【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための手段は、本願の[特許請求の範囲]の各請求項に記載の発明である。
特許請求の範囲、明細書、図面等の用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下用語の説明を行うこととする。
<用語の説明>
○対象者監視システム100とは、多数の基地局Bと無線タグAと管理システムCSから構成されるシステムであって、無線タグAの位置を測定することによって、対象者の位置及び状況を管理するシステムである。
○多数の基地局Bにおける多数とは、4又は4以上の自然数であって、基地局Bの設置数を表す。
無線タグAと多数の基地局Bから選ばれた第i基地局Biとの距離Liを測定し、連立1次方程式から、無線タグAの位置(X,Y,Z)を算出するためには、無線タグAに近い第i基地局Biが4つ必要となる。多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶためには、多数の基地局Bの設置個数は4又は5以上となる。
基地局Bは多数設置し、隣接する基地局間の距離が短い程、無線タグAの位置測定精度が高まるが、基地局Bは、対象者が居住する建物及び/又はその敷地に設置するので、携帯電話等の無線通信技術の基地局とは違って、コストも安く位置も比較的自由に設置できるとしても、余り多数設置すれば、コスト高となる。
したがって、基地局Bの設置数は、無線タグAの位置測定精度と基地局Bの設置コストとの関連から適宜決定される。
○基地局Bとは、アンテナBAn、ID情報発信機BCid、測距信号発信機BCs、応答信号受信機BCr、カウンターTM、算出器Bam、通信機BC、制御機Bconから構成される通信拠点となる機器をいう。
多数の基地局Bから選ばれた第i基地局Biが測距信号sを時刻t1に発信し、かつ発信すると同時にタイマーTMをスタートさせ、予めID情報idを受信していた無線タグAは、当該測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信させ、当該第i基地局Biは、当該応答信号rを時刻t2に受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTi(=t2−t1)を算出し(往復時間ΔTiから距離Liを算出する場合もある。)、算出した距離情報(往復時間ΔTi又は距離Li)を管理システムCSに送信する。
○アンテナBAnとは、基地局Bに設置されているアンテナをいう。
○ID情報発信機BCidは、選定対象者のID情報を対象者にブロードキャストにより発信する機器をいう。
○測距信号発信機BCsは、選定対象者のID情報idが管理システムCSから送信されて、通信機BCが当該ID情報idを受信した場合、測距信号sを発信する機器をいう。
○応答信号受信機BCrとは、応答信号rを受信する機器をいう。
○算出器Bamとは、測距信号sを発信する時刻t1と応答信号rを受信する時刻t2から、往復時間ΔTi=t2−t1を算出する、又は往復時間ΔTiから距離Liを算出する機器をいう。
○通信機BCとは、ID情報idを管理システムCSから受信すると共に、距離情報(往復時間ΔTi又は距離Li)を管理システムCSへ送信する機器をいう。通信手段は、無線又は有線による。
○制御機Bconとは、基地局Bに設置されている基地局に設置されている構成機器を制御するための機器をいう。
○無線タグAとは、対象者が装着又は携帯する無線通信機器であって、無線タグAの位置を測定するために、予めID情報idを受信していた無線タグAが、当該測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信させるものである。
○選定無線タグAとは、管理システムCSによって無線タグAの位置(X,Y,Z)の測定対象として選定れた無線タグAをいう。
管理システムCSは、測定対象として選定れた無線タグA(選定無線タグA)は、ID情報id((選定ID情報id))によって特定される。
管理システムCSは、測定しようとする無線タグA(選定無線タグA)のID情報idを、第i基地局Bi(i=1〜4)に送信する。
管理システムCSと第i基地局Bi(i=1〜4)との往復時間から、距離L1、L2、L3、L4を算出した後、連立1次方程式から、無線タグAの位置(X,Y,Z)を算出する。
管理システムCSは、無線タグAの位置(X,Y,Z)とID情報idは、時間tと共に、管理システムCS内の記憶装置(図示せず)に記憶される。
そして、管理システムCSは、次に位置を測定しようとする無線タグAを、ID情報idにより選定する。選定されたID情報idは選定ID情報idともいう。
管理システムCSは、時々刻々の”無線タグの位置とID情報id”の膨大な情報(ID情報idは対象者毎の情報が含まれている。)が、管理システムCS内の記憶装置(図示せず)に記憶される。
○対象者とは、無線タグAを装着又は携帯する者をいう。ここに、無線タグAを装着又は携帯する者を対象者ともいう。対象者のID情報と無線タグAのID情報とは、同義である。ID情報によって、対象者も、無線タグAも特定されるからである。
○アンテナAAnとは、無線タグAに設置されているアンテナをいう。
○ID情報受信機ACidは、選定ID情報を無線で受信する機器をいう。
○測距信号受信機ACsは、測距信号sを受信する機器をいう。
○応答信号発信機ACrとは、応答信号rを発信する機器をいう。選定無線タグAは、受信したID情報idが自分のID情報に一致する場合、自分が測定対象になっていることを知り、測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信する。
選定無線タグAは、受信したID情報idが自分のID情報に一致しない場合、自分が測定対象になっていないことを知り、測距信号sを受信しても、応答信号rを送信しないで、受信したID情報idが自分のID情報に一致するまで、待機する。
○管理システムCSとは、ID情報、対象者の属性情報、無線タグAの位置情報、基地局Bの位置情報を記憶、又は、読み込み、又は、書き込みを行い、無線タグAの位置(X,Y,Z)位置を算出し、記憶する機器である。ここに、基地局Bの位置情報は、全て予め分っているものとする。
