特開2018-50922(P2018-50922A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トプコンの特許一覧
特開2018-50922眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法
<>
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000003
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000004
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000005
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000006
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000007
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000008
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000009
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000010
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000011
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000012
  • 特開2018050922-眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-50922(P2018-50922A)
(43)【公開日】2018年4月5日
(54)【発明の名称】眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20180309BHJP
【FI】
   A61B3/10 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-189809(P2016-189809)
(22)【出願日】2016年9月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【住所又は居所】東京都板橋区蓮沼町75番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100091580
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 雅文
(72)【発明者】
【氏名】森嶋 俊一
【住所又は居所】東京都板橋区蓮沼町75番1号 株式会社トプコン内
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA20
4C316FA06
4C316FA07
4C316FY01
4C316FY08
4C316FZ01
(57)【要約】
【課題】被検眼の角膜頂点に測定光学系を迅速かつ正確に位置合わせ処理する。
【構成】被検眼Eの測定を行うヘッド部7と、ヘッド部を移動させる駆動機構100と、駆動制御部150と、を備える非接触式眼圧計Sである。被検眼Eの角膜頂点Tにおける第1光源41の反射像を第1カメラ43で、絞り32の反射像を第2カメラ44で取得する。第1光源41及び第1カメラ43は、ヘッド部7の軸O1を含む平面において軸O1に角度αをなして対称位置に配置される。第2光源42及び第2カメラ44は、ヘッド部7の軸O1を含む他の平面において軸O1に角度αで対称位置に配置される。駆動制御部150は、2組の反射像に基づいて駆動機構100を制御してヘッド部7を被検眼Eの角膜頂点Tに対して位置合わせする。この位置合わせ処理の前に、被検眼Eの前眼部像に基づいて予め第1位置合わせ処理を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼に近接して配置され前記被検眼の測定を行うヘッド部と、
前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする駆動制御部と、を備える眼科装置において、
前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす線分上に配置された光源、及び前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の線分上に配置され前記光源の前記被検眼による反射像を取得する反射像取得装置を組とし、前記光源と前記反射像取得装置の組を、異なる方向から前記反射像が取得するべく2組以上配置し、
前記駆動制御部は、前記2組以上の反射像に基づいて前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせすることを特徴とする眼科装置。
【請求項2】
前記被検眼の前眼部像を取得する前眼部像取得装置を備え、
前記駆動制御部は、前記前眼部像に基づく位置合わせの制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記前眼部像取得装置は前記反射像取得装置であることを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
【請求項4】
前記前眼部像取得装置は、前記反射像取得装置とは異なる撮像装置であることを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
