(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-53417(P2018-53417A)
(43)【公開日】2018年4月5日
(54)【発明の名称】睾丸保護具とパンツ
(51)【国際特許分類】
A41B 9/02 20060101AFI20180309BHJP
【FI】
A41B9/02 H
A41B9/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-205547(P2016-205547)
(22)【出願日】2016年9月29日
(71)【出願人】
【識別番号】598095042
【氏名又は名称】株式会社森林研究所
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 俊教
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA01
3B128EA04
3B128EB13
3B128EB14
3B128EB23
3B128EB31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来技術の男性パンツで、ハンモック状の網を設けて睾丸を持ち上げるパンツなどがあるが、腹部のゴム紐を利用して定位置を得るため、椅子に座った時や正座をした時、ゴム紐と睾丸の距離が大きく変化し、又パンツが下がってその機能を十分果たせなかった。そのために、常に睾丸を持ち上げた状態を維持することは困難であった。
【解決手段】睾丸を支える樹脂を封入した袋状の成型布に、大半の張力(70〜95%)が睾丸側に架かるようにゴム紐を接続して、腰から股に配して装着すると、樹脂が湾曲して睾丸根元に食い込んで定着し、睾丸を持ち上げる睾丸保護具である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図10で示すように、縦40〜100mm望ましくは50〜90mm、横160〜300mm望ましくは180〜260mmの成型布1を得る。これに、
図3,4でも示すように張力の大半(70〜95%)が睾丸根元側(下側)に架かり、残りの多くが上側に架かるようにゴム紐を接続した構造が特徴であり、これを腰から股に配して装着する仕組みが特徴の丸保護具1である。
【請求項2】
図1で示すように、成型布1の中央部に軟質PVAシートを接着し、睾丸根元に接するようにした成型布2が著しい特徴の睾丸保護具2である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【請求項3】
図2で示すように、布を袋状に加工し、成型布1と同じ寸法の成型布を得、その中に、
図3、
図4、
図7、
図8で示す柔軟性と復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を封入した成型布3を得たことが著しい特徴の睾丸保護具3である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【請求項4】
図6で示すように、睾丸保護具1、2、3をパンツと一体化するものであり、パンツ裏の左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツに接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツである。支点は、図中のゴム紐通しの位置であり、睾丸保護具1、2、3を単独で履いた時、ゴム紐が配される位置又はその前である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睾丸と股を仕切り、睾丸が股に挟まれない商品とパンツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、パンツを履かなければ睾丸を持ち上げる機能を得ることができないため、パンツが下がるとその機能が果たせない。しかしパンツの構造上履いていれば必ず下がる。このように、どのような姿勢でも確実に睾丸を持ち上げ、股に挟まれない商品はなかった。
【先行技術文献】
【0003】
睾丸の移動を抑制し、吸湿性向上を目的とした、トランクスタイプのパンツの内部に、睾丸や陰茎を下部側から吊り上げるように覆うためのサポート帯が設けられていることを特徴とする男性用パンツが開示されている。
【特許文献2】特開2012−132136
【0004】
睾丸を受け止めて少し引き上げ常に股のすぐ上の位置に保つ、ハンモック形状の睾丸吊りを取り付けた男性用パンツが開示されている。
【0005】
この他、睾丸と陰茎を収めるポケットのついたパンツなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パンツのゴムは腹部を巻くように取り付けられていて、睾丸や陰茎を有する男性が履くと構造上下がって椅子に座った時や正座をした時、睾丸や陰茎が太腿に挟まれて圧迫され大変重苦しくなる時がある。睾丸は加齢と伴に垂れてきて、股にはさまれやすくなると伴に股と密着して、睾丸の位置を変えないと気分が悪くなる時がある。
【0007】
睾丸が圧迫されたり、股に密着して心地が悪い時に、手で睾丸を少し上に引き上げると、睾丸や陰茎が心地よくなるが、股部分は人目が気になる所なので常に手を差し込んで睾丸を引き上げることはできない。
【0008】
睾丸や陰茎は時によって大きくなったり小さくなったりするので、その膨張や収縮に関わらないようにし、大小便に支障がない形状にする必要がある。
【0009】
人体のなかで、股間が最も動きの激しい所である。睾丸が股に挟まれ無く、密着しないようにするには、激しい動きに順応して睾丸と股を仕切り睾丸を持ち上げる仕組みが必要である。しかし、既存の腹部のゴム紐を利用する仕組みでは、姿勢によって睾丸と腹部の距離が大きく変化するので効果的なものはできない。
【0010】
数多くの試作品から、睾丸と股を仕切り、睾丸を持ち上げる機能を有し、快適な使用感を得るためには常に睾丸根元に定着し、肌触りが良く形を保つ材質と構造が必要であることが判明した。ここで(1)ゴム紐を腰から股に配する使用法(2)睾丸を支える成型布の形状(3)張力の大半が成型布の睾丸根元側(以降下側と呼ぶ)に架かり上側にも少し架かる構造が、本発明の必要条件であると考えた。
【0011】
本発明の目的は、姿勢に影響なく睾丸根元に定着し、睾丸を持ち上げて股と仕切る商品を得ることである。例えば、ゴム紐を腰から股に沿って配すると、睾丸根元に食い込んで、睾丸を多少持ち上げるが、睾丸を支えられず、姿勢によってゴム紐が外れて定位置に留まらない。布で実施しても外れる場合があり、定位置に留まらない。このように従来の素材や構造では睾丸付け根に定着させることは不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ゴム紐を腹部に巻く仕組みでは、姿勢によって睾丸と腹部の距離が大きく変化すると共にゴム紐の位置が下がる。このように従来の仕組みでは、常に睾丸を持ち上げた状態を保持することはできない。発明者は姿勢や動きによる距離変化が少なく睾丸を引き上げる力が働く、腰から股に沿ってゴム紐を配する仕組みを考えて実施した。
【0013】
そこで、布を使用して睾丸を抱え、股と睾丸を仕切ることができる寸法や利便性を考慮した上で、縦50〜100×横150〜300mm望ましくは70〜100×180〜260mmの成型布を得た。
【0014】
日本人では、成型布の縦寸法が100mm以下であれば、陰茎を覆うことなく睾丸部だけを支え、睾丸と股を仕切るので、膨張や収縮に影響なく小便時も支障がない。又、ゴム紐の長さは体形によって変わるので、原則としてゴム紐には長さ調節具を設ける。
【0015】
近年、滑り止めに使用する軟質PVA樹脂が市販されている。これはPVA樹脂を発砲して化学処理したものであり、シートや置物などのズレを防止するために使用されるのものである。衣服などの使用例は知らないが、発明者はゴム紐を軟質PVAで覆った物や、布の一部に接着したものに一定の張力を加えると、睾丸に強固に密着して肌触りも良いことを発見して実施した。
【0016】
睾丸の構造上、根元に引っかかる形で持ち上げると外れ難い。よって、下側に張力の大半(70〜95%)が架かる構造にすれば、定着しやすくなる。
【0017】
請求項1は、
