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特開2018-26323無線周波数同軸コネクタアセンブリおよび当該アセンブリの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-26323(P2018-26323A)
(43)【公開日】2018年2月15日
(54)【発明の名称】無線周波数同軸コネクタアセンブリおよび当該アセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/38 20110101AFI20180119BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20180119BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20180119BHJP
   H01R 43/048 20060101ALI20180119BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20180119BHJP
【FI】
   H01R24/38
   H01R4/18 A
   H01R43/00 B
   H01R43/048 Z
   H01R43/16
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-101389(P2017-101389)
(22)【出願日】2017年5月23日
(31)【優先権主張番号】15/177,910
(32)【優先日】2016年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】599023978
【氏名又は名称】デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール・モレッロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エム・レイニー
【テーマコード(参考)】
5E051
5E063
5E085
5E123
【Fターム(参考)】
5E051BA05
5E051BB03
5E063CB13
5E063CC05
5E063GA03
5E063XA01
5E063XA05
5E085BB04
5E085BB12
5E085CC03
5E085CC09
5E085DD14
5E085FF01
5E085HH06
5E085HH26
5E085HH28
5E085HH34
5E085JJ38
5E085JJ46
5E123AA21
5E123AC12
5E123AC21
5E123AC23
5E123AC27
5E123BA12
5E123BA15
5E123CA13
5E123CC09
5E123GA08
5E123GA19
5E123GA22
5E123GA26
5E123GA42
5E123GA52
5E123GA57
5E123GA72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コスト効率が高く信頼性が高い方法で製造され得る同軸コネクタアセンブリおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】同軸コネクタアセンブリ10は、同軸ケーブルの中央導体を終端させる内側接点と、内側接点を保持する絶縁体と、同軸ケーブルのシールド編組を終端させる内側接点と前記絶縁体とを取り囲む外側接点12と、を備える。外側接点は、バレル形状に形成されており、外側接点の全長に沿って延在する継ぎ目14を備える。同軸コネクタアセンブリは、さらに、外側フェルールと、継ぎ目がない内側フェルール16と、を備える。継ぎ目がない内側フェルールは、第1の直径を有する第1のフェルール部分と、第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2のフェルール部分と、を備える。第1のフェルール部分は、外側接点の少なくとも一部分を取り囲む。シールド編組は、第2のフェルール部分と外側フェルールとの間に挟まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
同軸ケーブル(42)の中央導体(40)を終端させるように構成された内側接点(54)と、
前記内側接点(54)を保持する誘電材料から形成された絶縁体(18)と、
前記絶縁体(18)と、前記同軸ケーブル(42)のシールド編組(46)を終端させるように構成された前記内側接点(54)と、を取り囲む外側接点(12)と
を備え、
前記外側接点(12)は、第1の接点端部(24)と第2の接点端部(26)とを有する第1の平坦ワークピースから形成され、
