特開2018-5328(P2018-5328A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 ゆうちょ銀行の特許一覧

特開2018-5328情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
<>
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000003
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000004
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000005
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000006
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000007
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000008
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000009
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000010
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000011
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000012
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000013
  • 特開2018005328-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-5328(P2018-5328A)
(43)【公開日】2018年1月11日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20171208BHJP
【FI】
   G06Q20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-127641(P2016-127641)
(22)【出願日】2016年6月28日
(71)【出願人】
【識別番号】507417422
【氏名又は名称】株式会社 ゆうちょ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】茅野 祥平
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA23
(57)【要約】
【課題】受取人がお金を送付物と同じタイミングで受け取ることが可能な技術を提供する。
【解決手段】情報を読み取る電子機器と通信可能な情報処理装置であって、送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、送金情報を電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成手段と、送付物が受け取られる場所において、電子機器が送付物とともに送付される情報記録体から読み取った送金情報を、電子機器から受信し、送金手続に係る送金処理を実行する送金手段と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を読み取る電子機器と通信可能な情報処理装置であって、
送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、前記送金情報を前記電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成手段と、
前記送付物が受け取られる場所において、前記電子機器が前記送付物とともに送付される前記情報記録体から読み取った前記送金情報を、前記電子機器から受信し、前記送金手続に係る送金処理を実行する送金手段と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記送金情報は、前記送付物を識別する第1の識別子及び前記送金手続を識別する第2の識別子である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電子機器は、前記情報記録体から読み取った前記送金情報を前記送付物の受取人に通知して、前記受取人から前記送金処理の実行可否の指示を受け付け、
前記送金手段は、前記実行可否の指示が前記送金処理の実行を指示する場合は、前記送金処理を実行し、前記実行可否の指示が前記送金処理の取消を指示する場合は、前記送金処理を取り消す、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記実行可否の指示は、前記受取人から前記送付人に通知する情報を含み、前記送金処理が実行され、又は前記送金処理が取り消されると、前記送付人に通知する情報を前記送付人に通知する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送金手段は、前記情報記録体が所定期間読み取られない場合は、前記送金処理を取り消す、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送金手段は、前記送付人に対して、前記送金処理を実行した場合は送金が完了した旨を通知し、前記送金処理を取り消した場合は送金が取り消された旨を通知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送金情報は、前記送付物の送付人から前記受取人に通知する情報を含み、
前記電子機器は、前記受取人に通知する情報を前記受取人に通知する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送金情報は、前記送付物の送付人から前記受取人に対する質問を含み、
前記電子機器は、前記情報記録体から読み取った前記質問を前記受取人に通知し、
前記送金手段は、前記電子機器から、前記質問に対する回答を受信した場合は、前記送金処理を実行し、前記質問に対する回答を受信しなかった場合は、前記送金処理を取り消す、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報を読み取る電子機器と通信可能な情報処理装置であって、
送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付ける端末が、前記送金情報を前記電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成し、前記送付物が受け取られる場所において、前記電子機器が前記送付物とともに送付される前記情報記録体から読み取った前記送金情報を、前記電子機器から受信し、前記送金手続に係る送金処理を
実行する送金手段を備える、
