【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述の状況に鑑み、上記課題を解決すべく、これまでにも様々な検討を進めてきた。その中で、本特許出願人が報告している上記分散性や溶解性を改良する系において、配合する化合物、その含有量、更にその混合条件により、予想外の流動性改良効果を示すことが確認された。そこで、本発明者らは、更に、上記系に関して、鋭意検討した結果、特定の条件下で、特定の化合物を、特定の比率で混合することにより、結晶核剤の流動性を著しく改良できるだけでなく、樹脂中での分散性や溶解性をも改善可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、以下に示すポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法、その方法を含む流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法及び該方法により得られた流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、更にその結晶核剤を含んでなる透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体に関する。
【0012】
[項1] (A)原料結晶核剤、(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩、(C)高級脂肪酸を含んでなるポリオレフィン系樹脂用結晶核剤であって、
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部、(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部であり、且つ、
(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲であり、且つ、
該ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤が、有機溶媒で膨潤された(A)成分と有機溶媒に溶解した(B)成分と粉末状又は粒状の(C)成分の混合物より有機溶媒を除去してなる混合体であることを特徴とする流動性の改良された結晶核剤。
【0013】
[項2] 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である[項1]に記載の結晶核剤。
【0014】
[項3] 前記(B)成分の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩である、[項1]又は[項2]に記載の結晶核剤。
【0015】
[項4] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、
ラウリル硫酸アンモニウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項2]又は[項3]に記載の結晶核剤。
【0016】
[項5] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又は炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムである、[項4]に記載の結晶核剤。
【0017】
[項6] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項2]又は[項3]に記載の結晶核剤。
【0018】
[項7] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、[項6]に記載の結晶核剤。
【0019】
[項8] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項2]又は[項3]に記載の結晶核剤。
【0020】
[項9] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、[項8]に記載の結晶核剤。
【0021】
[項10] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の飽和脂肪酸である[項1]〜[項9]の何れかに記載の結晶核剤。
【0022】
[項11] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の飽和脂肪酸である、[項10]に記載の結晶核剤。
【0023】
[項12] 前記(C)成分が、ステアリン酸、12−ヒドロキステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項11]に記載の結晶核剤。
【0024】
[項13] 前記(C)成分が、ステアリン酸及び/又は12−ヒドロキステアリン酸である、[項12]に記載の結晶核剤。
【0025】
[項14] 前記(A)成分が、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤である、[項1]〜[項13]の何れかに記載の結晶核剤。
【化1】
[式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R
3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR
1は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR
2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
【0026】
[項15] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、R
3が水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項14]に記載の結晶核剤。
【0027】
[項16] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールである、[項15]に記載の結晶核剤。
【0028】
[項17] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項14]に記載の結晶核剤。
【0029】
[項18] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトールである、[項17]に記載の結晶核剤。
【0030】
[項19] 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである[項1]〜[項18]の何れかに記載の結晶核剤。
【0031】
[項20] 前記有機溶媒が、メタノールである[項19]に記載の結晶核剤。
【0032】
[項21] 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.2〜4重量部である、[項1]〜[項20]の何れかに記載の結晶核剤。
【0033】
[項22] 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.3〜3重量部である、[項1]〜[項21]の何れかに記載の結晶核剤。
【0034】
[項23] (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/2.5〜2.5/1の範囲である、[項1]〜[項22]の何れかに記載の結晶核剤。
【0035】
[項24] 流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法であって、
有機溶媒で膨潤された(A)原料結晶核剤と、有機溶媒に溶解した(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部の(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、溶媒を除去することを特徴とする製造方法。
【0036】
[項25] 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項24]に記載の製造方法。
【0037】
[項26] 前記(B)成分の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩である、[項24]又は[項25]に記載の製造方法。
【0038】
[項27] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
【0039】
[項28] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又は炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムである、[項27]に記載の製造方法。
【0040】
[項29] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
【0041】
[項30] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、[項29]に記載の製造方法。
【0042】
[項31] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
【0043】
[項32] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、[項31]に記載の製造方法。
【0044】
[項33] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の脂肪酸である[項24]〜[項32]の何れかに記載の製造方法。
【0045】
