【解決手段】第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2と、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2のドレインに共通に電気的に接続されたドレイン電極53と、第1トランジスタTr1のソースに電気的に接続された第1ソース配線10と、第2トランジスタTr2のソースに電気的に接続された第2ソース配線11と、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2のゲートに共通に電気的に接続されたゲート配線9とを含む、半導体チップ6を提供する。
前記半導体層は、前記第1pチャネル型MISFET用の第1アクティブ領域と、前記第1アクティブ領域に隣り合って配置された前記第2pチャネル型MISFET用の第2アクティブ領域とを含み、
前記ゲート配線は、前記第1アクティブ領域と前記第2アクティブ領域との間の領域に設けられている、請求項2に記載の半導体装置。
前記第1アクティブ領域と前記第2アクティブ領域との間の領域において、前記半導体層の表面部よりも前記半導体層の裏面側の領域が、前記共通のp型ドレイン領域で占められている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記第2周縁部の一端角部の頂点を中心とし、前記半導体基板の短辺の長さを半径とする第1円弧と、前記第2周縁部の他端角部の頂点を中心とし、前記半導体基板の短辺の長さを半径とする第2円弧とを前記半導体基板の前記表面に描いたとき、
前記第1パッドは、前記第1円弧の外側領域であって、かつ前記第2円弧の外側領域に配置されている、請求項12に記載の半導体装置。
前記第1パッド、前記第2パッドおよび前記第3パッドの各間の距離が、前記半導体基板の短辺の50%以上である、請求項12〜16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノーマリオン型のJFETは、電圧の印加によって半導体層内に広がる空乏層によって、半導体層を流れる電流が遮断される。空乏層の広がり幅を適切に設計することが、電流の確実な遮断を確保する。そのため、JFETでは、空乏層の広がり幅を優先的に考慮しなければならず、半導体層の不純物濃度(チャネル濃度)を低くする結果、単位長さ当たりの抵抗が比較的高い。また、ノーマリオン型の半導体素子として、デプレッション型MOSFETも存在するが、空乏層の広がり幅を優先的に考慮するという同様の理由が、半導体層の抵抗の低減化を妨げている。
【0005】
このような背景から、JFETやデプレッション型MOSFETでは、オン抵抗を低くするために電流経路を大きく確保しておく必要がある。そのため、素子を小型化して使用することが難しい。
本発明の目的は、ノーマリオン型であり、かつ素子の小型化を図ることができる半導体装置および半導体パッケージを提供することである。
【0006】
また、特許文献2のように、従来から様々な半導体パッケージが提案されているが、今後、ウェアラブル端末の需要に伴い、より小型化されたトランジスタが要求される。
本発明の他の目的は、従来に比べて格段に小型化された半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、エンハンスメント型の第1pチャネル型MISFETと、エンハンスメント型の第2pチャネル型MISFETと、前記第1pチャネル型MISFETおよび前記第2pチャネル型MISFETのドレインに共通に電気的に接続されたドレイン導電体と、前記第1pチャネル型MISFETのソースに電気的に接続された第1ソース導電体と、前記第2pチャネル型MISFETのソースに電気的に接続された第2ソース導電体と、前記第1pチャネル型MISFETおよび前記第2pチャネル型MISFETのゲートに共通に電気的に接続されたゲート導電体とを含む。
【0008】
この半導体装置では、ゲート導電体Gに電圧が印加されていない状態で第1ソース導電体S
1と第2ソース導電体S
2との間(S
1−S
2間)に電圧が印加されると、第1pチャネル型MISFETおよび第2pチャネル型MISFETそれぞれの寄生ダイオード(内部ダイオード)を経由して、両方のMISFETがオンする。これにより、S
1−S
2間に電流を流すことができる。一方、ゲート導電体Gに正の電圧を印加していくと、ゲート導電体Gと第1ソース導電体S
1との間の電位差VGS
1が0に近づき、最終的に、第1ソース導電体S
1と第2ソース導電体S
