求項8】
前記所定の動作が、前記作業者に対し、前記一般通行人が前記一の子機が設置される方向から前記作業現場へ接近していることを報知する動作であることを特徴とする請求項6又は7に記載の接近者監視方法。
【請求項9】
前記子機において、
子機動作手段が、前記通行人検知手段が検知した場合、前記子機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人に対し、所定の警告情報を報知するステップ、を含むことを特徴とする請求項6乃至8の何れか一に記載の接近者監視方法。
【請求項10】
前記親機動作記憶手段において、前記侵入通知手段により通知を受けた前記子機識別情報の組合せと、該組合せを構成する前記子機識別情報で識別される前記子機が備える前記通行人検知手段による検知範囲が重なる領域に前記一般通行人が侵入したことを報知する動作と、を関連付けて記憶し、
前記親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知に含まれる前記子機識別情報の組合せと関連付けられる前記所定の動作を行うことを特徴とする請求項6乃至9の何れか一に記載の接近者監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
作業現場等において、一般通行人に危害を与える事故の発生を防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電話通信工事等の作業現場では、作業区域を表すカラーコーン(登録商標)や警備員を配置すると共に、一般通行人に対し注意喚起を行い、一般通行人を巻き込むような事故の発生防止を図ることが一般的である。なお、作業現場に配置される警備員は、身振りや口頭により一般通行人に対し注意喚起を行うが、作業者に対し、一般通行人が作業現場付近を通る旨の連絡を行うことは無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−053992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、一般通行人が往来するところから離れた場所で作業を行う作業員が、作業現場における危険個所への一般通行人の接近を直接的に把握しつつ、作業を行うことができる環境が構築されていないという問題点がある。
【0005】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、作業者と危険個所とが離れている作業現場において、直接感知できない危険個所への通行人の侵入・近接を作業者に知らせ、以って、作業現場における通行人が絡む事故を未然に防止する接近者監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示する接近者監視システムの一形態は、作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置される1つ以上の子機と、前記作業現場において前記一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機と、を有する接近者監視システムであって、一の前記子機が、前記作業現場付近の所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知する通行人検知手段と、前記通行人検知手段が検知した場合、前記親機に対し、前記一の子機を識別する子機識別情報と共に、前記所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知した旨を通知する侵入通知手段と、を有し、前記親機が、前記子機識別情報と、前記作業現場付近への前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する親機動作記憶手段と、前記侵入通知手段による通知を受信した場合、該通知に含まれる前記子機識別情報と関連付けられる前記所定の動作を行う親機動作手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
開示する接近者監視システムは、作業者と危険個所とが離れている作業現場において、直接感知できない危険個所への通行人の侵入・近接を作業者に知らせ、以って、作業現場における通行人が絡む事故を未然に防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る接近者監視システムの概要を示す図である。
図2】本実施の形態に係る接近者監視システムの機能ブロック図である。
図3】本実施の形態に係る子機の動作を規定するテーブルの一例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る親機動作記憶手段の一例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る子機のハードウエア構成例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る親機のハードウエア構成例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る接近者監視システムによる接近者検知処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る接近者監視システムの動作原理)
【0010】
図1乃至4を用いて、本実施の形態に係る接近者監視システム(以下、単に「監視システム」という。)100の動作原理について説明する。図1は、監視システム100の概要を示す図であり、図2は、監視システム100の機能ブロック図である。
【0011】
図1で示すように、監視システム100は、1台以上の子機240、1台以上の親機270を含む。なお、図1では親機が1台である場合を図示している。子機240は、作業現場210付近において一般通行人230が往来する場所に設置される。親機270は、作業現場210において一般通行人230の往来が見えない位置で作業を行う作業者220が所持する。ここで、作業現場210とは、電話通信工事が行われる場所等であり、例えば、作業者220は電柱に登って作業を行い、一般通行人230は、作業者220の足元を行き来するため、作業者220は一般通行人230の往来を直接的に感知することができない。
【0012】
監視システム100においては、子機240が作業現場210付近の所定領域(監視エリア)への通行人230の侵入(接近)を監視しており、通行人230が監視エリアへ侵入したことを検知すると、その旨を親機270に通知する。子機240からの通知を受けた親機270は、監視エリアへ通行人230が侵入したことを所持者220へ報知する。こうすることによって、作業者220は、作業現場210付近への通行人230の侵入を直接的に感知することができ、その事実を知った上で作業を行うことができる。従って、監視システム100は、そのような環境を提供し、作業現場210における通行人230が絡む事故の発生を未然に防止することができる。