前記外側接点(12)は、前記外側接点(12)の全長に沿って延在する継ぎ目(14)のところで前記第1の接点端部(24)が前記第2の接点端部(26)と対向するように、バレル形状に形成され、
前記同軸コネクタアセンブリ(10)は、さらに、
第2の平坦ワークピースから形成された外側フェルール(34)と、
第3の平坦ワークピースから形成された継ぎ目がない内側フェルール(16)と
を備え、
前記内側フェルール(16)は、第1の直径を有する第1のフェルール部分(36)と、前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2のフェルール部分(38)と、を備え、
前記第1のフェルール部分(36)は、前記外側接点(12)の少なくとも一部分を取り囲み、
前記シールド編組(46)は、前記第2のフェルール部分(38)と前記外側フェルール(34)との間に挟まれた
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記第3の平坦ワークピースは、シートメタルから形成され、
前記内側フェルール(16)は、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成される
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記第2の平坦ワークピースは、シートメタルから形成され、
前記外側フェルール(34)は、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成される
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記外側フェルール(34)を形成する前記第2の平坦ワークピースは、第1のフェルール端部(60A)と第2のフェルール端部(60B)とを有し、
前記外側フェルール(34)は、前記第1のフェルール端部(60A)が前記第2のフェルール端部(60B)と対向するように前記シールド編組(46)のまわりに圧着される
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記外側フェルール(34)は、前記同軸ケーブル(42)の絶縁ジャケット(64)に圧着される一対の絶縁圧着ウィング(62)を形成する
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記外側接点(12)の少なくとも一部分は、前記第1のフェルール部分(36)内に受け入れられ、
前記第1のフェルール部分(36)および前記外側接点(12)の両方に凹部(52)が形成され、それによって、前記内側フェルール(16)が前記外側接点(12)に固定される
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記絶縁体(18)は、周方向溝(56)を形成し、
前記外側接点(12)に形成された前記凹部(52)の少なくとも一部分は、前記周方向溝(56)内に配置され、それによって、前記絶縁体(18)が前記外側接点(12)内に固定される
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記外側接点(12)は、第1の周方向リブ(20)を形成し、
前記第1のフェルール部分(36)は、第2の周方向リブ(22)を形成する
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記内側フェルール(16)は、前記第1の周方向リブ(20)に当接するように構成された周方向フランジ(48)を形成する
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載の同軸コネクタアセンブリ(10)であって、
前記外側接点(12)は、キャリアストリップ(32)に取り付けられる
同軸コネクタアセンブリ。
【請求項11】
同軸コネクタアセンブリ(10)の形成方法(100)であって、
第1の接点端部(24)と第2の接点端部(26)とを有する第1の平坦ワークピースを成形して、外側接点(12)の全長に沿って延在する継ぎ目(14)のところで前記第1の接点端部(24)が前記第2の接点端部(26)と対向するように、バレル形状を有する前記外側接点(12)を得る工程(110)と、
第2の平坦ワークピースから外側フェルール(34)を形成する工程(112)と、
第1の直径を有する第1のフェルール部分(36)と、前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2のフェルール部分(38)と、を備える内側フェルール(16)を第3の平坦ワークピースから継ぎ目なしに形成する工程(114)と、
前記外側接点(12)の少なくとも一部分を前記第1のフェルール部分(36)内に挿入する工程(122)と、
