特開2018-47835(P2018-47835A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2018047835-車両用画面表示システム 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-47835(P2018-47835A)
(43)【公開日】2018年3月29日
(54)【発明の名称】車両用画面表示システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/00 20060101AFI20180302BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20180302BHJP
【FI】
   B60R1/00 A
   H04N7/18 J
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-185534(P2016-185534)
(22)【出願日】2016年9月23日
(11)【特許番号】特許第6143037号(P6143037)
(45)【特許公報発行日】2017年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】516273338
【氏名又は名称】内田 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】内田 英明
【テーマコード(参考)】
5C054
【Fターム(参考)】
5C054EA05
5C054EA07
5C054FE06
5C054FE24
5C054FF03
5C054GB01
5C054HA30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大型車両等の車両の一方側の視界を遮る場合でも、その反対側において一方側の安全を確認でき、事故抑制することのできる車両用画面表示システムを提供する。
【解決手段】車両用画面表示システムは、車両1のドライブレコーダー11で記録された一方側1fの画像を、前記ドライブレコーダー11の配線に接続され、前記画像が記録された車両1の側と反対側1rの面に取り付けた画面表示装置10に映し出すことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドライブレコーダーで記録された一方側の画像を、前記ドライブレコーダーの配線に接続され、前記画像が記録された車両の側と反対側の面に取り付けた画面表示装置に映し出すことを特徴とする車両用画面表示システム。
【請求項2】
予め車両に搭載されたドライブレコーダーを使用するか、又は新たにドライブレコーダーを取り付けて使用する、請求項1記載の車両用画面表示システム。
【請求項3】
前記画像が、動画又は静止画を含む、請求項1又は2記載の車両用画面表示システム。
【請求項4】
前記画面表示装置が、LEDで構成された画面を備える、請求項1〜3の何れかに記載の車両用画面表示システム。
【請求項5】
車両の前方、後方、又は左右の状況確認を可能とする、請求項1〜4の何れかに記載の車両用画面表示システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の車両用画面表示システムに使用されることを特徴とする安全確認用画面表示装置。
【請求項7】
請求項1〜5の何れかに記載の車両用画面表示システムに使用されることを特徴とする、ドライブレコーダー及び画面表示装置からなる安全確認用画面表示セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型車両等の車両の一方側の視界を遮る場合でも、その反対側において一方側の安全を確認でき、事故抑制することのできる車両用画面表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
路線バス、送迎バス、観光バス、貨物車、ルート配送車や、一般車両でもワンボックスカー等の大型車両が自車の前方を走行若しくは停車している際には、その前方の車両の前部の道路状況や安全状況等を確認することができない。このため、前方の車両の前部状況を確認できるようなシステムが望まれていた。
【0003】
これまでに、トラック、バス等の大型自動車の後方についた普通自動車が、この大型自動車の前方を確認することを目的として、前面に取り付けられ、前方の画像をとらえるカメラと、後面に取り付けられ、前記カメラにとらえられた画像を映し出すモニターとを備えた前方確認用モニター付き自動車が提案されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1に開示の前方確認用モニター付き自動車によれば、大型自動車が停車している時、普通自動車を運転している運転手は、モニターを見ることにより、大型自動車がどのような状態で停車しているのか確認することができる。具体的には、普通自動車を運転している運転手は、大型自動車が故障で停車しているのか、あるいは、信号待ちで停車しているのか、といったことを判断することができる。
【0005】
しかしながら、従来の前方確認用モニター付き自動車では、前方の画像をとらえるためのカメラを大型車の前面に取り付ける必要があり、その取り付けたカメラにとらえられた前方画像を単に後面に取り付けたモニターに映し出すだけのものである。このため、作業効率やコストパフォーマンスが低く、また雨天の場合に、モニター画面が水に晒されることになり、モニターの防水性・耐久性が不十分であった。また、従来の前方確認用モニター付き自動車では、「ブレーキ注意」等の注意表示が可能であるが、走行時の後続車などへの配慮が十分とはいえないものであった。
【0006】