【請求項5】
被検眼に近接して配置される前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする眼科装置の位置合わせ方法であって、
前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、
前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、
を備えることを特徴とする眼科装置の位置合わせ方法。
【請求項6】
前記被検眼の前眼部像を取得するステップと、
前記前眼部像に基づいて前記ヘッド部の位置合わせを行うステップと、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の眼科装置の位置合わせ方法。
【請求項7】
被検眼に近接して配置される前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする眼科装置の位置合わせ方法であって、
前記被検眼の前眼部像を取得するステップと、
前記前眼部像に基づいて前記ヘッド部の位置合わせを行うステップと、
からなる位置合わせ処理を行った後、
前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、
前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、からなる位置合わせ処理を行う、
ことを特徴とする眼科装置の位置合わせ方法。
【請求項8】
被検眼に近接して配置される前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする眼科装置の位置合わせ方法であって、
前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、
前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、からなる位置合わせ処理を行い、
所定のアライメントができなかった場合、
前記被検眼の前眼部像を取得するステップと、
前記前眼部像に基づいて前記ヘッド部の位置合わせを行うステップと、
からなる位置合わせ処理を行った後、
前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、
前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、からなる位置合わせ処理を行う、
ことを特徴とする眼科装置の位置合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼のデータを取得するための眼科装置及び眼科装置における位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科装置には、被検眼の特性を測定するための眼科測定装置と、被検眼の画像を得るための眼科撮影装置とが含まれる。
【0003】
眼科測定装置としては、被検眼の屈折特性を測定する眼屈折検査装置(レフラクトメータ、ケラトメータ)や、眼圧計や、角膜の特性(角膜厚、角膜内皮細胞密度等)を得るスペキュラーマイクロスコープや、ハルトマン−シャックセンサを用いて被検眼の収差情報を得るウェーブフロントアナライザなどが挙げられる。
また、眼科撮影装置としては、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography、OCT)を用いて断層像を得る光干渉断層計や、眼底を写真撮影する眼底カメラや、共焦点光学系を用いたレーザー走査により眼底の画像を得る走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope、SLO)などが挙げられる。
【0004】
このような装置を用いた眼科検査では、検査の精度や確度の観点から、光学系と被検眼との位置合わせ処理(アライメント)が重要である。アライメントには、一般に、被検眼と光学系の光軸を一致させる動作(XYアライメント)と、被検眼と光学系との間の距離を所定の作動距離に合わせる動作(Zアライメント)と、がある。
【0005】
このような、アライメントに関しては、ステレオカメラで撮像した瞳孔像を基に、XYアライメント及びZアライメントを実施するものがある(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。このステレオカメラによるアライメントはアライメント可能な範囲が広く手動による位置合わせが不要で、ほとんどの場合に自動アライメントが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−248376号公報
【特許文献2】特開2014−113385号公報
【特許文献3】特開2014−124370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のステレオカメラを使用した位置合わせ処理は、装置の基準位置と瞳孔の距離を基準とするため、前房深度の個人差により角膜頂点の位置を決めることができない。なお、特許文献3には、角膜屈折力を用いた瞳孔像の深さ位置情報の補正方法が検討されているが、角膜屈折力を求めるためには、角膜の曲率を測定する機構を別途設ける必要がある。
【0008】
