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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-26610(P2018-26610A)
(43)【公開日】2018年2月15日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20180119BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20180119BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20180119BHJP
   H01R 12/91 20110101ALI20180119BHJP
【FI】
   H04N5/225 D
   G03B15/00 V
   G03B17/02
   H04N5/225 C
   H01R12/91
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-155286(P2016-155286)
(22)【出願日】2016年8月8日
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】坂本 徹馬
【テーマコード(参考)】
2H100
5C122
5E123
【Fターム(参考)】
2H100CC07
5C122DA14
5C122EA54
5C122GE14
5C122GE17
5C122GE18
5E123AA16
5E123AB02
5E123AB26
5E123BA01
5E123BB12
5E123CB22
5E123CB31
5E123CB38
(57)【要約】
【課題】端子が位置ずれ吸収機能を有する基板側コネクタを備える撮像装置を小型化する。
【解決手段】撮像装置1が備える基板側コネクタ7の基板側端子15には、基板側ハウジング14の端子収容部14fの内部を、嵌合室14bを形成する壁部14aの内面側から外面側に伸長し、再び内面側に戻ってから嵌合室14bの室内に突出する内曲げ形状の接点ばね片部17を有している。接点ばね片部17がこうした内曲げ形状であるため、コンパクトにばね長の長さを確保することができる。そのばね長の長さは内曲げ形状によって形成される複数の屈曲部を有する長さであることから、柔らかいばね性による位置ずれ吸収の可動量(撓み量)と接続対象物に対する信頼性の高い接触圧を発揮することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と基板を内蔵するフロントハウジングと線状導体を保持するリアハウジングとを有するハウジングと、前記基板と前記線状導体とを導通接続するコネクタとを備えており、
前記コネクタは、基板側ハウジングと基板側端子とを有しており前記基板に実装される基板側コネクタと、前記基板側コネクタと導通接続するハーネス側コネクタとを有する撮像装置において、
前記基板側ハウジングは、前記ハーネス側コネクタが挿入される嵌合室を形成する壁部を有し、前記壁部には、その厚み方向に形成された端子収容部を有しており、
前記基板側端子は、前記端子収容部の内部を前記壁部の内面側から外面側へ伸長し、再び前記内面側に戻ってから前記嵌合室の室内に突出する内曲げ形状の接点ばね片部を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ハーネス側コネクタは、前記嵌合室に挿入される嵌合接続部を有するハーネス側ハウジングを有しており、
前記嵌合接続部は、前記嵌合室への挿入状態で前記嵌合室の内面との間に可動間隙を形成する大きさであり、前記嵌合室の内部で前記可動間隙の範囲で変位可能となっており、
前記基板側端子の前記接点ばね片部は、前記嵌合接続部を前記嵌合室の内部で変位可能な浮動状態で弾性支持する請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記基板側ハウジングは、その外面に凹部を有しており、
