特開2018-34823(P2018-34823A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-34823(P2018-34823A)
(43)【公開日】2018年3月8日
(54)【発明の名称】シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/18 20060101AFI20180209BHJP
   B65B 9/067 20120101ALI20180209BHJP
【FI】
   B65B61/18
   B65B9/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-168017(P2016-168017)
(22)【出願日】2016年8月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】荻野 貴司
(72)【発明者】
【氏名】大内 伸雄
【テーマコード(参考)】
3E050
3E056
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB08
3E050BA05
3E050CA01
3E050CB01
3E050DC02
3E050DC08
3E050DH10
3E056AA02
3E056AA05
3E056AA17
3E056BA06
3E056CA01
3E056DA01
3E056EA06
3E056FD10
(57)【要約】
【課題】二体の加圧部にフィルムが挟み込まれる際のフィルムの皺の発生を抑制する。
【解決手段】搬送されるフィルム3とそれに重ねられた蓋部材5とをシールするシール装置30が、フィルム3を間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合にフィルム3を挟み込んでシールする第一加圧部58及び第二加圧部68と、第一圧接58部の周辺に設けられたサポート部70と、第一加圧部58とサポート部70を一体的に移動させるとともに、第一加圧部58と第二加圧部68を互いに接離するように駆動する駆動部56,57,67と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるフィルムとそれに重ねられた蓋部材とをシールするシール装置であって、
前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第一加圧部及び第二加圧部と、
前記第一加圧部の周辺に設けられたサポート部と、
前記第一加圧部と前記サポート部を一体的に移動させるとともに、前記第一加圧部と前記第二加圧部を互いに接離するように駆動する駆動部と、を備えるシール装置。
【請求項2】
前記サポート部が前記第一加圧部よりも前記第二加圧部側に寄って配置された状態で前記第一加圧部とともに前記駆動部により移動する請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記サポート部が前記第一加圧部を囲繞するように設けられている請求項1又は2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記一対のフィルム支持部を更に備え、
前記第一加圧部が前記第二加圧部よりも鉛直方向下側に配され、前記フィルムが前記一対のフィルム支持部間を跨いだ状態で前記一対のフィルム支持部の上において搬送され、
前記サポート部及び前記第一加圧部が前記一対のフィルム支持部の間において前記フィルム支持部の上面よりも上側の位置と下側の位置を前記駆動部により往復移動する請求項1から3の何れか一項に記載のシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されるフィルムと蓋部材を圧着するシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で用いられた符号を括弧書きで表記し、特許文献1に記載のシール装置について簡単に説明する。特許文献1に記載の技術では、複数の開口がフィルム(30)に所定間隔で形成され、そのフィルム(30)がシール装置(100)を通過するように搬送される。シール装置(100)よりも上流側では、蓋ユニット部品(2)が開口の上からフィルム(30)上に供給され、蓋ユニット部品(2)がシール装置(100)を通過する際にシール装置(100)によってフィルム(30)に熱圧着される。
【0003】