管理システムCSは、測定しようとする無線タグA、すなわち、選定無線タグAを選定し、選定無線タグAのID情報idを、第i基地局Biに送信し、第i基地局Biは、選定無線タグAのID情報idを無線タグAへブロードキャストにより無線送信する。
選定無線タグAは、受信したID情報idが自分のID情報に一致する場合、自分が測定対象になっていることを知り、測距信号sを受信すると同時に応答信号rを送信する。
選定無線タグAは、受信したID情報idが自分のID情報に一致しない場合、自分が測定対象になっていないことを知り、測距信号sを受信しても、応答信号rを送信しないで、受信したID情報idが自分のID情報に一致するまで、待機する。
なお、管理システムCSは、第i基地局Biが、往復時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiを管理システムCSに送信する場合には、往復時間ΔTiを管理システムCSに受信し、往復時間ΔTiから距離Liを算出するものとする。
○制御機Aconとは、無線タグAに設置されている構成機器を制御するための機器をいう。
○第i基地局Biとは、多数の基地局Bから選ばれた4つの基地局をいう。
○測距信号sとは、第i基地局Biから無線タグAに向けて発信する信号であり、無線タグAは測距信号sを受信すると同時に、応答信号rを発信し、当該第i基地局Biは応答信号rを受信する。
○タイマーTMとは、微小時間(電波の往復時間)を測定する装置であり、第i基地局Biに設置してなり、第i基地局Biが測距信号sを発信する時刻t1にタイマーTMをスタートさせ、第i基地局Biが応答信号rを受信する時刻t2にタイマーTMをストップさせて、時間Δt=t2−t1を測定し、第i基地局Biと無線タグAとの距離Liを算出する。
○ID情報idとは、無線タグAを特定する識別情報をいう。通常は6桁の数字で表されるが、これに限定されるものではない。測定しようとする無線タグA(選定無線タグA、すなわち、選定対象者)のID情報は、選定ID情報ともいう。
無線タグAを選定することと、ID情報idを選定することとは、同義である。
○応答信号rとは、無線タグAが測距信号sを受信すると同時に、無線タグAに向けて発信する信号である。
○往復時間ΔTiとは、第i基地局Biから時刻t1に測距信号sを発信し、無線タグAが測距信号sを受信すると同時に、第i基地局Biへ向けて応答信号rを発信し、第i基地局Biが応答信号rを時刻t2に受信するまでの時間(t2−t1)をいう。
○無線タグAの位置は(X,Y,Z)と表示する。
○i基地局Biの位置は(Xi,Yi,Zi)と表示する(i=1、2、3)。i基地局Biの位置は(Xi,Yi,Zi)は、予め充分な精度(無線タグAの位置を測定する上で十分な精度)で分かっているものとする。
管理センターCSは、無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)に近い第i基地局を4つ選ぶことができる。
○Liとは、往復時間ΔTiから求めた無線タグAとi基地局Biとの距離を表わす(i=1、2、3、4)。
○建物及び/又は敷地の、あるいは、それらの出入口付近の監視領域OIA(単に、監視領域OIAと略す場合もある。)とは、監視カメラWCによって監視される3次元の空間領域をいう。
○監視カメラWCとは、建物及び/又は敷地の、あるいは、それらの出入口付近の監視領域OIAを監視するために、監視画像P(t)を撮影するための機器をいう。監視カメラWCは、管理システムCSと接続されている。監視カメラWCで撮影された監視画像P(t)は、Δ時間毎に、管理システムCSに送信される。
○背景画像P0とは、監視カメラ(WC)によって建物又は敷地の出入口付近の監視領域OIAに人等動くものがいない状況下で撮影された画像である。
○時刻tにおける監視画像P(t)とは、時刻tの時に監視カメラ(WC)によって撮影された画像をいう。
○差分画像ΔP(t)とは、監視画像P(t)と背景画像P0の差分を取って作成した画像である。
すなわち、差分画像ΔP(t)=P(t)−P0である。
○人物の輪郭線画像L(t)とは、差分画像ΔP(t)から抽出される人物の輪郭線のみからなる画像をいう。
○当該人物の無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)とは、上記人物の輪郭線画像L(t)から、当該人物が無線タグを携帯又は取付けている位置を想定して算出した位置をいう。
計算して算出する方法は、例えば、以下の通りである(例えば、左胸の位置に無線タグAが取り付けられているものとする。)。(1)は、当該人物が立っている場合(輪郭線画像L(t)に囲まれた領域の垂直長さl1が水平長さl2よりも大きい場合)であり、(2)は、当該人物が横たわっている場合(輪郭線画像L(t)に囲まれた領域の垂直長さl1が水平長さl2よりも小さい場合)である。
(1)輪郭線画像L(t)に囲まれた領域の重心Gの位置(Xg’,Yg’,Zg’)を計算により算出し、無線タグの位置と当該人物の体中心の差Δhg(予めデータ(身長を関数とするデータ、あるいは平均値としてのデータ)として管理システムに記憶させておく。)を重心Gの位置(Xg’,Yg’,Zg’)に加算して、当該人物の無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)を(Xg’,Yg’,Zg’+Δhg)として算出する。
(2)輪郭線画像L(t)に囲まれた領域の重心Gを計算により算出し、重心Gの位置(Xg’,Yg’,Zg’)を当該人物の無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)として近似的に算出する。
○CΔは、予め設定された定数である。0に極端に近いと当該人物が対象者であっても対象者でないと誤った判断をする確率が高くなり、逆に、極端に大きな値に設定すると当該人物が対象者でなくても対象者であると誤った判断をする確率が高くなる傾向にある。
○建物とは、対象者が居る建築物をいう。
○敷地とは、建築物が建っている土地をいう。一般的には、建築物の建築部分や門扉が有る土地、アプローチ、庭、駐車スペースなどをまとめて1つの敷地という。
<数式の説明>
●(1−1)式、(1−2)式、(1−3)式について