誘電材料から形成された絶縁体(18)と、ケーブル(42)の中央導体(40)を終端させるように構成された内側接点(54)と、を用意する工程(126)と、
前記絶縁体(18)を前記外側接点(12)内に挿入する工程(128)と、
前記内側接点(54)を前記絶縁体(18)内に挿入する工程(130)と、
前記同軸ケーブル(42)のシールド編組(46)が前記第2のフェルール部分(38)と前記外側フェルール(34)との間に挟まれるように、前記外側フェルール(34)を前記第2のフェルール部分(38)に位置決めする工程(132)と
を備える方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法(100)であって、
前記第3の平坦ワークピースは、シートメタルから形成され、
前記内側フェルール(16)は、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成される
方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法(100)であって、
前記第2の平坦ワークピースは、シートメタルから形成され、
前記外側フェルール(34)は、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成される
方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法(100)であって、
前記外側フェルール(34)は、第1のフェルール端部(60A)を有する第1の圧着ウィングと、第2のフェルール端部(60B)を有する第2の圧着ウィングと、を備え、
前記方法(100)は、さらに、前記第1のフェルール端部(60A)が前記第2のフェルール端部(60B)と対向するように、前記シールド編組(46)のまわりに前記外側フェルール(34)を圧着する工程(134)を備える
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法(100)であって、
前記外側フェルール(34)は、一対の絶縁圧着ウィング(62)を有し、
前記方法(100)は、さらに、前記絶縁圧着ウィング(62)を前記同軸ケーブル(42)の絶縁ジャケット(64)に圧着する工程(136)を備える
方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法(100)であって、
さらに、前記第1のフェルール部分(36)および前記外側接点(12)の両方に凹部(52)を形成し、それによって、前記内側フェルール(16)を前記外側接点(12)に固定する工程(124)を備える
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法(100)であって、
前記絶縁体(18)は、周方向溝(56)を形成し、
前記外側接点(12)に形成された前記凹部(52)の少なくとも一部分は、前記周方向溝(56)内に配置され、それによって、前記絶縁体(18)が前記外側接点(12)内に固定される
方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法(100)であって、
前記外側接点(12)に第1の周方向リブ(20)を形成する工程(116)と、
前記第1のフェルール部分(36)に第2の周方向リブ(22)を形成する工程(118)と
をさらに備える方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法(100)であって、
さらに、前記第1の周方向リブ(20)に当接するように構成された周方向フランジ(48)を前記内側フェルール(16)に形成する工程(120)を備える
方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法(100)であって、
前記外側接点(12)は、キャリアストリップ(32)に取り付けられる
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して電気コネクタに関し、より詳しくは、無線周波数を伝導するように構成された同軸コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]多数の自動車用途、例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)、娯楽情報システム、エアバッグシステムのために、無線周波数(RF)同軸ケーブルコネクタアセンブリが使用されてきた。同軸ケーブルは、典型的には、外側シールド導体と、内側中央導体と、誘電体と、絶縁ジャケットと、からなる。同軸ケーブルの外側導体および内側導体は、ソケットおよびプラグコネクタを介して嵌合同軸ケーブルと電気的に結合することが多い。そのような従来の同軸ケーブルコネクタは、当該技術分野で公知である。
