特開2018-26521(P2018-26521A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-26521(P2018-26521A)
(43)【公開日】2018年2月15日
(54)【発明の名称】厚膜型サーミスタ
(51)【国際特許分類】
   H01C 7/04 20060101AFI20180119BHJP
【FI】
   H01C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-46215(P2017-46215)
(22)【出願日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0102282
(32)【優先日】2016年8月11日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、スン ホー
(72)【発明者】
【氏名】キム、イク セオブ
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ス リム
【テーマコード(参考)】
5E034
【Fターム(参考)】
5E034BB05
5E034DA02
5E034DC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造工程不良や仕上り不良に起因する抵抗値のばらつきが小さい厚膜型サーミスタを提供する。
【解決手段】基板10と、基板の上部に配置される第1電極11と、第1電極を覆うように配置されるサーミスタ層15と、サーミスタ層の上部に配置される第2電極12と、を有する。第1電極の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、第2電極の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とするとき、L2>L1及びW2>W1となる関係を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上部に配置される第1電極と、
前記第1電極を覆うように配置されるサーミスタ層と、
前記サーミスタ層の上部に配置される第2電極と、を含み、
前記第1電極の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、前記第2電極の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とするとき、L2>L1及びW2>W1である、厚膜型サーミスタ。
【請求項2】
前記第1電極の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、前記サーミスタ層の幅及び長さをそれぞれW3及びL3とするとき、L3>L1及びW3>W1である、請求項1に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項3】
前記第2電極の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とし、前記サーミスタ層の幅及び長さをそれぞれW3及びL3とするとき、L3>L2及びW3>L2である、請求項1または請求項2に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項4】
前記第1電極と第2電極が前記サーミスタを間に挟んで重なる面積は、前記第1電極の面積によって決定される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項5】
前記基板の上部に配置され、且つ前記第1電極と離れ、前記第1電極の幅方向の位置を指示する第1表示部と、
前記基板の上部に配置され、且つ前記第1電極と離れ、前記第1電極の長さ方向の位置を指示する第2表示部と、をさらに含む、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項6】
基板と、
前記基板の上部に配置される第1電極と、
前記第1電極を覆うように配置されるサーミスタ層と、
前記サーミスタ層の上部に配置される第2電極と、を含み、
前記第1電極の面積をA1とし、前記第2電極の面積をA2とするとき、A2>A1である、厚膜型サーミスタ。
【請求項7】
前記第1電極の面積をA1とし、前記サーミスタ層の面積をA3とするとき、A3>A1である、請求項6に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項8】
前記第2電極の面積をA2とし、前記サーミスタ層の面積をA3とするとき、A3>A2である、請求項6または請求項7に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項9】
前記第1電極と第2電極が前記サーミスタを間に挟んで重なる面積は、前記第1電極の面積によって決定される、請求項6から請求項8の何れか一項に記載の厚膜型サーミスタ。
【請求項10】
前記基板の上部に配置され、且つ前記第1電極と離れ、前記第1電極の幅方向の位置を指示する第1表示部と、
前記基板の上部に配置され、且つ前記第1電極と離れ、前記第1電極の長さ方向の位置を指示する第2表示部と、をさらに含む、請求項6から請求項9の何れか一項に記載の厚膜型サーミスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚膜型サーミスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートフォンを含むモバイル機器などのデータ伝送量の増加や、データの高速処理のためのCPUのスイッチング周波数の増加、スマートフォン画面の高解像度化及び大面積化などに伴い、モバイル機器などにおける電力使用量が急増している傾向にある。
【0003】
これにより、モバイル機器自体の発熱やバッテリーの充放電時に発生する発熱などを感知し制御してエネルギー消費効率などを改善させる研究が行われつつある。
【0004】
モバイル機器及びバッテリーの温度変化は、モバイル機器の信頼性向上及びバッテリーの充放電効率の増加のためにリアルタイムで測定し管理する必要がある主な要素である。
【0005】