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選び、無線タグAの位置は(X,Y,Z)、第i基地局の位置は(Xi,Yi,Zi)であり、Liは、往復時間ΔTiから求めた無線タグAと第i基地局Biとの距離とすれば、以下の式が成立する(i=1〜4)。
(X−X1)**2+(Y−Y1)**2+(Z−Z1)**2=L1**2……(1)式
(X−X2)**2+(Y−Y2)**2+(Z−Z2)**2=L2**2……(2)式
(X−X3)**2+(Y−Y3)**2+(Z−Z3)**2=L3**2……(3)式
(X−X4)**2+(Y−Y4)**2+(Z−Z4)**2=L4**2……(4)式
ここにおいて、
(2)式−(1)式により、X**2、Y**2、Z**2が消去されて、(1−1)式を得る。
(3)式−(2)式により、X**2、Y**2、Z**2が消去されて、(1−2)式を得る。
(4)式−(1)式により、X**2、Y**2、Z**2が消去されて、(1−3)式を得る。すなわち、以下の連立1次式を得る。
M11*X+M12*Y+M13*Z=M1……(1−1)式
M21*X+M22*Y+M23*Z=M2……(1−2)式
M31*X+M32*Y+M33*Z=M3……(1−3)式
ここに、iは、多数の基地局Bから選ばれた基地局を特定する番号を表し、i=1〜4の自然数である。
無線タグAの位置は(X,Y,Z)、第i基地局の位置は(Xi,Yi,Zi)である。
Liは、往復時間ΔTiから求めた無線タグAと第i基地局Biとの距離を表わす。
M11=X2−X1、M12=Y2−Y1、M13=Z2−Z1……(01)式
M21=X3−X1、M22=Y3−Y1、M23=Z3−Z1……(02)式
M31=X4−X1、M32=Y4−Y1、M33=Z4−Z1……(03)式
M1=0.5*(X2**2+Y2**2+Z2**2−L2**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(04)式
M2=0.5*(X3**2+Y3**2+Z3**2−L3**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(05)式
M3=0.5*(X4**2+Y4**2+Z4**2−L4**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(06)式
ここに、選ばれた基地局の位置(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)、(X4,X4,X4)、(X1,X2,X3)は、既知であり数値データとして与えられる。
L1、L2、L3、L4は、測定により求まり既知の数値データとして与えられる。
M11、M12、M13、M21、M22、M23、M31、M32、M33、M1、M2、M3は、既知の数値データとして算出されるので、
(1−1)式、(1−2)式、(1−3)式の連立1次方程式を解けば、無線タグAの位置は(X,Y,Z)は、行列演算をすることにより、一義的に決定される。
●(A)式について
多数の基地局Bから 第i基地局B1(i=1〜3)を3つ選び、第i基地局B1(i=1〜3)が同一線上にないことを判断するために、ベクトルa、bを定義する。
ベクトルa=第1地局B1から第2地局B2へ向かうベクトル=(X2−X1,Y2−Y1,Z2−Z1)=(M11、M12,M13)
ベクトルb=第B1から第3地局B3へ向かうベクトル=(X3−X1,Y3−Y1,Z3−Z1)=(M21、M22,M23)
よって、外積の公式を用いて、(A)式の左辺を得る。
外積(a×b)の絶対値/(|a|*|b|)=[(M12*M23−M13*M22)**2+(M11*M23−M13*M21)**2+(M11*M22−M12*M21)
**2]**0.5/[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5*(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5]……(A)式の左辺
(A)式の左辺は、ベクトルa、bの狭角をθとすれば、|sinθ|であり、第i基地局B1(i=1〜3)が同一線上にある場合は、0である。
そこで、第i基地局B1(i=1〜3)が同一線上にないことを判断するための判定式として、(A)式を定義したものである。
外積(a×b)の絶対値/(|a|*|b|)=[(M12*M23−M13*M22)**2+(M11*M23−M13*M21)**2+(M11*M22−M12*M21)
**2]**0.5/[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5*(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5]≧CA……(A)式
ここに、
ベクトルa=(M11,M12,M13)、ベクトルb=(M21,M22,M23)とする。
CAは、予め設定された定数である。
外積(a×b)の絶対値=[(M12**M23−M13*M22)**2+(M11**M23−M13*M21)**M2+(M11*M22−M12*M21)]**0.5
ベクトルaの大きさ=|a|=(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5
ベクトルbの大きさ=|b|=(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5
(A)式の意味合いは、(A)式を具備する場合は、第i基地局B1(i=1〜3)が同一線上にないと判断され、(A)式を具備しない場合は、第i基地局B1(i=1〜3)が同一線上にあると判断される。
●(B)式について
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選び、第i基地局B1(i=1〜4)が同一平面上にないことを判断するために、行列Мは(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)を定義する。
M11=X2−X1、M12=Y2−Y1、M13=Z2−Z1……(01)式
M21=X3−X1、M22=Y3−Y1、M31=Z3−Z1……(02)式
M31=X4−X1、M32=Y4−Y1、M33=Z4−Z1……(03)