従って、作動距離アライメント手段として、ステレオカメラ法は前房深度や角膜曲率などの個人差の影響を受けるため、角膜頂点に対するアライメントを要する機器において用いることはできなかった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被検眼の角膜頂点に測定光学系を迅速かつ正確に位置合わせ処理することができる眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、被検眼に近接して配置され前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする駆動制御部と、を備える眼科装置において、前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす線分上に配置された光源、及び前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の線分上に配置され前記光源の前記被検眼による反射像を取得する反射像取得装置を組とし、前記光源と前記反射像取得装置の組を、異なる方向から前記反射像が取得するべく2組以上配置し、前記駆動制御部は、前記2組以上の反射像に基づいて前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせすることを特徴とする。
【0011】
同じく請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼科装置において、前記被検眼の前眼部像を取得する前眼部像取得装置を備え、前記駆動制御部は、前記前眼部像に基づく位置合わせの制御を行うことを特徴とする。
【0012】
同じく請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の眼科装置において、前記前眼部像取得装置は前記反射像取得装置であることを特徴とする。
【0013】
同じく請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の眼科装置において、前記前眼部像取得装置は、前記反射像取得装置とは異なる撮像装置であることを特徴とする。
【0014】
同じく請求項5に記載の発明は、被検眼に近接して配置される前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする眼科装置の位置合わせ方法であって、前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、を備えることを特徴とする。
【0015】
同じく請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の眼科装置の位置合わせ方法において、前記被検眼の前眼部像を取得するステップと、前記前眼部像に基づいて前記ヘッド部の位置合わせを行うステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
同じく請求項7に記載の発明は、被検眼に近接して配置される前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする眼科装置の位置合わせ方法であって、前記被検眼の前眼部像を取得するステップと、前記前眼部像に基づいて前記ヘッド部の位置合わせを行うステップと、からなる位置合わせ処理を行った後、前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、からなる位置合わせ処理を行う、ことを特徴とする。
【0017】
同じく請求項8に記載の発明は、被検眼に近接して配置される前記被検眼の測定を行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記被検眼に対して相対的に移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段を制御して前記ヘッド部を前記被検眼の頂点に対して位置合わせする眼科装置の位置合わせ方法であって、前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、からなる位置合わせ処理を行い、所定のアライメントができなかった場合、前記被検眼の前眼部像を取得するステップと、前記前眼部像に基づいて前記ヘッド部の位置合わせを行うステップと、からなる位置合わせ処理を行った後、前記ヘッド部の測定軸を含む平面内であって前記測定軸に想定した前記被検眼の頂点の想定位置を基点として前記測定軸に対して予め定めた所定の角度をなす異なる2以上の線分上に配置された2以上の光源の前記被検眼による2以上の反射像を、前記測定軸を対称軸として線対称位置に設定された他の2以上の線分上で取得するステップと、前記2組以上の反射像に基づいて前記ヘッド部を前記被検眼に対して位置合わせするステップと、からなる位置合わせ処理を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、被検眼の角膜頂点に装置本体を迅速かつ正確にアライメントすることができる。
【0019】
即ち、請求項1に記載の眼科装置によれば、2つの撮影装置で撮影した2以上の撮影画像から光源の反射像に基づいて被検眼の頂点に対するヘッド部の位置合わせを行うので、ヘッド部の位置調整に際して被検者の前房深度や角膜曲率の差を考慮する必要がない。
【0020】
また、請求項2に記載の眼科装置によれば、前眼部像に基づく位置合わせの制御を、反射光に基づく制御と組みあわせて行うことができ、位置合わせ処理を正確かつ高速に行うことができる。
【0021】
また、請求項3に記載の眼科装置によれば、前眼部像取得手段は反射像取得装置と同一の撮像装置としたので、撮影装置の数を増加させることがない。
【0022】
また、請求項4に記載の眼科装置によれば、前眼部像取得装置を反射像取得装置と異なる撮像装置としたので、前眼部像の取得と反射像の取得に最適な位置に最適な撮影装置を配置することができる。
