【解決手段】本願に係るコミュニケーション支援プログラムは、携帯端末装置が有するコンピュータに、距離取得手順と、時間取得手順と、通知手順とを実行させる。距離取得手順は、携帯端末装置から携帯端末装置のユーザがコミュニケーションを図る対象人物までの距離を示す情報を取得する。時間取得手順は、距離取得手順によって取得される情報に基づいて、距離が所定距離以下となる継続時間を示す情報を取得する。通知手順は、時間取得手順によって取得される情報に基づくタイミングで、ユーザへ通知する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係るコミュニケーション支援プログラム、コミュニケーション支援方法、および携帯端末装置の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係るコミュニケーション支援プログラム、コミュニケーション支援方法、および携帯端末装置が限定されるものではない。
【0010】
[1.コミュニケーション支援方法]
まず、
図1を参照し、実施形態に係る携帯端末装置1が行うコミュニケーション支援方法について説明する。
図1は、実施形態に係るコミュニケーション支援方法の説明図である。ここでは、携帯端末装置1のユーザ11が女性12に謝りたいが、女性12の心情を察することができず、女性12に謝るタイミングが分からない場合に、携帯端末装置1によって、謝るのに適したタイミングをユーザ11へ通知する場合を例に挙げて説明する。
【0011】
なお、携帯端末装置1は、携帯端末装置1のユーザ11が対象人物に謝罪する行為に限定されることなく、例えば、異性に告白する行動や顧客に商談を行う行動等、任意のコミュニケーションを図る行動を開始するのに適したタイミングを通知することができる。
【0012】
図1に(a)で示すように、携帯端末装置1のユーザ11は、謝りたい女性12を前にして、今、女性12に謝っていいのかどうかわからない場合がある。かかる場合、ユーザ11は、携帯端末装置1に記憶されたコミュニケーション支援プログラム(以下、「アプリ」と記載することがある)を起動し、女性12に近付く。
【0013】
このとき、女性12の周囲には、パーソナルスペース13がある。パーソナルスペース13は、他人に近付かれると不快に感じる空間のことである。一般に、パーソナルスペース13は、近付いてくる人との親密さによって、その広さが変わる。
【0014】
ここで、ユーザ11は、女性12と比較的親密な関係である。この場合、女性12のユーザ11に対するパーソナルスペース13は、例えば、上面視における女性12の中心から、半径45cm程度のエリアとなる。
【0015】
携帯端末装置1は、アプリが起動されると、ユーザ11から女性12までの距離を示す情報を取得する。その後、
図1に(b)で示すように、ユーザ11が女性12のパーソナルスペース13に入ると、ユーザ11から女性12までの距離、およびユーザ11が女性12のパーソナルスペース13内に滞在する継続時間を取得する。
【0016】
このとき、女性12にユーザ11を許す気が無い場合、
図1に(c)で示すように、女性12は、所定時間(例えば、3秒)が経過する前に、ユーザ11から離れることがある。その結果、ユーザ11は、女性12のパーソナルスペース13の外に出ることになる。このような場合、携帯端末装置1は、例えば、女性12に気付かれないように、表示部に「STAY!」という文字を表示して通知し、謝るのを思い留まらせる。
【0017】
このように、携帯端末装置1は、ユーザ11が女性12に謝っても、許してもらえない可能性が比較的高い場合には、その旨をユーザ11へ通知することによって、人間同士間のコミュニケーションを支援することができる。
【0018】
一方、女性12にユーザ11を許す気がある場合、
図1に(d)で示すように、女性12は、ユーザ11が女性12のパーソナルスペース13に入って所定時間(例えば、3秒)が経過しても、ユーザ11から離れないことがある。
【0019】
このような場合、携帯端末装置1は、例えば、女性12に気付かれないように、表示部に「GO!」という文字を表示して通知し、ユーザ11に女性12へ謝るよう促す。これにより、
図1に(e)で示すように、ユーザ11は、女性12に謝ることができ、女性12から許してもらうことができる。
【0020】
このように、携帯端末装置1は、ユーザ11が女性12に謝ることで、女性12から許してもらえる可能性が比較的高い場合に、その旨をユーザ11へ通知することによって、人間同士間のコミュニケーションを支援することができる。
【0021】
なお、ここでは、携帯端末装置1が文字表示によって、ユーザ11が女性12へ謝るべきタイミングか否かを通知する場合について説明したが、携帯端末装置1は、女性12に気付かれない他の手段によって通知を行うこともできる。
【0022】
例えば、携帯端末装置1は、ユーザ11がコミュニケーション動作を開始すべきか否かを、異なるパターンのバイブレーションによって、コミュニケーションの対象となる対象人物に気付かれないように、ユーザ11へ通知を行うこともできる。
【0023】
[2.携帯端末装置1の構成例]
次に、
図2を参照し、実施形態に係る携帯端末装置1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る携帯端末装置1の構成例を示す説明図である。
図2に示すように、携帯端末装置1は、タッチパネルディスプレイ21、距離センサ22、タイマ23、ジャイロセンサ24、バイブレータ25、通信部26、制御部(コントローラ)3、および記憶部4を備える。
【0024】