行列式(М)の絶対値は、(0,0,0)と(X2−X1、Y2−Y1、Z2−Z1)、(X3−X1、Y3−Y1、Z3−Z1)、(X4−X1、Y4−Y1、Z4−Z1)の4点から構成される四面体の体積の6倍に等しい。
すなわち、行列式(М)の絶対値は、(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、(X4、Y4、Z4)の4点から構成される四面体の体積の6倍に等しい。
何故ならば、(X1、Y1、Z1)、(X2、Y2、Z2)、(X3、Y3、Z3)、(X4、Y4、Z4)のXYZ座標系を(X1、Y1、Z1)を原点にするために(−X1、−Y1、−Z1)だけXYZ座標系を平行移動させれば、新しい座標系では、(0,0,0)と(X2−X1、Y2−Y1、Z2−Z1)、(X3−X1、Y3−Y1、Z3−Z1)、(X4−X1、Y4−Y1、Z4−Z1)が得られ、四面体の体積は変わらないからである。
次に、標準体積とは、行列式(М)の絶対値を標準化(無次元表示化)するために、選ばれた第i基地局Biに関係する3つの距離Ls1、Ls2、Ls3、を掛け合わせたものである。具体的には、Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定される。
選ばれた4つの第i基地局Bi(i=1〜4)を頂点とする四面体の体積の6倍を標準体積で割って、(B)式の左辺を得る。
(B)式の左辺は、選ばれた4つの第i基地局Bi(i=1〜4)を頂点とする四面体の体積に比例するので、第i基地局B1(i=1〜4)が同一平面上にある場合は、0である。
そこで、第i基地局B1(i=1〜4)が同一平面上にないことを判断するための判定式として、(B)式を定義したものである。
行列式(М)の絶対値/(基準体積)=|det(M)|/(Ls1*Ls2*Ls3)≧CB…(B)式
ここに、
行列Мは(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)であり、(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)は、(01)式、(02)式、(03)式で与えられる。
Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定される。
CBは、予め設定された定数である。
(B)式の意味合いは、(B)式を具備する場合は、第i基地局B1(i=1〜4)が同一平面上にないと判断され、(B)式を具備しない場合は、第i基地局B1(i=1〜4)が同一平面上にあると判断される。
●(C)式について
建物及び/又は敷地の、あるいは、それらの出入口付近の監視領域OIAを監視する監視カメラWCと、多数の基地局Bと無線タグAと管理システムCSから構成される対象者監視システム100において、監視カメラWCは管理システムCSに接続されてなり、管理システムCSは、背景画像P0と時刻tにおける監視画像P(t)の差分画像ΔP(t)を求めて、人物の輪郭線画像L(t)を求め、当該輪郭線画像L(t)から当該人物の無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)を算出して、
無線タグAの位置(X,Y,Z)、及び、ID情報idの中から、無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)iに一番近い無線タグAの位置(X,Y,Z)、及び、ID情報idを選定する場合において、
監視カメラWCに映っている人物が、部外者(対象者以外の者)か対象者かを区別することは、防犯上も重要である。
例えば、夜間に、監視領域OIA内に、部外者が映っていたならば、侵入者であると想定されるので防犯上即刻対応が必要となる。
また、監視領域OIA内に、徘徊する、あるいは、転倒して動かない対象者が映っていたならば、対象者の安全性確保の上で迅速な対応が必要となる。
(C)式の意味合いは、無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)とそれに一番近い無線タグAの位置(X,Y,Z)とがどの程度一致しているかを判断するための判定式であり、(A)式の左辺は、無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)と無線タグAの位置(X,Y,Z)の距離を表し、予め設定された定数CΔ以下であれば、同一人物であると判断する、すなわち、監視カメラWCに映っている人物は対象者であると判断する。
[(X−X’)**2+(Y−Y’)**2+(Z−Z’)]**.0.5≦CΔ……(C)式
ここに、CΔは予め設定された定数(cm)である。
●(D)式、(E)式について
(D)式、(E)式とも、標準体積をLs1*Ls2*Ls3を設定するための代表例を示したものである。
Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定されるものであるが、代表例として、
(1)測定した距離L1、L2、L3から、L1*L2*L3、とし、それを標準体積とするもの。
(2)行列Mの要素を利用して、
Ls1=(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5
Ls2=(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5
Ls3=*(M31**2+M32**2+M33**2)**0.5
ここに、
上記Ls1は、第2基地局B2と第1基地局B1の距離を表し、
上記Ls2は、第3基地局B3と第1基地局B1の距離を表し、
上記Ls3は、第4基地局B4と第1基地局B1の距離を表す。
(1)に該当するのが、(D)式であり、(2)に該当するのが、(E)式である。
<フローチャート>
本件発明に係る対象者監視システムの実施態様をフローチャートに基づいて、以下説明する(
図6)を参照。)。
●S1(ステップ1):無線タグAの選定
管理システムCSは、位置を測定しようとする無線タグA(選定無線タグ)を選定する。無線タグAを選定することとID情報idを選定することとは、同義である。
●S2(ステップ2):基地局Bを3つ選定
管理システムCSは、選定無線タグAの位置(X,Y,Z)を測定するために必要な4つの基地局、すなわち、第i基地局(i=1、2、3、4)を選定する。
第i基地局Biを頂点とする四角形で囲まれた領域が極力広くなるように、第i基地局は選定されるのが望ましい。選定無線タグAと第i基地局Biの距離Liは、上記領域内の四角形の辺よりは小さくなるので、選定無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Zを算出するには、上記の第i基地局(i=1、2、3、4)の上記選定方法で十分である。
●S3(ステップ3):基地局Bと無線タグAとの距離L1、L2、L3、L4を測定
測定しようとする無線タグA(選定無線タグA)のID情報id(選定ID情報id)を、第i基地局Biに送信する。
第i基地局Biは、選定無線タグAのID情報idをブロードキャストにより無線タグAに無線発信する。
第i基地局Biは、測距信号sを無線タグAに時刻t1に発信すると同時に、タイマーTMをスタートさせる。
選定無線タグAは、ID情報idが自分のID情報と一致する場合は、自分が測定対象になっていると判断して、測距信号sを受信すると同時に,応答信号rを発信させる。
選定無線タグAは、受信したID情報idが自分のID情報と一致しない場合は、自分が測定対象になっていないと判断して、測距信号sを受信したとしても、応答信号rを発信させず、受信したID情報idが自分のID情報と一致するまで、待機する。
当該第i基地局Biは、当該応答信号rを時刻t2に受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTi(t2−t1)を算出し(さらに、往復時間ΔTiから距離Liを算出する場合もある。)、距離情報(往復時間ΔTi又は距離Li)を、当該距離情報を管理システムCSに送信する。
i=1、2、3、4の4回繰り返す。
●S4(ステップ4):連立1次方程式から選定無線タグAの位置を算出する
管理システムCSは、第i基地局Biから距離情報(往復時間Δti、又は、距離Li)を受信後、連立1次方程式から選定無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)(概略値)を算出する。
●S5(ステップ5):無線タグAの位置に近い基地局を4つ選定
無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)(概略値)に近い基地局を選定し、それらを第i基地局(i=1、2、3、4)とする。
●S6(ステップ6):基地局Bと無線タグAとの距離L1、L2、L3、L4を測定…S3(ステップ3)と同じ
測定しようとする無線タグA(選定無線タグA)のID情報id(選定ID情報id)を、第i基地局Biに送信する。
第i基地局Biは、選定無線タグAのID情報idをブロードキャストにより無線タグAに無線発信する。
第i基地局Biは、測距信号sを無線タグAに時刻t1に発信すると同時に、タイマーTMをスタートさせる。
選定無線タグAは、ID情報idが自分のID情報と一致する場合は、自分が測定対象になっていると判断して、測距信号sを受信すると同時に,応答信号rを発信させる。
選定無線タグAは、受信したID情報idが自分のID情報と一致しない場合は、自分が測定対象になっていないと判断して、測距信号sを受信したとしても、応答信号rを発信させず、受信したID情報idが自分のID情報と一致するまで、待機する。
当該第i基地局Biは、当該応答信号rを時刻t2に受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTi(t2−t1)を算出し (さらに、往復時間ΔTiから距離Liを算出する場合もある。)、距離情報(往復時間ΔTi又は距離Li)を、当該距離情報を管理システムCSに送信する。
i=1、2、3、4の4回繰り返す。
●S7(ステップ7):連立1次方程式から無線タグAの位置を算出
管理システムCSは、第i基地局Biから距離情報(往復時間Δti、又は、距離Li)を受信後、連立1次方程式から選定無線タグAの位置(X,Y,Z)(測定値)を算出する。
●S8(ステップ8):無線タグAの位置とID情報idの記憶
算出されて無線タグAの位置(X,Y,Z)とID情報idは、時間tと共に、管理システムCSの記憶装置(図示せず)に、記憶される。
管理システムCSは、次に位置を測定する無線タグ(選定無線タグ)を選定し、以下、S1〜S8まで繰り返す。
**********************************************************************
<フローチャートその2>
本件発明に係る、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶ選定方法をフローチャートに基づいて、以下説明する(
図12)を参照。)。
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶ場合は、最初の無線タグAの位置(X,Y,Z)の概略算出の場合と、次の無線タグAの位置(X,Y,Z)の精密算出との場合とに適用される。
●S101(ステップ101):3つの基地局の仮選定
多数の基地局Bから第i基地局Bi(i=1〜3)を3つ仮に選ぶ。
ここに、仮に選ぶとは、第i基地局Bi(i=1〜3)をそれ以外の他の基地局と入れ替える可能性があるので、正式に制定されたのではないということである。
●S102(ステップ102):(A)式を具備するか?
(A)式は、仮選定した3つの第i基地局Bi(i=1〜3)が同一線状にあるかどうかの判定式であり、
(A)式具備する場合(仮選定した3つの第i基地局Bi(i=1〜3)が同一線状にないと判断された場合)、S103(ステップ103)へ進む。
(A)式具備しない場合(仮選定した3つの第i基地局Bi(i=1〜3)が同一線状にあると判断された場合)、S103(ステップ103)へ進む。
●S103(ステップ103):1つの基地局を追加仮選定
仮選定した3つの第i基地局Bi(i=1〜3)以外の第4基地局B4を、多数の基地局の中から追加選定する。
次の無線タグAの位置(X,Y,Z)の精密算出との場合には、最初の無線タグAの位置(X,Y,Z)の概略値に近い基地局であることも充足する必要がある。
●S104(ステップ104):(B)式を具備するか?