すなわち、モバイル機器に、温度測定及び電流制限の機能を有するサーミスタのような素子を適用する傾向が徐々に増加している。
【0006】
サーミスタ(Thermistor)とは、特定の材料において温度に応じてその抵抗値が変わる性質を用いて製作した非線形抵抗素子のことである。
【0007】
サーミスタは大きく3種類に分けることができる。これは、温度が上昇すると抵抗値が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ、温度が上昇すると抵抗値が増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ、及び特定の温度において電気抵抗が急激に変化するCTR(Critical Temperature Resistor)サーミスタである。
【0008】
厚膜型サーミスタの場合、電極及びサーミスタ層を印刷して製品を製作するようになる。このような厚膜型サーミスタは、積層型サーミスタに比べて、各ペーストのレオロジー(rheology)や基板の反りなどの原因により、抵抗値のばらつきが低下するという問題がある。
【0009】
特に、電極及びサーミスタ層を印刷する際に、印刷ムラや整列のずれが原因で抵抗値のばらつきがさらに大きくなるという問題がある。
【0010】
したがって、厚膜型サーミスタにおいて抵抗値のばらつきを低減させることができる新たな構造が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−335731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的の一つは、製造工程不良や仕上り不良に起因する抵抗値のばらつきが小さい厚膜型サーミスタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するのための方法として、本発明は、一例を通じて新たな構造の厚膜型サーミスタを提供する。具体的には、基板と、上記基板の上部に配置される第1電極と、上記第1電極を覆うように配置されるサーミスタ層と、上記サーミスタ層の上部に配置される第2電極と、を含み、上記第1電極の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、上記第2電極の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とするとき、L2>L1及びW2>W1である。
【0014】
上述した課題を解決するのための方法として、本発明は、他の例を通じて新たな構造の厚膜型サーミスタを提供する。具体的には、基板と、上記基板の上部に配置される第1電極と、上記第1電極を覆うように配置されるサーミスタ層と、上記サーミスタ層の上部に配置される第2電極と、を含み、上記第1電極の面積をA1とし、上記第2電極の面積をA2とするとき、A2>A1である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、下部に配置される第1電極により、サーミスタ層を間に挟んで第1電極と第2電極が重なる面積が決定されるため、抵抗値のばらつきを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタの平面図を概略的に示すものである。
図2図1に示すI−I'線に沿った断面図を概略的に示すものである。
図3】本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタの断面を電子顕微鏡で撮影したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0018】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対である記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタの平面図を概略的に示すものであり、図2図1に示すI−I'線に沿った断面図を概略的に示すものである。
【0020】
以下、図1及び図2を参照して本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタの構造について説明する。
【0021】
図1及び2を参照すると、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、基板10、第1電極11、第2電極12、及びサーミスタ層15を含む。
【0022】
基板10は、Alを用いて製造することができるが、これに制限されるものではない。
【0023】
基板10は平板状の六面体形状を有することができ、基板10の端には第1及び第2外部電極21、22がそれぞれ配置されることができる。
【0024】
第1及び第2外部電極21、22は、銀(Ag)または銅(Cu)を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0025】
基板10の上部には第1電極11が配置される。
【0026】
第1電極11は、AgPdまたはAgを用いて形成することができる。例えば、第1電極11は、Agを用いて形成する。
【0027】
第1電極11は、AgPdまたはAgの導電性粒子をペーストに分散させて導電性ペーストを設けた後、基板10に該導電性ペーストを印刷して形成することができる。
【0028】
第1電極11が四角形形状を有するとき、第1電極11の幅はW1、長さはL1とすることができる。
【0029】
この際、第1電極11の面積はA1とすることができる。
【0030】
但し、第1電極11の形状は四角形に限定されるものではなく、多角形または円形であってもよい。
【0031】
第1電極11の形状が多角形または円形である場合にも、第1電極11の面積はA1とすることができる。
【0032】
また、第1電極11は、基板10の側面に露出しないように形成することができる。
【0033】
この際、第1電極11は、第1接続電極11aを介して第1外部電極21と電気的に接続されることができる。
【0034】
第1接続電極11aは、第1電極11と第2電極12が重なる面積に影響を与えないように幅を短くして形成することができる。
【0035】
第1電極11の上部にはサーミスタ層15が配置される。
【0036】
