特開2018-51707(P2018-51707A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本サカス株式会社の特許一覧

特開2018-51707水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法
<>
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000003
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000004
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000005
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000006
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000007
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000008
  • 特開2018051707-水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-51707(P2018-51707A)
(43)【公開日】2018年4月5日
(54)【発明の名称】水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/10 20060101AFI20180309BHJP
   B24B 19/00 20060101ALI20180309BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20180309BHJP
【FI】
   B24B55/10
   B24B19/00 Z
   B23Q11/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-192373(P2016-192373)
(22)【出願日】2016年9月30日
(11)【特許番号】特許第6191750号(P6191750)
(45)【特許公報発行日】2017年9月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成28年6月6日に、株式会社タデエンがサンシャイン水族館において実施したことにより公開。 〔刊行物等〕 平成28年6月13日にツイッターのウェブサイトにおいて電気通信回線を通じて発表。 〔刊行物等〕 平成28年6月13日に、株式会社タデエンがサンシャイン水族館において実施したことにより公開。 〔刊行物等〕 平成28年6月15日付の中国新聞朝刊第9面にて刊行物を通じて発表。 〔刊行物等〕 平成28年6月16日にツイッターのウェブサイトにおいて電気通信回線を通じて発表。 〔刊行物等〕 平成28年6月28日付の経済レポート第9頁にて刊行物を通じて発表。
(71)【出願人】
【識別番号】516294768
【氏名又は名称】日本サカス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161300
【弁理士】
【氏名又は名称】川角 栄二
(72)【発明者】
【氏名】蓼 雅治
(72)【発明者】
【氏名】川野 義史
【テーマコード(参考)】
3C047
3C049
【Fターム(参考)】
3C047FF09
3C047GG17
3C047HH18
3C047JJ11
3C047JJ15
3C049AA04
3C049AC05
3C049CB03
(57)【要約】
【課題】 水槽から水を抜くことなく、粉塵の飛散を防止しつつ水中で水槽の壁面を研磨することができる、水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 水中で水槽の壁面Wを研磨する水槽壁面研磨装置100であって、一の方向に開口10aを有する箱状の研磨室10と、開口10aが壁面Wにより閉塞された時に、この壁面Wに当接するよう研磨室10内に配置されている研磨部材20と、その出力軸を介して研磨部材20を空気圧により回転駆動するエアモータ30とを備え、開口10aの縁部が弾性体からなる水密シール13で構成されており、研磨室10に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、この吸引口を介して研磨室10内の粉塵が水とともに排出される。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中で水槽の壁面を研磨する水槽壁面研磨装置であって、
一の方向に開口を有する箱状の研磨室と、
前記開口が前記壁面により閉塞された時に、当該壁面に当接するよう前記研磨室内に配置されている研磨部材と、
その出力軸を介して前記研磨部材を空気圧により回転駆動するエアモータとを備え、
前記開口の縁部が弾性体からなる水密シールで構成されており、
前記研磨室に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、当該吸引口を介して前記研磨室内の粉塵が水とともに排出される
ことを特徴とする水槽壁面研磨装置。
【請求項2】
