【解決手段】収容凹部22を有する硬貨処理機本体11と、収容凹部22に抜き差し可能であり収容凹部22に差し込まれた状態で硬貨処理機本体11から放出される硬貨Cを受け入れるカルトン12と、収容凹部22に設けられてカルトン12の硬貨Cの有無を検出する磁気センサ82と、磁気センサ82が硬貨有りを検出すると報知を行う報知手段と、を備える。
前記磁気センサは、前記収容凹部の開口側のみに設けられており、前記カルトンの前記収容凹部への差し込み時に前記カルトンに残留する硬貨の有無を検出することを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。
前記磁気センサは、前記収容凹部の幅方向に長い平面状のパターンコイルがプリントされたプリント基板を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の硬貨処理機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
硬貨処理機において、出金時にカルトンに放出された硬貨に取り残しがあると、その出金取引では支払不足となってしまう。また、それに気付かずに続けて次の出金取引を行ってしまうと、その出金取引では、過剰支払になってしまう。
【0005】
また、硬貨処理機においては、出金口とは別に、入金された硬貨の中から受け入れ不可であると判断された硬貨(偽硬貨や識別不能な硬貨)を出金口とは異なる、入金リジェクト口と呼ばれる専用の受取り口に搬送するものもある。しかし、硬貨処理機の中でもコンパクトな硬貨処理機として提供される装置の中には、装置筐体の前方部に配置され、操作者が硬貨の授受を行う取引口周りのスペースには限りがあるものがあり、特に、硬貨入金リジェクトの硬貨の機外への取り出しに際して、スペースの有効性の観点より、当該硬貨の専用の受取口となる入金リジェクト口を備えずに、出金口と併用しているものもある。このような硬貨処理機において、入金リジェクト硬貨をカルトンに放出させるものでも、カルトンに放出された入金リジェクト硬貨に取り残しがあると、その取り扱いによっては、過剰入金、過剰返却となってしまう虞がある。
【0006】
したがって、本発明は、カルトンにおける硬貨の残留を抑制することができる硬貨処理機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、収容凹部を有する硬貨処理機本体と、前記収容凹部に抜き差し可能であり該収容凹部に差し込まれた状態で前記硬貨処理機本体から放出される硬貨を受け入れるカルトンと、前記収容凹部に設けられて前記カルトンの硬貨の有無を検出する磁気センサと、前記磁気センサが硬貨有りを検出すると報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記第1の態様によれば、収容凹部に設けられた磁気センサが、カルトンの硬貨有りを検出すると、報知手段が報知を行う。よって、カルトンに硬貨の残留があると、報知を行うことになるため、カルトンにおける硬貨の残留を抑制することができる。また、磁気センサを用いるため、低コスト化が図れる。
【0009】
本発明に係る第2の態様は、上記第1の態様において、前記磁気センサは、前記収容凹部の開口側のみに設けられており、前記カルトンの前記収容凹部への差し込み時に前記カルトンに残留する硬貨の有無を検出することを特徴とする。
【0010】
上記第2の態様によれば、収容凹部に差し込まれた状態のカルトンに硬貨処理機本体から硬貨を放出すると、カルトンは、収容凹部から抜き出され、硬貨が取り出されて、収容凹部へ戻される。このカルトンの収容凹部への差し込み時に、収容凹部の開口側に設けられた磁気センサが、移動するカルトンの残留硬貨の有無を検出する。よって、磁気センサを収容凹部の開口側のみに設けても、カルトンの移動を利用してカルトンの全体について残留硬貨の有無を検出することができる。よって、一層の低コスト化が図れると共に、磁気センサのスペース占有も抑制することができる。
【0011】
本発明に係る第3の態様は、上記第1の態様において、前記磁気センサは、前記収容凹部の開口側から奥側まで設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記第3の態様によれば、磁気センサは、収容凹部の開口側から奥側まで設けられているため、カルトンが、収容凹部に差し込まれた状態にあれば、移動しなくてもカルトンの全体について硬貨の有無を検出することができる。よって、カルトンの抜き差し時の姿勢の自由度が高まるため、収容凹部をカルトンの抜き差しが容易な構造としても、カルトンの残留硬貨の有無を検出することができる。
【0013】
本発明に係る第4の態様は、上記第1乃至第3のいずれか一態様において、前記磁気センサは、前記収容凹部の幅方向に長い平面状のパターンコイルがプリントされたプリント基板を有することを特徴とする。
【0014】
上記第4の態様によれば、磁気センサが、収容凹部の幅方向に長い平面状のパターンコイルがプリントされたプリント基板を有するため、簡素な構造で広い範囲の硬貨を検出できることになり、一層の低コスト化が図れる。
【0015】