(B)式は、仮選定した4つの第i基地局Bi(i=1〜4)が同一平面状にあるかどうかの判定式であり、
(B)式具備する場合(仮選定した4つの第i基地局Bi(i=1〜4)が同一平面状にないと判断された場合)、S105(ステップ105)へ進む。
(B)式具備しない場合(仮選定した3つの第i基地局Bi(i=1〜4)が同一せん平面状にあると判断された場合)、S103(ステップ103)へ進む。
●S105(ステップ105):4つの基地局の正式選定
ここに、正式に選定とは、第i基地局Bi(i=1〜4)をそれ以外の他の基地局と入れ替える可能性がないことを意味するものである。
●S106(ステップ106):タグAと4つの基地局との距離Liの測定
正式に選定した第i基地局Bi(i=1〜4)と無線タグAとの距離L1、L2、L3、L4を測定し算出する。
●S107(ステップ107):連立1次方程式から無線タグAの位置を算出
管理システムCSは、第i基地局Biから距離情報(往復時間Δti、又は、距離Li)を受信後、連立1次方程式から選定無線タグAの位置(X,Y,Z)(測定値)を算出する。
●S201(ステップ201):1つの基地局を入れ替える
仮に選定された3つの基地局の中の1つの基地局を、3つの基地局以外の他の基地局(多数の基地局から仮選定された基地局)と入れ替える。
S103(ステップ103)へ進む。
●S202(ステップ202):追加仮選定した基地局を入替える
追加仮選定された第4基地局を、4つの第i基地局Bi=1〜4)以外の他の基地局(多数の基地局から仮選定された基地局)と入れ替える。
次の無線タグAの位置(X,Y,Z)の精密算出との場合には、上記他の基地局は、最初の無線タグAの位置(X,Y,Z)の概略値に近い基地局であることも充足する必要がある。
S104(ステップ104)へ進む。
**************************************************
課題を解決するための手段は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
○第1の発明(請求項1に記載の発明)
上記の課題を解決するための第1の発明(請求項1に記載の発明)は、
対象者が居住する建物及び/又はその敷地に設置した多数の基地局Bと対象者が所持する無線タグAと管理システムCSから構成される対象者監視システム100において、
最初に、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選び、選ばれた第i基地局Bi(i=1〜4)が測距信号sを発信し、かつ発信すると同時にタイマーTMをスタートさせ、予めID情報idを受信していた無線タグAは、当該測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信させ、当該第i基地局Biは、当該応答信号rを受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiを管理システムCSに送信すると共に、
管理システムCSは、無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)を以下の連立1次方程式から算出し、
次に、無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)に近い第i基地局Biを4つ選び、第i基地局Biが測距信号sを発信し、かつ発信すると同時にタイマーTMをスタートさせ、予めID情報idを受信していた無線タグAは、当該測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信させ、当該第i基地局Biは、当該応答信号rを受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiを管理システムCSに送信すると共に、
管理システムCSは、上記無線タグAの位置(X,Y,Z)を以下の連立1次方程式から算出ことを特徴とする対象者監視システム100である。
M11*X+M12*Y+M13*Z=M1……(1−1)式
M21*X+M22*Y+M23*Z=M2……(1−2)式
M31*X+M32*Y+M33*Z=M3……(1−3)式
ここに、iは、多数の基地局Bから選ばれた基地局を特定する番号を表し、i=1〜4の自然数である。
無線タグAの位置は(X,Y,Z)、第i基地局の位置は(Xi,Yi,Zi)である。
Liは、往復時間ΔTiから求めた無線タグAと第i基地局Biとの距離を表わす。
M11=X2−X1、M12=Y2−Y1、M13=Z2−Z1……(01)式
M21=X3−X1、M22=Y3−Y1、M31=Z3−Z1……(02)式
M31=X4−X1、M32=Y4−Y1、M33=Z4−Z1……(03)式
M1=0.5*(X2*
*2+Y2**2+Z2**2−L2**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(04)式
M2=0.5*(X3**2+Y3**2+Z3**2−L3**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(05)式
M3=0.5*(X4**2+Y4**2+Z4**2−L4**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(06)式
○第2の発明(請求項2に記載の発明)
上記の課題を解決するための第2の発明(請求項2に記載の発明)は、
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶに際しては
多数の基地局Bから第i基地局B1(i=1〜3)を3つ選び、その次に、第4基地局B4を仮に又は正式に選ぶことを特徴とする請求項1に記載された対象者監視システム100である。
○第3の発明(請求項3に記載の発明)
上記の課題を解決するための第3の発明(請求項3に記載の発明)は、
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶに際して、多数の基地局Bから第i基地局B1(i=1〜3)を3つ選び、ベクトルa、bを定義すると共に、
(A)式を具備する場合、多数の基地局Bから第4基地局B4を仮に選び、
(B)式を具備しない場合、第4基地局B4を他の基地局と入れ替えた後、(B)式を具備する場合に限って、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ正式に選ぶことを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載された対象者監視システム100。
外積(a×b)の絶対値/(|a|*|b|)=[(M12*M23−M13*M22)**2+(M11*M23−M13*M21)**2+(M11*M22−M12*M21)
**2]**0.5/[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5*(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5]≧CA……(A)式
ここに、
ベクトルa=(M11,M12,M13)、ベクトルb=(M21,M22,M23)とする。
M11,M12,M13)、M21,M22,M23は、(01)式、(02)式で与えられる。
行列式(М)の絶対値/(基準体積)=|det(M)|/(Ls1*Ls2*Ls3)≧CB…(B)式
ここに、
行列Мは(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)であり、(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)は、(01)式、(02)式、(03)式で与えられる。
Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定される。
CA、CBは、予め設定された定数である。
を特徴とする請求項1〜2の何れかに記載された対象者監視システム100である。
○第4の発明(請求項4に記載の発明)
上記の課題を解決するための第4の発明(請求項4に記載の発明)は、
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶに際して、多数の基地局Bから第i基地局Bi(i=1〜3)を3つ選び、ベクトルa、bを以下のように定義すると共に、
(A)式を具備しない場合、選定した3つの基地局から1つの第i基地局Biを他の基地局と入れ替えた後、(A)式を具備する場合、多数の基地局Bから第4基地局B4を仮に選び、
(B)式を具備しない場合、第4基地局B4を他の基地局と入れ替えた後、(B)式を具備する場合に限って、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ正式に選ぶことを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載された対象者監視システム100。