タッチパネルディスプレイ21は、例えば、タッチパネル機能を備えた液晶表示装置である。タッチパネルディスプレイ21は、ユーザ11のタッチ操作に応じた信号を制御部3へ出力する。また、タッチパネルディスプレイ21は、制御部3から入力される各種情報の表示を行う。
【0025】
距離センサ22は、例えば、超音波を使用して、携帯端末装置1から対象人物までの距離を計測する超音波センサである。距離センサ22は、携帯端末装置1から対象人物に対して超音波の送信波を送信して、対象人物に反射した超音波の反射波を受信し、送信波を送信してから反射波を受信するまでの時間に基づいて、携帯端末装置1から対象人物までの距離を計測する。そして、距離センサ22は、計測した距離を示す情報を制御部3へ出力する。
【0026】
タイマ23は、制御部3から計時開始を示す信号が入力される場合に、計時を開始して、計時する継続時間を示す情報を制御部3へ出力する。ジャイロセンサ24は、携帯端末装置1の移動加速度を検出する加速度センサである。ジャイロセンサ24は、検出した携帯端末装置1の移動加速度を示す情報を制御部3へ出力する。バイブレータ25は、制御部3から入力される制御信号に応じた複数種類の振動パターンで振動する振動装置である。
【0027】
通信部26は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部26は、例えば、図示しない通信ネットワークを介して、コミュニケーション支援プログラム41を提供するサーバに接続され、サーバからコミュニケーション支援プログラム41を取得して、記憶部4に記憶させる。
【0028】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部4は、コミュニケーション支援プログラム41、パーソナルスペース情報42、時間情報43、および履歴情報44を記憶する。
【0029】
コミュニケーション支援プログラム41は、制御部3がユーザ11のコミュニケーションを支援する場合に実行するプログラムである。パーソナルスペース情報42、時間情報43、および履歴情報44の一例については、
図5〜
図8を参照して後述する。
【0030】
制御部3は、携帯端末装置1全体を統括制御する処理部であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0031】
制御部3は、内部のCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)が記憶部4からコミュニケーション支援プログラム41を読み出してRAMを作業領域として実行することによって機能する複数の情報処理部を備える。具体的には、制御部3は、行動受付部31、結果受付部32、属性受付部33、距離取得部34、時間取得部35、および通知部36を備える。
【0032】
行動受付部31は、対象人物に対してコミュニケーションを図るためにユーザ11が行う行動(以下、単に「行動」と記載する)を示す情報の入力をタッチパネルディスプレイ21から受付けて、通知部36へ出力する処理部である。ここでの行動は、ユーザ11が対象人物に対して行う予定の行動であり、例えば、謝罪、告白、および商談等といった任意の行動である。
【0033】
なお、行動受付部31は、ユーザ11が行う行動と合わせて、行動を行う機会を示す情報を受付けることもできる。例えば、行動受付部31は、「商談する」という行動と合わせて、「2回目の来店」という機会を示す情報等を受付けることもできる。
【0034】
結果受付部32は、ユーザ11が携帯端末装置1の支援を利用して行動を行った結果(以下、単に「行動結果」と記載する)を示す情報の入力をタッチパネルディスプレイ21から受付けて、通知部36へ出力する処理部である。ここでの行動結果は、例えば、成功や失敗等である。
【0035】
属性受付部33は、対象人物の属性を示す情報の入力をタッチパネルディスプレイ21から受付けて、時間取得部35および通知部36へ出力する処理部である。ここでの対象人物は、ユーザ11がコミュニケーションを図ろうとする人物である。
【0036】
また、ここでの属性は、例えば、対象人物の性別および対象人物とユーザ11との関係等である。なお、属性受付部33は、対象人物の属性として、例えば、対象人物の名前等、対象人物を識別可能な識別情報を受付けることもできる。
【0037】
距離取得部34は、携帯端末装置1から対象人物までの距離を示す情報を取得して、時間取得部35へ出力する処理部である。距離取得部34は、アプリが起動された状態で、タッチパネルディスプレイ21からコミュニケーション支援の開始指令を示す情報が入力される場合に、携帯端末装置1の所定部位を対象人物へ向けさせる案内画像をタッチパネルディスプレイ21に表示させる。
【0038】
その後、距離取得部34は、タッチパネルディスプレイ21から計測開始の指示を示す情報が入力される場合に、距離センサ22へ距離の計測を開始させる指示を示す情報を出力し、携帯端末装置1から対象人物までの距離を示す情報を距離センサ22から取得する。そして、距離取得部34は、取得した距離を示す情報を時間取得部35へ出力する。
【0039】
時間取得部35は、距離取得部34から入力される距離を示す情報と、記憶部4に記憶されたパーソナルスペース情報42とに基づいて、携帯端末装置1から対象人物までの距離が所定距離以下になる時間を取得して、通知部36へ出力する処理部である。ここでの所定距離は、対象人物から対象人物のパーソナルスペースの外周までの距離である。
【0040】
ここで、
図3および
図4を参照し、パーソナルスペースについて説明し、
