特開2018-31134(P2018-31134A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-31134(P2018-31134A)
(43)【公開日】2018年3月1日
(54)【発明の名称】複合式脈状地盤改良工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20180202BHJP
【FI】
   E02D3/12 101
   E02D3/12 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-162392(P2016-162392)
(22)【出願日】2016年8月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000115463
【氏名又は名称】ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】井澤 淳
(72)【発明者】
【氏名】舘山 勝
(72)【発明者】
【氏名】小島 謙一
(72)【発明者】
【氏名】荒木 豪
(72)【発明者】
【氏名】藤原 寅士良
(72)【発明者】
【氏名】細井 学
(72)【発明者】
【氏名】水野 弘二
(72)【発明者】
【氏名】林田 晃
(72)【発明者】
【氏名】大西 高明
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AA01
2D040AB01
2D040AB03
2D040AB05
2D040AB11
2D040BA01
2D040BB01
2D040BD06
2D040CA01
2D040CB03
2D040DC01
(57)【要約】
【課題】動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さない複合式脈状地盤改良工法を提供する。
【解決手段】複合式脈状地盤改良工法において、地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部に薬液注入工による上部変位を拘束する壁を造成又は設置する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部に薬液注入工による上部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項2】
請求項1記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部に浅層混合処理工による厚さ1.0m以下の前記注入対象範囲の上部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項3】
請求項1記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部の地表面混合処理工による前記注入対象範囲の上部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項4】
請求項1記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部にインゴットを配置し、前記注入対象範囲の上部変位を拘束する上載荷重を印加することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項5】
地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項6】
請求項5記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に薬液注入工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項7】
請求項5記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に高圧噴射工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項8】
請求項5記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に機械攪拌工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項9】
請求項5記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部にシートパイル工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項10】
地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の底部に前記注入対象範囲の底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項11】
請求項10記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の底部に薬液注入工による前記注入対象範囲の底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項12】
請求項10記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の底部に高圧噴射工による前記注入対象範囲の底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項13】
地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部および側部に前記注入対象範囲の上部および側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項14】
請求項13記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部および側部にインゴットおよびシートパイル工による前記注入対象範囲の上部および側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項15】
地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部、側部および底部に前記注入対象範囲の上部、側部および底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【請求項16】
請求項15記載の複合式脈状地盤改良工法であって、注入対象範囲の上部、側部および底部にインゴットおよびシートパイル工による前記注入対象範囲の上部、側部および底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状化地盤・軟弱地盤等の効率的な対策工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図14は従来の脈状地盤改良工法による液状化対策の模式図、図15はその脈状地盤改良工の注入範囲(液状化対策範囲)を示す模式図である。
【0003】
これらの図において、201は液状化層、202は改良脈(改良脈の押し広げによる周辺地盤の密実化)、203は既設構造物、301は脈状地盤改良工の注入範囲(脈状化対策範囲)、302は脈状地盤改良工を示している。
【0004】
このように、脈状地盤改良工は、薬液注入工法の一つであり、薬液の動的注入により地盤を密実化し、強度増大を期待した対策工である。この対策工の対策効果を示す有効注入量(密実効果に関与した注入量)は、事前・事後の地盤物性より算出される。その有効注入量は実施注入量(実際に注入した量)の1/2程度となることが、施工試験等により確認されている。両者の差が大きい程、この対策工の効率性は下がり、コスト的にも割高となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−203243号公報
【特許文献2】特開2014−051852号公報
【特許文献3】特開2014−012952号公報
【特許文献4】特開2014−012978号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「脈状注入工法による液状化対策の提案」、第50回地盤工学研究発表会(札幌)、(2015年9月). pp. 1791〜1792
【非特許文献2】「脈状注入による液状化対策効果の評価手法に関する検討」、第50回地盤工学研究発表会(札幌)、(2015年9月). pp. 1793〜1794
【非特許文献3】「脈状注入改良地盤の品質確認手法に関する検討」、第50回地盤工学研究発表会(札幌)、(2015年9月). pp. 1795〜1796
