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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-29811(P2018-29811A)
(43)【公開日】2018年3月1日
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180202BHJP
【FI】
   A63F7/02 332B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-164648(P2016-164648)
(22)【出願日】2016年8月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康晴
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA05
2C088CA28
(57)【要約】
【課題】パチンコ遊技機の稼動状況が設計値通りであるのか否かを比較的容易に把握することができる遊技場用管理システムを提供する。
【解決手段】遊技場用管理システムにおいて、偶然性に左右される当選確率を理論上の当選確率であったと仮定したうえで理論上の役物比率を算出するようにしたので、偶然性の要因を排際した本来の役物比率を把握することが可能となり、それが設計値通りの値となっているのか否かを容易に確認することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入賞可能な始動入賞口、及び閉鎖状態と開放状態とに変化可能な役物入賞口と、
前記始動入賞口への入賞に応じて、規定された確率で抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選で当選したことを条件として前記役物入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させる役物制御手段と、
前記始動入賞口及び前記役物入賞口への入賞に応じて、規定された数の遊技球を付与する遊技球付与手段と、
前記遊技球付与手段により付与された遊技球数を特定可能な遊技球数信号を出力する出力手段と、を備えたパチンコ遊技機の稼動状況を管理する遊技場用管理システムにおいて、
前記遊技球付与手段により付与された全ての遊技球数を全付与数として算出する全付与数算出手段と、
前記遊技球付与手段により付与された遊技球数のうち、前記役物入賞口への入賞に応じて付与された遊技球数を役物付与数として算出する役物付与数算出手段と、
前記全付与数に占める前記役物付与数の割合を役物比率として算出する役物比率算出手段と、
前記抽選手段による抽選で実際に当選した確率が前記規定された確率であったと仮定した場合における前記全付与数を理論全付与数として算出する理論付与数算出手段と、
前記抽選手段による抽選で実際に当選した確率が前記規定された確率であったと仮定した場合における前記役物付与数を理論役物付与数として算出する理論役物付与数算出手段と、
前記理論全付与数に占める前記理論役物付与数の割合を理論役物比率として算出する理論役物比率算出手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
前記理論付与数算出手段は、前記抽選手段による抽選で当選した確率が前記規定された確率であったと仮定した場合において、前記抽選手段による抽選で1回の当選が発生するまでの期間に前記遊技球付与手段により付与された遊技球数と、前記抽選手段による抽選で1回の当選が発生して前記役物入賞口への入賞に応じて前記遊技球付与手段により付与された遊技球数とをそれぞれ算出して合算することにより、前記理論全付与数を算出することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用管理システム。
【請求項3】
前記パチンコ遊技機は、前記役物入賞口へ入賞した遊技球の数を特定可能な役物入賞信号を出力可能に構成され、
前記役物付与数算出手段は、前記役物入賞信号の入力数に前記規定された数を乗算することにより前記役物付与数を算出することを特徴とする請求項1記載の遊技場用管理システム。
【請求項4】
遊技球が入賞可能な第1始動入賞口、第2始動入賞口、閉鎖状態と開放状態とに変化可能な可変始動入賞口、及び閉鎖状態と開放状態とに変化可能な大入賞口と、
前記第1始動入賞口及び前記可変始動入賞口への入賞に応じて、規定された確率で大当たり抽選を実行する大当たり抽選手段と、
前記第2始動入賞口への入賞に応じて、規定された確率で可変始動抽選を実行する可変始動抽選手段と、
少なくとも前記第1始動入賞口、可変始動入賞口、及び大入賞口への入賞に応じて、規定数の遊技球を付与する遊技球付与手段と、
前記大当たり抽選で当選したことを条件として予め定められた期間にわたって大当たり状態を発生可能な大当たり発生手段と、