【0013】
図2で示すように、監視システム100は、子機240、親機270を有する。図2では、子機240、親機270ともに、便宜上それぞれ1台ずつ記載している。子機240は、作業現場210付近において通行人230が往来する場所に設置され、例えば、作業現場210の存在を周知させるカラーコーン(登録商標)等に吊設される。親機270は、作業現場210において通行人230の往来が見えない位置で作業を行う作業者220に所持される。
【0014】
子機240は、通行人検知手段110、侵入通知手段120、子機動作手段130を有する。親機270は、親機動作記憶手段140、親機動作手段150を有する。
【0015】
通行人検知手段110は、赤外線、超音波、可視光などを用いて、作業現場210付近の所定範囲(監視エリア)内へ一般通行人230が侵入したことを検知する。検知方式は、一般的な技術によって行われる。通行人検知手段110は、監視エリアを複数に分割し、特定の方向から一般通行人230が侵入したことを検知する形態であっても良い。
【0016】
侵入通知手段120は、通行人検知手段110が監視エリアへの通行人230の侵入を検知した場合、親機270に対し、子機240を識別する子機識別情報250と共に、監視エリア内への通行人230の侵入を検知した旨を通知する。子機識別情報250は、作業現場210を識別する作業現場識別情報を含んでいても良い。こうすることで、通知を行う子機240を一意に識別することができる。
【0017】
子機動作手段130は、通行人検知手段110が監視エリアへの通行人230の侵入を検知した場合、子機240が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、通行人230に対し、所定の警告情報260を報知する。
【0018】
図3で示すように、子機動作手段130は、通行人検知手段110が監視エリアへの通行人230の侵入を検知した場合、スピーカーから「危険ですから気を付けてご通行ください」と報知する。また、通行人検知手段110が通行人230の侵入方向(西から侵入したこと)を検知した場合、それに応じて子機動作手段130は、スピーカーから「北東方向で作業を行っています。気を付けてご通行ください」と報知する。
【0019】
親機動作記憶手段140は、子機識別情報250と、作業現場210付近への通行人230の接近を作業者220に知らせるための所定の動作280と、を関連付けて記憶する。ここで、所定の動作280は、親機270が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、通行人230の接近を作業者220に知らせる動作である。また、所定の動作280は、作業者220に対し、通行人230が子機240の設置される方向から作業現場210へ接近していることを報知する動作であっても良い。
【0020】
図4で示すように、親機動作記憶手段140は、例えば、子機識別情報250:「10001」と、所定の動作280:「エリア1に通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」と、を関連付けて記憶する。また、親機動作記憶手段140は、例えば、子機識別情報250:「10002」と、所定の動作280:「エリア2に通行人230が接近していることを作業員220に、バイブレーション装置を振動させ、かつ、表示装置を使ってメッセージを出力して報知する」と、を関連付けて記憶する。
【0021】
また、図4で示すように、子機240から通行人230の監視エリアへの侵入方向(西から侵入したこと)の通知がある場合、親機動作記憶手段140は、例えば、子機識別情報250:「10001」と、所定の動作280:「エリア1に西側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」と、を関連付けて記憶する。
【0022】
親機動作記憶手段140は、侵入通知手段110により通知を受けた子機識別情報250の組合せと、該組合せを構成する各子機識別情報250で識別される子機240の監視エリアが重なる領域に通行人が侵入したことを報知する動作と、を関連付けて記憶する形態でも良い。
【0023】
図4で示すように、親機動作記憶手段140は、例えば、子機識別情報250の組合せ:「10001」「10002」と、所定の動作280:「南側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」と、を関連付けて記憶する。
【0024】
親機動作手段150は、侵入通知手段120による通知を受信した場合、親機動作記憶手段140において該通知に含まれる子機識別情報250と関連付けて記憶される所定の動作280を特定し、特定した所定の動作280を実行する。
【0025】
親機動作手段150は、侵入通知手段120による通知に通行人230の侵入方向が含まれる場合、親機動作記憶手段140において該通知に含まれる子機識別情報250及び通行人230の侵入方向(付加情報)と関連付けて記憶される所定の動作280を特定し、特定した所定の動作280を実行する。
【0026】
親機動作手段150は、親機動作記憶手段140において該通知に含まれる子機識別情報250の組合せと関連付けて記憶される所定の動作280を特定し、特定した所定の動作280を実行する。
【0027】
図4で示すように、親機動作手段150は、侵入通知手段120による通知に子機識別情報250:「10001」が含まれる場合、動作280:「エリア1に通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出し、抽出した動作280を実行する。親機動作手段150は、侵入通知手段120による通知に子機識別情報250:「10002」が含まれる場合、動作280:「エリア2に通行人230が接近していることを作業員220に、バイブレーション装置を振動させ、かつ、表示装置を使ってメッセージを出力して報知する」を抽出し、抽出した動作280を実行する。
【0028】
図4で示すように、親機動作手段150は、通知に子機識別情報250:「10001」及び侵入方向:「西から侵入したこと」が含まれる場合、動作280:「エリア1に西側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出し、抽出した動作280を実行する。
【0029】
図4で示すように、親機動作手段150は、通知に子機識別情報250:「10001」及び「10002」が含まれる場合、動作280:「南側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出し、抽出した動作280を実行する。
【0030】