本発明に係る第5の態様は、上記第1乃至第4のいずれか一態様において、前記磁気センサは、前記収容凹部の下面に設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記第5の態様によれば、磁気センサが収容凹部の下面に設けられているため、カルトンに収容された硬貨との距離が近くなる。よって、硬貨の有無を良好に検出することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カルトンに放出した硬貨の取り残しを抑制できる硬貨処理機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
本発明に係る硬貨処理機の第1実施形態である貨幣処理機を
図1〜
図5を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、「前」は前後方向の前側つまり操作者から見て手前側であり、「後」は前後方向の後側つまり操作者から見て奥側であり、「左」は操作者から見て左側であり、「右」は操作者から見て右側である。
【0020】
第1実施形態の貨幣処理機は、硬貨の入出金処理に加えて紙幣の入出金処理を行うものであり、金融機関の窓口に設置されて窓口操作員(テラー)によって使用されるものである。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態の貨幣処理機10は、硬貨処理および紙幣処理を行う貨幣処理機本体11(硬貨処理機本体)と、これとは別体のカルトン12とを有している。貨幣処理機本体11の上面の前部には、機外から入金硬貨が投入される硬貨入金口20が設けられている。硬貨入金口20は、待機状態である閉状態から開状態になることで、機外から一括投入される硬貨を受け入れることになり、また、受け入れた硬貨を、閉状態となってから一枚ずつ分離して機内へ繰り出す。
【0022】
貨幣処理機本体11には、高さ方向の中間位置に機体の前面に開口21を有し機体の前面から水平後方に凹む収容凹部22が設けられている。この収容凹部22に対して、カルトン12が差し込みおよび引き抜き可能つまり抜き差し可能となっている。収容凹部22の天井側には、収容凹部22内に差し込まれたカルトン12内に機内から硬貨を放出する
図2に示す硬貨放出口23が設けられている。言い換えれば、
図1に示すカルトン12は収容凹部22に抜き差し可能であり、収容凹部22に差し込まれた状態で貨幣処理機本体11から放出される硬貨を受け入れる。収容凹部22は、貨幣処理機本体11の外部に臨む開口として、1カ所の開口21のみを有している。
【0023】
貨幣処理機本体11は、その上面と収容凹部22との間の部分が、硬貨入金口20および
図2に示す硬貨放出口23を含む硬貨処理部30となっている。
【0024】
図2に示すように、硬貨処理部30は、上記した硬貨入金口20と、硬貨入金口20から繰り出された硬貨を識別しつつ計数する硬貨入金識別部31と、硬貨入金識別部31の識別結果に基づいて硬貨を二方向に振り分ける硬貨入金振分部32と、硬貨入金識別部31で受け入れ可能と識別されて硬貨入金振分部32で一方に案内された硬貨を一時貯留させる硬貨一時貯留部33とを有している。硬貨入金識別部31で受け入れ不可と識別されて硬貨入金振分部32で他方に案内された入金リジェクト硬貨は、硬貨放出口23に搬送される。このため、
図1に示すように、硬貨処理機本体11には、入金処理において受け入れ不可な硬貨が機外に取り出し可能に繰り出される入金リジェクト専用の硬貨入金リジェクト口は設けられていない。
【0025】
図2に示す硬貨一時貯留部33は、一時貯留した硬貨を一枚ずつ分離して繰り出すことになり、硬貨処理部30は、硬貨一時貯留部33から繰り出された硬貨を二方向に振り分ける硬貨返却振分部35と、硬貨返却振分部35で一方に案内された硬貨を機外に取り出し可能に放出する上記した硬貨放出口23と、硬貨返却振分部35で他方に案内された硬貨を識別しつつ計数する硬貨収納識別部36と、硬貨収納識別部36の識別結果に基づいて硬貨を金種別に振り分ける硬貨金種別振分部37と、硬貨金種別振分部37で金種別に振り分けられた硬貨を金種別に収納する硬貨収納部38,38,…とを有している。
【0026】
硬貨処理部30は、それぞれが、硬貨収納部38,38,…の対応する一つから硬貨を一枚ずつ分離して計数しつつ繰り出す硬貨計数繰出部40,40,…と、硬貨計数繰出部40,40,…で繰り出された硬貨を三方向に振り分ける硬貨出金振分部41と、硬貨出金振分部41で一方に案内された硬貨を収納する硬貨回収金庫42とを有している。硬貨出金振分部41は、硬貨を、硬貨回収金庫42と硬貨放出口23と硬貨一時貯留部33とに振り分ける。硬貨処理部30は、硬貨入金口20の硬貨の有無を検出する入金口硬貨検出センサ44を有している。
【0027】
図1に示すように、貨幣処理機本体11は、収容凹部22よりも下側の前面に、機外から入金紙幣が投入されると共に紙幣が機外に取り出し可能に繰り出される紙幣入出金口51が設けられている。紙幣入出金口51は、待機状態である閉状態から開状態になることで、機外から集積状態で一括投入される紙幣を受け入れることになり、また、受け入れた紙幣を、閉状態になってから一枚ずつ分離して機内へ繰り出す。紙幣入出金口51は、待機状態である閉状態にあるとき、一枚ずつ機内で搬送されてきた紙幣を集積させることになり、また、開状態になると集積状態の紙幣が機外に取り出し可能となる。
【0028】
