【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の両面実装基板の製造方法は、
電子部品が基板の両面に実装された両面実装基板の製造方法であって、
前記基板の第1の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付する第1のリフロー工程と、
前記基板の第2の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付けする第2のリフロー工程と、
前記基板の第1の表面に、リード部品をマウントして、前記基板の第2の表面からフローはんだにより、リード部品のリード線をはんだ付けするフロー工程と、
を備えることを特徴とする。
【0020】
このように構成することによって、第1のリフロー工程により、基板の第1の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付することができる。
【0021】
また、第2のリフロー工程により、基板の第2の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付けすることができる。
【0022】
さらに、フロー工程により、基板の第1の表面に、リード部品をマウントして、基板の第2の表面からフローはんだにより、リード部品のリード線をはんだ付けすることができる。
【0023】
このため、従来のように、境界領域Bと、フローはんだ付け領域Fと、リフローはんだ付け領域RFを設ける必要がなく、しかも、表面実装部品、リード部品を混在した状態で、両面実装基板の両面に自由に配置することができる。
【0024】
その結果、電子回路配置に制約がなく、自由な基板設計ができ、しかも、両面実装基板の寸法もコンパクトで、手間と時間もかからず、コストも低減することが可能である。
【0025】
この場合、第1のリフロー工程、第2のリフロー工程、フロー工程のはんだの組み合わせとしては、次工程のはんだ工程で、前工程のはんだが溶融しないような組み合わせとすれば良い。
【0026】
すなわち、低温はんだ(低融点の金属を混合し、特に融点を低くしたもの)、通常の共晶はんだ(融点184℃)、高温はんだから適宜選択すれば良い。
【0027】
この場合、「高温はんだ」としては、例えば、
Pb−10Sn(固相線温度268℃、液相線温度302℃)、Pb−5Sn(固相線温度307℃、液相線温度313℃)、Pb−2Ag−8Sn(固相線温度275℃、液相線温度346℃)、Pb−5Ag(固相線温度304℃、液相線温度365℃)などのPbが主成分のはんだ、
Sn−3Ag−0.5Cu(固相線温度217℃、液相線温度220℃)、Sn−8Zn−3Bi(固相線温度190℃、液相線温度197℃)、Sn−2.5Ag−0.5Cu−1Bi(固相線温度214℃、液相線温度221℃)などのいわゆる鉛フリーはんだ、
などを選択して用いることができる。
【0028】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、前記第1のリフロー工程の後に、第2のリフロー工程を行い、その後にフロー工程を行うことを特徴とする。
【0029】
このように構成することによって、第1のリフロー工程により、基板の第1の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付することができる。
【0030】
その後に、第2のリフロー工程により、基板の第2の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付けすることができる。
【0031】
これにより、基板の両面に、表面実装部品を自由に配置することができる。
【0032】
この状態で、最後にフロー工程により、基板の第1の表面に、リード部品をマウントして、基板の第2の表面からフローはんだにより、リード部品のリード線をはんだ付けすることができる。
【0033】
このように、リード部品のフローはんだによりリード線をはんだ付けする際には、既に、基板の両面に、表面実装部品を自由に配置した状態である。
【0034】
従って、表面実装部品、リード部品を混在した状態で、両面実装基板の両面に自由に配置することができ、電子回路配置に制約がなく、自由な基板設計ができ、しかも、両面実装基板の寸法もコンパクトで、手間と時間もかからず、コストも低減することが可能である。
【0035】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、前記第1のリフロー工程の後に、フロー工程を行い、その後に第2のリフロー工程を行うことを特徴とする。
【0036】
このように、第1のリフロー工程の後に、フロー工程を行い、その後に第2のリフロー工程を行うようにしても良い。
【0037】
この場合、フロー工程の後に、第2のリフロー工程を行うので、フロー工程に用いるはんだの溶融温度は、第2のリフロー工程に用いるはんだの溶融温度よりも高いはんだを用いれば良い。
【0038】
これにより、リード線をはんだ付けしたはんだが、第2のリフロー工程を行う際に溶け出すことがなく、リード部品の脱落を防止することができる。
【0039】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、前記第1のリフロー工程の後に、フロー工程と第2のリフロー工程を同時に行うことを特徴とする。
【0040】
このように、第1のリフロー工程の後に、フロー工程と第2のリフロー工程を同時に行うようにしても良い。
【0041】
すなわち、フローはんだによりリード線をはんだ付けするフロー工程の溶融はんだの熱によって、基板の第2の表面に、リフローはんだにより表面実装部品をはんだ付けするようにすればよい。
【0042】
これにより、工程を簡略化することができ、コストと時間と手間を低減することができる。
【0043】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、前記フロー工程の後に、第1のリフロー工程と第2のリフロー工程を、順に、もしくは、逆順に、または、同時に行うことを特徴とする。
【0044】
このように、フロー工程の後に、第1のリフロー工程と第2のリフロー工程を、順に、もしくは、逆順に、または、同時に行うようにしても良い。
【0045】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、前記フロー工程において、基板の第1の表面側から押圧部材を用いて、リード部品を固定しながら、基板の第2の表面からフロー工程によりリード線をはんだ付けすることを特徴とする。
【0046】
このように構成することによって、フロー工程において、基板の第1の表面側から押圧部材を用いて、リード部品を固定しながら、基板の第2の表面からフロー工程によりリード線をはんだ付けするので、リード部品の浮きなどによるはんだ不良がなくなり、はんだ付けの後にはんだの修復作業が不要となる。
【0047】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、前記フロー工程において、はんだ付けされた余分な突出するリード線を切断することを特徴とする。
【0048】
このようにフロー工程において、はんだ付けされた余分な突出するリード線を切断することによって、短絡などを防止することができる。
【0049】
また、本発明の両面実装基板の製造方法は、
前記第1のリフロー工程が、基板の第1の表面全体にわたって行われ、
前記第2のリフロー工程が、基板の第2の表面全体にわたって行われるとともに、
前記フロー工程が、基板の第2の表面全体にわたって行われることを特徴とする。
【0050】
このように構成することによって、第1のリフロー工程、第2のリフロー工程、フロー工程が、基板の第1の表面全体、基板の第2の表面全体にわたって行われることになる。
これにより、従来のように、境界領域Bと、フローはんだ付け領域Fと、リフローはんだ付け領域RFを設ける必要がなく、しかも、表面実装部品、リード部品を混在した状態で、両面実装基板の両面に自由に配置することができる。
【0051】
その結果、電子回路配置に制約がなく、自由な基板設計ができ、しかも、両面実装基板の寸法もコンパクトで、手間と時間もかからず、コストも低減することが可能である。
【0052】
この場合、第1のリフロー工程、第2のリフロー工程、フロー工程が、基板の第1の表面全体、基板の第2の表面全体にわたって行われるようにするために、第1のリフロー工程、第2のリフロー工程、フロー工程のはんだの組み合わせ、温度条件を、次工程のはんだ工程で、前工程のはんだが溶融しないような組み合わせとすれば良い。