特開2018-48495(P2018-48495A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-48495(P2018-48495A)
(43)【公開日】2018年3月29日
(54)【発明の名称】遮煙構造及びそれを有するオートドア
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20180302BHJP
   E06B 7/18 20060101ALI20180302BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20180302BHJP
   A62C 2/06 20060101ALI20180302BHJP
【FI】
   E06B5/16
   E06B7/18 A
   E06B9/02 A
   A62C2/06 502
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-184996(P2016-184996)
(22)【出願日】2016年9月23日
(11)【特許番号】特許第6248247号(P6248247)
(45)【特許公報発行日】2017年12月20日
(71)【出願人】
【識別番号】596013224
【氏名又は名称】株式会社関東技研
(71)【出願人】
【識別番号】000227043
【氏名又は名称】日精株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 洋伸
(72)【発明者】
【氏名】立若 正弘
(72)【発明者】
【氏名】澤幡 優
(72)【発明者】
【氏名】赤石 仁
【テーマコード(参考)】
2E036
2E039
【Fターム(参考)】
2E036AA04
2E036BA01
2E036DA02
2E036EB06
2E036FA09
2E036GA03
2E036HB08
2E036HC02
2E039BA01
(57)【要約】
【課題】複数の戸材が上下に高速移動するように維持しつつ、戸材を閉じたときには高い遮煙性能を発揮するオートドアを提供する。
【解決手段】オートドアの遮煙構造は、オートドアの戸材を上下方向に移動させるためのドアレールに嵌合させる摺動体と、一端は前後方向に移動可能に前記摺動体と連結され、他端は前記戸材の側面に固定され、後面に突出部が設けられた支持部材と、前記支持部材が所定の位置を通過するときに前記突出部を前方に押し出すように前記ドアレールの後側に取り付けられたカムと、を有し、前記オートドアを閉じたときに、前記突出部が前記カムに押され、前記戸材が前記オートドアの枠材との隙間を塞ぐように押し付けられる、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートドアの戸材を上下方向に移動させるためのドアレールに嵌合させる摺動体と、
一端は前後方向に移動可能に前記摺動体と連結され、他端は前記戸材の側面に固定され、後面に突出部が設けられた支持部材と、
前記支持部材が所定の位置を通過するときに前記突出部を前方に押し出すように前記ドアレールの後側に取り付けられたカムと、を有し、
前記オートドアを閉じたときに、前記突出部が前記カムに押され、前記戸材が前記オートドアの枠材との隙間を塞ぐように押し付けられる、
ことを特徴とするオートドアの遮煙構造。
【請求項2】
前記突出部は、前記支持部材の内部に形成された中空部に左右方向を軸とする回転体が後方にはみ出すように取り付けられ、
前記カムは、前記回転体が転がりながら前方に押されるように傾斜が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のオートドアの遮煙構造。
【請求項3】
前記支持部材は、前面に前記摺動体まで延びて前記摺動体より後方に移動することを抑制する表当板と、前記支持部材と前記摺動体の前後方向の位置を合わせるための弾性体と、を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオートドアの遮煙構造。
【請求項4】
前記支持部材は、前記戸材の上部に固定された上支持部材と、前記突出部の左右方向の位置を前記上支持部材とは異ならせて前記戸材の下部に固定された下支持部材とを有し、
前記オートドアを閉じたときに、前記戸材が上部及び下部において前記枠材との隙間を塞ぐように押し付けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のオートドアの遮煙構造。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一に記載の遮煙構造を有するオートドアであって、
上下方向に移動可能な複数の前記戸材が前後方向にずれて配置され、一の戸材の後側に隣接する戸材がその上部において当該一の戸材と前後方向の重なりを維持したまま当該一の戸材よりも高速で移動するように開閉制御される扉体と、
前記扉体の左右及び上縁を囲うように前記枠材が配設され、前記扉体の側方に各戸材を上下方向に移動させるためのドアレールが連設され、全開させた前記扉体の収納域が当該上枠材の上方に設けられた枠体と、を有し、