前記基板側端子は、前記基板側ハウジングの内部から前記凹部の内部に突出する実装部を有する請求項1または請求項2記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載用カメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のドライブレコーダーや車両後方の視認性の向上のために用いられる車載用カメラや、銀行や商店等において防犯のために用いる監視カメラ等のように、撮像素子を実装した小型の撮像装置が利用されている。
【0003】
従来の小型の撮像装置の一般的な構成は、撮像素子を実装した基板を内蔵するフロントハウジングと、前記基板に接続する電線を保持するリアハウジングとを有する箱状のハウジングを備えている。ハウジングの内部では前記基板と前記電線とがコネクタによって導通接続されている。そのコネクタは前記基板に実装される基板側コネクタと、前記基板側コネクタと導通接続するハーネス側コネクタとによって構成されている。
【0004】
こうした従来の撮像装置では、フロントハウジングとリアハウジングとを組み合わせることで基板側コネクタとハーネス側コネクタとを導通接続させる。しかしながらそれらの嵌合位置の正確性は、フロントハウジングとリアハウジングとの組付け精度や、フロントハウジングへの基板の組付け精度等による影響を受けることから、嵌合位置が位置ずれすることなく嵌合接続するのは難しい。そこで嵌合位置の位置ずれ吸収機能を備えるコネクタを備える撮像装置が知られている(特許文献1)。この撮像装置に備える基板側コネクタは、接続対象となる相手端子の挿入方向に対する交差方向での嵌合位置のずれを、基板側コネクタの端子の接点が弾性変形することで吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−99411号公報、図12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の基板側コネクタは、その特徴とする嵌合位置の位置ずれ吸収機能を実現するための端子の構造に起因して、特に平面方向(X方向及びY方向)で大型化してしまうという問題がある。前述の基板側コネクタ(43)は、相手端子が挿入される基板側ハウジング(45)の嵌合室の内部に端子の接点部(47a)が位置しており、端子(47)はその接点部(47a)から嵌合室の外方へ屈曲する逆U字状の可動片(47c)を介して基板側ハウジング(45)の外部に突出する基板接続部(47b)を有している。このように端子の屈曲方向が、嵌合室の内部から基板側ハウジングの外部に向かう「外曲げ形状」であることから、それを収容する基板側ハウジングの形状も大きくなる上に、基板接続部が基板側ハウジングの側面の外方に大きく突出してしまう。その結果、基板側コネクタの基板に対する投影面積が大きくなり、基板の大型化により撮像装置までもが大型化してしまうのである。
【0007】
以上のような従来の撮像装置を背景になされたのが本発明である。その目的は、端子が位置ずれ吸収機能を有する基板側コネクタを備える撮像装置を小型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明は以下の特徴を有する撮像装置として構成される。
【0009】
本発明は、撮像素子と基板を内蔵するフロントハウジングと線状導体を保持するリアハウジングとを有するハウジングと、前記基板と前記線状導体とを導通接続するコネクタとを備えており、前記コネクタは、基板側ハウジングと基板側端子とを有しており前記基板に実装される基板側コネクタと、前記基板側コネクタと導通接続するハーネス側コネクタとを有する撮像装置について、前記基板側ハウジングは、前記ハーネス側コネクタが挿入される嵌合室を形成する壁部を有し、前記壁部には、その厚み方向に形成された端子収容部を有しており、前記基板側端子は、前記端子収容部の内部を前記壁部の内面側から外面側へ伸長し、再び前記内面側に戻ってから前記嵌合室の室内に突出する内曲げ形状の接点ばね片部を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の撮像装置では、嵌合室を形成する壁部の厚み方向に沿って端子収容部が形成されており、基板側端子には、その端子収容部の内部を嵌合室を形成する壁部の内面側から外面側に伸長し、再び内面側に戻ってから嵌合室の室内に突出する内曲げ形状の接点ばね片部を有している。接点ばね片部がこうした内曲げ形状であるため、コンパクトにばね長の長さを確保することができる。そのばね長の長さは内曲げ形状によって形成される複数の屈曲部を有する長さであることから、柔らかいばね性による位置ずれ吸収の可動量(撓み量)と接続対象物に対する信頼性の高い接触圧を発揮することができる。