近年、映像や音声等を記録する自動車用の車載装置として、ドライブレコーダーが普及している。その普及により、ドライブレコーダーを取り付けている車両の前方状況や録画等で、万一の事故の際の記録・解析や事故等の抑制にも役立っている。このようにドライブレコーダーは種々の機能を有しているが、大型車両等が介在した安全配慮システムに活かされていないのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−315858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、大型車両等の車両の一方側の視界を遮る場合でも、その反対側において一方側の安全を確認でき、事故抑制することのできる車両用画面表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意研究した結果、車両のドライブレコーダーで記録された画像を活用した特定のシステムが、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
【0010】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、下記の発明を提供するものである。
【0011】
1.車両のドライブレコーダーで記録された一方側の画像を、前記ドライブレコーダーの配線に接続され、前記画像が記録された車両の側と反対側の面に取り付けた画面表示装置に映し出すことを特徴とする車両用画面表示システム。
【0012】
2.予め車両に搭載されたドライブレコーダーを使用するか、又は新たにドライブレコーダーを取り付けて使用する、前記1記載の車両用画面表示システム。
【0013】
3.前記画像が、動画又は静止画を含む、前記1又は2記載の車両用画面表示システム。
【0014】
4.前記画面表示装置が、LEDで構成された画面を備える、前記1〜3の何れかに記載の車両用画面表示システム。
【0015】
5.車両の前方、後方、又は左右の状況確認を可能とする、前記1〜4の何れかに記載の車両用画面表示システム。
【0016】
6.前記1〜5の何れかに記載の車両用画面表示システムに使用されることを特徴とする安全確認用画面表示装置。
【0017】
7.前記1〜5の何れかに記載の車両用画面表示システムに使用されることを特徴とする、ドライブレコーダー及び画面表示装置からなる安全確認用画面表示セット。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、大型車両等の車両の一方側の視界を遮る場合でも、その反対側において一方側の安全を確認でき、事故抑制することのできる車両用画面表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用画面表示システムを示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る車両用画面表示システムは、図1に示すように、大型車両等の車両1のドライブレコーダー11で記録された一方側である前方1fの画像を、前記ドライブレコーダー11の配線に接続され、前記画像が記録された車両1の側と反対側である後方1rの面に取り付けた画面表示装置10に映し出すものである。
【0021】
本実施形態に係る車両用画面表示システムがかかる構成からなるため、大型車両等の車両1の一方側(前方)1fの視界を遮る場合でも、その反対側(後方)1rにおいて一方側(前方)1fの安全を確認でき、事故を抑制することができるようになる。例えば、車両1の後方についた車両の運転手や、歩行者、自転車の運転者等に、画面表示装置10に映し出されたドライブレコーダー11の画像を通じて車両1の前方の状況を示し、追い越しや追い抜き等をしようとする場合の安全確認、事故抑制を可能にする。
【0022】
本実施形態では、車両1の前方側にドライブレコーダー11、後方側に画面表示装置10を取り付けた場合の一例であるが、その他、これらを相互に逆に取り付けて前方側から後方側の道路状況の確認をしたり、バスやトラック貨物車両の側面に取り付けてその反対側の状況も確認することができる。
【0023】
このように、本発明に係る車両用画面表示システムは、ドライブレコーダー11と画面表示装置10の設置位置に応じて、車両1の前方、後方、又は左右のほか、対角線上に対向する方向まで、あらゆる方向の道路状況等を確認することができる。
【0024】
本実施形態に係る車両用画面表示システムは、予め車両1に搭載されたドライブレコーダー11を使用してもよく、また、未搭載の場合等には新たにドライブレコーダー11を取り付けて使用することもできる。
【0025】
本実施形態に係る車両用画面表示システムに用いられる画面表示装置10は、車両1の後方部1rの左右開閉型の扉に設置する場合の例であり、左右一対の画面表示装置10を左右片方ずつに設置して扉を閉じた状態で画像を確認することができるものである。
【0026】
画面表示装置10は、LED(発光ダイオード;Light Emitting Diode)で構成された画面を備えている。LED画面を使用した画面表示装置10を用いると、防水性及び耐久性を高めることができ、天候にかかわりなく長期に亘り使用することができる。なお、画面表示装置10における画面の素材は特に制限されず、例えば液晶等を使用した画面でもよいが、防水性に優れる点ではLEDが好ましい。
【0027】
また、時間帯に応じて、画面表示装置10における画像のコントラストを調整することにより、車両1の後方についた車両や自転車、歩行者の視界をより妨げないようにすることができる。
【0028】
本実施形態に係る車両用画面表示システムは、車両1を動かしている間、常時使用する(ONの状態)必要はなく、例えば、安全性が確保できるような問題のない場合等には停止させる(OFFの状態)こともできる。また、本車両用画面表示システムは、自動車等のナビゲーションシステムと同様に、車両1を停車中(速度対応)はONとし、走行中はOFFとする機能を付加することもできる。
【0029】