前記扉体を閉じたときに、複数の前記戸材がそれぞれ前記枠体との隙間、及び隣接する戸材との隙間を塞ぐように押し付けられる、
ことを特徴とするオートドア。
【請求項6】
前記枠体が複数の前記戸材に押し付けられる位置、及び前記戸材が隣接する戸材に押し付けられる位置に、それぞれ気密材が取り付けられ、前記戸材が前記気密材との隙間を塞ぐための押付具を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のオートドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災発生時に煙を遮断する構造を有するオートドアに関する。
【背景技術】
【0002】
駅前など商業施設が集中している場所においては、店舗やホテル等に立体駐車場が備え付けられることがある。機械式の立体駐車場の場合、所定の位置に停めた車を自動で車庫まで運搬するが、運搬動作が完了するまで後続の車が当該位置に入れないようにオートドアを閉じる。オートドアは、横に開閉するタイプであると開き切るまで時間を要するので、上下に速く開閉するオートドアも存在している。なお、立体駐車場においては、火災発生時に煙が外に漏れないように、遮煙性能の高い防火設備が必要である。特許文献1に記載されているように、上下に開閉する場合の遮煙シャッターに関する発明も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3909472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立体駐車場の利用者が多いと、施設の敷地内を越えて一般道まで行列が延びる可能性もある。車庫への運搬動作を迅速化する必要があるが、上下に速く開閉するオートドアであっても、開き切らないうちに当該位置へ侵入しようとしてオートドアに車を接触させてしまうケースも少なくない。そのため、オートドアを上下に複数の戸材に分割してそれらを連動させることで、より高速に開閉させるものも存在する。しかしながら、複数の戸材を高速で移動させるために、戸材間を離して摩擦が生じないようにすると、その隙間により遮煙性能が損なわれてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、複数の戸材が上下に高速移動するように維持しつつ、全ての戸材を閉じたときには高い遮煙性能を発揮するオートドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明であるオートドアの遮煙構造は、オートドアの戸材を上下方向に移動させるためのドアレールに嵌合させる摺動体と、一端は前後方向に移動可能に前記摺動体と連結され、他端は前記戸材の側面に固定され、後面に突出部が設けられた支持部材と、前記支持部材が所定の位置を通過するときに前記突出部を前方に押し出すように前記ドアレールの後側に取り付けられたカムと、を有し、前記オートドアを閉じたときに、前記突出部が前記カムに押され、前記戸材が前記オートドアの枠材との隙間を塞ぐように押し付けられる、ことを特徴とする。
【0007】
また、前記突出部は、前記支持部材の内部に形成された中空部に左右方向を軸とする回転体が後方にはみ出すように取り付けられ、前記カムは、前記回転体が転がりながら前方に押されるように傾斜が形成される、ことを特徴とする。
【0008】
また、前記支持部材は、前面に前記摺動体まで延びて前記摺動体より後方に移動することを抑制する表当板と、前記支持部材と前記摺動体の前後方向の位置を合わせるための弾性体と、を有する、ことを特徴とする。
【0009】
また、前記支持部材は、前記戸材の上部に固定された上支持部材と、前記突出部の左右方向の位置を前記上支持部材とは異ならせて前記戸材の下部に固定された下支持部材とを有し、前記オートドアを閉じたときに、前記戸材が上部及び下部において前記枠材との隙間を塞ぐように押し付けられる、ことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明である遮煙構造を有するオートドアは、上下方向に移動可能な複数の前記戸材が前後方向にずれて配置され、一の戸材の後側に隣接する戸材がその上部において当該一の戸材と前後方向の重なりを維持したまま当該一の戸材よりも高速で移動するように開閉制御される扉体と、前記扉体の左右及び上縁を囲うように前記枠材が配設され、前記扉体の側方に各戸材を上下方向に移動させるためのドアレールが連設され、全開させた前記扉体の収納域が当該上枠材の上方に設けられた枠体と、を有し、前記扉体を閉じたときに、複数の前記戸材がそれぞれ前記枠体との隙間、及び隣接する戸材との隙間を塞ぐように押し付けられる、ことを特徴とする。
【0011】
