特開2018-30768(P2018-30768A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 独立行政法人物質・材料研究機構の特許一覧 ▶ 国立大学法人九州大学の特許一覧

特開2018-30768酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ
<>
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000006
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000007
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000008
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000009
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000010
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000011
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000012
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000013
  • 特開2018030768-酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-30768(P2018-30768A)
(43)【公開日】2018年3月1日
(54)【発明の名称】酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサ
(51)【国際特許分類】
   C01G 9/02 20060101AFI20180202BHJP
   G01N 27/12 20060101ALI20180202BHJP
【FI】
   C01G9/02 A
   C01G9/02 B
   G01N27/12 M
   G01N27/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-165767(P2016-165767)
(22)【出願日】2016年8月26日
(71)【出願人】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(71)【出願人】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】羽田 肇
(72)【発明者】
【氏名】坂口 勲
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢
(72)【発明者】
【氏名】島ノ江 憲剛
【テーマコード(参考)】
2G046
4G047
【Fターム(参考)】
2G046AA24
2G046EA01
2G046EA18
2G046EA20
2G046FB02
2G046FC01
2G046FE48
4G047AA02
4G047AB02
4G047AC03
4G047AD04
(57)【要約】
【課題】 有害ガスに対するセンサ感度に優れた酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサを提供すること。
【解決手段】 本発明による酸化亜鉛粒子は、六角錐の形状を有し、六角錐の底面は(0001)面であり、六角錐の側面のそれぞれは{1−10−1}面である。本発明による酸化亜鉛粒子の製造方法は、亜鉛塩と第3級アミンとを、ポリオールと水との混合溶媒に溶解させるステップと、溶解させるステップで得られた混合溶液を、80℃以上150℃以下の温度範囲で加熱し、撹拌するステップとを包含する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六角錐の形状を有し、
前記六角錐の底面は、(0001)面であり、
前記六角錐の側面のそれぞれは、{1−10−1}面である、酸化亜鉛粒子。
【請求項2】
前記六角錐の稜の長さは、5nm以上200nm以下の範囲である、請求項1に記載の酸化亜鉛粒子。
【請求項3】
前記六角錐の稜の長さは、10nm以上100nm以下の範囲である、請求項2に記載の酸化亜鉛粒子。
【請求項4】
前記六角錐の稜の長さは、15nm以上35nm以下の範囲である、請求項3に記載の酸化亜鉛粒子。
【請求項5】
5m/g以上120m/g以下の範囲の比表面積を有する、請求項1に記載の酸化亜鉛粒子。
【請求項6】
15m/g以上80m/g以下の範囲の比表面積を有する、請求項5に記載の酸化亜鉛粒子。
【請求項7】
亜鉛塩と第3級アミンとを、ポリオールと水との混合溶媒に溶解させるステップと、