上記した処理によって、監視システム100は、作業者220に、作業現場210付近への通行人230の侵入を直接的に感知させることができ、その事実を知った上で作業を行わせる。従って、監視システム100は、そのような環境を提供することによって、作業現場210における通行人230が絡む事故の発生を未然に防止することができる。
【0031】
また、監視システム100は、設置する子機240の台数、子機240の配置、親機動作記憶手段140に記憶させる情報を作業現場210の特性に合わせ適宜変更・調整することによって、特性の異なる作業現場210であっても、通行人230が絡む事故の発生防止に貢献することができる。
(本実施の形態に係る接近者監視システムのハードウエア構成)
(1)子機240のハードウエア構成例
図5を用いて、本実施の形態に係る子機240のハードウエア構成例について説明する。図5は、子機240のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0032】
図5で示すように、子機240は、CPU(Central Processing Unit)310、ROM(Read-Only Memory)320、RAM(Random Access Memory)330、補助記憶装置340、通信I/F350、センサー360、入出力装置370、記録媒体I/F380を有する。
【0033】
CPU310は、ROM320に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM330に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、子機240全体を制御する。ROM320は、CPU310が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM330は、CPU310でROM320に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0034】
補助記憶装置340は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置340は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0035】
通信I/F350は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなど通信ネットワークに接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。また、通信I/F350は、無線通信機能を提供するための無線通信ユニットという捉え方も可能である。
【0036】
センサー360は、子機240を中心とする所定領域への侵入者を検知するセンサーであり、侵入者を検知する原理は赤外線を利用するもの等、特に限定しない。
【0037】
入出力装置370は、入力装置、出力装置を含む。入力装置は、機能設定キーなど子機240にデータ入力を行うための装置であり、出力装置は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、子機240が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する表示装置やスピーカー装置を含む。
記録媒体I/F380は、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリなどの記録媒体390とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0038】
子機240が有する各手段は、CPU310が、ROM320又は補助記憶装置340に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、子機240が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、記録媒体I/F380を介して、記録媒体390から本発明に係るコンピュータプログラムを読み込ませ、子機240に当該コンピュータプログラムを実行させる形態としても良い。
(2)親機270のハードウエア構成例
図6を用いて、本実施の形態に係る親機270のハードウエア構成例について説明する。図6は、親機270のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0039】
図6で示すように、親機270は、CPU410、ROM420、RAM430、補助記憶装置440、通信I/F450、入力装置460、出力装置470、記録媒体I/F480を有する。
【0040】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、親機270全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0041】
補助記憶装置440は、基本ソフトウエアであるOSや本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置440は、親機動作記憶手段140を含み、例えば、HDDやフラッシュメモリなどである。
【0042】
通信I/F450は、有線・無線LAN、インターネットなど通信ネットワークに接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。また、通信I/F450は、無線通信機能を提供するための無線通信ユニットという捉え方も可能である。
【0043】
入力装置460は、タッチパネルや機能設定キーなど親機270にデータ入力を行うための装置である。出力装置470は、LCD等で構成され、親機270が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する表示装置、音声を出力するスピーカー装置、ユーザーへ振動で所定の情報を伝達するバイブレーション装置を含む。
記録媒体I/F480は、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリなどの記録媒体390とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0044】
親機270が有する各手段は、CPU410が、ROM420又は補助記憶装置440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、親機270が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、記録媒体I/F480を介して、記録媒体390から本発明に係るコンピュータプログラムを読み込ませ、親機270に当該コンピュータプログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る接近者監視システムによる処理例)