また、前記枠体が複数の前記戸材に押し付けられる位置、及び前記戸材が隣接する戸材に押し付けられる位置に、それぞれ気密材が取り付けられ、前記戸材が前記気密材との隙間を塞ぐための押付具を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の戸材が上下に高速移動するように維持しつつ、戸材を閉じたときには高い遮煙性能を発揮するオートドアを提供することができる。すなわち、複数の戸材が連動するので、1枚の戸材よりも高速に開閉させることができ、車が戸材に接触する可能性を大幅に低減することができる。加えて、複数の戸材同士及び各戸材と枠材とが密閉されるので、火災が発生したとしても煙が外に漏れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明であるオートドアの全体外観を示す正面図である。
図2】本発明であるオートドアの全体外観を示す背面図である。
図3】本発明であるオートドアの全体外観をA−Aで切断した横断面図である。
図4】本発明であるオートドアの全体外観をB−Bで切断した縦断面図である。
図5】本発明であるオートドアの背面側の一部を示す斜視図である。
図6】本発明であるオートドアの戸材の背面側の一部を示す斜視図である。
図7】本発明であるオートドアのガイドシューの背面側を示す斜視図である。
図8】本発明であるオートドアのガイドシューを示す正面図である。
図9】本発明であるオートドアのガイドシューを示す平面図である。
図10】本発明であるオートドアのガイドシューを示す左側面図である。
図11】本発明であるオートドアの右ドアレールを示す背面図である。
図12】本発明であるオートドアの右ドアレールを示す左側面図である。
図13】本発明であるオートドアの右ドアレール用カムの背面側を示す三面図である。
図14】本発明であるオートドアのガイドシューとカムの位置関係を示す斜視図である。
図15】本発明であるオートドアの扉体を開いたときの枠体の一部を拡大した平面図である。
図16】本発明であるオートドアの扉体を閉じたときの枠体の一部を拡大した平面図である。
図17】本発明であるオートドアの枠体に気密材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図18】本発明であるオートドアの扉体に気密材を取り付けた状態を示す左側面図である。
図19】本発明であるオートドアの上戸材の気密構造を示す拡大図である。
図20】本発明であるオートドアの中戸材の気密構造を示す拡大図である。
図21】本発明であるオートドアの下戸材の気密構造を示す拡大図である。
図22】本発明であるオートドアの気密材を短手方向で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【実施例1】
【0015】
まず、本発明であるオートドアについて説明する。なお、屋外などオートドアの外側を前、屋内などオートドアの内側を後とし、前から見て左側を左、右側を右とする。また、板面のうち中心部から離れた周縁側であって側面でない部分を縁とする。
【0016】
図1は、オートドアの全体を前側から見た正面図である。図2は、オートドアの全体を後側から見た背面図(図の左側が右)である。図3は、図2に示すA−Aで切断した横断面図(図の上側が前)である。図4は、図2に示すB−Bで切断した縦断面図(図の右側が前)である。図5は、オートドアを後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
【0017】
図1に示すように、オートドア100は、立体駐車場などの出入口に設置される。オートドア100は、主に車が通過する開口部であるが、人やその他が通過する開口部でも良い。オートドア100は、スイッチで開閉させても良いし、前側から車などが接近したのをセンサーで感知して自動で開閉させても良い。オートドア100の開口部は、枠体200で支持され、扉体300が開閉可能に設けられる。
【0018】
枠体200は、開口部の上側を支える上枠材210、左側を支える左枠材220、及び右側を支える右枠材230を有する三方枠である。下側にも枠材を設けても良いが、下側には扉体300を受ける戸受材240を設ければ良い。
【0019】
扉体300は、開口部の上部を閉じる上戸材310、中間部を閉じる中戸材320、及び下部を閉じる下戸材330を有する上下方向に開閉する三枚扉である。なお、扉体300は、1枚扉であっても良いし、中戸材320のない2枚扉であっても良いし、中戸材320が複数あっても良い。
【0020】
図2に示すように、枠体200の上枠材210の上方には、オートドア100を開いたときに扉体300を吊した状態で保持しておくための収納域250を有する。また、枠体200の左枠材220及び右枠材230の後側には、扉体300を上下方向に移動させるためのドアレール400が配置される。ドアレール400は、扉体300に向かって突出する突条が上下方向に延びるように設けられる。さらにその他に、オートドア100を開閉させるための機構を有する。
【0021】
扉体300の各戸材310、320、330は、それぞれ駆動チェーン130に連結される。駆動チェーン130は、滑車などを介して駆動モーター110に至り、先端にカウンターウェイト120が吊るされる。駆動モーター110でカウンターウェイト120を引き上げることで、扉体300が降下し、カウンターウェイト120を降下させることで、扉体300が引き上げられる。なお、扉体300の移動方向が逆であっても良い。
