【課題】電気伝導性に対する異方性に優れ、膨脹係数の差による内部応力を最小化することができ、パッケージングの不良を最小化することができる多層異方性導電フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る多層異方性導電フィルム3000は、グラフェン(Graphene)120及び導電性フィラー130を含み、電気伝導性に対する方向性を有する異方性導電層100と、異方性導電層100上に形成された非導電層200と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明白に表現しない限り、複数の表現を含む。
【0010】
本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなくてはならない。
【0011】
また、明細書の全般にわたって、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0012】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0013】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上任意に示したものであり、本発明が必ずしもそれらに限定されることはない。
【0014】
以下、本発明に係る多層異方性導電フィルムの実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これについての重複説明を省略する。
【0015】
<多層異方性導電フィルム>
(第1実施例及び変形例)
図1は、本発明の第1実施例に係る多層異方性導電フィルムを示す図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の第1実施例に係る多層異方性導電フィルム1000は、異方性導電層100、非導電層200及び保護層10を含む。
【0017】
異方性導電層100は、グラフェン(Graphene)120及び導電性フィラー130を含み、電気伝導性に対する方向性を有する。異方性導電層100におけるグラフェン120と導電性フィラー130は、第1絶縁樹脂110内で一方向に配向されているので、異方性導電層100は、上記一方向にのみ電気伝導性を有する。本明細書において異方性導電層100が電気伝導性に対する方向性を有するとは、異方性導電層100のx−y−z軸のうちのいずれか一つの軸に対する電気伝導性が、その他の軸に対する電気伝導性よりも大きいことを意味する。最も好ましくは、いずれか一つの軸に対しては電気伝導性であり、その他の軸に対しては電気絶縁性であることを意味するが、必ずしもこれに限定されることはない。
【0018】
第1絶縁樹脂110としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂またはこれらの混合物のうち電気絶縁性を有するものが選択される。第1絶縁樹脂110は、液晶高分子(LCP:Liquid crystal polymer)及びエポキシ樹脂で構成された群から選択される少なくともいずれか1つで構成されることができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン変性エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0019】
第1絶縁樹脂110は、半硬化状態(B−stage)に形成され、グラフェン120の配向方向をパッケージング時まで保持することができる。
【0020】
グラフェン120は、炭素原子が六角形の格子状に繋がれた板状構造の材料であって、優れた電気伝導性及び優れた物理的機械的性質を有する。
【0021】
グラフェン120は、第1絶縁樹脂110内で一方向に配向されるが、電気伝導性のグラフェン120を一方向に配向することにより、異方性導電層100が一方向にのみ電気伝導性を有することができる。第1絶縁樹脂110内でのグラフェン120を一方向に配向することの詳細は後述する。
【0022】
グラフェン120は、異方性導電層100の厚さ方向に配向される。これにより、異方性導電層100の厚さ方向に沿ってプリント回路基板と半導体ダイとが互いに電気的に接続することができる。グラフェン120の配向方向により、異方性導電層100は、面方向に電気的絶縁性を有する。よって、プリント回路基板と半導体ダイとをパッケージングするに当たって、異方性導電層100の面方向に配列された、隣接するプリント回路基板のパッド間、隣接する半導体ダイのバンプ間、または隣接するパッド−バンプの結合構造間は、それぞれ電気的に絶縁される。
【0023】
ここで、プリント回路基板のパッド及び半導体ダイのバンプとは、それぞれプリント回路基板及び半導体ダイに形成される外部接続手段を意味する。すなわち、本明細書においてのパッド及びバンプは、電子装置の通常の外部端子と同一の機能を有する。よって、本発明のパッド及びバンプと同一の機能を有するものであれば、その名称にかかわらず本発明の範囲に属するものとしてみるべきである。
【0024】
導電性フィラー130は、電気伝導性を有する物質の粒子であって、第1絶縁樹脂110に分散される。