シール装置(100)においては、一対の搬送パネル(31)が横方向に間隔を置いて配置され、フィルム(30)がこれら搬送パネル(31)を跨いだ状態で搬送される。また、フィルム(30)の上側の加圧板(32b)が油圧アクチュエータ(35)によって昇降するように駆動され、フィルム(30)の下側のヒートシール板(33b)が油圧アクチュエータ(36)によって昇降するように駆動される。加圧板(32b)とヒートシール板(33b)が油圧アクチュエータ(35,36)によって互いに近づけられると、蓋ユニット部品(2)及びフィルム(30)が加圧板(32b)とヒートシール板(33b)との間に挟み込まれて、これにより熱溶着される。シール後は加圧板(32b)とヒートシール板(33b)が互いに離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5633038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の記載の技術では、フィルム(30)が加圧板(32b)とヒートシール板(33b)との間に挟み込まれる時にフィルム(30)に皺が発生してしまうので、フィルム(30)と蓋ユニット部品(2)の接合不良が発生する虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、二体の加圧部(例えば加圧板,ヒートシール板)にフィルムが挟み込まれる際のフィルムの皺の発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための本発明は、搬送されるフィルムとそれに重ねられた蓋部材とをシールするシール装置であって、前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第一加圧部及び第二加圧部と、前記第一加圧部の周辺に設けられたサポート部と、前記第一加圧部と前記サポート部を一体的に移動させるとともに、前記第一加圧部と前記第二加圧部を互いに接離するように駆動する駆動部と、を備えるシール装置である。
【0008】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サポート部が第一加圧部の周辺に設けられているとともに、第一加圧部とサポート部が駆動部により一体的に移動されるので、第一加圧部と第二加圧部が互いに近づいてそれらの間にフィルムと蓋部材が挟まれる際にはフィルムがサポート部によって支持される。そのため、フィルムの皺の発生を抑制でき、フィルムと蓋部材の接合不良の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、包装システムの概略斜視図である。
図2図2は、シール装置の側面図である。
図3図3は、シール装置の正面図である。
図4図4は、シール装置の下部加圧部、昇降体及びサポートフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
1.包装システム
図1は、被包装物6をフィルム3により包装する包装システム1の概略図である。被包装物6は折り畳まれたティッシュの積み重ね体であり、特にそれらティッシュは液体(例えば薬剤、化粧料等)が含浸されたウエットティッシュである。
【0013】
図1に示すように、原反ロール2にはフィルム3が巻回されている。原反ロール2から繰り出された帯状のフィルム3は、ピンチロール10及び案内ロール12〜15によって、抜き打ち装置21から蓋部材供給機22、シール装置30及び被包装物供給機23を経由して、包装機25まで案内されている。フィルム3が原反ロール2の下流側においてピンチロール10によって挟まれており、ピンチロール10が送りモータ11によって回転駆動されることによって、帯状フィルム3が原反ロール2から包装機25へ連続的に搬送される。なお、ピンチロール10から包装機25のエンドシール機28までの経路の何れかの位置にピンチロールが設けられ、そのピンチロールが送りモータ11によって回転駆動されることによって、そのピンチロールによってフィルム3が搬送されてもよい。
【0014】
ピンチロール10の下流側には、打ち抜き装置21が設けられている。打ち抜き装置21は、帯状フィルム3が所定距離送られる度に、フィルム3の打ち抜き加工をしてフィルム3に開口4を形成する。
【0015】