図10で示すように、縦40〜100mm×横160〜300mm、望ましくは50〜90mm×180〜260mmの成型布1を得。これに、
図3,4でも示すように、張力の大半(70〜95%)が下側に架かり、残りの多くが上側に架かるようにゴム紐を接続した構造が特徴であり、これを腰から股に配して装着する仕組みが特徴の睾丸保護具1である。
【0018】
請求項2は、
図1で示すように、成型布1の中央部下に軟質PVAシートを接着した成型布2を得たことが著しい特徴であり、その他は睾丸保護具1と同様の睾丸保護具2である。軟質PVAシートの寸法は10×20mm以上で、望ましくは10〜30mm×30〜70mmである。
【0019】
股は睾丸に比べ敏感な部分であるため、接する布は綿ガーゼのように、肌触りが良いものが望ましいが、睾丸側はどのような材質でもよいので、撚れにくい材質を重ねてもよい。ゴム紐や長さ調節具はどのような規格や本数でもよいが、平ゴムの場合は12〜20コール1本の使用が望ましく、長さ調節具は薄いものが望ましい。
【0020】
ゴム紐の接続位置によって成型布に架かる張力の分布が大きく変化する。左右それぞれ1箇所にゴム紐を接続すると、接続点の横方向に張力が集中する。左右それぞれ2か所に接続すると、夫々の接続点の横方向に張力が働き、成型布を縦方向に湾曲させる。たすき掛けにして接続すると、張力が全体にも架かるが主に接続部の横に架かり、接続位置や布の角度によって様々に変化する。このように取り付る位置、数、方法によって、張力が変化して、使用感や睾丸付け根への定着力に差が生じる。ゴム紐の成形布への接続には、直接接続する方法と、成型布にゴム紐ガイドを設け、これに接続する方法があり、どちらを実施してもよい。
【0021】
ゴム紐の接続方法は、下側に強い張力が架かり、上側にも少し張力が架かる構造が必要である。
図1で示すように、下側にゴム紐を接続し、上側をたすきに折って縫製するのが最も望ましく、
図3に示すように大半の張力が下側に架かるよう、下側の穴を上側に比べて30mm程度内側に開けてゴム紐ガイドを設ける方法や、
図4のように、ゴム紐ガイドを縫製接着した後、上側を下側に比べて3cm程度長くする方法が望ましい。しかし、下側に大半の張力が架かる構造であれば、たすき掛けや折ってゴム紐を接続してもよい。
【0022】
軟質PVAシートを睾丸根元に配して睾丸保護具2を装着すると、ゴム紐の張力によって成型布2の下側と上側が引っ張られて、睾丸根元に軟質PVAシートが密着して定着すると伴に、睾丸を包んで持ち上げ睾丸と股を仕切る。しかし、撚れにくいニット布などを重ねても成型布2が撚れ、縦方向が縮小して使用不能になる場合がある。
【0023】
更に、睾丸保護具1、2は履いているパンツやズボンの種類によって使用感が違い、トランクス型パンツなどでは、成型布や成型布1が撚れやすい。発明者は撚れ防止と共に睾丸をより高く持ち上げる構造を考えた。
【0024】
そこで、成型布1と同じ寸法の成型布中に柔軟性と復元力に優れている樹脂を封入した。この時、120〜220×170〜320に切断した布を篝縫いした後、袋状に縫製した後で封入するか、布に包んだ後縫製して封入する。
【0025】
図7、8の点線で示すように、▲1▼変形硬質樹脂を成型布に封入すると、▲ア▼が睾丸を巻くように湾曲して股間に定着し、▲イ▼は睾丸を持ち上げると伴に布撚れを防止することを発見した。この場合の変形硬質樹脂の厚さは0.3〜1.0mmが望ましい。
【0026】
更に、
図2の点線で示すように、▲2▼硬質樹脂、軟質樹脂、樹脂網、樹脂塗工布のいずれかを成型布中の広い面積に封入する。そして、張力の大半(70〜95%)が下側に架かり、上側にも多少架かる構造にすると、湾曲して睾丸根元に食い込むように定着すると伴に撚れを防ぐことも発見した。この場合硬質樹脂では厚さ0.1〜1.0mmが望ましい。同じ厚さでも樹脂の種類によって反発力は変化するので範囲は広い。このように、柔軟性と復元力に優れている硬質樹脂、軟質樹脂、樹脂塗工布、樹脂網のいずれか又は複数を封入すると、睾丸によって布が湾曲して股に定着すると共に撚れを防止する。
【0027】
請求項3は、
図2で示すように、布を袋状に加工し、成型布1と同じ寸法の成型布を得、その中に、
図3、
図4、
図7、
図8で示す柔軟性と復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を封入した成型布3を得たことが著しい特徴の睾丸保護具3である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【0028】
▲1▼と▲2▼のいずれか又は双方を使用する場合、直接成型布に封入すると、布を突き破って肌を刺す場合がある。よって、材質によってはハードチュールや布に接着又は封入したものを成型布に封入するのが望ましいが、直接封入する方式もあり、どれを選択してもよい。使用する樹脂には、布撚れを防ぐ復元性と睾丸に順応する柔軟性、座った時に負担がない形を有することが必要である。
【0029】
樹脂には多様な特性を有する多くがある。これらを有用な形に加工して封入することで、好ましい睾丸保護具を得ることができる。樹脂にはPE、PP、PVA、PS、その他、様々な種類があるが、使用する樹脂はどのような種類でもよい。
【0030】
本発明の目的である、姿勢に影響なく睾丸根元に定着し、睾丸を持ち上げて股と仕切る商品を得るための必要条件は、(1)張力の大半が下側に架かり上側にも少し架かる構造、(2)ゴム紐を腰から股に配する使用法(3)睾丸を支える成型布の形状である。これを十分条件とするため(4)成型布の睾丸に接する部分に軟質PVAシートを接着した構造や(5)成型布に硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を封入した構造にした。請求項1はこの内(1)(2)(3)であり、請求項2はこの内(1)(2)(3)(4)であり、請求項3は(1)(2)(3)(5)であるが、商品機能を向上させるために、(1)(2)(3)(4)(5)のすべてを実施してもよい。
【0031】
張力の比率は概ね下側70〜95%、上側5〜30%が適当であるが、現実的には測定不可能であり、大半が下側であればよい。
図5は睾丸保護具1,2,3を装着した時の概略斜視図であり、成型布下側が睾丸根元に密着して睾丸を支えて上げている。
【0032】
ゴム紐の機能はゴム紐に限らず張力が生じるものであればよく、伸縮布のように伸縮性があれば同様に働き、使用感も概ね同じで機能に大きな違いは認められなかったので、大きな伸縮性を有する布であればゴム紐に替えて使用できる。
【0033】
請求項4は請求項1、2、3をパンツと一体化するものであり、パンツ裏の左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツに接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツである。支点は、
図6で示すゴム紐通しの位置であり、睾丸保護具1、2、3を単独で履いた時、ゴム紐が配される位置又はその内側が望ましい。
【0034】
パンツにゴム紐を取り付ける方法は、支点にゴム紐通しを設けて、これにゴム紐を接続する方法、ゴム紐を支点に直接接続する方法、腰後ろから支点まで2〜5か所にゴム紐通しを設けて、ゴム紐を通す方法などが考えられ、これら全てを実施したが、単独で使用するのと同様に快適な使用感を得ることができた。
【発明の効果】
【0035】
男性は睾丸や陰茎が太腿に挟まれやすい構造になっている。特に高齢化に伴い睾丸が垂れてきて、椅子に座る場合に挟まれやすくなる。挟まれると睾丸が圧迫されたり、股と接着して不愉快となる場合がある。
【0036】
本発明品を着用すれば、立っている時は、睾丸を少し持ち上げて股との仕切りとして働き、睾丸の根元部がを引き上げる力が働いて、睾丸と太ももの間が仕切られると同時に隙間ができ、通気性がよく、汗をかいても布が吸収する。このように立っている時は、睾丸が少し上に移動して、太腿との間が仕切られて隙間ができて蒸れを防止して心地がよく、座った時は睾丸が股の前上に移動して太腿に挟まれないように働く。汗をかいても布に吸収されて蒸れない。更に睾丸と伴に尿管も持ち上げられるため、失禁も減少する。そして太腿間に隙間ができるため、悪臭や雑菌の発生を防ぐことができ、男性性器の温度調節もできて、高温化による男性ホルモンの分泌を阻害しない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図10に基づいて説明する。