【0011】
即ち、前述した従来技術の撮像装置の基板側端子は、屈曲方向が嵌合室の内部から基板側ハウジングの外部に向かう「外曲げ形状」であり、その可動片は逆U字状の頂点の屈曲部1箇所によってばね性を発揮するものであるため、ばね長が短く相手端子との嵌合接続時の挿入力が硬くなる上に可動量も少なく、その1箇所の屈曲部に弾性変形による応力が集中してばね性に劣化が生じやすい。他方、本発明の基板側端子は前述の「内曲げ形状」であるため、ばね長を長く確保することができ、複数の屈曲部による弾性変形によって、嵌合位置の位置ずれ吸収に対する十分な可動量(撓み量)と信頼性の高い導通接続を得るための接触圧を実現することができる。こうして本発明の撮像装置であれば、基板側端子が嵌合位置の位置ずれ吸収機能を実現しつつ、基板側コネクタ全体を小型化することができる。
【0012】
前記本発明については、前記ハーネス側コネクタが前記嵌合室に挿入される嵌合接続部を有するハーネス側ハウジングを有しており、前記嵌合接続部が前記嵌合室への挿入状態で前記嵌合室の内面との間に可動間隙を形成する大きさであり、前記嵌合室の内部で前記可動間隙の範囲で変位可能となっており、前記基板側端子の前記接点ばね片部が前記嵌合接続部を前記嵌合室の内部で変位可能な浮動状態で弾性支持する。
【0013】
本発明によれば、基板側コネクタとハーネス側コネクタとを嵌合接続した状態でハーネス側コネクタを変位させることができる。即ち、両コネクタの嵌合接続状態で、基板側コネクタの嵌合室とハーネス側コネクタの嵌合接続部との間には可動間隙が形成されており、嵌合接続部は基板側端子の接点ばね片部によって変位可能に浮動状態で弾性支持されている。これにより基板側コネクタとハーネス側コネクタの嵌合位置の位置ずれを吸収しつつ確実に導通接続させることができる。
【0014】
前記本発明については、前記基板側ハウジングが外面に凹部を有しており、前記基板側端子が前記基板側ハウジングの内部から前記凹部の内部に突出する実装部を有する。
【0015】
これによれば基板側端子の実装部が凹部の内側に納まり、基板側ハウジングの外面の外方に大きく突出しないので、基板側コネクタの基板に対する投影面積の増大を抑制することができ、基板の小型化、ひいては撮像装置の小型化に貢献することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の撮像装置によれば、内曲げ形状の接点ばね片部を形成した基板側端子を有する基板側コネクタによって、基板側コネクタとハーネス側コネクタとの嵌合位置の位置ずれ吸収機能を発揮しつつも、基板側コネクタの小型化により撮像装置全体の小型化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態による撮像装置の説明図であり、分図(a)は分解状態を示す説明図、分図(b)は組立状態を示す説明図。
図2図1の基板側コネクタの正面、平面、右側面を示す外観斜視図。
図3図1の基板側コネクタの正面図。
図4図1の基板側コネクタの平面図。
図5図1の基板側コネクタの右側面図。
図6図1の基板側コネクタの底面図。
図7図3のA−A線断面図。
図8図7のB−B線断面図。
図9図1の基板側コネクタの基板側端子の外観図であり、分図(a)は第1の基板側端子の正面図、分図(b)は分図(a)の右側面図、分図(c)は第2の基板側端子の正面図、分図(b)は分図(a)の右側面図。
図10図1のハーネス側部品の正面、平面、右側面を示す斜視図。
図11図10のハーネス側端子の正面、平面、右側面を示す斜視図。
図12図1の基板側コネクタとハーネス側コネクタとの嵌合状態を示す部分断面図。