2との間の電流が遮断される。こうして、ゲート導電体Gに電圧を印加しないときにS
1−S
2間が導通する一方で、ゲート導電体Gに電圧を印加したときにはS
1−S
2間が遮断状態となる。つまり、ノーマリオン動作が実現される。さらに、この半導体装置において電流をオンオフする第1および第2pチャネル型MISFETでは、JFETやデプレッション形MISFETとは異なり、電流のオンオフに空乏層の広がりを使用しない。そのため、空乏層を考慮して半導体層の不純物濃度を設計しなくてもよいので、小型化しても、低い抵抗値を維持することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記第1pチャネル型MISFETおよび前記第2pチャネル型MISFETに対する共通のp型ドレイン領域を有する半導体層を含み、前記第1pチャネル型MISFETは、前記半導体層の表面部に形成された第1n型ボディ領域、前記第1n型ボディ領域の表面部に形成された第1p型ソース領域、および前記第1n型ボディ領域に対向する第1ゲート電極を含み、前記第2pチャネル型MISFETは、前記半導体層の表面部に形成された第2n型ボディ領域、前記第2n型ボディ領域の表面部に形成された第2p型ソース領域、および前記第2n型ボディ領域に対向する第2ゲート電極を含み、前記ドレイン導電体は、前記半導体層の裏面に形成され、前記p型ドレイン領域に接続されたドレイン電極を含み、前記第1ソース導電体は、前記第1p型ソース領域に接続された第1ソース電極を含み、前記第2ソース導電体は、前記第1ソース電極から分離して配置され、前記第2p型ソース領域に接続された第2ソース電極を含み、前記ゲート導電体は、前記半導体層において、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に共通に接続されたゲート配線を含んでいてもよい。
【0010】
この構成によれば、第1pチャネル型MISFETおよび第2pチャネル型MISFETを1チップに集約することができるので、より小型な半導体装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記半導体層は、前記第1pチャネル型MISFET用の第1アクティブ領域と、前記第1アクティブ領域に隣り合って配置された前記第2pチャネル型MISFET用の第2アクティブ領域とを含み、前記ゲート配線は、前記第1アクティブ領域と前記第2アクティブ領域との間の領域に設けられていてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記第1アクティブ領域の直下に形成された第1ゲートトレンチと、前記第2アクティブ領域の直下に形成された第2ゲートトレンチと、前記第1ゲートトレンチと前記第2ゲートトレンチとの間に形成され、前記第1ゲートトレンチと前記第2ゲートトレンチとを共通に接続する第3ゲートトレンチとを含み、前記第1ゲート電極は、前記第1ゲートトレンチに埋め込まれた電極を含み、前記第2ゲート電極は、前記第2ゲートトレンチに埋め込まれた電極を含み、前記ゲート配線は、前記第3ゲートトレンチに埋め込まれた電極を含んでいてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記第1アクティブ領域の直下に形成された第1ゲートトレンチと、前記第2アクティブ領域の直下に形成された第2ゲートトレンチとを含み、前記第1ゲート電極は、前記第1ゲートトレンチに埋め込まれた電極を含み、前記第2ゲート電極は、前記第2ゲートトレンチに埋め込まれた電極を含み、前記ゲート配線は、前記半導体層上の領域に形成され、前記半導体層の表面に沿って前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に跨り、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極のそれぞれに対して上側から接続された電極を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第1アクティブ領域と前記第2アクティブ領域との間の領域において、前記半導体層の表面部よりも前記半導体層の裏面側の領域が、前記共通のp型ドレイン領域で占められていてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記ゲート配線は、一つのゲートパッドと、前記ゲートパッドに接続され、前記第1アクティブ領域および前記第2アクティブ領域を取り囲むゲートフィンガーを含み、前記第1ソース電極および前記第2ソース電極は、前記ゲートフィンガーによって互いに分離された領域内に配置されていてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記第1pチャネル型MISFETの複数の第1単位セルによって構成された直線状の第1単位セル列と、前記第2pチャネル型MISFETの複数の第2単位セルによって構成された直線状の第2単位セル列とを含み、前記第1単位セル列および前記第2単位セル列は、互いに間隔を空けて交互に配置され、前記第1ソース電極は、前記第1単位セル列および前記第2単位セル列の一端側に基端部を有し、各前記第1単位セル上に歯部を有する櫛歯状に形成され、前記第2ソース電極は、前記第1単位セル列および前記第2単位セル列の他端側に基端部を有し、各前記第2単位セル上に歯部を有し、前記櫛歯状の前記第1ソース電極と間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成されていてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第1pチャネル型MISFETの複数の第1単位セルおよび前記第2pチャネル型MISFETの複数の第2単位セルが全体として行列状に配列されており、前記複数の第1単位セルおよび前記複数の第2単位セルは、行方向および列方向のそれぞれにおいて交互に配置されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体パッケージは、本発明の一実施形態に係る半導体装置と、前記半導体装置の全部または一部を封止する封止樹脂とを含む。
【0016】
この構成によれば、本発明の一実施形態に係る半導体装置を備えているので、ノーマリオン型であり、かつ素子の小型化を図ることができる半導体パッケージを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、表面と、前記表面の反対側の裏面と、前記表面と前記裏面との間の側面とを有する平面視四角形状の半導体基板と、少なくとも前記表面を覆うように前記半導体基板上に形成された表面絶縁膜と、前記半導体基板の前記表面側において、前記半導体基板の一つの前記側面に沿う第1周縁部の中央部に当該第1周縁部の両端角部から間隔を空けて配置された第1パッドと、前記半導体基板の前記第1周縁部に対向する第2周縁部の一端角部に配置された第2パッドと、前記半導体基板の前記第2周縁部の他端角部に配置された第3パッドとを含む。
【0017】
この構成とは異なる比較形態として、第1パッドが第1周縁部の角部に配置されていたり、第1パッドが両端角部にまで至る大きさで形成されていたりすると、第1パッドと第2パッドとの距離、および第1パッドと第3パッドとの距離は、それぞれ、半導体基板の側面に沿う辺の長さとほぼ同等となる。このような形態では、半導体装置の小型化に伴い半導体基板のサイズ(半導体基板の辺の長さ)が小さくなると、上記の各パッド間距離が短くなり、実装後に短絡するおそれがある。
【0018】
これに対し、上記の構成では、平面視四角形状の半導体基板の第1周縁部の中央部に当該第1周縁部の両端角部から間隔を空けて第1パッドが配置されている。そのため、第1パッドと第2パッドとの距離、および第1パッドと第3パッドとの距離を比較的長くすることができる。したがって、実装時の短絡を避けながら、上記比較形態よりも半導体基板のサイズを小さくすることができる。これにより、小型化された半導体装置を提供することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記半導体基板は、平面視長方形状の半導体基板を含み、前記第1周縁部および前記第2周縁部は、前記半導体基板の長手方向に沿う周縁部を含んでいてもよい。
この構成によれば、第2パッドおよび第3パッドが、それぞれ、長手方向に沿う第2周縁部の一端角部および他端角部に配置されるので、第2パッドと第3パッドとの距離も比較的長くすることができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第2周縁部の一端角部の頂点を中心とし、前記半導体基板の短辺の長さを半径とする第1円弧と、前記第2周縁部の他端角部の頂点を中心とし、前記半導体基板の短辺の長さを半径とする第2円弧とを前記半導体基板の前記表面に描いたとき、前記第1パッドは、前記第1円弧の外側領域であって、かつ前記第2円弧の外側領域に配置されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、第1パッドと第2パッドとの距離、および第1パッドと第3パッドとの距離として、少なくとも半導体装置の短辺の長さと第2パッドおよび第3パッドの大きさ(幅)との差に相当する長さを確保することができる。すなわち、上記比較形態における第1パッドと第2パッドとの距離、および第1パッドと第3パッドとの距離を維持しながら、第1パッドの大きさ分、半導体装置を小型化することができる。
