【実施例1】
【0015】
まず、本発明であるオートドアについて説明する。なお、屋外などオートドアの外側を前、屋内などオートドアの内側を後とし、前から見て左側を左、右側を右とする。また、板面のうち中心部から離れた周縁側であって側面でない部分を縁とする。
【0016】
図1は、オートドアの全体を前側から見た正面図である。
図2は、オートドアの全体を後側から見た背面図(図の左側が右)である。
図3は、
図2に示すA−Aで切断した横断面図(図の上側が前)である。
図4は、
図2に示すB−Bで切断した縦断面図(図の右側が前)である。
図5は、オートドアを後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
【0017】
図1に示すように、オートドア100は、立体駐車場などの出入口に設置される。オートドア100は、主に車が通過する開口部であるが、人やその他が通過する開口部でも良い。オートドア100は、スイッチで開閉させても良いし、前側から車などが接近したのをセンサーで感知して自動で開閉させても良い。オートドア100の開口部は、枠体200で支持され、扉体300が開閉可能に設けられる。
【0018】
枠体200は、開口部の上側を支える上枠材210、左側を支える左枠材220、及び右側を支える右枠材230を有する三方枠である。下側にも枠材を設けても良いが、下側には扉体300を受ける戸受材240を設ければ良い。
【0019】
扉体300は、開口部の上部を閉じる上戸材310、中間部を閉じる中戸材320、及び下部を閉じる下戸材330を有する上下方向に開閉する三枚扉である。なお、扉体300は、1枚扉であっても良いし、中戸材320のない2枚扉であっても良いし、中戸材320が複数あっても良い。
【0020】
図2に示すように、枠体200の上枠材210の上方には、オートドア100を開いたときに扉体300を吊した状態で保持しておくための収納域250を有する。また、枠体200の左枠材220及び右枠材230の後側には、扉体300を上下方向に移動させるためのドアレール400が配置される。ドアレール400は、扉体300に向かって突出する突条が上下方向に延びるように設けられる。さらにその他に、オートドア100を開閉させるための機構を有する。
【0021】
扉体300の各戸材310、320、330は、それぞれ駆動チェーン130に連結される。駆動チェーン130は、滑車などを介して駆動モーター110に至り、先端にカウンターウェイト120が吊るされる。駆動モーター110でカウンターウェイト120を引き上げることで、扉体300が降下し、カウンターウェイト120を降下させることで、扉体300が引き上げられる。なお、扉体300の移動方向が逆であっても良い。
【0022】
扉体300の側面には、ドアレール400に嵌め合わせるためのガイドシュー500が設けられる。例えば、下戸材330の右側面には、上側に上ガイドシュー500a、下側に下ガイドシュー500bが取り付けられる。なお、左側面も同様であり、上戸材310及び中戸材320についても同様である。
【0023】
また、ドアレール400には、扉体300が降下したときのガイドシュー500の位置に合わせてカム600が設けられる。例えば、右ドアレール400bには、降下した下戸材330の上ガイドシュー500a及び下ガイドシュー500bの位置に上カム600a及び下カム600bが取り付けられる。なお、上戸材310及び中戸材320も同様であり、左ドアレール400aについても同様である。
【0024】
ドアレール400には、扉体300が引き上げられたときに、各戸材310、320、330を徐々に減速させて収納域250で止まる際の衝撃を緩和するために、減速させる位置に達したことを感知するためのリミットスイッチ140を設ける。同様に、扉体300が降下したときに、各戸材310、320、330を徐々に減速させて戸受材240で止まる際の衝撃を緩和するために、減速させる位置に達したことを感知するためのリミットスイッチ140を設ける。
【0025】
なお、下戸材330においては、下戸材330と戸受材240との間の挟み込みを防止するために、下戸材330の下方にセーフティーシュー150を突出させ、セーフティーシュー150が人や物への接触を感知したら、扉体300の下降を停止させ、又は扉体300を上昇させる。
【0026】
図3に示すように、扉体300は、上戸材310が前側、中戸材320が中間、下戸材330が後側に、前後に並んで配置される。左ドアレール400aは、扉体300の左側に各戸材310、320、330に合わせて配置され、右ドアレール400bは、扉体300の右側に各戸材310、320、330に合わせて配置される。
【0027】