前記エアモータが、前記出力軸を回転可能に支持する筐体を有し、
前記筐体には、前記研磨室に連通する貫通孔が設けられており、
前記出力軸が、前記貫通孔を貫通しつつ直接的又は間接的に前記研磨部材に結合されており、
前記貫通孔を気密にする気密手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の水槽壁面研磨装置。
【請求項3】
板状の回転体がその一の面で前記出力軸に結合されており、
前記回転体の他の面に前記研磨部材が装着されており、
前記気密手段が、前記出力軸の回転中心と同心に配置された円筒状の弾性体からなる気密シールを有し、
前記気密シールの一端が前記筐体に密着しており、
前記気密シールの他端が前記回転体の前記一の面に隙間なく接触している
ことを特徴とする請求項2に記載の水槽壁面研磨装置。
【請求項4】
前記研磨室が、
前記エアモータに結合され前記出力軸の回転中心と同心に配置された円形の隔壁と、
前記隔壁の周縁から前記開口に向けて前記出力軸の回転中心に沿って延びる円筒状の側壁と、
前記水密シールとにより区画されており、
前記水密シールが、前記出力軸の回転中心に沿って延びる円筒状に形成されており、
前記水密シールの基端が前記側壁に水密に結合されており、
前記水密シールの先端が前記開口を構成する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水槽壁面研磨装置。
【請求項5】
前記隔壁に前記吸引口が複数設けられており、
複数の前記吸引口が同一円周上で円周方向に等間隔に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載の水槽壁面研磨装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の水槽壁面研磨装置を用いて水中で水槽の壁面を研磨する方法であって、
前記水槽壁面研磨装置の前記開口を前記壁面に付けて閉塞させるステップと、
前記水槽壁面研磨装置の前記研磨部材を前記壁面に押し当てるステップと、
前記水槽壁面研磨装置の前記吸引口に接続した水ポンプを作動させて前記研磨室内を吸引するステップと、
前記エアモータを空気圧により駆動させて前記研磨部材を回転させるステップと、
前記研磨部材を前記壁面に押し当てたまま前記水槽壁面研磨装置を移動させるステップとを備える
ことを特徴とする水槽壁面研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中で水槽の壁面を研磨する装置及び方法に関し、特に水族館に設置された大型水槽について、水槽から水を抜くことなく、通常通りの展示を続けながら壁面を研磨することが可能となる装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水族館に設置される水槽は大型化が進んでおり、ジンベイザメやマンタといった大型水生生物が展示される巨大水槽は、水族館の集客の目玉となっている。
【0003】
大型の水槽の壁面の多くは、その水圧に耐えられるだけの強度を確保するため、厚みのあるアクリル樹脂で成形されている。厚いアクリル樹脂を使用することにより、視界を妨げる柱を使用する必要がなくなるため、来館者に広大な水中の様子を遮ることなくクリアに見せることが可能となっている。
【0004】
ところで、水槽内を泳ぐ水生生物が、透明な壁面に衝突することは頻繁に発生する。特に大型水槽に展示されている水生生物は大型のものが多く、ヒレ等が衝突することによって、アクリル樹脂の壁面には凹凸やキズができる。アクリル樹脂の壁面に多くの細かなキズが存在する場合、白く曇ったように見え、透明度は低下する。また、水槽内の藻類がこのキズに入り込むと、透明度はさらに低下することになる。
【0005】
これまで水族館の多くは、アクリル樹脂の壁面が汚れて透明度が低下した時には、ダイバーが水槽に潜水して、スポンジ等で壁面を擦ることで清掃を行ってきた。しかし、スポンジでの清掃では藻類を除去することはできても、キズを除去することはできない。すなわち、水槽の壁面が白く曇った状態からクリアな状態に回復させることはできなかった。
【0006】
キズを除去して透明度を回復させるためには、壁面を研磨する必要がある。壁面を研磨するために使用される従来の研磨装置が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の装置は、研磨部材を被研磨面に押し当てて回転させることによって、被研磨面を研磨するよう構成された研磨装置であり、研磨により発生した粉塵が吸い取られて粉塵の飛散が防止されるよう構成されている。ただし特許文献1に記載の研磨装置は、水中ではなく陸上で使用することを前提としている。すなわち、特許文献1に記載の研磨装置は高圧空気を駆動源にしており、エジェクターにより発生する負圧を利用して粉塵を吸引しているため、水中では吸塵作用は機能しない。もしも水族館の水槽において吸塵がなされなければ、粉塵は水中に飛散することになるが、その場合、水槽内の生物に深刻な影響を与えることが懸念される。
【0007】