前記大当たり状態において前記大入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させる大入賞口制御手段と、
前記可変始動抽選で当選したことを条件として前記可変始動入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させる可変始動入賞口制御手段と、
前記遊技球付与手段により付与された遊技球数を特定可能な遊技球数信号を出力する出力手段と、を備えたパチンコ遊技機の稼動状況を管理する遊技場用管理システムにおいて、
前記遊技球付与手段により付与された全ての遊技球数を全付与数として算出する全付与数算出手段と、
前記遊技球付与手段により付与された遊技球数のうち、前記可変始動入賞口及び前記大入賞口への入賞に応じて付与された遊技球数を役物付与数として算出する役物付与数算出手段と、
前記全付与数に占める前記役物付与数の割合を役物比率として算出する役物比率算出手段と、
前記大当たり抽選手段による抽選で実際に当選した確率、及び前記可変始動抽選手段による抽選で実際に当選した確率を、前記規定された確率に補正した場合における前記全付与数を理論全付与数として算出する理論付与数算出手段と、
前記大当たり抽選手段による抽選で実際に当選した確率、及び前記可変始動抽選手段による抽選で実際に当選した確率を、前記規定された確率に補正した場合における前記役物付与数を理論役物付与数として算出する理論役物付与数算出手段と、
前記理論全付与数に占める前記理論役物付与数の割合を理論役物比率として算出する理論役物比率算出手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項5】
前記パチンコ遊技機は、前記可変始動入賞口、及び大入賞口へ入賞した遊技球の数を特定可能な可変始動入賞信号、及び大入賞信号を出力可能に構成され、
前記役物付与数算出手段は、前記可変始動入賞信号及び大入賞信号の入力数に前記規定された数をそれぞれ乗算することにより前記役物付与数を算出することを特徴とする請求項4記載の遊技場用管理システム。
【請求項6】
前記パチンコ遊技機は、前記大当たり状態の終了後に前記大当たり抽選の当選確率を向上させる確変状態を所定の確率で発生可能な確変状態発生手段を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ遊技機は、規則で定められた性能を有していることが試験で認められることを条件として遊技場に設置可能となっている。具体的には、遊技機の性能を示す重要な指標の1つとして例えば特許文献1に記載されている「役物比率」という項目があり、試験において「役物比率」が所定の基準を満たさない限り合格することはない。すなわち、遊技場に設置される全てのパチンコ遊技機は試験によって一定の性能を有していることが担保されているわけであるが、実際に遊技場で稼動させた場合には、元来が偶然性の影響を強く受ける遊技であることから、なかなか設計された通りの稼動結果にならないという実情がある。そのような事情から、遊技場の管理者が実際の稼動結果を見たときに、本当に試験で認められた性能を有しているのか否かを確認することが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−166086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑み、パチンコ遊技機の稼動状況が設計値通りであるのか否かを比較的容易に把握することができる遊技場用管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の遊技場用管理システムによれば、偶然性に左右される当選確率を理論上の当選確率であったと仮定したうえで理論上の役物比率を算出するようにしたので、偶然性の要因を排際した本来の役物比率を把握することが可能となり、それが設計値通りの値となっているのか否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
図2】遊技機を示す正面図
図3】遊技機の電気的構成を示す機能ブロック図
図4】特賞1周期の理論払出数とその内訳の説明図
図5】スペック理論値を示す図
図6】遊技情報と算出結果を含むデータ一覧の図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には、多数の遊技機1(例えばパチンコ台たるパチンコ遊技機)や、これに対応する多数の貸出装置2及び遊技情報表示装置3が設置されている。また、図1に示すように、2台の遊技機1に対して1台の割合で中継装置4が設置されており、遊技機1、貸出装置2及び遊技情報表示装置3は夫々2台ずつ、1台の中継装置4と対応付けて接続されている。中継装置4は、LAN4aを介して管理装置5に接続することで、遊技機1、貸出装置2、遊技情報表示装置3から出力される遊技信号を管理装置5に送信する。