[項34] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の脂肪酸である、[項33]に記載の製造方法。
【0046】
[項35] 前記(C)成分が、ステアリン酸、12−ヒドロキステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項34]に記載の製造方法。
【0047】
[項36] 前記(C)成分が、ステアリン酸及び/又は12−ヒドロキステアリン酸である、[項35]に記載の製造方法。
【0048】
[項37] 前記(A)成分が、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤である、[項24]〜[項36]の何れかに記載の製造方法。
【化2】
[式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R
3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR
1は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR
2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
【0049】
[項38] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、R
3が水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項37]に記載の製造方法。
【0050】
[項39] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールである、[項38]に記載の製造方法。
【0051】
[項40] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項37]に記載の製造方法。
【0052】
[項41] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトールである、[項40]に記載の製造方法。
【0053】
[項42] 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである[項24]〜[項41]の何れかに記載の製造方法。
【0054】
[項43] 前記有機溶媒が、メタノールである[項42]に記載の製造方法。
【0055】
[項44] 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.2〜4重量部である、[項24]〜[項43]の何れかに記載の製造方法。
【0056】
[項45] 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.3〜3重量部である、[項24]〜[項44]の何れかに記載の製造方法。
【0057】
[項46] (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/2.5〜2.5/1の範囲である、[項24]〜[項45]の何れかに記載の製造方法。
【0058】
[項47] ポリオレフィン系樹脂と[項1]〜[項23]の何れかに記載の結晶核剤を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物。
【0059】
[項48] 結晶核剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部である、[項47]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【0060】
[項49] 結晶核剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部である、[項48]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【0061】
[項50] [項47]〜[項49]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体。
【0062】
[項51] ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法であって、
有機溶媒で膨潤された(A)原料結晶核剤に、有機溶媒に溶解した(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部の(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、溶媒を除去することを特徴とする改良方法。
【0063】
[項52] 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、[項51]に記載の改良方法。
【0064】
[項53] 前記(B)成分の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩である、[項51]又は[項52]に記載の改良方法。
【0065】
[項54] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムから選ばれた1種又は2種以上の化合物である、[項52]又は[項53]に記載の改良方法。
【0066】
[項55] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又は炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムである、[項54]に記載の改良方法。
【0067】
[項56] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項52]又は[項53]に記載の改良方法。
【0068】
[項57] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、[項56]に記載の改良方法。
【0069】
[項58] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項52]又は[項53]に記載の改良方法。
【0070】
[項59] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、[項58]に記載の改良方法。
【0071】
[項60] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の脂肪酸である[項51]〜[項59]の何れかに記載の改良方法。
【0072】
[項61] 前記(C)成分のが、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の脂肪酸である、[項60]に記載の改良方法。
【0073】
[項62] 前記(C)成分が、ステアリン酸、12−ヒドロキステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項61]に記載の改良方法。
【0074】
[項63] 前記(C)成分が、ステアリン酸及び/又は12−ヒドロキステアリン酸である、[項62]に記載の改良方法。
【0075】
[項64] 前記(A)成分が、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤である、[項51]〜[項63]の何れかに記載の改良方法。
【化3】
[式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R
3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR
1は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR
2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
【0076】
[項65] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、R
3が水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項64]に記載の改良方法。
【0077】
[項66] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールである、[項64]に記載の改良方法。
【0078】
[項67] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項64]に記載の改良方法。
【0079】
[項68] 前記(A)成分の原料核剤が、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトールである、[項67]に記載の改良方法。
【0080】
[項69] 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである[項51]〜[項68]の何れかに記載の改良方法。
【0081】
[項70] 前記有機溶媒が、メタノールである[項69]に記載の改良方法。
【0082】
[項71] 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.2〜4重量部である、[項51]〜[項70]の何れかに記載の改良方法。
【0083】
[項72] 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.3〜3重量部である、[項51]〜[項71]の何れかに記載の改良方法。
【0084】
[項73] (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/2.5〜2.5/1の範囲である、[項51]〜[項72]の何れかに記載の改良方法。