【0003】
[0003]様々なタイプのコネクタを規格化し、混同を避けるために、いくつかの工業規格が規定されてきた。これらの規格のうちの1つは、FAKRAと称される。FAKRAは、自動車分野における国際規格化企業を表すドイツ規格化協会(頭文字DINによって最もよく知られたドイツの「Deutsches Institut Fuer Normung」の自動車規格委員会)である。FAKRA規格は、適切なコネクタ取り付けのためのキーイングおよびカラーコーディングに基づくシステムを提供する。FAKRAコネクタでは、同類のソケットキーは、同類のプラグキー溝にのみ接続可能である。コネクタハウジングの確実な位置決めおよび係止は、ソケットハウジング上のFAKRA規定留め具およびプラグハウジング上の協働するラッチによって容易になる。
【0004】
[0004]コネクタアセンブリは、内側接点と、内側接点のための遮蔽を提供する外側接点と、を備えている。外側接点は、典型的には、製造費用が嵩む亜鉛ダイキャストまたはネジ加工部品から製造される
【0005】
[0005]コスト効率が高く信頼性が高い方法で製造され得るコネクタアセンブリの必要性が残っている。さらに、既存の外側ハウジングにおける高価な部品(例えば、型打ち部品および成形部品)やダイキャスト部品のために製造されたロックを多数使用しなくてもよいコネクタアセンブリの必要性が残っている。
【0006】
[0006]背景技術の欄に記載された主題は、背景技術の欄において記載されていることのみから先行技術であると推定されるべきではない。同様に、背景技術の欄で述べられる問題、または、背景技術の欄の主題に関連する問題は、先行技術において従前から認識されていたものとして推定されるべきではない。背景技術の欄の主題は、様々なアプローチを表しているに過ぎず、それら自体も発明になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明の一実施形態によると、同軸コネクタアセンブリが提供される。この同軸コネクタアセンブリは、同軸ケーブルの中央導体を終端させるように構成された内側接点と、内側接点を保持する誘電材料から形成された絶縁体と、絶縁体を取り囲む外側接点と、を備えている。内側接点は、同軸ケーブルのシールド編組を終端させるように構成される。外側接点は、第1の接点端部と第2の接点端部とを有する第1の平坦ワークピースから形成される。外側接点は、外側接点の全長に沿って延在する継ぎ目のところで第1の接点端部が第2の接点端部と対向するように、バレル(たる)形状に形成される。同軸コネクタアセンブリは、さらに、第2の平坦ワークピースから形成される外側フェルールと、第3の平坦ワークピースから継ぎ目なしに形成される内側フェルールと、を備えている。内側フェルールは、第1の直径を有する第1のフェルール部分と、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2のフェルール部分と、を備えている。第1のフェルール部分は、外側接点の少なくとも一部分を取り囲む。シールド編組は、第2のフェルール部分と外側フェルールとの間に挟まれる。
【0008】
[0008]第2の平坦ワークピースはシートメタルから形成されてもよい。外側フェルールは、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成されてもよい。あるいは、外側フェルールは、第1のフェルール端部と、第2のフェルール部分と、を有していてもよい。この場合、外側フェルールは、第1のフェルール端部が第2のフェルール端部と対向するように、シールド編組のまわりに圧着される。外側フェルールは、同軸ケーブルの絶縁ジャケットに圧着される一対の絶縁圧着ウィングを備えていてもよい。
【0009】
[0009]外側接点の少なくとも一部分は、第1のフェルール部分内に受け入れられてもよい。第1のフェルール部分および外側接点の両方に凹部が形成され、それによって、内側フェルールが外側接点に固定されてもよい。絶縁体は、周方向溝を形成してもよく、外側接点に形成された凹部の少なくとも一部分は、周方向溝内に配置され、それによって、絶縁体が外側接点内に固定される。
【0010】
[0010]外側接点は、第1の周方向リブを形成してもよく、第1のフェルール部分は、第2の周方向リブを形成する。内側フェルールは、第1の周方向リブに当接する周方向フランジを形成してもよい。
【0011】