打ち抜き装置21の下流側且つシール装置30の上流側には、蓋部材供給機22が設けられている。蓋部材供給機22は、フィルム3が所定距離送られる度に、蓋部材5をフィルム3上に供給する。具体的には、開口4が蓋部材供給機22の下を通過するタイミングに、蓋部材5が蓋部材供給機22によって供給される。そのため、蓋部材供給機22によって供給された蓋部材5が開口4の上から覆い被さり、蓋部材5の周縁部が開口4の周辺部に重なる。
【0016】
蓋部材供給機22の下流側且つ案内ロール14の上流側には、シール装置30が設けられている。シール装置30は、フィルム3が所定距離送られる度に、蓋部材5をフィルム3に熱圧着する。具体的には、開口4及び蓋部材5がシール装置30を通過するタイミングに蓋部材5がシール装置30によってフィルム3に熱圧着される。シール装置30については後に詳細に説明する。なお、フィルム3は、蓋部材5の供給箇所からシール装置30を通過するまで水平方向に搬送される。
【0017】
シール装置30の下流側且つ包装機25の上流側には、被包装物供給機23が設けられている。被包装物供給機23は、フィルム3が所定距離送られる度に、被包装物6を開口4及び蓋部材5に重ねるようにフィルム3上に供給する。被包装物供給機23は、ティッシュを折り畳んで積み重ねる機構を有するものである。
【0018】
被包装物供給機23及び案内ロール15の下流側には、包装機25のフォーマ(製袋器)26が設けられている。フィルム3がフォーマ26を下流へ通過する際にフォーマ26によって筒状に丸められるとともに、フィルム3の両側部(以下、センターシール部3aという)がフォーマ26によって上に折られて横方向に重なり合う。これにより、被包装物6がフィルム3によって包み込まれる。
【0019】
フォーマ26の下流側には、包装機25のセンターシール機(縦方向シール機)27が設けられている。フィルム3のセンターシール部3aがセンターシール機27によって横方向に挟み込まれながら加熱された状態で、フィルム3がセンターシール機27を下流へ通過する。これにより、フィルム3のセンターシール部(縦綴じ目)3aが連続的にシールされる。
【0020】
センターシール機27の下流側には、包装機25のエンドシール機(横方向シール機)28が設けられている。このエンドシール機28は、フィルム3が所定距離送られる度に、フィルム3のうち隣り合う被包装物6の間の部位を上下方向に挟み込んで、加熱・加圧する。これにより、隣り合う被包装物6の間の部位が間欠的にシールされる。エンドシール機28は、回転運動式又はボックスモーション式のシール機である。なお、エンドシール機28に刃が内蔵されていてもよい。この場合には、被包装物6の間の部位が刃によって切断されるか、目打ち線(ミシン目)が刃によって被包装物6の間の部位に形成される。
なお、フィルム3は、被包装物6の供給箇所からエンドシール機28を通過するまで水平方向に搬送される。
【0021】
送りモータ11、打ち抜き装置21、蓋部材供給機22、被包装物供給機23、シール装置30及びセンターシール機27は制御部90によって同期制御される。
【0022】
2.シール装置の構成
続いて、図2及び図3を参照して、シール装置30の構成について詳細に説明する。図2はシール装置30の概略側面図であり、図3はシール装置30の概略正面図である。
図2及び図3に示すように、シール装置30は、架台31、一対の搬送テーブル(フィルム支持部)32、一対のリニアガイド(リニアガイドはレール35及びキャリッジ36から構成される)、フレーム37,38、間隔調整機構39、直動駆動機構40、第一下部アクチュエータ56,156、第二下部アクチュエータ57,157、下部加圧部(第一加圧部)58,158、上部アクチュエータ67,167、上部加圧部(第二加圧部)68,168及びサポートフレーム(サポート部)70,170等を備える。
【0023】
架台31は設置箇所に設置される。
架台31の上方には、フィルム3の搬送方向に長尺な帯板状の一対の搬送テーブル32が配置されており、搬送テーブル32と架台31は機枠によって互いに固定されている。搬送テーブル32はフィルム3の幅方向に互いに離間しており、これら搬送テーブル32の間にスペース33が形成されている。フィルム3はスペース33を跨いだ状態で搬送テーブル32上を下流側へ搬送され、開口4はこれら搬送テーブル32の間を下流側へ移動する。なお、フィルム3の両側部が搬送テーブル32に支持されていても、蓋部材5の重量及びフィルム3の自重によってフィルム3の中央部が下方へ撓んでいる。
【0024】