貨幣処理機本体11は、紙幣入出金口51よりも下側の前面に、受け入れ不可と識別された入金リジェクト紙幣が機外に取り出し可能に繰り出される紙幣リジェクト口52が設けられている。紙幣リジェクト口52は、待機状態である閉状態にあるとき、一枚ずつ機内で搬送されてきた紙幣を集積させることになり、また、開状態になると集積状態の紙幣が機外に取り出し可能となる。貨幣処理機本体11は、収容凹部22よりも下側の部分が、紙幣入出金口51および紙幣リジェクト口52を含む紙幣処理部55となっている。
【0029】
貨幣処理機本体11は、上面の硬貨入金口20の後方に、画面に表示を行う表示部(報知手段)56と、音声出力を行う音声出力部(報知手段)57とが設けられており、内部に貨幣処理機本体11を制御する制御部58が設けられている。
【0030】
カルトン12は、全体が合成樹脂製であり、
図3に示すように、底板部61と、底板部61の前端縁部から上方に延出する前壁部62と、底板部61の後端縁部から上方に延出する後壁部63と、底板部61の一対の側端縁部から上方に延出する一対の側壁部64,64とを有している。これら底板部61、前壁部62、後壁部63および一対の側壁部64,64の内側部分が硬貨を受け入れる硬貨受入部65となっている。
【0031】
図4,
図5に示すように、収容凹部22は、下面71と、下面71の後端縁部から上方に延出する奥面72と、下面71の一対の側端縁部から上方に延出する一対の側面部73,73と、下面71の上方の天井面74とを有している。下面71の前端縁部と一対の側面部73,73の前端縁部と天井面74の前縁部とが収容凹部22の開口21を形成している。収容凹部22の下面71は、カルトン12が載置されるカルトン載置部75の上面となっている。
【0032】
収容凹部22の奥面72には、カルトン12が奥面72に当接する所定の奥位置まで収容凹部22に差し込まれているか否かを検出するカルトンセットセンサ80が設けられている。カルトンセットセンサ80は、例えばカルトン12の後壁部63に当接してオンされ、カルトン12の後壁部63が離れてオフされるスイッチであり、オンされるとカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれていることを検出し、オフされるとカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置にはないことを検出する。
【0033】
収容凹部22には、開口21の位置に、カルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出するカルトン抜出センサ81が設けられている。カルトン抜出センサ81は、例えば発光素子と受光素子とを有する透過型の光学センサであり、収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれているカルトン12の前端部で発光素子の受光素子に向けた発光が遮光される。カルトン抜出センサ81は、発光素子の発光を受光素子が受光しないことでカルトン12が収容凹部22から抜き出されていないことを検出し、発光素子の発光を受光素子が受光するとカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出する。
【0034】
収容凹部22の下面71には、カルトン12の硬貨Cの有無を検出する磁気センサ82が設けられている。磁気センサ82は収容凹部22において開口21側のみに一つだけ設けられている。磁気センサ82は、一方向に細長い平面状のパターンコイル85をプリント基板86の上面にプリントしたものであり、平面状のパターンコイル85が、収容凹部22の幅方向に延在し、下面71に平行に配置されている。つまり、磁気センサ82は、収容凹部22の幅方向に長いライン状のパターンコイル85を検出部として有する磁気センサとなっている。言い換えれば、磁気センサ82は、磁気にてライン検知を行うセンサとなっている。カルトン12は、磁気センサ82の検出に影響を及ぼすことがない合成樹脂材料からなっている。磁気センサ82は、金属である硬貨Cが近づくと検出信号が変化し、この検出信号の変化に基づいて近くに硬貨Cがあることを検知する。収容凹部22のカルトン載置部75には、磁気センサ82を囲んで金属配置不可領域88が設けられている。
【0035】
次に、貨幣処理機10の制御内容を説明する。ここでは、硬貨のみを処理する場合について説明する。制御部58は、例えば、主電源の立ち上げ時に、カルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれているか否かをカルトンセットセンサ80に検出させる。カルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれていなければ、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12のセットを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。カルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれていれば、硬貨の処理が可能となる。
【0036】
[硬貨入金関連処理]