情報処理装置。
【請求項10】
情報を読み取る電子機器と、前記電子機器と通信可能な情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、前記送金情報を前記電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成手段と、
前記送付物が受け取られる場所において、前記電子機器が前記送付物とともに送付される前記情報記録体から読み取った前記送金情報を、前記電子機器から受信し、前記送金手続に係る送金処理を実行する送金手段と、を備え、
前記電子機器は、
前記情報記録体から前記送金情報を読み取る情報読取手段と、
読み取った前記送金情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備える、
情報処理システム。
【請求項11】
情報を読み取る電子機器と通信可能なコンピュータが、
送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、前記送金情報を前記電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成ステップと、
前記送付物が受け取られる場所において、前記電子機器が前記送付物とともに送付される前記情報記録体から読み取った前記送金情報を、前記電子機器から受信し、前記送金手続に係る送金処理を実行する送金ステップと、を実行する
情報処理方法。
【請求項12】
情報を読み取る電子機器と通信可能なコンピュータに、
送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、前記送金情報を前記電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成ステップと、
前記送付物が受け取られる場所において、前記電子機器が前記送付物とともに送付される前記情報記録体から読み取った前記送金情報を、前記電子機器から受信し、前記送金手続に係る送金処理を実行する送金ステップと、を実行させる
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送金手続を処理する情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
親子間での送金、又は、自治体や企業からの給付等による送金手続において、送金人からの口座振込は、受取人が振込を許可するか否かを確認することなく行われることが考えられる。このため、受取人は、送金人からの通知を受けるまで送金の事実を認識しない場合がある。送金人からの口座振込があった場合、例えば、受取人がATM(Automated Teller Machine)で振込内容を確認して振込による入金の可否を指示したり、受取人に対して振込依頼の受諾を通知するメールが送信されたりすることが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−235670号公報
【特許文献2】特開2003−36352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔地にプレゼント等の物資を送る際、祝い金等のお金を物資とともに送りたい場合がある。しかし、口座振込を利用せずにお金を物資と一緒に梱包して送ると、送付物が輸送中に紛失した場合に、同封されていたお金の補償は受けられない。
【0005】
そこで、物資の送付とは別途に現金書留や口座振込で送金を行うことが考えられるが、手続きに手間が掛かる上に、物資とお金とが同じタイミングで受取人に受け取られない可能性がある。また、現金書留は同居人の受取等により、受取人本人へ渡されない可能性がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、受取人がお金を送付物と同じタイミングで受け取ることが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、送金情報を埋め込んだ情報記録体を生成し、送付物とともに送付される情報記録体から読み取った送金情報に基づき送金処理を実行することで、受取人がお金を送付物と同じタイミングで受け取ることができるようにした。
【0008】
詳細には、本発明は、情報を読み取る電子機器と通信可能な情報処理装置であって、送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、送金情報を電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成手段と、送付物が受け取られる場所において、電子機器が送付物とともに送付される情報記録体から読み取った送金情報を、電子機器から受信し、送金手続に係る送金処理を実行する送金手段と、を備える。
【0009】
上記の情報処理装置によれば、受取人が送付物とともに送金情報が埋め込まれた情報記録体を受け取ると、電子機器によって情報記録体から読み取られた送金情報が情報処理装置に送信され、送金処理が実行されることで、受取人は、送付物と同じタイミングで送付人からお金を受け取ることができる。また、第三者によって不正に送金情報が読み取られ
たとしても、送金先として受取人の口座が指定されるため、送付人は、第三者ではなく受取人に送金することができる。
【0010】
送金情報は、配送受付番号等の送付物を識別する識別子、及び送金受付番号等の送金手続を識別する識別子を含む。送金受付番号は、例えば、送金手続に関する情報を登録する際に、情報処理装置から付与される。送金情報は、配送受付番号及び送金受付番号の他、送金先口座番号や送金金額等の送金手続に関する情報を含んでもよい。また、情報記録体は、送金情報が埋め込まれ、電気的、光学的、磁気的、静電的に情報を読み取り可能な情報を記録する情報記録体であればよく、例えば、コードが印刷された紙媒体の他、端末の表示部にコードを表示する電子データも含まれるものとする。当該コードは、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)のような二次元コードであり、送金情報として送信される情報量を格納できるコードであればよい。電子機器は、受取人が送付物を受け取る場所で、情報記録体を読み取ることができる電子機器であればよく、配送人が携帯する配送業者の端末、受取人の携帯電話等であってもよい。また、電子機器が配送業者の端末である場合、コードは、配送業者の端末でのみ読み取り可能なコードとしてもよい。配送業者の端末でのみ読み取り可能なコードであれば、第三者に不正に読み取られるリスクを低減することができる。
【0011】
また、電子機器は、情報記録体から読み取った送金情報を送付物の受取人に通知して、受取人から送金処理の実行可否の指示を受け付け、送金手段は、実行可否の指示が送金処理の実行を指示する場合は、送金処理を実行し、実行可否の指示が送金処理の取消を指示する場合は、送金処理を取り消すものであってもよい。この場合、受取人が送金を受け取るか否かを指示することができるため、受取人の意図しない送金の受取りを防止することができる。
【0012】