前記溶解させるステップで得られた混合溶液を、80℃以上150℃以下の温度範囲で加熱し、撹拌するステップと
を包含する、請求項1に記載の酸化亜鉛粒子の製造方法。
【請求項8】
撹拌するステップで得られた析出物の酸化亜鉛粒子を熱処理するステップをさらに包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記熱処理するステップは、大気中、300℃以上600℃以下の温度範囲で前記酸化亜鉛粒子を熱処理する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記亜鉛塩は、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、および、2−オキソグルタル酸亜鉛からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
第3級アミンは、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、および、トリエタノールアミンからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリオールと前記水との体積比は、75:25〜98:2の範囲である、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記亜鉛塩と前記第3級アミンとのモル比は、1:2〜5:1の範囲である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記加熱し、撹拌するステップは、手動による撹拌、スターラ、プロペラおよび振とう機からなる群から選択される手法で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱し、撹拌するステップは、1時間以上24時間以下の間行う、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
基板上に一対の電極と、前記一対の電極間に感応層とを備えるガスセンサであって、
前記感応層は、請求項1〜6のいずれかに記載の酸化亜鉛粒子からなる、ガスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
酸化亜鉛を用いてエタノール含有ガスを検知するガスセンサが研究されている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、非特許文献1によれば、酸化亜鉛の有害ガスに対するセンサ感度は低く、酸化亜鉛単独使用による実用には至っていない。
【0003】
一方、水熱合成法を用いて酸化亜鉛粒子の合成が報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献2)。特許文献1および非特許文献2によれば、酢酸亜鉛、ヘキサメチレンテトラミンおよびエチレングリコール水溶液を用いて、クサビ形状の結晶体粒子が凝集した凝集粒子が得られる。また、反応時間によっては、その形状が変化することが記載されている。これらの酸化亜鉛粒子もまた、センサ感度が十分でないことが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5273665号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】L.Zhangら,Sensors and Actuators B,161,209−215,2012
【非特許文献2】N.Saitoら,Cryst.Growth Des.,2015,15,2609−2619
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、有害ガスに対するセンサ感度に優れた酸化亜鉛粒子、その製造方法およびそれを用いたガスセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の酸化亜鉛粒子は、六角錐の形状を有し、前記六角錐の底面は、(0001)面であり、前記六角錐の側面のそれぞれは、{1−10−1}面であり、これにより上記課題を解決する。
前記六角錐の稜の長さは、5nm以上200nm以下の範囲であってもよい。
前記六角錐の稜の長さは、10nm以上100nm以下の範囲であってもよい。
前記六角錐の稜の長さは、15nm以上35nm以下の範囲であってもよい。
5m/g以上120m/g以下の範囲の比表面積を有してもよい。
15m/g以上80m/g以下の範囲の比表面積を有してもよい。
本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法は、亜鉛塩と第3級アミンとを、ポリオールと水との混合溶媒に溶解させるステップと、前記溶解させるステップで得られた混合溶液を、80℃以上150℃以下の温度範囲で加熱し、撹拌するステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。
