特開2018-50714(P2018-50714A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-50714(P2018-50714A)
(43)【公開日】2018年4月5日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20180309BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20180309BHJP
【FI】
   A61F13/15 220
   A61F13/56 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-187593(P2016-187593)
(22)【出願日】2016年9月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100204755
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196645
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 陽子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 拓郎
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200DE03
3B200DF08
3B200DF09
(57)【要約】
【課題】本発明は、剥離音を生じることなく開封することができる吸収性物品であって、包装シートの廃棄の容易な吸収性物品を提供することを目的とする。
【解決手段】トップシート及びバックシートを有し、バックシートの衣類側表面に設けられた粘着剤層を介して、バックシートに包装シートが固定され、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品であって、三つ折りにされた状態で、互いに対向する包装シートの幅方向両端部がシールされたシール部が形成されており、包装シートには、三つ折りにされた状態で、外部に露出する長手方向一方端部から、三つ折りにされた状態で、長手方向一方端部に覆われて、外部から視認できない長手方向他方端部に向け、長手方向他方端部の末端部分を残して、シール部と平行に一対の破断部が形成されている、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートを有し、バックシートの衣類側表面に設けられた粘着剤層を介して、バックシートに包装シートが固定され、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品であって、
三つ折りにされた状態で、互いに対向する包装シートの幅方向両端部がシールされたシール部が形成されており、
前記包装シートには、三つ折りにされた状態で、外部に露出する長手方向一方端部から、三つ折りにされた状態で、長手方向一方端部に覆われて、外部から視認できない長手方向他方端部に向け、長手方向他方端部の末端部分を残して、シール部と平行に一対の破断部が形成されている、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品。
【請求項2】
長手方向一方端部から長手方向他方端部にかけて、前記破断部の破断強度が増大するように、前記破断部が形成されている、請求項1に記載の長手方向に三つ折りにされた吸収性物品。
【請求項3】
前記破断部の、長手方向他方端部における末端と、前記包装シートの長手方向他方端部の末端と、の距離が、3mm以上120mm以下である、請求項1又は2に記載の長手方向に三つ折りにされた吸収性物品。
【請求項4】
前記破断部と、前記シール部との間の幅方向における距離が、2mm以上60mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の長手方向に三つ折りにされた吸収性物品。
【請求項5】
長手方向一方端部側の一地点において、一対の破断部が、長手方向一方端部における幅方向中心線に向けて屈曲し、破断部に挟まれた包装シートの領域が、長手方向一方端部において、略台形状に形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の長手方向に三つ折りにされた吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装シートを、音を立てることなく容易に除去することができる、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軽失禁ライナー、軽失禁パッド、及び生理用ナプキンなどの吸収性物品が提案されている。このような吸収性物品は、バックシートの外側にズレ止め用の粘着剤層を設け、この粘着剤層を介してショーツに固定されるのが一般的である。
【0003】
吸収性物品が未使用の状態においては、この粘着剤層を介して、バックシートに包装シートが固定されており、吸収性物品は、包装シートと共に三つ折りにされ、長手方向一方端部が固定されるとともに、幅方向両端部はシールされることにより吸収性物品が略密封されて提供されている。しかしながら、この略密封された吸収性物品を使用時に開封する際、幅方向両端部のシール部の剥離に伴って剥離音が生じることがあり、このような剥離音に対処した吸収性物品を提供することが潜在的に求められていた。
【0004】
そのような剥離音に対処した吸収性物品としては、例えば、特許文献1に、三つ折りにされた吸収性物品と、この吸収性物品を個別包装している包装袋とからなる吸収性物品において、包装袋は、少なくとも開封方向に破断部を形成した易開封性フィルムとされ、引き裂き方向に折り畳まれた状態で吸収性物品を包装し、引き裂き方向に沿う両側縁部がそれぞれシールされている吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−176869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の吸収性物品の包装袋を開封した場合、破断部により破断することにより、包装袋の幅方向端部が、他の部位から完全に分離してしまうため、廃棄すべきごみの数が多くなって、包装袋の廃棄がしづらいという問題があった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、剥離音を生じることなく開封することができる吸収性物品であって、包装シートの廃棄の容易な吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品であって、三つ折りにされた状態で、互いに対向する包装シートの幅方向両端部がシールされており、包装シートには、長手方向一方端部から長手方向他方端部に向け、長手方向他方端部の末端部分を残して、シール部と平行に破断部が形成されている、吸収性物品によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0008】