【0023】
また、請求項5に記載の眼科装置の位置合わせ方法によれば、2つの撮影装置で撮影した2以上の撮影画像から光源の反射像に基づいて被検眼の頂点に対するヘッド部の位置合わせを行うので、ヘッド部の位置調整に際して被検者の前房深度や角膜曲率の差を考慮する必要がない。
【0024】
また、請求項6に記載の眼科装置の位置合わせ方法によれば、前眼部像に基づく位置合わせの制御を、反射光に基づく制御と組みあわせて行うことができ、位置合わせ処理を正確かつ高速に行うことができる。
【0025】
また、請求項7に記載の眼科装置の位置合わせ方法によれば、前記被検眼の前眼部像に基づく位置合わせ処理を行った後、2組以上の反射像に基づく位置合わせ処理を行うのでヘッド部の位置合わせ処理を迅速かつ正確に行うことができる。
【0026】
そして、請求項8に記載の眼科装置における位置合わせ方法によれば、まず2組以上の反射像に基づく位置合わせ処理を行い、位置合わせができた場合は以後の処理を行わないので、位置合わせ処理を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る非接触式眼圧計の外観を示すものであり、(a)は正面図、(b)は使用状態を示す側面図である。
図2】同非接触式眼圧計の内部構成を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図3】同非接触式眼圧計における被検眼とカメラ及び光源の位置関係を示す模式図であり、(a)は被検眼とカメラ及び光源の位置を示す正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
図4】同非接触式眼圧計眼科装置の制御システムを示すブロック図である。
図5】同非接触式眼圧計の概略動作手順を示すフローチャートである。
図6】同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のZ方向位置と反射像との関係を示す模式図である。
図7】同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のX方向位置と反射像との関係を示す模式図である。
図8】同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のXYZ方向位置と反射像との関係を示す模式図である。
図9】同非接触式眼圧計の基本動作手順を示すフローチャートである。
図10】本発明の第2実施形態に係る眼科装置のおける同非接触式眼圧計における被検眼とカメラ及び光源の位置関係を示す模式図であり、(a)は被検眼とカメラ及び光源の位置を示す正面図、(b)は上面図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る非接触式眼圧計を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を実施するための形態に係る眼科装置、及び眼科装置の位置合わせ方法について説明する。本発明は、任意の眼科測定装置、任意の眼科撮影装置又は任意の複合機に適用することができる。即ち、本発明は、眼科測定装置として、レフラクトメータ、ケラトメータ、スペキュラーマイクロスコープ、眼圧計等に適用できる。
また、本発明は、眼科撮影装置として、OCT(光干渉断層像)装置、眼底カメラ、SLO(走査型レーザー検眼鏡)等に適用できる。
以下、実施形態に係る眼科装置として非接触式眼圧計を例として説明する。
【0029】
<非接触式眼圧計の概略構成>
図1は本発明の実施形態に係る非接触式眼圧計の外観を示すものであり、(a)は正面図、(b)は使用状態を示す側面図である。非接触式眼圧計Sは、支持部1と、装置ベース2と、架台3と、装置本体4とを備えている。
【0030】
支持部1は、装置ベース2に配置され、被験者の顔HBを支持する。装置ベース2は、支持部1を有する。装置ベース2は、設置台Dに配置され、上部に架台3が配置される。架台3は、装置ベース2に対して前後方向、左右方向に移動可能に設けられている。なお、前後方向(非接触式眼圧計Sの光軸に沿う方向)をZ方向、光軸に直行する左右方向をX方向、上下方向をY方向とする。
【0031】
被検眼Eに近接配置されるヘッド部7を備える装置本体4は、架台3の上部に設けられ、装置本体4の内部に配置された駆動手段である駆動機構100の動作により、架台3に対し、Z方向、X方向、Y方向に相対的に移動される。ヘッド部7には、気流吹付ノズル8が配置されている。なお、装置本体4は架台3に対して独立して移動せず一体としてZ、X、Y方向に移動する構造であってもよい。
【0032】
架台3には、測定ボタン5aを有する操作ノブ5と、モニタ6などが設けられている。操作ノブ5は、検査者により操作され、これにより架台3が前後左右上下に移動される。この例では、操作ノブを前後左右に倒すことで装置本体4が前後左右に移動し、ノブ自体をノブの軸周りに回転することで装置本体4が上下に移動する。また、装置本体4の前面には、被験者の被検眼Eと対向するように前眼部窓ガラス12(図2参照)を通して気流吹付ノズル8が設けられている。更に、操作ノブ5はその機能をモニタ6のタッチパネルや外付けのマウスなどを用いて行う構成としてもよい。
【0033】
<非接触式眼圧計の内部構成>
図2は同非接触式眼圧計の内部構成を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、図3は同非接触式眼圧計における被検眼とカメラ及び光源の位置関係を示す模式図であり、(a)は被検眼とカメラ及び光源の位置を示す正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【0034】
