【課題】サイド部分としての使用に耐えうるシール強度と、比較的容易に破断できるシール強度とが両立したサイドシール部分を有することで、サイドシール部分の使い勝手が向上した、パンツタイプ吸収性物品を提供すること。
【解決手段】ウエスト開口部と、脚開口部と、サイドシール部とを形成したパンツタイプ吸収性物品において、サイドシール部は、ウエスト開口部から脚開口部にかけて、上部領域、中間部領域、及び下部領域に分かれ、上部領域及び下部領域における各領域のシール面積率が、50パーセント以上80パーセント以下であり、中間部領域におけるシール面積率が20パーセント以上50パーセント未満であり、上部領域及び下部領域の長手方向の平均剥離強度が略同一であり、中間部領域の長手方向の平均剥離強度が、上部領域及び下部領域の平均剥離強度よりも低いこと、とするパンツタイプ吸収性物品。
前記上部領域及び前記下部領域の各領域の長手方向の平均剥離強度が、10N/5mm幅以上15N/5mm幅以下であることを特徴とする請求項1に記載のパンツタイプ吸収性物品。
前記各中間部領域の長手方向の平均剥離強度が、5N/5mm幅以上8N/5mm幅以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパンツタイプ吸収性物品。
前記上部領域及び前記下部領域の各領域のシールパターンの単位形状が矩形であり、前記各中間部領域のシールパターンの単位形状が円形であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパンツタイプ吸収性物品。
【背景技術】
【0002】
一般的に、乳幼児用のパンツタイプのおむつは、子供が一人でトイレに行き排泄できるようになるまでの補助として、子供に穿かせるものである。ここで、子供は活発に動くことから、パンツタイプのおむつは、ウエストや脚の開口部に弾性部材を用いて、漏れやずれがおきにくく、脱げたり破れたりしにくいように設計されている。
【0003】
一方で、従来のパンツタイプ吸収性物品は、サイド部分を破断させることにより、着用者を立たせたまま衣服を完全に脱がせることなく、当該吸収性物品を脱がせることができるようにも設計されている。特に、着用者が子供の場合、子供がじっとしていない最中でも、母親が手際よくサイド部分を破断させて脱がすことができるように、サイド部分を比較的容易に破断できるシール強度にする必要がある。
【0004】
ここで、サイド部分の破断のしやすさに対処した発明として、特許文献1には、パンツタイプ吸収性物品であって、サイド部分に特定形状の第1及び第2シール部分を設けたパンツタイプ吸収性物品が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、パンツタイプ吸収性物品であって、サイド部分のシールの融着強度を、5N/30mm以上40N/30mm以下とするパンツタイプ吸収性物品が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、パンツタイプ吸収性物品であって、サイド部分の領域ごとにシールの長さを変化させるパンツタイプ吸収性物品が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の発明は、サイド部分を破断する際にゴムなどの弾性部材が不用意に跳ね返って手に当たるのを防止できるように破断しやすくしているが、一方で、サイド部分のシール強度は、着用時に不意に破れないように一定の強度にする必要がある。また、特許文献2又は特許文献3の発明については、シールの融着強度又はシールの長さを規定することで破断しやすくしているが、一方で、使用にも耐えうるシール強度にする必要がある。
【0009】
したがって、本発明は、サイド部分としての使用に耐えうるシール強度と、比較的容易に破断できるシール強度とが両立したサイドシール部分を有することで、サイドシール部分の使い勝手が向上した、パンツタイプ吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、ウエスト開口部と、脚開口部と、サイドシール部とを形成したパンツタイプ吸収性物品において、サイドシール部が所定の領域において所定の強度を備えることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
(1) 本発明の第1の態様は、腹側部と背側部の上部にウエスト開口部を形成し、上記腹側部と上記背側部との間の股部の両側に脚開口部を形成したパンツタイプ吸収性物品であって、上記パンツタイプ吸収性物品は、上記腹側部の両側縁部と上記背側部の両側縁部とを互いに重ね合わせて接合部を形成したサイドシール部を有し、上記サイドシール部は、上記ウエスト開口部から上記脚開口部にかけて、上部領域、中間部領域、及び下部領域に分かれ、上記上部領域及び上記下部領域における各領域のシール面積率が50パーセント以上80パーセント以下であり、上記各中間部領域におけるシール面積率が20パーセント以上50パーセント未満であり、上記上部領域及び上記下部領域の各領域の長手方向の平均剥離強度が略同一であり、上記各中間部領域の長手方向の平均剥離強度が、上記上部領域及び上記下部領域の各領域の平均剥離強度よりも低いこと、を特徴とするパンツタイプ吸収性物品である。
【0012】
(2) 本発明の第2の態様は、(1)に記載のパンツタイプ吸収性物品であって、上記上部領域及び上記下部領域の各領域の長手方向の平均剥離強度が、10N/5mm幅以上15N/5mm幅以下であることを特徴とするものである。
【0013】