【0008】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード5a、モニタ5b、図示しないプリンタ等を備えている。管理装置5は、遊技機1、貸出装置2、遊技情報表示装置3等の遊技機側との間で、中継装置4を介して各種信号を送受信する。また、管理装置5は、遊技機側からの信号に基づいて、それら遊技機側の各機器の稼動状況等を記憶管理する。尚、遊技場内には、図1に示すパチンコ台や図示しないスロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が設置されるとともに、所謂POSや精算機(何れも図示略)も設置されており、こうした遊技場内の全ての機器が管理装置5の管理対象となっている。
【0009】
図2に概略的に示すように、パチンコ台としての遊技機1は、発射ハンドル7、スピーカ8、装飾ランプ部9、上部受皿10、下部受皿11を有する。また、遊技機1は、その遊技盤面1aに、液晶表示部12、スルー式の普図(普通図柄)始動口13、一般始動入賞口14、可変始動入賞口15、第1一般入賞口16a、第2一般入賞口16b、特図(特別図柄)表示部17、普図表示部18、大入賞口19、アウト口1bを有する。
【0010】
本実施形態において、第1始動入賞口としての一般始動入賞口14及び第2始動入賞口としての普図始動口13は、遊技球が入賞可能な始動入賞口とされている。尚、図2での図示は省略するが、遊技盤面1aの表面には多数の釘が植設され、又、遊技機1の内部にはデータ表示部20(図3にのみ図示)が設けられている。データ表示部20は、遊技場の管理者等により遊技機1の施錠装置(図示略)を開錠したうえで遊技機1の背面側で視認できるようにしている。
【0011】
図3は、遊技機1の電気的構成を示す機能ブロック図であり、遊技機1の主制御部21には、前記の特図表示部17、普図表示部18、及びデータ表示部20が接続されている。また、同図に示すように、遊技機1は、演出制御部22、AMP23、表示制御部24、払出制御部25、払出機構部26、電源回路部27、信号出力部28、普図スルーセンサ13S、始動入賞センサ14S、可変入賞センサ15S、第1一般入賞センサ16Sa、第2一般入賞センサ16Sb、大入賞センサ19S、可変始動口ソレノイド15SL、大入賞口ソレノイド19SL等を有する。
【0012】
主制御部21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c、I/O21dを有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM21bに記憶している制御プログラム(乱数発生部29、乱数抽出部30等)を実行することにより、遊技球の打込みや入賞等に応じて遊技機1の動作を制御する。
【0013】
普図スルーセンサ13Sは、普図始動口13への入賞を検知すると、入賞検知信号を主制御部21に出力する。始動入賞センサ14S及び可変入賞センサ15Sは、対応する始動入賞口14,15への入賞を検知すると、その入賞検知信号を主制御部21に出力する。第1一般入賞センサ16Sa及び第2一般入賞センサ16Sbは、対応する一般入賞口16a,16bへの入賞を検知すると、その入賞検知信号を主制御部21に出力する。大入賞センサ19Sは、大入賞口19への入賞を検知すると、入賞検知信号を主制御部21に出力する。可変始動口ソレノイド15SLは、主制御部21から開放指令を受けると、可変始動入賞口15を閉鎖状態から開放状態に切換える。大入賞口ソレノイド19SLは、主制御部21から開放指令を受けると、大入賞口19を閉鎖状態から開放状態に切換える。このように、可変始動入賞口15及び大入賞口19は、何れも閉鎖状態と開放状態とに変化可能な役物入賞口とされている。
【0014】
特図表示部17は、主制御部21から表示指令を受けると、特図の図柄変動を特図表示部17にて行う。普図表示部18は、主制御部21から表示指令を受けると、普図の図柄変動を普図表示部18にて行う。演出制御部22は、主制御部21から演出指令を受けると、AMP23を介してスピーカ8から演出音を出力させたり、装飾ランプ部9を演出表示させたり、表示制御部24を介して液晶表示部12を演出表示させたりする。液晶表示部12は、表示制御部24により制御され、特図の抽選結果に関する様々な演出表示を実行する。払出制御部25は、主制御部21から払出指令を受けると、払出機構部26による払出を行う。電源回路部27は、主制御部21を含めた遊技機1全体に動作電源を供給する。信号出力部28は、中継装置4に接続されており、後述する各種遊技信号を出力する。また、データ表示部20は、主制御部21が算出した打込数や払出数等の遊技情報を表示する。
【0015】
遊技機1は次のように動作する。