[0011]本発明の他の実施形態によれば、同軸コネクタアセンブリの形成方法が提供される。この方法は、第1の接点端部と第2の接点端部とを有する第1の平坦ワークピースを成形して、外側接点の全長に沿って延在する継ぎ目のところで第1の接点端部が第2の接点端部と対向するように、バレル形状を有する外側接点を得る工程と、誘電材料から形成された絶縁体と、ケーブルの中央導体を終端させるように構成された内側接点と、を用意する工程と、を備えている。この方法は、さらに、絶縁体を外側接点内に挿入する工程と、内側接点を絶縁体内に挿入する工程と、第2の平坦ワークピースから外側フェルールを形成する工程と、第3の平坦ワークピースから内側フェルールを継ぎ目なしに形成する工程と、を備えている。内側フェルールは、第1の直径を有する第1のフェルール部分と、第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2のフェルール部分と、を備えている。この方法は、さらに、外側接点の少なくとも一部分を第1のフェルール部分内に挿入する工程と、同軸ケーブルのシールド編組が第2のフェルール部分と外側フェルールとの間に挟まれるように、外側フェルールを第2のフェルール部分に位置決めする工程と、を備えている。
【0012】
[0012]第3の平坦ワークピースは、シートメタルから形成されてもよく、内側フェルールは、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成されてもよい。第2の平坦ワークピースは、シートメタルから形成されてもよく、外側フェルールは、深絞り型打ちプロセスを使用して継ぎ目なしに形成されてもよい。あるいは、外側フェルールは、第1のフェルール端部を有する第1の圧着ウィングと、第2のフェルール端部を有する第2の圧着ウィングと、を備えていてもよい。この方法は、さらに、第1のフェルール端部が第2のフェルール端部と対向するように、シールド編組のまわりに外側フェルールを圧着する工程を備えていてもよい。また、外側フェルールは、一対の絶縁圧着ウィングを有していてもよい。この方法は、絶縁圧着ウィングを同軸ケーブルの絶縁ジャケットに圧着する工程を備えていてもよい。
【0013】
[0013]この方法は、さらに、第1のフェルール部分および外側接点の両方に凹部を形成し、それによって、内側フェルールを外側接点に固定する工程を備えていてもよい。絶縁体は、周方向溝を形成してもよく、外側接点に形成された凹部の少なくとも一部分は、周方向溝内に配置され、それによって絶縁体が外側接点内に固定されてもよい。
【0014】
[0014]この方法は、さらに、外側接点に第1の周方向リブを形成する工程と、第1のフェルール部分に第2の周方向リブを形成する工程と、第1の周方向リブに当接するように構成された周方向フランジを内側フェルールに形成する工程と、を備えていてもよい。
【0015】
[0015]本発明が、例示目的で、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[0016]一実施形態による同軸コネクタアセンブリの斜視図である。
図2】[0017]一実施形態による図1の同軸コネクタアセンブリを形成する方法のフローチャートである。
図3】[0018]一実施形態による図1の同軸コネクタアセンブリの外側接点の上面図である。
図4】[0019]一実施形態による図1の同軸コネクタアセンブリの内側フェルールの上面図である。
図5】[0020]一実施形態による、図3の外側接点を図4の内側フェルール内に挿入するプロセスの上面図である。
図6】[0021]一実施形態による、組み立てられた状態の図3の外側接点および図4の内側フェルールの上面図である。
図7】[0022]一実施形態による外側接点に形成された凹部を有する図6のアセンブリの外側接点、および、内側フェルールの上面図である。
図8】[0023]一実施形態による図7のアセンブリ内に絶縁体を挿入するプロセスの上面図である。
図9】[0024]一実施形態による図8のアセンブリ内に内側接点を挿入するプロセスの上面図である。
図10】[0025]一実施形態による、一部分のまわりにシールド編組を広げるプロセスの上面図である。
図11】[0026]一実施形態による図10のアセンブリに外側フェルールを取り付けるプロセスの上面図である。
図12】[0027]一実施形態による図11のアセンブリの側面図である。
図13】[0028]一実施形態による図11のアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0029]シールドされた同軸ケーブルを終端させるように構成され、無線周波数用途で使用するのに適した同軸コネクタアセンブリを形成するための方法、および、当該方法によって形成される同軸コネクタアセンブリ(本明細書では、同軸コネクタと呼ぶ)が本明細書に提示される。
【0018】