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートを有し、バックシートの衣類側表面に設けられた粘着剤層を介して、バックシートに包装シートが固定され、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品であって、三つ折りにされた状態で、互いに対向する包装シートの幅方向両端部がシールされたシール部が形成されており、前記包装シートには、三つ折りにされた状態で、外部に露出する長手方向一方端部から、三つ折りにされた状態で、長手方向一方端部に覆われて、外部から視認できない長手方向他方端部に向け、長手方向他方端部の末端部分を残して、シール部と平行に一対の破断部が形成されている、長手方向に三つ折りにされた吸収性物品である。
【0009】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、長手方向一方端部から長手方向他方端部にかけて、前記破断部の破断強度が増大するように、前記破断部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、前記破断部の、長手方向他方端部における末端と、前記包装シートの長手方向他方端部の末端と、の距離が、3mm以上120mm以下であることを特徴とするものである。
【0011】
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記破断部と、前記シール部との間の幅方向における距離が、2mm以上60mm以下であることを特徴とするものである。
【0012】
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、長手方向一方端部側の一地点において、一対の破断部が、長手方向一方端部における幅方向中心線に向けて屈曲し、破断部に挟まれた包装シートの領域が、長手方向一方端部において、略台形状に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の吸収性物品は、包装シートのシール部と平行に破断部が形成されているので、破断部を破断しつつ、2本の破断部に挟まれた包装シートを除去することにより、音を立てることなく、容易に包装シートを開封して吸収性物品を取り出すことができる。さらに、本発明の吸収性物品は、破断部が、長手方向他方端部の末端部分を残して形成されているので、破断部を破断した状態で、2本の破断部に挟まれていた包装シートと、シール部を有する両端部が分離してしまうことがなく、包装シートの廃棄が容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の吸収性物品の平面斜視図を示す図面である。
図2】本発明の吸収性物品を長手方向に三つ折りにした態様を示す図面である。
図3】本発明の吸収性物品を開封する際の態様を示す図面である。
図4】本発明の別の態様の吸収性物品を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品1について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明においては、全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。本明細書における以下の説明において、体液とは、尿、血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出される液体をいう。さらに、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の装着時及び装着後の少なくとも一方を示す。なお、本明細書の説明において、吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、本明細書において、吸収性物品1の身体接触側表面とは、吸収性物品1の着用時に着用者の肌に当接する表面を指し、衣類接触側表面とは、吸収性物品1の着用時に着用者の衣類に当接する表面を指す。本明細書においては、吸収性物品1の身体接触側表面側を上側と称し、衣類接触側表面側を下側と称することがある。
【0016】
<吸収性物品>
図1は、本発明の吸収性物品1の平面斜視図を示す図面である。本発明の吸収性物品1は、液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体と、を有する。
【0017】
[トップシート]
トップシート10は、吸収体に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体を挟んで、バックシート30と対向して配置されている。トップシート10は、少なくとも皮膚と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、皮膚に刺激を与えないような基材、例えば、エアスルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、又はこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。トップシート10は、単層であっても、複数層積層されていてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
【0018】
不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成繊維やレーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、サーマルボンド法のほか、スパンレース法やスパンボンド法等の公知の加工法によって得られたものも用いることができる。加工性及び強度の点から、トップシート10の坪量は、18g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート10には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を適用してもよい。トップシート10は、着用者の股部が位置づけられる部位が狭まった、砂時計状の形状をしていることが好ましいが、そのような形状に限定されるわけではなく、例えば、略矩形状であってもよい。トップシート10は、吸収体の側縁よりも若干外方に延在して設けられていてもよい。
【0019】
[バックシート]
バックシート30は、吸収性物品1の外部に体液が漏れないよう、液不透過性を有し、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。バックシート30は、着用者の股部が位置づけられる部位が狭まった砂時計状の形状を有していることが好ましいが、そのような形状に限定されるわけではなく、例えば、略矩形状であってもよい。バックシート30は、吸収体の側縁より若干外方に延在して設けられていてもよい。バックシート30の衣類接触側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層31が設けられている。ここで、粘着剤層31には、包装シート40が固定されており、包装シート40を剥離シートとして、粘着剤層31が保護されている。トップシート10及びバックシート30は、長手方向端部等、端部の少なくとも一部において、吸収体を挟まずに、ホットメルト接着剤やヒートシール等により固着されるフラップを形成していてもよい。
【0020】
[吸収体]
吸収体は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(以下、SAPとも称する)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。
【0021】