普図始動口13へ入賞すると乱数発生部29により発生した普図抽選用の乱数の一つを乱数抽出部30で抽選する普図抽選を実行するとともに、普図表示部18により普図の図柄変動を開始する。普図抽選に当選すると、普図表示部18に当選図柄を表示するとともに可変始動入賞口15の電動役物(以下単に役物と称す)を開放して、特図始動口たる可変始動入賞口15への入賞確率を高める。つまり、乱数発生部29及び乱数抽出部30を含む主制御部21は可変始動抽選手段として、普図始動口13への入賞に応じて、規定された確率で可変始動抽選たる普図抽選を実行するとともに、可変始動入賞口制御手段として普図抽選で当選したことを条件として可変始動入賞口15を閉鎖状態から開放状態へ変化させるように可変始動口ソレノイド15SLを制御する。このように、可変始動入賞口15は入賞確率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、入賞確率が変動しない一般始動入賞口14(所謂ヘソ入賞口)と区別される。
【0016】
一般始動入賞口14や可変始動入賞口15へ入賞すると乱数発生部29により発生した特図抽選用の乱数の一つを乱数抽出部30で抽選する特図抽選を実行するとともに、特図の図柄変動を開始する。特図の抽選結果は上限4個(変動中の1個は含まず)まで記憶し、順次図柄変動を実行する。特図の図柄変動中は液晶表示部12にて、様々な演出表示を実行する。
【0017】
遊技機1の遊技状態として、通常状態、大当たり状態、確率変動状態(以下、確変状態と称する)があり、特図抽選に当選すると大当たり状態を発生する。つまり、主制御部21は大当たり抽選手段として、一般始動入賞口14及び可変始動入賞口15への入賞に応じて、規定された確率で大当たり抽選たる特図抽選を実行するとともに、大当たり発生手段として当該大当たり抽選で当選したことを条件として予め定められた期間にわたって大当たり状態の発生が可能に構成されている。特図抽選の当選確率として規定された確率は、通常状態で1/300、確変状態で1/30に設定されている(図5の大当たり確率参照)。主制御部21は大当たり状態において、特図表示部17に当選図柄を表示するとともに、大入賞口制御手段として大入賞口19を15回開放(15回閉鎖状態から開放状態へ変化)させるように大入賞口ソレノイド19SLを制御し、15回の開放が終了すると大当たり状態を終了する。1回の大入賞口19の開放時間は最大30秒で10個入賞すると閉鎖する。大当たり状態の終了後は50%の確率で確変状態を発生する。この確変状態の抽選は特図抽選と同時に実行する。確変状態では普図の図柄変動時間が大幅に短縮され、更に可変始動入賞口15の役物の開放時間が、通常状態の0.2秒から確変状態の3秒に延長される。従って、確変状態は通常状態よりも特図の当選確率が高いだけでなく、出玉率も高い。このように、本実施形態の主制御部21は、大当たり状態の終了後に大当たり抽選の当選確率を向上させる確変状態を所定の確率で発生可能な確変状態発生手段として機能する。
【0018】
また、主制御部21は、上記したように各始動入賞口13,14,15への入賞に応じて、予め対応付けて規定された確率で普図抽選や特図抽選を実行する抽選手段として機能するとともに、その抽選で当選したことを条件として可変始動入賞口15や大入賞口19を閉鎖状態から開放状態へ変化させる役物制御手段として機能する。更に、主制御部21及び払出機構部26は遊技球付与手段として、少なくとも一般始動入賞口14、可変始動入賞口15、及び大入賞口19への入賞に応じて、規定された数(以下、規定数と称す)の遊技球を付与する。具体的には、一般始動入賞口14へ入賞したときは4個(図5の始動入賞口払出数)、第1一般入賞口16a又は第2一般入賞口16bへ入賞したときは4個(同図の一般入賞口払出数)、可変始動入賞口15へ入賞したときは2個(同図の可変始動入賞口払出数)、大入賞口19へ入賞したときは12個(同図の大入賞口払出数)、を規定数とする遊技球を払出機構部26により払い出す。
【0019】
遊技機1は、遊技の実行に応じて信号出力部28から以下の遊技信号を中継装置4へ出力する。
・打込信号:遊技機1に対して打込まれた遊技球の数を示す信号。打込信号は10玉打込まれる度に1パルス出力される。
【0020】
・払出信号:入賞の発生により払い出された遊技球の数を示す信号。払出信号は10玉払い出される度に1パルス出力される。従って、主制御部21及び信号出力部28は、前記遊技球付与手段により付与された遊技球数を特定可能な遊技球数信号を出力する出力手段に相当する。
【0021】
・始動信号:始動入賞口14,15への入賞により図柄変動が実行されたことを示す信号
・大当たり信号:大当たり状態が発生したことを示す信号
・確変信号:確変状態が発生したことを示す信号
・大入賞信号:大入賞口19へ入賞したことを示す信号
・可変始動入賞信号:可変始動入賞口15へ入賞したことを示す信号。
【0022】
大入賞信号は大入賞口19へ入賞した遊技球の数を特定可能であり、可変始動入賞信号は可変始動入賞口15へ入賞した遊技球の数を特定可能である。換言すれば、大入賞信号及び可変始動入賞信号は、役物入賞口へ入賞した遊技球の数を特定可能な役物入賞信号とされ、従って、遊技機1は役物入賞信号の出力が可能な構成とされている。
【0023】
遊技機1のデータ表示部20は、0000〜9999まで表示可能な7セグメントLEDからなる4桁の表示部であり、主制御部21が算出した以下の遊技情報を表示する。