外積(a×b)の絶対値/(|a|*|b|)=[(M12*M23−M13*M22)**2+(M11*M23−M13*M21)**2+(M11*M22−M12*M21)
**2]**0.5/[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5*(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5]≧CA……(A)式
ここに、
ベクトルa=(M11,M12,M13)、ベクトルb=(M21,M22,M23)とする。
M11,M12,M13)、M21,M22,M23は、(01)式、(02)式で与えられる。
行列式(М)の絶対値/(基準体積)=|det(M)|/(Ls1*Ls2*Ls3)≧CB…(B)式
ここに、
行列Мは(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)であり、(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)は、(01)式、(02)式、(03)式で与えられる。
Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定される。
を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載された対象者監視システム100である。
○第5の発明(請求項5に記載の発明)
第i基地局の位置(Xi,Yi,Zi)との距離と第j基地局の位置(Xj,Yj,Zj)との距離Lijが、100m、50m、25m、12.5m、6.25m、3m、1mの何れかの数値以下になるように基地局Bを配置してなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載された対象者監視システム100である。
Lij=[(Xi−Xj)**2+(Yi−Yj)**2+(Zi−Zj)**2]**0.5
ただし、i≠j
○第6の発明(請求項6に記載の発明)
上記の課題を解決するための第6の発明(請求項6に記載の発明)は、
対象者は、介護対象者、及び/又は、介護従事者、及び/又は、対象者として登録された者であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載された対象者監視システム100である。
○第7の発明(請求項7に記載の発明)
上記の課題を解決するための第7の発明(請求項7に記載の発明)は、
建物及び/又は敷地の、あるいは、それらの出入口付近の監視領域OIAを監視する監視カメラWCと、多数の基地局Bと無線タグAと管理システムCSから構成される対象者監視システム100において、監視カメラWCは管理システムCSに接続されてなり、管理システムCSは、背景画像P0と時刻tにおける監視カメラWCから送信された監視画像P(t)の差分画像ΔP(t)を求めて、人物の輪郭線画像L(t)を求め、当該輪郭線画像L(t)から当該人物の無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)を算出して、
無線タグAの位置(X,Y,Z)、及び、ID情報idの中から、無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)iに一番近い無線タグAの位置(X,Y,Z)、及び、そのID情報idを選び、
(C)式を充足しない場合、当該人物は対象者でないと認識し、
(C)式を充足する場合、当該人物は対象者であると認識し、対象者をID情報idより特定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載された対象者監視システム100である。
[(X−X’)**2+(Y−Y’)**2+(Z−Z’)**2]**0.5≦CΔ……(C)式
ここに、CΔは予め設定された定数である。
○第8の発明(請求項8に記載の発明)
上記の課題を解決するための第8の発明(請求項8に記載の発明)は、
建物の階数が2以上である場合、基地局を4つ選ぶ場合、同じ階に設置された基地局から3つの基地局を選び、他の階に設置された基地局から1つの基地局を選ぶことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載された対象者監視システム100である。
○第9の発明(請求項9に記載の発明)
上記の課題を解決するための第9の発明(請求項9に記載の発明)は、
第i基地局Biは、応答信号rを受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、タイマー時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiから無線タグAと第i基地局Biとの距離Liを求め、距離Liを管理システムCSに送信することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載された対象者監視システム100である。
○第10の発明(請求項10に記載の発明)
上記の課題を解決するための第10の発明(請求項10に記載の発明)は、
Ls1*Ls2*Ls3が、以下の式で与えられることを特徴とする請求項
3〜9の何れかに記載された対象者監視システム100である。
Ls1*Ls2*Ls3=L1*L2*L3……(D)式
Ls1*Ls2*Ls3=[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5]*[(M21**2+M22**2+M23**2)]**0.5*[(M31**2+M32**2+M33**2)]**0.5……(E)式
ここに、CA、CBは、予め設定される定数である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る対象者監視システム100は、上記のような特徴的構成要件から構成され、特徴的構成要件に応じた、以下のような本願発明特有の効果を奏する。
また、上記の各発明に応じた、上記のような特徴的構成要件から構成された対象者監視システム100によれば、本願発明の課題を十分解消することができた。
○第1の発明の効果
第1の発明によれば、
対象者が居住する建物及び/又はその敷地に設置した多数の基地局Bと対象者が所持する無線タグAと管理システムCSから構成される対象者監視システム100において、
最初に、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選び、選ばれた第i基地局Bi(i=1〜4)が測距信号sを発信し、かつ発信すると同時にタイマーTMをスタートさせ、予めID情報idを受信していた無線タグAは、当該測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信させ、当該第i基地局Biは、当該応答信号rを受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiを管理システムCSに送信すると共に、
管理システムCSは、無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)を以下の連立1次方程式から算出し、
次に、無線タグAの概略値としての位置(X,Y,Z)に近い第i基地局Biを4つ選び、第i基地局Biが測距信号sを発信し、かつ発信すると同時にタイマーTMをスタートさせ、予めID情報idを受信していた無線タグAは、当該測距信号sを受信すると同時に応答信号rを発信させ、当該第i基地局Biは、当該応答信号rを受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、往復時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiを管理システムCSに送信すると共に、
管理システムCSは、上記無線タグAの位置(X,Y,Z)を以下の連立1次方程式から算出ことを特徴とする対象者監視システム100。
M11*X+M12*Y+M13*Z=M1……(1−1)式
M21*X+M22*Y+M23*Z=M2……(1−2)式
M31*X+M32*Y+M33*Z=M3……(1−3)式
ここに、iは、多数の基地局Bから選ばれた基地局を特定する番号を表し、i=1〜4の自然数である。
無線タグAの位置は(X,Y,Z)、第i基地局の位置は(Xi,Yi,Zi)である。
Liは、往復時間ΔTiから求めた無線タグAと第i基地局Biとの距離を表わす。
M11=X2−X1、M12=Y2−Y1、M13=Z2−Z1……(01)式
M21=X3−X1、M22=Y3−Y1、M31=Z3−Z1……(02)式
M31=X4−X1、M32=Y4−Y1、M33=Z4−Z1……(03)式
M1=0.5*(X2*
*2+Y2**2+Z2**2−L2**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(04)式
M2=0.5*(X3**2+Y3**2+Z3**2−L3**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(05)式