(3) 本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載のパンツタイプ吸収性物品であって、上記各中間部領域の長手方向の平均剥離強度が、5N/5mm幅以上8N/5mm幅以下であることを特徴とするものである。
【0014】
(4) 本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のパンツタイプ吸収性物品であって、上記上部領域及び上記下部領域の各領域のシールパターンの単位形状が矩形であり、上記各中間部領域のシールパターンの単位形状が円形であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、サイドシール部の上部領域及び下部領域の各領域のシール面積率を、各中間部領域のシール面積率より高くし、更に、各中間部領域の長手方向の平均剥離強度を、上部領域及び下部領域の各領域の長手方向の平均剥離強度より低くした。このため、サイドシール部における使用に耐えうるシール強度を、上部領域及び下部領域の各領域で発揮させることができ、また、比較的容易に破断できるシール強度を各中間部領域で発揮させることができる。これにより、サイドシール部における使用に耐え、かつ、ある程度容易に破断できるようになり、サイドシール部分の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るパンツタイプ吸収性物品1について説明する。
【0018】
<パンツタイプ吸収性物品>
図1(a)は、本発明のパンツタイプ吸収性物品1の斜視図であり、腹側から見た様子を示す。パンツタイプ吸収性物品1は、着用者の股間部を前後から覆う前後方向に細長い形態を有する吸収性本体と、吸収性本体の外側に重なりつつ吸収性本体の周囲に延びてパンツタイプ吸収性物品1の外形形状を構成する外装体10と、を有している。そして、
図1(a)に示すように、外装体10よりその外形形状が構成されるパンツタイプ吸収性物品1は、大きく分けると、着用者の腹部に当接する腹側部14、着用者の背部に当接する背側部16、及び着用者の股間部に当接するように腹側部14と背側部16を繋ぐ股部15に区分され、上部にウエスト開口部12が形成され、股部15の両側に脚開口部13が形成され、腹側部14の両側縁部と背側部16の両側縁部とを互いに重ね合わせて接合部を形成したサイドシール部17とが形成されている。
【0019】
[吸収性本体]
吸収性本体は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置される吸収体とから構成される。
【0020】
(トップシート)
トップシートは、体液が吸収体へと移動するような液透過性を備えた基材から形成すればよく、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシートには、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシートには、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。さらに、強度及び加工性の点から、トップシートの坪量は、18g/m
2以上40g/m
2以下であることが好ましい。トップシートの形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体へと誘導するために必要とされる、吸収体を覆う形状であればよい。
【0021】
(バックシート)
バックシートは、吸収体が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成すればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。さらに、強度及び加工性の点から、バックシートの坪量は、15g/m
2以上40g/m
2以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシートは、通気性を持たせることが好ましい。バックシートに通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシートにエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
【0022】
(吸収体)
吸収体は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(SAP)と、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンやおむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m
2以上800g/m
2以下の坪量とすることが好ましい。
【0023】
吸収体の高吸水性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。吸収体のSAP量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、50g/m
2以上500g/m
2以下の坪量とすることが好ましく、15質量%以上50質量%以下の含有量とすることが好ましい。
【0024】
吸収体において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、親水性基材間にSAP粒子を固着したSAPシートとしたものであることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体の形状の安定化の目的から、吸収体をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0025】