また、左枠材220は、各戸材310、320、330の左縁に垂接するように配置され、右枠材230は、各戸材310、320、330の右縁に垂接するように配置される。なお、左枠材220の後方に左ドアレール400aが連設され右枠材230の後方に右ドアレール400bが連設されても良い。
【0028】
図4に示すように、ドアレール400は、左ドアレール400a及び右ドアレール400bにそれぞれ、上戸用レール410、中戸用レール420、及び下戸用レール430を有する。上戸材310を上下移動させるための上戸用レール410が収納域250から開口部の上部まで配置され、中戸材320を上下移動させるための中戸用レール420が収納域250から開口部の中間部まで配置され、下戸材330を上下移動させるための下戸用レール430が収納域250から開口部の下部まで配置される。
【0029】
左枠材220及び右枠材230の後側は、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330が降下する位置に合わせて階段状になる。なお、扉体300を閉じたときは、上戸材310の下縁と中戸材320の上縁とは一部前後に重なり、中戸材320の下縁と下戸材330の上縁とは一部前後に重なる。扉体300を開いたときは、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330が、収納域250に同じ高さで吊るされる。
【0030】
図5に示すように、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330を、左枠材220、右枠材230、及び戸受材240で受け、上枠材210、左枠材220、及び右枠材230に押し当てることにより、オートドア100の開口部を塞ぐ。上戸材310、中戸材320、及び下戸材330は、可動範囲が異なるが、連動して開閉させる。
【0031】
例えば、駆動チェーン130とギアを組み合わせて、上戸材310は、所定の速度で移動させ、中戸材320は、上戸材310の約2倍の速度で移動させ、下戸材330は、上戸材310の約3倍の速度で移動させる。1枚扉を所定の速度で開閉させる場合と比較して、約3分の1の時間に短縮される。
【0032】
または、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330を、相対的に同じ速度で移動させる。中戸材320は、収納域250においては上戸材310と同じ高さであるが、上戸材310の下降と連動させて、中戸材320の上縁が上戸材310の上縁の位置から下縁の位置まで来るように移動させる。下戸材330は、収納域250においては中戸材320と同じ高さであるが、中戸材320の下降と連動させて、下戸材330の上縁が中戸材320の上縁の位置から下縁の位置まで来るように移動させる。
【0033】
次に、オートドアに遮煙機能を持たせるためのガイドシューについて説明する。
図6は、戸材を後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
図7は、戸材の左側面に取り付けるガイドシューを後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
図8は、ガイドシューを前側から見た正面図である。
図9は、ガイドシューを上側から見た示す平面図(図の上側が後)であり、(a)はオートドアを開いたときの状態であり、(b)はオートドアを閉じたときの状態である。
図10は、ガイドシュー左側から見た左側面図(図の右側が前)である。
【0034】
図6に示すように、ガイドシュー500は、扉体300をドアレール400に嵌合させるために、扉体300の各戸材310、320、330の左側面及び右側面に取り付けられる。各戸材310、320、330の上下移動をスムーズに安定させるために、それぞれ側面上部に上ガイドシュー500a、側面下部に下ガイドシュー500bを設ける。
【0035】
ガイドシュー500は、背面よりも後側に飛び出した突出部540を有するが、上ガイドシュー500aの突出部540aと、下ガイドシュー500bの突出部540bとは、上下方向において同じ位置ではなく、左右にずれた位置に設けられる。突出部540は、例えば、輪状体の側周面が一部後側に出るように取り付けられれば良い。
【0036】
図7に示すように、ガイドシュー500は、摺動体510、支持部材520、連結材530、突出部540等を有する。その他に、表当板550や弾性体590等も有する。なお、突出部540は、例えば、回転体560、回転軸570、ベアリング580等により構成される。なお、各戸材310、320、330の右側面に取り付けるガイドシュー500は、左右対称な形状となる。
【0037】