【0038】
(1)
図10に示す構成の睾丸保護具1を以下の手順で制作する。
(2)100×260mmの布を得る。
(3)布を篝縫いして80×240mmの成型布1を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コードで長さ900mmのゴム紐を得る。
(5)成型布1の左右下側にゴム紐を接続する。
(6)成型布1の上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具1を得る。
【0039】
(1)
図1に示す構成の睾丸保護具2を以下の手順で制作する。
(2)15×50mmの軟質PVAシートを得る。
(3)長さ調節具を備えた15コードで長さ900mmのゴム紐を得る。
(4)100×260mmの布を得る。
(5)布を篝縫いして80×240mmの成型布を得る。
(6)成型布の中央部下側に軟質PVAシートを接着する。
(7)成型布の左右下側にゴム紐を接続する。
(8)成型布の上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具2を得る。
【0040】
(1)
図2に示す構成の睾丸保護具3を以下の手順で制作する。
(2)80×110mmの樹脂塗工布を得る。
(3)210×260mmの布を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コードで長さ800mmのゴム紐を得る。
(5)布を篝縫いした後、袋状に縫製した85×240mmの成型布を得る。
(6)成型布の中心部に樹脂塗工布を封入し、縫製接着して成型布3を得る。
(7)成型布の左右下側の袋中にゴム紐を入れて縫製接続する。
(8)成型布3の上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具3を得る。
【0041】
(1)
図7、8に示す変形硬質樹脂を封入した睾丸保護具2を以下の手順で制作する。
(2)210×260mmの布を得る。
(3)篝縫いした後袋状に縫製した85×240mmの成型布を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コード長さ800mmのゴム紐を得る。
(5)変形硬質樹脂を得る。
(6)成型布に変形硬質樹脂を封入して縫製固定して成型布3を得る。
(7)成型布3の左右上下に穴を開ける。この時下側に大半の張力が架かるように、下側に比べて上側は外に約30mm近い位置である。
(8)上下の穴にゴム紐接続ガイドを通す。
(9)ゴム紐と左右のゴム紐ガイドを接続する。
【0042】
(1)
図6で示す、パンツへの取り付け方法を以下に説明する。
(2)パンツを履いた時にゴム紐が太腿の付け根に沿って配される位置にゴム紐通しを取り付け、これを支点とする。
(3)支点外の後ろ部分に複数個のゴム紐通しを設ける。
(4)ゴム紐通しに、睾丸保護具1、2、3のいずれかのゴム紐を通しパンツと接続して睾丸保護パンツを得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図3】は、穴の位置によって張力調節する仕組みの、ゴム紐ガイドを使用する概略平面図である。下側の穴に比べて上側を3cm程度外側にする。
【
図4】はゴム紐ガイドを接着し、その長さによって張力を調節する仕組みの概略平面図である。下側を上側に比べて3cm程度短くする。
【
図5】は睾丸保護具1又は2又は3を装着した時の概略斜視図である。
【
図6】は支点となるゴム紐通しを介して接続した睾丸保護パンツ装着時の概略姿図である。
【
図7】は変形硬質樹脂を封入した成型布3の概略平面図である。
【
図8】は変形硬質樹脂封入した睾丸保護具3の概略斜視図である。
【
図9】は樹脂塗工布を封入した成型布に軟質PVA樹脂を接着した睾丸保護具の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
軟質PVAシートは睾丸付け根に強固に定着する役割である。
【0045】
変形硬質樹脂は特定の形に加工した硬質樹脂である。
【0046】
ゴム紐は腰から股にかけて配され、成型布に張力を与える役割である。
【0047】
通し穴は張力調節のため開けた穴であり、ここにゴム紐接続ガイドを通す。
【0048】
ガイド調節固定部は張力調節のための長さを決める。
【0049】
ゴム紐接続ガイドは成型布とゴム紐を接続するものである。
【0050】
樹脂塗工布は布に樹脂を浸透させて復元力を増幅したものである。
【0051】
成型布は睾丸と股を仕切り睾丸全体を支えて持ち上げる役割である。
【0052】
樹脂網は強い復元力を有し成型布の撚れを防ぐ役割である。
【0053】
ハードチュールは樹脂網の一種で撚れを防ぐ役割である。
【0054】
長さ調節具はゴム紐の長さを調節する役割である。
【0055】
ゴム紐通しはゴム紐の配置とパンツへの接続を司るもので、支点となる位置の他に設ける場合がある。
【0056】
パンツは男性パンツである。
【0057】
縫製は糸による接着部である。
【手続補正書】
【提出日】2017年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図10で示すように、縦40〜
120mm望ましくは
70〜100mm、横160〜300mm望ましくは180〜260mmの成型布1を得る。これに、
図3,4でも示すように張力の大半(70〜95%)が睾丸根元側(下側)に架かり、残りの多くが上側に架かるようにゴム紐を接続した構造が特徴であり、これを腰から股に配して装着する仕組みが特徴の丸保護具1である。
【請求項2】
図1で示すように、成型布1の中央部に軟質PVAシートを接着し、睾丸根元に接するようにした成型布2が著しい特徴の睾丸保護具2である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【請求項3】
図2、
図9で示すように
、成型布1、2の一部に、復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を
接着した構造を有する成型布3−1、3−2を得たことが著しい特徴の睾丸保護具3である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【請求項4】
図6で示すように、睾丸保護具1、2、3をパンツと一体化するものであり、パンツ裏の左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツに接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツである。支点は、図中のゴム紐通しの位置であり、睾丸保護具1、2、3を単独で履いた時、ゴム紐が配される位置又はその前である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睾丸と股を仕切り、睾丸が股に挟まれない商品とパンツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、パンツを履かなければ睾丸を持ち上げる機能を得ることができないため、パンツが下がるとその機能が果たせない。しかしパンツの構造上、
ゴムが腹を巻くよう配されているため、履いていれば必ず下がる。このように、どのような姿勢でも確実に睾丸を持ち上げ、股に挟まれない商品はなかった。
【先行技術文献】
【0003】
睾丸の移動を抑制し、吸湿性向上を目的とした、トランクスタイプのパンツの内部に、睾丸や陰茎を下部側から吊り上げるように覆うためのサポート帯が設けられていることを特徴とする男性用パンツが開示されている。
【特許文献2】特開2012−132136
【0004】
睾丸を受け止めて少し引き上げ常に股のすぐ上の位置に保つ、ハンモック形状の睾丸吊りを取り付けた男性用パンツが開示されている。
【0005】
この他、睾丸と陰茎を収めるポケットのついたパンツなど