[外装体]
外装体10は、パンツタイプ吸収性物品1の外形形状を構成し、ウエスト開口部12、脚開口部13、及びサイドシール部17を形成する外装シート11から構成される。
【0026】
(外装シート)
外装シート11は、股部15を中心としてほぼ対称に腹側部14と背側部16が配置されている。そして、外装シート11は、腹側部14と背側部16が対称となるように股部15で二つ折りにされ、上記腹側部14の両側縁部と上記背側部16の両側縁部とが互いに重なり合って接合部を形成したサイドシール部17で接続されている。これにより、外装シート11は、伸縮性のウエスト開口部12と、一対の脚開口部13とを形成し、パンツタイプ吸収性物品1を全体として着脱可能なパンツ状に構成する。そして、パンツタイプ吸収性物品1を着用すると、腹側部14が着用者の腹側で腹部、腰部、及び股間部を、背側部16が着用者の背側で背部、腰部、及び股間部を、股部15が着用者の股間部を覆うようになっている。
【0027】
外装シート11は、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布であって、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる不織布を用いることができる。これらの不織布を用いる場合、その坪量は、18g/m
2以上40g/m
2以下とすればよい。
【0028】
(サイドシール部)
本発明のパンツタイプ吸収性物品1は、腹側部14の両側縁部と背側部16の両側縁部とを互いに重ね合わせて接合部を形成したサイドシール部17を有している。
図1(b)に示すように、サイドシール部17は、ウエスト開口部12から脚開口部13にかけて、上部領域21、中間部領域22、及び下部領域23に分かれている。そして、サイドシール部17の上部領域21、中間部領域22、及び下部領域23の各領域は、ウエスト開口部12から脚開口部13までのサイドシール部17の長手方向の全長に対して、ウエスト開口部12からサイドシール部17の長手方向の全長の30パーセント以内の長さの領域に上部領域21と、上記上部領域21からサイドシール部17の長手方向の全長の50パーセント以内の長さの領域に中間部領域22と、上記中間部領域22から上記脚開口部13にかけてサイドシール部17の長手方向の全長の20パーセント以内の長さの領域に下部領域23とを有する。なお、ウエスト開口部12から脚開口部13までのサイドシール部17の長手方向の全長は特に制限はないが、例えば、80mm以上220mm以下とすることができる。また、ウエスト開口部12から脚開口部13までのサイドシール部17の幅方向の全長は特に制限はないが、例えば、3mm以上20mm以下とすることができる。
【0029】
((シール面積率の算出方法))
サイドシール部17は、腹側部14の両側縁部と背側部16の両側縁部とを互いに重ね合わせて接合部を形成するようにシールされている。サイドシール部17における上部領域21、中間部領域22、及び下部領域23の各領域のシール面積率は、[(サイドシール部17における上部領域21、中間部領域22、又は下部領域23の各領域のシール面積)/(対応するサイドシール部17における上部領域21、中間部領域22、又は下部領域23の各領域の全面積)]×100の計算式によって算出する。
【0030】
サイドシール部17における上部領域21及び下部領域23の各領域のシール面積率は、50パーセント以上80パーセント以下であることが好ましく、50パーセント以上60パーセント以下であることがより好ましい。サイドシール部17における各中間部領域22のシール面積率は、20パーセント以上50パーセント未満であることが好ましく、25パーセント以上35パーセント以下であることがより好ましい。
【0031】
((平均剥離強度の測定方法))
サイドシール部17における上部領域21、中間部領域22、及び下部領域23の各領域の平均剥離強度は、テンシロン引張試験機を用いて測定する。測定方向は、シール部分の連続した挙動を確認するために、サイドシール部17を長手方向に剥離する測定を行う。測定手順は、まず、
図2(a)に示すように、ウエスト開口部12から脚開口部13にかけてのサイドシール部17を切り取る。つぎに、
図2(b)及び(c)に示すように、切り取ったサイドシール部17の上部15mmを手で剥がす。次に、
図2(d)に示すように、手で剥がしたサイドシール部17の上部の左右15mmずつのうち、テンシロン引張試験機のチャック部の左右に10mmずつを挟む。最後に、剥離速度を300mm/minにして測定をする。なお、測定結果は、手で剥がしたサイドシール部17の上部の左右15mm以降の結果を用いる。剥離強度の測定結果の一例は、
図3のとおりである。
【0032】
サイドシール部17における上部領域21及び下部領域23の各領域の平均剥離強度は、10N/5mm幅以上15N/5mm幅以下であることが好ましく、10N/5mm幅以上12N/5mm幅以下であることがより好ましい。サイドシール部17における上部領域21の平均剥離強度が10N/5mm幅の場合、パンツタイプ吸収性物品1を装着させるときに、ウエスト開口部12を拡げるために必要な強度もたらすことができる。また、サイドシール部17における下部領域23の平均剥離強度が10N/5mm幅の場合、着用者が脚開口部13から脚を出して脚を動かすために必要な強度をもたらすことができる。また、サイドシール部17における上部領域21又は下部領域23の平均剥離強度が15N/5mm幅である場合、比較的容易に破断できるシール強度となる。
