特開2018-31113(P2018-31113A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大隅機設株式会社の特許一覧 ▶ 日綜産業株式会社の特許一覧

特開2018-31113挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置
<>
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000003
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000004
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000005
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000006
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000007
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000008
  • 特開2018031113-挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-31113(P2018-31113A)
(43)【公開日】2018年3月1日
(54)【発明の名称】挟持装置及び挟持装置を備えた梯子装置
(51)【国際特許分類】
   E06C 7/50 20060101AFI20180202BHJP
   E06C 1/12 20060101ALI20180202BHJP
   F16B 2/12 20060101ALI20180202BHJP
【FI】
   E06C7/50
   E06C1/12
   F16B2/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-161698(P2016-161698)
(22)【出願日】2016年8月22日
(71)【出願人】
【識別番号】514244516
【氏名又は名称】大隅機設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227146
【氏名又は名称】日綜産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】興梠 圭太
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健治
(72)【発明者】
【氏名】元吉 晋也
【テーマコード(参考)】
2E044
3J022
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA01
2E044BA17
2E044CA04
2E044CB03
2E044DA01
2E044ED10
3J022DA11
3J022EA32
3J022EB14
3J022EC23
3J022FB12
3J022GA06
3J022GA12
3J022GB32
(57)【要約】
【課題】
単独でいろいろな部材の挟持部材として利用でき、梯子やステージの任意の位置に取付けられ、加工性、組付性、経済性に優れた挟持装置およびこの挟持装置を備えた梯子装置を提供すること。
【課題解決手段】
アウターチューブ1と、上記アウターチューブ1内にスライド自在に挿入したインナーチューブ2と、上記インナーチューブ2の端部に設けたナット3と、上記アウターチューブ1の端部に設けられて上記ナット3に螺合したボルト4と、上記アウターチューブ1の端部側面から横方向に突設した第1の挟持片7Aと、上記インナーチューブ2の端部側面から横方向に突設して上記第1の挟持片7Aに平行に対向する第2の挟持片7Bと、上記アウターチューブ1の胴部側面から横方向に突設したで構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターチューブ(1)と、上記アウターチューブ(1)内にスライド自在に挿入したインナーチューブ(2)と、上記インナーチューブ(2)の端部に設けたナット(3)と、上記アウターチューブ(1)の端部に設けられて上記ナット(3)に螺合したボルト(4)と、上記アウターチューブ(1)の端部側面から横方向に突設した第1の挟持片(7A)と、上記インナーチューブ(2)の端部側面から横方向に突設して上記第1の挟持片(7A)に平行に対向する第2の挟持片(7B)と、上記アウターチューブ(1)の胴部側面から横方向に突設したで構成されている挟持装置。
【請求項2】
スライド自在に重ね合わせた第1、第2の梯子(B1)、(B2)と、上記第1、第2の梯子(B1)、(B2)を挟持する挟持装置(A)とからなり、
上記第1、第2の梯子(B1)、(B2)はそれぞれ左右一対の桁材(9A)(9A)、(9B)(9B)と、上記桁材(9A)(9A)、(9B)(9B)間に架設された複数の中空なステップ(10A)、(10B)とを備え、
上記挟持装置(A)はアウターチューブ(1)と、上記アウターチューブ(1)内にスライド自在に挿入したインナーチューブ(2)と、上記インナーチューブ(2)の端部に設けたナット(3)と、上記アウターチューブ(1)の端部に設けられて上記ナット(3)に螺合したボルト(4)と、上記アウターチューブ(1)の端部側面から横方向に突設した第1の挟持片(7A)と、上記インナーチューブ(2)の端部側面から横方向に突設して上記第1の挟持片(7A)に平行に対向する第2の挟持片(7B)と、上記アウターチューブ(1)の胴部側面から横方向に突設した第1の支持ロッド(8A)と、同じく上記インナーチューブ(2)の胴部側面から横方向に突設して上記第1の支持ロッド(8A)と平行に配置した第2の支持ロッド(8B)とで構成され