また、本実施形態に係る車両用画面表示システムは、走行時の後続車などへの配慮をふまえた速度感知システムを備える。具体的には、走行中の車両1の速度を感知して、画面表示装置10に表示することで後続車へ告知することができる。これにより、速度超過防止の面から、より安全性を高めて事故防止につなげることができる。
【0030】
さらに、画面表示装置10に表示する画像としては、動画でも静止画であってもよい。例えば、事本実施形態に係る車両用画面表示システムを業用車両や路線バス等に採用する場合には、映像を表示することにより宣伝掲示(CM)や広告掲示にも利用することができる。
【0031】
以上、本発明の車両用画面表示システムは、前述した実施形態を好ましく採用できるが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、適宜に変更形態を採用することもできる。
【0032】
例えば、画面表示装置を車両1の後方部1rにおいて左右開閉型の扉に設置せずに、扉のない平面に設置する場合には、一体型の大きな画面表示板のような画面表示装置を設置することができる。
【0033】
本発明はまた、前述した車両用画面表示システムに使用される安全確認用画面表示装置を提供することができる。具体的には、前記実施形態に係るシステムにおける車両1に取り付けた画面表示装置10等が挙げられる。かかる安全確認用画面表示装置によれば、予めドライブレコーダーが搭載された車両において、当該ドライブレコーダーの配線に画面表示装置を接続させて所定の位置に取り付けることで、安全確認及び事故抑制に資することができる。
【0034】
本発明はさらに、前述した車両用画面表示システムに使用される、ドライブレコーダー及び画面表示装置からなる安全確認用画面表示セットを提供することができる。具体的には、前記実施形態に係るシステムにおける車両1に取り付けたドライブレコーダー11及び画面表示装置10からなるセット等が挙げられる。
【0035】
かかる安全確認用画面表示セットによれば、車両にドライブレコーダーを未搭載の場合でも、ドライブレコーダー及び画面表示装置からなるセットにして車両の所定の位置に取り付けることで、安全確認及び事故抑制に資することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、大型車両等の車両の一方側の視界を遮る場合でも、その反対側において一方側の安全を確認でき、事故抑制することのできる車両用画面表示システム、並びに該システムに用いられる安全確認用画面表示装置及び安全確認用画面表示セットとして、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0037】
10:画面表示装置
11:ドライブレコーダー
1:車両(大型車両等)
1f:一方側(前方)
1r:反対側(後方)
図1
【手続補正書】
【提出日】2017年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドライブレコーダーで記録された一方側の画像を、前記ドライブレコーダーの配線に接続され、前記画像が記録された車両の側と反対側の面に取り付けた画面表示装置に映し出す車両用画面表示システムであって、
前記画面表示装置は、LEDで構成された画面を備え、時間帯に応じて画像のコントラストを調整する機能を有し、
走行中の車両の速度を感知して前記画面表示装置に表示することにより後続車へ告知する機能を備える
ことを特徴とする車両用画面表示システム。
【請求項2】
予め車両に搭載されたドライブレコーダーを使用するか、又は新たにドライブレコーダーを取り付けて使用する、請求項1記載の車両用画面表示システム。
【請求項3】
前記画像が、動画又は静止画を含む、請求項1又は2記載の車両用画面表示システム。
【請求項4】
車両の前方、後方、又は左右の状況確認を可能とする、請求項1〜の何れかに記載の車両用画面表示システム。
【請求項5】
ドライブレコーダーの配線に接続されるとともに、前記ドライブレコーダーで記録された一方側の画像が記録された車両の側と反対側の面に取り付けられ、前記画像が映し出される安全確認用画面表示装置であって、
LEDで構成された画面を備え、時間帯に応じて画像のコントラストを調整する機能を有し、後続車へ告知するため走行中の車両の速度を表示する
ことを特徴とする安全確認用画面表示装置。
【請求項6】
ライブレコーダー及び請求項5記載の安全確認用画面表示装置からなる安全確認用画面表示セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
1. 車両のドライブレコーダーで記録された一方側の画像を、前記ドライブレコーダーの配線に接続され、前記画像が記録された車両の側と反対側の面に取り付けた画面表示装置に映し出す車両用画面表示システムであって、
前記画面表示装置は、LEDで構成された画面を備え、時間帯に応じて画像のコントラストを調整する機能を有し、
走行中の車両の速度を感知して前記画面表示装置に表示することにより後続車へ告知する機能を備える
ことを特徴とする車両用画面表示システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
.車両の前方、後方、又は左右の状況確認を可能とする、前記1〜の何れかに記載の車両用画面表示システム。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
ドライブレコーダーの配線に接続されるとともに、前記ドライブレコーダーで記録された一方側の画像が記録された車両の側と反対側の面に取り付けられ、前記画像が映し出される安全確認用画面表示装置であって、
LEDで構成された画面を備え、時間帯に応じて画像のコントラストを調整する機能を有し、後続車へ告知するため走行中の車両の速度を表示する
ことを特徴とする安全確認用画面表示装置。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
ライブレコーダー及び前記5記載の安全確認用画面表示装置からなる安全確認用画面表示セット。