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したような注入効果減少の原因は、薬液の注入範囲外(対策を必要としない範囲)への密実効果の伝播等の影響が考えられる。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みて、薬液の動的注入による密実効果を注入範囲外に逃さない複合式脈状地盤改良工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕複合式脈状地盤改良工法において、地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部に薬液注入工による上部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部に浅層混合処理工による厚さ1.0m以下の前記注入対象範囲の上部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔1〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部の地表面混合処理工による前記注入対象範囲の上部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする複合式脈状地盤改良工法。
【0012】
〔4〕上記〔1〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部にインゴットを配置し、前記注入対象範囲の上部変位を拘束する上載荷重を印加することを特徴とする。
【0013】
〔5〕地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0014】
〔6〕上記〔5〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に薬液注入工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0015】
〔7〕上記〔5〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に高圧噴射工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0016】
〔8〕上記〔5〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部に機械攪拌工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0017】
〔9〕上記〔5〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の側部にシートパイル工による前記注入対象範囲の側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0018】
〔10〕地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の底部に前記注入対象範囲の底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0019】
〔11〕上記〔10〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の底部に薬液注入工による前記注入対象範囲の底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0020】
〔12〕上記〔10〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の底部に高圧噴射工による前記注入対象範囲の底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0021】
〔13〕地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部および側部に前記注入対象範囲の上部および側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0022】
〔14〕上記〔13〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部および側部にインゴットおよびシートパイル工による前記注入対象範囲の上部および側部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0023】
〔15〕地盤改良前に注入対象範囲の近傍に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする複合式脈状地盤改良工法であって、前記注入対象範囲の上部、側部および底部に前記注入対象範囲の上部、側部および底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【0024】
〔16〕上記〔15〕記載の複合式脈状地盤改良工法であって、注入対象範囲の上部、側部および底部にインゴットおよびシートパイル工による前記注入対象範囲の上部、側部および底部変位を拘束する壁を造成又は設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0026】
(A)注入対象範囲外への注入効果の伝播が減少し、注入対象範囲内を効率的かつ経済的に対策工を施工することが可能となり、現場条件によっては工期の短縮にも繋がる。
【0027】
(B)上部地盤を拘束または上載荷重を加えることにより、脈状注入時の地表面変位量を抑制することも可能である。
【0028】
(C)側部拘束についても注入対象範囲外への薬液の逸走を防ぐとともに、注入対象範囲への密実効果を高めることができる。
【0029】
(D)上部および側部拘束についても注入範囲外への薬液の逸走を防ぐとともに、注入対象範囲への密実効果を高めることができる。
【0030】
(E)さらに、上部、側部および底部拘束についても注入範囲外への薬液の逸走を防ぐとともに、注入対象範囲への密実効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例を示す上部薬液注入工(注入範囲上部)を示す模式図である。
図2】本発明の実施例を示す上部浅層混合処理工(範囲上部〜1.0m程度)(セメント改良)を示す模式図である。
図3】本発明の実施例を示す底部薬液注入工(注入範囲底部)を示す模式図である。
図4】本発明の実施例を示す底部高圧噴射工(注入範囲底部)を示す模式図である。
図5】本発明の実施例を示す上部表層混合処理工(地表面〜1.0m程度)(セメント改良)を示す模式図である。
図6】本発明の実施例を示す上部浅層混合処理工(全層)(セメント改良)(範囲上部〜地表面)を示す模式図である。
図7】本発明の実施例を示す上部インゴット(上載荷重)を示す模式図である。
図8】本発明の実施例を示す側部薬液注入工(注入範囲側部)を示す模式図である。
図9】本発明の実施例を示す側部高圧噴射工(注入範囲側部)を示す模式図である。
図10】本発明の実施例を示す側部機械攪拌工(注入範囲側部)を示す模式図である。
図11】本発明の実施例を示すシートパイル工(注入範囲側部)を示す模式図である。
図12】本発明の実施例を示す上部薬注と側部薬注を示す模式図である。
図13】本発明の実施例を示す上部荷重と側部シートパイルを示す模式図である。
図14】従来の脈状地盤改良工法による脈状化対策の模式図である。
図15】従来の脈状地盤改良工の注入範囲(脈状化対策範囲)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の複合式脈状地盤改良工法は、地盤改良前に注入対象範囲の上部、側部および底部に変位を拘束する壁を造成又は設置することにより、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さないようにする。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0034】
本発明の実施ケースの例として、変位の拘束方法を上部と側部と底部に区分して表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1(a)に示すように、注入対象範囲上部の有効土被り圧が小さい場合には、上部拘束が有効であり、有効土被り圧が大きい場合には、表1(b)に示すように、側部拘束が有効であると考えられる。なお、側部拘束については、全側部拘束に限らない。例えば片側(1側面)のみの拘束であってもよい。拘束工施工の工期やコストとその対策効果を勘案し、単独、もしくは上部、側部および底部の組み合わせで実施する。
【0037】
以下、実施例を図面を参照しながら説明する。施工順序としては、全てのケースにおいて、拘束工を実施後に脈状地盤改良工を施工する。
【0038】
図1は本発明の実施例を示す上部薬液注入工(注入範囲上部)を示す模式図である。
【0039】
この図において、1は薬液注入工(溶液系または懸濁系)、2は造成又は設置される上部構築物、3は脈状地盤改良工である。
【0040】
図2は本発明の実施例を示す上部浅層混合処理工(範囲上部〜1.0m程度)(セメント改良)を示す模式図である。
【0041】
この図において、11は上部浅層混合処理工、12は浅層混合処理工(セメント改良)、13は脈状地盤改良工(注入範囲上部)である。
【0042】
図3は本発明の実施例を示す底部薬液注入工(注入範囲底部)を示す模式図である。