の他、睾丸を保護する金的やジョグストラップなど睾丸の移動を抑制し保護する商品はある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パンツのゴムは腹部を巻くように取り付けられていて、睾丸や陰茎を有する男性が履くと構造上下がって椅子に座った時や正座をした時、睾丸や陰茎が太腿に挟まれて圧迫され大変重苦しくなる時がある。睾丸は加齢と伴に垂れてきて、股にはさまれやすくなると伴に股と密着して、睾丸の位置を変えないと気分が悪くなる時がある。
【0007】
睾丸が圧迫されたり、股に密着して心地が悪い時に、手で睾丸を少し上に引き上げると、睾丸や陰茎が心地よくなるが、股部分は人目が気になる所なので常に手を差し込んで睾丸を引き上げることはできない。
【0008】
睾丸や陰茎は時によって大きくなったり小さくなったりするので、その膨張や収縮に関わらないようにし、大小便に支障がない形状にする必要がある。
【0009】
人体のなかで、股間が最も動きの激しい所である。睾丸が股に挟まれ無く、密着しないようにするには、激しい動きに順応して睾丸と股を仕切り睾丸を持ち上げる仕組みが必要である。しかし、既存の腹部のゴム紐を利用する仕組みでは、姿勢によって睾丸と腹部の距離が大きく変化するので効果的なものはできない。
【0010】
数多くの試作品から、
姿勢に影響なく睾丸根元に定着し、睾丸を持ち上げて股と仕切る商品を得ることを本発明の目的とし、
解決すべき課題を次に示すような(A)〜(G)の7項目とした。(A)睾丸を持ち上げる、(B)睾丸を支えると共に股と仕切る、(C)使用時に違和感がない、(D)陰茎、睾丸の膨張による影響を受けない、(E)大小便時に支障がない、(F)運動中にも外れない、(G)使用中に撚れない。これらを解決するためには(1)ゴム紐を腰から股に配する使用法、(2)睾丸を支える成型布の形状、
寸法、構造、(3)張力の大半が成型布の睾丸根元側(以降下側と呼ぶ)に
架かる張力分布、の(1)〜(3)が要点であると発明者は考えた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ゴム紐が腹部を巻くように配される従来の仕組みでは、常に睾丸を持ち上げた状態を保持することはできない。発明者は姿勢や動きによる距離変化が少なく睾丸を引き上げる力が働く、腰から股に沿ってゴム紐を配する仕組みを考えて実施し課題(A)を解決した。
【0012】
使用感がよい布は、股間の動きに順応する生地であるが、装着時に撚れやすい。これを防ぐため、成型布の一部に復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を接着した構造を考え課題(G)を解決した。【0013】
睾丸を
支えると共に股と仕切ることができる寸法や利便性を考慮した上で、縦
40〜120×横160〜300mm望ましくは
70〜100×180〜260mmの
形状が長方形の成型布を得、
課題(B)(D)(E)を解決したた。
ただし、台形でもよく、睾丸を収めることができれば形状に厳密にこだわらない。
材質は伸縮性を有するものが望ましいが、不織布でもよく、伸縮性の有無に関わらないが、股間の動きに順応する材質を使用して課題(C)も解決した。【0014】
日本人では、成型布の縦寸法が100mm以下であれば、陰茎を覆うことなく睾丸部だけを支え
て包み、睾丸と股を仕切るので、膨張や収縮に影響なく小便時も支障がない。又、ゴム紐の長さは体形によって変わるので、原則としてゴム紐には長さ調節具を設ける。
【0015】
近年、滑り止めに使用する軟質PVA樹脂が市販されている。これはPVA樹脂を発砲して化学処理したものであり、シートや置物などのズレを防止するために使用されるのものである。衣服などの使用例は知らないが、発明者はゴム紐を軟質PVAで覆った物や、布の一部に接着したものに一定の張力を加えると、睾丸に強固に密着して肌触りも良いことを発見して実施し、
課題(F)の解決の一部とした。
【0016】
睾丸の構造上、根元に引っかかる形で持ち上げると外れ難い。よって、下側に張力の大半(70〜95%)が架かる構造にすれば、定着しやすくなる。
併せて軟質PVA樹脂を使用して課題(F)を解決した。これで課題(A)〜(G)のすべてを解決できた。【0017】
請求項1は、
図10で示すように、縦
40〜120mm×横160〜300mm、望ましくは
70〜100mm×180〜260mmの成型布1を得。これに、
図3,4でも示すように、張力の大半(70〜95%)が下側に架かり、残りの多くが上側に架かるようにゴム紐を接続した構造が特徴であり、これを腰から股に配して装着する仕組みが特徴の睾丸保護具1である。
【0018】
請求項2は、
図1で示すように、成型布1の中央部下に軟質PVAシートを接着した成型布2を得たことが著しい特徴であり、その他は睾丸保護具1と同様の睾丸保護具2である。軟質PVAシートの寸法は10×20mm以上で、望ましくは10〜30mm×30〜70mmである。
【0019】
股は睾丸に比べ敏感な部分であるため、接する布は
柔軟性が良いものが望ましいが、睾丸側はどのような材質でもよいので、撚れにくい材質を重ねてもよい。ゴム紐や長さ調節具はどのような規格や本数でもよいが、平ゴムの場合は12〜20コール1本の使用が望ましく、長さ調節具は薄いものが望ましい。
【0020】
ゴム紐の接続位置によって成型布に架かる張力の分布が大きく変化する。左右それぞれ1箇所にゴム紐を接続すると、接続点の横方向に張力が集中する。左右それぞれ2か所に接続すると、夫々の接続点の横方向に張力が働き、成型布を縦方向に湾曲させる。たすき掛けにして接続すると、張力が全体にも架かるが主に接続部の横に架かり、接続位置や布の角度によって様々に変化する。このように取り付る位置、数、方法によって、張力が変化して、使用感や睾丸付け根への定着力に差が生じる。ゴム紐の成形布への接続には、直接接続する方法と、成型布にゴム紐接続ガイドを設け、これに接続する方法があり、どちらを実施してもよい。
【0021】
ゴム紐の接続方法は、下側に強い張力が架かり、上側にも少し張力が架かる構造が必要である。
図1で示すように、下側にゴム紐を接続し、上側をたすきに折って縫製
接着する
方法や、
図3に示すように大半の張力が下側に架かるよう、下側の穴を上側に比べて
15〜30mm程度内側に開けてゴム紐接続ガイドを設ける方法や、
図4のように、ゴム紐接続ガイドを縫製接着した後、上側を下側に比べて
15〜30mm程度長くする方法が望ましい。
【0022】
軟質PVAシートを睾丸根元に配して睾丸保護具2を装着すると、ゴム紐の張力によって成型布2の下側と上側が引っ張られて、睾丸根元に軟質PVAシートが密着して定着すると伴に、睾丸を包んで持ち上げ睾丸と股を仕切る。しかし、撚れにくいニット布などを重ねても成型布2が撚れ、縦方向が縮小して使用不能になる場合がある。
【0023】
更に、睾丸保護具1、2は履いているパンツやズボンの種類によって使用感が違い、トランクス型パンツなどでは、
成型布1、2が撚れやすい。発明者は撚れ
防止構造を考えた。
【0024】
撚れ防止と共に発汗促進のためには、成型布に柔軟性と復元力に優れた、横が20〜70mm、縦が80〜100mmの面取りした長方形の樹脂網を、成型布の中央部に接着するのが望ましい。接着方法は、成型布を袋状にする方法や成型布に樹脂網を置き、その上に布などを被せる方法がある。【0025】
図7、8の点線で示すように、▲1▼変形硬質樹脂を成型布に封入すると、▲ア▼が睾丸を巻くように湾曲して股間に定着し、▲イ▼は睾丸を持ち上げると伴に布撚れを防止することを発見した。この場合の変形硬質樹脂の厚さは0.3〜1.0mmが望ましい。
【0026】
更に、
図2の点線で示すように、▲2▼硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれかを
成型布の一部に接着する。そして、張力の大半(70〜95%)が下側に架かり、上側にも多少架かる構造にすると、湾曲して睾丸根元に食い込むように定着すると伴に撚れを防ぐことも発見した。この場合硬質樹脂では厚さ0.1〜1.0mmが望ましい。同じ厚さでも樹脂の種類によって反発力は変化するので範囲は広い。このように、柔軟性と復元力に優れている硬質樹脂、軟質樹脂、樹脂塗工布、樹脂網のいずれか又は複数を
接着すると、睾丸によって布が湾曲して股に定着すると共に撚れを防止する。
【0027】
請求項3は、
図2、
図9で示すように、
成型布1、2の一部に、柔軟性と復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を