図13図1の基板側コネクタとハーネス側コネクタとの嵌合状態を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の撮像装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本明細書、特許請求の範囲、図面では、図2で示す基板側コネクタの幅方向ないし左右方向をX方向、前後方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。また、X方向における右側面の側を「右」、左側面の側を「左」とし、Y方向における正面を「前」、背面を「後」とし、Z方向における平面を「上」、底面を「下」として説明する。しかし、こうした左右、前後、上下の特定は本発明の撮像装置や、基板側コネクタとハーネス側コネクタの実装方向、使用方向を限定するものではない。
【0019】
撮像装置1の説明
撮像装置1は、図1でその概要を示すように、本体側部品2とハーネス側部品3とを備えている。
【0020】
本体側部品2は「ハウジング」の一部を構成するフロントハウジング4を備えており、その内部には撮像素子等を含む光学系部品5と、フロントハウジング4に固定されている基板6と、「コネクタ」の一つをなす基板側コネクタ7が収容されている。
【0021】
ハーネス側部品3は「箱状のハウジング」の一部を構成するリアハウジング8を備えており、リアハウジング8は蓋体9と、「線状導体」としての電線10と、ハーネス側端子11と、合成樹脂製の封止部材12を備えている。蓋体9には突起状の嵌合接続部9aが形成されており、そこにハーネス側端子11が取付けられる。嵌合接続部9aを有する蓋体9とハーネス側端子11は「コネクタ」の一つをなすハーネス側コネクタ13を構成する。
【0022】
本体側部品2とハーネス側部品3は、フロントハウジング4の開口端4aにリアハウジング8の蓋体9の板面を当接させて、その状態でボルト止め等の物理的手段や接着剤等の化学的手段による固定部材にて固定される。この固定の際には、本体側部品2の基板側コネクタ7にハーネス側部品3のハーネス側コネクタ13を嵌合接続させるが、その際に基板側コネクタ7とハーネス側コネクタ13との嵌合位置に相対的な位置ずれが生じてしまう。その位置ずれを吸収できるのが撮像装置1であり、その機能を担うのが基板側コネクタ7とハーネス側コネクタ13である。そこで以下それらの具体的な構造、作用、効果について説明する。
【0023】
基板側コネクタ7の説明
基板側コネクタ7は、基板側ハウジング14と基板側端子15とを備えており、基板6に実装されて、撮像素子等の光学系部品5に対して導通接続している。
【0024】
基板側ハウジング14は、角筒状の壁部14aを有しており、その内部には蓋体9の嵌合接続部9aを挿入する嵌合室14bが形成されている。壁部14aの外面の四隅には壁部14aの外周面から内方に凹ませた凹部14cが形成されている。凹部14cによって基板側コネクタ7の基板6に対する投影形状を四角形状にすることができ、基板6への実装面積の増大が抑えられている。
【0025】
角筒状に形成された壁部14aは、X方向に沿う基板側端子15の配列方向に沿って伸長する端子保持壁14dとY方向に沿う左右の側壁部14eとを有する。壁部14aの長手方向に沿う端子保持壁14dは、次の理由から壁部14aの短手方向に沿う側壁部14eよりも、壁部14aの厚み方向で肉厚に形成されている。即ち、端子保持壁14dには、端子収容部14fが形成されている。端子収容部14fは、壁部14aの内面をなす嵌合室14bから壁部14aの外面に貫通するスリット状に形成されている。このように端子保持壁14dを厚み方向で肉厚に形成することで、基板側端子15の長いばね長を確保しつつ、その弾性変形を許容できるようにするための大きな空間を有する端子収容部14fを設けることができる。端子保持壁14dには、溝状の端子固定部14gが基板側端子15の配列方向に沿って形成されており、その配列方向(X方向)で突っ張るようにして基板側端子15を圧入固定する(図8)。X方向に沿う端子固定部14gは、Y方向に沿う端子収容部14fと交差するように連通して形成されており(図6)、基板側端子15をX方向でしっかりと圧入固定した状態で、端子収容部14fの内部で後述する基板側端子15の接点ばね片部17を弾性変形させるようにしている。
【0026】