図5を参照して、パーソナルスペース情報42の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る一般的な女性のパーソナルスペースを示す説明図であり、
図4は、実施形態に係る一般的な男性のパーソナルスペースを示す説明図である。
図5は、実施形態に係るパーソナルスペース情報42の一例を示す説明図である。
【0041】
図3に示すように、一般的に、女性のパーソナルスペースは、女性を中心とした同心円状となっており、女性から近い方から遠い方へ向かって順に、恋人空間、友達空間、知人空間、大衆空間となっている。
【0042】
恋人空間は、恋人や家族までは侵入は許容するが、恋人および家族よりも親密な関係でない人物が侵入した場合に、女性が不快を感じる空間である。友達空間は、親しい友達までは侵入を許容するが、親しい友達よりも親密でない人物が侵入した場合に、女性が不快を感じる空間である。
【0043】
知人空間は、互いに顔見知りの他人までは侵入を許容するが、双方ともに面識のない他人が侵入した場合に、女性が不快を感じる空間である。大衆空間は、相手にとっては他人であるが女性は知っている(例えば、講演者と聴衆の関係のような)人物までは侵入を許容するが、双方ともに面識のない他人が侵入した場合に、女性が不快を感じる空間である。
【0044】
また、
図4に示すように、一般的に、男性のパーソナルスペースは、男性を中心とした同心楕円形状となっており、前後方向のパーソナルスペースよりも左右方向のパーソナルスペースの方が狭くなっている。
【0045】
そして、男性のパーソナルスペースも女性のパーソナルスペースと同様に、男性から近い方から遠い方へ向かって順に、恋人空間、友達空間、知人空間、大衆空間となっている。男性の恋人空間、友達空間、知人空間、大衆空間の意味合いは、女性の恋人空間、友達空間、知人空間、大衆空間と同じ意味合いである。
【0046】
このように、人間のパーソナルスペースは、本人の性別や、本人に近づいてくる人物と本人との関係(親密さ)等によって異なる。つまり、ユーザ11がコミュニケーションの相手となる対象人物に近づく場合、相手のパーソナルスペースは、相手の性別や、相手とユーザ11との親密さ等といった相手の属性によって異なる。
【0047】
そこで、携帯端末装置1の記憶部4は、ユーザ11のコミュニケーションの相手となる対象人物の性別、ユーザ11と対象人物との関係といった属性毎に、それぞれパーソナルスペースが異なるパーソナルスペース情報42を記憶する。
【0048】
例えば、
図5に示すように、パーソナルスペース情報42では、対象人物が女性で恋人という属性に、対象人物から前後左右15cmまでの円内というパーソナルスペースが対応付けられている。また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が女性で友達という属性に、対象人物から前後左右45cmまでの円内というパーソナルスペースが対応付けられている。
【0049】
また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が女性で知人という属性に、対象人物から前後左右120cmまでの円内というパーソナルスペースが対応付けられている。また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が女性で他人という属性に、対象人物から前後左右350cmまでの円内というパーソナルスペースが対応付けられている。
【0050】
また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が男性で恋人という属性に、対象人物から前後20cm左右10cmまでの楕円内というパーソナルスペースが対応付けられている。また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が男性で友達という属性に、対象人物から前後50cm左右40cmまでの楕円内というパーソナルスペースが対応付けられている。
【0051】
また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が男性で知人という属性に、対象人物から前後125cm左右115cmまでの楕円内というパーソナルスペースが対応付けられている。また、パーソナルスペース情報42では、対象人物が男性で他人という属性に、対象人物から前後355cm左右345cmまでの楕円内というパーソナルスペースが対応付けられている。
【0052】
時間取得部35は、属性受付部33から対象人物の属性を示す情報が入力されていない場合、所定距離としてデフォルトのパーソナルスペースを適用し、携帯端末装置1から対象人物までの距離が所定距離以下となっているか否かを判定する。
【0053】
デフォルトのパーソナルスペースは、例えば、対象人物が女性で友達である場合のパーソナルスペース、つまり、対象人物から前後左右45cmまでの円内というパーソナルスペースである。なお、デフォルトのパーソナルスペースは、これに限定されるものではない。
【0054】
また、時間取得部35は、属性受付部33から対象人物の属性を示す情報が入力されている場合、属性に応じたパーソナルスペースをパーソナルスペース情報42から選択する。そして、時間取得部35は、所定距離としてパーソナルスペース情報42から選択したパーソナルスペースを適用し、携帯端末装置1から対象人物までの距離が所定距離以下となっているか否かを判定する。
【0055】
これにより、時間取得部35は、対象人物の属性を示す情報が入力される場合に、対象人物の性別や、ユーザ11と対象人物との関係に応じて、適切なパーソナルスペースを所定距離として適用することができる。
【0056】