・打込数:遊技機1に対して打込まれた遊技球の数
・払出数:入賞の発生により払い出された遊技球の数
・ベース:通常状態における、払出数/打込数
・役物比率:(大入賞総払出数+可変始動入賞総払出数)/全払出数 …式(1)
・連続役物比率:大入賞総払出数/全払出数 …式(2)
役物比率は、式(1)で示すように、全ての払出数に占める役物(大入賞口19及び可変始動入賞口15)への入賞による払出数の割合である。これに対し、連続役物比率は、式(2)で示すように、全ての払出数に占める、大入賞口19への入賞による払出数の割合である。尚、全払出数は、役物に係る入賞口19,15への入賞による払出数だけでなく、一般始動入賞口14や一般入賞口16a,16bへの入賞による払出数を含めた全ての払出数である。また、以下では説明の便宜上、大入賞総払出数を「大入賞総セーフ」と称し、可変始動入賞総払出数を「電チュー総セーフ」と称する。
【0024】
図1に示す貸出装置2は、現在の運用状態(正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部31、紙幣が投入される紙幣投入口32、図示しない一般カードや会員カードといったICカードが挿入されるカード挿入口33を備えている。貸出装置2は、紙幣が投入口32に投入されることで紙幣を受け付け、その残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示略)が押下されると、1回の貸出単位分(例えば500円)の貸出玉(例えば貸単価4円であれば125玉の遊技球)を払出機構部26から払出す。また、貸出装置2は、そのレート(例えば1玉4円レート)に応じた対価分を残高から減算すると共に、売上情報(売上信号)を出力する。こうして、遊技機1では、貸出装置2により貸し出される遊技球を使用して、遊技を行うようになっている。
【0025】
管理装置5は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機側との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部等(何れも図示略)を備え、遊技機側から出力された遊技信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(後述する図6の打込玉数、払出玉数、差玉等)を集計したり売上情報を算出したりする。尚、特に例示しないが、台番に対応付けて機種別等(例えば後述のスペック理論値)により遊技機1をグループ分けする所謂機種設定等の周知の設定も行っている。
【0026】
さて、上記した「役物比率」や「連続役物比率」は、パチンコ台の性能を示す指標とされ、各遊技機1は、試験において役物比率や連続役物比率が所定の基準を満たすことを前提に遊技場への設置が許容されている。具体的には遊技規則では、役物比率や連続役物比率が以下の基準を満たすことを要件として規定しており、遊技場側は実際の数値つまり実績値が、その基準値の範囲にあるか監視する。
【0027】
・役物比率:70%以下
・連続役物比率:60%以下
この点、実際に遊技場に設置されている遊技機1にあっては、予め役物比率や連続役物比率の設計値が基準値の範囲に収まるように設計されていても、その稼動状況下における実績値が上記乱数等の偶然性に左右され、満たすべき基準値を超えることがある。即ち、データ表示部20で表示される役物比率や連続役物比率は、各遊技機1について1台ずつ実績値としてそれぞれ確認することができるが、大当たり回数が多く発生すること等に起因して、当該役物比率や連続役物比率が本来の比率(設計値)として示されない事態が生じうる。
【0028】
そこで、本実施形態の遊技場用管理システムでは、管理装置5により役物比率や連続役物比率の夫々の実績値と併せて理論値をも算出・管理することで、各遊技機1の稼動状況が設計値通りであるか否かを容易に把握することができる構成としている。係る遊技場用管理システムについて、役物比率・連続役物比率の実績値に相当する「実役物比率・実連続役物比率」と、夫々の理論値に相当する「理論役物比率・理論連続役物比率」とを算出する構成を中心に説明する。
【0029】
1.実役物比率・実連続役物比率
管理装置5の制御部(以下適宜、管理措置5と略す)は、遊技機側から入力される遊技信号に基づき、実役物比率・実連続役物比率を、以下の式から夫々算出する。
【0030】
実役物比率 =(大入賞信号数×12+可変始動入賞信号数×2)/払出信号数×10 … 式(3)
実連続役物比率 =(大入賞信号数×12)/払出信号数×10 … 式(4)