図2(a)に示すように、装置本体4の内部には、空気チャンバー11、眼圧測定系10、眼圧測定用の圧平光照射系20、固視光照射系30が配置されている。本実施形態では、装置本体4には、図2(b)及び図3に示すように、光源と反射像取得装置の組として、2台の照明装置である第1光源41、第2光源42、及び2台の反射像取得装置として第1カメラ43、第2カメラ44を配置している。これにより、光源と反射像取得装置の組は2組配置されたことになる。第1光源41及び第2光源42は、赤外光を射出する点光源であり、第1カメラ43及び第2カメラ44は赤外光を検出する電子撮像素子を備えたデジタル撮像装置である。
【0035】
本実施形態において、第1光源41及び第1カメラ43は、図3(a)に示すように、気流吹付ノズル8を含むヘッド部7の測定軸である軸O1を通る水平面Hから角度βだけ傾いた平面Aに配置されている。また、第1カメラ43の軸O2は、図5(b)に示すように角膜頂点Tを通り軸O1と角度αをなす線分に配置されている。また、第1光源41は、図2(b)において、軸O1を対称軸として第1カメラ43と線対称位置に配置される。
【0036】
同様に、第2光源42及び第2カメラ44は、図3(a)に示すように、軸O1を通る水平面Hから平面Aと反対側に角度βだけ傾いた平面Bに配置されている。また、第2カメラ44の軸O3は、図5(b)に示すように角膜頂点T通り軸O1と角度αをなす線分に配置される。第2光源42は、図2(b)において、軸O1を対称軸として第2カメラ44と線対称位置に配置される。
【0037】
これにより、第1光源41からの赤外線は被検眼Eの角膜頂点Tで全反射され、第1カメラ43はこの輝点を反射像として取得する。同様に第2光源42からの赤外線は被検眼Eの角膜頂点Tで全反射され、第2カメラ44はこの輝点を反射像として取得する。なお、この例において、第1カメラ43、第2カメラ44は水平面Hに対して角度γだけ下方から被検眼Eを撮影する。これは睫や瞼により撮影が妨げられるのを防止するためである。
【0038】
更に、この実施形態では、図2(a)に示すように、前眼部照明光源19が配置され、第1カメラ43、第2カメラ44は、前眼部照明光源19による被検眼Eの瞳孔の画像を、前眼部像として取得する。即ち、第1カメラ43、第2カメラ44は反射像取得装置及び前眼部像取得装置の両機能を備える。
【0039】
第1カメラ43及び第2カメラ44は、被検眼Eによる反射像及び前眼部像の各々を実質的に同時に撮影する。ここで、「実質的に同時」とは、第1カメラ43、第2カメラ44による撮影において、眼球運動を無視できる程度の撮影タイミングのずれを許容することを示す。それにより、被検眼Eが同じ位置にあるときの画像を2以上配置したカメラによって取得することができる。このため、これらの画像を解析することにより、瞳孔や輝点の位置をXYZ方向で特定できる。
【0040】
空気チャンバー11には、空気噴射装置70(図4参照:図2には示していない)から空気が送出され、送出された空気は気流吹付ノズル8から被検眼Eに向け噴出される。なお、図中符号12は前眼部ガラス、符号13、14はチャンバーガラスを示している。空気チャンバー11には、ロータリーソレノイドで駆動されるピストンでシリンダ内の空気を圧縮して、圧縮された空気を空気チャンバー11に送り出す。
【0041】
空気チャンバー11後方には、眼圧測定系10、圧平光照射系20、及び固視光照射系30の光軸が配置され、眼圧測定系10、圧平光照射系20、固視光照射系30の光軸は、気流吹付ノズル8中に配置される。また、空気チャンバー11には、チャンバー窓ガラス14が配置され、このチャンバー窓ガラス14には、眼圧測定系10、圧平光照射系20及び固視光照射系30の軸O1が貫通する。チャンバー窓ガラス14は、光の反射の影響をなくすため軸O1に対して所定の角度をもって傾斜配置されている。
【0042】
<非接触式眼圧計の光学系>
図2(a)に示すように、眼圧測定系10は、第1ダイクロイックミラー15、結像レンズ16、赤外線センサから構成される圧平センサ17、ピンホール18を備える。また、圧平光照射系20は、赤外光源である圧平光源21、絞り22を備える。更に、固視光照射系30は、可視光、例えば緑色の固視光源31、絞り32を備える。圧平光照射系20と固視光照射系30とは第2ダイクロイックミラー24で結合され、コリメータレンズ25で平行光とされ、第1ダイクロイックミラー15に導かれ、空気チャンバー11から気流吹付ノズル8を経て被検眼Eに照射される。
【0043】
本実施形態では、圧平光照射系20の圧平光源21は、所定の直径の赤外光を被検眼Eに照射する。圧平センサ17は、被検眼Eからの反射光を検出する。気流吹付ノズル8から被検眼Eに空気を噴出したとき、圧平センサ17で検出された角膜形状の変化に基づく反射光量の変化を計測して眼圧を測定する。
【0044】
圧平光照射系20において、圧平光源21からの赤外光は、絞り22を透過後、第2ダイクロイックミラー24で反射されコリメータレンズ25で平行光束とされる。そして、第1ダイクロイックミラー15で反射され、チャンバー窓ガラス14、気流吹付ノズル8の内部を通過して、被検眼Eの角膜を照明する。圧平光照射系20と、固視光照射系30は、第2ダイクロイックミラー24で同軸として合成され被検眼Eに照射される。
【0045】
なお、第2ダイクロイックミラー24は、固視光照射系30からの可視光域の波長を透過するとともに、圧平光照射系20からの赤外光域の波長を反射する。第2ダイクロイックミラー24は、上述した特性の誘電体多層膜が形成されている。第1ダイクロイックミラー15は、可視光域の波長をほぼ反射し、赤外域の波長は一部透過、一部を反射する特性を有する。第2ダイクロイックミラー24は、多層膜ミラーであり、一般的には透過率50%、反射率を50%とするが、透過率が低く、反射率が高くなるような構成でもよい。