時間取得部35は、携帯端末装置1から対象人物までの距離が所定距離以下になると、タイマ23へ計時開始指示を示す信号を出力し、携帯端末装置1から対象人物までの距離が所定距離より大きくなるまで計時を継続させる。
【0057】
そして、時間取得部35は、距離取得部34によって対象人物から携帯端末装置1までの距離が所定距離以下となる継続時間(以下、単に「継続時間」と記載する)を示す情報をタイマ23から取得して通知部36へ出力する。
【0058】
なお、時間取得部35は、時間取得部35自体で継続時間を計時する構成であってもよい。また、時間取得部35は、携帯端末装置1外部の計時装置によって継続時間を計測させ、計時装置から継続時間を示す情報を取得する構成であってもよい。
【0059】
また、時間取得部35は、ジャイロセンサ24から入力される情報に基づいて、携帯端末装置1が静止状態か否かを判定し、携帯端末装置1が静止状態でないと判定する場合に、継続時間を示す情報を取得する。
【0060】
これにより、時間取得部35は、例えば、ユーザ11および対象人物が映画館等の座席に座っており、対象人物がユーザ11から離れようとしても容易には離れられないような状況である場合に、その期間を継続時間に加算することを防止することができる。
【0061】
言い換えれば、時間取得部35は、対象人物がユーザ11から離れようと思えば離れられる状況で、ユーザ11が対象人物のパーソナルスペースに所定時間滞在できた期間に限って継続時間として取得することができる。
【0062】
通知部36は、時間取得部35から入力される継続時間に基づくタイミングで、ユーザ11へ通知を行う処理部である。通知部36が行う通知モードには、通常モードと、履歴モードとがある。ユーザ11は、タッチパネルディスプレイ21を操作することによって、通常モードおよび履歴モードのいずれかを選択することができる。
【0063】
通知部36は、通知モードが通常モードの場合には、時間取得部35から入力される継続時間を示す情報と、記憶部4に記憶された時間情報43とに基づいて、ユーザ11へ行動を開始するタイミングを通知する。通知部36は、結果受付部32から行動結果を示す情報が入力される場合に、行動結果に応じて時間情報43の補正を行う。
【0064】
また、通知部36は、通知モードが履歴モードの場合には、時間取得部35から入力される継続時間を示す情報と、記憶部4に記憶された時間情報43および履歴情報44とに基づいて、ユーザ11へ行動を開始するタイミングを通知する。
【0065】
ここで、
図6〜
図8を参照し、時間情報43および履歴情報44の一例の説明と合わせて、各通知モードでの通知部36の動作について説明する。
図6は、実施形態に係る補正前の時間情報43の一例を示す説明図であり、
図7は、実施形態に係る補正後の時間情報43の一例を示す説明図である。また、
図8は、実施形態に係る履歴情報44の一例を示す説明図である。
【0066】
図6に示すように、補正前の時間情報43では、ユーザ11が対象人物に対して行う行動毎に、それぞれ所定時間が対応付けられている。ここでは、例えば、「謝る」という行動に対して「3秒」、「告白する」という行動に対して「30秒」、「商談する」という行動に対して「10分」とう所定時間がそれぞれ対応付けられている。
【0067】
このため、通知部36は、通知モードが通常モードの場合、行動受付部31から「謝る」ことを示す情報が入力されていた場合、継続時間が3秒に達した時点で、ユーザ11が対象人物に謝っても許してもらえる可能性が高いと判定して、ユーザ11へ通知する。
【0068】
また、通知部36は、行動受付部31から「告白する」ことを示す情報が入力されていた場合、継続時間が30分に達した時点で、ユーザ11が対象人物に告白しても承諾してもらえる可能性が高いと判定して、ユーザ11へ通知する。
【0069】
また、通知部36は、行動受付部31から「商談する」ことを示す情報が入力されていた場合、継続時間が10分に達した時点で、ユーザ11が対象人物に商談を持ちかけても拒否されない可能性が高いと判定して、ユーザ11へ通知する。これにより、携帯端末装置1は、ユーザ11へ行動の開始タイミングを迅速に通知することができる。
【0070】
また、通知部36は、結果受付部32から今回の行動結果として、例えば、「失敗したこと」を示す情報が入力される場合に、
図7に示すように、時間情報43を補正し、次回の支援に適用する。
【0071】
例えば、通知部36は、ユーザ11が対象人物のパーソナルスペース内に3秒間滞在して謝った結果、許してもらえなかった場合、「謝る」行動に対応付ける所定時間を15秒に延長する補正を行い、次回の支援に適用する。
【0072】
また、通知部36は、ユーザ11が対象人物のパーソナルスペース内に30分間滞在して告白した結果、承諾してもらえなかった場合、「告白する」行動に対応付ける所定時間を60分に延長する補正を行い、次回の支援に適用する。
【0073】
また、通知部36は、ユーザ11が対象人物のパーソナルスペース内に10分間滞在して商談を持ちかけた結果、拒否された場合、「商談する」行動に対応付ける所定時間を15分に延長する補正を行い、次回の支援に適用する。
【0074】
このように、通知部36は、ユーザ11の行動結果が失敗であった場合、時間情報43で各行動に対応付ける所定時間を延長する補正を行って、次回の支援に適用する。これにより、携帯端末装置1は、次回、ユーザ11の行動を支援する場合に、ユーザ11がコミュニケーションを図るために行う行動をより確実に成功させることができる。
【0075】