【0022】
扉体300の側面には、ドアレール400に嵌め合わせるためのガイドシュー500が設けられる。例えば、下戸材330の右側面には、上側に上ガイドシュー500a、下側に下ガイドシュー500bが取り付けられる。なお、左側面も同様であり、上戸材310及び中戸材320についても同様である。
【0023】
また、ドアレール400には、扉体300が降下したときのガイドシュー500の位置に合わせてカム600が設けられる。例えば、右ドアレール400bには、降下した下戸材330の上ガイドシュー500a及び下ガイドシュー500bの位置に上カム600a及び下カム600bが取り付けられる。なお、上戸材310及び中戸材320も同様であり、左ドアレール400aについても同様である。
【0024】
ドアレール400には、扉体300が引き上げられたときに、各戸材310、320、330を徐々に減速させて収納域250で止まる際の衝撃を緩和するために、減速させる位置に達したことを感知するためのリミットスイッチ140を設ける。同様に、扉体300が降下したときに、各戸材310、320、330を徐々に減速させて戸受材240で止まる際の衝撃を緩和するために、減速させる位置に達したことを感知するためのリミットスイッチ140を設ける。
【0025】
なお、下戸材330においては、下戸材330と戸受材240との間の挟み込みを防止するために、下戸材330の下方にセーフティーシュー150を突出させ、セーフティーシュー150が人や物への接触を感知したら、扉体300の下降を停止させ、又は扉体300を上昇させる。
【0026】
図3に示すように、扉体300は、上戸材310が前側、中戸材320が中間、下戸材330が後側に、前後に並んで配置される。左ドアレール400aは、扉体300の左側に各戸材310、320、330に合わせて配置され、右ドアレール400bは、扉体300の右側に各戸材310、320、330に合わせて配置される。
【0027】
また、左枠材220は、各戸材310、320、330の左縁に垂接するように配置され、右枠材230は、各戸材310、320、330の右縁に垂接するように配置される。なお、左枠材220の後方に左ドアレール400aが連設され右枠材230の後方に右ドアレール400bが連設されても良い。
【0028】
図4に示すように、ドアレール400は、左ドアレール400a及び右ドアレール400bにそれぞれ、上戸用レール410、中戸用レール420、及び下戸用レール430を有する。上戸材310を上下移動させるための上戸用レール410が収納域250から開口部の上部まで配置され、中戸材320を上下移動させるための中戸用レール420が収納域250から開口部の中間部まで配置され、下戸材330を上下移動させるための下戸用レール430が収納域250から開口部の下部まで配置される。
【0029】
左枠材220及び右枠材230の後側は、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330が降下する位置に合わせて階段状になる。なお、扉体300を閉じたときは、上戸材310の下縁と中戸材320の上縁とは一部前後に重なり、中戸材320の下縁と下戸材330の上縁とは一部前後に重なる。扉体300を開いたときは、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330が、収納域250に同じ高さで吊るされる。
【0030】
図5に示すように、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330を、左枠材220、右枠材230、及び戸受材240で受け、上枠材210、左枠材220、及び右枠材230に押し当てることにより、オートドア100の開口部を塞ぐ。上戸材310、中戸材320、及び下戸材330は、可動範囲が異なるが、連動して開閉させる。
【0031】
例えば、駆動チェーン130とギアを組み合わせて、上戸材310は、所定の速度で移動させ、中戸材320は、上戸材310の約2倍の速度で移動させ、下戸材330は、上戸材310の約3倍の速度で移動させる。1枚扉を所定の速度で開閉させる場合と比較して、約3分の1の時間に短縮される。
【0032】
または、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330を、相対的に同じ速度で移動させる。中戸材320は、収納域250においては上戸材310と同じ高さであるが、上戸材310の下降と連動させて、中戸材320の上縁が上戸材310の上縁の位置から下縁の位置まで来るように移動させる。下戸材330は、収納域250においては中戸材320と同じ高さであるが、中戸材320の下降と連動させて、下戸材330の上縁が中戸材320の上縁の位置から下縁の位置まで来るように移動させる。
【0033】
次に、オートドアに遮煙機能を持たせるためのガイドシューについて説明する。図6は、戸材を後側から見た斜視図(図の右側が左)である。図7は、戸材の左側面に取り付けるガイドシューを後側から見た斜視図(図の右側が左)である。図8は、ガイドシューを前側から見た正面図である。図9は、ガイドシューを上側から見た示す平面図(図の上側が後)であり、(a)はオートドアを開いたときの状態であり、(b)はオートドアを閉じたときの状態である。図10は、ガイドシュー左側から見た左側面図(図の右側が前)である。