また、送金手段は、情報記録体が所定期間読み取られない場合は、送金処理を取り消すものであってもよい。この場合、送付人は、情報記録体が所定期間読み取られず、送金処理が取り消された旨の通知を受け、受取人が送付物を受け取っていないことを認識する。このため、送付人は、例えば、受取人の安否を確認したり、受取人が送付先の住所に居住していないことを認識したりすることができる。居住状況の把握が容易となることから、例えば、自治体は、市外に転出し受給資格を失った者に誤って給付を行うリスクを軽減することができる。
【0013】
また、送金手段は、送付人に対して、送金処理を実行した場合は送金が完了した旨を通知し、送金処理を取り消した場合は送金が取り消された旨を通知するものであってもよい。この場合、送付人は、受取人が送付物を受け取るとともに、送金を受け取ったか否かを確認することができる。
【0014】
また、送金情報は、送付物の送付人から受取人に通知する情報を含み、電子機器は、受取人に通知する情報を受取人に通知するものであってもよい。受取人に通知する情報は、例えば、文字、画像、音声、動画等によるメッセージである。送付人は、受取人に通知する情報を送金情報に含めることで、送付物を送るとともに、気持ちを伝えるためのメッセージを受取人に通知することができる。
【0015】
また、実行可否の指示は、受取人から送付人に通知する情報を含み、送金処理が実行され、又は送金処理が取り消されると、送付人に通知する情報を送付人に通知するものであってもよい。送付人に通知する情報は、例えば、文字、画像、音声、動画等によるメッセージである。受取人は、情報処理装置に対して送金処理の実行可否を指示する場合に、送付人に通知する情報を当該指示とともに送信することで、送金処理の実行又は取消の結果とともに、気持ちを伝えるためのメッセージを送付人に通知することができる。
【0016】
また、送金情報は、送付物の送付人から受取人に対する質問を含み、電子機器は、情報記録体から読み取った質問を受取人に通知し、送金手段は、電子機器から、質問に対する回答を受信した場合は、送金処理を実行し、質問に対する回答を受信しなかった場合は、送金処理を取り消すものであってもよい。この場合、例えば、送付人である企業は、顧客に対してアンケートを実施し、アンケートへの回答があった場合に謝礼を支払うようにすることができる。したがって、企業は、アンケートへの回答を促進させ、アンケート結果をマーケティング等に利用することができる。
【0017】
また、上記の情報処理装置は、送付人によって情報処理装置と通信可能な端末に入力された送金情報を受信して情報記録体を生成するが、情報記録体は、送付人の携帯電話等の電子機器により生成されてもよい。この場合、送付人は、送金情報を埋め込んだ情報記録体を情報処理装置から取得しなくてもよいため、情報記録体を生成する手続を簡便化することができる。
【0018】
なお、本発明は、情報処理システムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、
情報を読み取る電子機器と、電子機器と通信可能な情報処理装置とを有する情報処理システムであって、情報処理装置は、送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、送金情報を電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成手段と、送付物が受け取られる場所において、電子機器が送付物とともに送付される情報記録体から読み取った送金情報を、電子機器から受信し、送金手続に係る送金処理を実行する送金手段と、を備え、電子機器は、情報記録体から送金情報を読み取る情報読取手段と、読み取った送金情報を情報処理装置に送信する送信手段と、を備える、ものであってもよい。
【0019】
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、情報を読み取る電子機器と通信可能なコンピュータが、送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、送金情報を電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成ステップと、送付物が受け取られる場所において、電子機器が送付物とともに送付される情報記録体から読み取った送金情報を、電子機器から受信し、送金手続に係る送金処理を実行する送金ステップと、を実行する情報処理方法であってもよい。
【0020】
また、本発明は、コンピュータプログラムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、情報を読み取る電子機器と通信可能なコンピュータに、送付物に対して指定される送金手続に関する送金情報を受け付けると、送金情報を電子機器が読取可能な形式で埋め込んだ情報記録体を生成する生成ステップと、送付物が受け取られる場所において、電子機器が送付物とともに送付される情報記録体から読み取った送金情報を、電子機器から受信し、送金手続に係る送金処理を実行する送金ステップと、を実行させる情報処理プログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、受取人がお金を送付物と同じタイミングで受け取ることが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成を例示する図である。
図2図2は、実施形態におけるサーバのハードウェア構成を例示する図である。
図3図3は、実施形態における端末のハードウェア構成を例示する図である。
図4図4は、実施形態に係るサーバの機能構成を例示する図である。
図5図5は、実施形態に係る端末の機能構成を例示する図である。
図6図6は、送金情報テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、サーバにおける送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。
図8図8は、端末における送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理システムのサーバ及び端末による送金手続の全体的な動作の流れを例示する図である。
図10図10は、変形例1に係るサーバにおける送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。
図11図11は、変形例1に係る端末における送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。
図12図12は、変形例1に係る情報処理システムのサーバ及び端末による送金手続の全体的な動作の流れを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0024】
