【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明のビードコア被覆方法は、環状のビードコアを帯状のゴムシートで被覆するビードコア被覆方法であって、
第1の押出機により押し出した帯状の前記ゴムシートの先端部を回転ドラムの外表面に貼り付け、前記ゴムシートを前記回転ドラムに巻き付ける工程と、
前記ゴムシートが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記ゴムシートを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程と、
第2の押出機により押し出した帯状の補強ゴムの先端部を前記回転ドラムの外表面に貼り付け、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付ける工程と、
前記補強ゴムが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記補強ゴムを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程と、
前記ビードコアの内周面側に巻き付けられた前記ゴムシート及び前記補強ゴムの幅方向の残部を前記ビードコアの断面形状に沿って巻き上げる工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成に係るビードコア被覆方法によれば、第1の押出機により押し出した帯状のゴムシートを先端部から回転ドラムに巻き付け、次いで、回転ドラムに巻き付けられたゴムシートを先端部からビードコアの内周面側に巻き付ける。また、第2の押出機により押し出した帯状の補強ゴムを先端部から回転ドラムに巻き付け、次いで、回転ドラムに巻き付けられた補強ゴムを先端部からビードコアの内周面側に巻き付ける。すなわち、第1の押出機から押し出したゴムシート及び第2の押出機から押し出した補強ゴムを回転ドラムを介して直接ビードコアの内周面側に貼り付けるようにしている。この構成によれば、特許文献1の方法で用いられるようなボビンによるストックは不要であり、コスト及び作業工数を抑制できる。また、特許文献3のように補強ゴムを予め押出成型する工程、ビードコアを補強ゴムに嵌め込む工程は不要であり、コスト及び作業工数を抑制できる。なお、第2の押出機により押し出した帯状の補強ゴムの先端部を回転ドラムの外表面に貼り付け、補強ゴムを回転ドラムに巻き付ける工程は、補強ゴムの先端部を回転ドラムの外表面に対して直接貼り付けても、先に貼り付けたゴムシートを介して間接的に貼り付けてもよい。
【0011】
また、従来の方法では、ボビンへの巻き付け時のテンション、フィルムを剥がす際のテンション、フェスツーナでの搬送時のテンション、搬送ラインにおける収縮等による寸法変化によってカバーゴムの精度が悪化するが、本発明によれば、第1の押出機から押し出したゴムシートを、回転ドラムの外表面に一旦巻き付けた後にビードコアの内周面側に貼り付けるため、寸法変化を防いで、ビードコアをゴムシートで高精度に被覆することができる。さらに、第1の押出機から押し出した直後にゴムシートをビードコアに巻き付けるため、経時変化によるタック低下の影響を受けることなく、ビードコアへの接着不良を改善できる。
【0012】
本発明に係るビードコア被覆方法において、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付ける工程は、第2の押出機により押し出した帯状の前記補強ゴムの先端部を前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの先端部に貼り付け、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付ける工程であり、
前記ゴムシートを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程と前記補強ゴムを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程とは、前記ゴムシート及び前記補強ゴムが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記ゴムシート及び前記補強ゴムを一体として前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程であることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、第1の押出機により押し出した帯状のゴムシートと第2の押出機により押し出した帯状の補強ゴムを先端部から回転ドラムに巻き付け、次いで、回転ドラムに巻き付けられたゴムシート及び補強ゴムを一体として先端部からビードコアの内周面側に巻き付け、最後にゴムシート及び補強ゴムの幅方向の残部をビードコアの断面形状に沿って巻き上げるようにしている。これにより、ゴムシートと補強ゴムを別々にビードコアの内周面側に巻き付ける場合に比べ、サイクルタイムを短縮できるため、コスト及び作業工数を抑制できる。
【0014】