【0034】
図6に示すように、ガイドシュー500は、扉体300をドアレール400に嵌合させるために、扉体300の各戸材310、320、330の左側面及び右側面に取り付けられる。各戸材310、320、330の上下移動をスムーズに安定させるために、それぞれ側面上部に上ガイドシュー500a、側面下部に下ガイドシュー500bを設ける。
【0035】
ガイドシュー500は、背面よりも後側に飛び出した突出部540を有するが、上ガイドシュー500aの突出部540aと、下ガイドシュー500bの突出部540bとは、上下方向において同じ位置ではなく、左右にずれた位置に設けられる。突出部540は、例えば、輪状体の側周面が一部後側に出るように取り付けられれば良い。
【0036】
図7に示すように、ガイドシュー500は、摺動体510、支持部材520、連結材530、突出部540等を有する。その他に、表当板550や弾性体590等も有する。なお、突出部540は、例えば、回転体560、回転軸570、ベアリング580等により構成される。なお、各戸材310、320、330の右側面に取り付けるガイドシュー500は、左右対称な形状となる。
【0037】
摺動体510は、横断面がコ字状であり、縦に隙間が空いた左側にドアレール400が挟み込まれ、その反対側に支持部材520が配される。摺動体510は、コ字状の隙間に挟んでドアレール400に沿って上下方向に移動するので、摩擦に強い樹脂などが用いられる。支持部材520は、摺動体510とは分離した部材であり、右側の各戸材310、320、330の側面に固着される。
【0038】
摺動体510と支持部材520とは連結材530で繋がれる。連結材530の一端は摺動体510に通した縦軸に回動可能に留められ、他端は支持部材520に通した縦軸に回動可能に留められる。連結材530は、前側と後側に2つ取り付けられ、さらに上側と下側の両方に取り付けられる。
【0039】
図8に示すように、支持部材520に中空部を設けて、突出部540として回転体560を設ける場合、中空部の右側の内壁から左右方向に回転軸570を延ばし、輪状の回転体560を縦にして円の中心に回転軸570を通す。なお、回転軸570を後側寄りに設けることにより、回転体560の一部が後方に突出させる。
【0040】
回転体560は、回転軸570に固定して回転軸570が支持部材520に対して回転するようにしても良いし、回転軸570を支持部材520に固定して回転軸570に対して回転するようにしても良い。なお、回転体560の内部を中空にし、回転体560の内周面と固定した回転軸570との間にベアリング580を介すことにより、回転体560が回転する際の摩擦を軽減させても良い。
【0041】
また、中空部を設ける場合、連結材530のうち支持部材520に取り付ける側については、支持部材520の上面から中空部の上側の内壁まで縦軸を通し、中空部の下側の内壁から支持部材520の下面まで縦軸を通しても良い。
【0042】
図9(a)に示すように、通常は摺動体510と支持部材520とは左右方向に一直線上に並んでおり、前面の位置及び後面の位置が前後にずれていない。ここで、摺動体510の位置を固定した状態で、突出部540を前方に押して、図9(b)に示すように、連結材530を前方に傾かせて、支持部材520を傾かせずに前方に移動させる。
【0043】
突出部540への押圧を解除すると、摺動体510と支持部材520とは一直線上に並ぶように位置が戻る。戻る際の勢い等により、摺動体510が支持部材520より前の位置に移動しないように、表当板550で受け止める。表当板550は、支持部材520から摺動体510まで延びる板材であるが、支持部材520の前面に貼着され、摺動体510の前面には貼着されない。
【0044】
図10に示すように、摺動体510と支持部材520の間にバネ等の弾性体590を介すことにより、摺動体510と支持部材520の位置を一直線上に戻す力が常に掛かるようにすれば良い。なお、弾性体590以外を用いて摺動体510と支持部材520の位置を戻しても良いし、ガイドシュー500とは別の部材にその機能を持たせても良い。
【0045】
ガイドシュー500が上下方向に移動しているときに、ガイドシュー500の後側に板状の部材が接触すると、回転体560が板状の部材に沿って回転することにより、板状の部材との摩擦が軽減され、摩耗や摩擦により発生する音も小さくなる。
【0046】
次に、ガイドシューによるオートドアの遮煙機能を発揮させるためのカムについて説明する。図11は、右枠材を後側から見た背面図(図の右側が左)である。図12は、右枠材を左側から見た左側面図(図の右側が前)である。図13は、右枠材に取り付けるカムを背面側から見た平面図(上図)、正面図(中図)及び側面図(右図)であり、(a)は上カムを示し、(b)は下カムを示す。図14は、ガイドシューとカムの配置を後側から見た斜視図(図の右側が左)である。
【0047】