【0046】
被検眼Eの角膜で反射した赤外光は、気流吹付ノズル8の内側、チャンバー窓ガラス14、第1ダイクロイックミラー15を通過し、結像レンズ16、ピンホール18を透過して圧平センサ17に至る。圧平センサ17は、角膜から反射されピンホール18を透過した赤外光の光量の変化を検出する。これにより、被検眼Eの眼圧が測定される。
【0047】
即ち、角膜は噴射された空気の圧力により扁平となり陥凹する。ピンホール18は角膜が平面になったとき結像レンズにより光源と共役になるように配置されている。このため、角膜が凸面から平面、凹面へと変化するとき平面になったときに最大の光量がピンホール18を透過して圧平センサ17に入射する。よって、空気の噴射開始から圧平センサ17での受光量が最大になったときが、角膜が平面になったと判断される。ここで、空気チャンバー11には空気チャンバー11の内圧を検出する圧力計が配置され、上記光量が最大となったとき(角膜が平面になったとき)、検出された圧力値が眼圧値として測定される。
【0048】
被験者は略無限遠方に結像する固視光源31の像を固視することで視線を測定光軸に固定する。なお、固視光源31で絞りを照明して、この絞りを二次的な光源とすることができる。
【0049】
<非接触式眼圧計の制御系>
次に実施形態に係る非接触式眼圧計Sの制御系について説明する。図4は同非接触式眼圧計眼科装置の制御システムを示すブロック図である。非接触式眼圧計Sには、上述した各部の他、空気チャンバー11に圧縮空気を導入する空気噴射装置70、支持部1の顎受けを上下動させる顎受け駆動モータ81、初期位置スイッチ91、装置本体4の駆動機構100、プリンタ部110、通信部120、制御部130を備える。
【0050】
空気噴射装置70には、空気チャンバー11に圧送される空気を圧送するピストンを駆動するロータリーソレノイド71、空気チャンバー11内の圧力を測定する圧力センサ72を備える。
【0051】
初期位置スイッチ91は、非接触式眼圧計S起動時や被検眼の測定完了後に、非接触式眼圧計Sの各可動部を初期位置にリセットするために使用される。駆動機構100は、装置本体4を支持部1に対して、XY、Z方向に相対移動させてアライメントを行う。モニタ6は、例えば液晶表示装置で構成され、第1カメラ43、第2カメラ44で撮影された前眼部の画像等、必要な情報等が表示される。操作部は、上述した操作ノブ5を含む様々な操作手段を備える。操作部はモニタ6に取り付けられたタッチパネルから入力可能な構成でもよい。プリンタ部110は、測定結果等を用紙に印刷する。通信部120は、測定結果を電子カルテシステムや他の装置に伝送する他、バーコードリーダーで読み取った被験者ID等を受信する。
【0052】
制御部130は、演算処理部140、駆動制御装置である駆動制御部150を備える。演算処理部140は、画像処理等を行う。駆動制御部150は、CPU(Central Processing Unit)等からなる主制御部151、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなる記憶部152を備える。主制御部151で記憶部152に格納されたプログラムにより本発明の眼科装置の制御方法を実行して後述した各処理を行う。
【0053】
<非接触式眼圧計Sの概略動作>
図5は同非接触式眼圧計の基本動作手順を示すフローチャートである。本実施形態に係る非接触式眼圧計Sで被験者の眼圧を測定するには、まず被験者を支持部1に位置設定し(ステップS1)、次いで第1の位置合わせ処理(ステップS2)を行い、次いで第2の位置合わせ処理(ステップS3)を行う。これらの処理により、気流吹付ノズル8の先端を被検眼Eに位置合わせするととともに角膜頂点に対して距離合わせを行う。そして、アライメントが完了した後に眼圧の測定を行う(ステップS4)。
【0054】
<第1の位置合わせ処理>
本実施形態に係る非接触式眼圧計Sでは、第1の位置合わせ処理として、被検眼Eを異なる方向から撮影する第1カメラ43、第2カメラ44により前眼部像を取得し、2つの前眼部像に基づいてXYZ方向に大まかなアライメントを実施する。第1の位置合わせ処理の完了後、装置本体4を規定量(例えば3mm)だけ後退させた後、第1カメラ43で取得した第1光源41の被検眼Eの角膜頂点における反射像及び第2カメラ44で取得した第2光源42の被検眼Eの角膜頂点における反射像に基づいて第2の位置合わせ処理としてXYZ方向の精密な位置合わせを行う。
【0055】
ここで、前眼部像の瞳孔を基準とする第1の位置合わせ処理は瞳孔の位置を公知の手法により検出して、瞳孔の位置を検出する。しかし、第1の位置合わせ処理では、角膜頂点Tに対する位置合わせ特にZ方向の位置を厳密に合わせることが難しい。これは、角膜より奥側にある瞳孔の位置に基づいて位置合わせを行うためである。そこで本実施形態では、第1の位置合わせ処理で概略の位置合わせを行った後、角膜頂点における反射像を用いた第2の位置合わせを行い、ヘッド部7の角膜頂点への位置合わせを正確に行う
【0056】
<第2の位置合わせ処理>
以下第2の位置合わせ処理について説明する。図6は同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のZ方向位置と反射像との関係を示す模式図、図7は同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のX方向位置と反射像との関係を示す模式図、図8は同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のXYZ方向位置と反射像との関係を示す模式図である。