本実施形態では、銀行等の金融機関が設置するサーバ(本願でいう「情報処理装置」の一例である)が、送付人によって指定された送金手続の内容に基づいて、受取人の承認を契機として送金処理を実行する。具体的には、送付人は、送付物とともにお金を送りたい場合、送付物とともに送金手続に関する情報(以下、「送金情報」とも表記する)を埋め込んだ媒体(本願でいう「情報記録体」の一例である)を受取人に送付する。受取人は、送付物及び媒体を受け取ると、所定の端末により媒体から送金情報を読み取る。受取人は、送金情報を確認し、所定の端末を介してサーバに送金処理の実行を指示する。このように、受取人は、送付物と同じタイミングでお金を受け取ることができる。
【0025】
<システム構成>
図1は、実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成を例示する図である。図1には、サーバ1、端末2(本願でいう「電子機器」の一例である)、及びインターネットNが示されている。サーバ1と端末2とは、インターネットNを介して通信可能である。
【0026】
サーバ1は、銀行等の金融機関が設置するコンピュータであり、オンラインで送金等の処理依頼を受け付け、インターネットNを介した端末2からの指示に従って処理を実行する。処理依頼は、例えば、送付物の送付人が指定する送金情報を含む。また処理依頼は、図示しない端末(以下、「送金用端末」とも表記する)に入力され、インターネットNを介してサーバ1に送信される。送金用端末は、ポインティングデバイスやキーボード等、送金情報の入力を受け付ける操作部を有する。送金用端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であってもよい。
【0027】
サーバ1は、送金情報を埋め込んだコード、例えばQRコード(登録商標)を生成する。QRコードは、二次元バーコードの1つで、セルと呼ばれる白黒の正方形の組み合わせにより表される。各セルの仕様は、国際規格であるISO/IEC規格、JIS規格として規格化されており、位置検出パターン、タイミングパターン、フォーマット情報、データ及び誤り訂正符合から構成される。送金情報は、例えば、リードソロモン符号により符号化され、データを格納するセルに埋め込まれる。なお、QRコードは、規格に準拠した
QRコードを生成するためのプログラムを使用して生成することができる。配送業者又は送付人は、生成されたQRコードを、例えば紙媒体に印刷し送付物に貼着して受取人に送ればよい。また、生成されたコードは、電気的、光学的、磁気的、静電的に読み取り可能な媒体に記録されてもよい。
【0028】
サーバ1は、コードを読み取った端末2から送金情報を受信し、受信した送金情報に基づいて送金処理を実行する。なお、サーバ1は、送金情報を確認した受取人から、端末2を介して送金処理の実行指示を受信して送金情報に基づく送金処理を実行してもよい。また、受取人が送金を受け取らない旨の指示をした場合には、送金処理を取り消す。サーバ1は、送金処理の実行又は取消の結果を端末2に通知する。サーバ1は、送金人に、送金処理の実行又は取消の結果をメール等で通知してもよい。
【0029】
サーバ1は、金融機関における口座の情報を管理し、勘定系の処理を行うコンピュータシステムである勘定系システムと連動し、口座を用いた送金処理等の各種の処理を実行する。勘定系システムは、預金残高や名義人の氏名等の口座の情報を格納し、管理するデータベースを有する。
【0030】
端末2は、インターネットNへアクセス可能で、媒体が示すコードから送金情報を読み取り、読み取った送金情報を受取人に通知する。受取人への通知は、端末2の有する表示部に表示されてもよく、受取人のタブレット端末やスマートフォン等の携帯端末に送信されてもよい。また、受取人への通知は、端末2から受信した送金情報の他、勘定系システムから取得した預金残高や名義人の氏名等の口座の情報を含んでもよい。受取人は、送金情報を確認し、送金を受け取るか否かを端末2又は受取人の携帯端末への操作により指示する。受取人による指示は、受取人の携帯端末からインターネットNを介して、サーバ1に送信される。
【0031】
端末2は、送付物に添付される伝票の番号や送付先の住所、配送状況等の情報を格納する配送業者のシステムと連動する。端末2は、サーバ1から送金処理の実行又は取消の結果の通知を受信すると、配送業者のシステムに配送完了を通知する。端末2は、例えば、送付物を配送する配送人が携帯する端末である。また、端末2は、受取人が送付物を受け取ることができる場所、例えば、配送業者の営業所やコンビニエンスストアに設置される端末等、配送業者のシステムと連動し、配送業者のシステムに配送完了を通知することができる端末であってもよい。
【0032】
インターネットNは、世界規模の公衆パケット通信網であり、サーバ1、端末2、、送金用端末及び受取人の携帯端末を相互に接続する。なお、インターネットNの代わりに、WAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。
【0033】
<ハードウェア構成>
図2は、実施形態におけるサーバのハードウェア構成を例示する図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置14、ゲートウェイ等を介してインターネットNに接続されるNIC(Network Interface Controller)15、管理者用の入力装置16、出力装置17を備えるコンピュータである。
【0034】
CPU11は、中央演算処理装置であり、RAM12等に展開された各種プログラムの命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14等を制御する。RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込ま
れ、読み出される。補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、RAM12にロードされる各種プログラム等、永続性が求められる情報が書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14には、送金情報を格納するコードの生成に用いる処理手順であるコード生成アルゴリズムが記憶される。
【0035】
図3は、実施形態における端末のハードウェア構成を例示する図である。端末2は、CPU21、RAM22、ROM23、補助記憶装置24、NIC25、光学センサ26、表示部27、及び入力部28を備えるコンピュータである。なお、端末2は、CPU21等の汎用プロセッサの代わりに、専用プロセッサや専用回路等により実現されてもよい。
【0036】
補助記憶装置24は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)又はHDD等の不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置24には、媒体に示されるコードから送金情報を読み取るコード読取アルゴリズムが記憶される。
【0037】
光学センサ26は、媒体に示されるコードを読み取る。光学センサ26は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。端末2がカメラを備える場合には、カメラが有するCCD又はCMOS等のイメージセンサが、光学センサ26としてコードを読み取るようにしてもよい。