図11に示すように、ドアレール400には、扉体300を降下させたときのガイドシュー500の位置に合わせてカム600が取り付けられる。右ドアレール400b用のカム600は、ガイドシュー500の後側に来るように右ドアレール400bから左方に延びる。なお、上ガイドシュー500aに合わせて上カム600aが設けられ、下ガイドシュー500bに合わせて下カム600bが設けられる。左ドアレール400aについても同様である。
【0048】
図12に示すように、上戸用レール410に上カム600aと下カム600b、中戸用レール420に上カム600aと下カム600b、下戸用レール430に上カム600aと下カム600bが、左ドアレール400aと右ドアレール400bにそれぞれ設置される。各戸材310、320、330が降下すると、それぞれ上ガイドシュー500aと上カム600aとが前後に重なる位置となり、下ガイドシュー500bと下カム600bとが前後に重なる位置となる。
【0049】
図13(a)に示すように、上カム600aは、ガイドシュー500の大きさに合わせた板材であり、受け傾斜610、押し傾斜620、押出部630、及び取付部640等が形成される。なお、受け傾斜610、押し傾斜620、及び押出部630は、ガイドシュー500の突出部540が通る位置にあたる。取付部640には、ドアレール400に固定させるための穴が空けられ、留具などが通される。
【0050】
受け傾斜610は、上カム600aの前面から後面に向かって傾斜するように窪ませる。押し傾斜620は、受け傾斜610から続いて傾斜が上カム600aの前面に突出させる。押出部630は、押し傾斜620による盛り上がりを維持させた上カム600aの前面よりも高くなった場所である。
【0051】
図13(b)に示すように、下カム600bも、上カム600aと同様の板材である。上ガイドシュー500aの突出部540aと、下ガイドシュー500bの突出部540bの位置を左右にずらしたことに合わせて、下カム600bの受け傾斜610、押し傾斜620、及び押出部630が形成される。
【0052】
図14に示すように、ドアレール400に沿って移動する上戸材310が降り切っていないときは、上戸材310のガイドシュー500の摺動体510と支持部材520は左右方向に並んだ状態である。さらに上戸材310が下降すると、ガイドシュー500のうち摺動体510と支持部材520はカム600には接しないが、突出部540がカム600の受け傾斜610に接触する。
【0053】
突出部540が回転体560の場合は、受け傾斜610に沿って回転し、さらに押し傾斜620及び押出部630に沿って回転しながら、支持部材520が前方に押される。摺動体510はドアレール400に噛み合っているので前後には移動しないので、支持部材520が前方に移動して、摺動体510と支持部材520とが前後にずれた位置となる。さらに、支持部材520が固定された上戸材310も支持部材520と共に前方に移動する。
【0054】
なお、下降時に上カム600aを先に通過する下ガイドシュー500bが、上カム600aによって前方に押されないように、上ガイドシュー500a及び上カム600aと、下ガイドシュー500b及び下カム600bとの左右位置とずらしている。上ガイドシュー500aと下ガイドシュー500bは、上カム600aと下カム600bによって同時に前方に押される。
【0055】
次に、ガイドシューとカムによりオートドアを遮煙する仕組みについて説明する。図15は、ドアレール部分の拡大図であって、遮煙機能を発揮させていない状態を示す平面図(図の下側が前)である。図16は、ドアレール部分の拡大図であって、遮煙機能を発揮させた状態を示す平面図(図の下側が前)である。
【0056】
図15に示すように、扉体300を高速に開閉させるために、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330による三枚扉にすると、枠体200と扉体300との間、及び各戸材310、320、330間の摩擦を軽減するために、隙間を確保する必要がある。そこで、扉体300が移動しているときは隙間が確保され、扉体300が閉じられたときは隙間が塞がれるように、気密材700と押付具340aが取り付けられる。
【0057】
例えば、左枠材220に気密材700を取り付け、各戸材310、320、330又はそれに連設されたガイドシュー500の支持部材520にそれぞれ押付具340aを取り付ければ良い。なお、押付具340aは、各戸材310、320、330自体の一部であっても良い。
【0058】
図16に示すように、扉体300が閉じられると、各戸用レール410、420、430の上カム600aと下カム600bに、上ガイドシュー500aの突出部540aと下ガイドシュー500bの突出部540bが押され、各戸材310、320、330が前方に移動する。
【0059】
上戸材310が左枠材220に押し付けられると共に、各戸材310の押付具340aが気密材700に押し付けられる。左枠材220は階段状になっていることから、中戸材320及び下戸材330の押付具340aも、中戸材320及び下戸材330が押し付けられた位置における気密材700に押し付けられる。