基板側端子15には、第1の基板側端子15A(図9(a)(b))と第2の基板側端子15B(図9(c)(d))の2つの種類があり、それらは図4の平面図で示すように基板側ハウジング14に取付けられるが、特に明示して特定する場合を除き基板側端子15として説明する。基板側端子15には、基部16と、接点ばね片部17と、基板接続部18とが形成されている。
【0027】
基部16は、基板側ハウジング14の底面から前述の端子固定部14gに圧入されて固定される部位である。基部16はX方向に沿う横片部16a(第1の基部片)とZ方向に沿う縦片部16b(第2の基部片)とが形成されており、それらの側縁16cには端子固定部14gに食い込む圧入突起16dが複数形成されている。基板側端子15は、圧入突起16dが端子固定部14gの溝壁に食い込み、横片部16aが端子固定部14gの内部でX方向で突っ張るようにして固定される。
【0028】
接点ばね片部17は、基部16の縦片部16bから伸びる横片部16aの下縁16eから伸長して形成されている。具体的には、下縁16eからZ方向で基板側ハウジング14の底面側に伸長する第1の伸長部17a、第1の伸長部17aからY方向で基板側ハウジング14(壁部14a)の外面側に向けて屈曲する第1の屈曲部17b、第1の屈曲部17bからZ方向で基板側ハウジング14の天面側へ伸長する第2の伸長部17c、第2の伸長部17cから基板側ハウジング14(壁部14a)の内面側に向けて屈曲する第2の屈曲部17d、第2の屈曲部17dから嵌合室14bの室内に突出するように伸長し、その突出端に接点17eを有する接触部17fが形成されている。
【0029】
このように接点ばね片部17は、壁部14aに形成された端子収容部14fの内部で、壁部14aの内面側から外面側へ伸長し、再び内面側に戻ってから嵌合室14bの室内に突出するように伸長する「内曲げ形状」に屈曲して形成されている。換言すると接点ばね片部17は内周端が基部16に繋がる内巻き形状である。このため、コンパクトにばね長の長さを確保することができる。そのばね長の長さは内曲げ形状によって形成される複数の伸長部17a、17cと屈曲部17b、17dを有する長さであることから、柔らかいばね性による嵌合位置の位置ずれ吸収に対する十分な可動量(撓み量)と、接続対象物となるハーネス側端子11との信頼性の高い導通接続を得るための接触圧を実現することができる。また、接点ばね片部17は、第1の屈曲部17bが基板側ハウジング14の底面側に位置し、第2の屈曲部17dが基板側ハウジング14の嵌合口側となる天面側に位置しており、それらが嵌合室14bに対するハーネス側コネクタ13の嵌合接続部9aの挿抜方向(嵌合方向(Z方向))に伸長する第2の伸長部17cによって繋がっている縦方向で折り返す内曲げ形状である。したがって、基板側ハウジング14の前後方向(Y方向)のサイズを小型化することが可能である。さらに、接点ばね片部17は、そのような縦方向で折り返す内曲げ形状であって接点17eに対する接触方向が前記挿抜方向に対する交差方向である。このため、ハーネス側コネクタ13の嵌合接続部9aを押し込む挿入力が、そのまま基板6を押し込む力として基板6に伝わり、これによってフロントハウジング4内部での基板6の取付位置がZ方向で位置ずれするような不具合の発生を防ぐことができる。
【0030】
基板接続部18は、縦片部16bの下端側からX方向に伸長する延長部18a、延長部18aからY方向に屈曲する屈曲部18b、屈曲部18bから伸長し基板6に対してはんだ付けされる実装部18cが形成されている。既存のコネクタでは接点ばね片部と実装部とをY方向に沿って一軸上に形成する端子が知られているが、基板側コネクタ7では接点ばね片部17に対してX方向でずらして平行に実装部18cを伸長させる。そして接点ばね片部17と実装部18cは、X方向で部分的に重なるように位置している。これによって基板側ハウジング14の端子保持壁14dに大きな端子収容部14fを形成してそこに接点ばね片部17を配置しても、基板側ハウジング14の凹部14cに実装部18cを配置することができ、基板側ハウジング14の外面の外方に実装部18cが突出しないので、基板側コネクタ7の基板6に対する投影面積の増大を抑制することができる。
【0031】
ハーネス側コネクタ13の説明