図示略の上位機において硬貨入金処理の選択操作が入力されて硬貨入金処理の指示信号が送信されると、制御部58は、硬貨入金口20を開いて硬貨の投入が可能な状態とする。そして、制御部58は、硬貨入金口20に硬貨が投入されたことを入金口硬貨検出センサ44が検出すると、硬貨処理部30で、以下の硬貨入金処理を行う。
【0037】
「硬貨入金処理」
硬貨入金口20を閉じて硬貨入金口20から硬貨を一枚ずつ分離して機内へ繰り出し、硬貨入金識別部31で識別する。そして、硬貨入金識別部31で受け入れ可能と識別された硬貨を硬貨入金振分部32で硬貨一時貯留部33に搬送し、硬貨入金識別部31で受け入れ不可と識別された硬貨Cを硬貨入金振分部32で硬貨放出口23に搬送する。硬貨放出口23に搬送された硬貨Cは、硬貨放出口23からカルトン12に放出されてカルトン12の硬貨受入部65に収容される。
【0038】
硬貨入金口20にあった全ての硬貨が硬貨一時貯留部33あるいはカルトン12に至ったと判定すると、制御部58は、硬貨入金処理での硬貨入金識別部31の識別結果から硬貨入金識別部31で受け入れ不可と識別され硬貨放出口23からカルトン12に放出された硬貨Cがあるか否かを判定する。その結果、硬貨放出口23からカルトン12に放出された硬貨Cがなければ、この硬貨入金処理での硬貨入金識別部31の識別結果つまり硬貨の金種別の入金枚数の計数値である受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを図示略の上位機に送信して、硬貨入金処理を終了する。受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを受信すると、上位機は、受信した入金硬貨の金種別の枚数データを表示させると共に、了解操作およびキャンセル操作のいずれか一方の選択入力を受け付ける状態になる。
【0039】
他方、硬貨放出口23からカルトン12に放出された硬貨Cがある場合は、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。その後、制御部58は、カルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出すると、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させる。
【0040】
ここで、カルトン12が、全ての硬貨Cが取り出された状態で、収容凹部22に戻されれば、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82の近傍に硬貨Cが存在する状態となることはなく、磁気センサ82が硬貨Cを検出することはない。これに対し、カルトン12に取り残しの硬貨Cがあれば、カルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、カルトン12の収容凹部22への差し込みによって磁気センサ82の近傍に硬貨Cが存在する状態が生じ、磁気センサ82が硬貨Cを検出することになる。磁気センサ82は、カルトン12が収容凹部22から引き抜かれた状態から、収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれると、カルトン12の硬貨受入部65の全面に亘って硬貨Cを検知することができる。磁気センサ82は、カルトン内硬貨残留検知手段となる。
【0041】
よって、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出すると、検出時点で、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがあると判定して、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。つまり、音声出力部57および表示部56は、磁気センサ82が硬貨有りを検出すると報知を行う。また、開口21側に設けられた磁気センサ82は、カルトン12の収容凹部22への差し込み時にカルトン12に残留する硬貨Cの有無を検出する。
【0042】
他方、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定して、この硬貨入金処理での硬貨入金識別部31の識別結果つまり硬貨の金種別の入金枚数の計数値である受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを図示略の上位機に送信して、硬貨入金処理を終了する。受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを受信すると、上位機は、受信した入金硬貨の金種別の枚数データを表示させると共に、了解操作およびキャンセル操作のいずれか一方の選択入力を受け付ける状態になる。
【0043】
上記のようにカルトン12に残留硬貨Cがあると判定して、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させた後、再度、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定して、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させて、この硬貨入金処理での硬貨入金識別部31の識別結果つまり硬貨の金種別の入金枚数の計数値である受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを図示略の上位機に送信して、硬貨入金処理を終了する。