【0038】
表示部27は、読み取ったコードを解析し、コードに格納された送金情報を表示する。表示部27は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)である。入力部28は、表示部27に表示された送金情報を確認した送付物の受取人から、当該送金を受け取るか否かの指示を受け付ける。入力部28は、例えば、タッチパッド、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、操作ボタン等であり、操作入力を受け付ける。
【0039】
<機能構成>
(サーバ1の機能)
図4は、実施形態に係るサーバの機能構成を例示する図である。サーバ1は、補助記憶装置14に記憶されているプログラムが、RAM12に読み出され、CPU11によって実行されることで、送金管理データベースD11、コード生成部F11、送金処理部F12を備える情報処理装置として機能する。
【0040】
なお、本実施形態において、サーバ1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。また、これらの機能の一部又は全部は、別途のコンピュータにおいて実行されてもよい。
【0041】
(サーバ1のデータベース)
送金管理データベースD11は、送付人から受取人に対する送金手続に関する各種情報を格納するデータベースである。送金管理データベースD11は、CPU11によって実行されるデータベース管理システム(DBMS)のプログラムが、補助記憶装置14に記憶されるデータを管理することで構築される。送金管理データベースD11は、例えば、リレーショナルデータベースである。送金管理データベースD11は、送金情報テーブルを有する。
【0042】
図6は、送金情報テーブルの一例を示す図である。送金情報テーブルは、送付人が指定した送金情報を格納する。送金管理データベースD11の送金情報テーブルは、送付人から受取人に対して送金情報を通知したり、送金処理を実行したりするために用いられる。また、送金情報テーブルは、送金処理の実行又は取消の結果を送付人に通知するために用いられてもよい。
【0043】
送金情報テーブルに格納されるレコード1件は、特定の送付物に対して指定された1件の送金手続の情報を示す。特定の送付物に対して複数の送金手続が指定される場合、送金情報テーブルには、各送金手続に対応する複数のレコードが作成されればよい。
【0044】
図6に示すように、送金情報テーブルのレコードは、送金受付番号、送金人口座番号、送金先口座番号、送金金額、及び配送受付番号のフィールドを有する。送金受付番号は、送金手続を識別する情報である。送金人口座番号は、送金するお金が引き出される口座の口座番号である。送金先口座番号は、送付人から送金されるお金が振り込まれる口座の口座番号である。送金金額は、送付人から送金されるお金の金額である。配送受付番号は、送付人から受取人への送付物の配送を識別する情報である。
【0045】
送付人は、特定の配送に対して、送金情報を指定する。送金情報は、特定の配送に対して複数指定されてもよい。送金情報テーブルのレコードは、送付人が、各フィールドの情報を送金用端末からサーバ1に登録したときに追加される。また、送金情報テーブルのレコードは、送付人が、送付物を配送業者に預けるときに、各フィールドの情報を配送業者が設置する端末からサーバ1に登録したときに追加されるようにしてもよい。
【0046】
なお、送金情報テーブルは、図6に示されるフィールドに限られず、例えば、送付人から受取人に対するメッセージ、受取人から送付人に対するメッセージ等のフィールドを含んでもよい。
【0047】
(サーバ1のデータベース以外の機能)
コード生成部F11は、本願でいう「生成手段」の一例であり、送金情報を埋め込んだコードを生成する機能を提供する。コード生成部F11は、送付物に対して指定される送金情報を送金用端末から受信すると、受信した送金情報を送金情報テーブルに格納する。この際、コード生成部F11は、送金情報に含まれる口座番号等の情報が正しいか否か、勘定系システムに確認するようにしてもよい。コード生成部F11は、受信した送金情報から、補助記憶装置14に記憶されるコード生成アルゴリズムによってコードを生成する。生成するコードは、例えば、QRコードであってもよい。
【0048】
生成されたコードは、例えば、電子メール又は送金用端末を介して送付人に送信される。送付人は、受信したコードを印刷し送付物に貼着することで、送付物とともに送金情報が埋め込まれたコードを受取人に送ることができる。受取人が送付物とともにコードを受け取る際、受取人は、端末2にコードを読み取らせる。端末2は、コードに埋め込まれた送金情報を読み取り、サーバ1に送金処理の実行指示を送信する。
【0049】
なお、送金処理は、受取人の指示により実行するか否かを判断するようにしてもよい。この場合、端末2は、読み取った送金情報を表示部27に表示する。受取人は、送金情報を確認し、送金を受け取るか否かに応じて、端末2の入力部28より送金処理の実行又は取消を指示する。なお、受取人は、端末2によってコードを読み取り、コードから読み取った送金情報を確認し、送金処理の実行又は取消を指示するが、これらの処理は、端末2に限られず、受取人の有するスマートフォン等の携帯端末によって行われてもよい。
【0050】
送金処理部F12は、本願でいう「送金手段」の一例であり、送金処理を実行し、又は
取り消す機能を提供する。送金処理部F12は、端末2又は受取人の携帯端末等から、送金処理の実行又は取消の指示を受信する。
【0051】
送金処理部F12は、送金処理の実行指示を受信すると、送金情報に基づいて送金処理を実行する。なお、送金処理部F12は、送金情報を端末2から受信することができる。また、送金処理部F12は、端末2から送付物を識別する情報、例えば、配送受付番号を受信することで、送金情報テーブルから当該送付物に対して指定された送金情報を取得してもよい。一方、送金処理部F12は、送金の取消指示を受信すると、送金処理を実行せず、送金を取り消した旨を端末2に通知する。
【0052】
(端末2の機能)
端末2は、ROM23や補助記憶装置24に記憶されているプログラムが、RAM22に読み出され、CPU21によって実行されることで、コード読取部F21、送金情報送信部F22、及び送金結果受信部F23を備える電子機器として機能する。なお、本実施形態において、端末2の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU21によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。
【0053】
コード読取部F21は、本願でいう「情報読取手段」の一例であり、送付物とともに送られた媒体が示すコードを読み取る。読み取ったコードは、補助記憶装置24に記憶されるコード読取アルゴリズムによって解析され、送金情報に変換される。コード読取部F21は、送金情報を端末2の表示部27に表示する。
【0054】