【0045】
図7を用いて、監視システム100による接近者検知処理について説明する。図7は、監視システム100による接近者検知処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0046】
S10で通行人検知手段110が、赤外線、超音波、可視光などを用いて、作業現場210付近の監視エリア内への一般通行人230の侵入を監視する。通行人の侵入を検知する方式は、一般的な技術によって行われる。通行人検知手段110は、監視エリアを複数に分割し、特定の方向から一般通行人230が侵入したことを検知する形態であっても良い。
【0047】
S20において、通行人検知手段110が通行人230の侵入を検知した場合(Yesの場合)、処理はS30に進行する。S20において、通行人検知手段110が通行人230の侵入を検知しない場合(Noの場合)、処理はS10に進行する。
【0048】
S30で侵入通知手段120が、親機270に対し、通行人230を検知した子機240の子機識別情報250と共に、監視エリア内への通行人230の侵入を検知した旨を通知する。子機識別情報250は、作業現場210を識別する作業現場識別情報を含んでいても良い。こうすることで、通知を行う子機240を一意に識別することができる。
【0049】
S40で子機動作手段130が、通行人230を検知した子機240が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、通行人230に対し、所定の警告情報260を報知する。図3で示すように、子機動作手段130は、スピーカーから「危険ですから気を付けてご通行ください」と報知する。また、通行人検知手段110が通行人230の侵入方向(西から侵入したこと)を検知した場合、それに応じて子機動作手段130は、スピーカーから「北東方向で作業を行っています。気を付けてご通行ください」と報知する。
【0050】
S50で親機動作手段150が、S30において発信された子機識別情報250を含む通知を受信する。親機動作手段150は、通行人230の侵入方向も併せて受信する形態でも良い。さらに、親機動作手段150は、複数の子機識別情報250を受信する形態であっても良い。
【0051】
S60で親機動作手段150が、親機動作記憶手段140を参照し、S50において受信した子機識別情報250と関連付けて記憶される所定の動作280を特定する。
【0052】
図4で示すように、親機動作手段150は、通知に子機識別情報250:「10001」が含まれる場合、動作280:「エリア1に通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出する。また、親機動作手段150は、通知に子機識別情報250:「10002」が含まれる場合、動作280:「エリア2に通行人230が接近していることを作業員220に、バイブレーション装置を振動させ、かつ、表示装置を使ってメッセージを出力して報知する」を抽出する。
【0053】
親機動作手段150は、S50において受信した子機識別情報250及び通行人230の侵入方向と関連付けて記憶される所定の動作280を特定する形態であっても良い。
【0054】
図4で示すように、親機動作手段150は、通知に子機識別情報250:「10001」及び侵入方向:「西から侵入したこと」が含まれる場合、動作280:「エリア1に西側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出する。
また、親機動作手段150は、S50において受信した子機識別情報250の組合せと関連付けて記憶される所定の動作280を特定する形態であっても良い。
【0055】
図4で示すように、親機動作手段150は、通知に子機識別情報250:「10001」及び「10002」が含まれる場合、動作280:「南側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出する。
S70で親機動作手段150が、S60において特定(抽出)した所定の動作280を実行する。
【0056】
親機動作手段150は、S60において動作280:「エリア1に通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出した場合、その抽出した動作280を実行する。親機動作手段150は、S60において動作280:「エリア2に通行人230が接近していることを作業員220に、バイブレーション装置を振動させ、かつ、表示装置を使ってメッセージを出力して報知する」を抽出した場合、その抽出した動作280を実行する。
【0057】
親機動作手段150は、S60において動作280:「エリア1に西側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出した場合、その抽出した動作280を実行する。
【0058】
親機動作手段150は、S60において動作280:「南側から通行人230が接近していることを作業員220にスピーカーを使って音声報知する」を抽出した場合、その抽出した動作280を実行する。
【0059】
上記の処理によって、監視システム100は、作業者220に、作業現場210付近への通行人230の接近を直接的に感知させることができ、その事実を知った上で作業を行わせる。従って、監視システム100は、そのような環境を提供することによって、作業現場210における通行人230が絡む事故の発生を未然に防止することができる。
【0060】
また、監視システム100は、設置する子機240の台数、子機240の配置、親機動作記憶手段140に記憶させる情報を作業現場210の特性に合わせ適宜変更・調整することによって、種々の作業現場210に合わせて、通行人230が絡む事故の発生防止に貢献することができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
100 接近者監視システム
110 通行人検知手段
120 侵入通知手段
130 子機動作手段
140 親機動作記憶手段
150 親機動作手段
210 作業現場
220 作業者
230 一般通行人
240 子機
250 子機識別情報
260 子機による所定の動作(子機報知動作)
270 親機
280 親機による所定の動作(親機報知動作)
310、410 CPU
320、420 ROM
330、430 RAM
340、440 補助記憶装置
350、450 通信インターフェース
360 センサー
370 入出力装置
380、490 記憶媒体インターフェース
460 入力装置
470 出力装置
400 記憶媒体