撹拌するステップで得られた析出物の酸化亜鉛粒子を熱処理するステップをさらに包含してもよい。
前記熱処理するステップは、大気中、300℃以上600℃以下の温度範囲で前記酸化亜鉛粒子を熱処理してもよい。
前記亜鉛塩は、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、および、2−オキソグルタル酸亜鉛からなる群から選択されてもよい。
第3級アミンは、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、および、トリエタノールアミンからなる群から選択されてもよい。
前記ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、および、プロピレングリコールからなる群から選択されてもよい。
前記ポリオールと前記水との体積比は、75:25〜98:2の範囲であってもよい。
前記亜鉛塩と前記第3級アミンとのモル比は、1:2〜5:1の範囲であってもよい。
前記加熱し、撹拌するステップは、手動による撹拌、スターラ、プロペラおよび振とう機からなる群から選択される手法で行われてもよい。
前記加熱し、撹拌するステップは、1時間以上24時間以下の間行ってもよい。
本発明のガスセンサは、基板上に一対の電極と、前記一対の電極間に感応層とを備え、前記感応層は、上述の酸化亜鉛粒子からなり、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による酸化亜鉛粒子は、底面は(0001)面であり、側面のそれぞれは{1−10−1}面である六角錐の形状を有する。これらの面は、いずれも、極性面であり、表面エネルギーが高い。このようにすべての面が極性面であるため、エタノール、水素、メタン、一酸化炭素、アセトン、過酸化水素、イソブレンに代表される還元性有害ガスに対する感度が向上し得る。このような酸化亜鉛粒子をガスセンサに用いれば、極めて微量な有害ガスであっても高い感度で検出できるので有利である。
【0009】
本発明による製造方法は、亜鉛塩と第3級アミンとがポリオールと水との混合溶媒に溶解した混合溶液を所定の温度範囲で加熱し、撹拌するだけで、上述の表面エネルギーが高く製造が困難とされる酸化亜鉛粒子を極めて高い収率で得ることができる。また、特別の装置を不要とするため、汎用性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の酸化亜鉛粒子を模式的に示す図
図2】本発明の酸化亜鉛粒子を製造するステップを示すフローチャート
図3】本発明のガスセンサを示す模式図
図4】実施例1の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図
図5】実施例3の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図
図6】比較例4および比較例5の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図
図7】実施例6の熱処理後の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図
図8】実施例3の酸化亜鉛粒子の結晶面を特定する方法を示す模式図
図9】実施例1および比較例4のガスセンサのセンサ感度(Rair/Rgas)の温度依存性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明の酸化亜鉛粒子およびその製造方法について詳述する。
【0013】
図1は、本発明の酸化亜鉛粒子を模式的に示す図である。
【0014】
本発明の酸化亜鉛粒子100は、六角錐の形状を有する。酸化亜鉛粒子100の結晶構造は六方晶であり、その底面110は、(0001)面であり、そのいずれの側面120も、{1−10−1}面である。ここで、−1とは、1の上にバーをつけて表示する場合もある。また、側面120は、いずれの面も等価であるため、{1−10−1}は、{(1−10−1)、(−110−1)、(0−11−1)、(01−1−1)、(10−1−1)、(−10−1−1)}の等価な面を示す。これら(0001)面および{1−10−1}面は、酸化亜鉛において極性面であり、表面エネルギーが高い。本願発明者らは、酸化亜鉛粒子100のすべて面を上述のような極性面を有するように六角錐の形状にすることにより、還元性有害ガス(以降では単に有害ガスと称する)に対する感度が向上することを見出した。
【0015】
なお、酸化亜鉛粒子100の各面の面指数は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)の制限視野回折パターン、TEMの格子像による格子間距離、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいはTEMによる形状観察等により求めることができる。具体的な算出の例示は実施例に詳述する。