従って、従来の研磨装置を用いて水槽の壁面を研磨するためには、水槽から水を抜かなければならない。水槽から水を抜くためには、水槽の中の生物を一旦別の場所に移す必要がある。そのため、当然、研磨の作業期間中は水槽の生物を展示することができない。また、大型水槽で展示されている生物は大型である場合が多く、別の場所に移送するにも高額のコストがかかる。そもそも、その大型の生物を収容できるような移送先が見つからないこともある。最も集客力のある大型水槽での展示を休止したままで営業を続けると、水族館の魅力が減退し、来客数の減少を招きかねない。そのため現実には、開館以来一度も水槽の壁面を研磨することなく、多数のキズが入ったままで営業を続けている水族館は多い。すなわち、多くの水族館の水槽は、開館当初のクリアな視界が、実は失われているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−93817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明が解決しようとする課題は、水槽から水を抜くことなく、粉塵の飛散を防止しつつ水中で水槽の壁面を研磨することができる、水槽壁面研磨装置及び水槽壁面研磨方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、水中で水槽の壁面を研磨する水槽壁面研磨装置であって、一の方向に開口を有する箱状の研磨室と、前記開口が前記壁面により閉塞された時に、当該壁面に当接するよう前記研磨室内に配置されている研磨部材と、その出力軸を介して前記研磨部材を空気圧により回転駆動するエアモータとを備え、前記開口の縁部が弾性体からなる水密シールで構成されており、前記研磨室に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、当該吸引口を介して前記研磨室内の粉塵が水とともに排出されることを特徴とする水槽壁面研磨装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記エアモータが、前記出力軸を回転可能に支持する筐体を有し、前記筐体には、前記研磨室に連通する貫通孔が設けられており、前記出力軸が、前記貫通孔を貫通しつつ直接的又は間接的に前記研磨部材に結合されており、前記貫通孔を気密にする気密手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の水槽壁面研磨装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、板状の回転体がその一の面で前記出力軸に結合されており、前記回転体の他の面に前記研磨部材が装着されており、前記気密手段が、前記出力軸の回転中心と同心に配置された円筒状の弾性体からなる気密シールを有し、前記気密シールの一端が前記筐体に密着しており、前記気密シールの他端が前記回転体の前記一の面に隙間なく接触していることを特徴とする請求項2に記載の水槽壁面研磨装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記研磨室が、前記エアモータに結合され前記出力軸の回転中心と同心に配置された円形の隔壁と、前記隔壁の周縁から前記開口に向けて前記出力軸の回転中心に沿って延びる円筒状の側壁と、前記水密シールとにより区画されており、前記水密シールが、前記出力軸の回転中心に沿って延びる円筒状に形成されており、前記水密シールの基端が前記側壁に水密に結合されており、前記水密シールの先端が前記開口を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水槽壁面研磨装置である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記隔壁に前記吸引口が複数設けられており、複数の前記吸引口が同一円周上で円周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の水槽壁面研磨装置である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の水槽壁面研磨装置を用いて水中で水槽の壁面を研磨する方法であって、前記水槽壁面研磨装置の前記開口を前記壁面に付けて閉塞させるステップと、前記水槽壁面研磨装置の前記研磨部材を前記壁面に押し当てるステップと、前記水槽壁面研磨装置の前記吸引口に接続した水ポンプを作動させて前記研磨室内を吸引するステップと、前記エアモータを空気圧により駆動させて前記研磨部材を回転させるステップと、前記研磨部材を前記壁面に押し当てたまま前記水槽壁面研磨装置を移動させるステップとを備えることを特徴とする水槽壁面研磨方法である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、水中で粉塵を飛散させることなく、水槽の壁面を研磨できる水槽壁面研磨装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、研磨室内に気泡が発生せず、粉塵が研磨室外に流出することのない水槽壁面研磨装置を提供することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、簡易な構成で研磨室内の気泡の発生を防止するような水槽壁面研磨装置を提供することが出来る。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、簡易な構成で研磨室が確実に水密となるような水槽壁面研磨装置を提供することが出来る。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、研磨室内の圧力分布に大きな偏りがなく、研磨室外への粉塵の流出のおそれが少ない水槽壁面研磨装置を提供することが出来る。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、水中で粉塵を飛散させることなく、水槽の壁面を研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る水槽壁面研磨装置の部分破断側面図である。