摺動体510は、横断面がコ字状であり、縦に隙間が空いた左側にドアレール400が挟み込まれ、その反対側に支持部材520が配される。摺動体510は、コ字状の隙間に挟んでドアレール400に沿って上下方向に移動するので、摩擦に強い樹脂などが用いられる。支持部材520は、摺動体510とは分離した部材であり、右側の各戸材310、320、330の側面に固着される。
【0038】
摺動体510と支持部材520とは連結材530で繋がれる。連結材530の一端は摺動体510に通した縦軸に回動可能に留められ、他端は支持部材520に通した縦軸に回動可能に留められる。連結材530は、前側と後側に2つ取り付けられ、さらに上側と下側の両方に取り付けられる。
【0039】
図8に示すように、支持部材520に中空部を設けて、突出部540として回転体560を設ける場合、中空部の右側の内壁から左右方向に回転軸570を延ばし、輪状の回転体560を縦にして円の中心に回転軸570を通す。なお、回転軸570を後側寄りに設けることにより、回転体560の一部が後方に突出させる。
【0040】
回転体560は、回転軸570に固定して回転軸570が支持部材520に対して回転するようにしても良いし、回転軸570を支持部材520に固定して回転軸570に対して回転するようにしても良い。なお、回転体560の内部を中空にし、回転体560の内周面と固定した回転軸570との間にベアリング580を介すことにより、回転体560が回転する際の摩擦を軽減させても良い。
【0041】
また、中空部を設ける場合、連結材530のうち支持部材520に取り付ける側については、支持部材520の上面から中空部の上側の内壁まで縦軸を通し、中空部の下側の内壁から支持部材520の下面まで縦軸を通しても良い。
【0042】
図9(a)に示すように、通常は摺動体510と支持部材520とは左右方向に一直線上に並んでおり、前面の位置及び後面の位置が前後にずれていない。ここで、摺動体510の位置を固定した状態で、突出部540を前方に押して、
図9(b)に示すように、連結材530を前方に傾かせて、支持部材520を傾かせずに前方に移動させる。
【0043】
突出部540への押圧を解除すると、摺動体510と支持部材520とは一直線上に並ぶように位置が戻る。戻る際の勢い等により、摺動体510が支持部材520より前の位置に移動しないように、表当板550で受け止める。表当板550は、支持部材520から摺動体510まで延びる板材であるが、支持部材520の前面に貼着され、摺動体510の前面には貼着されない。
【0044】
図10に示すように、摺動体510と支持部材520の間にバネ等の弾性体590を介すことにより、摺動体510と支持部材520の位置を一直線上に戻す力が常に掛かるようにすれば良い。なお、弾性体590以外を用いて摺動体510と支持部材520の位置を戻しても良いし、ガイドシュー500とは別の部材にその機能を持たせても良い。
【0045】
ガイドシュー500が上下方向に移動しているときに、ガイドシュー500の後側に板状の部材が接触すると、回転体560が板状の部材に沿って回転することにより、板状の部材との摩擦が軽減され、摩耗や摩擦により発生する音も小さくなる。
【0046】
次に、ガイドシューによるオートドアの遮煙機能を発揮させるためのカムについて説明する。
図11は、右枠材を後側から見た背面図(図の右側が左)である。
図12は、右枠材を左側から見た左側面図(図の右側が前)である。
図13は、右枠材に取り付けるカムを背面側から見た平面図(上図)、正面図(中図)及び側面図(右図)であり、(a)は上カムを示し、(b)は下カムを示す。
図14は、ガイドシューとカムの配置を後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
【0047】
図11に示すように、ドアレール400には、扉体300を降下させたときのガイドシュー500の位置に合わせてカム600が取り付けられる。右ドアレール400b用のカム600は、ガイドシュー500の後側に来るように右ドアレール400bから左方に延びる。なお、上ガイドシュー500aに合わせて上カム600aが設けられ、下ガイドシュー500bに合わせて下カム600bが設けられる。左ドアレール400aについても同様である。
【0048】
図12に示すように、上戸用レール410に上カム600aと下カム600b、中戸用レール420に上カム600aと下カム600b、下戸用レール430に上カム600aと下カム600bが、左ドアレール400aと右ドアレール400bにそれぞれ設置される。各戸材310、320、330が降下すると、それぞれ上ガイドシュー500aと上カム600aとが前後に重なる位置となり、下ガイドシュー500bと下カム600bとが前後に重なる位置となる。
【0049】