M3=0.5*(X4**2+Y4**2+Z4**2−L4**2)−0.5*(X1**2+Y1**2+Z1**2−L1**2)……(06)式
という特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第2の発明の効果
第2の発明によれば、
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶに際しては
多数の基地局Bから第i基地局B1(i=1〜3)を3つ選び、その次に、第4基地局B4を仮に又は正式に選ぶことという特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第3の発明の効果
第3の発明によれば、
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶに際して、多数の基地局Bから 第i基地局B1(i=1〜3)を3つ選び、ベクトルa、bを定義すると共に、
(A)式を具備する場合、多数の基地局Bから第4基地局B4を仮に選び、
(B)式を具備しない場合、第4基地局B4を他の基地局と入れ替えた後、(B)式を具備する場合に限って、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ正式に選ぶことを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載された対象者監視システム100。
外積(a×b)の絶対値/(|a|*|b|)=[(M12*M23−M13*M22)**2+(M11*M23−M13*M21)**2+(M11*M22−M12*M21)
**2]**0.5/[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5*(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5]≧CA……(A)式
ここに、
ベクトルa=(M11,M12,M13)、ベクトルb=(M21,M22,M23)とする。
M11,M12,M13)、M21,M22,M23は、(01)式、(02)式で与えられる。
行列式(М)の絶対値/(基準体積)=|det(M)|/(Ls1*Ls2*Ls3)≧CB…(B)式
ここに、
行列Мは(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)であり、(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)は、(01)式、(02)式、(03)式で与えられる。
Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定される。
CA、CBは、予め設定された定数である。
という特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第4の発明の効果
第4の発明によれば、
多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ選ぶに際して、多数の基地局Bから第i基地局Bi(i=1〜3)を3つ選び、ベクトルa、bを以下のように定義すると共に、
(A)式を具備しない場合、選定した3つの基地局から1つの第i基地局Biを他の基地局と入れ替えた後、(A)式を具備する場合、多数の基地局Bから第4基地局B4を仮に選び、
(B)式を具備しない場合、第4基地局B4を他の基地局と入れ替えた後、(B)式を具備する場合に限って、多数の基地局Bから第i基地局Biを4つ正式に選ぶことを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載された対象者監視システム100。
外積(a×b)の絶対値/(|a|*|b|)=[(M12*M23−M13*M22)**2+(M11*M23−M13*M21)**2+(M11*M22−M12*M21)
**2]**0.5/[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5*(M21**2+M22**2+M23**2)**0.5]≧CA……(A)式
ここに、
ベクトルa=(M11,M12,M13)、ベクトルb=(M21,M22,M23)とする。
M11,M12,M13)、M21,M22,M23は、(01)式、(02)式で与えられる。
行列式(М)の絶対値/(基準体積)=|det(M)|/(Ls1*Ls2*Ls3)≧CB…(B)式
ここに、
行列Мは(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)であり、(Mij)(i=1〜3、j=1〜3)は、(01)式、(02)式、(03)式で与えられる。
Ls1、Ls2、Ls3は、Li(i=1〜4)、及び選定された4つの第i基地Bi(i=1〜4)の相互距離の中から3つ選んで設定される。
という特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第5の発明の効果
第5の発明によれば、
第i基地局の位置(Xi,Yi,Zi)との距離と第j基地局の位置(Xj,Yj,Zj)との距離Lijが、100m、50m、25m、12.5m、6.25m、3m、1mの何れかの数値以下になるように基地局Bを配置してなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載された対象者監視システム100。
Lij=[(Xi−Xj)**2+(Yi−Yj)**2+(Zi−Zj)**2]**0.5
ただし、i≠j
という特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第6の発明の効果
第6の発明によれば、
対象者は、介護対象者、及び/又は、介護従事者、及び/又は、対象者として登録された者であることという特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第7の発明の効果
第7の発明によれば、
建物及び/又は敷地の、あるいは、それらの出入口付近の監視領域OIAを監視する監視カメラWCと、多数の基地局Bと無線タグAと管理システムCSから構成される対象者監視システム100において、監視カメラWCは管理システムCSに接続されてなり、管理システムCSは、背景画像P0と時刻tにおける監視カメラWCから送信された監視画像P(t)の差分画像ΔP(t)を求めて、人物の輪郭線画像L(t)を求め、当該輪郭線画像L(t)から当該人物の無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)を算出して、
無線タグAの位置(X,Y,Z)、及び、ID情報idの中から、無線タグ想定位置(X’,Y’,Z’)iに一番近い無線タグAの位置(X,Y,Z)、及び、そのID情報idを選び、
(C)式を充足しない場合、当該人物は対象者でないと認識し、
(C)式を充足する場合、当該人物は対象者であると認識し、対象者をID情報idより特定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載された対象者監視システム100。
[(X−X’)**2+(Y−Y’)**2+(Z−Z’)**2]**0.5≦CΔ……(C)式
ここに、CΔは予め設定された定数である。
という特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第8の発明の効果
第8の発明によれば、
建物の階数が2以上である場合、基地局を4つ選ぶ場合、同じ階に設置された基地局から3つの基地局を選び、他の階に設置された基地局から1つの基地局を選ぶことという特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第9の発明の効果
第9の発明によれば、
第i基地局Biは、応答信号rを受信すると共に、タイマーTMをストップさせて、タイマー時間ΔTiを算出し、往復時間ΔTiから無線タグAと第i基地局Biとの距離Liを求め、距離Liを管理システムCSに送信することという特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第10の発明の効果
第10の発明によれば、
Ls1*Ls2*Ls3が、以下の式で与えられることを特徴とする請求項
3〜9の何れかに記載された対象者監視システム100。
Ls1*Ls2*Ls3=L1*L2*L3……(D)式
Ls1*Ls2*Ls3=[(M11**2+M12**2+M13**2)**0.5]*[(M21**2+M22**2+M23**2)]**0.5*[(M31**2+M32**2+M33**2)]**0.5……(E)式
ここに、CA、CBは、予め設定される定数である。
という特徴的な構成要件により、本発明が解決しようとする第1課題〜第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。