図2図1におけるA−A矢視図である。
図3図1におけるB−B部分断面図である。
図4図3における気密手段付近を拡大して示す拡大部分断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る水槽壁面研磨装置に配管を接続した状態を示す概略図である。
図6】本発明の実施形態に係る水槽壁面研磨装置を使用して水中で水槽の壁面を研磨する場合の全体構成を示す概略図である。
図7図6における水槽壁面研磨装置付近を拡大して90°反時計回りに回転して示す部分破断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を適用した水槽壁面研磨装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0024】
本発明に係る水槽壁面研磨装置の実施形態について、図1〜4に基づき説明する。図1は、本発明の実施形態に係る水槽壁面研磨装置の部分破断側面図である。図2は、図1におけるA−A矢視図である。図3は、図1におけるB−B部分断面図である。図4は、図3における気密手段付近を拡大して示す拡大部分断面図である。
【0025】
まず、本発明に係る水槽壁面研磨装置の全体の構成について図1〜3に基づき説明する。なお、以下の説明における「上」「下」は、図1における上下方向を示すものとする。水槽壁面研磨装置100は、箱状の研磨室10、研磨室10内に配置されている研磨部材20、研磨部材20を回転駆動するエアモータ30を有している。
【0026】
研磨室10は、図1及び図2に示すように、隔壁11、環状部材12及び水密シール13を有している。隔壁11はその中心に貫通孔を有する円板状の部材であり、環状部材12は、フランジ12bと、フランジ12bから垂直方向に延びる円筒状の側壁12aとからなる環状の部材である。隔壁11及び環状部材12はいずれも硬質の樹脂からなり、同一の外径を有する。環状部材12のフランジ12bの上面が隔壁11の下面に結合されることにより、隔壁11と環状部材12とは一体化しており、隔壁11の周縁から環状部材12の側壁12aが垂直に延びるよう構成される。本実施形態では隔壁11と環状部材12とは、ボルト・ナット(図示省略)によって結合されているが、接着など任意の方法で結合することが出来る。なお、隔壁11の中心の貫通孔については後述する。
【0027】
水密シール13は通水性を有さない弾性体の材料からなる円筒状の部材であり、水密シール13の内面が側壁12aの外面に密着することにより、水密シール13が環状部材12に固定されている。水密シール13は環状部材12に接着されてもよく、また、外周に粘着テープを巻いて、水密シール13を環状部材12に強固に固定することもできる。
【0028】
このように隔壁11、環状部材12及び水密シール13が一体化されて、研磨室10が形成されている。水密シール13の先端13bが研磨室10の開口10aを形成し、基端13aは側壁12aに水密に結合されている。なお、水密シール13は、環状部材12の開口端12cから、下方向に突出するように配置されている。このように配置されることにより、研磨室10のうち、環状部材12の開口端12cから開口10aまでの区間は、弾性を有するよう構成される。
【0029】
また、隔壁11には、図2,3に示すように、貫通孔11a,11bが設けられており、それぞれに屈曲する継手15,16が結合されている。これにより、継手15,16それぞれの開口部15a,16aと貫通孔11a,11bがそれぞれ繋がっている。すなわち、開口部15a,16aはそれぞれ貫通孔11a,11bを介していずれも研磨室10内と連通している。
【0030】
なお貫通孔11a,11bは、図2に示すように、円板状の隔壁11において同一円周上に配置されており、貫通孔11aと貫通孔11bとは、隔壁11の中心を挟んで180°対向して位置している。
【0031】
研磨室10は、隔壁11の中心の貫通孔を介して、エアモータ30と結合されている。エアモータ30は、図3に示すように、研磨室10の隔壁11を貫通するようにして設けられており、エアモータ30の上部には、使用者がこの水槽壁面研磨装置100を掴むための把手100aが形成されている。エアモータ30は、圧縮空気の空気圧を駆動源として、回転中心CLを中心に出力軸31を回転させる。エアモータ30には、その筐体32に給気ポート34及び排気ポート35が設けられており、給気ポート34を通って導入された圧縮空気が、筐体32の内部に収容され出力軸31に結合されているロータ(図示省略)を回転させ、ロータに回転エネルギを与えた空気は排気ポート35を通って外部に排気される。
【0032】