図13(a)に示すように、上カム600aは、ガイドシュー500の大きさに合わせた板材であり、受け傾斜610、押し傾斜620、押出部630、及び取付部640等が形成される。なお、受け傾斜610、押し傾斜620、及び押出部630は、ガイドシュー500の突出部540が通る位置にあたる。取付部640には、ドアレール400に固定させるための穴が空けられ、留具などが通される。
【0050】
受け傾斜610は、上カム600aの前面から後面に向かって傾斜するように窪ませる。押し傾斜620は、受け傾斜610から続いて傾斜が上カム600aの前面に突出させる。押出部630は、押し傾斜620による盛り上がりを維持させた上カム600aの前面よりも高くなった場所である。
【0051】
図13(b)に示すように、下カム600bも、上カム600aと同様の板材である。上ガイドシュー500aの突出部540aと、下ガイドシュー500bの突出部540bの位置を左右にずらしたことに合わせて、下カム600bの受け傾斜610、押し傾斜620、及び押出部630が形成される。
【0052】
図14に示すように、ドアレール400に沿って移動する上戸材310が降り切っていないときは、上戸材310のガイドシュー500の摺動体510と支持部材520は左右方向に並んだ状態である。さらに上戸材310が下降すると、ガイドシュー500のうち摺動体510と支持部材520はカム600には接しないが、突出部540がカム600の受け傾斜610に接触する。
【0053】
突出部540が回転体560の場合は、受け傾斜610に沿って回転し、さらに押し傾斜620及び押出部630に沿って回転しながら、支持部材520が前方に押される。摺動体510はドアレール400に噛み合っているので前後には移動しないので、支持部材520が前方に移動して、摺動体510と支持部材520とが前後にずれた位置となる。さらに、支持部材520が固定された上戸材310も支持部材520と共に前方に移動する。
【0054】
なお、下降時に上カム600aを先に通過する下ガイドシュー500bが、上カム600aによって前方に押されないように、上ガイドシュー500a及び上カム600aと、下ガイドシュー500b及び下カム600bとの左右位置とずらしている。上ガイドシュー500aと下ガイドシュー500bは、上カム600aと下カム600bによって同時に前方に押される。
【0055】
次に、ガイドシューとカムによりオートドアを遮煙する仕組みについて説明する。
図15は、ドアレール部分の拡大図であって、遮煙機能を発揮させていない状態を示す平面図(図の下側が前)である。
図16は、ドアレール部分の拡大図であって、遮煙機能を発揮させた状態を示す平面図(図の下側が前)である。
【0056】
図15に示すように、扉体300を高速に開閉させるために、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330による三枚扉にすると、枠体200と扉体300との間、及び各戸材310、320、330間の摩擦を軽減するために、隙間を確保する必要がある。そこで、扉体300が移動しているときは隙間が確保され、扉体300が閉じられたときは隙間が塞がれるように、気密材700と押付具340aが取り付けられる。
【0057】
例えば、左枠材220に気密材700を取り付け、各戸材310、320、330又はそれに連設されたガイドシュー500の支持部材520にそれぞれ押付具340aを取り付ければ良い。なお、押付具340aは、各戸材310、320、330自体の一部であっても良い。
【0058】
図16に示すように、扉体300が閉じられると、各戸用レール410、420、430の上カム600aと下カム600bに、上ガイドシュー500aの突出部540aと下ガイドシュー500bの突出部540bが押され、各戸材310、320、330が前方に移動する。
【0059】
上戸材310が左枠材220に押し付けられると共に、各戸材310の押付具340aが気密材700に押し付けられる。左枠材220は階段状になっていることから、中戸材320及び下戸材330の押付具340aも、中戸材320及び下戸材330が押し付けられた位置における気密材700に押し付けられる。
【0060】
次に、オートドアの遮煙機能を効果的に発揮させるための気密材について説明する。
図17は、気密材を取り付けた枠体を後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
図18は、気密材を取り付けた扉体を左側から見た左側面図(図の右側が前)である。
図19は、上戸材と上枠材の気密構造を示す拡大図(図の右側が前)である。
図20は、中間部の気密構造を示す拡大図(図の右側が前)であり、(a)は上戸材と中戸材の気密構造を示す図であり、(b)は中戸材と下戸材の気密構造を示す図である。