【0033】
サイドシール部17における各中間部領域22の平均剥離強度は、5N/5mm幅以上8N/5mm幅以下であることが好ましく、6N/5mm幅以上7N/5mm幅以下であることがより好ましい。サイドシール部17における中間部領域22の平均剥離強度が5N/5mm幅の場合、パンツタイプ吸収性物品1を装着させる時や着用時に不意に破れないようにするために必要な強度をもたらすことができる。また、サイドシール部17における中間部領域22の平均剥離強度が8N/5mm幅の場合、通常破断させる時にウエスト開口部12から破断させるが、中間部領域22を比較的容易に破断させることができる。
【0034】
((シールパターン))
サイドシール部17における上部領域21及び下部領域23の各領域のシールパターンの単位形状は、特に制限はなく、例えば、線状、三角形、矩形、菱形、台形、その他の多角形、円形、楕円形又はそれらの組み合わせ等であってもよく、矩形であることが好ましい。また、サイドシール部17における各中間部領域22のシールパターンの単位形状は、例えば、線状、三角形、矩形、菱形、台形、その他の多角形、円形、楕円形又はそれらの組み合わせ等であってもよく、円形であることが好ましい。
【0035】
((シール方法))
サイドシール部17における上部領域21、中間部領域22、及び下部領域23の各領域のシール方法は、ウルトラソニック方式又はヒートシール方式のどちらでも良い。より好ましいのは、シール部分の柔らかさの観点から、ウルトラソニック方式である。
【実施例】
【0036】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0037】
<実施例1>
サイドシール部における上部領域、中間部領域、及び下部領域の各領域のシールパターンは、
図4(a)の実施例パターンに示すように、上部領域及び下部領域の各領域のシールパターンの単位形状は矩形とし、各中間部領域のシールパターンの単位形状は円形とした。そして、表1に示すように、サイドシール部における上部領域及び下部領域の各領域のシール面積率は60パーセントとし、各中間部領域のシール面積率は30パーセントとした。
【0038】
(官能評価)
20名に、各サンプルのサイドシール部を長手方向に破断させる操作を行わせ、「破断しやすい」か否かで破断しやすさの評価を選択させた。表2には、「破断しやすい」の評価が14人以上20人以下のときを「○」、「破断しやすい」の評価が7人以上13人以下のときを「△」、「破断しやすい」の評価がいないか、1人以上6人以下のときを「×」で表示した。
【0039】
<実施例2>
実施例2においては、
図4(a)及び表1に示すシールパターン、並びに表1に示すシール面積率で、サイドシール部を調製し、サイドシール部における上部領域、中間部領域、及び下部領域の各領域の平均剥離強度を測定し、破断しやすさの官能評価も行った。
【0040】
<比較例1及び比較例2>
比較例1及び比較例2おいては、
図4(b)及び表1に示すシールパターン、並びに表1に示すシール面積率で、サイドシール部を調製し、サイドシール部における上部領域、中間部領域、及び下部領域の各領域の平均剥離強度を測定し、破断しやすさの官能評価も行った。
【0041】
【表1】
【0042】
サイドシール部における各中間部領域のシール面積率は、実施例1及び実施例2では20パーセント以上50パーセント未満であるのに対して、比較例1及び比較例2では50パーセント以上であった。そのため、官能評価において、比較例1及び比較例2では、「△」と「×」の評価を受けた。特に、実施例2と比較例1を比較すると、サイドシール部における上部領域及び下部領域の各領域のシール面積は、実施例2と比較例1はともに70パーセントであるのに対して、各中間部領域のシール面積率は、実施例2では40パーセントであり、比較例1では70パーセントであったことから、官能評価に大きな違いがでたものと考えられる。
【0043】
また、サイドシール部にける各領域のシールパターンは、実施例1及び実施例2では、
図4(a)の実施例パターンに示すように、上部領域及び下部領域の各領域のシールパターンの単位形状が矩形であり、各中間部領域のシールパターンの単位形状が円形であるのに対して、比較例1及び比較例2では、
図4(b)の比較例パターンに示すように、上部領域、中間部領域、及び下部領域の各領域におけるシールパターンの単位形状が矩形であった。そのため、官能評価においては、比較例1及び比較例2では、「△」と「×」の評価を受けた。特に、実施例2と比較例1を比較すると、サイドシール部における各中間部領域のシール面積率が、実施例2では40パーセントであるのに対して、比較例1では70パーセントであったことに加えて、サイドシール部の各中間部領域のシールパターンの単位形状が、実施例2では円形であるのに対して、比較例1では矩形であった。そのため、サイドシール部のシールパターンの単位形状が円形であるか、矩形であるかによって、各中間部領域における平均剥離強度だけでなく、上部領域及び下部領域における各領域の平均剥離強度にも違いがあった。
【0044】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は良を加えることが可能であることが、当業者には明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。