【0016】
本発明の酸化亜鉛粒子100は、好ましくは、六角錐の稜Lの長さが、5nm以上200nm以下の範囲を満たす。これにより、有害ガスの感度を向上させることができる。より好ましくは、六角錐の稜Lの長さは、10nm以上100nm以下の範囲を満たす。これにより、有害ガスの感度をさらに向上させることができる。さらに好ましくは、六角錐の稜Lの長さは、15nm以上35nm以下の範囲を満たす。これにより、酸化亜鉛粒子100の大きさが均一となるので、極めて高い有害ガスの感度を達成できる。なお、酸化亜鉛粒子100の六角錐の稜Lの長さは、走査型電子顕微鏡等の電子顕微鏡により少なくとも100個の粒子を観察し、その稜の長さを測定して求めることができる。
【0017】
本発明の酸化亜鉛粒子100は、粉末状の集合体として使用されるが、その場合、好ましくは、5m/g以上120m/g以下の範囲の比表面積を有する。本発明の酸化亜鉛粒子100が上述の比表面積を有する粉末状の集合体である場合、分散性に優れるので、このような酸化亜鉛粒子100をガスセンサの感応層に用いれば、有害ガスの感度を向上させることができる。より好ましくは、15m/g以上80m/g以下の範囲の比表面積を有し、これにより、有害ガスの感度をさらに向上させることができる。さらに好ましくは、45m/g以上65m/g以下の範囲の比表面積を有し、これにより、極めて高い有害ガスの感度を達成できる。
【0018】
図1では、分かり易さのために、酸化亜鉛粒子が明瞭な六角錐の形状を有するように示したが、上述の面方位が確認されれば、明瞭な六角錐でなくてもよく、先端や角が丸くなっていても問題はない。
【0019】
次に、本発明の酸化亜鉛粒子100の製造方法について説明する。
図2は、本発明の酸化亜鉛粒子を製造するステップを示すフローチャートである。
【0020】
ステップS210:亜鉛塩と第3級アミンとを、ポリオールと水との混合溶媒に溶解させる。これにより、後述する加熱・撹拌により本発明の酸化亜鉛粒子を得ることができる。ここで、水はイオン交換水、蒸留水、超純水のいずれであってもよい。
【0021】
亜鉛塩は、亜鉛を含有する水溶性の塩であれば特に制限はないが、具体的には、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、および、2−オキソグルタル酸亜鉛からなる群から選択される。これらの亜鉛塩は、入手が容易であるので、好ましい。
【0022】
第3級アミンは、好ましくは、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、および、トリエタノールアミンからなる群から選択される。これらの第3級アミンを用いれば、上述の亜鉛塩と良好に反応する。中でも、ヘキサメチレンテトラミンは反応性に優れ、取扱いおよび入手が容易であるため好ましい。
【0023】
さらに、亜鉛塩と第3級アミンとのモル比(亜鉛塩:第3級アミン)は、好ましくは、1:5〜5:1の範囲に調整される。モル比が上記範囲を外れると、酸化亜鉛が生成しない場合がある。より好ましくは、モル比は、1:5〜2:1の範囲に調整される。これにより、酸化亜鉛粒子が確実に生成する。さらに好ましくは、モル比は、1:0.8〜1.2:1の範囲に調整される。これにより、高収率で酸化亜鉛粒子が生成する。
【0024】
ポリオールは、2以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールを意図しており、水に可溶であり、亜鉛塩および第3級アミンを溶解するものであれば制限はないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される。これらのポリオールであれば、得られる酸化亜鉛粒子の大きさを制御できるので好ましい。
【0025】
さらに、ポリオールと水との体積比(ポリオール:水)は、75:25〜98:2の範囲に調整される。体積比がこの範囲を外れると、亜鉛塩および第3級アミンが溶解しない、あるいは、酸化亜鉛が生成しない場合がある。より好ましくは、体積比は、85:15〜95:5の範囲に調整される。これにより、酸化亜鉛粒子が確実に生成する。
【0026】
ステップS220:ステップS210で得られた混合溶液を、80℃以上150℃以下の温度範囲で加熱し、撹拌する。これにより、本発明の酸化亜鉛粒子が得られる。80℃を下回ると、反応が十分に進まない場合がある。150℃を超えると、均一な酸化亜鉛粒子が得られない場合がある。本願発明者らは、撹拌を行うことにより、表面エネルギーが高く製造が困難とされる上述の酸化亜鉛粒子が得られることを見出した。
【0027】