図1に示すように、エアモータ30には、給気ポート34から供給される圧縮空気の流量を制限するバルブ37が設けられており、バルブ37の開度は操作レバー36によって操作される。操作レバー36は把手100aの上方に配置されつつ、ヒンジ36aを中心に回転するよう構成されており、操作レバー36がバルブ37を押すことで、バルブ37の開度が変化する。水槽壁面研磨装置100の使用者は、把手100aを掴みつつ掌で操作レバー36を押圧することによって、エアモータ30の回転数を調整することができる。
【0033】
図3に示すように、エアモータ30の出力軸31には、板状の回転体51が結合されており、回転体51には円板状の研磨部材20が装着されている。具体的には、切頭円錐形状の回転体51の上面51aからはボルト52が突出しており、ボルト52が出力軸31に結合されている。また、回転体51の下面51bと研磨部材20の上面には互いに着脱可能となる面ファスナー(図示省略)が設けられており、研磨部材20は面ファスナーにより回転体51に装着される。研磨部材20の下面が被研磨面に当接した状態で研磨部材20が回転することで、被研磨面が研磨される。なお、本実施形態においては、回転体51、研磨部材20及び隔壁11それぞれの中心は、エアモータ30の出力軸31の回転中心CLと同心に配置されている。
【0034】
次に、エアモータ30と隔壁11の結合、及び出力軸31と回転体51の配置について、図4に基づき詳細に説明する。エアモータ30の筐体32の外周には、環状溝32b及び環状突起32cが上下に並んで設けられている。環状溝32bには、隔壁11の中心に設けられた貫通孔11cの縁がぴったりはめ込まれて、エアモータ30に対して隔壁11が固定されている。
【0035】
出力軸31は、筐体32に設けられた貫通孔32aを貫通して下方向に突出し、ベアリング33を介して筐体32により回転可能に支持されている。出力軸31には、筐体32に収容されているロータ(図示省略)のトルクが伝達されて回転する。
【0036】
出力軸31には雌ネジ部31aが設けられており、回転体51の上面から突出するボルト52がねじ込まれた上で、さらにナット53が締結されることで、出力軸31に回転体51が固定されている。
【0037】
出力軸31を支持する筐体32の最下部には、外形が円筒状に形成された円筒壁面32dが設けられており、そこに有底円筒状の環状部材42が嵌め込まれて配置されている。環状部材42の底壁42bにはその中心に貫通孔42cが設けられており、回転体51の上面から突出するボルト52が貫通孔42cを通っている。環状部材42の側壁42aの内径は筐体32の円筒壁面32dの外径と同一に設定されており、側壁42aの外径は環状突起32cの外径と同一に設定されている。環状部材42の底壁42bと回転体51の上面51aとの間には隙間が設けられるよう配置されている。なお、環状部材42は硬質の樹脂から形成されている。
【0038】
環状部材42の外側には、円筒状の気密シール41が配置されている。気密シール41は通水性及び通気性いずれもない弾性体で形成されている。気密シール41の内面が、環状部材42の側壁42aの外面及び筐体32の環状突起32cの外面に跨り弾性的に密着している。これにより、気密シール41はエアモータ30の出力軸31の回転中心CLと同心に配置されつつ、筐体32に対して回転方向に固定されている。なお本実施形態では、気密シール41はシリコンゴムにより形成されている。
【0039】
気密シール41の一端41aは隔壁11の下面に密着しつつ、他端41bは回転体51の上面に隙間なく接触するよう配置されている。この状態で回転体51は気密シール41に対して滑って回転可能である。なお、回転体51の上面のうち、気密シール41の下端面に接触する領域について、シリコンゴムを配置することができ、これによって、回転体51が回転している場合も確実に気密とすることが可能となる。
【0040】
前述したとおり、エアモータ30は圧縮空気により駆動される。すなわち、筐体32内のロータ(図示省略)が圧縮空気により回転するが、ロータに結合された出力軸31は、筐体32に設けられた貫通孔32aを貫通している。エアモータ30には前述のように排気ポート35が設けられているが、筐体32内でロータを回転させた空気は、排気ポート35からだけでなく、貫通孔32aを通って外部に漏洩するおそれがある。そこで、本実施形態のように、気密シール41が筐体32の貫通孔32aを囲うように気密に配置されていると、貫通孔32aからの排気の漏洩が防止される。すなわち、気密シール41及びこれを保持する環状部材42が、貫通孔32aを気密にする気密手段40として機能する。
【0041】
次に、本実施形態に係る水槽壁面研磨装置100を用いて、水中で水槽の壁面を研磨する方法について、図5〜7に基づき説明する。図5は、本発明の実施形態に係る水槽壁面研磨装置に配管を接続した状態を示す概略図である。図6は、本発明の実施形態に係る水槽壁面研磨装置を使用して水中で水槽の壁面を研磨する場合の全体構成を示す概略図である。図7は、図6における水槽壁面研磨装置付近を拡大して90°反時計回りに回転して示す部分破断側面図である。
【0042】
まず、水槽壁面研磨装置100に接続する配管について、図5,6に基づき説明する。水槽壁面研磨装置100の駆動源となる圧縮空気を供給するため、水槽の外部に設置したエアコンプレッサ73(図6参照)から延びる給気ホース71を、給気ポート34に接続する。排気ポート35には、排気ホース72を接続し、その先が水槽の水面より上に位置するよう配管する。これにより、水槽壁面研磨装置100の排気が直接外気に放出されるので、水槽の水中に気泡が発生しない。