【0044】
また、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出することなく所定時間が経過すると、制御部58は、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12の差し込みを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。その後、磁気センサ82で硬貨Cを検出することなく、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出すると、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12の差し込みを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させて、この硬貨入金処理での硬貨入金識別部31の識別結果つまり硬貨の金種別の入金枚数の計数値である受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを図示略の上位機に送信して、硬貨入金処理を終了する。
【0045】
硬貨入金処理後、上位機において了解操作が入力されて入金収納処理の指示信号が送信されると、制御部58は、硬貨処理部30で以下の硬貨入金収納処理を行う。
【0046】
また、硬貨入金処理後、上位機においてキャンセル操作が入力されて入金返却処理の指示信号が送信されると、制御部58は、硬貨処理部30で以下の硬貨入金返却処理を行う。
【0047】
「硬貨入金収納処理」
硬貨一時貯留部33から硬貨を一枚ずつ分離して繰り出し、硬貨返却振分部35で硬貨収納識別部36に搬送し硬貨収納識別部36で識別する。そして、硬貨収納識別部36の識別結果に基づいて、硬貨を硬貨金種別振分部37によって硬貨収納部38,38,…のうちの対応する金種のものに案内して収納する。
【0048】
「硬貨入金返却処理」
硬貨一時貯留部33から硬貨を一枚ずつ分離して繰り出し、硬貨返却振分部35によって硬貨放出口23に搬送し、硬貨放出口23からカルトン12に放出する。制御部58は、硬貨一時貯留部33から全ての硬貨がカルトン12に放出されたと判定すると、音声出力部57に報知音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。その後、制御部58は、カルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出すると、音声出力部57の報知音を停止させると共に表示部56のカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させる。
【0049】
上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出すると、検出時点で、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがあると判定して、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。
【0050】
他方、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定して、硬貨入金返却処理を終了する。
【0051】
上記のようにカルトン12に残留硬貨Cがあると判定して、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させた後、再度、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定して、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させて、硬貨入金返却処理を終了する。
【0052】
また、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出することなく所定時間が経過すると、制御部58は、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12の差し込みを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。その後、磁気センサ82で硬貨Cを検出することなく、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出すると、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12の差し込みを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させて、硬貨入金返却処理を終了する。
【0053】
[硬貨出金処理]
上位機において出金処理の選択操作と金種別の出金枚数の操作入力とが行われて出金処理の実行操作が入力されると、制御部58は、金種別の出金枚数の操作入力値にしたがって、硬貨処理部30で硬貨出金処理を行う。
【0054】