また、通知部36は、結果受付部32から今回の行動結果として、例えば、「成功したこと」を示す情報が入力される場合には、時間情報43で各行動に対応付ける所定時間を短縮する補正を行って、次回の支援に適用する。これにより、携帯端末装置1は、次回、ユーザ11がコミュニケーションを図るために行う行動を支援する場合に、ユーザ11へ行動の開始タイミングをより迅速に通知することができる。
【0076】
また、通知部36は、属性受付部33から対象人物の名前を示す情報が入力され、行動受付部31からユーザ11が行う行動を示す情報、行動を行う機会を示す情報が入力される場合に、機会毎の継続時間と対応付け、履歴情報44として記憶部4に記憶させる。例えば、通知部36は、
図8に示すような履歴情報44を記憶部4に記憶させる。
【0077】
図8に示すように、履歴情報44には、ユーザ11がAさんに告白しようとして、1回目のデートで、Aさんのパーソナルスペース内に22分間滞在し、2回目のデートでAさんのパーソナルスペース内に25分間滞在したことを示す情報が含まれる。
【0078】
ここで、通知部36は、通知モードが通常モードであれば、1回目のデートでも、2回目のデートでも、継続時間が告白のための所定時間である60分に達しないため、ユーザ11へ告白を促す通知を行わない。ただし、ユーザ11は、2回のデートで累計47分という比較的長い時間、Aさんのパーソナルスペース内に滞在できており、Aさんとの親密さが増している可能性が高い。
【0079】
また、履歴情報44には、ユーザ11がBさんに商談を行おうとして、Bさんの1回目の来店時に、Bさんのパーソナルスペース内に4分間滞在し、2回目の来店時でBさんのパーソナルスペース内に7分間滞在したことを示す情報が含まれる。
【0080】
また、通知部36は、通知モードが通常モードであれば、Bさんの1回目の来店でも、2回目の来店でも、継続時間が商談のための所定時間である15分に達しないため、ユーザ11へ商談の持ちかけを促す通知を行わない。ただし、ユーザ11は、Bさんの2回の来店で累計11分という比較的長い時間、Bさんのパーソナルスペース内に滞在できており、Bさんとの信頼関係が増している可能性が高い。
【0081】
そこで、通知部36は、通知モードが履歴モードの場合には、時間取得部35から入力される継続時間を示す情報と、履歴情報44とに基づき、同一の対象人物について、複数の機会で距離が所定距離以下となった時間の累計を継続時間として適用する。そして、通知部36は、継続時間が所定時間に達した場合に、ユーザ11へ通知を行う。
【0082】
例えば、記憶部4に
図7に示す時間情報43と、
図8に示す履歴情報44とが記憶されているとする。このような場合、通知部36は、例えば、ユーザ11がAさんとの3回目のデートで、Aさんのパーソナルスペース内に13分間滞在し、3回のデートでの累計の継続時間が所定時間である60分(
図7参照)に達した場合に、ユーザ11へ告白を促す通知を行う。
【0083】
通知部36は、例えば、ユーザ11がBさんの3回目の来店時に、Bさんのパーソナルスペース内に4分間滞在し、3回の来店での累計の継続時間が所定時間である15分(
図7参照)に達した場合に、ユーザ11へ商談の持ちかけを促す通知を行う。
【0084】
これにより、通知部36は、同一の対象人物について、各機会では、継続時間が所定時間に達していなくても、親密さや信頼関係が増している可能性が高い対象人物に対して、適切なタイミングでコミュニケーションを図るための行動を促す通知を行うことができる。
【0085】
図2へ戻り、通知部36は、ユーザ11へ通知を行う場合、タッチパネルディスプレイ21へ通知の内容に応じた情報を出力する。例えば、通知部36は、継続時間が所定時間に達した場合には、行動の開始を促す画像をタッチパネルディスプレイ21へ出力して表示させる。また、通知部36は、継続時間が所定時間に達しない場合には、行動の開始を思い留まるよう促す画像をタッチパネルディスプレイ21へ出力して表示させる。
【0086】
また、通知部36は、継続時間が所定時間に達した場合には、バイブレータ25へ連続振動動作を行わせる信号を出力する。また、通知部36は、継続時間が所定時間に達しない場合には、バイブレータ25へ間欠振動動作を行わせる信号を出力する。これにより、通知部36は、対象人物に気付かれることなく、ユーザ11へ継続時間が所定時間に達したか否かを通知することができる。
【0087】
[3.携帯端末装置1が表示する画像の遷移態様]
次に、
図9を参照し、携帯端末装置1がユーザ11のコミュニケーションを支援する場合に、タッチパネルディスプレイ21に表示させる画像の遷移態様について説明する。
図9は、実施形態に係る携帯端末装置1が表示する画像の推移態様を示す説明図である。
【0088】
携帯端末装置1は、ユーザ11によってアプリが起動されると、スタート画面を表示させる。スタート画面は、例えば、
図9に(a)で示すように、履歴モードボタン、STARTボタン、相手入力ボタン、行動入力ボタン、および結果入力ボタンのアイコンを含む。
【0089】
その後、携帯端末装置1は、履歴モードボタンのアイコンがユーザ11によってタッチ操作されると、通知モードを履歴モードに設定する。また、携帯端末装置1は、STARTボタンのアイコンがユーザ11によってタッチ操作されると、通知モードを通常モードに設定して、方位指示画面を表示させる。
【0090】
方位指示画面は、例えば、
図9に(b)で示すように、携帯端末装置1が向いている方向を示す矢印画像と、携帯端末装置1の近傍に存在する人物の方向を示す三角印と、「相手に向きを合わせてください。」という文字画像を含む。
【0091】
なお、携帯端末装置1は、STARTボタンのアイコンがタッチ操作される前に、相手入力ボタンのアイコンがタッチ操作される場合には、相手の属性を入力させる画面を表示させて、対象人物の属性の入力を受付ける。