送金情報送信部F22は、本願でいう「送信手段」の一例であり、コード読取部F21がコードから読み取った送金情報を、サーバ1に送信する。送金情報送信部F22は、送金情報とともに、端末2の入力部により入力された受取人から送付人へのメッセージを送信するようにしてもよい。
【0055】
送金結果受信部F23は、サーバ1から送金処理の実行又は取消の結果を受信する。また、送金結果受信部F23は、サーバ1から受信した送金処理についての結果を、送付人に通知するようにしてもよい。
【0056】
<動作の流れ>
本実施形態の情報処理システム10の主な動作の流れの詳細を説明する。ここで説明される動作の流れでは、送付物とともに送金情報が埋め込まれた媒体が受取人に送られ、受取人が送付物を受け取る際、端末2で読み取った送金情報がサーバ1に送信され、サーバ1は送金処理を実行する。まず、図7及び図8によって、サーバ1及び端末2における処理の流れがそれぞれ説明される。次に、図9によって、情報処理システム10の動作の流れが説明される。なお、説明される動作の内容及び順序は一例であり、動作の内容及び順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
【0057】
図7は、サーバにおける送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、送付人が、送金用端末に対して送金情報を入力し、サーバ1が入力された送金情報を受信したことを契機に開始する。なお、送金情報を入力する際、当該送金処理は、受取人が送付物を受け取り、送金情報を確認してから実行される処理であることが指定される。したがって、送付人が入力した送金情報に基づく送金処理は、インターネットバンキング等における送金処理のように即時に実行されず、受取人が送付物を受け取るのと同じタイミングで実行される。
【0058】
まず、ステップS101では、コード生成部F11は、送付人が入力した送金情報を受
信する。受信した送金情報は、送金管理データベースD11の送金情報テーブルに登録される。なお、送付人は、送金情報に、送付物に貼り付ける伝票の番号等、送付物を識別するための情報を含めて入力してもよい。
【0059】
次に、ステップS102では、コード生成部F11は、受信した送金情報を符号化して埋め込んだコードを生成する。生成されたコードは、電子データとして、送金用端末に送信されるようにしてもよい。また、生成されたコードは、電子メール等により送付人に送信されてもよい。コードを受け取った送付人は、例えば、コードを紙媒体に印刷し、送付物に貼着して送ればよい。このように、送付人は、受取人に対して送付物とともにコードを送ることができる。
【0060】
次に、ステップS103では、送金処理部F12は、端末2から送金処理の実行指示を受信したか否かを判定する。送金処理の実行指示は、端末2がコードから読み取った送金情報とともに、サーバ1に送信される。送金処理部F12は、端末2から送金処理の実行指示を受信したと判定した場合(S103;YES)、処理はステップS104へ進む。一方、送金処理部F12は、端末2から送金処理の実行指示を受信していないと判定した場合(S103;NO)、処理はステップS103に戻る。ここで、サーバ1は、送金処理の実行指示とともに端末2から受信した送金情報を、送金情報テーブルに格納された送金情報と照合してもよい。
【0061】
ステップS104では、送金処理部F12は、端末2から受信した送金情報に基づいて送金処理を実行する。具体的には、送金処理部F12は、送金情報テーブルの「送金人口座番号」の口座から、「送金金額」に示される額を減額し、「送金先口座番号」の口座に対し、「送金金額」に示される額を増額する。なお、送金処理部F12は、端末2から受信した送付物に係る配送受付番号を受信し、当該配送受付番号に係る送金情報を送金情報テーブルから取得するようにしてもよい。
【0062】
ステップS105では、送金処理部F12は、送金処理の実行結果を端末2に通知する。送金処理部F12は、送金処理の実行結果を、電子メール等の通信手段により、送付人に通知するようにしてもよい。実行結果の通知により、サーバ1における処理は終了する。
【0063】
図8は、端末における送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、例えば、受取人が送付人からの送付物を受け取る際、端末2を送付物に貼着されたコードに翳して読み取らせることを契機に開始する。
【0064】
まず、ステップS201では、コード読取部F21は、送付物に貼着されたコードを撮像し、コード読取アルゴリズムによって解析する。コード読取部F21は、コードを解析して送金情報を読み取る。
【0065】
次に、ステップS202では、送金情報送信部F22は、サーバ1に対して送金処理の実行指示を送信する。送金情報送信部F22は、送金処理の実行指示とともに読み取った送金情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、受信した送金情報に基づいて送金処理を実行し、実行結果を端末2に送信する。
【0066】
ステップS203では、送金結果受信部F23は、サーバ1からの送金処理の実行結果を受信する。送金結果受信部F23は、送金処理の実行結果を電子メール等の通信手段により送付人に通知し、処理を終了する。
【0067】
図9は、実施形態に係る情報処理システムのサーバ及び端末による送金手続の全体的な
動作の流れを例示する図である。図9では、実線の矢印によりデータの流れが示され、角丸矩形(S1〜S9)により処理が示されている。また、楕円図形及び点線の矢印は、送付人、配送業者、又は受取人が行う作業を示す。この動作の流れは、送付人が送金用端末に、送付物に係る送金情報を入力したことを契機に開始する。
【0068】
ステップS1では、送付人が、送金用端末が有する入力部から、送金人口座番号、送金先口座番号、送金金額等の送金手続に関する情報を入力し、サーバ1に登録する。サーバ1は、当該送金手続を識別する識別子として送金受付番号を付与するようにしてもよい。送金受付番号は、送付人に通知される。サーバ1は、送金手続に関する情報及び送金受付番号を、送金情報テーブルに格納する。なお、当該送金手続に関する情報は、受取人が送付物を受け取り、送金情報を確認してから実行される処理であることを指定して登録される。また、送金人は、予め配送受付番号がわかる場合には、送金人口座番号等とともに配送受付番号をサーバ1に登録してもよい。
【0069】
ステップS2では、端末2は、送付人から送付物の配送を受け付ける。具体的には、端末2は、ステップS1で登録された送金情報に対する配送受付番号を、サーバ1に登録する。端末2は、配送受付番号を、ステップS1で送付人に通知された送金受付番号と紐づけて登録するようにすればよい。なお、端末2は、配送人が配送の際に携帯する配送業者の端末であってもよく、また配送を受け付ける営業所に設置される端末等であってもよい。ステップS1で配送受付番号が登録されている場合、ステップS2の処理は省略されてもよい。
【0070】