すなわち、硬貨収納部38,38,…の対応する金種のものから硬貨計数繰出部40,40,…の対応するもので硬貨Cを計数しつつ繰り出し、硬貨出金振分部41で硬貨放出口23からカルトン12に放出する。制御部58は、硬貨収納部38,38,…の対応する金種のものから操作入力値分の硬貨Cがカルトン12に放出されたと判定すると、音声出力部57に報知音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。その後、制御部58は、カルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出すると、音声出力部57の報知音を停止させると共に表示部56のカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させる。
【0055】
上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出すると、検出時点で、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがあると判定して、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。
【0056】
他方、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定して、硬貨出金処理を終了する。
【0057】
上記のようにカルトン12に残留硬貨Cがあると判定して、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させた後、再度、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80がカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定して、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12からの硬貨Cの取り出しを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させて、硬貨出金処理を終了する。
【0058】
また、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出することなく所定時間が経過すると、制御部58は、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12の差し込みを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。その後、磁気センサ82で硬貨Cを検出することなく、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出すると、音声出力部57の警告音を停止させると共に表示部56のカルトン12の差し込みを促す表示を停止させ、図示略の上位機の同様の表示も停止させて、硬貨出金処理を終了する。
【0059】
[回収処理]
上位機において回収処理の選択操作と金種別の回収枚数の操作入力とが行われて回収処理の実行操作が入力されると、制御部58は、金種別の回収枚数の操作入力値にしたがって、硬貨処理部30で以下の硬貨回収処理を行う。
【0060】
「硬貨回収処理」
硬貨収納部38,38,…の対応する金種のものから硬貨計数繰出部40,40,…の対応するもので硬貨を計数しつつ繰り出し、硬貨出金振分部41で硬貨回収金庫42に収納する。これにより、金種別の回収枚数の操作入力値の枚数の硬貨が硬貨回収金庫42に収納される。
【0061】
以上に述べた第1実施形態の貨幣処理機10によれば、収容凹部22に設けられた磁気センサ82が、カルトン12の硬貨有りを検出すると、表示部56および音声出力部57が報知を行う。よって、カルトン12に硬貨Cの残留があると、報知を行うことになるため、カルトン12における硬貨Cの残留を抑制することができる。したがって、硬貨出金処理時に硬貨Cの残留によって支払不足となってしまうことを抑制でき、また、硬貨Cの残留があることで次の硬貨出金処理が過剰支払になってしまうことを抑制できる。加えて、カルトン12に放出された入金リジェクト硬貨Cに取り残しがあって、返却忘れとなってしまうことを抑制でき、また、これが次の取り引きに混入してしまうことを抑制できる。加えて、磁気センサ82を用いるため、低コスト化が図れる。
【0062】
また、収容凹部22に差し込まれた状態のカルトン12に硬貨処理機本体11から硬貨Cを放出すると、カルトン12は、収容凹部22から抜き出され、硬貨Cが取り出されて、収容凹部22へ戻される。このカルトン12の収容凹部22への差し込み時に、収容凹部22の開口21側に設けられた磁気センサ82が、移動するカルトン12の残留硬貨Cの有無を検出する。よって、磁気センサ82を収容凹部22の開口21側のみに設けても、カルトン12の移動を利用してカルトン12の全体について残留硬貨Cの有無を検出することができる。よって、一層の低コスト化が図れると共に、磁気センサ82のスペース占有も抑制することができる。
【0063】
また、磁気センサ82が、収容凹部22の幅方向に長い平面状のパターンコイル85が上面にプリントされたプリント基板86を有するため、簡素な構造で広い範囲の硬貨Cを検出できることになり、一層の低コスト化が図れる。
【0064】