架台31上には一対のステー34が立設されている。ステー34上にはリニアガイドのレール35が取り付けられ、レール35にはリニアガイドのキャリッジ36が摺動可能に取り付けられている。レール35がフィルム3の搬送方向に延在し、キャリッジ36がレール35によってフィルム3の搬送方向に案内される。
【0025】
キャリッジ36上にはフレーム37が取り付けられ、キャリッジ36及びレール35によってフレーム37がフィルム3の搬送方向に移動可能に設けられている。このフレーム37の上流側にはフレーム38が間隔調整機構39を介して連結されている。間隔調整機構39は例えばボールねじ機構であり、間隔調整機構39によりフレーム37に対してフレーム38を相対的にフィルム3の搬送方向に移動させることによって、フレーム37とフレーム38の間隔が調整される。なお、フレーム38もフレーム37と同様にレール35によってフィルム3の搬送方向に案内される。
【0026】
架台31上のステー34の間には直動駆動機構40が設けられている。この直動駆動機構40がフレーム37に連結され、直動駆動機構40によってフレーム37,38がフィルム3の搬送方向に直線的に往復駆動される。直動駆動機構40は、例えば、リニアモータ、ピニオンラック機構とモータの組合せ又はボールねじ機構とモータの組合せである。
【0027】
フレーム37は、フィルム3の搬送方向に見て、矩形枠状に形成されている。つまり、フレーム37は、一対のキャリッジ36間に架設されたボトム部37aと、ボトム部37aの両側に立設されたサイド部37bと、サイド部37bの上端部間に架設されたトップ部37cとを有する。フレーム38もフレーム37と同様に矩形枠状に形成されている。搬送テーブル32はこれらフレーム37,38の内側の中央部にフィルム3の搬送方向へ通されている。
【0028】
続いて、フレーム37の内側の構造について詳細に説明する。
フレーム37の内側には左右一対のガイドシャフト50が立設されている。ガイドシャフト50の下端がボトム部37aに固定され、ガイドシャフト50の上端がトップ部37cに固定され、ガイドシャフト50がフィルム3の搬送方向に対して直交するよう鉛直方向に延在する。ガイドシャフト50はリニアブッシュ51,61に挿入され、リニアブッシュ51,61はガイドシャフト50によって上下に案内される。下側の一対のリニアブッシュ51は昇降体52に取り付けられ、昇降体52は搬送テーブル32の下側においてリニアブッシュ51間に架設されている。そのため、昇降体52はガイドシャフト50及びリニアブッシュ51によって昇降可能に設けられている。リニアブッシュ51及び昇降体52と同様にして、上側の昇降体62が搬送テーブル32の上側においてリニアブッシュ61間に架設されている。
【0029】
上側の昇降体62の中央部の下端には上部加圧部68が凸設されている。上部加圧部68にはヒータが内蔵されており、ヒータにより上部加圧部68が加熱される。なお、上部加圧部68の下端面の中央部には、蓋部材5の中央部の逃げ用の凹部(図示略)が形成されている。
【0030】
フレーム37のトップ部37cには、アクチュエータ67が垂下するように取り付けられている。このアクチュエータ67は例えばエアシリンダ、油圧シリンダ、電磁ソレノイド又はリニアモータである。アクチュエータ67の可動部(例えばプランジャ)は上側の昇降体62に連結され、昇降体62はアクチュエータ67によって昇降する。アクチュエータ67により昇降体62が上昇した状態となっていると、上部加圧部68がスペース33の上方に位置する。
【0031】
下側の昇降体52にはリニアブッシュ53が取り付けられている。リニアブッシュ53にはシャフト54が昇降体52を鉛直方向に貫通するように挿入されている。シャフト54の上端には昇降体55が接続されており、シャフト54がリニアブッシュ53によって上下に案内されているので、昇降体55が昇降体52に対して相対的に昇降可能に設けられている。
【0032】
昇降体55の中央部の上端には下部加圧部58が凸設されており、この下部加圧部58が上部加圧部68よりも鉛直方向下方に配置されている。下部加圧部58にはヒータが内蔵されており、ヒータによって下部加圧部58が加熱される。図4は、昇降体55及び下部加圧部58の斜視図である。図4に示すように、下部加圧部58の上端面の中央部には、蓋部材5の中央部の逃げ用の凹部58aが形成されている。
【0033】