500 通信ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2017年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置されるつ以上の子機と、前記作業現場において前記一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機と、を有する接近者監視システムであって、
一の前記子機が、
前記作業現場付近の所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知する通行人検知手段と、
前記通行人検知手段が検知した場合、前記親機に対し、前記一の子機を識別する子機識別情報と共に、前記所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知した旨を通知する侵入通知手段と、を有し、
前記親機が、
前記子機識別情報と、前記作業現場付近への前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する親機動作記憶手段と、
前記侵入通知手段による通知を受信した場合、該通知に含まれる前記子機識別情報と関連付けられる前記所定の動作を行う親機動作手段と、を有し、
前記親機動作記憶手段において、前記侵入通知手段により通知を受けた前記子機識別情報の組合せと、該組合せを構成する前記子機識別情報で識別される前記子機が備える前記通行人検知手段による検知範囲が重なる領域に前記一般通行人が侵入したことを報知する動作と、を関連付けて記憶し、
前記親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知に含まれる前記子機識別情報の組合せと関連付けられる前記所定の動作を行うことを特徴とする接近者監視システム。
【請求項2】
前記所定の動作が、前記親機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせる動作であることを特徴とする請求項1に記載の接近者監視システム。
【請求項3】
前記所定の動作が、前記作業者に対し、前記一般通行人が前記一の子機が設置される方向から前記作業現場へ接近していることを報知する動作であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接近者監視システム。
【請求項4】
前記子機が、
前記通行人検知手段が検知した場合、前記子機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人に対し、所定の警告情報を報知する子機動作手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の接近者監視システム。
【請求項5】
作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置されるつ以上の子機と、前記作業現場において前記一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機と、を有する接近者監視システムで行われる接近者監視方法であって、
一の前記子機において、
通行人検知手段が、前記作業現場付近の所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知するステップと、
侵入通知手段が、前記通行人検知手段が検知した場合、前記親機に対し、前記一の子機を識別する子機識別情報と共に、前記所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知した旨を通知するステップと、を含み、
前記子機識別情報と、前記作業現場付近への前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する親機動作記憶手段を有する前記親機において、
親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知を受信した場合、該通知に含まれる前記子機識別情報と関連付けられる前記所定の動作を行うステップ、を含み、
前記親機動作記憶手段において、前記侵入通知手段により通知を受けた前記子機識別情報の組合せと、該組合せを構成する前記子機識別情報で識別される前記子機が備える前記通行人検知手段による検知範囲が重なる領域に前記一般通行人が侵入したことを報知する動作と、を関連付けて記憶し、
前記親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知に含まれる前記子機識別情報の組合せと関連付けられる前記所定の動作を行うことを特徴とする接近者監視方法。
【請求項6】
前記所定の動作が、前記親機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせる動作であることを特徴とする請求項に記載の接近者監視方法。
【請求項7】
前記所定の動作が、前記作業者に対し、前記一般通行人が前記一の子機が設置される方向から前記作業現場へ接近していることを報知する動作であることを特徴とする請求項又はに記載の接近者監視方法。
【請求項8】
前記子機において、
子機動作手段が、前記通行人検知手段が検知した場合、前記子機が備えるスピーカー・ディスプレイ等の出力装置を使用して、前記一般通行人に対し、所定の警告情報を報知するステップ、を含むことを特徴とする請求項乃至の何れか一に記載の接近者監視方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
開示する接近者監視システムの一形態は、作業現場付近において一般通行人が往来する場所に設置されるつ以上の子機と、前記作業現場において前記一般通行人の往来が見えない位置で作業を行う作業者が所持する親機と、を有する接近者監視システムであって、一の前記子機が、前記作業現場付近の所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知する通行人検知手段と、前記通行人検知手段が検知した場合、前記親機に対し、前記一の子機を識別する子機識別情報と共に、前記所定範囲内への前記一般通行人の侵入を検知した旨を通知する侵入通知手段と、を有し、前記親機が、前記子機識別情報と、前記作業現場付近への前記一般通行人の接近を前記作業者に知らせるための所定の動作と、を関連付けて記憶する親機動作記憶手段と、前記侵入通知手段による通知を受信した場合、該通知に含まれる前記子機識別情報と関連付けられる前記所定の動作を行う親機動作手段と、を有し、前記親機動作記憶手段において、前記侵入通知手段により通知を受けた前記子機識別情報の組合せと、該組合せを構成する前記子機識別情報で識別される前記子機が備える前記通行人検知手段による検知範囲が重なる領域に前記一般通行人が侵入したことを報知する動作と、を関連付けて記憶し、前記親機動作手段が、前記侵入通知手段による通知に含まれる前記子機識別情報の組合せと関連付けられる前記所定の動作を行うことを特徴とする。