図1に示すように、導電性フィラー130は、グラフェン120とともに一方向に配向されるが、導電性フィラー130は、本実施例に係る多層異方性導電フィルム1000の電流密度を向上させることができ、本実施例に適用される異方性導電層100の成形性を向上させることができる。
【0025】
導電性フィラー130は、金属及び/または合金を含むことができる。具体的には、導電性フィラー130は、銅、金、銀、ニッケルまたはこれらの合金を含む群から選択された少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0026】
導電性フィラー130は、非導電性物質のコアとコアの表面を導電性物質によりコーティングした構造で形成されることができ、導電性粒子のみで形成されることもできる。
【0027】
導電性フィラー130は、球状、半球状、多角形、シリンダー状または板状等の様々な形状に形成可能であり、
図1等に示されている導電性フィラー130の形状は、例示に過ぎないものである。
【0028】
導電性フィラー130の直径は、数nmから数十μmの大きさから様々に選択することができる。導電性フィラー130が球状ではない場合の導電性フィラー130の直径とは、導電性フィラー130の表面の互いに異なる二つの点を結び、導電性フィラー130の重さ中心を通る複数の線分のそれぞれの長さのうちの最長の長さを意味することにする。
【0029】
非導電層200は、第2絶縁樹脂210と酸化グラフェン(Grahpine Oxide)220とを含み、異方性導電層100上に形成される。
【0030】
第2絶縁樹脂210としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂またはこれらの混合物のうち電気絶縁性を有するものが選択される。第2絶縁樹脂210は、液晶高分子及びエポキシ樹脂で構成された群から選択された少なくともいずれか1つで構成されることができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン変性エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0031】
第2絶縁樹脂210は、半硬化状態に形成され、パッケージング時まで非導電層200の変形を防止することができ、パッケージング時の加工性を向上させることができる。
【0032】
酸化グラフェン220は、第2絶縁樹脂210に分散された物質であって、上述したグラフェン120の酸化物に該当し、電気的非導電性を有する。酸化グラフェン220は、電気的性質を除いてはグラフェン120と類似した熱的、機械的性質を有する。
【0033】
保護層10は、非導電層200の上面及び異方性導電層100の下面それぞれに形成され、本実施例に係る多層異方性導電フィルム1000を外部から保護する。
【0034】
保護層10は、プリント回路基板を加工するために使用される材料のうち、多層フィルムの形態に提供されるフィルム材の最外郭に形成される通常の保護フィルムである場合がある。よって、本実施例においての保護層10は、通常のキャリアフィルム、離形フィルムまたは保護フィルム等と同一の機能を行う。
【0035】
保護層10は、パッケージング時、非導電層200及び異方性導電層100からそれぞれ分離される。すなわち、パッケージング時には、本実施例に係る多層異方性導電フィルム1000中、異方性導電層100及び非導電層200のみが選択的に利用される。
【0036】
パッケージング時に保護層10を容易に除去するために、保護層10の一面には離型性物質が塗布されてもよい。
【0037】
本実施例に係る多層異方性導電フィルム1000は、様々な設計のパッケージに適用可能である。例として、本実施例に係る多層異方性導電フィルム1000は、プリント回路基板と半導体素子とをパッケージングする場合だけではなく、プリント回路基板と液晶ディスプレーのITO等の透明電極とをパッケージングする場合にも使用可能である。
【0038】
図2は、本発明の第1実施例の変形例に係る多層異方性導電フィルムを示す図である。
【0039】
図2を参照すると、本発明の第1実施例の変形例に係る多層異方性導電フィルム1000'は、第1実施例の構成のうち、酸化グラフェン(
図1の220参照)を除いた構成が同じであり、第1実施例の酸化グラフェンが無機フィラー230に置換される。
【0040】
無機フィラー230としては、アルミナ、シリカ、ガラス、シリコンカーバイド及びこれらの混合物からなる群より選択された少なくともいずれか1つを用いることができ、これに限定されず、各種金属酸化物または金属窒化物等、電気的不導体の無機材料であれば、本変形例の無機フィラー230に含まれることができる。
【0041】
無機フィラー230は、球状、半球状、多角形、シリンダー状または板状等の様々な形状に形成可能であり、
図2に示されている無機フィラー230の形状は、例示に過ぎないものである。
【0042】
無機フィラー230の直径は、数nmから数十μmの大きさから様々に選択することができる。無機フィラー230が球状ではない場合の無機フィラー230の直径とは、無機フィラー230の表面の互いに異なる二つの点を結び、無機フィラー230の重さ中心を通る複数の線分のそれぞれの長さのうちの最長の長さを意味することにする。