撹拌は、混合溶液が撹拌されれば特に制限はないが、具体的には、手動による撹拌、スターラ、プロペラおよび振とう機からなる群から選択される手法で行われる。撹拌の条件は、調整された混合溶液の量、用いる撹拌の種類によって異なる。
【0028】
好ましくは、加熱温度は、85℃以上125℃以下の範囲である。これにより、サイズが均一な本発明の酸化亜鉛粒子が得られる。さらに好ましくは、加熱温度は、85℃以上95℃以下の範囲である。これにより、サイズ(図1のL)が15nm以上35nm以下の酸化亜鉛粒子が得られ、高いセンサ感度が達成される。
【0029】
加熱および撹拌の時間は、好ましくは、1時間以上24時間以下の範囲である。本発明では、わずか1時間の加熱・撹拌であっても、本発明の酸化亜鉛粒子を得ることができる。24時間を超えて加熱・撹拌を行っても、これ以上反応は進まない。より好ましくは、加熱および撹拌は、2時間以上10時間以下の範囲である。これにより、本発明の酸化亜鉛粒子を確実に得ることができる。さらに好ましくは、加熱および撹拌は、2時間以上5時間以下の範囲である。これにより、短時間に高収率で本発明の酸化亜鉛粒子を得ることができる。
【0030】
ステップS220に続いて、析出物として得られた酸化亜鉛粒子を熱処理してもよい。これにより、副生成物や残留する溶媒が除去される。このような熱処理後の酸化亜鉛粒子を用いて、ガスセンサの感応層を製造すれば、より均質な感応層となり、さらにセンサ感度に優れる。熱処理条件は、好ましくは、大気中、300℃以上600℃以下の温度範囲で行われる。温度範囲が、300℃未満では、熱処理の効果が得られない場合がある。熱処理温度が600℃を超えると、酸化亜鉛粒子が粒成長するため、センサ感度が低下し得る。熱処理時間に特に制限はないが、例示的には、30分以上10時間以下の範囲である。熱処理時間が30分より短いと熱処理の効果が得られない場合がある。熱処理時間が10時間を超えても、効果が変わらないため、非効率である。
【0031】
以上説明してきたように、本願発明者らは、亜鉛塩と第3級アミンとがポリオールと水との混合溶媒に溶解した混合溶液を所定の温度範囲で加熱し、撹拌するだけで、上述の表面エネルギーが高く製造が困難とされる酸化亜鉛粒子を極めて高い収率で得ることができることを見出した。また、本発明の製造方法は、特別の装置を不要とするため、汎用性に優れる。
【0032】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明した酸化亜鉛粒子100を用いたガスセンサについて詳述する。
図3は、本発明のガスセンサを示す模式図である。
【0033】

本発明のガスセンサ300は、少なくとも、基板310上に一対の電極320を有し、一対の電極320間に感応層330を備える。基板310は、絶縁性基板であれば特に制限はないが、アルミナ基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、ポリカーボネート基板等がある。例えば、基板310が導電性を有するシリコン基板である場合、基板表面を熱酸化等の酸化処理し、酸化膜(SiO)を形成すればよい。また、300℃〜400℃程度の高温下で使用されるため、基板310は耐熱性を有することが望ましい。このようなことから、基板310は、好ましくは、ガラス基板、アルミナ基板等である。
【0034】
一対の電極320は、導電性を有するものであれば特に制限はないが、具体的には、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタニウム、クロム、スズ、モリブデン、インジウム、および、これらの合金からなる金属からなる。なお、一対の電極320は、物理的気相成長法、化学的気相成長法など既存の成膜技術により形成される。
【0035】
感応層330は、実施の形態1で説明した本発明の酸化亜鉛粒子100を含有する。感応層330は、酸化亜鉛粒子100単体からなってもよいし、これに加えて、感度を向上させるために、Pd、Pt等の金属ナノ粒子やWO、LaCoO等の金属酸化物ナノ粒子を含んでもよい。また、感応層330の粒子は、600℃以下で加熱したものを用いてもよい。600℃を超えて加熱すると粒成長が起きるため、センサ感度が低下する。なお、感応層330は、酸化亜鉛粒子100を水または有機溶媒に分散させ、これを一対の電極320が形成された基板310上に付与すればよい。有機溶媒は、例示的には、エタノール、エチレングリコール、α−テルピネオールである。付与は、塗布、ドロップキャスト、スプレー、浸漬、スピンコート、スクリーン印刷などによって行われる。好ましくは、付与後に溶媒を除去するために、加熱が行われる。感応層330は、50nm以上500nm以下の範囲の厚さを有する。これにより、センサ感度が高まる。
【0036】