【0022】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第1円弧および前記第2円弧が、前記半導体基板上の領域で互いに交わる大きさを有し、前記第1パッドは、前記第1円弧と前記第2円弧との交点から前記第1円弧および前記第2円弧それぞれに対して引いた1対の接線を二辺とする三角形状に形成されていてもよい。
この構成によれば、第1円弧および第2円弧の外側領域のスペースを最大限に利用して第1パッドを形成することができる。これにより、半導体装置を小型化しながらも、第1パッドに十分な接合面積を確保することができる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第2パッドは、前記第1円弧と同一の中心を有する扇形状に形成されていてもよい。
この構成によれば、第1パッドと第2パッドとの距離として、少なくとも半導体装置の短辺の長さと第2パッドの大きさ(幅)との差に相当する長さを確保しながら、第2パッドに十分な接合面積を確保することができる。
【0024】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第3パッドは、前記第2円弧と同一の中心を有する扇形状に形成されていてもよい。
この構成によれば、第1パッドと第3パッドとの距離として、少なくとも半導体装置の短辺の長さと第3パッドの大きさ(幅)との差に相当する長さを確保しながら、第3パッドに十分な接合面積を確保することができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記半導体基板に形成されたMISトランジスタ構造を含み、前記第1パッドは、前記MISトランジスタ構造のドレインに電気的に接続されたドレインパッドを含み、前記第2パッドは、前記MISトランジスタ構造のソースに電気的に接続されたソースパッドを含み、前記第3パッドは、前記MISトランジスタ構造のゲートに電気的に接続されたゲートパッドを含んでいてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記半導体基板は、前記MISトランジスタ構造が形成されたアクティブ領域を含み、前記MISトランジスタ構造は、前記第1周縁部から前記第2周縁部に向かう方向に延びるストライプ状に形成され、交互に配列された複数のソース領域およびドレイン領域を含み、前記ソース領域および前記ドレイン領域を覆うように前記半導体基板上に形成された第1層間膜と、前記アクティブ領域の前記第2周縁部側の略半分の領域を覆うように前記第1層間膜上に形成され、前記ソース領域の前記第2周縁部側の端部において前記ソース領域に電気的に接続された第1ソース配線層と、前記アクティブ領域の前記第1周縁部側の略半分の領域を覆うように前記第1層間膜上に形成され、前記ドレイン領域の前記第1周縁部側の端部において前記ドレイン領域に電気的に接続された第1ドレイン配線層とをさらに含んでいてもよい。
【0027】
この構成によれば、第1ソース配線層および第1ドレイン配線層が、それぞれ、アクティブ領域の略半分の領域を覆う大きさで形成されている。これにより、ソース−ドレイン間の電流経路を広く確保することができる。そのため、半導体装置を小型化しながらも、MISトランジスタのオン抵抗の上昇を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記第1ソース配線層および前記第1ドレイン配線層を覆うように前記第1層間膜上に形成された第2層間膜と、前記アクティブ領域の前記第2周縁部側の略半分の領域を覆うように前記第2層間膜上に形成され、前記第1ソース配線層に電気的に接続されており、その一部が前記ソースパッドとして前記表面絶縁膜から露出する第2ソース配線層と、前記アクティブ領域の前記第1周縁部側の略半分の領域を覆うように前記第2層間膜上に形成され、前記第1ドレイン配線層に電気的に接続されており、その一部が前記ドレインパッドとして前記表面絶縁膜から露出する第2ドレイン配線層とを含んでいてもよい。