吸収体の高吸水性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
【0022】
吸収体において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成した積層マットの形態であることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体の形状の安定化の目的から、吸収体をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0023】
本発明において用いられる吸収体は、上層吸収体と下層吸収体とを積層してなるものであってもよい。ここで、上層吸収体と下層吸収体の長手方向及び幅方向の寸法は、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法より大きくてもよく、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法と同じであってもよく、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法より小さくてもよい。
【0024】
[立体ギャザー]
本発明において、吸収性物品1の身体接触側表面の幅方向両端部には、少なくとも一対の立体ギャザーが設けられていていてもよい。この立体ギャザーは、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の横漏れを防止できるようになっている。立体ギャザーは、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
【0025】
[包装シート]
図2は、本発明の吸収性物品1を長手方向に三つ折りにした態様を示す図面であり、図3は、本発明の吸収性物品1を開封する際の態様を示す図面である。本発明の吸収性物品1においては、バックシート30の衣類側表面に設けられた、上述の粘着剤層31を介して、バックシート30に包装シート40が固定されている。そして、バックシート30に包装シート40が固定された状態で、吸収性物品1が長手方向に三つ折りにされ、三つ折りにされた状態で、互いに対向する包装シート40の幅方向両端部がシールされたシール部41が形成されている。このような構成を採用することにより、吸収性物品1の粘着剤層31が、包装シート40により保護されるとともに、包装シート40により略密閉空間が形成されて、内部に収容された吸収性物品1が清浄に保持される。なお、シール部41は、ヒートシール、ホットメルト接着剤、超音波シール等により形成することが好ましい。
【0026】
本発明の吸収性物品1において、包装シート40は、樹脂フィルムのような、薄く、柔軟な基材から形成されていることが好ましい。このような樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等を挙げることができる。強度及び加工性の点から、包装シート40の坪量は、15g/m以上45g/m以下であることが好ましい。さらに、包装シート40の破断部42や、開封部43の近傍に、着色部、文字、図柄といった表示記号の印刷を行ってもよい。これらの表示記号の印刷方法は、公知の方法を制限なく適用することができる。表示記号は、1つの包装シート40に対して、複数種類を印刷してもよい。
【0027】
(破断部)
本発明の吸収性物品1に備えられる包装シート40には、三つ折りにされた状態で、外部に露出する長手方向一方端部44から、三つ折りにされた状態で、長手方向一方端部44に覆われて、外部から視認できない長手方向他方端部45に向け、長手方向他方端部45の末端部分を残して、シール部41と平行に一対の破断部42が形成されている。このような破断部42が形成されていることにより、2本の破断部42に挟まれた中央部分の包装シート40を剥離することにより、包装された吸収性物品1を、大きな音を立てることなく開封できるとともに、長手方向他方端部45の末端部分を残して、破断部42が形成されていることにより、包装された吸収性物品1を開封して取り出した後においても、包装シート40が分断化せず、包装シート40を容易にまとめて廃棄することが可能となる。なお、本発明においては、破断部42の、長手方向他方端部45における末端と、包装シート40の長手方向他方端部45における末端と、の距離が、3mm以上120mm以下であることが好ましく、10mm以上100mm以下であることがより好ましい。また、図4に示すように、破断部42の開始点は包装シートの幅方向中央部からであってもよく、長手方向一方端部44側の一地点において、一対の破断部42が、長手方向一方端部44における幅方向中心線に向けて屈曲していてもよく、これにより、破断部42に挟まれた包装シートの領域が、長手方向一方端部44において、略台形状に形成されていてもよい。このような構成を採用する場合、長手方向一方端部44側の一地点において屈曲した、破断部42と、シール部41との間の角度は、シール部41と屈曲した破断部42とに挟まれる角が、1°以上80°以下であることが好ましく、20°以上45°以下であることがより好ましいなお、屈曲した破断部42は、直線状であっても曲線状であってもよい。
【0028】
破断部42は、例えば、ミシン目線であることが好ましいが、その場合、ミシン目線の切れ込み部の割合は、ミシン目線全体に対して、20%以上80%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることが好ましい。また、破断部42は、長手方向一方端部44から長手方向他方端部45にかけて、破断部42の破断強度が増大するように形成されていていることが好ましく、例えば、破断部42をミシン目線として構成する場合には、長手方向一方端部44から長手方向他方端部45に向かうにつれ、ミシン目線の切れ込み部の割合を、徐々に減少するように構成してもよい。
【0029】
本発明の吸収性物品1における包装シート40は、破断部42とシール部41との間の幅方向における距離が、2mm以上60mm以下であることが好ましく、10mm以上50mm以下であることがより好ましい。破断部42とシール部41との間の幅方向の距離を、上記の範囲内のものとすることにより、破断部42に挟まれた、包装シート40の中央部を剥離した際に、粘着剤層31の全体が露出することとなり、包装シート40の中央部を剥離した後に、粘着剤層31を下着等に固定しやすくなる。
【0030】
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、立体ギャザーをあらかじめトップシート10上に配置し、このトップシート10とバックシート30との間に吸収体を挟持する。この際、吸収体は、上層吸収体と下層吸収体とからなるものとしてもよい。そして、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定するとともに、バックシート30に粘着剤層31を形成し、吸収性物品1を、破断部42を形成した包装シート40上に固定して、長手方向に三つ折りに折り畳んで、幅方向両端部をシールすればよい。
【0031】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0032】
1 吸収性物品
10 トップシート
30 バックシート
31 粘着剤層
40 包装シート
41 シール部
42 破断部
43 開封部
44 長手方向一方端部
45 長手方向他方端部
図1
図2
図3
図4