【0057】
被検眼Eと気流吹付ノズル8先端との距離について図6に基づいて説明する。例えば第1カメラ43で第1光源41の被検眼Eの角膜による反射像を取得する。図3(a)に示すように、気流吹付ノズル8の先端からWDだけ離れた位置を被検眼Eの想定位置である基点STとする。そして、被検眼Eの角膜頂点Tが、基点STに対して遠い場合(図6(b))、合致している場合(同図(c))、近い場合(同図(d))にあるときの反射画像について検討する。
【0058】
被検眼Eの角膜頂点Tが基点STに対して遠い場合、同図(b)に示すように、反射画像60の輝点61は、軸O2から軸O1側に生成される。そして輝点61はややぼけている。
【0059】
また、被検眼Eの角膜頂点Tが基点STに合致している場合、同図(c)に示すように、反射画像60の輝点61は、軸O2に生成される。そして輝点61は合焦してはっきりと現れる。
【0060】
更に、被検眼Eの角膜頂点Tが基点STより近い場合、同図(d)に示すように、反射画像60の輝点61は、軸O2にから軸O1と反対側にずれて生成される。そして輝点61はややぼけている。
【0061】
このような条件で、被検眼EがX方向にずれていても、図7(d)に示すように、輝点61は軸O1より軸O2側に生成される。これは図6(b)に示す被検眼Eが基点STから離れている場合の反射像と類似している。このため、1台のカメラでは、X方向のずれとZ方向のずれとは区別できないことがある。本実施形態では、被検眼EのZ方向(遠近)のずれと、X方向のずれを第1カメラ43で取得した反射画像(第1反射画像R1)と、第2カメラ44で取得した反射画像(第2反射画像R2)により判定する。
【0062】
図8は同非接触式眼圧計における撮影装置に対する被検眼のXYZ方向位置と反射像との関係を示す模式図である。被検眼Eの角膜頂点Tが基点STと合致したとき、第1反射画像R1及び第2反射画像R2の輝点61、61は中央位置に生成される。角膜頂点Tが基点STより近いときは、同図(b)に示すように、第1反射画像R1及び第2反射画像R2において、2つの輝点61、61は中央位置から図中で離間する方向に離れる。また、角膜頂点Tが基点STより遠いときは、同図(c)に示すように、第1反射画像R1及び第2反射画像R2において2つの輝点61、61は軸O2、軸O3から軸O1側に移動する。
【0063】
一方、角膜頂点TがX方向にずれたときは、同図(d)、(e)に示すように、第1反射画像R1及び第2反射画像R2において2つの輝点61、61は軸O2、軸O3からX軸上を同方向に移動する。更に、角膜頂点TがY方向にずれたときは、同図(f)、(g)に示すように、第1反射画像R1及び第2反射画像R2において2つの輝点61、61は軸O2、軸O3からY軸上を方向に反対方向に移動する。
【0064】
本実施形態では以上のようにして、第1カメラ43及び第2カメラ44で取得した2つの反射像から気流吹付ノズル8の先端に対する被検眼Eの角膜頂点Tの位置を取得する。しかし、この手法は「光てこ」の原理を使用しているため、被検眼Eの微小変位が反射像に拡大されて反映される。このため、被検眼Eの角膜頂点Tが大きくずれていると、第1カメラ43及び第2カメラ44では検出できないことがある。
【0065】
そこで、本実施形態では、第1カメラ43、第2カメラ44で被検眼Eの前眼部像を取得し、これにより第1の位置合わせ処理を行い、更に第2の位置合わせ処理として、上述した反射像に基づく位置合わせを行う。
【0066】
<非接触式眼圧計の基本的動作手順>
以下、眼圧測定の手順の詳細について説明する。図9は同非接触式眼圧計の動作手順を示すフローチャートである。まず、非接触式眼圧計Sにおいて、制御部130により、固視光源31を点灯して、固視光を被検眼Eに照射する(ステップSA1)。次いで、制御部130は、第1位置合わせ処理を行う。即ち、制御部130は、前眼部照明光源19を点灯して被検眼Eを赤外光で照明する(ステップSA2)。これにより、被検眼Eの前眼部像が第1カメラ43、第2カメラ44で撮像される。制御部130は、2枚の前眼部像に基づいて瞳孔を探察し(ステップSA3)、瞳孔を検出したら(ステップSA4のYes)、瞳孔中心を演算し(ステップSA5)、この瞳孔中心の位置に基づいて駆動機構100を駆動して、XYZ方向に位置合わせ(XYZアライメント)を行う(ステップSA6)。
【0067】
なお、この処理で瞳孔が検出されない場合(ステップSA4のNO)は、検査者による手動のアライメントを行い(ステップSA14)を行う。瞳孔を検出できないのは、顔HBに対して支持部1の調整があっておらず第1カメラ43、第2カメラ44は被検眼E以外の顔HBの部分を撮像している場合である。検査者は被験者の顔HBが支持部1に正しく配置されるように支持部1の高さを調整し、更に検査者は、モニタ6を観察しつつ操作ノブ5を操作して駆動機構100を動作させて、装置本体4を移動し、第1カメラ43、第2カメラ44で被検眼Eが観察できるように調整する。
【0068】
XYZアライメントが終了した状態(ステップSA7)ではいまだ、気流吹付ノズル8は被検眼Eに対して適正位置ではないことがある。このため、制御部130は、第2位置合わせ処理を行う。この処理に先立って、制御部130は、駆動機構100を駆動して気流吹付ノズル8をZ方向に例えば3mm後退させる(ステップSA7)。
【0069】