本発明のガスセンサ300は、基板310の感応層330とは反対側にヒータ340を備えてもよい。これにより、感応層330の温度を制御し、高温での動作を可能にするため、高いセンサ感度を発揮するため好ましい。特に、感応層330を構成する酸化亜鉛粒子100は、300℃以上380℃以下の温度範囲において、高いセンサ感度を発揮する。より好ましくは、ヒータ340は、330℃以上370℃以下の温度範囲に感応層330を制御し、さらに高いセンサ感度を発揮する。ヒータ340は、感応層330の温度を制御できれば特に制限はないが、例示的には白金、タンタル、タングステン等の耐酸化性の高い高融点材料からなる金属膜であり、通電した際に昇温可能である。このようなヒータ340もまた、物理的気相成長法、化学的気相成長法など既存の成膜技術により形成される。
【0037】
本発明のガスセンサ300の動作を簡単に説明する。ここでは、ヒータ340が感応層330を温度350℃に制御するものとする。本発明のガスセンサ300は、有害ガスを含有しない気体中では、ガスセンサ300の感応層330を構成する酸化亜鉛粒子100が気体中の酸素を吸着するため、電気が流れにくい状態にある(高抵抗状態)。このため、感応層330が高抵抗状態を示すとき、ガスセンサ300は有害ガスが存在しないことを検知する。なお、酸化亜鉛粒子100は、表面全体が極性面であり、表面全体に酸素を吸着し、高い絶縁性を示す。
【0038】
一方、本発明のガスセンサは、有害ガスを含有する気体中では、感応層330を構成する酸化亜鉛粒子100は、表面に吸着した酸素が有害ガスと反応して取り去られ、酸化亜鉛粒子中の電子が自由になり、電気が流れやすい状態になる(低抵抗状態)。このため、感応層330が低抵抗状態を示すとき、ガスセンサ300は有害ガスが存在することを検知する。ここで、酸化亜鉛粒子100は、表面全体が極性面であり、1ppm程度の極めて低濃度の有害ガスに対しても、高抵抗状態と低抵抗状態との差異が大きくなるため、高いセンサ感度を発揮できる。
【0039】
次に、具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
【実施例】
【0040】
[実施例1]
実施例1では、本発明の酸化亜鉛粒子を合成し、ガスセンサを製造した。
【0041】
詳細には、亜鉛塩として無水酢亜鉛(2.202g、0.012mol)と第3級アミンとしてヘキサメチレンテトラミン(HMT)(1.682g、0.012mol)とを、ポリオールとしてエチレングリコール(EG)(35ml)と水(5ml)との混合溶媒に溶解させた(図2のステップS210)。混合溶液において、亜鉛塩と第3級アミンとのモル比は、1:1であった。エチレングリコールと水との体積比は、87.5:12.5であった。混合溶液は、無色透明であった。この混合溶液をテフロン(登録商標)製加圧分解容器に入れ、90℃で加熱し、3時間撹拌した(図2のステップS220)。撹拌には、マグネチックスターラを用いた。撹拌により、混合溶液は懸濁し、析出物の生成を確認した。析出物を濾過し、エタノールで数回洗浄後、室温で乾燥させた。
【0042】
得られた析出物を粉末X線回折により同定した。得られたXRDパターンのすべての回折ピークは、JCPDSカード番号:36−1451に良好に一致し、それ以外の不純物を示す回折ピークはなかった。このことから、得られた生成物は、酸化亜鉛であることを同定した。
【0043】
次に、得られた酸化亜鉛粒子を超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM、日立製作所製、S−5000)により観察した。結果を図4に示す。SEM観察から酸化亜鉛粒子の形状および大きさを測定した。得られた酸化亜鉛粒子について窒素ガス吸着法によりBETの式を用いて比表面積を求めた。これらの結果を表2に示す。
【0044】
次に、得られた酸化亜鉛粒子を用いてガスセンサを製造した。エチレングリコールに分散させ(濃度100g/L)、これを金の櫛形電極(100μmピッチ)を配線したガラス基板上に塗布し、感応層を形成した。櫛形電極と反対側のガラス基板上にヒータとして白金をスパッタリングにより形成した。これを400℃で加熱し、エチレングリコールなどを除去し、ガスセンサ300(図3)を得た。得られたガスセンサを用いて、加熱温度150℃〜400℃まで50℃刻みで変化させた場合のエタノール含有空気(エタノール量:50ppm)に対するセンサ感度を調べた。結果を図9および表3に示す。
【0045】
[実施例2]
実施例2は、エチレングリコール(34.8ml)と水(5.2ml)との混合溶媒が異なる以外は、実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粒子を合成し、ガスセンサを製造した。ここでも得られた生成物は、粉末X線回折により酸化亜鉛であることが同定された。得られた酸化亜鉛粒子をFE−SEMにより観察し、形状および大きさを測定した。実施例1と同様に、得られた酸化亜鉛粒子の比表面積を求めた。結果を表2に示す。実施例1と同様に、ガスセンサのセンサ感度を調べた。結果を表3に示す。