【0092】
また、携帯端末装置1は、STARTボタンのアイコンがタッチ操作される前に、行動入力ボタンのアイコンがタッチ操作される場合には、行動を入力させる画面を表示させて、ユーザ11が所望する行動の入力を受付ける。
【0093】
また、携帯端末装置1は、STARTボタンのアイコンがタッチ操作される前に、結果入力ボタンのアイコンがタッチ操作される場合には、前回のコミュニケーション支援の結果を入力させる画面を表示させて、結果の入力を受付ける。
【0094】
携帯端末装置1は、方位指示画面を表示後に、携帯端末装置1が対象人物へ向けられると、
図9に(c)で示すように、計測開始ボタンのアイコンを表示させる。そして、携帯端末装置1は、計測開始ボタンのアイコンがタッチ操作されると、計測中画面を表示させる。
【0095】
計測中画面は、例えば、
図9に(d)で示すように、対象人物のパーソナルスペースを示す円と、円の中心に表示される対象人物を示す黒丸印と、円内におけるユーザ11(携帯端末装置1)の位置を示す白丸印とを含む。さらに、計測中画面は、「距離・時間計測中」という文字画像を含む。なお、パーソナルスペースを示す複数の円のうち、実線の円が対象人物の属性に対応するパーソナルスペースを示している。
【0096】
その後、携帯端末装置1は、継続時間が所定時間に達した場合に、例えば、
図9に(e)で示すように、「GO!」という文字画像を表示させて、ユーザ11へ行動の開始を促す。また、携帯端末装置1は、継続時間が所定時間に達しない場合、例えば、
図9に(f)で示すように、「STAY!」という文字画像を表示させて、ユーザ11へ行動の開始を思い留まらせる。
【0097】
なお、
図9に(e)、(f)で示す画像は一例であり、携帯端末装置1は、ユーザ11によるコミュニケーション支援プログラム41の用途に応じて変更してもよい。例えば、ユーザ11が女性である場合に、ユーザ11は、対象人物に近づき過ぎると、ユーザ11の意思とは無関係に、ユーザ11が対象人物に好意を持っていると対象人物に誤解を与えることがある。
【0098】
そこで、携帯端末装置1は、継続時間が所定時間に達しない場合に、「安全!」という文字画像を表示させ、継続時間が所定時間に達した場合に、「注意!」という文字画像を表示させる構成であってもよい。これにより、携帯端末装置1は、ユーザ11が対象人物へ上記したような誤解を与えることを未然に防止することができる。
【0099】
[4.携帯端末装置1の制御部3が実行する処理]
次に、
図10を参照し、携帯端末装置1の制御部3が実行する処理について説明する。
図10は、実施形態に係る携帯端末装置1の制御部3が実行する処理を示すフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、まず、制御部3は、アプリ起動操作があるか否かを判定する(ステップS101)。そして、制御部3は、アプリ起動操作なしと判定した場合に(ステップS101,No)、アプリ起動操作があるまでステップS101の処理を繰り返す。
【0101】
また、制御部3は、アプリ起動操作ありと判定した場合(ステップS101,Yes)、スタート画面を表示させ(ステップS102)、スタート操作があるか否かを判定する(ステップS103)。そして、制御部3は、スタート操作なしと判定した場合(ステップS103,No)、履歴モード選択操作があるか否かの判定を行う(ステップS111)。
【0102】
制御部3は、履歴モード選択操作ありと判定した場合(ステップS111,Yes)、通知モードを履歴モードに設定し(ステップS112)、処理をステップS102へ移す。また、制御部3は、履歴モード選択なしと判定した場合(ステップS111,No)、情報入力操作があるか否かの判定を行う(ステップS113)。
【0103】
そして、また、制御部3は、情報入力操作ありと判定した場合(ステップS113,Yes)、情報の入力を受付け(ステップS114)、処理をステップS102へ移す。ステップS114において、制御部3は、対象人物の属性を示す情報が入力される場合、後に使用する所定距離として、属性に応じたパーソナルスペースをパーソナルスペース情報42から選択する。
【0104】
また、ステップS114において、制御部3は、ユーザ11が行う行動を示す情報が入力される場合、後に使用する所定時間として、行動に応じた所定時間を時間情報43から選択する。また、制御部3は、ユーザ11が行動を行った結果を示す情報が入力される場合、結果に応じて時間情報43内の所定時間を補正する。
【0105】
また、制御部3は、情報入力操作なしと判定した場合(ステップS113,No)、処理をステップS102へ移す。ステップS103において、制御部3は、スタート操作ありと判定した場合(ステップS103,Yes)、方向指示画面を表示させる(ステップS104)。
【0106】
続いて、制御部3は、携帯端末装置1の向きを対象人物へ合わせる向き合わせが完了したか否かの判定を行う(ステップS105)。制御部3は、携帯端末装置1の向きが対象人物へ合わせられ、計測開始ボタンのアイコン(
図9の(c)参照)がタッチ操作された場合に、向き合わせが完了したと判定する。
【0107】
制御部3は、向き合わせが完了していないと判定した場合(ステップS105,No)、向き合わせが完了するまでステップS105の処理を繰り返す。また、制御部3は、向き合わせが完了したと判定した場合(ステップS105,Yes)、携帯端末装置1から対象人物までの距離を取得する(ステップS106)。
【0108】