本発明に係るビードコア被覆方法において、前記補強ゴムは、前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの幅方向中央部に位置するように巻き付けられることが好ましい。これにより、ビードコアの内周面側に巻き付けられたゴムシート及び補強ゴムの幅方向の両端部をビードコアの断面形状に沿ってバランスよく巻き上げることができる。
【0015】
また、本発明のビードコア被覆方法は、環状のビードコアを帯状のゴムシートで被覆するビードコア被覆方法であって、
第1の押出機により押し出した帯状の補強ゴムの先端部を回転ドラムの外表面に貼り付け、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付ける工程と、
前記補強ゴムが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記補強ゴムを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程と、
第2の押出機により押し出した帯状の前記ゴムシートの先端部を前記回転ドラムの外表面に貼り付け、前記ゴムシートを前記回転ドラムに巻き付ける工程と、
前記ゴムシートが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記ゴムシートを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程と、
前記ビードコアの内周面側に巻き付けられた前記補強ゴム及び前記ゴムシートの幅方向の残部を前記ビードコアの断面形状に沿って巻き上げる工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成に係るビードコア被覆方法によれば、第1の押出機により押し出した帯状の補強ゴムを先端部から回転ドラムに巻き付け、次いで、回転ドラムに巻き付けられた補強ゴムを先端部からビードコアの内周面側に巻き付ける。また、第2の押出機により押し出した帯状のゴムシートを先端部から回転ドラムに巻き付け、次いで、回転ドラムに巻き付けられたゴムシートを先端部からビードコアの内周面側に巻き付ける。すなわち、第1の押出機から押し出した補強ゴム及び第2の押出機から押し出したゴムシートを回転ドラムを介して直接ビードコアの内周面側に貼り付けるようにしている。この構成によれば、特許文献1の方法で用いられるようなボビンによるストックは不要であり、コスト及び作業工数を抑制できる。また、特許文献3のように補強ゴムを予め押出成型する工程、ビードコアを補強ゴムに嵌め込む工程は不要であり、コスト及び作業工数を抑制できる。なお、第2の押出機により押し出した帯状のゴムシートの先端部を回転ドラムの外表面に貼り付け、ゴムシートを回転ドラムに巻き付ける工程は、ゴムシートの先端部を回転ドラムの外表面に対して直接貼り付けても、先に貼り付けた補強ゴムを介して間接的に貼り付けてもよい。
【0017】
また、従来の方法では、ボビンへの巻き付け時のテンション、フィルムを剥がす際のテンション、フェスツーナでの搬送時のテンション、搬送ラインにおける収縮等による寸法変化によってカバーゴムの精度が悪化するが、本発明によれば、第2の押出機から押し出したゴムシートを、回転ドラムの外表面に一旦巻き付けた後にビードコアの内周面に貼り付けるため、寸法変化を防いで、ビードコアをゴムシートで高精度に被覆することができる。さらに、第2の押出機から押し出した直後にゴムシートをビードコアに巻き付けるため、経時変化によるタック低下の影響を受けることなく、ビードコアへの接着不良を改善できる。
【0018】
本発明に係るビードコア被覆方法において、前記ゴムシートを前記回転ドラムに巻き付ける工程は、第2の押出機により押し出した帯状の前記ゴムシートの先端部を前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムの先端部に貼り付け、前記ゴムシートを前記回転ドラムに巻き付ける工程であり、
前記補強ゴムを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程と前記ゴムシートを前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程とは、前記補強ゴム及び前記ゴムシートが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記補強ゴム及び前記ゴムシートを一体として前記ビードコアの内周面側に巻き付ける工程であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第1の押出機により押し出した帯状の補強ゴムと第2の押出機により押し出した帯状のゴムシートを先端部から回転ドラムに巻き付け、次いで、回転ドラムに巻き付けられた補強ゴム及びゴムシートを一体として先端部からビードコアの内周面側に巻き付け、最後に補強ゴム及びゴムシートの幅方向の残部をビードコアの断面形状に沿って巻き上げるようにしている。これにより、補強ゴムとゴムシートを別々にビードコアの内周面側に巻き付ける場合に比べ、サイクルタイムを短縮できるため、コスト及び作業工数を抑制できる。