【0046】
[実施例3]
実施例3は、エチレングリコール(38ml)と水(2ml)との混合溶媒、加熱温度(120℃)および加熱時間(4時間)が異なる以外は、実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粒子を合成し、ガスセンサを製造した。ここでも得られた生成物は、粉末X線回折により酸化亜鉛であることが同定された。得られた酸化亜鉛粒子をFE−SEMにより観察し、形状および大きさを測定した。実施例1と同様に、得られた酸化亜鉛粒子の比表面積を求めた。結果を図5および表2に示す。図5および透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子株式会社製、JEM−2100F)による制限視野電子回折(CBED)像を用いて、酸化亜鉛粒子の結晶面を求めた。結果を図8に示す。実施例1と同様に、ガスセンサのセンサ感度を調べた。結果を表3に示す。
【0047】
[比較例4]
比較例4は、非特許文献2と同様であるが、撹拌を行わない以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛粒子を合成し、ガスセンサを製造した。ここでも得られた生成物は、粉末X線回折により酸化亜鉛であることが同定された。得られた酸化亜鉛粒子をFE−SEMにより観察し、形状および大きさを測定した。実施例1と同様に、得られた酸化亜鉛粒子の比表面積を求めた。結果を図6および表2に示す。実施例1と同様に、ガスセンサのセンサ感度を調べた。結果を図9および表3に示す。
【0048】
[比較例5]
比較例5は、加熱温度(120℃)、加熱時間(12時間)とし、撹拌を行わなかった以外は比較例4と同様であった。ここでも得られた生成物は、粉末X線回折により酸化亜鉛であることが同定された。得られた酸化亜鉛粒子をFE−SEMにより観察し、形状および大きさを測定した。実施例1と同様に、得られた酸化亜鉛粒子の比表面積を求めた。結果を図6および表2に示す。実施例1と同様に、ガスセンサのセンサ感度を調べた。結果を表3に示す。
【0049】
[実施例6]
実施例6では、実施例1で合成した酸化亜鉛粒子を熱処理し、これを用いてガスセンサを製造した。熱処理条件は、空気中、400℃で2時間であった。熱処理後の酸化亜鉛粒子についてFE−SEMにより観察した。結果を図7に示す。実施例1と同様にしてガスセンサを製造し、センサ感度を調べた。結果を表3に示す。
【0050】
簡単のため、以上の実施例/比較例1〜6の実験条件を表1に示し、結果を表術する。
【0051】
【表1】
【0052】
図4は、実施例1の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図である。
図5は、実施例3の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図である。
図6は、比較例4および比較例5の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図である。
図7は、実施例6の熱処理後の酸化亜鉛粒子のSEM像を示す図である。
【0053】
図4および図5によれば、実施例1および実施例3の酸化亜鉛粒子は、六角錐の形状を有していた。分かり易さのために、図5(B)に六角錐の形状を点線で示す。図示しないが、実施例2の酸化亜鉛粒子も六角錐の形状を有していることを確認した。一方、図6(A)によれば、比較例4の酸化亜鉛粒子は、完全な球体であり、非特許文献2の結果に整合した。図6(B)によれば、比較例5の酸化亜鉛粒子の形状は、球体と形状がはっきりしない錐体との混在でった。また、図7から、熱処理後の酸化亜鉛粒子も、熱処理前の六角錐の形状を維持していることを確認した。
【0054】
【表2】
【0055】
表2に、実施例/比較例1〜5の酸化亜鉛粒子の形状評価についてまとめる。実施例1〜3については、SEM像から酸化亜鉛粒子100個に対して、大きさL(図1)を測定した。比較例4については、SEM像から球体の酸化亜鉛粒子100個に対して、粒径(直径)を測定した。比較例5については、酸化亜鉛粒子の形状が複数混在しているため、大きさの測定を実施しなかった。熱処理後の実施例6の酸化亜鉛粒子の形状等は、実施例1のそれと実質的に変化は見られなかった。
【0056】
表2の粒子の大きさに着目すると、実施例1〜3の酸化亜鉛粒子は、5nm以上200nm以下、詳細には、10nm以上100nm以下の範囲の稜L(図1)の長さを有する六角錐の形状を有することが分かった。比較例4の酸化亜鉛粒子は、直径3μmの球体であり、本発明の酸化亜鉛粒子と比較して、大きさも形状も全く異なることが分かった。さらに、表2の粒子の比表面積に着目すると、実施例1〜3の酸化亜鉛粒子からなる粉末状の集合体の場合、5m/g以上120m/g以下の範囲の比表面積を有し、比較例4および5の酸化亜鉛粒子と比較して、極めて分散性に優れることが分かった。