接着した
成型布3−1,3−2を得たことが著しい特徴の睾丸保護具3である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【0028】
▲1▼と▲2▼のいずれか又は双方を使用する場合、直接成型布に
接着すると、布を突き破って肌を刺す場合がある。よって、材質によってはハードチュールや布に接着又は封入したものを成型布に
接着するのが望ましいが、どれを選択してもよい。使用する
樹脂は、布撚れを防ぐ復元性と
耐洗濯性、睾丸に順応する柔軟性、座った時に負担がない形を有することが必要である。
【0029】
樹脂には多様な特性を有する多くがある。これらを有用な形に加工して封入することで、好ましい睾丸保護具を得ることができる。樹脂にはPE、PP、PVA、PS、その他、様々な種類があるが、使用する樹脂はどのような種類でもよい。
【0030】
本発明の
目的を達成するためには(1)張力の大半が下側に架かり上側にも少し架かる
成型布への張力分布構造、(2)ゴム紐を腰から股に配する使用法(3)睾丸を支える成型布の形状、
寸法、構造の(1)(2)(3)が必要である。
更に(4)成型布の睾丸に接する部分に軟質PVAシートの接着
することで、睾丸から外れる弱点を克服し、(5)成型布の一部に硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を
接着して撚れを防止すると、完全な商品となる。睾丸保護具
1は(1)(2)(3)を達成し、睾丸保護具
2は(1)(2)(3)(4)を達成し、成型布3−1を使用した睾丸保護具3
は、(1)(2)(3)(5)を達成し、成型布3−2を使用した睾丸保護具3
は、(1)(2)(3)(4)(5)を達成したものである。【0031】
張力の比率は概ね下側70〜95%、上側5〜30%が適当であるが、現実的には測定不可能であり、大半が下側であればよい。
図5は睾丸保護具1,2,3を装着した時の概略斜視図であり、成型布下側が睾丸根元に密着して睾丸を支えて上げている。
【0032】
ゴム紐の機能はゴム紐に限らず張力が生じるものであればよく、伸縮布のように伸縮性があれば同様に働き、使用感も概ね同じで機能に大きな違いは認められなかったので、大きな伸縮性を有する布であればゴム紐に替えて使用できる。
【0033】
請求項4は請求項1、2、3をパンツと一体化するものであり、パンツ裏の左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツに接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツである。支点は、
図6で示すゴム紐通しの位置であり、睾丸保護具1、2、3を単独で履いた時、ゴム紐が配される位置又はその内側が望ましい。
【0034】
パンツにゴム紐を取り付ける方法は、支点にゴム紐通しを設けて、これにゴム紐を接続する方法、ゴム紐を支点に直接接続する方法、腰後ろから支点まで2〜5か所にゴム紐通しを設けて、ゴム紐を通す方法などが考えられ、これら全てを実施したが、単独で使用するのと同様に快適な使用感を得ることができた。
【発明の効果】
【0035】
男性は睾丸や陰茎が太腿に挟まれやすい構造になっている。特に高齢化に伴い睾丸が垂れてきて、椅子に座る場合に挟まれやすくなる。挟まれると睾丸が圧迫されたり、股と接着して不愉快となる場合がある。
【0036】
本発明品を着用すれば、立っている時は、睾丸を少し持ち上げて股との仕切りとして働き、睾丸の根元部がを引き上げる力が働いて、睾丸と太ももの間が仕切られると同時に隙間ができ、通気性がよく、汗をかいても布が吸収する。このように立っている時は、睾丸が少し上に移動して、太腿との間が仕切られて隙間ができて蒸れを防止して心地がよく、座った時は睾丸が股の前上に移動して太腿に挟まれないように働く。汗をかいても布に吸収されて蒸れない。更に睾丸と伴に尿管も持ち上げられるため、失禁も減少する。そして太腿間に隙間ができるため、悪臭や雑菌の発生を防ぐことができ、男性性器の温度調節もできて、高温化による男性ホルモンの分泌を阻害しない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図10に基づいて説明する。
【0038】
(1)
図10に示す構成の睾丸保護具1を以下の手順で制作する。
(2)100×260mmの布を得る。
(3)布を篝縫いして80×
220mmの成型布1を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コードで長さ900mmのゴム紐を得る。
(5)成型布1の左右下側にゴム紐を接続する。
(6)成型布1の上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具1を得る。
【0039】
(1)
図1に示す構成の睾丸保護具2を以下の手順で制作する。
(2)
35×50mmの軟質PVAシートを得る。
(3)長さ調節具を備えた15コードで長さ900mmのゴム紐を得る。
(4)100×
200mmの布を得る。
(5)成型布の中央部下側に軟質PVAシートを接着して成型布2を得る。
(6)
成型布2の左右下側にゴム紐を接続する。
(7)上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具2を得る。
【0040】
(1)
図2に示す構成の睾丸保護具3を以下の手順で制作する。
(2)
80×40mmの樹脂塗工布を得る。
(3)210×260mmの布を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コードで長さ
1000mmのゴム紐を得る。
(5)布を篝縫いした後、袋状に縫製した85×
200mmの成型布を得る。
(6)成型布の中心部に樹脂塗工布を封入し、縫製接着して成型布3−1を得る。
(7)
成型布3−1の左右下側の袋中にゴム紐を入れて縫製接続する。
(8)上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具3を得る。
【0041】
(1
)図8に示す変形硬質樹脂を封入した睾丸保護具2を以下の手順で制作する。
(2)210×260mmの布を得る。
(3)篝縫いした後袋状に縫製した
95×200mmの成型布を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コード長さ
1000mmのゴム紐を得る。
(5)変形硬質樹脂を得る。
(6)成型布に変形硬質樹脂を封入して縫製
接着して
成型布3−1を得る。
(7)左右上下に穴を開ける。この時
位置は、上側が左右の端から5〜15mm上端から10〜20mm、下側が左右の端から25〜35mm下端から5〜15mmである。
(8)上下の穴にゴム紐接続ガイドを通す。
(9)ゴム紐と左右のゴム紐接続ガイドを接続
して睾丸保護具3を得る。
【0042】
(1)
図6で示す、パンツへの取り付け方法を以下に説明する。
(2)パンツを履いた時にゴム紐が太腿の付け根に沿って配される位置にゴム紐通しを取り付け、これを支点とする。
(3)支点外の後ろ部分に複数個のゴム紐通しを設ける。
(4)ゴム紐通しに、睾丸保護具1、2、3のいずれかのゴム紐を通しパンツと接続して睾丸保護パンツを得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1は睾丸保護具2の概略斜視図である。
図2は睾丸保護具3の概略斜視図である。
図3は、穴の位置によって張力調節する仕組みの、ゴム紐接続ガイドを使用する概略平面図である。
下側を上側に比べて2〜3cm程度短くする。
図4はゴム紐接続ガイドを接着し、その長さによって張力を調節する仕組みの概略平面図である。下側を上側に比べて
2〜3cm程度短くする。
図5は睾丸保護具1又は2又は3を装着した時の概略斜視図である。
図6は支点となるゴム紐通しを介して接続した睾丸保護パンツ装着時の概略姿図である。
図7は変形硬質樹脂を封入した成型布3−
1の概略平面図である。
図8は変形硬質樹脂封入した睾丸保護具3の概略斜視図である。
図9は
樹脂塗工布と軟質PVA樹脂を接着した
睾丸保護具3の概略斜視図である。
図10は睾丸保護具1の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