【0043】
この図において、21は底部薬液注入工(溶液系または懸濁系)、22は造成又は設置される底部構築物、23は脈状地盤改良工である。
【0044】
図4は本発明の実施例を示す底部高圧噴射工(注入範囲底部)を示す模式図である。
【0045】
この図において、31は底部高圧噴射工、32は造成又は設置される底部構築物、33は脈状地盤改良工である。
【0046】
図5は本発明の実施例を示す上部表層混合処理工(地表面〜1.0m程度)(セメント改良)を示す模式図である。
【0047】
この図において、41は上部表層混合処理工、42は表層混合処理工、43は脈状地盤改良工である。
【0048】
図6は本発明の実施例を示す上部浅層混合処理工(全層)(セメント改良)(範囲上部〜地表面)を示す模式図である。
【0049】
この図において、51は上部浅層混合処理工、52は浅層混合処理工、53は脈状地盤改良工である。
【0050】
図7は本発明の実施例を示す上部インゴット(上載荷重)を示す模式図である。
【0051】
この図において、61は上部処理工、62は鉄板63上に配置されるインゴット、64は脈状地盤改良工(上載荷重)である。
【0052】
上記した図1から図7に示した実施例では、上部地盤を拘束または上載荷重を加えることにより、脈状注入時の地表面変位量を抑制することができる。
【0053】
図8は本発明の実施例を示す側部薬液注入工(注入範囲側部)を示す模式図である。
【0054】
この図において、71は土被り圧が大きい薬液注入工、72は薬液注入工(溶液系または懸濁系)、73は側部薬液注入工である。
【0055】
図9は本発明の実施例を示す側部高圧噴射工(注入範囲側部)を示す模式図である。
【0056】
この図において、81は土被り圧が大きい高圧噴射工、82は側部高圧噴射工(注入範囲側部)、83は脈状地盤改良工である。
【0057】
図10は本発明の実施例を示す側部機械攪拌工(注入範囲側部)を示す模式図である。
【0058】
この図において、91は土被り圧が大きい機械攪拌工、92は側部機械攪拌工、93は脈状地盤改良工である。
【0059】
図11は本発明の実施例を示すシートパイル工(注入範囲側部)を示す模式図である。
【0060】
この図において、101は土被り圧が大きいシートパイル工、102はシートパイル工、103は脈状地盤改良工である。
【0061】
上記した図8から図11に示した実施例では、側部地盤を拘束を加えることにより、脈状注入時の側部の変位量を抑制することができる。
【0062】
図12は本発明の実施例を示す上部薬注と側部薬注を示す模式図である。
【0063】
この図において、111は上部薬注と側部薬注、112は薬液注入工(溶液系または懸濁系)、113は脈状地盤改良工である。
【0064】
図13は本発明の実施例を示す上部荷重と側部シートパイル工を示す模式図である。
【0065】
この図において、121は上部荷重と側部シートパイル、122は鉄板、123は鉄板122上に配置されるインゴット、124は側部シートパイル工、125は脈状地盤改良工である。
【0066】
上記した図8から図11に示した実施例では、側部地盤を拘束することにより、脈状注入時の側部変位量を抑制することができる。
【0067】
上記した図12および図13に示した実施例では、上部および側部地盤を拘束することにより、脈状注入時の上部および側部変位量を抑制することができる。
【0068】
なお、上部方法と側部方法の組み合わせを示すと表2のようになる。
【0069】
【表2】
【0070】
すなわち、方法A−1では、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:薬液注入工であり、方法A−2では、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法A−3では、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)であり、方法A−4では、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:シートパイル工であり、方法B−1では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:薬液注入工であり、方法B−2では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法B−3では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)であり、方法B−4では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部)、側部方法:シートパイル工であり、方法C−1では、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:薬液注入工であり、方法C−2では、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法C−3では、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)であり、方法C−4では、上部方法:浅層混合処理工(地表面〜)、側部方法:シートパイル工であり、方法D−1では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:薬液注入工であり、方法D−2では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法D−3では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)であり、方法D−4では、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:シートパイル工であり、方法E−1では、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:薬液注入工であり、方法E−2では、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法E−3では、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)であり、方法E−4では、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:シートパイル工である。
【0071】
また、上部方法と底部方法の組み合わせを示すと表3のようになる。
【0072】
【表3】
【0073】
すなわち、方法A−aでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、底部方法:薬液注入工であり、方法A−bでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法B−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、底部方法:薬液注入工であり、方法B−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法C−aでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、底部方法:薬液注入工であり、方法C−bでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法D−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、底部方法:薬液注入工であり、方法D−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法E−aでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、底部方法:薬液注入工であり、方法E−bでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)である。
【0074】
また、側部方法と底部方法の組み合わせを示すと表4のようになる。
【0075】
【表4】
【0076】
すなわち、方法1−aでは、側部方法:薬液注入工、底部方法:薬液注入工であり、方法1−bでは、側部方法:薬液注入工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法2−aでは、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法2−bでは、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法3−aでは、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法3−bでは、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法4−aでは、側部方法:シートパイル工、底部方法:薬液注入工であり、方法4−bでは、側部方法:シートパイル工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)である。