【0020】
本発明に係るビードコア被覆方法において、前記ゴムシートは、前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムが前記ゴムシートの幅方向中央部に位置するように巻き付けられることが好ましい。これにより、ビードコアの内周面側に巻き付けられた補強ゴム及びゴムシートの幅方向の両端部をビードコアの断面形状に沿ってバランスよく巻き上げることができる。
【0021】
本発明に係るビードコア被覆方法において、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付ける工程において、前記補強ゴムは、前記回転ドラムの外表面に周方向に沿って形成された周方向溝内に巻き付けられ、前記周方向溝の断面形状は、前記補強ゴムの断面形状と同じであることが好ましい。この構成によれば、ビードコアの断面形状に沿って巻き上げた後の補強ゴムの形状が良好となる。
【0022】
また、本発明のビードコア被覆装置は、環状のビードコアを帯状のゴムシートで被覆するビードコア被覆装置であって、
前記ゴムシートを押し出す第1の押出機と、
補強ゴムを押し出す第2の押出機と、
前記第1の押出機から押し出された前記ゴムシート及び前記第2の押出機から押し出された前記補強ゴムを巻き付ける回転ドラムと、
前記第2の押出機よりも前記回転ドラムの回転方向下流側の位置で前記回転ドラムの外表面と前記ビードコアの内周面が近接するように前記ビードコアを支持し、支持した前記ビードコアを回転させるカバーリング装置と、
前記第1の押出機、前記第2の押出機、前記回転ドラム、及び前記カバーリング装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の押出機から押し出した帯状の前記ゴムシートの先端部を前記回転ドラムの外表面に貼り付け、前記ゴムシートを前記回転ドラムに巻き付けていき、
前記ゴムシートが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記ゴムシートを前記ビードコアの内周面側に巻き付けていき、
前記第2の押出機から押し出した帯状の前記補強ゴムの先端部を前記回転ドラムの外表面に貼り付け、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付けていき、
前記補強ゴムが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記補強ゴムを前記ビードコアの内周面側に巻き付けていき、
前記ビードコアの内周面側に巻き付けられた前記ゴムシート及び前記補強ゴムの幅方向の残部を前記ビードコアの断面形状に沿って巻き上げることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によるビードコア被覆装置の作用効果は、上記で述べた通りであり、コスト及び作業工数を抑制しつつ、ビードコアの周囲に補強ゴムを配置し、かつビードコアを帯状のゴムシートで高精度に被覆することができる。
【0024】
また、本発明のビードコア被覆装置は、環状のビードコアを帯状のゴムシートで被覆するビードコア被覆装置であって、
補強ゴムを押し出す第1の押出機と、
前記ゴムシートを押し出す第2の押出機と、
前記第1の押出機から押し出された前記補強ゴム及び前記第2の押出機から押し出された前記ゴムシートを巻き付ける回転ドラムと、
前記第2の押出機よりも前記回転ドラムの回転方向下流側の位置で前記回転ドラムの外表面と前記ビードコアの内周面が近接するように前記ビードコアを支持し、支持した前記ビードコアを回転させるカバーリング装置と、
前記第1の押出機、前記第2の押出機、前記回転ドラム、及び前記カバーリング装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の押出機から押し出した帯状の前記補強ゴムの先端部を前記回転ドラムの外表面に貼り付け、前記補強ゴムを前記回転ドラムに巻き付けていき、
前記補強ゴムが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記補強ゴムの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記補強ゴムを前記ビードコアの内周面側に巻き付けていき、
前記第2の押出機から押し出した帯状の前記ゴムシートの先端部を前記回転ドラムの外表面に貼り付け、前記ゴムシートを前記回転ドラムに巻き付けていき、
前記ゴムシートが前記回転ドラムの全周に亘って巻き付けられる前に、前記回転ドラムの外表面上にある前記ゴムシートの幅方向の一部の先端部を回転する前記ビードコアの内周面側に貼り付け、前記ゴムシートを前記ビードコアの内周面側に巻き付けていき、
前記ビードコアの内周面側に巻き付けられた前記補強ゴム及び前記ゴムシートの幅方向の残部を前記ビードコアの断面形状に沿って巻き上げることを特徴とする。
【0025】
かかる構成によるビードコア被覆装置の作用効果は、上記で述べた通りであり、コスト及び作業工数を抑制しつつ、ビードコアの周囲に補強ゴムを配置し、かつビードコアを帯状のゴムシートで高精度に被覆することができる。