軟質PVAシートは睾丸付け根に強固に定着する役割である。
【0045】
変形硬質樹脂は特定の形に加工した硬質樹脂である。
【0046】
ゴム紐は腰から股にかけて配され、成型布に張力を与える役割である。
【0047】
通し穴は張力調節のため開けた穴であり、ここにゴム紐接続ガイドを通す。
【0048】
ガイド調節固定部は張力調節のための長さを決める。
【0049】
ゴム紐接続ガイドは成型布とゴム紐を接続するものである。
【0050】
樹脂塗工布は布に樹脂を浸透させて復元力を増幅したものである。
【0051】
成型布は睾丸と股を仕切り睾丸全体を支えて持ち上げる役割である。
【0052】
樹脂網は強い復元力を有し成型布の撚れを防ぐ役割である。
【0053】
ハードチュールは樹脂網の一種で撚れを防ぐ役割である。
【0054】
長さ調節具はゴム紐の長さを調節する役割である。
【0055】
ゴム紐通しはゴム紐の配置とパンツへの接続を司るもので、支点となる位置の他に設ける場合がある。
【0056】
パンツは男性パンツである。
【0057】
縫製は糸による接着部である。
【手続補正書】
【提出日】2017年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
従来技術では、パンツを履かなければ睾丸を持ち上げる機能を得ることができないため、パンツが下がるとその機能が果たせない。しかしパンツの構造上、ゴムが腹を巻くよう配され
前後が繋がっているため、
睾丸を吊り上げる力が働かず履いていれば必ず下がる。このように、どのような姿勢でも確実に睾丸を持ち上げ、股に挟まれない商品はなかった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
近年、滑り止めに使用する軟質PVA樹脂が市販されている。これはPVA樹脂を発砲して化学処理したものであり、シートや置物などのズレを防止するために使用されるのものである。衣服などの使用例は知らないが、発明者はゴム紐を軟質PVAで覆った物や、布の一部に接着したものに一定の張力を加えると、睾丸に強固に密着して肌触りも良いことを発見して実施し、課題(F)の解決の一部とした。
軟質PVA樹脂に限らず、樹脂やゴム等を発砲したもので滑り止め機能があればよく、どのような接着方法でもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
(1)図13、14に示す、陰茎を覆う睾丸保護具3を以下の手順で制作する。
(2)25×85mmの樹脂網を得る。
(3)200×200mmの伸縮性を有す成型布を得、装着時の見栄えが好くなるよう一部を切断する。
(4)50×100mmの布を得る。
(5)30×55mmの軟質PVAシートを得る。
(6)ゴム紐接続ガイドの通し穴を左右夫々4か所設ける。
(7)成型布上に樹脂網を載せ布を被せて接着する。
(8)布上に軟質PVAシートを接着して成型布3−2を得る。
(9)成型布3−2を2つ折りして、左右夫々の通し穴に夫々ゴム紐接続ガイドを設け、これにゴム紐を接続して睾丸保護具3を得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
【
図3】
図3は、穴の位置によって張力調節する仕組みの、ゴム紐接続ガイドを使用する概略平面図である。下側を上側に比べて2〜3cm程度短くする。
【
図4】
図4はゴム紐接続ガイドを接着し、その長さによって張力を調節する仕組みの概略平面図である。下側を上側に比べて2〜3cm程度短くする。
【
図5】
図5は睾丸保護具1又は2又は3を装着した時の概略斜視図である。
【
図6】
図6は支点となるゴム紐通しを介して接続した睾丸保護パンツ装着時の概略姿図である。
【
図7】
図7は変形硬質樹脂を封入した成型布3−
1の概略平面図である。
【
図8】
図8は変形硬質樹脂封入した睾丸保護具3の概略斜視図である。
【
図9】
図9は樹脂塗工布と軟質PVA樹脂を接着した睾丸保護具3の概略斜視図である。
【
図11】
図11は伸縮生地を使用した成型布3−2の平面図である。
【
図13】
図13は縦長さを2倍にして、陰茎まで覆った成型布3−2の平面図である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
請求項4は請求項1、2、3をパンツと一体化するものであり、パンツ裏の左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツに接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツである。支点は、
図6で示すゴム紐通しの位置であり、睾丸保護具1、2、3を単独で履いた時、ゴム紐が配される位置又はその内側が望ましい。
睾丸保護具1,2,3は図13,14で示すように、基本構造を変えずに縦寸法を2倍にすると陰茎を覆うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2017年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
図10で示すように、縦40
以上望ましくは70〜
260mm、横160〜300mm望ましくは180〜260mmの成型布1を得る。これに、
図3,4でも示すように張力の大半(70〜95%)が睾丸根元側(下側)に架かり、残りの多くが上側に架かるようにゴム紐を接続した構造が特徴であり、これを腰から股に配して装着する仕組みが特徴の丸保護具1である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は、睾丸と股を仕切り、睾丸が股に挟まれない商品とパンツに関するものである。
【背景技術】
【002】
従来技術では、パンツを履かなければ睾丸を持ち上げる機能を得ることができないため、パンツが下がるとその機能が果たせない。しかしパンツの構造上、ゴムが腹を巻くよう配され、前後がつながっているため、ジョグストラップのように生地できつく締めても、圧迫するだけで不快感が増加する。また履いていれば必ず下がる。このように、どのような姿勢でも確実に睾丸を持ち上げ、股に挟まれない商品はなかった。
【先行技術文献】
【003】
睾丸の移動を抑制し、吸湿性向上を目的とした、トランクスタイプのパンツの内部に、睾丸や陰茎を下部側から吊り上げるように覆うためのサポート帯が設けられていることを特徴とする男性用パンツが開示されている。
【特許文献2】特開2012−132136
【004】
睾丸を受け止めて少し引き上げ常に股のすぐ上の位置に保つ、ハンモック形状の睾丸吊りを取り付けた男性用パンツが開示されている。
【005】
この他、睾丸と陰茎を収めるポケットのついたパンツなどの他、睾丸を保護する金的やジョグストラップなど睾丸の移動を抑制し保護する商品はある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【006】
パンツのゴムは腹部を巻くように取り付けられ、前後が繋がっているため睾丸を吊り上げる力が働かない。睾丸や陰茎を有する男性が履くと構造上下がって椅子に座った時や正座をした時、睾丸や陰茎が太腿に挟まれて圧迫され大変重苦しくなる時がある。睾丸は加齢と伴に垂れてきて、股にはさまれやすくなると伴に股と密着して、睾丸の位置を変えないと気分が悪くなる時がある。
【007】
睾丸が圧迫されたり、股に密着して心地が悪い時に、手で睾丸を少し上に引き上げると、睾丸や陰茎が心地よくなるが、股部分は人目が気になる所なので常に手を差し込んで睾丸を引き上げることはできない。
【008】
睾丸や陰茎は時によって大きくなったり小さくなったりするので、その膨張や収縮に関わらないようにし、大小便に支障がない形状にする必要がある。
【009】
人体のなかで、股間が最も動きの激しい所である。睾丸が股に挟まれ無く、密着しないようにするには、激しい動きに順応して睾丸と股を仕切り睾丸を持ち上げる仕組みが必要である。しかし、既存の腹部のゴム紐を利用する仕組みでは、姿勢によって睾丸と腹部の距離が大きく変化するので効果的なものはできない。
【010】