【0028】
この構成によれば、第2ソース配線層および第2ドレイン配線層が、それぞれ、アクティブ領域の略半分の領域を覆う大きさで形成されている。これにより、ソース−ドレイン間の電流経路を広く確保することができる。そのため、半導体装置を小型化しながらも、MISトランジスタのオン抵抗の上昇を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記半導体基板は、前記アクティブ領域外の保護ダイオード領域と、前記保護ダイオード領域を覆うように前記第2層間膜上に形成され、その一部が前記ゲートパッドとして前記表面絶縁膜から露出するゲート配線層とをさらに含んでいてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記表面絶縁膜は、さらに前記半導体基板の前記側面を覆うように形成されていてもよい。
この構成によれば、半導体装置が高密度実装された場合に、隣接する半導体装置との間の短絡を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、チップサイズパッケージ構造を有していてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記チップサイズパッケージ構造は、0.50mm未満の長辺と、0.40mm未満の短辺とを含んでいてもよい。
この構成により、今までにない最小の半導体装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記チップサイズパッケージ構造は、0.15mm未満の厚さで形成されていてもよい。
【0031】
チップサイズパッケージ構造の厚さが上記の範囲であれば、半導体装置が傾いて実装されても、半導体装置の側面の通常位置からの出っ張り量を小さくすることができる。これにより、半導体装置が高密度実装された場合でも、隣接する半導体装置との接触を抑止することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第1パッド、前記第2パッドおよび前記第3パッドの各間の距離が、前記半導体基板の短辺の50%以上であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体パッケージ1の概略構成図であり、半導体パッケージ1の内部構造を平面的に示す図である。なお、
図1は、便宜上、半導体パッケージ1の内部を透視して示している。
半導体パッケージ1は、直方体形状に形成されており、そのサイズは、たとえば、1.6mm×1.6mm以下である。半導体パッケージ1は、アイランド2と、複数の端子3〜5と、半導体チップ6と、封止樹脂7とを含む。
【0034】
アイランド2は、平面視四角形状に形成され、半導体パッケージ1のほぼ中央に配置されている。この実施形態では、アイランド2は、後述するドレイン電極53に接続されている。なお、アイランド2は、半導体パッケージ1が
図4Bに示す回路構成で使用される場合、半導体パッケージ1のドレイン端子を兼ねていてもよい。
複数の端子3〜5は、第1ソース端子3、第2ソース端子4およびゲート端子5を含む。複数の端子3〜5は、半導体パッケージ1の厚さ方向(紙面を貫く方向)一方面および他方面のうち、一方面に偏って設けられている。複数の端子3〜5は、当該一方面側において、互いに離れて配置されている。この実施形態では、第1ソース端子3および第2ソース端子4が、それぞれ、半導体パッケージ1の一対の対辺の一方の辺の各端部(半導体パッケージ1の角部)に配置されている。ゲート端子5は、当該対辺の他方の辺の略中央部に配置されている。
【0035】
半導体チップ6は、平面視四角形状に形成され、アイランド2上に配置されている。半導体チップ6は、アイランド2との接合側の反対側の面に、所定のパターンで形成された電極膜8を有している。電極膜8は、ゲート配線9、第1ソース配線10、第2ソース配線11を含む。
ゲート配線9は、ゲートパッド12と、ゲートパッド12から延びるゲートフィンガー13とを含む。
【0036】
ゲートパッド12は、ゲート端子5が配置された半導体パッケージ1の辺に隣り合う半導体チップ6の辺の略中央部に配置されている。この配置形態によってゲートパッド12とゲート端子5との距離が近くなるので、ボンディングワイヤ19による接続が容易になる。