上記式(3)(4)において「払出信号数×10」は、全付与数算出手段としての管理装置5により全払出数たる全付与数を算出するものであり、その算出値は遊技球付与手段により付与された全ての遊技球数(各入賞口14,15,16a,16b,19への入賞に応じて付与された全払出数)に相応する。「大入賞信号数×12+可変始動入賞信号×2」或は「大入賞信号数×12」は、役物付与数算出手段としての管理装置5によって、遊技球付与手段により付与された遊技球数のうち、大入賞口19と可変始動入賞口15への入賞、或は大入賞口19への入賞に応じて付与された遊技球数を役物付与数として算出するものである。このように、管理装置5は、可変始動入賞信号の入力数及び大入賞信号の入力数に、対応する前記規定数をそれぞれ乗算することにより役物付与数を算出する。つまり、役物付与数は、役物入賞信号の入力数に、その役物入賞信号の種類に応じて規定数を乗算することにより算出される。また、管理装置5は役物比率算出手段として、式(3)(4)により、全付与数に占める役物付与数の割合を役物比率として算出する。
【0031】
2.理論役物比率・理論連続役物比率
上記した大当たり状態及び確変状態が連続する状態を「特賞」状態とし、通常状態→大当たり状態→確変状態→大当たり状態の一連の周期を「特賞1周期」とする(図4参照)。この場合、管理装置5は、遊技機側から入力される遊技信号と遊技機1の機種別に設定されたスペック理論値(図5参照)とに基づき補正された特賞1周期分の理論役物比率及び理論連続役物比率を次の式から算出する。
【0032】
理論役物比率 =[(特賞1回あたりの平均大入賞数(実績値)×大入賞口払出数×平均継続回数)+通常状態での可変始動入賞口15への入賞による理論払出数+確変中の可変始動入賞口15への入賞による理論払出数]/特賞1周期の理論払出数 … 式(5)
理論連続役物比率 =(特賞1回あたりの平均大入賞数(実績値)×大入賞口払出数×平均継続回数)/特賞1周期の理論払出数 … 式(6)
詳しくは後述するように、式(5)(6)において、分母となる「特賞1周期の理論払出数」は、理論付与数算出手段としての管理装置5により、抽選手段による抽選で実際に当選した確率が前記規定された確率(例えば図5の1/300)であったと仮定した場合における全付与数を理論全付与数として算出した、特賞1周期の理論セーフである(図4の「B」参照)。換言すれば、管理装置5は、遊技機1の主制御部21による抽選で当選した確率が例えば1/300であったと仮定した場合において、主制御部21による抽選で1回の当選が発生するまでの期間(図4の通常状態の期間)に遊技球付与手段により付与された遊技球数(図4の理論払出数「A」)と、主制御部21による抽選で1回の当選が発生して、可変始動入賞口15や大入賞口19への入賞に応じて遊技球付与手段により付与された遊技球数(後述の理論TY+理論TO)とをそれぞれ算出して合算することにより、理論全付与数「B」を算出する。
【0033】
一方、式(5)の分子、或は式(6)の分子は、理論役物付与数算出手段としての管理装置5により、主制御部21による抽選で実際に当選した確率が例えば1/300であったと仮定した場合における役物付与数を理論役物付与数として算出した値を示す。従って、式(5)(6)は、理論役物比率算出手段としての管理装置5により、理論全付与数に占める理論役物付与数の割合を理論役物比率として算出する式である。
【0034】
ここで、図5は、管理装置5の記憶部に登録されている遊技機1のスペック理論値(製造メーカから公表される値)を示している。スペック理論値としては、前述した通常状態及び確変状態でのそれぞれの大当たり確率と、各入賞口14,15,16a,16b,19へ入賞したときのそれぞれの払出数とが設定されている。また、図5に示すように、確変発生率が50%であることから、平均継続回数の理論値は2回、平均確変回数の理論値は1回となる。それ故、図4に示す特賞1周期の理論払出数つまり理論全付与数「B」は、通常状態の理論払出数、並びに2回の大当たり状態と1回の確変状態とを含む特賞状態の理論払出数の総和となる。
【0035】
図6は、上記スペック理論値を有する同じ機種の遊技機1(台番「1」〜「3」)について、管理装置5により遊技機単位で管理・算出される遊技情報の実績値や算出値乃至理論値を含むデータ一覧を例示している。データ一覧における各項目の意味は以下の通りである。尚、同図上側の欄101の「打込数」や「払出数」等、既述した項目の説明は省略する。
【0036】
・差玉=打込数−払出数
・出玉率=払出数/打込数
・S(分)=通常状態における1分(打込100玉)あたりの始動回数
・始動有効率=始動回数/始動入賞数
・特賞回数=大当たり+確変状態(通常状態での大当たり発生から通常状態復帰までが1回の特賞)の回数
・TS=通常状態で大当たり1回に要した始動回数(大当たり確率の逆数)。本実施形態の理論値は300
・T1Y=大当たり状態における大当たり1回分の差玉
・大当たり打込=大当たり状態における大当たり1回分の打込数
・理論TY=1回の特賞における大当たりの回数と確変の回数とが理論値通りであった場合の差玉数。本実施形態では大当たり2回、確変1回を理論値とした場合の差玉数
・理論TO=1回の特賞における大当たりの回数と確変の回数とが理論値通りであった場合の打込数。理論TYに対応する打込数
・BA=確変状態における払出数/打込数
・平均継続回数=特賞1回あたりの平均大当たり回数。本実施形態の理論値は2回
・総大入賞数=大入賞口19へ入賞した遊技球の数