続いて、制御部3は、取得する距離が所定距離以下であるか否かを判定する(ステップS107)。そして、制御部3は、取得する距離が所定距離以下でないと判定した場合(ステップS107,No)、STAY通知(例えば、
図9の(f)参照)を行い(ステップS115)、処理をステップS116へ移す。
【0109】
また、制御部3は、取得する距離が所定距離以下であると判定した場合(ステップS107,Yes)、継続時間を取得し(ステップS108)、継続時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS109)。そして、制御部3は、継続時間が所定時間以上でないと判定した場合(ステップS109,No)、処理をステップS115へ移す。
【0110】
また、制御部3は、継続時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS109,Yes)、GO通知(例えば、
図9の(e)参照)を行い(ステップS110)、アプリ終了操作があるか否かを判定する(ステップS116)。
【0111】
制御部3は、アプリ終了操作なしと判定した場合(ステップS116,No)、処理をステップS106へ移す。また、制御部3は、アプリ終了操作ありと判定した場合(ステップS116,Yes)、処理を終了する。
【0112】
[5.ハードウェア構成]
なお、実施形態における携帯端末装置1は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ5によって実現される。
図11は、実施形態に係る携帯端末装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ5は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、通信インターフェイス(I/F)55、入出力インターフェイス(I/F)56、およびメディアインターフェイス(I/F)57を備える。
【0113】
CPU51は、ROM53またはHDD54に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM53は、コンピュータ5の起動時にCPU51によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ5のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0114】
HDD54は、CPU51によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス55は、通信部26に対応し、通信ネットワークを介して他の機器からデータを受信してCPU51へ送り、CPU51が生成したデータを、通信ネットワークを介して他の機器へ送信する。
【0115】
CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、タッチパネルディスプレイ21やプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU51は、生成したデータを、入出力インターフェイス56を介して出力装置へ出力する。
【0116】
メディアインターフェイス57は、記録媒体58に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM52を介してCPU51に提供する。CPU51は、当該プログラムを、メディアインターフェイス57を介して記録媒体58からRAM52上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体58は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0117】
コンピュータ5が携帯端末装置1として機能する場合、コンピュータ5のCPU51は、RAM52上にロードされたコミュニケーション支援プログラム41(
図2参照)を実行することにより、行動受付部31、結果受付部32、属性受付部33、距離取得部34、時間取得部35、および通知部36の各機能を実現する。また、HDD54は、記憶部4の機能を実現し、コミュニケーション支援プログラム41、時間情報43、および履歴情報44などが格納される。
【0118】
コンピュータ5のCPU51は、これらのプログラムを、記録媒体58から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0119】
[6.効果]
実施形態に係るコミュニケーション支援プログラムは、携帯端末装置が有するコンピュータに、距離取得手順と、時間取得手順と、通知手順とを実行させる。距離取得手順は、携帯端末装置から携帯端末装置のユーザがコミュニケーションを図る対象人物までの距離を示す情報を取得する。時間取得手順は、距離取得手順によって取得される情報に基づいて、距離が所定距離以下となる継続時間を示す情報を取得する。通知手順は、時間取得手順によって取得される情報に基づくタイミングで、ユーザへ通知する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、人間同士間のコミュニケーションを支援することができる。
【0120】
また、実施形態に係る所定距離は、対象人物から対象人物のパーソナルスペースの外周までの距離である。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、対象人物を不快にさせることのないタイミングをユーザへ通知することができる。
【0121】