【0043】
継手15,16には排水ホース61,62をそれぞれ接続する。二本の排水ホース61,62は、分岐管63を介して、一本の排水ホース64に接続され合流される。排水ホース64は、水槽の外部に設置された水ポンプ65(図6参照)に接続される。水ポンプ65を作動させることで、水槽壁面研磨装置100の研磨室10内の水が継手15,16を通じて排出される。
【0044】
図6に示すように、水槽壁面研磨装置100の研磨室10から吸引された水は、水ポンプ65を通過した後、排水ホース66を通り、ろ過手段67に送水される。ろ過手段67にはフィルターが設けられており、ここでろ過された水は排水ホース68を通り、水槽に戻されるよう構成されている。なお、水ポンプ65とろ過手段67の接続順は逆にすることも可能である。
【0045】
次に、本実施形態に係る水槽壁面研磨装置100を用いて、水中で水槽の壁面を研磨する手順について、図6,7に基づき説明する。水槽の外部に設置したエアコンプレッサ73及び水ポンプ65の電源をオンにする。そして水ポンプ65で発生する陰圧を制御手段(図示省略)を用いて設定する。これにより、水槽壁面研磨装置100の研磨室10内の水の吸引が開始される。
【0046】
そして、水槽壁面研磨装置100を把持し、開口10aを水槽壁面Wに向け、開口10aの縁の水密シール13を水槽壁面Wに付けて開口10aを閉塞させる。そして、研磨室10内の研磨部材20を水槽壁面Wに押し当て、操作レバー36を操作して、研磨部材20を回転させる。これにより、水槽壁面Wが研磨され、キズや凹凸が平滑化される。
【0047】
この時、図7に示すように開口10aは閉塞されており、研磨により発生した粉塵は研磨室10内に留まっている。そして研磨室10は排水ホース61,62を介して吸引されているため、研磨室10内の圧力は研磨室10外の圧力より低い。これにより、図7に示すように、弾性体である水密シール13が内側に曲がり、水密シール13と水槽壁面Wとの間の隙間から水が研磨室10内に流入する。そして研磨室10内の水が粉塵とともに、貫通孔11a,11bを通り、継手15,16、排水ホース61,62、分岐管63、排水ホース64を通り排水される。
【0048】
すなわち、研磨により発生した粉塵は、研磨室10から水とともに回収され、水ポンプ65を通過し、ろ過手段67でこし取られる。そのため粉塵が水槽内に放出されることはなく、生物の環境を汚染することが防止される。
【0049】
また、気密シール41がエアモータ30の貫通孔32aの気密を確保しているため(図4参照)、貫通孔32aから空気が漏洩して研磨室10内で気泡が発生することはなく、そのため粉塵が研磨室10外に流出するおそれもない。
【0050】
次に、研磨室10内の水の流れについて説明する。研磨室10内では、研磨室10内に配置された回転体51及び研磨部材20の回転に起因する渦状の流れと、水ポンプ65からの吸引に起因して発生する、水密シール13と水槽壁面Wとの間の隙間全周から研磨室10内に流入して貫通孔11a,11bから流出する流れの、二つが合成された流れが発生する。
【0051】
ここで、回転体51及び研磨部材20の回転に起因する渦状の流れは、回転中心CLを対称軸とする回転対称である。もしも、水ポンプ65からの吸引に起因して発生する流れが回転中心CLに関して回転非対称な流れであれば、合成された流れも回転非対称となる。研磨室10内の流れが非対称であれば、研磨室10内の圧力分布も非対称となり、圧力に大きな偏りが発生する。研磨室10内の圧力に大きな偏りがあれば、図7に示すような弾性体の水密シール13について局部的に変形が大きくなる箇所が生じ、そこから研磨室10内の粉塵を含んだ水が、水密シール13と水槽壁面Wとの間の隙間を通って外部に流出するおそれが高まる。この状態で粉塵の外部流出を回避するためには、水ポンプ65の陰圧を抑制するとともにエアモータ30の回転数を抑制する必要があるが、そうすると水槽壁面の研磨に時間がかかることになる。
【0052】
本実施形態に係る水槽壁面研磨装置100には、図2,3に示すように、研磨室10には二か所の吸引口が貫通孔11a,11bとして設けられており、回転中心CLを中心とする同心円上に、180°対向した位置に配置されている。このように吸引口を配置することによって、水ポンプ65からの吸引に起因して発生する流れは、回転中心CLに関して180°回転すれば一致するような、回転対称となる。従って、回転体51及び研磨部材20の回転に起因する渦状の流れと、水ポンプ65からの吸引に起因して発生する流れとが合成された流れも、回転対称となる。研磨室10内の流れが回転対称であれば、研磨室10内の圧力分布も回転対称となり、圧力の偏りは小さい。そのため、弾性体の水密シール13について局部的に変形が大きくなるおそれは小さく、研磨室10内の粉塵を含んだ水が、水密シール13と水槽壁面Wとの間の隙間を通って外部に流出するおそれは小さい。そのため、水ポンプ65の陰圧及びエアモータ30の回転数を抑制する必要がないため、研磨を迅速に行うことが可能となる。
【0053】