ハーネス側コネクタ13は、嵌合接続部9aを有する蓋体9とハーネス側端子11とを備える。蓋体9には四角柱状に突出する嵌合接続部9aが形成されており、嵌合接続部9aには端子取付部9bが形成されている。嵌合接続部9aにはその長手方向に沿う一方面と他方面にそれぞれ2つの端子取付部9bが形成されている。
【0032】
端子取付部9bに取付られるハーネス側端子11は、所謂タブ端子であり、図11で示すような電線保持部19と接触部20とが形成されている。このうち接触部20は対向する上片20aと下片20bが基端側屈曲部20cと先端側屈曲部20dとで繋がって形成されている。上片20aにおける基端側屈曲部20cと先端側屈曲部20dとの間は、X方向に沿う接触部20の幅いっぱいに、換言すると端子取付部9bの溝幅全体に亘って平坦面が広がるような接触面20eとなっており、大きな接触面積を確保している。これにより後述のように基板側コネクタ7とハーネス側コネクタ13とのX方向での嵌合位置の位置ずれによって、基板側コネクタ7の接点17eの接触位置がずれても、確実に平坦面で幅の広い接触面20eに対して導通接触できるようにしている。
【0033】
基板側コネクタ7とハーネス側コネクタ13との嵌合接続の説明
次に、以上のような基板側コネクタ7とハーネス側コネクタ13の嵌合接続の特徴について説明する。
【0034】
本体側部品2とハーネス側部品3とを組み合わせて撮像装置1を形成するには、図12で示すように基板側コネクタ7の嵌合室14bにハーネス側コネクタ13の嵌合接続部9aを挿入する。図12図13で示すように、嵌合接続部9aは嵌合室14bよりも外形が小さく形成されており、本体側部品2にハーネス側部品3を組み付けた状態で、嵌合接続部9aと嵌合室14bとの間にはX方向で可動間隙d1(図13)、Y方向で可動間隙d2(図12)が形成されている。そして、嵌合接続部9aは、基板側端子15の接点ばね片部17がハーネス側端子13の接触面20eに弾性接触することで浮動状態で支持されている。したがって、可動間隙d1,d2の範囲内であれば、嵌合接続部9aは嵌合室14bの内部で変位することができる。これによって基板側コネクタ7とハーネス側コネクタ13の嵌合位置に位置ずれが生じても、嵌合接続部9aの変位と接点ばね片部17の弾性変形により位置ずれを吸収して嵌合接続することができる。つまり撮像装置1を組み立てることができる。
【0035】
そして、前述のように嵌合位置に位置ずれが生じていても、前述のように基板側端子15の接点ばね片部17は内曲げ形状であり、伸長部複数の伸長部17a、17cと屈曲部17b、17dを有する長さであることから、柔らかいばね性による嵌合位置の位置ずれ吸収に対する十分な可動量(撓み量)と、ハーネス側端子11との信頼性の高い導通接続を得るための接触圧を実現することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 撮像装置
2 本体側部品
3 ハーネス側部品
4 フロントハウジング(箱状のハウジング)
4a 開口端
5 光学系部品
6 基板
7 基板側コネクタ(コネクタ)
8 リアハウジング(箱状のハウジング)
9 蓋体
9a 嵌合接続部
10 電線(線状導体)
11 ハーネス側端子
12 封止部材
13 ハーネス側コネクタ(コネクタ)
14 基板側ハウジング
14a 壁部
14b 嵌合室
14c 凹部
14d 端子保持壁
14e 側壁部
14f 端子収容部
14g 端子固定部
15 基板側端子
15A 第1の基板側端子
15B 第2の基板側端子
16 基部(基板側端子)
16a 横片部
16b 縦片部
16c 側縁
16d 圧入突起
16e 下縁
17 接点ばね片部(基板側端子)
17a 第1の伸長部
17b 第1の屈曲部
17c 第2の伸長部
17d 第2の屈曲部
17e 接点
17f 接触部
18 基板接続部(基板側端子)
18a 延長部
18b 屈曲部
18c 実装部
19 電線保持部(ハーネス側端子)
20 接触部(ハーネス側端子)
20a 上片
20b 下片
20c 基端側屈曲部
20d 先端側屈曲部
20e 接触面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
図13