ステップS3では、サーバ1は、送金情報を受信する。サーバ1は受信した送金情報を、送金情報テーブルに格納する。ステップS4では、サーバ1は、送金情報からコードを生成する。なお、サーバ1は、送金情報のうち、配送受付番号及び送金受付番号の情報のみ、コードに埋め込むようにしてもよい。生成されたコードは、端末2に送信される。
【0071】
ステップT1では、配送業者は受信したコードを印刷して送付物に貼り付ける。ステップT2では、配送業者は送付物を配送する。ステップT3では、受取人は、送付物とともにコードを受け取る。なお、受取人が送付物を受け取る場所や形態に限定はない。送付物の受取は、受取人宅の玄関先での手交受取のほか、玄関先に設けられた宅配ボックス、コンビニ、駅ロッカーでの受取であっても良い。
【0072】
ステップS5では、端末2は、コードに翳されることによりコードを読み取る。なお、端末2は、配送人が配送の際に携帯する配送業者の端末であっても良く、受取人のスマートフォン等の携帯端末であってもよい。即ち、端末2は、所定の機能を備えていれば、ステップS2で用いられる端末と異なる端末であってもよい。
【0073】
ステップS6では、端末2は、コードから送金情報を読み取ると、読み取った送金情報とともに送金処理の実行指示をサーバ1に送信する。なお、送金情報には、配送受付番号が含まれていればよく、サーバ1は、配送受付番号に係る送金人口座番号等の送金手続に使用される情報を、送金情報テーブルから取得してもよい。
【0074】
ステップS7では、サーバ1は、受信した送金情報又は送金情報テーブルから取得した送金情報に基づいて、送金処理を実行する。サーバ1は、送金処理が実行されたか否かの送金結果を端末2に送信する。
【0075】
ステップS8では、端末2は、サーバ1から送金結果を受信する。端末2は、受信した送金結果を送付人に対して通知する。端末2は、電子メール等の通信手段によって送金結果を送付人に通知することができる。
【0076】
ステップS9では、送付人は、端末2から送金結果の通知を受信する。なお、送金結果は、サーバ1から送信されるようにしてもよい。この場合、ステップS8の処理は省略されてもよい。送付人が送金結果の通知を受信することにより、情報処理システム10における送金手続に係る動作の流れは終了する。
【0077】
<作用効果>
以上説明した本実施形態では、送付人は、送付物とともに送金情報が埋め込まれたコードを受取人に送る。受取人が送付物を受け取る際、コードに端末2を翳すことによって、端末2は、コードから送金情報を読み取り、読み取った送金情報とともに送金処理の実行指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、受信した送金情報に基づいて送金処理を実行する。これにより、送付物の受取人は、送付物と同じタイミングで送付人からお金を受け取ることができる。また、第三者によって不正に送金情報が読み取られたとしても、送金先として受取人の口座が指定されるため、送付人は、第三者ではなく受取人に送金することができる。さらに、サーバ1による送金処理の実行結果は、送付人に通知されるため、送付人は、受取人が送金を受け取ったか否かを確認することができる。
【0078】
<変形例1>
上記の実施形態では、ステップS5からステップS7の送金処理の実行において、端末2はコードを読み取ると、送金処理の実行指示がサーバ1に送信され、サーバ1は送金処理を実行する。変形例1では、端末2が読み取った送金情報を受取人が確認し、受取人は、送付人からの送金を受け取るか否かを指示する。サーバ1は、受取人の指示に応じて送金処理を実行し、又は取り消す。まず、図10及び図11によって、変形例1に係るサーバ1及び端末2における処理の流れがそれぞれ説明される。次に、図12によって、情報処理システム10の動作の流れが説明される。
【0079】
図10は、変形例1に係るサーバにおける送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。図7と共通する処理については、同じ符号を付して説明は省略する。処理の開始から、コードを出力するステップS102までの処理は、図7に示される実施形態と同様である。
【0080】
ステップS113では、送金処理部F12は、端末2から送金処理の実行指示があったか否かを判定する。具体的には、まず、送付物を受け取った受取人は、コードに端末2を翳して読み取らせる。端末2は、読み取った送金情報を端末2の表示部27に表示する。受取人は、送金情報を確認し、送金処理を実行するか否かの指示を、端末2の入力部28により入力する。端末2は、受取人が入力した指示をサーバ1に送信する。サーバ1の送金処理部F12は、端末2から受信した指示が送金処理を実行する旨の指示であると判定した場合(S113;YES)、処理はステップS104へ進む。一方、送金処理部F12は、端末2から受信した指示が送金処理を実行しない旨の指示であると判定した場合(S113;NO)、処理はステップS106へ進む。
【0081】
ステップS106では、送金処理部F12は、送金処理を実行せず、処理はステップS105へ進む。送金処理を実行し(ステップS104)、送金結果を送付人に通知する処理(ステップS105)は、図7に示される実施形態と同様である。
【0082】
図11は、変形例1に係る端末における送金手続に関する処理の流れを例示するフローチャートである。図8と共通する処理については、同じ符号を付して説明は省略する。処理の開始から、コードを読み取るステップS201までの処理は、図8に示される実施形態と同様である。
【0083】
ステップS210では、コード読取部F21は、コードから読み取った送金情報を、例えば、端末2の表示部27に表示し、送付物の受取人に通知する。受取人は、表示された送金情報を確認し、当該送金を実行するか否かの指示を、端末2の入力部28に対して入力する。
【0084】
ステップS211では、送金情報送信部F22は、受取人から送金処理を実行するか否かの指示を受け付ける。ステップS212では、送金情報送信部F22は、サーバ1に対して受取人からの指示を送信する。この際、送金情報送信部F22は、受取人からの指示とともに送金情報を送信してもよい。サーバ1は、送金処理を実行する旨の指示を受信した場合は、受信した送金情報に基づいて送金処理を実行し、実行結果を端末2に送信する。サーバ1は、送金処理を取り消す旨の指示を受信した場合は、送金処理を実行せず、実行を取り消した旨を端末2に送信する。
【0085】
ステップS213では、送金結果受信部F23は、サーバ1から送金処理の実行または取消の結果を受信する。送金結果受信部F23は、送金処理の実行または取消の結果を電子メール等の通信手段により送付人に通知し、処理を終了する。
【0086】
図12は、変形例1に係る情報処理システムのサーバ及び端末による送金手続の全体的な動作の流れを例示する図である。図9と共通する処理については、同じ符号を付して説明は省略する。サーバ1がコードを生成し、端末2がコードを読み取るまでの処理(ステップS1からステップS5まで、及びステップT1からT3まで)は図9に示される実施形態と同様である。
【0087】