【0077】
また、上部方法と側部方法と底部方法の組み合わせを示すと表5のようになる。
【0078】
【表5】
【0079】
すなわち、方法A−1−aでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:薬液注入工、底部方法:薬液注入工であり、方法A−2−aでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法A−3−aでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法A−4−aでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:シートパイル工、底部方法:薬液注入工であり、方法B−1−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:薬液注入工、底部方法:薬液注入工であり、方法B−2−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法B−3−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法B−4−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:シートパイル工、底部方法:薬液注入工であり、方法C−1−aでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:薬液注入工、底部方法:薬液注入工であり、方法C−2−aでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法C−3−aでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法C−4−aでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:シートパイル工、底部方法:薬液注入工であり、方法D−1−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:薬液注入工、底部方法:薬液注入工であり、方法D−2−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法D−3−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法D−4−aでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:シートパイル工、底部方法:薬液注入工であり、方法E−1−aでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:薬液注入工、底部方法:薬液注入工であり、方法E−2−aでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法E−3−aでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:薬液注入工であり、方法E−4−aでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:シートパイル工、底部方法:薬液注入工である。
【0080】
また、方法A−1−bでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:薬液注入工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法A−2−bでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法A−3−bでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法A−4−bでは、上部方法:薬液注入工(範囲上部)、側部方法:シートパイル工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、B−1−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:薬液注入工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、B−2−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、B−3−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、B−4−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜)、側部方法:シートパイル工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)である。また、方法C−1−bでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:薬液注入工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法C−2 −bでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法C−3−bでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法C−4−bでは、上部方法:表層混合処理工(地表面〜)、側部方法:シートパイル工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)である。また、方法D−1−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:薬液注入工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法D−2−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法D−3−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法D−4−bでは、上部方法:浅層混合処理工(範囲上部〜地表面)、側部方法:シートパイル工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法E−1−bでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:薬液注入工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法E−2−bでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:高圧噴射工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法E−3−bでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:機械攪拌工(セメント改良)、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)であり、方法E−4−bでは、上部方法:鉄板−インゴット(上載荷重)、側部方法:シートパイル工、底部方法:高圧噴射工(セメント改良)である。
【0081】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の複合式脈状地盤改良工法は、動的注入の密実効果を注入範囲外に逃さない複合式脈状地盤改良工法として利用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1、72、112 薬液注入工(溶液系または懸濁系)
2 造成又は設置される上部構築物
3、33 脈状地盤改良工(注入範囲上部)
11、51 上部浅層混合処理工
12 浅層混合処理工(セメント改良)
41 上部表層混合処理工
42、52 表層混合処理工
43 脈状地盤改良工(地表面〜1.0m程度)
51 上部表層混合処理工
52 表層混合処理
53、103、113、125 脈状地盤改良工
61 上部処理工
62、123 鉄板上に配置されるインゴット
63、122 鉄板
64 脈状地盤改良工(上載荷重)
71 土被り圧が大きい薬液注入工
73 側部薬液注入工
81 土被り圧が大きい高圧噴射工
82 側部高圧噴射工(注入範囲側部)
83 脈状地盤改良工(注入範囲側部)
91 土被り圧が大きい機械攪拌工
92 側部機械攪拌工
93 脈状地盤改良工
101 土被り圧が大きいシートパイル工(注入範囲側部)
102 シートパイル工
103 脈状地盤改良工
111 上部薬注と側部薬注
113 脈状地盤改良工
121 上部荷重と側部シートパイル
124 側部シートパイル工
図1
図2
図3
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