【0060】
次に、オートドアの遮煙機能を効果的に発揮させるための気密材について説明する。図17は、気密材を取り付けた枠体を後側から見た斜視図(図の右側が左)である。図18は、気密材を取り付けた扉体を左側から見た左側面図(図の右側が前)である。図19は、上戸材と上枠材の気密構造を示す拡大図(図の右側が前)である。図20は、中間部の気密構造を示す拡大図(図の右側が前)であり、(a)は上戸材と中戸材の気密構造を示す図であり、(b)は中戸材と下戸材の気密構造を示す図である。図21は、下戸材と戸受材の気密構造を示す拡大図(図の右側が前)である。図22は、オートドアの気密材を短手方向で切断した横断面図である。
【0061】
図17に示すように、気密材700は、上枠材210、左枠材220、右枠材230、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330等に設ける。例えば、左枠材220の場合、各戸材310、320、330に合わせて階段状になっていることから、各戸材310、320、330の左縁を塞ぐために上下方向に配置する気密材700aと、各戸材310、320、330の下面を塞ぐために前後方向に配置する気密材700bを使用すれば良い。また、上枠材210の場合、上戸材310の上縁を塞ぐために左右方向に配置する気密材700cを使用すれば良い。
【0062】
図18に示すように、上戸材310、中戸材320、及び下戸材330の前側及び上下左右の側面まで板材で覆っているが後側は空いている場合に、上戸材310の上板から前方に向かって押付具340bを突出させる。また、上戸材310の下板上面に気密材700dを配置し、中戸材320の上板から前方に押付具340cを突出させる。中戸材320の下板上面に気密材700dを配置し、下戸材330の上板から前方に押付具340cを突出させる。下戸材330の下板下面に気密材700eを配置する。
【0063】
図19に示すように、上戸材310が下降した際に、上戸材310の前面の上縁が上枠材210に押し付けられると、上戸材310の押付具340bが上枠材210の気密材700cに接触する。後向きの気密材700cに対し、押付具340bが上方から降りながら接触し、前方にスライドさせることによりシールされれば良い。
【0064】
図20(a)に示すように、中戸材320が下降した際に、中戸材320の前面の上縁が上戸材310の後面の下縁に押し付けられると、中戸材320の押付具340cが上戸材310の気密材700dに接触する。
【0065】
図20(b)に示すように、下戸材330が下降した際に、下戸材330の前面の上縁が中戸材320の後面の下縁に押し付けられると、下戸材330の押付具340cが中戸材320の気密材700dに接触する。上向きの気密材700dに対し、押付具340cを上方から当て、前方にスライドさせてもシールが維持されれば良い。
【0066】
図21に示すように、下戸材330が下降した際に、下戸材330が戸受材240に押し付けられると、下戸材330の気密材700eが戸受材240に接触する。戸受材240の上面に対し、下向きの気密材700eにより下戸材330の左端から右端までがシールされれば良い。
【0067】
図22に示すように、気密材700は、気体や液体などの流体が通らないように密閉するための部材間に介すパッキン等であり、枠体200や扉体300などの金属部材を受け止めて隙間をシールするために樹脂製のもの等が用いられる。また、火災時に煙を遮断できるように耐熱性のあるものが用いられる。気密材700は、例えば、湾曲面710、中空部720、スリット730、及び取付面740などを有する長い管状の部材である。
【0068】
湾曲面710は、金属部材を受けて隙間を塞ぐために外側へ湾曲させた部分である。中空部720は、湾曲面710の弾力性を向上させるために内部を中空にした部分である。スリット730は、取付面740と枠体200を固定する際に、留具などを通しやすいように設けた隙間である。また、留具などを湾曲面710の上から通さなくて良いので、金属部材を受けたときに留具などが当たらない。取付面740は、枠体200などに固定される部分である。
【0069】
このように、複数の戸材が上下に高速移動するように維持しつつ、戸材を閉じたときには高い遮煙性能を発揮するオートドアを提供することができる。すなわち、複数の戸材が連動するので、1枚の戸材よりも高速に開閉させることができ、車が戸材に接触する可能性を大幅に低減することができる。加えて、複数の戸材同士及び各戸材と枠材とが密閉されるので、火災が発生したとしても煙が外に漏れるのを防止することができる。
【0070】
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。オートドアの遮煙構造は、1枚扉や2枚扉、4枚以上の戸材であっても同様に適用することができる。また、前方に上戸材、後方に下戸材だけでなく、重なり方向が逆であっても同様に適用することができる。
【0071】
また、ガイドシューの代わりに、ガイドローラーなどを使用しても同様の構造にすることができる。回転体についても、輪状のものに代えて球状のもの等を使用することもできる。