昇降体55には、下部加圧部58を囲繞するように矩形枠状のサポートフレーム70が螺子によって取り付けられている。サポートフレーム70は、下部加圧部58の長手方向両側に配置されている横サポート71,72と、下部加圧部58の幅方向両側に配置されているとともに横サポート71,72の端部間に架設された縦サポート73,74と、を有する。サポートフレーム70の上端面(サポート71〜74全体としての上端面)は平坦である。また、フィルム3は、サポートフレーム70の上において横サポート71から横サポート72に向かう方向へ搬送される。
【0034】
サポートフレーム70は、その上端面が下部加圧部58の上端面よりも高い位置になるように昇降体55に固定されている。サポートフレーム70を昇降体55に締結する螺子を緩めることによってサポートフレーム70の高さを調整することができるが、調整後でもサポートフレーム70の上端面が下部加圧部58の上端面よりも高い位置にある。
【0035】
下部加圧部58の熱がサポートフレーム70に熱伝導しないように、サポートフレーム70と下部加圧部58が互いに離間し、サポートフレーム70の内縁と下部加圧部58の外縁との間には隙間79が形成されている。
【0036】
図2及び図3に示すように、フレーム37のボトム部37aには、一対のアクチュエータ56が起立した状態に取り付けられている。また、昇降体55にはアクチュエータ57が取り付けられている。アクチュエータ56、57は例えばエアシリンダ、油圧シリンダ、電磁ソレノイド又はリニアモータであり、アクチュエータ56の可動部(例えばプランジャ)は昇降体52に連結され、アクチュエータ57の可動部(例えばプランジャ)は昇降体55に連結されている。アクチュエータ56の動作によって昇降体52が昇降体55及びアクチュエータ57と一緒に昇降する。アクチュエータ57の動作によって昇降体55が昇降体52に対して相対的に昇降する。
【0037】
アクチュエータ56により昇降体52が下降した状態であり、且つ、アクチュエータ57により昇降体55が下降した状態であると、下部加圧部58及びサポートフレーム70が搬送テーブル32の上面よりも下方に位置する。
アクチュエータ56により昇降体52が上昇した状態であり、且つ、アクチュエータ57により昇降体55が下降した状態であると、下部加圧部58が搬送テーブル32の上面よりも下方に位置する。この状態では、サポートフレーム70の上端面は搬送テーブル32の上面に揃っているか、搬送テーブル32の上面よりも僅かに上方又は下方に位置する。
アクチュエータ56により昇降体52が上昇した状態であり、且つ、アクチュエータ57により昇降体55が上昇した状態であると、下部加圧部58及びサポートフレーム70がスペース33から搬送テーブル32の上面よりも上に突出する。
【0038】
アクチュエータ56とアクチュエータ57とアクチュエータ67の組合せが、下部加圧部58と上部加圧部68を互いに接離するように駆動する駆動部である。
【0039】
以上のようなフレーム37の内側の構造と同様にして、フレーム38の内側の構造も構成されているので、フレーム38の内側の構造についての詳細な説明を省略する。なお、図2において、フレーム38の内側に設けられた昇降体155、アクチュエータ156、アクチュエータ157、下部加圧部158、サポートフレーム170、昇降体162、アクチュエータ167及び上部加圧部168は、フレーム37の内側に設けられた昇降体55、アクチュエータ56、アクチュエータ57、下部加圧部58、サポートフレーム70、昇降体62、アクチュエータ67及び上部加圧部68にそれぞれ相当する。
【0040】
直動駆動機構40,アクチュエータ56,57,67,156,157,167の動作タイミングは制御部90によって制御される。具体的には、直動駆動機構40,アクチュエータ56,57,67,156,157,167は、送りモータ11、打ち抜き装置21、蓋部材供給機22、被包装物供給機23及びセンターシール機27と同期されるように、制御部90によって制御される。
制御部90は、例えばプログラマルロジックコントローラ(PLC)等を有する制御回路によって構成される。
【0041】
3.シール装置の動作
シール装置30の動作について詳細に説明する。
フィルム3が連続的に搬送されている時に、シール装置30が以下のような動作を繰り返し行う。ここで、連続して並んだ3つの開口4の間隔に等しい距離だけフィルム3が搬送される間にシール装置30が以下のように1周期の動作をするので、シール装置30の1回分(1周期分)の動作によって2体の蓋部材5がフィルム3に接合される。
【0042】
(1)初期状態
まず、隣り合う2つの開口4がシール装置30に到達する前では、シール装置30が以下のような初期状態で待機している。その待機期間は目視で確認困難な程度に非常に短い。