上記第1、第2の挟持片(7A)、(7B)で上記各桁材(9A)、(9B)を挟み込み、上記各支持ロッド(8A)、(8B)を上記ステップ(10A)、(10B)の中空部(11A)、(11B)に端部からそれぞれ差し込むことを特徴とする梯子装置
【請求項3】
上記梯子(B1)、(B2)における各ステップ10A、10Bの両端部をそれぞれ各桁材(9A)、(9B)を貫通させて中空部を各桁材(9A)、(9B)の外方の露出させている請求項2に記載の梯子挟持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの梯子やステージをスライド自在に重ねて長さを調節する場合に、この重ねた二つの梯子やステージを挟持するのに適する挟持装置及びこの挟持装置を備えた梯子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に建物の壁や屋根等の建造、解体、橋梁等の構築物の構築、解体、塗装、丘陵の法面工事等の諸作業を行う場合には、地上からこれらの高い位置の作業位置まで梯子を立て掛け、この梯子を作業者が昇降している。
【0003】
また、建物の屋根等の傾斜部分の建造、修理等の諸作業を行う場合にはこの傾斜部の傾斜面に沿って梯子と足場板を兼ねた多目的ステージを配置し、このステージ上を作業者が歩行するようになっている。
【0004】
しかしながら、単一の梯子やステージを使用する場合、例えば、地上から作業位置まで距離が長い場合、又は屋根等の作業位置が広くて長い場合は、この作業位置まで梯子やステージが届かない場合がある。
【0005】
そこで、このような場合は、例えば、特許文献1に示すようにステージを二枚重ね、一方のステージを他方のステージにスライドさせてステージの全体の長さを作業位置までの距離に合わせ調節している。
【0006】
この場合、重ね合わせた二つのステージは長さを設定した後には両者を固定しておく必要があるので、二つのステージ間に両者を固定する挟持部材を設けている。
【0007】
この挟持部材は、各ステージの枠体の両側にそれぞれ取付けたソケットと、このソケット間にねじ込んだ蝶ボルトとからなり、蝶ボルトを締め込んだ時ソケットが互いに近接して二つのステージを重ねた状態で固定するものある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】

【特許文献1】特許第5260844号公報(段落0032、図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の挟持部材特に構造上欠陥があるわけではないが、次のような不具合の改善がのぞまれている。
第1に、上記の挟持部材は、各ステージの枠体に固定したソケットを利用しているので、この固定したソケットの位置でしか二つのステージを固定できないので、ステージの長さを任意の長さに設定できない。
第2に、ソケットが各ステージに固定されているので、この固定したソケットを備えたステージにしか利用できず、これを備えていない梯子等の他の部材を挟持する挟持部材として利用できない。
第3に、ソケットが各ステージに固定されているので、各ステージの構成要素が増え、ステージの構造が複雑で、加工性、組付性、経済性において不利である。
そこで本発明の目的は、単独でいろいろな部材の挟持部材として利用でき、梯子やステージの任意の位置に取付けられ、加工性、組付性、経済性に優れた挟持装置およびこの挟持装置を備えた梯子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の挟持装置は、アウターチューブと、上記アウターチューブ内にスライド自在に挿入したインナーチューブと、上記インナーチューブの端部に設けたナットと、上記アウターチューブの端部に設けられて上記ナットに螺合したボルトと、上記アウターチューブの端部側面から横方向に突設した第1の挟持片と、上記インナーチューブの端部側面から横方向に突設して上記第1の挟持片に平行に対向する第2の挟持片と、上記アウターチューブの胴部側面から横方向に突設した第1の支持ロッドと、同じく上記インナーチューブの胴部側面から横方向に突設して上記第1の支持ロッドと平行に配置した第2の支持ロッドとで構成されている。
【0011】
同じく、本発明の梯子装置は、スライド自在に重ね合わせた第1、第2の梯子と、上記第1、第2の梯子を挟持する挟持装置とからなり、上記第1、第2の梯子はそれぞれ左右一対の桁材と、上記桁材間に架設された複数の中空なステップとを備え、上記挟持装置はアウターチューブと、上記アウターチューブ内にスライド自在に挿入したインナーチューブと、上記インナーチューブの端部に設けたナットと、上記アウターチューブの端部に設けられて上記ナットに螺合したボルトと、上記アウターチューブの端部側面から横方向に突設した第1の挟持片と、上記インナーチューブの端部側面から横方向に突設して上記第1の挟持片に平行に対向する第2の挟持片と、上記アウターチューブの胴部側面から横方向に突設した第1の支持ロッドと、同じく上記インナーチューブの胴部側面から横方向に突設して上記第1の支持ロッドと平行に配置した第2の支持ロッドとで構成され、
上記第1、第2の挟持片で上記各桁材を挟み込み、上記各支持ロッドを上記ステップの中空部に端部からそれぞれ差し込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次の効果を達成できる。
【0013】
A)本発明の挟持装置は単独で成形されているので、梯子やステージその他の被挟持部材に単独で取付け、取外しできるから汎用性がある。
【0014】
B)同じく、梯子やステージその他の被挟持部材と独立しているから被挟持部材にわざわざ挟持部材を設ける必要が無く、被挟持部材の構造の簡素化、加工性、経済性の向上を図れる。
【0015】