数多くの試作品から、姿勢に影響なく睾丸根元に定着し、睾丸を持ち上げて股と仕切る商品を得ることを本発明の目的とし、解決すべき課題を次に示すような(A)〜(G)の7項目とした。(A)睾丸を持ち上げる、(B)睾丸を支えると共に股と仕切る、(C)使用時に違和感がない、(D)陰茎、睾丸の膨張による影響を受けない、(E)大小便時に支障がない、(F)運動中にも外れない、(G)使用中に撚れない。これらを解決するためには(1)吊り上げる力が働くように、ゴム紐を腰から股に配する使用法、(2)睾丸を支える成型布の形状、寸法、構造、(3)睾丸から外れないよう、張力の大半が成型布の睾丸根元側(以降下側と呼ぶ)に架かる張力分布、の(1)〜(3)が要点であると発明者は考えた。
【課題を解決するための手段】
【011】
ゴム紐が腹部を巻くように配される従来の仕組みでは、常に睾丸を持ち上げた状態を保持することはできない。発明者は姿勢や動きによる距離変化が少なく睾丸を引き上げる力が働く、腰から股に沿ってゴム紐を配し前後を接続しない仕組みで、睾丸を吊り上げる方式を考えて実施し課題(A)を解決した。
【012】
使用感がよい布は、股間の動きに順応する生地であるが、装着時に撚れやすい。これを防ぐため、成型布の一部に復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を接着した構造を考え課題(G)を解決した。
【013】
睾丸を支えると共に股と仕切ることができる寸法や利便性を考慮した上で、縦
40mm以上横160〜300mm望ましくは
70〜260×180〜260mmの成型布を得、課題(B)(D)(E)を解決した。ただし、台形でもよく、睾丸
又は陰茎を含めて収めることができれば形状に厳密にこだわらない。材質は伸縮性を有するものが望ましいが、不織布でもよく、伸縮性の有無に関わらないが、股間の動きに順応する材質を使用して課題(C)も解決した。
【014】
日本人では、成型布の縦寸法が100mm以下であれば、陰茎を覆うことなく睾丸部だけを支えて包み、
200mm以上あれば陰茎まで包める。睾丸と股を仕切るので、膨張や収縮に影響なく小便時も支障がない。又、ゴム紐の長さは体形によって変わるので、原則としてゴム紐には長さ調節具を設ける。
【015】
近年、滑り止めに使用する軟質PVA樹脂が市販されている。これはPVA樹脂を発砲して化学処理したものであり、シートや置物などのズレを防止するために使用されるのものである。衣服などの使用例は知らないが、発明者はゴム紐を軟質PVAで覆った物や、布の一部に接着したものに一定の張力を加えると、睾丸に強固に密着して肌触りも良いことを発見して成型布に接着し、課題(F)の解決の一部とした。発砲PVAに限らず、滑り止め機能があれば他の樹脂やゴム等を発砲したものを使用してもよく、どのような接着方法でもよい。
【016】
睾丸の構造上、根元に引っかかる形で持ち上げると外れ難い。よって、下側に張力の大半(70〜95%)が架かる構造にすれば、定着しやすくなる。併せて軟質PVA樹脂を使用して課題(F)を解決した。これで課題(A)〜(G)のすべてが解決できた。
【017】
請求項1は、
図10で示すように、縦40
mm以上×横160〜300mm、望ましくは70〜
260mm×180〜260mmの成型布1を得。これに、
図3,4でも示すように、張力の大半(70〜95%)が下側に架かり、残りの多くが上側に架かるようにゴム紐を接続した構造が特徴であり、これを睾丸を吊り上げる力が働くように、腰から股に配して装着する仕組みが特徴の睾丸保護具1である。
【018】
請求項2は、
図1で示すように、成型布1の中央部下に軟質PVAシートを接着した成型布2を得たことが著しい特徴であり、その他は睾丸保護具1と同様の睾丸保護具2である。軟質PVAシートの寸法は10×20mm以上で、望ましくは
30〜60×40〜90mmである。
【019】
股は睾丸に比べ敏感な部分であるため、接する布は柔軟性が良いものが望ましいが、睾丸側はどのような材質でもよいので、撚れにくい材質を重ねてもよい。ゴム紐や長さ調節具はどのような規格や本数でもよいが、平ゴムの場合は12〜20コール1本の使用が望ましく、長さ調節具は薄いものが望ましい。
【020】
ゴム紐の接続位置によって成型布に架かる張力の分布が大きく変化する。左右それぞれ1箇所にゴム紐を接続すると、接続点の横方向に張力が集中する。左右それぞれ2か所に接続すると、夫々の接続点の横方向に張力が働き、成型布を縦方向に湾曲させる。たすき掛けにして接続すると、張力が全体にも架かるが主に接続部の横に架かり、接続位置や布の角度によって様々に変化する。このように取り付る位置、数、方法によって、張力が変化して、使用感や睾丸付け根への定着力に差が生じる。ゴム紐の成形布への接続には、直接接続する方法と、成型布にゴム紐接続ガイドを設け、これに接続する方法があり、どちらを実施してもよい。
【021】
ゴム紐の接続方法は、下側に強い張力が架かり、上側にも少し張力が架かる構造が必要である。
図1で示すように、下側にゴム紐を接続し、上側をたすきに折って縫製接着する方法や、
図3に示すように大半の張力が下側に架かるよう、下側の穴を上側に比べて15〜30mm程度内側に開けてゴム紐接続ガイドを設ける方法や、
図4のように、ゴム紐接続ガイドを縫製接着した後、上側を下側に比べて15〜30mm程度長くする方法が望ましい。
【022】
軟質PVAシートを睾丸根元に配して睾丸保護具2を装着すると、ゴム紐の張力によって成型布2の下側と上側が引っ張られて、睾丸根元に軟質PVAシートが密着して定着すると伴に、睾丸を包んで持ち上げ睾丸と股を仕切る。しかし、撚れにくいニット布などを重ねても成型布2が撚れ、縦方向が縮小して使用不能になる場合がある。
【023】
更に、睾丸保護具1、2は履いているパンツやズボンの種類によって使用感が違い、トランクス型パンツなどでは、成型布1、2が撚れやすい。発明者は撚れ防止構造を考えた。
【024】
撚れ防止と共に発汗促進のためには、柔軟性と復元力に優れた横が20〜70mm、縦が
40〜80mm
の門型又は長方形に成形して面取りした樹脂網を、成型布の中央部に接着するのが望ましい。接着方法は、
樹脂網上に軟質PVA樹脂を被せて接着する方法や成型布を袋状にする方法や成型布に樹脂網を置き、その上に布などを被せる方法がある。
【025】
図7、8の点線で示すように、▲1▼変形硬質樹脂を成型布に封入すると、▲ア▼が睾丸を巻くように湾曲して股間に定着し、▲イ▼は睾丸を持ち上げると伴に布撚れを防止することを発見した。この場合の変形硬質樹脂の厚さは0.3〜1.0mmが望ましい。
【026】
更に、
図2の点線で示すように、▲2▼硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれかを成型布の一部に接着する。そして、張力の大半(70〜95%)が下側に架かり、上側にも多少架かる構造にすると、湾曲して睾丸根元に食い込むように定着すると伴に撚れを防ぐことも発見した。この場合硬質樹脂では厚さ0.1〜1.0mmが望ましい。同じ厚さでも樹脂の種類によって反発力は変化するので範囲は広い。このように、柔軟性と復元力に優れている硬質樹脂、軟質樹脂、樹脂塗工布、樹脂網のいずれか又は複数を
接着すると、睾丸によって布が湾曲して股に定着すると共に撚れを防止する。
【027】
請求項3は、
図2、
図9、
図11,12,13,14で示すように、成型布1、2の一部に、柔軟性と復元力に優れた硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を接着した成型布3−1,3−2を得たことが著しい特徴の睾丸保護具3である。その他は睾丸保護具1に同じである。
【028】
▲1▼と▲2▼のいずれか又は双方を使用する場合、直接成型布に
接着すると、布を突き破って肌を刺す場合がある。よって、材質によってはハードチュールや布に接着又は封入したものを成型布に接着するのが望ましいが、どれを選択してもよい。使用する樹脂は、布撚れを防ぐ復元性と耐洗濯性、睾丸に順応する柔軟性、座った時に負担がない形を有することが必要である。
【029】
樹脂には多様な特性を有する多くがある。これらを有用な形に加工して封入することで、好ましい睾丸保護具を得ることができる。樹脂にはPE、PP、PVA、PS、その他、様々な種類があるが、使用する樹脂はどのような種類でもよい。
【030】