サーミスタ層15は、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ組成物を用いて形成することができる。ここで、NTCサーミスタとは、温度が上昇すると抵抗値が減少する特性を有するサーミスタのことである。
【0037】
NTCサーミスタ組成物の主成分は、NTCサーミスタに導電性を与えるセラミック半導体の役割を果たすことができ、導電性を与える原理は以下のとおりである。
【0038】
NTCサーミスタは、焼成過程で生成されたABの結晶構造のスピネル(Spinel)相においてB−Site(Octahedral)の陽イオン間の電荷平衡状態をNTCサーミスタ用組成物の組成で調整して、電子ホッピング(hopping)の位置を生成する。
【0039】
すなわち、NTCサーミスタは、電子ホッピングが発生し得る位置(site)を生成し、周りの温度から電子ホッピングに必要なエネルギーを得て、温度上昇に伴う電子ホッピングの増加によって抵抗が減少するRT(抵抗と温度の間の関係)の非線形特性を実現する。
【0040】
サーミスタ層15は、第1電極11を覆うように配置される。
【0041】
サーミスタ層15は、第1電極11の幅及び長さの両方を取り囲むように配置される。
【0042】
これにより、第1電極11は、基板10及びサーミスタ層15によって取り囲まれ、第1接続電極11aを介して第1外部電極21と電気的に接続される。
【0043】
サーミスタ層15が第1電極11を覆うように配置されるため、サーミスタ層15の上部に第2電極を形成する場合、第1電極11と第2電極12の短絡を防止することで厚膜型サーミスタの信頼性を向上させることができる。
【0044】
サーミスタ層15が四角形形状を有するとき、幅はW3、長さはL3とすることができる。
【0045】
この際、サーミスタ層15の面積は、A3とすることができる。
【0046】
但し、サーミスタ層15の形状は、四角形に限定されるものではなく、多角形または円形であってもよい。
【0047】
サーミスタ層15の形状が多角形または円形である場合にも、サーミスタ層15の面積は、A3とすることができる。
【0048】
また、サーミスタ層15は、基板10の側面に露出しないように形成することができる。
【0049】
サーミスタ層15の幅W3及び長さL3は、第1電極11の幅W1及び長さL1より大きく設計することができる。
【0050】
例えば、サーミスタ層15の幅W3及び長さL3は、第1電極11の幅W1及び長さL1より0.5mm大きく設計することができる。
【0051】
ペーストを用いてサーミスタ層を形成する場合、一般に、形成された層の端部で層の厚さが薄くなったり、凝集現象が原因で形成された層の端部で層の厚さが厚くなったりするなど、層の厚さが一定ではないという問題がある。
【0052】
これに対し、本発明では、サーミスタ層15の幅W3及び長さL3を、第1電極11の幅W1及び長さL1より大きく形成することにより、サーミスタ層15の端部の厚さが薄くなるか、または厚くなる場合も、第1電極11と第2電極12が重なる部分におけるサーミスタ層15の厚さを一定にすることができるという長所がある。
【0053】
【数1】
(ここで、ρはサーミスタ層15の比抵抗を意味する。)
【0054】
厚膜型サーミスタは、サーミスタ層15を間に挟んで第1及び第2電極11、12が配置されるが、抵抗(R)は、サーミスタ層15の厚さ(T)に比例し、第1電極11と第2電極12が重なる部分の長さ(L)と幅(W)の積、すなわち、面積に反比例する。
【0055】
したがって、サーミスタ層15の幅W3及び長さL3を、第1電極11の幅W1及び長さL1より大きく形成することにより、サーミスタ層15の端部の厚さが薄くなるか、または厚くなる場合にも、第1電極と第2電極12が重なる部分におけるサーミスタ層15の厚さを一定にすることで、厚膜型サーミスタの抵抗値のばらつきを低減することができるという長所がある。
【0056】
サーミスタ層15の上部には、第2電極12が配置される。
【0057】
第2電極12は、AgPdまたはAgを用いて形成することができる。例えば、第2電極12は、Agを用いて形成する。
【0058】
第2電極12は、AgPdまたはAgの導電性粒子をペーストに分散させて導電性ペーストを設けた後、基板10に該導電性ペーストを印刷して形成することができる。
【0059】
第2電極12が四角形形状を有するとき、幅はW2、長さはL2とすることができる。
【0060】
この際、第2電極12の面積はA2とすることができる。
【0061】
但し、第2電極12の形状は四角形に限定されるものではなく、多角形または円形であってもよい。
【0062】
第2電極12の形状が多角形または円形である場合にも、第2電極12の面積はA2とすることができる。
【0063】
また、第2電極12は、基板10の側面に露出しないように形成することができる。
【0064】
この際、第2電極12は、第2接続電極12aを介して第2外部電極22と電気的に接続されることができる。
【0065】
第2電極12の上面には、溝部12bが配置されることができる。
【0066】
溝部12bは、厚膜型サーミスタの特性を調節するために、レーザーなどを用いてトリミングする工程で形成することができる。
【0067】
但し、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、サーミスタ層15が第1電極11を幅及び長さ方向から完全に覆うように配置されるため、トリミングの際、第1電極11の位置を知らせる表示が必要となる。
【0068】
したがって、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、基板10の上部に配置され、且つ第1電極11と離れ、第1電極11の幅方向の位置を指示する第1表示部14aと、基板10の上部に配置され、且つ第1電極11と離れ、第1電極11の長さ方向の位置を指示する第2表示部14bと、をさらに含むことができる。
【0069】
厚膜型サーミスタの性能は、第1電極11と第2電極12が重なる面積によって決定されることから、第1及び第2表示部14a、14bは第1電極11の位置を正確に知らせる役割を果たす。
【0070】
すなわち、第1及び第2表示部14a、14bは、それぞれ、第1電極11の幅及び長さを仮想の線を引いて延在させた領域に位置するようになる。