・BYmin=通常状態における一般入賞口16a,16bへの入賞による払出数
・BYAmin=確変状態における一般入賞口16a,16bへの入賞による払出数
・平均大入賞数=大当たり状態で大入賞口19へ入賞した遊技球の数についての大当たり1回あたりの平均
・確変中平均入賞数=確変状態で大入賞口19へ入賞した遊技球の数についての確変1回あたりの平均。本実施形態では、確変状態で大入賞口19が開放することがないため零
・TSA=確変状態において大当たり1回に要した始動回数。本実施形態の理論値は30
・SA(分)=確変状態における1分(打込100玉)あたりの始動回数
・通常時可変始動入賞数(分)=通常状態で可変始動入賞口15へ入賞した1分あたりの遊技球の数。本実施形態では通常状態で可変始動入賞口15へ入賞しないため零
・確変中可変始動入賞数(分)=確変状態で可変始動入賞口15へ入賞した1分あたりの遊技球の数
・大当たり中可変始動入賞数(分)=大当たり状態で可変始動入賞口15へ入賞した1分あたりの遊技球の数。本実施形態では大当たり状態で可変始動入賞口15へ入賞しないため零
図6の中段の欄104において、「通常時総セーフ」は通常状態における総セーフ、「確変中総セーフ」は確変状態における総セーフを示している。同欄104の「電チュー総セーフ」は、式(3)の「可変始動入賞信号×2」の値に対応する。また、同欄104の「大入賞総セーフ」は、上記「総大入賞数」×12の値、及び式(3)(4)の「大入賞信号数×12」の値に対応する。尚、図6の下側の欄105では、通常状態及び特賞状態での総アウトたる「通常時総アウト」及び「特賞中総アウト」を示している。
【0037】
そして、最も下側の欄106には、実役物比率及び実連続役物比率と、理論役物比率及び理論連続役物比率とを示している。このうち、例えば台番「1」の実役物比率(=80.3%)は、式(3)と以下の対応関係にある。
【0038】
実役物比率=(大入賞信号数×12+可変始動入賞信号×2)/払出信号数×10
=(総大入賞数×12+電チュー総セーフ)/払出信号数×10
=(大入賞総セーフ+電チュー総セーフ)/払出信号数×10
尚、図6では説明の便宜上「払出信号数×10」に代えて、一の位の数字まで表す「払出数」を用いている。また、台番「1」の実連続役物比率(=76.9%)は、式(4)と以下の対応関係にある。
【0039】
実連続役物比率=(大入賞信号数×12)/払出信号数×10
=(大入賞総セーフ)/払出信号数×10
このように、図6の台番「1」の例では、大当たり状態や確変状態に係る当選がスペック理論値に照らして多く発生しているため、実役物比率及び実連続役物比率の各算出値も前述した基準値を上回る結果となっている。これに対し、理論役物比率及び理論連続役物比率は何れも、大当たり抽選手段或は可変始動抽選手段としての主制御部21による抽選で実際に当選した確率を、スペック理論値として規定された確率に補正した場合における全付与数を理論全付与数「B」として、管理装置により算出している。即ち、図4に示すように、当該「B」を特賞1周期の理論払出数、「C」を当該「B」のうち大入賞口19への入賞による理論払出数とした場合、理論連続役物比率の式(6)は、次式(6´)で表される。
【0040】
理論連続役物比率 = C/B … 式(6´)
ここで、図4の通常状態の理論払出数「A」は、ベース(実績値)×TS(理論値:300)/S(分:実績値)で算出される。また、「B」は、「A」+理論TY+理論TOで算出される。「C」は、特賞1回あたりの平均大入賞数(実績値)×大入賞口払出数(12)×平均継続回数(理論値:2)で算出される。尚、図6の中段の欄103には、「A」〜「C」の算出値を示している。
【0041】
このように、全付与数に係る「B」並びに役物付与数に係る「C」は、何れも大当たり状態や確変状態に関して、その確率(乃至回数)の理論値を用いることにより、規定された確率を補正した上で理論全付与数並びに理論役物付与数として自動的に求められる。つまり規定された確率とは、1/300の大当たり確率だけでなく、50%の確変発生率(確変の確率)を含むとともに、その確率に関して演繹される「特賞1回あたり」或は「平均継続回数」といった回数の概念も含むということができる。
【0042】
一方、上記「B」のうち、通常状態での可変始動入賞口15への入賞による理論払出数を「D」、確変中の可変始動入賞口15への入賞による理論払出数を「E」とした場合、理論役物比率の式(5)は、次式(5´)で表される。
【0043】
理論役物比率 = (C+D+E)/B … 式(5´)
ここで、「D」は、通常時可変始動入賞数(分:実績値)×可変始動入賞口払出数(2)×TS/S(分:実績値)で算出される。もっとも、通常状態において可変始動入賞口15へ殆ど入賞しないため、「D」は、図6の欄103でも零の値を示している。「E」は、確変中可変始動入賞数(分:実績値)×可変始動入賞口払出数(2)×TSA/SA(分:実績値)×(平均継続回数−1)で算出される。それ故、理論役物比率も、理論連続役物比率と同様、確率に関して補正をした場合(つまり偶然性の影響を排除した本来の確率であったと仮定した場合)における理論全付与数及び理論役物付与数を算出して、その理論全付与数に占める理論役物付与数の割合を算出するものといえる。