本発明の目的を達成するためには(1)張力の大半が下側に架かり上側にも少し架かる成型布への張力分布構造、(2)ゴム紐を腰から股に配する使用法(3)睾丸を支える成型布の形状、寸法、構造の(1)(2)(3)が必要である。更に(4)成型布の睾丸に接する部分に軟質PVAシートの接着することで、睾丸から外れる弱点を克服し、(5)成型布の一部に硬質樹脂、樹脂塗工布、軟質樹脂、樹脂網のいずれか又は複数を接着して撚れを防止すると、完全な商品となる。睾丸保護具1は(1)(2)(3)を達成し、睾丸保護具2は(1)(2)(3)(4)を達成し、成型布3−1を使用した睾丸保護具3は、(1)(2)(3)(5)を達成し、成型布3−2を使用した睾丸保護具3は、(1)(2)(3)(4)(5)を達成したものである。
【031】
張力の比率は概ね下側70〜95%、上側5〜30%が適当であるが、現実的には測定不可能であり、大半が下側であればよい。
図5は睾丸保護具1,2,3を装着した時の概略斜視図であり、成型布下側が睾丸根元に密着して睾丸を支えて上げている。また、
図13、14で示すように基本構造は同じでも、成型布の縦を長くすると陰茎まで覆うことができるので、パンツとして使用できる。
【032】
ゴム紐の機能はゴム紐に限らず張力が生じるものであればよく、伸縮布のように伸縮性があれば同様に働き、使用感も概ね同じで機能に大きな違いは認められなかったので、大きな伸縮性を有する布であればゴム紐に替えて使用できる。
【033】
請求項4は請求項1、2、3をパンツと一体化するものであり、パンツ裏の左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツに接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツである。支点は、
図6で示すゴム紐通しの位置であり、睾丸保護具1、2、3を単独で履いた時、ゴム紐が配される位置又はその内側が望ましい。
【034】
パンツにゴム紐を取り付ける方法は、支点にゴム紐通しを設けて、これにゴム紐を接続する方法、ゴム紐を支点に直接接続する方法、腰後ろから支点まで2〜5か所にゴム紐通しを設けて、ゴム紐を通す方法などが考えられ、これら全てを実施したが、単独で使用するのと同様に快適な使用感を得ることができた。
【発明の効果】
【035】
男性は睾丸や陰茎が太腿に挟まれやすい構造になっている。特に高齢化に伴い睾丸が垂れてきて、椅子に座る場合に挟まれやすくなる。挟まれると睾丸が圧迫されたり、股と接着して不愉快となる場合がある。
【036】
本発明品を着用すれば、立っている時は、睾丸を少し持ち上げて股との仕切りとして働き、睾丸の根元部がを引き上げる力が働いて、睾丸と太ももの間が仕切られると同時に隙間ができ、通気性がよく、汗をかいても布が吸収する。このように立っている時は、睾丸が少し上に移動して、太腿との間が仕切られて隙間ができて蒸れを防止して心地がよく、座った時は睾丸が股の前上に移動して太腿に挟まれないように働く。汗をかいても布に吸収されて蒸れない。更に睾丸と伴に尿管も持ち上げられるため、失禁も減少する。そして太腿間に隙間ができるため、悪臭や雑菌の発生を防ぐことができ、男性性器の温度調節もできて、高温化による男性ホルモンの分泌を阻害しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【037】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図10に基づいて説明する。
【038】
(1)
図10に示す構成の睾丸保護具1を以下の手順で制作する。
(2)100×260mmの布を得る。
(3)布を篝縫いして80×240mmの成型布1を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コードで長さ900mmのゴム紐を得る。
(5)成型布1の左右下側にゴム紐を接続する。
(6)成型布1の上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具1を得る。
【039】
(1)
図1に示す構成の睾丸保護具2を以下の手順で制作する。
(2)35×50mmの軟質PVAシートを得る。
(3)長さ調節具を備えた15コードで長さ900mmのゴム紐を得る。
(4)100×200mmの布を得る。
(5)成型布の中央部下側に軟質PVAシートを接着して成型布2を得る。
(6)成型布2の左右下側にゴム紐を接続する。
(7)上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具2を得る。
【040】
(1)
図2に示す構成の睾丸保護具3を以下の手順で制作する。
(2)80×40mmの樹脂塗工布を得る。
(3)210×260mmの布を得る。
(4)長さ調節具を備えた15コードで長さ1000mmのゴム紐を得る。
(5)布を篝縫いした後、袋状に縫製した85×200mmの成型布を得る。
(6)成型布の中心部に樹脂塗工布を封入し、縫製接着して成型布3−1を得る。
(7)成型布3−1の左右下側の袋中にゴム紐を入れて縫製接続する。
(8)上側両端をたすき掛けに折って縫製接着して睾丸保護具3を得る。
【041】
(1)
図13,14に示すように、伸縮性布を使用した睾丸保護具3を以下の手順で制作する。
(2)30×85mmの樹脂網を得る。
(3)210×200mmの布を得る。
(4)50×100mmの保護布を得る。
(5)長さ調節具を備えた15コードで長さ1000mmのゴム紐を得る。
(6)
図13に示すように布の一部を切断し、8個の穴を開けた成型布を得る。
(7)樹脂網上に保護布を被せて成型布に接着する。
(8)
図14で示す位置に軟質PVA樹脂を接着して成型布3−2を得る。
(9)成型布3−2の上下を半分に折って左右夫々の上下穴に紐を通しゴム紐接続ガイドとする。
(10)ゴム紐接続ガイドにゴム紐を通して睾丸保護具3を得る。
【042】
(1)
図6で示す、パンツへの取り付け方法を以下に説明する。
(2)パンツを履いた時にゴム紐が太腿の付け根に沿って配される位置にゴム紐通しを取り付け、これを支点とする。
(3)支点外の後ろ部分に複数個のゴム紐通しを設ける。
(4)ゴム紐通しに、睾丸保護具1、2、3のいずれかのゴム紐を通しパンツと接続して睾丸保護パンツを得る。
【図面の簡単な説明】
【043】
図1は睾丸保護具2の概略斜視図である。
図2は睾丸保護具3の概略斜視図である。
図3は、穴の位置によって張力調節する仕組みの、ゴム紐接続ガイドを使用する概略平面図である。下側を上側に比べて2〜3cm程度短くする。
図4はゴム紐接続ガイドを接着し、その長さによって張力を調節する仕組みの概略平面図である。下側を上側に比べて2〜3cm程度短くする。
図5は睾丸保護具1又は2又は3を装着した時の概略斜視図である。
図6は支点となるゴム紐通しを介して接続した睾丸保護パンツ装着時の概略姿図である。
図7は変形硬質樹脂を封入した成型布3−1の概略平面図である。
図8は変形硬質樹脂封入した睾丸保護具3の概略斜視図である。
図9は樹脂塗工布と軟質PVA樹脂を接着した睾丸保護具3の概略斜視図である。
図10は睾丸保護具1の概略斜視図である。
図11は伸縮生地を使用した成型布3−2の平面図である。
図12は
図11の成型布3−2を使用した睾丸保護具3の概略斜視図である。
図13は陰茎を覆うよう、伸縮生地の縦長さを2倍にした成型布3−2の平面図である。
図14は
図13の成型布3−2を使用した睾丸保護具3の概略斜視図である。
【符号の説明】
【044】
軟質PVAシートは睾丸付け根に強固に定着する役割である。
【045】
変形硬質樹脂は特定の形に加工した硬質樹脂である。
【046】
ゴム紐は腰から股にかけて配され、成型布に張力を与える役割である。
【047】
通し穴は張力調節のため開けた穴であり、ここにゴム紐接続ガイドを通す。
【048】
ガイド調節固定部は張力調節のための長さを決める。
【049】
ゴム紐接続ガイドは成型布とゴム紐を接続するものである。
【050】
樹脂塗工布は布に樹脂を浸透させて復元力を増幅したものである。
【051】
成型布は睾丸と股を仕切り睾丸全体を支えて持ち上げる役割である。
【052】
樹脂網は強い復元力を有し成型布の撚れを防ぐ役割である。
【053】
ハードチュールは樹脂網の一種で撚れを防ぐ役割である。
【054】
長さ調節具はゴム紐の長さを調節する役割である。
【055】
ゴム紐通しはゴム紐の配置とパンツへの接続を司るもので、支点となる位置の他に設ける場合がある。
【056】
パンツは男性パンツである。
【057】
縫製は糸による接着部である。