【0071】
これにより、第1及び第2表示部14a、14bを介して第1電極11の位置を認知した状態で精密にトリミングすることが可能となる。
【0072】
本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第1及び第2電極11、12とサーミスタ層15を保護する保護層30をさらに含むことができる。
【0073】
保護層15は、基板10の上部に第1及び第2電極11、12とサーミスタ層15を封止するように高分子樹脂が配置されることができる。
【0074】
本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第1電極11の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、第2電極12の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とするとき、L2>L1及びW2>W1である。すなわち、第1電極11の面積をA1とし、第2電極12の面積をA2とするとき、A2>A1である。
【0075】
図3は本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタの断面を電子顕微鏡で撮影したものである。
【0076】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第1電極11の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、第2電極12の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とするとき、L2>L1及びW2>W1であるか、または第1電極11の面積をA1とし、第2電極12の面積をA2とするとき、A2>A1を満たすため、第1電極11と第2電極12が重なる領域(O)が第1電極11の面積によって決定される。
【0077】
特に、図3のサーミスタ層15における両端部、すなわち、重なる領域(O)の両側は、サーミスタ層15の厚さが一定ではなく、厚くなってから再び薄くなることが分かる。
【0078】
一方、重なる領域(O)にサーミスタ層15の厚さが一定ではない部分が含まれる場合、厚膜型サーミスタの抵抗値のばらつきを増加させるという問題がある。
【0079】
これに対し、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、サーミスタ層15が第1電極11を覆うように配置され、第1電極11の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、第2電極12の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とするとき、L2>L1及びW2>W1であるか、または第1電極11の面積をA1とし、第2電極12の面積をA2とするとき、A2>A1を満たすため、重なる領域(O)におけるサーミスタ層15の厚さが一定となり、厚膜型サーミスタの抵抗値を一定にすることができるという長所がある。
【0080】
また、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第1電極11の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、サーミスタ層15の幅及び長さをW3及びL3とするとき、L3>L1及びW3>W1であることができる。すなわち、第1電極11の面積をA1とし、サーミスタ層15の面積をA3とするとき、A3>A1である。
【0081】
従来の厚膜型サーミスタの場合、基板に下部電極を印刷し、下部電極の上部にサーミスタ層を印刷した後、サーミスタ層の上部に上部電極を印刷した。
【0082】
このような印刷工程では、印刷ムラや整列のずれという不良によって下部電極と上部電極が短絡するという問題が発生した。
【0083】
これに対し、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第1電極11の幅及び長さをそれぞれW1及びL1とし、サーミスタ層15の幅及び長さをW3及びL3とするとき、L3>L1及びW3>W1であるか、または第1電極11の面積をA1とし、サーミスタ層15の面積をA3とするとき、A3>A1であるため、第1電極11と第2電極12が短絡するのをサーミスタ層15が防止する役割を果たすようになる。これにより、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタの信頼性が向上することができる。
【0084】
また、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第2電極12の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とし、サーミスタ層15の幅及び長さをW3及びL3とするとき、L3>L2及びW3>W2であることができる。すなわち、第2電極12の面積をA2とし、サーミスタ層15の面積をA3とするとき、A3>A2である。
【0085】
また、厚膜型サーミスタの製造方法において、電極とサーミスタ層を印刷し、焼成する工程が含まれる。
【0086】
この際、電極に含まれる物質がサーミスタ層に拡散して厚膜型サーミスタの性能を低下させる原因となる。
【0087】
これに対し、本発明の一実施形態による厚膜型サーミスタは、第2電極12の幅及び長さをそれぞれW2及びL2とし、サーミスタ層15の幅及び長さをW3とL3とするとき、L3>L2及びW3>W2であるか、または第2電極12の面積をA2とし、サーミスタ層15の面積をA3とするとき、A3>A2を満たすようにすることにより、電極に含まれる物質が第2電極12からサーミスタ層15に拡散することを最大限に防止することができるため、厚膜型サーミスタの性能の低下を防ぐことができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0089】
10 基板
11 第1電極
12 第2電極
15 サーミスタ層
21 第1外部電極
22 第2外部電極
図1
図2
図3