[0030]図1は、同軸コネクタ10の非限定的な例を示している。同軸コネクタ10は、導電性材料の平板(図示せず)からバレル形状に形成された外側接点12を備えている。外側接点12は、外側接点12の長さに沿って長手方向に延在する継ぎ目14を有している。外側接点12は、対応する嵌合コネクタ(図示せず)との遮蔽接点を提供するように構成される。同軸コネクタ10は、さらに、導電性材料の平板(図示せず)から継ぎ目なしに形成された内側フェルール16を備えている。内側フェルール16は、外側接点12の少なくとも一部分を取り囲み、同軸ケーブルのシールド編組との接点を提供するように構成される。同軸コネクタ10は、さらに、外側接点12の内部にある絶縁体18内に収容された内側接点(図示せず)を備えている。この内側接点は、同軸ケーブルの中央導体(図示せず)を終端させるとともに対応する嵌合コネクタの中央端子との接触を提供するように構成される。この同軸コネクタ10は、FAKRA規格に準拠したアセンブリとともに使用されてもよい。外側接点12および内側フェルール16は、立ち上がった突出部20,22を形成する。突出部20,22は、FAKRA規格ハウジング(図示せず)内の係止構造と協働して、同軸コネクタ10を当該ハウジング内に固定することができる。
【0019】
[0031]FAKRAコネクタは、FAKRA自動車専門グループによって規定された不変のコネクタシステムについての規格に準拠したインタフェースを有する無線周波数(RF)コネクタである。FAKRAコネクタは、自動車用途の高い機能・安全要件を満たす規格化されたキーイングシステムおよび係止システムを有している。FAKRAコネクタは、超小型版のBコネクタ(SMBコネクタ)に基づいており、結合時にスナップ装着され、50Ohmまたは75Ohmのインピーダンスで動作するように設計される。同軸コネクタ10は、本明細書に記載されるFAKRAコネクタ以外の他のタイプのコネクタを使用してもよい。
【0020】
[0032]図2〜13は、図1に示される同軸コネクタ10を形成するための方法100の非限定的な例を示しており、同軸コネクタ設計のより詳細を提示する。方法100の諸工程は、必ずしも、本明細書で提示されている順序で実施される必要はない。
【0021】
[0033]ステップ110、すなわち、第1の平坦ワークピースを成形し、バレル形状を有する外側接点にする工程は、図3に示されるように外側接点12の全長に沿って延在する継ぎ目14のところで第1の接点端部24が第2の接点端部26と対向するように、第1の接点端部24と第2の接点端部26とを有する第1の平坦ワークピース(図示せず)をバレル形状またはチューブ形状を有する外側接点12に成形する。外側接点12は、電磁妨害(EMI)または無線周波妨害(RFI)から内側接点を電磁遮蔽するように構成される。
【0022】
[0034]第1の接点部分28は、嵌合コネクタの対応するシールド接点を受け入れるように構成される。この第1の接点部分28は、複数の接点アームを形成する。複数の接点アームは、嵌合コネクタの対応するシールド接点に対してスプリング力を作用させ、それによってそれらの間の電気的接続の質を向上させるように構成される。第2の接点部分30が、内側フェルール16内に受け入れられるように構成される。図3で分かるように、第2の接点部分30は、第1の接点部分28よりも小さな直径を有している。
【0023】
[0035]外側接点12は、スタンピングプロセスによってシートメタルの平坦ストリップから切断され、第2のシートメタル成形プロセス(例えば、他の方法(例えば、ダイキャストまたは旋盤加工)によって外側接点12を製造するよりも外側接点12を安価にする圧延および型押し)を使用して形成されてもよい。形成された外側接点12は、キャリアストリップ32に取り付けられ、外側接点12および同軸コネクタ10のサブアセンブリの取り扱いが効率化される。なぜなら、それらは、製造プロセス中に自動組立設備(図示せず)に自動的に供給され得るからである。
【0024】
[0036]ステップ112、すなわち、第2の平坦ワークピースから外側フェルールを形成する工程は、第2の平坦ワークピース(図示せず)から外側フェルール34を形成する工程を備えている。外側フェルール34は、スタンピングプロセスによってシートメタルの平坦ストリップから切断され、公知のシートメタル成形プロセスを使用して、開口側を有する開口バレル形状(例えば、図11に示されるようなU字形状)に成形される。外側フェルール34は、外側接点12を形成するのに使用されるシートメタルの同一のストリップから形成されてもよく、また、方法100の後続の工程においてキャリアストリップ32から分離されるまで、外側接点12と交互に、同一のキャリアストリップ32に取り付けられてもよい。あるいは、外側フェルール34は、別体のシートメタルのストリップから形成されてもよい。同軸コネクタの代替実施形態では、外側フェルールは、継ぎ目無しチューブから形成されてもよく、あるいは、シートメタルのストリップの深絞り成形によって形成されてもよい。
【0025】