【0044】
上記したように、台番「1」〜「3」のうち特に台番「1」の例では、実役物比率(=80.3%)は基準値の70%を超え、実連続役物比率(=76.9%)も基準値の60%を超えているのに対し、理論役物比率(=61.8%)及び理論連続役物比率(=59.5%)は、それぞれ基準値の範囲内にあることが解かる。また、台番「1」〜「3」の理論役物比率の60.9〜62.5%、及び理論連続役物比率の59.1〜59.9%は、それぞれ本来の役物比率及び連続役物比率に近い値を示している。
【0045】
また、図6は台番「1」〜「3」のデータ一覧を例示しているが、管理装置5は遊技場内の全ての機種のスペック理論値を登録しており、全ての遊技機1のデータ一覧をモニタ5bに表示出力し或はプリンタで印刷出力することができる。それ故、遊技場の管理者は、全ての遊技機1のデータ一覧を確認することで、実役物比率及び実連続役物比率が基準値の範囲内にあるか否かを把握し、その基準値の範囲内になくても理論役物比率及び理論連続役物比率が基準値の範囲内にあるか否か、或はそれらの比率が設計値通りの値であるか否かを容易に把握することができる。仮に、理論役物比率や理論連続役物比率が基準値の範囲内になければ、該当する台番の遊技機1について何らかの異常が発生している可能性が疑われる。それ故、係る異常(例えば遊技機1の不具合、遊技者の不正行為等)の原因を追究することも可能となる。
【0046】
尚、上記した役物比率の実績値や理論値は、連続役物比率の実績値や理論値と、可変始動入賞口15への入賞に係る払出数を加味している点で異なるにすぎない。従って、本発明の「役物比率」は「連続役物比率」を含む概念として、或は「理論役物比率」は「理論連続役物比率」を含む概念として解釈することができる。
【0047】
上記遊技場用管理システムによれば、偶然性に左右される遊技機1の当選確率を、管理装置5において理論上の当選確率であったと仮定したうえで理論上の役物比率を算出することができる。これにより、管理装置5において偶然性の要因を排際した本来の役物比率を把握することが可能となり、それが設計値通りの値となっているのか否かを容易に確認することができる。
【0048】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組み合わせるようにしてもよい。
遊技機1のスペック理論値は、本実施形態のパチンコ台のスペックに限定するものではなく、様々なパチンコ台のスペック理論値を管理装置5に登録することで、様々なパチンコ台について理論役物比率等の算出・管理が可能となる。また、各入賞口14,15,16a,16b,19の数や配置も、本実施形態の数や配置に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0049】
役物として可変始動入賞口15及び大入賞口19の2つを例示したが、役物は1つでもよいし3つ以上でもよい。また、所定の抽選で当選したときに開放する役物であればどのような形態の役物であってもよい。更に、始動入賞口として、一般始動入賞口14及び可変始動入賞口15の両方を備えるパチンコ台を例示したが、一般始動入賞口14のみを備えるパチンコ台であってもよいし、可変始動入賞口15のみを備えるパチンコ台であってもよい。
【0050】
通常状態、大当たり状態、確変状態を発生可能なパチンコ台を例示したが、パチンコ台が発生可能な遊技状態はこれに限定するものではない。例えば、大当たりの当選確率は変化しないが普図の変動時間が短縮されて普図の当選頻度が向上する時短状態を発生可能なパチンコ台であってもよい。或は、大当たり状態よりも短時間だけ大入賞口を開放する小当たり状態を発生可能なパチンコ台であってもよい。
【0051】
打込信号についてはパチンコ台本体ではなく、パチンコ台に付設される所謂アウトボックス(図示略)から出力される打込信号を代用してもよい。
実際の遊技球を払い出すタイプのパチンコ台を対象としたが、玉の払出に代えて得点を付与する封入式のパチンコ台を対象にすることもできる。
【符号の説明】
【0052】
図面中、1はパチンコ遊技機、5は管理装置(制御部、役物付与数算出手段、全付与数算出手段、役物比率算出手段、理論付与数算出手段、理論役物付与数算出手段、理論役物比率算出手段)、13は第2始動入賞口(始動入賞口)、14は第1始動入賞口(始動入賞口)、15は可変始動入賞口(役物入賞口)、19は大入賞口(役物入賞口)、21は主制御部(抽選手段、大当たり抽選手段、可変始動抽選手段、遊技球付与手段、大当たり発生手段、大入賞口制御手段、可変始動入賞口制御手段、出力手段、確変状態発生手段)、26は払出機構部(遊技球付与手段)、28は信号出力部(出力手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6