ステップS20では、端末2は、コードから送金情報を読み取ると、読み取った送金情報を送付物の受取人に通知する。端末2は、読み取った送金情報を表示部27に表示することにより、受取人に通知することができる。ステップS21では、受取人は、送金情報を確認し、端末2に送金処理を実行するか否かの指示を入力する。ステップS22では、端末2は、受取人からの指示に基づき、サーバ1に対して送金処理の実行又は取消を指示する。
【0088】
ステップS23では、サーバ1は、端末2から送金処理を実行する旨の指示を受けて、送金処理を実行する。またステップS24では、サーバ1は、端末2から送金処理の実行を取り消す旨の指示を受けて、送金処理を実行せずに次の処理に進む。
【0089】
ステップS25では、端末2は、サーバ1から送金処理の実行または取消の結果を受信する。端末2は、受信した送金処理の実行または取消の結果を送付人に対して通知する。端末2は、電子メール等の通信手段によって当該結果を送付人に通知することができる。
【0090】
ステップS26では、送付人は、端末2から送金処理の実行または取消の結果の通知を受信する。なお、送金処理の結果は、サーバ1から送信されるようにしてもよい。この場合、ステップS25の処理は省略されてもよい。送付人が当該結果の通知を受信することにより、情報処理システム10における送金手続に係る動作の流れは終了する。
【0091】
以上説明した変形例1では、受取人は、送付人からの送付物を受け取る際、送付物とともに受け取ったコードを端末2で読み取ることで、送金情報の内容を確認することができる。受取人は、送付人からの送金を受け取るか否かを、端末2を介してサーバ1に指示することができ、受取人の意図しない送金の受取りを防止することができる。
【0092】
<変形例2>
上記の実施形態及び変形例1では、サーバ1は、コードを読み取った端末2からの指示
により、送金処理の実行または取消を行うが、所定期間、送付物が配送されず、送付物に貼着されたコードが読み取られない場合は、送金処理を取り消すようにしてもよい。即ち、図12のステップS5からステップS22において、所定期間コードが読み取られず、端末2から送金実行可否の通知を受信しない場合、サーバ1は、ステップS24からステップS26において、送金が取り消され、送付物が受け取られていない旨を送付人に通知するようにすればよい。
【0093】
また、サーバ1は、受取人の転居や一定期間の不在等により送付物が配送されず、未配送の配送記録がされた場合にも、送金処理を取り消すようにしてもよい。即ち、図12のステップS22において、端末2に未配送の配送記録がされると、ステップS24の処理が実行される。サーバ1は、ステップS25及びステップS26において、送金が取り消され、送付物が受け取られていない旨を送付人に通知するようにすればよい。
【0094】
送付人は、送付物が受け取られていない旨の通知を受けて、受取人が送付物を受け取っていないことを認識する。送付物が受け取られていないことから、送付人は、受取人の安否や居住状況を確認することができる。
【0095】
<変形例3>
上記の実施形態及び変形例では、受取人と送付人との間で、送金情報や送金処理の実行結果等の情報が送受信されるが、これらの情報とともに文字、画像、音声、動画等によるメッセージが送受信されるようにしてもよい。具体的には、送付人は、図12のステップS20において、図6の送金情報テーブルに示される項目に加え、例えば、受取人に対するメッセージを送金情報に含めてもよい。また、受取人は、図12のステップS21において送金情報を確認し、端末2に対して送金処理の実行可否を指示する際、送付人へのメッセージを入力し、ステップS25において、当該メッセージが送付人に通知されるようにしてもよい。メッセージの送受信により、送付人と受取人との間で送付物及びお金の他、メッセージ等の情報を送受信することができる。
【0096】
<変形例4>
上記の変形例1では、端末2が読み取った送金情報を受取人が確認し、受取人は、送付人からの送金を受け取るか否かを指示するが、送金情報に加えて、受取人に対する質問を提示し、質問に対する回答を受信した場合に、送金処理を実行するようにしてもよい。また、質問に対する回答がされなかった場合には、送金処理を取り消すようにしてもよい。例えば、送付人である企業は、図12のステップS20において、図6の送金情報テーブルに示される項目に加え、例えば、受取人に対するアンケート等の質問を送金情報に含めればよい。そして、受取人は、図12のステップS21において送金情報とともに質問を確認する。受取人が端末2に対して質問への回答を入力するとステップS23に進み、回答を入力しない場合は、ステップS24に進むようにすればよい。受取人がアンケート等の質問に回答した場合に、送金処理が実行されるようにすることで、企業は、顧客に対してアンケートを実施し、アンケートへの回答に対して謝礼を支払うことができる。
【0097】
<変形例5>
上記の実施形態及び変形例では、コードは、サーバ1において生成されるが、送付人が有する携帯電話等の電子機器により生成されてもよい。送付人は、自身の携帯電話等に対して送金情報を登録することができるため、コードを生成する手続を簡便化することができる。
【0098】
また、コードは、送付物の配送情報を管理する配送業者の配送サーバによって生成されてもよい。この場合、配送サーバは、送付人からの配送情報および送金手続の情報を受け付ける。配送サーバは、送金手続の情報をサーバ1に登録することで、送金受付番号をサ
ーバ1から取得する。配送サーバは、受け付けた配送情報に対して付与した配送受付番号と、サーバ1から取得した送金受付番号とを紐づけ、配送サーバの有する補助記憶装置等に格納して管理する。配送サーバは、紐づけられた配送受付番号及び送金受付番号からコードを生成することができる。
【0099】
さらに、コードは、サーバ1及び配送業者の配送サーバと通信可能な受付サーバによって生成されてもよい。この場合、受付サーバは、送付人からの配送情報および送金手続の情報を受け付ける。受付サーバは、配送情報を配送サーバに登録することで、配送受付番号を配送サーバから取得する。受付サーバは、送金手続の情報をサーバ1に登録することで、送金受付番号をサーバ1から取得する。受付サーバは、配送サーバから取得した配送受付番号と、サーバ1から取得した送金受付番号とを紐づけ、受付サーバの有する補助記憶装置等に格納して管理する。受付サーバは、紐づけられた配送受付番号及び送金受付番号からコードを生成することができる。
【0100】
配送サーバ及び受付サーバは、サーバ1と同様に、送金手続の情報、送付人から受取人に対するメッセージを格納してコードを生成してもよい。コードは、様々な態様で生成することが可能であり、送付人がコード生成に不慣れな場合に、配送業者がコード生成を代行する等、利便性が向上する。送付人が有する携帯電話等の電子機器、配送サーバ、受付サーバは、「送金情報を受け付ける端末」の一例である。
【符号の説明】
【0101】
10・・情報処理システム:1・・サーバ:2・・・端末:11、21・・CPU:12、22・・RAM:13、23・・ROM:14、24・・補助記憶装置:26・・光学センサ:27・・表示部:28・・入力部:N・・インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12