また、磁気センサ82が収容凹部22の下面71に設けられているため、カルトン12に収容された硬貨Cとの距離が近くなる。よって、硬貨Cの有無を良好に検出することができる。
【0065】
また、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出すると、検出時点で、制御部58は、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機にも同様の表示を表示させる。よって、操作者へ硬貨Cの取り忘れを即座に報知することが可能となる。なお、上記のようにカルトン抜出センサ81でカルトン12が収容凹部22から抜き出されたことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出するまでの間に、磁気センサ82が硬貨Cを検出すると、その後、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置まで差し込まれたことを検出した時点で、音声出力部57に警告音を発生させると共に、表示部56にカルトン12からの残留硬貨Cの取り出しを促す表示を表示させ、図示略の上位機に同様の表示を表示させても良い。
【0066】
なお、第1実施形態において、ライン状の磁気センサ82に代えて、ライン状ではなく、小さな領域(例えば1円硬貨大の広さ)を検出する小さな磁気センサを、収容凹部22の幅方向に複数ライン状に並べて設けても良い。
【0067】
<第2実施形態>
本発明に係る硬貨処理機の第2実施形態である貨幣処理機を主に
図6,
図7を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
【0068】
第2実施形態においては、収容凹部22の下面71つまりカルトン載置部75の上面に、カルトン12の硬貨Cの有無を検出する磁気センサ82が開口21側から奥面72側まで複数具体的には5つ設けられている。すべての磁気センサ82は、第1実施形態と同様、収容凹部22の幅方向に長い平面状のパターンコイル85が上面にプリントされたプリント基板86を有しており、平面状のパターンコイル85が下面71に平行に配置されている。これらの磁気センサ82によって、収容凹部22の所定の奥位置に差し込まれた状態にあるカルトン12の硬貨受入部65の全面に亘って硬貨Cを検知することができる。なお、一つのプリント基板86に複数のパターンコイル85を形成しても良い。このようにすれば、配線が少なく、製造時の組立も容易となる。収容凹部22のカルトン載置部75には、全ての磁気センサ82を囲んで金属配置不可領域88が設けられている。
【0069】
第2実施形態では、磁気センサ82を、収容凹部22の開口21側から奥側まで設けることで、カルトン12が収容凹部22の所定の奥位置に差し込まれた状態にあれば、カルトン12の硬貨受入部65の全体について硬貨Cの有無を検出することができる。よって、カルトン12の残留硬貨Cの検知タイミングは、カルトン12を挿入する時に限定されず、待機中等でも検知が可能となる。
【0070】
また、カルトン12が収容凹部22の所定の奥位置に差し込まれた状態にあれば、カルトン12の硬貨受入部65の全体について硬貨Cの有無を検出することができるため、カルトン12の抜き差し時の姿勢の自由度が高まるこになり、カルトン12を収納する収容凹部22において、カルトン12の上側に空間を設け、カルトン12を挿入する開口21を広くして、カルトン12の抜き差しを容易としても、硬貨Cの有無を検出することができる。つまり、カルトン12を収納する収容凹部22において、差し込まれたカルトン12の上側に空間があり、且つカルトン12を挿入する開口21が広い構造となっていると、カルトン12をセットする際、斜め上側から素早くカルトン12を挿入することが可能となり、使い勝手(操作性)が向上する。また、カルトン12を入れる手の動き(動作の軌跡)が自然であり、楽に行えるメリットが生じる。このような構造であっても、硬貨Cの有無を検出することができる。
【0071】
この場合、上記した硬貨入金処理、硬貨入金返却処理および硬貨出金処理において、例えば、硬貨放出口23からカルトン12に放出された硬貨Cがある場合に、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置になくなったことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置に戻されたことを検出した時点で、いずれの磁気センサ82も硬貨Cを検出しなければ、制御部58は、カルトン12に残留硬貨Cがないと判定する。他方、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置になくなったことを検出してから、カルトンセットセンサ80でカルトン12が収容凹部22の所定の奥位置に戻されたことを検出した時点で、いずれかの磁気センサ82が硬貨Cを検出していれば、カルトン12に残留硬貨Cがあると判定する。
【0072】
第2実施形態において、複数のライン状の磁気センサ82に代えて、ライン状ではなく、小さな領域(例えば1円硬貨大の広さ)を検出する小さな磁気センサを、カルトン12の下面に相当する領域全体に亘って平面状に配置しても良い。このように構成しても、上記と同様、カルトン12の全範囲で漏れなく残留硬貨Cの有無が一度に検知可能となる。