次いで、制御部130は、第2の位置合わせ処理を行う。まず、制御部130は、第1光源41と第2光源42を点灯する(ステップSA8)。そして、第1カメラ43及び第2カメラ44で被検眼Eの角膜頂点Tにおける第1光源41、第2光源42の反射像を取得する(ステップSA9)。次いで、制御部130は、各反射像における輝点の重心を演算し、上述した手法で気流吹付ノズル8先端と被検眼Eの角膜頂点Tとの位置関係に基づいて駆動機構100を駆動してXYZ方向の位置合わせ(XYZアライメント)を行う(ステップSA11)。そして、制御部130は、空気噴射装置70を駆動して気流吹付ノズル8から空気を被検眼Eに噴出し、反射光を圧平センサ17で検出し、眼圧を測定する(ステップSA13)。なお、XYのアライメントに関してはアライメント中に圧平光源21を点灯し、これが角膜で反射して生じたプルキンエ像の位置に基づいて位置合わせを行っても良い。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る非接触式眼圧計Sは、2つの前眼部像に基づいて第1の位置合わせ処理を行ったのち、一端、装置本体4を後退させた後、第1光源及び第2光源の被検眼Eの角膜頂点Tによる2枚の反射像に基づいて第2の位置合わせを行う。よって、非接触式眼圧計Sは、被検眼Eの角膜頂点Tを直接検出することができ、被験者の前房深度や角膜曲率の差を考慮する必要がなく、正確に気流吹付ノズル8の角膜頂点Tに対する位置合わせを行うことができる。
【0071】
なお、図9に示した例では、第1位置合わせ処理によって被検眼の瞳孔にアライメントを行い、この後平均的な前房深度(3mm)分後退し、第2位置合わせ処理を開始する構成としたが、第1位置合わせ処理におけるアライメント完了位置を瞳孔の前方3mmの位置とすることもできる。この場合被検眼に近接しすぎることなく第1位置合わせから第2位置合わせにスムーズに移行することができる。
【0072】
また、図9に示した例では、第1位置合わせ処理において、前眼部像を第1カメラ43、第2カメラ44を用いて取得したが、第1カメラ43、第2カメラ44とは別に赤外線撮影装置である前眼部カメラ23(図3参照)を配置し、この前眼部カメラ23で被検眼Eの前眼部像を取得することができる。この場合、第1カメラ43、第2カメラ44はもっぱら第1光源41、第2光源42の反射像を取得するために使用される。また、反射像を取得する光源及びカメラの組を2組としたが、これの組は2組以上であればよく、例えば3組備えるようにしてもよい。
【0073】
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。図10は本発明の第2実施形態に係る眼科装置のおける同非接触式眼圧計における被検眼とカメラ及び光源の位置関係を示す模式図であり、(a)は被検眼とカメラ及び光源の位置を示す正面図、(b)は上面図である。
【0074】
本実施形態では、第1光源41、第2光源42、第1カメラ43、第2カメラ44を気流吹付ノズル8の軸O1を通る水平面Hに配置している。第1カメラ43及び第1カメラ43は軸O3と同一の角度δをなすように軸O2、軸O3を配置する。また、第1カメラ43、第2カメラ44の軸O2、軸O3上に、ハーフミラーやダイクロイックミラーからなる反射部材45、46を配置し、第1光源41及び第2光源42を第1カメラ43、第2カメラ44の鏡像の位置に配置する。これにより、第1光源41及び第2光源42からの光が被検眼Eに軸O2及び軸O3に沿って照射される。
【0075】
<その他の実施形態>
上記各例では、第1光源41及び第1カメラ43が軸O1となす角度と、第2光源42及び第2カメラ44が軸O1となす角度とを同一とした。本発明では、この角度を異なるものとできる。図11は本発明の他の実施形態に係る非接触式眼圧計を説明する模式図である。
【0076】
図11(a)に示した例は、第1光源41、第1カメラ43が軸O1に対してなす角度aと、第2光源42、第2カメラ44が軸O1に対してなす角度bとしたものである。また、同図(b)に示した例は、第1光源41、第1カメラ43が軸O1に対してなす角度cとし、第2光源42、第2カメラ44の軸を軸O1と一致させたものである。この例では、第2カメラ44において、レンズ44aと撮像素子44bとお間にハーフミラー44cを配置し、第1光源41からの光を軸O1に導いている。これを非接触式眼圧計Sに配置するには、例えば、図2(b)に示した例にこの第2カメラ44を付加する場合には、眼圧測定系10の圧平センサ17に到る光路中に新たなハーフミラーを軸O1に対して45°の角度で配置し、この第2カメラ44を取付ける。これらの例によっても第1実施形態及び第2実施形態と同様に光源の角膜頂点Tでの2つの反射像を取得して位置合わせ処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
1:支持部
2:装置ベース
3:架台
4:装置本体
5:操作ノブ
5a:測定ボタン
6:モニタ
7:ヘッド部
8:気流吹付ノズル
10:眼圧測定系
11:空気チャンバー
12:前眼部窓ガラス
14:チャンバー窓ガラス
15:第1ダイクロイックミラー
16:結像レンズ
17:圧平センサ
18:ピンホール
19:前眼部照明光源
20:圧平光照射系
21:圧平光源
22:絞り
23:前眼部カメラ
24:第2ダイクロイックミラー
25:コリメータレンズ
29:前眼部エリアセンサ
30:固視光照射系
31:固視光源
32:絞り
41:第1光源
42:第2光源
43:第1カメラ
44:第2カメラ
44a:レンズ
44b:撮像素子
44c:ハーフミラー
45、46:反射部材
60:反射画像
61:輝点
70:空気噴射装置
71:ロータリーソレノイド
72:圧力センサ
81:顎受け駆動モータ
91:初期位置スイッチ
100:駆動機構
110:プリンタ部
120:通信部
130:制御部
140:演算処理部
150:駆動制御部
151:主制御部
152:記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11