【0043】
直動駆動機構40によってフレーム37,38が上流側に位置された状態で待機している。更に、上部アクチュエータ67により昇降体62及び上部加圧部68が上昇した状態で待機している。更に、第一下部アクチュエータ56により昇降体52が下降した状態で待機し、第二下部アクチュエータ57により昇降体55及び下部加圧部58が下降した状態で待機している。そのため、上部加圧部68と下部加圧部58が互いに離間しているとともに、下部加圧部58及びサポートフレーム70が搬送テーブル32の上面よりも下方へ引き込んでいる。アクチュエータ156,157,167についても同様であり、上部加圧部168と下部加圧部158が互いに離間し、下部加圧部158及びサポートフレーム170が搬送テーブル32の上面よりも下方へ引き込んでいる。以後、アクチュエータ156,157,167がアクチュエータ56,57,67と同様に動作し、アクチュエータ156,157,167の動作がそれぞれアクチュエータ56,57,67の動作に同期するので、アクチュエータ156,157,167の動作の説明については省略する。
【0044】
(2)一回目の上昇
開口4が下部加圧部58の上に到達する直前に、第一下部アクチュエータ56が昇降体52を上昇させる。これにより、昇降体55、下部加圧部58及びサポートフレーム70が昇降体52とともに上昇する。上昇後の下部加圧部58及びサポートフレーム70の高さは搬送テーブル32の上面よりも下であり、サポートフレーム70の高さは下部加圧部58よりも上である。
【0045】
上昇後のサポートフレーム70の上面がフィルム3に接触してもよいし、未だフィルム3に接触しなくてもよい。サポートフレーム70の上面がフィルム3に接触した場合には、フィルム3の中央部の下方への撓みが小さくなる。
【0046】
なお、上昇後のサポートフレーム70の高さが搬送テーブル32の上面と同じであるか、搬送テーブル32の上面よりも僅かに上であってもよい。
【0047】
(3)フィルムと同速度で移動
開口4が下部加圧部58の上に到達すると、直動駆動機構40がフレーム37をフィルム3の搬送速度と同速度で下流へ移動させる。これにより、下部加圧部58、上部加圧部68及びサポートフレーム70がフィルム3の搬送速度と同速度で下流へ移動するので、開口4及び蓋部材5と下部加圧部58及び上部加圧部68との相対的な位置関係は維持される。ここで、蓋部材5を上又は下から見た場合、蓋部材5の外縁がサポートフレーム70の内側に収まっている。
【0048】
(4)二回目の上昇
フレーム37、下部加圧部58、上部加圧部68及びサポートフレーム70の下流への移動中に、第二下部アクチュエータ57が昇降体55、下部加圧部58及びサポートフレーム70を上昇させるとともに、上部アクチュエータ67が昇降体62及び上部加圧部68を下降させる。
【0049】
下部加圧部58の上昇中には、まずサポートフレーム70がフィルム3に接触してフィルム3を押し上げる。これによりフィルム3の中央部の下方への撓みがほぼ解消されるとともに、フィルム3のうち開口4の周辺部の部位の皺が解消される。
サポートフレーム70とフィルム3の接触後、下部加圧部58が搬送テーブル32の上面よりも上に突出して、フィルム3及び蓋部材5が上部加圧部68と下部加圧部58との間に挟み込まれる。この際、蓋部材5の中央部及び開口4は下部加圧部58の凹部58aの内側に収まれる。そのため、フィルム3のうち開口4の周辺部と蓋部材5の周縁部が上部加圧部68及び下部加圧部58によって加圧・加熱されて、蓋部材5の周縁部がフィルム3に接合される。上述のように開口4の周辺部の皺が解消されたので、開口4の周辺部が蓋部材5の周縁部に綺麗に溶着されるとともに、接合不良の発生を抑制できる。
【0050】
(5)挟持状態の維持
その後、上部加圧部68及び下部加圧部58がこれらの間にフィルム3及び蓋部材5を挟み込んだ状態を維持して、フレーム37、下部加圧部58、上部加圧部68及びサポートフレーム70がフィルム3と同速度で下流へ所定距離移動する。
【0051】
(6)戻り動作
その後、アクチュエータ56,57が昇降体52,55を下降させるとともに、アクチュエータ67が昇降体62を上昇させる。これにより、下部加圧部58と上部加圧部68が互いに離間して、加圧部58,68によるフィルム3及び蓋部材5の挟持が解除される。
また、直動駆動機構40がフレーム37を上流へ移動させる。
【0052】
以上により、シール装置30が初期状態に戻る。