なお、研磨部材20と水槽壁面Wとが接触する圧力は、水ポンプ65の陰圧によって決まる。すなわち、陰圧が大きいと研磨室10が水槽壁面Wにより吸い付くようになり、研磨部材20が水槽壁面Wに接触する圧力はより高くなる。従って、水ポンプ65の陰圧に応じて、エアモータ30の回転数を操作レバー36で調整するとともに、水槽壁面研磨装置100を動かすスピードを適宜調整する。
【0054】
また、研磨部材20は回転体51に対して着脱可能である。そのため、使用する研磨部材20の目の粗さを段階的に細かくしてゆくことで、水槽壁面Wの凹凸を確実に除去し、水槽のクリアの視界を回復することが可能となる。
【0055】
また、研磨部材20は厚さ方向にクッション性を有するよう構成されており、これにより、研磨室10の開口10aを水槽壁面Wで閉塞させつつ、研磨部材20を水槽壁面Wに当接させることが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態に係る水槽壁面研磨装置100においては、回転体51及び研磨部材20の中心と、エアモータ30の出力軸31の回転中心CLとが一致しているが、これらを一致させずに偏心させて配置することも可能である。また、出力軸31とボルト52との間に遊星ギアを介在させて間接的に結合することにより、研磨部材20に自転しつつ公転するような運動をさせることも可能である。
【0057】
また、本実施形態においては、研磨室10を構成する隔壁11及び環状部材12の材質として硬質樹脂を用いているが、その一部又は全部にステンレス等の金属を用いることも可能である。これにより、吸引のため研磨室10内外で圧力差が生じた状態でも、研磨室10の変形を抑制することができる。
【符号の説明】
【0058】
100…水槽壁面研磨装置
100a…把手
10…研磨室
10a…開口
11…隔壁
11a…貫通孔(吸引口)
11b…貫通孔(吸引口)
11c…貫通孔
12…環状部材
12a…側壁
12b…フランジ
12c…開口端
13…水密シール
13a…基端
13b…先端
15,16…継手
15a,16a…開口部
20…研磨部材
30…エアモータ
31…出力軸
31a…雌ネジ部
32…筐体
32a…貫通孔
32b…環状溝
32c…環状突起
32d…円筒壁面
33…ベアリング
34…給気ポート
35…排気ポート
36…操作レバー
36a…ヒンジ
37…バルブ
40…気密手段
41…気密シール
41a…一端
41b…他端
42…環状部材
42a…側壁
42b…底壁
42c…貫通孔
51…回転体
51a…上面(一の面)
51b…下面(他の面)
52…ボルト
53…ナット
61,62…排水ホース
63…分岐管
64…排水ホース
65…水ポンプ
66…排水ホース
67…ろ過手段
68…排水ホース
71…給気ホース
72…排気ホース
73…エアコンプレッサ
CL…回転中心
W…壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2017年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中で水槽の壁面を研磨する水槽壁面研磨装置であって、
一の方向に開口を有する箱状の研磨室と、
前記開口が前記壁面により閉塞された時に、当該壁面に当接するよう前記研磨室内に配置されている研磨部材と、
その出力軸を介して前記研磨部材を空気圧により回転駆動するエアモータとを備え、
前記開口の縁部が弾性体からなる水密シールで構成されており、
前記研磨室に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、当該吸引口を介して前記研磨室内の粉塵が水とともに排出され
前記エアモータが、前記出力軸を回転可能に支持する筐体を有し、
前記筐体には、前記研磨室に連通する貫通孔が設けられており、
前記出力軸が、前記貫通孔を貫通しつつ直接的又は間接的に前記研磨部材に結合されており、
前記貫通孔を気密にする気密手段をさらに備え、
板状の回転体がその一の面で前記出力軸に結合されており、
前記回転体の他の面に前記研磨部材が装着されており、
前記気密手段が、前記出力軸の回転中心と同心に配置された円筒状の弾性体からなる気密シールを有し、
前記気密シールの一端が前記筐体に密着しており、
前記気密シールの他端が前記回転体の前記一の面に隙間なく接触している
ことを特徴とする水槽壁面研磨装置。
【請求項2】
水中で水槽の壁面を研磨する水槽壁面研磨装置であって、
一の方向に開口を有する箱状の研磨室と、
前記開口が前記壁面により閉塞された時に、当該壁面に当接するよう前記研磨室内に配置されている研磨部材と、
その出力軸を介して前記研磨部材を空気圧により回転駆動するエアモータとを備え、
前記開口の縁部が弾性体からなる水密シールで構成されており、
前記研磨室に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、当該吸引口を介して前記研磨室内の粉塵が水とともに排出され、
前記研磨室が、前記出力軸の回転中心と同心の円筒状に形成された側壁と、前記水密シールとを有し、
前記水密シールが円筒状に形成されており、その基端の内面が前記側壁の外面に密着しているとともに、その先端が前記開口を構成する
ことを特徴とする水槽壁面研磨装置。
【請求項3】
前記研磨室が、
前記エアモータに結合され前記出力軸の回転中心と同心に配置された円形の隔壁をさらに有し、
前記側壁が、前記隔壁の周縁から前記開口に向けて前記出力軸の回転中心に沿って延びており、