【0043】
本変形例に係る多層異方性導電フィルム1000'は、設計上の必要により無機フィラー230の含量を様々に変更することができる。また、本変形例に係る多層異方性導電フィルム1000'は、設計上の必要により、酸化グラフェンを除いた電気絶縁性の有機フィラーをさらに含むことができる。
【0044】
本変形例に係る場合、非導電層200の熱膨脹係数は、半導体ダイの熱膨脹係数と類似になることができる。
【0045】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例に係る多層異方性導電フィルムを示す図である。
【0046】
図3を参照すると、本発明の第2実施例に係る多層異方性導電フィルム2000は、異方性導電層100、非導電層200及び保護層10を含む。
【0047】
本実施例を本発明の第1実施例と比べると、非導電層200が異なり、その他の構成は本発明の第1実施例と同じである。よって、以下では、本発明の第1実施例とは異なる非導電層200を中心に説明する。
【0048】
非導電層200は、第2絶縁樹脂210、酸化グラフェン220及び無機フィラー230を含み、無機フィラー230と酸化グラフェン220とは互いに化学的に結合され、無機フィラー−酸化グラフェン複合材料(Composite)の形態で第2絶縁樹脂210に分散される。
【0049】
無機フィラー−酸化グラフェン複合材料の形成メカニズムを説明すると、酸化グラフェン220の表面に存在する−COOH、−OH、−C−O−C−(epoxy ring)の機能性作用基と無機フィラー230の表面に存在する−OH及び−NHの機能性作用基との間の酸−塩基反応により、−C−O−C−と−C−N−C−作用基を有する無機フィラー−酸化グラフェン複合材料が形成される。
【0050】
一方、
図3には、本実施例に適用される無機フィラー230の全てが酸化グラフェン220と結合していることに示されているが、これは例示に過ぎず、無機フィラー−酸化グラフェン複合材料を形成していない無機フィラー230が第2絶縁樹脂210に分散されている場合も当然本発明の範囲に属するものといえよう。
【0051】
本実施例の場合、非導電層200が、異方性導電層100に含まれているグラフェン120と熱的・機械的性質の類似の酸化グラフェン220を含むので、異方性導電層100と非導電層200との間の応力発生を最小化することができる。また、本実施例の場合、非導電層200が、半導体ダイの主要構成物質である無機材料と熱的・機械的性質の類似の無機フィラー230を含むので、本実施例に係る多層異方性導電フィルム2000と半導体ダイとの間の熱的・機械的結合が向上することができる。
【0052】
(第3実施例)
図4は、本発明の第3実施例に係る多層異方性導電フィルムを示す図である。
【0053】
図4を参照すると、本発明の第3実施例に係る多層異方性導電フィルム3000は、内層100、緩衝層200、外層300及び保護層10を含む。本実施例に係る内層100と保護層10については、それぞれ本発明の第1実施例に係る異方性導電層(
図1の100参照)と保護層(
図1の10参照)に対応するので詳細な説明を省略し、本実施例では、緩衝層200と外層300を中心に説明する。
【0054】
本実施例を本発明の第1実施例、第1実施例の変形例及び第2実施例と比べると、第1実施例、第1実施例の変形例及び第2実施例で説明した非導電層(
図1〜
図3の200参照)のそれぞれが組み合わせられて二重層構造の非導電層である本実施例の緩衝層200と外層300を形成する。
【0055】
すなわち、本実施例に適用される緩衝層200は、本発明の第2実施例で説明した非導電層(
図3の200参照)と同じであり、本実施例に適用される外層300は、本発明の第1実施例の変形例で説明した非導電層(
図2の200参照)と同じである。
【0056】
本実施例は、下部から、内層100−緩衝層200−外層300の3重層構造に形成され、緩衝層200が、内層100のグラフェン120及び外層300の第2無機フィラー330とそれぞれ熱的・機械的性質の類似の酸化グラフェン220及び第1無機フィラー230を含むので、内層100と外層300との間の熱膨脹係数の急激な変化を防止することができる。よって、熱膨脹係数の不均衡による内部応力の発生を最小化することができる。
【0057】
<多層異方性導電フィルムの製造方法>
図5は、本発明の一実施例に適用される異方性導電層の製造方法を概略的に示す図である。
【0058】
以下では、本発明の第3実施例に係る多層異方性導電フィルム(
図4の3000参照)を製造するための製造方法を説明する。
【0059】
先ず、グラフェンと導電性フィラーとが第1絶縁樹脂に分散された第1ワニスV1、酸化グラフェンと第1無機フィラーとが第2絶縁樹脂に分散された第2ワニス、及び第2無機フィラーが第3絶縁樹脂310に分散された第3ワニスをそれぞれ準備する。
【0060】
第1ワニス、第2ワニス及び第3ワニスのそれぞれは、本発明の第3実施例で説明した内層(
図4の100参照)、緩衝層(
図4の200参照)及び外層(
図4の300参照)となる原材料に該当する。
【0061】