【0057】
図8は、実施例3の酸化亜鉛粒子の結晶面を特定する方法を示す模式図である。
【0058】
図8(A)は、図5(A)と同一である。ここでは、2つの六角錐の形状を有する酸化亜鉛粒子710と720とに着目した。酸化亜鉛粒子710および720の底面(図1の110)のTEMのCBED像から(0001)面が特定された。
【0059】
次いで、側面(図1の120)の結晶面を特定の結晶面に仮定して、仮定した結晶面から得られる形状が、酸化亜鉛粒子710および720の形状と合っているかを検討した。ここでは、側面の結晶面を{1−10−1}面と仮定した。
【0060】
図8(B)は、側面の結晶面を{1−10−1}面と仮定した場合の、六角錐の断面を模式的に示す。この場合、六角錐の断面は二等辺三角形となり、底辺の長さは、酸化亜鉛のa軸の2倍(6.5Å)に相当し、高さは、酸化亜鉛のc軸(5.207Å)に相当し、頂角は64度であり、等角は58度となった。
【0061】
図8(C)は、酸化亜鉛粒子710を模式的に示し、側面の各角度を算出したところ、頂角が61.4度であり、等角が59.3度の二等辺三角形であった。同様に、図8(D)は、酸化亜鉛粒子720を模式的に示し、側面の各角度を算出したところ、頂角が58.4度であり、等角が60.8度の二等辺三角形であった。
【0062】
図8(B)と、図8(C)および図8(D)とを比較すると、いずれも二等辺三角形であり、その角度は、計算や測定上の誤差を考慮しても、良好な一致を示した。このことから、図8(B)の仮定(すなわち、側面の結晶面が{1−10−1}面である)は正しいことが分かった。したがって、本発明の酸化亜鉛粒子710および720は、底面が(0001)面であり、側面が{1−10−1}面である六角錐の形状を有することが確認された。図示しないが、実施例1および実施例2の酸化亜鉛粒子、ならびに、実施例6の熱処理後の酸化亜鉛粒子も、実施例3の酸化亜鉛粒子と同様に六角錐の形状を有しており、実施例3と同様にして、実施例3の酸化亜鉛粒子と同じ面方位あることを確認した。
【0063】
図9は、実施例1および比較例4のガスセンサのセンサ感度(Rair/Rgas)の温度依存性を示す図である。
【0064】
センサ感度は、エタノール含有気体(エタノール量:50ppm)中で加熱温度150℃〜400℃まで50℃刻みで変化させた場合のガスセンサの抵抗率(Rgas)に対する、大気中で加熱温度150℃〜400℃まで50℃刻みで変化させた場合のガスセンサの抵抗率(Rair)の比とする。図9によれば、実施例1のガスセンサのセンサ感度は、比較例4のそれよりも、すべての温度で高いセンサ感度を示したが、300℃以上380℃以下の温度範囲でさらに高いセンサ感度を示し、なかでも350℃でもっとも高いセンサ感度を示した。
【0065】
【表3】
【0066】
表3には、実施例/比較例1〜6のガスセンサの350℃におけるセンサ感度(大気時の抵抗率/エタノール50ppm含有ガス時の抵抗率)を示す。実施例1〜3のガスセンサは、比較例4および5のガスセンサに比べて、顕著に高いセンサ感度を有することが分かった。また、実施例1および2のガスセンサのセンサ感度が、実施例3のそれよりもさらに優れていることから、六角錐の稜の長さが15nm以上35nm以下の範囲を満たし、かつ、45m/g以上65m/g以下の範囲の比表面積を有する酸化亜鉛粒子をガスセンサに用いることが、好ましいことが示された。
【0067】
なお、実施例1〜3のガスセンサのセンサ感度は、非特許文献1の図6(b)に示される酸化亜鉛を使ったガスセンサのセンサ感度(エタノール量:50ppmで約100)と比較しても、10倍以上の高感度であり、本発明の酸化亜鉛粒子を用いてガスセンサは、極めて低濃度(例えば、1ppm程度)の有害ガスであっても検知することができることが示唆される。
【0068】
さらに注目すべきは、熱処理後の酸化亜鉛粒子を用いた実施例6のガスセンサのセンサ感度は、熱処理前の酸化亜鉛粒子を用いた実施例1のそれに比べて、劇的に向上した。このことから、大気中、300℃以上600℃以下の温度範囲での熱処理は、センサ感度の向上に有効であることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0069】
上述してきたように、本発明の酸化亜鉛粒子はすべての面が極性面であるため、還元性有害ガスに対する感度が高い。また、本発明の酸化亜鉛粒子の製造方法は、特別な装置を不要とし、汎用性に極めて優れている。このような酸化亜鉛粒子は還元性有害ガスを検出するガスセンサに好適である。
【符号の説明】
【0070】
100 酸化亜鉛粒子
110 底面
120 側面
300 ガスセンサ
310 基板
320 一対の電極
330 感応層
340 ヒータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9