C)本発明の梯子装置はステップの中空部に支持ロッドを挿入できるので第1、第2の挟持片が梯子の桁材から滑ってスライドするのが防止でき、長さ調整した後にその長さ位置に重ね合せた梯子をしっかりと保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係る梯子装置の斜視図である。
図2図1の一部拡大平面図である。
図3図1の一部拡大正面図である。
図4図1の一部拡大側面図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る挟持装置の一部切欠き平面図である。
図6】A)挟持装置におけるアウターチューブの背面図である。B)同平面図である。C)同正面図である。
図7】A)挟持装置におけるインナーチューブの背面図である。B)同平面図である。C)同正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の実施の一例を図に基づいて説明する。
【0018】
本発明は、二つの梯子やステージその他の被挟持部材をスライド自在に重ねて長さを調節する場合に、この重ねた二つの被挟持部材を挟持するのに適する挟持装置に関するものである。
【0019】
同じく、本発明はこの挟持装置を利用した梯子装置に関する。
【0020】
図1図4は本発明の一実施の形態に係る挟持装置Aを利用して結合した梯子装置を示す。
【0021】
図5図7は単一の挟持装置Aを示している。
【0022】
以下詳細に説明する。
【0023】
本発明の梯子装置は、図1に示すように、スライド自在に重ね合わせた第1、第2の梯子B1、B2と、第1、第2の梯子B1、B2を挟持する挟持装置Aとから構成されている。
【0024】
第1の梯子B1は左右一対の桁材9A、9A、と、桁材9A、9A間に架設された複数の中空なステップ10Aとを備え、同じく、第2の梯子B2は左右一対の桁材9B、9Bと、桁材9B、9B間に架設された複数の中空なステップ10Bとを備えている。
【0025】
各梯子B1、B2を保持する挟持装置Aは図5図7に示す構造を採用している。
【0026】
即ち、この挟持装置Aは、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内にスライド自在に挿入したインナーチューブ2と、インナーチューブ2の端部に設けたナット3と、アウターチューブ1の端部に設けられてナット3に螺合したボルト4と、アウターチューブ1の端部側面から横方向に突設した第1の挟持片7Aと、インナーチューブ2の端部側面から横方向に突設して上記第1の挟持片7Aに平行に対向する第2の挟持片7Bと、アウターチューブ1の胴部側面から横方向に突設した第1の支持ロッド8Aと、同じく上記インナーチューブ2の胴部側面から横方向に突設して上記第1の支持ロッド8Aと平行に配置した第2の支持ロッド8Bとで構成されている。
【0027】
ボルト4の頭部6はアウターチューブ1の端部側蓋1aに回転自在に当接しており、ボルト4のねじ部4aは蓋1aに形成した孔1bを貫通してインナーチューブ2側のナット3に螺合されている。
【0028】
これにより、頭部6を介してボルト4を時計方向又は反時計方向に回動するとボルト4に沿ってインナーチューブ2が伸縮し、挟持片7A、7B間の幅を調整できるようになっている。
【0029】
そして、第1、第2の挟持片7A、7Bで各桁材9A、9Bを両側から挟み込み、上記各支持ロッド8A、8Bを各ステップ10A、10Bの中空部11A、11Bにこの中空部の端部からそれぞれ差し込むものである。
【0030】
この場合、図2に示すように、梯子B1、B2を重ねた時は各桁材9A,9Bが重ね合わされ、同時に、各梯子B1、B2における各ステップ10A、10Bの両端部がそれぞれ各桁材9A、9Bを貫通し、その中空部が各桁材9A、9Bの外方に露出される。
【0031】
従って、この挟持片7A、7Bで対向する二つ各桁材9A、9Bを挟み込むと同時に各支持ロッド8A、8Bをそれぞれのステップ10A、10Bの中空部11A、11Bに各桁材9A、9Bの外側から差し込むことが出来る。
【0032】
これにより、重ね合わされた二つの梯子B1、B2は挟持片7A、7Bで挟まれて横方向のずれが防止され、同時に中空部11A、11Bにの差し込まれた支持ロッド8A、8Bで縦方向のずれが防止され、挟持装置Aで保持された位置で梯子B1、B2の長さが設定される。
【0033】
各梯子B1、B2の長さは例えば、建築現場の地上から建築作業位置までの高さに応じて長短調整できる。
【0034】
例えば、図1の状態から、さらに全体の梯子の長さを長くする場合は、挟持装置Aを一端取外し、次に上方の梯子9Bを任意の長さ引き上げて下方の梯子9Aに重ね、次いで挟持装置Aの取付位置を上下にずらして上記と同じようにこの挟持装置Aで各梯子B1、B2を保持する。
【0035】
これにより、この保持位置に対応して梯子全体の長さが調整される。
【0036】
更に、梯子の各桁材9A、9B間の幅に応じてボルト4を介してインナーチューブ2を伸縮させ、挟持片7A、7B間の幅をこの桁材9A、9B間の幅に合わせて調整する。
【0037】
上記の梯子装置Hは挟持部材Aを梯子B1、B2に取付けたものであるが、この挟持装置Aは支持ロッド8A、8Bを差し込む孔を備えている同様の被挟持部材にも取りけられる。
【0038】
例えば、上記した特許文献1に示すように、裏側に梯子を備え、表側に足場板を備えた多目的ステージの挟持部材としても使用できる。この場合の作用効果は上記の梯子装置Hと同じである。
【符号の説明】
【0039】
A 挟持装置
B1 第1の梯子
B2 第2の梯子

1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
3 ナット
4 ボルト
7A 第1の挟持片
7B 第2の挟持片
8A、8B 支持ロッド
9A、9B 桁材
10A、10B ステップ
11A、11B 中空部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7