図21は、下戸材と戸受材の気密構造を示す拡大図(図の右側が前)である。
図22は、オートドアの気密材を短手方向で切断した横断面図である。
【0061】
図17に示すように、気密材700は、上枠材210、左枠材220、右枠材230、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330等に設ける。例えば、左枠材220の場合、各戸材310、320、330に合わせて階段状になっていることから、各戸材310、320、330の左縁を塞ぐために上下方向に配置する気密材700aと、各戸材310、320、330の下面を塞ぐために前後方向に配置する気密材700bを使用すれば良い。また、上枠材210の場合、上戸材310の上縁を塞ぐために左右方向に配置する気密材700cを使用すれば良い。
【0062】
図18に示すように、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330の前側及び上下左右の側面まで板材で覆っているが後側は空いている場合に、上戸材310の上板から前方に向かって押付具340bを突出させる。また、上戸材310の下板上面に気密材700dを配置し、中戸材320の上板から前方に押付具340cを突出させる。中戸材320の下板上面に気密材700dを配置し、下戸材330の上板から前方に押付具340cを突出させる。下戸材330の下板下面に気密材700eを配置する。
【0063】
図19に示すように、上戸材310が下降した際に、上戸材310の前面の上縁が上枠材210に押し付けられると、上戸材310の押付具340bが上枠材210の気密材700cに接触する。後向きの気密材700cに対し、押付具340bが上方から降りながら接触し、前方にスライドさせることによりシールされれば良い。
【0064】
図20(a)に示すように、中戸材320が下降した際に、中戸材320の前面の上縁が上戸材310の後面の下縁に押し付けられると、中戸材320の押付具340cが上戸材310の気密材700dに接触する。
【0065】
図20(b)に示すように、下戸材330が下降した際に、下戸材330の前面の上縁が中戸材320の後面の下縁に押し付けられると、下戸材330の押付具340cが中戸材320の気密材700dに接触する。上向きの気密材700dに対し、押付具340cを上方から当て、前方にスライドさせてもシールが維持されれば良い。
【0066】
図21に示すように、下戸材330が下降した際に、下戸材330が戸受材240に押し付けられると、下戸材330の気密材700eが戸受材240に接触する。戸受材240の上面に対し、下向きの気密材700eにより下戸材330の左端から右端までがシールされれば良い。
【0067】
図22に示すように、気密材700は、気体や液体などの流体が通らないように密閉するための部材間に介すパッキン等であり、枠体200や扉体300などの金属部材を受け止めて隙間をシールするために樹脂製のもの等が用いられる。また、火災時に煙を遮断できるように耐熱性のあるものが用いられる。気密材700は、例えば、湾曲面710、中空部720、スリット730、及び取付面740などを有する長い管状の部材である。
【0068】
湾曲面710は、金属部材を受けて隙間を塞ぐために外側へ湾曲させた部分である。中空部720は、湾曲面710の弾力性を向上させるために内部を中空にした部分である。スリット730は、取付面740と枠体200を固定する際に、留具などを通しやすいように設けた隙間である。また、留具などを湾曲面710の上から通さなくて良いので、金属部材を受けたときに留具などが当たらない。取付面740は、枠体200などに固定される部分である。
【0069】
このように、複数の戸材が上下に高速移動するように維持しつつ、戸材を閉じたときには高い遮煙性能を発揮するオートドアを提供することができる。すなわち、複数の戸材が連動するので、1枚の戸材よりも高速に開閉させることができ、車が戸材に接触する可能性を大幅に低減することができる。加えて、複数の戸材同士及び各戸材と枠材とが密閉されるので、火災が発生したとしても煙が外に漏れるのを防止することができる。
【0070】
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。オートドアの遮煙構造は、1枚扉や2枚扉、4枚以上の戸材であっても同様に適用することができる。また、前方に上戸材、後方に下戸材だけでなく、重なり方向が逆であっても同様に適用することができる。
【0071】
また、ガイドシューの代わりに、ガイドローラーなどを使用しても同様の構造にすることができる。回転体についても、輪状のものに代えて球状のもの等を使用することもできる。