[0037]ステップ114、すなわち、第3の平坦ワークピースから内側フェルールを継ぎ目なしに形成する工程は、第3の平坦ワークピース(図示せず)から内側フェルール16を継ぎ目なしに形成する工程を備えている。図4に示されるように、継ぎ目のない内側フェルール16は、第1の直径Dを有する第1のフェルール部分36と、第1の直径と異なる第2の直径Dを有する第2のフェルール部分38と、を備えている。直径Dは、同軸ケーブル42の外径に応じて、直径Dよりも小さくてもよく、大きくてもよい。第1のフェルール部分36は、外側接点12の第2の接点部分30を受け入れ、第2の接点部分30を取り囲むように構成される。図5に示されるように、内側フェルール16は、同軸ケーブル42の絶縁中央導体40を第2のフェルール部分38内に受け入れるように構成され、第2のフェルール部分38の外面は、同軸ケーブルのシールド編組46によって取り囲まれるように構成される。内側フェルール16は、継ぎ目のないチューブを押出成形することによって形成されてもよく、あるいは、シートメタルのストリップの深絞り成形によって形成されてもよい。
【0026】
[0038]ステップ116、すなわち、外側接点12に第1の周方向リブを形成する工程は、オプション的な工程であり、図3に示されるように、第1の接点部分28と第2の接点部分30との間で外側接点12から突出した第1の周方向リブ20を形成する工程を備えている。第1のリブ20は、第1のワークピースをバレル形状に成形する前に、型押しプロセスによって形成されてもよい。ステップ116は、ステップ110と同時に実施されてもよい。
【0027】
[0039]ステップ118、すなわち、内側フェルール16に第2の周方向リブを形成する工程は、オプション的な工程であり、図4に示されるように、第1のフェルール部分36から突出する第2の周方向リブ22を形成する工程を備えている。第1および第2のリブ20,22は、ハウジングの面と係合して、ハウジングに対する同軸コネクタ10の軸方向位置を保持するように構成されてもよい。
【0028】
[0040]ステップ120、すなわち、内側フェルールに周方向フランジを形成する工程は、オプション的な工程であり、図4に示されるように、内側フェルール16の先端に周方向フランジ48を形成する工程を備えている。図6に示されるように、フランジ48は、第2の接点部分30が第1のフェルール部分36内に挿入されたときに第1のリブ20に当接するように構成される。第2のリブ22およびフランジ48は、延伸加工または鍛造(upsetting)プロセスによって成形され、第1のフェルール部分36の外面50に実質的に直交する、第2のリブ22およびフランジ48上の面が形成されてもよい。本明細書で使用される場合、実質的に直交とは、絶対的な直交の±15度を意味する。
【0029】
[0041]ステップ122、すなわち、外側接点の少なくとも一部分を内側フェルール内に挿入する工程は、図6に示されるように、外側接点12の少なくとも一部分を内側フェルール16の第1のフェルール部分36内に挿入する工程を備えている。
【0030】
[0042]ステップ124、すなわち、内側フェルールおよび外側接点の両方に凹部を形成する工程は、第1のフェルール部分36および外側接点12の両方に凹部52を形成し、それによって、図7に示されるように、内側フェルール16を外側接点12に固定する工程を備えている。凹部52は、外側コネクト内に弾性材料を配置し、端部が丸いパンチ器具を使用して内側フェルール16を穿孔することによって形成されてもよい。図7に示される例は、周方向に形成され、それぞれ90度離間された4つの凹部52を備えている。図13に示されるように、凹部52は、内側フェルール16および外側接点12の両方に形成される。ステップ124は、記載された順序でステップ122の後に実施されてもよいし、あるいは、ステップ130の後に実施されてもよい。
【0031】
[0043]ステップ126、すなわち、絶縁体および中央接点を設ける工程は、誘電材料から形成された絶縁体18と、同軸ケーブル42の中央導体40を終端させるように構成された内側接点54と、を設ける工程を備えている。絶縁体18は、内側接点54を外側接点12から電気的に絶縁する。内側接点54は、図9に示されるように、同軸ケーブル42の中央導体40に接続される。
【0032】
[0044]ステップ128、すなわち、外側接点内に絶縁体を挿入する工程は、図8に示されるように、絶縁体18を外側接点12内に挿入する工程を備えている。絶縁体18は、周方向溝56を形成する。周方向溝56は、図13に示されるように、凹部52と係合し、それによって、締まり嵌めが形成され、絶縁体18が外側接点12内に固定される。
【0033】
[0045]ステップ130、すなわち、絶縁体内に内側接点を挿入する工程は、図9に示されるように外側接点12内に配置された絶縁体18内に内側接点54を挿入する工程を備えている。同軸ケーブル42のシールド編組46は、図10に示されるように第2のフェルール部分38の上に位置するように、ステップ130の前に広げられてもよい。ステップ128,130が実施される順序は、D2に対する直径D1の関係に基づいて変えられてもよい。直径Dが直径Dよりも大きい場合、ステップ128,130は、記載された順序で実施されてもよい。直径Dが直径Dよりも小さい場合、ステップ128,130は、逆の順序で実施されてもよい。