前記隔壁に前記吸引口が複数設けられており、
複数の前記吸引口が同一円周上で円周方向に等間隔に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の水槽壁面研磨装置。
【請求項4】
請求項1〜のいずれかに記載の水槽壁面研磨装置を用いて水中で水槽の壁面を研磨する方法であって、
前記水槽壁面研磨装置の前記開口を前記壁面に付けて閉塞させるステップと、
前記水槽壁面研磨装置の前記研磨部材を前記壁面に押し当てるステップと、
前記水槽壁面研磨装置の前記吸引口に接続した水ポンプを作動させて前記研磨室内を吸引するステップと、
前記エアモータを空気圧により駆動させて前記研磨部材を回転させるステップと、
前記研磨部材を前記壁面に押し当てたまま前記水槽壁面研磨装置を移動させるステップとを備える
ことを特徴とする水槽壁面研磨方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、水中で水槽の壁面を研磨する水槽壁面研磨装置であって、一の方向に開口を有する箱状の研磨室と、前記開口が前記壁面により閉塞された時に、当該壁面に当接するよう前記研磨室内に配置されている研磨部材と、その出力軸を介して前記研磨部材を空気圧により回転駆動するエアモータとを備え、前記開口の縁部が弾性体からなる水密シールで構成されており、前記研磨室に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、当該吸引口を介して前記研磨室内の粉塵が水とともに排出され、前記エアモータが、前記出力軸を回転可能に支持する筐体を有し、前記筐体には、前記研磨室に連通する貫通孔が設けられており、前記出力軸が、前記貫通孔を貫通しつつ直接的又は間接的に前記研磨部材に結合されており、前記貫通孔を気密にする気密手段をさらに備え、板状の回転体がその一の面で前記出力軸に結合されており、前記回転体の他の面に前記研磨部材が装着されており、前記気密手段が、前記出力軸の回転中心と同心に配置された円筒状の弾性体からなる気密シールを有し、前記気密シールの一端が前記筐体に密着しており、前記気密シールの他端が前記回転体の前記一の面に隙間なく接触していることを特徴とする水槽壁面研磨装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項2に記載の発明は、水中で水槽の壁面を研磨する水槽壁面研磨装置であって、
一の方向に開口を有する箱状の研磨室と、前記開口が前記壁面により閉塞された時に、当該壁面に当接するよう前記研磨室内に配置されている研磨部材と、その出力軸を介して前記研磨部材を空気圧により回転駆動するエアモータとを備え、前記開口の縁部が弾性体からなる水密シールで構成されており、前記研磨室に水ポンプが接続される吸引口が設けられており、当該吸引口を介して前記研磨室内の粉塵が水とともに排出され、前記研磨室が、前記出力軸の回転中心と同心の円筒状に形成された側壁と、前記水密シールとを有し、前記水密シールが円筒状に形成されており、その基端の内面が前記側壁の外面に密着しているとともに、その先端が前記開口を構成することを特徴とする水槽壁面研磨装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記研磨室が、前記エアモータに結合され前記出力軸の回転中心と同心に配置された円形の隔壁をさらに有し、前記側壁が、前記隔壁の周縁から前記開口に向けて前記出力軸の回転中心に沿って延びており、前記隔壁に前記吸引口が複数設けられており、複数の前記吸引口が同一円周上で円周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の水槽壁面研磨装置である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の水槽壁面研磨装置を用いて水中で水槽の壁面を研磨する方法であって、前記水槽壁面研磨装置の前記開口を前記壁面に付けて閉塞させるステップと、前記水槽壁面研磨装置の前記研磨部材を前記壁面に押し当てるステップと、前記水槽壁面研磨装置の前記吸引口に接続した水ポンプを作動させて前記研磨室内を吸引するステップと、前記エアモータを空気圧により駆動させて前記研磨部材を回転させるステップと、前記研磨部材を前記壁面に押し当てたまま前記水槽壁面研磨装置を移動させるステップとを備えることを特徴とする水槽壁面研磨方法である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、簡易な構成で研磨室内の気泡の発生を防止し、粉塵が研磨室外に流出することのない水槽壁面研磨装置を提供することが出来る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、簡易な構成で研磨室が確実に水密となるような水槽壁面研磨装置を提供することが出来る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、研磨室内の圧力分布に大きな偏りがなく、研磨室外への粉塵の流出のおそれが少ない水槽壁面研磨装置を提供することが出来る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
請求項に記載の発明によれば、水中で粉塵を飛散させることなく、水槽の壁面を研磨することができる。