また、実施形態に係るコミュニケーション支援プログラムは、コンピュータに、対象人物の属性を示す情報の入力を受付ける属性受付手順を実行させ、時間取得手順は、属性受付手順によって属性を示す情報の入力が受付けられる場合に、所定距離として、属性に応じた距離を適用する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、ユーザが対象人物にコミュニケーションを図る場合に、対象人物の属性に応じた支援を行うことができる。
【0122】
また、実施形態に係る通知手順は、対象人物に対してユーザが行う行動の開始タイミングを通知する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、ユーザがコミュニケーションを図る動作を行う場合に、好適な動作開始タイミングをユーザへ通知することができる。
【0123】
また、実施形態に係る通知手順は、継続時間が所定時間に達した場合に、ユーザへ通知する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、ユーザに対して迅速な支援を行うことができる。
【0124】
また、実施形態に係るコミュニケーション支援プログラムは、コンピュータに、行動を示す情報の入力を受付ける行動受付手順を実行させ、通知手順は、行動受付手順によって行動を示す情報の入力が受付けられる場合に、所定時間として、行動に応じた時間を適用する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、ユーザが対象人物にコミュニケーションを図る場合に、ユーザが対象人物に対して行う行動に応じた支援を行ことができる。
【0125】
また、実施形態に係るコミュニケーション支援プログラムは、コンピュータに、行動が行われた結果を示す情報の入力を受付ける結果受付手順を実行させ、通知手順は、結果受付手順によって結果を示す情報の入力が受付けられる場合に、所定時間を結果に応じて補正する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、ユーザが対象人物に対して行った行動の結果を次回の支援にフィードバックさせることができるので、次回以降の支援精度を向上させることができる。
【0126】
また、実施形態に係る通知手順は、同一の対象人物について、複数の機会で距離が所定距離以下となった時間の累計を継続時間として適用する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、各機会では、継続時間が所定時間に達していなくても、親密さや信頼関係が増している可能性が高い対象人物に対して、適切なタイミングでコミュニケーションを図るための行動を促す通知を行うことができる。
【0127】
また、実施形態に係る時間取得手順は、携帯端末の移動状態を示す情報を取得して、携帯端末装置が静止状態でない場合の継続時間を取得する。これにより、コミュニケーション支援プログラムは、対象人物がユーザから離れようとしても容易には離れられないような状況である場合に、その期間を継続時間に加算することを防止することができる。
【0128】
[7.その他]
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0129】
例えば、上述した実施形態では、携帯端末装置1が対象人物までの距離を計測して取得する場合について説明したが、携帯端末装置1は、携帯端末装置1から対象人物の携帯端末装置までの距離を対象人物の携帯端末装置から取得してもよい。
【0130】
例えば、携帯端末装置1は、対象人物の携帯端末装置がコミュニケーション支援プログラム41を記憶している場合に、対象人物の携帯端末装置へ距離の取得要求を送信する。そして、携帯端末装置1は、距離の取得要求の返信として、携帯端末装置1から対象人物の携帯端末装置までの距離を示す情報を対象人物の携帯端末装置から取得する。これにより、ユーザの携帯端末装置の処理負荷を軽減することができる。
【0131】
また、携帯端末装置1は、対象人物の携帯端末装置がコミュニケーション支援プログラム41を記憶している場合、GPS(Global Positioning System)を使用して、携帯端末装置1から対象人物の携帯端末装置までの距離を示す情報を取得してもよい。
【0132】
また、上述した実施形態では、携帯端末装置1は、携帯端末装置1から対象人物までの距離を取得したが、ユーザ11と対象人物と携帯端末装置1との相対位置に応じて、取得する距離を補正する構成であってもよい。
【0133】
例えば、携帯端末装置1は、ユーザ11の右側に対象人物が居て、ユーザ11が自身の左側で携帯端末装置1を持っている場合、取得した距離からユーザ11の横幅分の長さを差し引く補正を行ってもよい。
【0134】
つまり、携帯端末装置1は、予めユーザ11の体格情報を記憶し、携帯端末装置1から対象人物までの距離から、携帯端末装置1からユーザ11の対象人物側の端面までの距離を差し引く補正を行って、ユーザ11から対象人物までの距離を取得してもよい。これにより、携帯端末装置1は、ユーザ11から対象人物までの正確な距離を取得することによって、支援精度をさらに向上させることができる。
【0135】
また、携帯端末装置1は、取得する携帯端末装置1から対象人物までの距離に基づいて、携帯端末装置1のユーザ11と対象人物との関係の段階を通知してもよい。これにより、ユーザ11は、客観的な観点での対象人物との親密度を確認することができる。
【0136】
また、上述した携帯端末装置1が行うコミュニケーション支援方法は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。