第1ワニスV1は、グラフェンと導電性フィラーとを混合した後に、混合されたグラフェンと導電性フィラーとを第1絶縁樹脂に分散させることにより形成される。
【0062】
第2ワニスは、酸化グラフェンと第1無機フィラーとを混合した後に、混合された酸化グラフェンと第1無機フィラーとを第2絶縁樹脂に分散させることにより形成される。
【0063】
酸化グラフェンと第1無機フィラーとは、混合ステップまたは分散ステップにおいて、上述したように無機フィラー−酸化グラフェン複合材料を形成することができる。
【0064】
グラフェンは、グラファイトから製造されるか、炭素ナノチューブを切断して製造されるか、またはメタンを炭素原として使用するCVD(Chemical vapor deposition)工程により製造されることができる。
【0065】
グラファイトからグラフェンを製造する方法は、大きく機械的剥離法及び物理化学的剥離法の二つに分けられる。
【0066】
機械的剥離法は、粘着テープ等をグラファイトに付けたり、剥がしたりすることを繰り返してグラファイトの積層構造を壊すことによりグラフェンを製造する方法である。
【0067】
物理化学的剥離法は、積層構造を有するグラファイトの固まりを適当な溶媒に分散させた状態でグラファイトの表面と層間構造との間で酸化反応を起こして層と層との間の空間を広げ、再びここに他の物質を表面吸着させ、結局にはこれを完全に剥離させる過程を含む。
【0068】
これをより詳細に説明すると、先ず、グラファイトの形態に積層されているグラフェンの表面または末端、表面と末端の両方ともをカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、アミン基等のイオン性官能基で改質することにより酸化グラフェンを形成し、グラファイトの積層構造を破壊する。以後、還元反応により酸化グラフェンの表面または末端、表面と末端の両方ともを還元させてグラフェンを製造する。
【0069】
グラフェンがカルボキシル基及びヒドロキシル基を有するように改質する方法、及び酸化グラフェンを還元させる方法は、当業界において通常的に使用できるすべての方法を使用することができる。一例として、グラファイトを粉砕、酸化させることで酸化グラファイトが得られ、超音波で酸化グラファイトを処理することで酸化グラフェンが得られ、酸化グラフェンをヒドラジンとアンモニアで処理することでグラフェンが得られる方法を使用することができる。
【0070】
第1絶縁樹脂、第2絶縁樹脂及び第3絶縁樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂またはこれらの混合物のうち電気絶縁性を有するものが選択される。第1絶縁樹脂、第2絶縁樹脂及び第3絶縁樹脂は、液晶高分子及びエポキシ樹脂で構成された群から選択された少なくともいずれか1つで構成されることができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン変性エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0071】
次に、
図5に示すように、第1ワニスV1を保護層10に塗布し(A)、第1ワニスV1に電場または磁場を印加してグラフェンと導電性フィラーを一方向に配向した後(B)に、第1ワニスV1を半硬化状態に乾燥(C)することで、内層(
図4の100参照)を形成する。
【0072】
図6を参照すると、電場において上面を+極、下面を−極となるように配置するか、または磁場上において上面をS極、下面をN極となるように配置し、グラフェン120と導電性フィラー130とが第1ワニスV1の厚さ方向に沿って配向されることができる。または、電場において上面を−極、下面を+極となるように配置するか、または磁場上において上面をN極、下面をS極となるように配向しても、グラフェン120と導電性フィラー130とが第1ワニスV1の厚さ方向に沿って配向されることができる。
【0073】
乾燥工程(C)では、第1絶縁樹脂がグラフェン120と導電性フィラー130とを固定できるように第1ワニスV1が乾燥され、この過程により、内層の第1絶縁樹脂は半硬化状態を保持することができる。
【0074】
たとえ図面に示されていないが、乾燥ステップの終了後、内層上に第2ワニスを塗布した後に乾燥して緩衝層を形成し、緩衝層上に第3ワニスを塗布した後に乾燥して外層を形成することができる。最後に、外層上に保護層を形成することにより、本発明の第3実施例に係る多層異方性導電フィルムを製造することができる。
【0075】
第2ワニスと第3ワニスによりそれぞれ緩衝層と外層を形成する過程は、上述の内層を形成する過程と類似であるので、詳細な説明を省略する。但し、内層形成過程においての配向過程(B)は、緩衝層と外層を形成する過程から省略可能である。
【0076】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載の本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更または削除等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の範囲内に含まれるものといえよう。