【0034】
[0046]ステップ132、すなわち、外側フェルールを内側フェルールの第2の部分に位置決めする工程は、図12で示されるように同軸ケーブル42のシールド編組46が第2のフェルール部分38と外側フェルール34との間に挟まれるように、図11に示されるように外側フェルール34を第2のフェルール部分38に位置決めする工程を備えている。
【0035】
[0047]ステップ134、すなわち、シールド編組のまわりに外側フェルールを圧着する工程は、オプション的な工程であり、図11に示されるように第1のフェルール端部60Aと第2のフェルール端部60Bとを有する外側フェルール34が一対の圧着ウィング58を有する場合に実施されてもよい。ステップ134は、第1のフェルール端部60Aが第2のフェルール端部60Bと対向するようにシールド編組46のまわりに外側フェルール34を圧着する工程を備えている。
【0036】
[0048]ステップ136で、すなわち、絶縁圧着ウィングを同軸ケーブルの絶縁ジャケットに圧着する工程は、オプション的な工程であり、図11に示されるように外側フェルール34が一対の絶縁圧着ウィング62を有している場合に実施されてもよい。ステップ136は、図12に示されるように絶縁圧着ウィング62を同軸ケーブル42の絶縁ジャケット64に圧着し、それによって、同軸コネクタ10/同軸ケーブルインタフェースのための張力緩和を提供する工程を備えている。ステップ136の後、キャリアストリップ32は、同軸コネクタアセンブリ10から分離されてもよい。
【0037】
[0049]図示される例における同軸コネクタ10は、直線的、すなわち、同軸ケーブル42と外側接点12および内側接点54との間が180度の形態であるが、同軸コネクタが直角すなわち90度の形態、または、他の角度の形態である他の実施形態も想定され得る。
【0038】
[0050]したがって、同軸コネクタアセンブリ10およびそのような同軸コネクタアセンブリ10を形成する方法が提供される。スタンピングプロセスまたは押出成形プロセスによって外側接点12、内側フェルール16および外側フェルール34を形成することによって、機械加工プロセスまたは鋳造プロセスによって形成される同等の構成部品と比べて、製造コストが安価になる。継ぎ目のない内側フェルール16は、継ぎ目を有する型打ちされたフェルールよりも頑丈であり、機械加工されたフェルールと同様の機械的性能および電気的性能をもたらす。第1のリブ20および第2のリブ22は、従来技術で見られるような鋳造された追加的な構成部品を必要とすることなく、同軸コネクタ10をFAKRAタイプのハウジング内に係止するための構造を提供する。係止構造に加わる力は、継ぎ目がある部分すなわち外側接点12ではなく、同軸コネクタ10の継ぎ目のない頑丈なチューブに伝わる。内側フェルール16を形成するために使用される。延伸プロセスまたは押出成形プロセスは、継ぎ目があるフェルールよりも厳しい公差を提供する。内側フェルール16は、第1の直径と第2の直径との間に急な移行部を有しており、それによって、同軸コネクタ10の全長を短くすることができる。
【0039】
[0051]本発明が、その好ましい実施形態について説明されたが、それは、そのように限定されることを目的としておらず、次の特許請求の範囲で提示される範囲によってのみ限定されることを意図している。さらに、第1、第2などの用語の使用は、重要性の順序を示すものではなく、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。さらに、a、anなどの用語の使用は、量の限定を示すものではなく、言及される物の少なくとも1つの存在を示している。
【符号の説明】
【0040】
10…同軸コネクタアセンブリ
12…外側接点
14…継ぎ目
16…内側フェルール
18…絶縁体
20…第1の周方向リブ
22…第2の周方向リブ
24…第1の接点端部
26…第2の接点端部
28…第1の接点部分
30…第2の接点部分
32…キャリアストリップ
34…外側フェルール
36…第1のフェルール部分
38…第2のフェルール部分
40…中央導体
42…同軸ケーブル
46…シールド編組
48…周方向フランジ
50…外面
52…凹部
54…内側接点
56…周方向溝
58…圧着ウィング
62…絶縁圧着ウィング
64…絶縁ジャケット
60A…第1のフェルール端部
60B…第2のフェルール端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】
2018026323000001.pdf