【0053】
4.効果
(1) フィルム3のうち開口4の周辺部がその下からサポートフレーム70によって支持されるので、フィルム3と蓋部材5の接合時にフィルム3の皺の発生を抑えることができる。
【0054】
(2) サポートフレーム70の上端面が下部加圧部58の上端面よりも高い位置に配設されているので、下部加圧部58の上昇時にはサポートフレーム70が下部加圧部58よりも前にフィルム3に接触する。そのため、フィルム3のうち開口4の周辺部の皺を解消した状態で、フィルム3と蓋部材5を加圧部58,68により接合することができる。
【0055】
(3) アクチュエータ56,57により下部加圧部58を昇降させたので、アクチュエータ56,57のそれぞれの可動ストロークが短くても、下部加圧部58の昇降範囲を確保することができる。そのため、フィルム3と蓋部材5の接着後に下部加圧部58がフィルム3から大きく離れた状態で上流側に戻すことができる。ゆえに、下部加圧部58及び昇降体52が他の部材に干渉することを防止できる。
【0056】
5. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
【0057】
(1) 第二下部アクチュエータ57、リニアブッシュ53及びシャフト54が設けられておらず、昇降体52と昇降体55が固定されて一体となっていてもよい。この場合、第一下部アクチュエータ56は可動ストロークの長いものに変更する。
【0058】
(2) フレーム38の内側の昇降体155、アクチュエータ156、アクチュエータ157、下部加圧部158、サポートフレーム170、昇降体162、アクチュエータ167及び上部加圧部168並びにフレーム38が設けられていなくてもよい。この場合、連続して並んだ2つの開口4の間隔に等しい距離だけフィルム3が搬送される間にシール装置30が上述のような1周期の動作をする。
【0059】
(3) 上述の実施形態では、包装機25がピロー包装機であったが、三方シール包装機又は四方シール包装機であってもよい。
三方シール包装機の場合、フィルム3がフォーマ26によって2つ折りにされる。センターシール機27の代わりのサイドシール機が2つ折りにされたフィルム3の経路の側方に配置されていて、2つ折りにされたフィルム3の縁部がサイドシール機によって上下に挟み込まれて、連続的にシールされる。そのサイドシール機の下流側にはエンドシール機28が配置され、隣り合う被包装物6の部位がエンドシール機28によってシール・切断される。
四方シール包装機の場合、フォーマ26が設けられていない。その代わりに、第二の原反ロールから繰り出される第二フィルムが被包装物供給機23の下流側において被包装物6の上からフィルム3に重ねられる。また、センターシール機27の代わりのサイドシール機が2機ある。そして、重ねられたフィルム3及び第二フィルムの経路の両側方にサイドシール機が配置されていて、フィルム3及び第二フィルムの両側の縁部が二体のサイドシール機によって上下に挟み込まれて、連続的にシールされる。それらサイドシール機の下流側にはエンドシール機28が配置され、隣り合う被包装物6の部位がエンドシール機28によってシール・切断される。
【0060】
(4) 上述の実施形態では、サポートフレーム(サポート部)70が下部加圧部58の周囲全体を囲繞するように矩形枠状に形成されている。それに対して、下部加圧部58の上昇時にフィルム3に接触するサポート部が、下部加圧部58の周辺に設けられていれば、下部加圧部58の周囲全体を囲繞していなくてもよい。例えば、縦サポート73,74が設けられておらず、下部加圧部58の長手方向両側に配された横サポート(サポート部)71,72が昇降体55に取り付けられていてもよい。逆に、横サポート71,72が設けられておらず、下部加圧部58の幅方向両側に配された縦サポート(サポート部)73,74が昇降体55に取り付けられていてもよい。
【0061】
(5) 上述の実施形態では、上下両方の加圧部58,68にヒータが内蔵されていたが、フィルム3に直接接触する下部加圧部58のみにヒータが内蔵され、上側加圧部68にはヒータが内蔵されていなくてもよい。加圧部158,168についても同様である。
【符号の説明】
【0062】
3…フィルム, 4…開口, 5…蓋部材, 30…シール装置, 32…搬送テーブル(フィルム支持部), 56,57,67…アクチュエータ(駆動部), 58…下部加圧部(第一加圧部), 68…上部加圧部(第二加圧部), 70…サポートフレーム(サポート部)
図1
図2
図3
図4