【符号の説明】
【0072】
100:オートドア
110:駆動モーター
120:カウンターウェイト
130:駆動チェーン
140:リミットスイッチ
150:セーフティーシュー
200:枠体
210:上枠材
220:左枠材
230:右枠材
240:戸受材
250:収納域
300:扉体
310:上戸材
320:中戸材
330:下戸材
340:押付具
340a:押付具
340b:押付具
340c:押付具
400:ドアレール
400a:左ドアレール
400b:右ドアレール
410:上戸用レール
420:中戸用レール
430:下戸用レール
500:ガイドシュー
500a:上ガイドシュー
500b:下ガイドシュー
510:摺動体
520:支持部材
530:連結材
540:突出部
540a:突出部
540b:突出部
550:表当板
560:回転体
570:回転軸
580:ベアリング
590:弾性体
600:カム
600a:上カム
600b:下カム
610:受け傾斜
620:押し傾斜
630:押出部
640:取付部
700:気密材
700a:気密材
700b:気密材
700c:気密材
700d:気密材
700e:気密材
710:湾曲面
720:中空部
730:スリット
740:取付面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2017年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートドアの戸材を上下方向に移動させるためのドアレールに嵌合させる摺動体と、
一端は前後方向に移動可能に前記摺動体と連結され、他端は前記戸材の側面に固定され、後面に突出部が設けられた支持部材と、
前記支持部材が所定の位置を通過するときに前記突出部を前方に押し出すように前記ドアレールの後側に取り付けられたカムと、を有し、
前記オートドアを閉じたときに、前記突出部が前記カムに押され、前記戸材が前記オートドアの枠材との隙間を塞ぐように押し付けられるオートドアの遮煙構造であって
前記支持部材は、前面に前記摺動体まで延びて前記摺動体より後方に移動することを抑制する表当板と、前記支持部材と前記摺動体の前後方向の位置を合わせるための弾性体と、を有する、
ことを特徴とするオートドアの遮煙構造。
【請求項2】
前記突出部は、前記支持部材の内部に形成された中空部に左右方向を軸とする回転体が後方にはみ出すように取り付けられ、
前記カムは、前記回転体が転がりながら前方に押されるように傾斜が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のオートドアの遮煙構造。
【請求項3】
前記支持部材は、前記戸材の上部に固定された上支持部材と、前記突出部の左右方向の位置を前記上支持部材とは異ならせて前記戸材の下部に固定された下支持部材とを有し、
前記オートドアを閉じたときに、前記戸材が上部及び下部において前記枠材との隙間を塞ぐように押し付けられる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオートドアの遮煙構造。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか一に記載の遮煙構造を有するオートドアであって、
上下方向に移動可能な複数の前記戸材が前後方向にずれて配置され、一の戸材の後側に隣接する戸材がその上部において当該一の戸材と前後方向の重なりを維持したまま当該一の戸材よりも高速で移動するように開閉制御される扉体と、
前記扉体の左右及び上縁を囲うように前記枠材が配設され、前記扉体の側方に各戸材を上下方向に移動させるためのドアレールが連設され、全開させた前記扉体の収納域が当該上枠材の上方に設けられた枠体と、を有し、
前記扉体を閉じたときに、複数の前記戸材がそれぞれ前記枠体との隙間、及び隣接する戸材との隙間を塞ぐように押し付けられる、
ことを特徴とするオートドア。
【請求項5】
前記枠体が複数の前記戸材に押し付けられる位置、及び前記戸材が隣接する戸材に押し付けられる位置に、それぞれ気密材が取り付けられ、前記戸材が前記気密材との隙間を塞ぐための押付具を有する、
ことを特徴とする請求項に記載のオートドア。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明であるオートドアの遮煙構造は、オートドアの戸材を上下方向に移動させるためのドアレールに嵌合させる摺動体と、一端は前後方向に移動可能に前記摺動体と連結され、他端は前記戸材の側面に固定され、後面に突出部が設けられた支持部材と、前記支持部材が所定の位置を通過するときに前記突出部を前方に押し出すように前記ドアレールの後側に取り付けられたカムと、を有し、前記オートドアを閉じたときに、前記突出部が前記カムに押され、前記戸材が前記オートドアの枠材との隙間を塞ぐように押し付けられるオートドアの遮煙構造であって前記支持部材は、前面に前記摺動体まで延びて前記摺動体より後方に移動することを抑制する表当板と、前記支持部材と前記摺動体の前後方向の位置を合わせるための弾性体と、を有する、ことを特徴とする。