ゲートフィンガー13は、半導体チップ6の周縁部に沿って設けられ、その内方の半導体チップ6の中央領域に閉領域を区画する外周部14と、外周部14を2分するように、ゲートパッド12からその対辺に設けられた外周部14まで延びる中央部15とを含む。当該中央部15によって、外周部14内の閉領域が第1領域16および第2領域17に区画されている。第1領域16および第2領域17は、それぞれ、中央部15を境界として、第1ソース端子3側および第2ソース端子4側に形成され、各ソース端子3,4から中央部15に沿う方向に長手な略長方形状を有している。
【0037】
第1ソース配線10および第2ソース配線11は、それぞれ、ゲートフィンガー13で区画された第1領域16および第2領域17内に配置されている。第1ソース配線10および第2ソース配線11とゲートフィンガー13との間には一定幅の隙間18が設けられ、当該隙間18によって、これらの間が絶縁分離されている。第1ソース配線10および第2ソース配線11は、それぞれ、第1領域16および第2領域17と同様に、各ソース端子3,4から中央部15に沿う方向に長手な略長方形状を有している。この形状によって、第1ソース端子3側のボンディングワイヤ20と第2ソース端子4側のボンディングワイヤ21とを、互いに干渉させずに複数本接続することができる。
【0038】
封止樹脂7は、半導体パッケージ1の外形を構成しており、第1ソース端子3、第2ソース端子4およびゲート端子5の少なくとも一部が露出するように、半導体チップ6を封止している。アイランド2は、半導体パッケージ1が
図4Bに示す回路構成で使用される場合、封止樹脂7の裏面からドレイン端子として露出していてもよい。
図2は、
図1の半導体チップ6をII−II切断線で切断したときに現れる断面図である。
図3は、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2のセルレイアウトを示す図である。
【0039】
半導体チップ6は、半導体層22を含む。半導体層22は、p
+型半導体基板23と、当該基板23上に積層されたp型エピタキシャル層24とを有している。なお、半導体層22は、エピタキシャル層を有していなくてもよく、たとえば、p型半導体基板のみからなっていてもよい。
半導体層22上の領域は、互いに隣り合う第1アクティブ領域25および第2アクティブ領域26を含み、これらの領域25,26の間に中央領域27が設定されている。
【0040】
半導体層22(p型エピタキシャル層24)の表面部には、第1アクティブ領域25、第2アクティブ領域26および中央領域27の全域に、n型ボディ領域28が形成されている。p型エピタキシャル層24において、n型ボディ領域28に対して半導体層22の裏面側の領域は、p型ドレイン領域29である。
p型エピタキシャル層24には、その表面からn型ボディ領域28を貫通してp型ドレイン領域29に達するゲートトレンチ30が形成されている。
【0041】
ゲートトレンチ30は、
図3に示すように、第1アクティブ領域25、第2アクティブ領域26および中央領域27の境界を超えて全体として平面視格子状に形成されている。これにより、p型エピタキシャル層24の表面部は、格子状のゲートトレンチ30の複数の窓部分に複数の単位セル31〜33が区画される。単位セル31〜33は、第1アクティブ領域25に形成された第1トランジスタTr1用の第1単位セル31と、第2アクティブ領域26に形成された第2トランジスタTr2用の第2単位セル32と、中央領域27に形成され、トランジスタとしての機能を有しない第3単位セル33(ダミーセル)とを含む。すなわち、この実施形態では、半導体層22内において、複数の第1単位セル31および複数の第2単位セル32が、それぞれ、一定の領域(第1アクティブ領域25および第2アクティブ領域26)に集約されており、各領域25,26において行列状に配列されている。
【0042】
また、ゲートトレンチ30は、
図3示すように、第1アクティブ領域25の直下の第1ゲートトレンチ34と、第2アクティブ領域26の直下の第2ゲートトレンチ35と、中央領域27の直下の第3ゲートトレンチ36とに区別することができる。第1ゲートトレンチ34および第2ゲートトレンチ35は、これらのトレンチ34,35の間の第3ゲートトレンチ36によって共通に接続されており、第3ゲートトレンチ36を介して互いにつながっている。
【0043】
各第1単位セル31において、n型ボディ領域28の表面部にはp
+型ソース領域37が形成されている。また、このp型エピタキシャル層24の表面からp
+型ソース領域37を貫通してn型ボディ領域28に達するn
+型ボディコンタクト領域38が形成されている。これにより、p型エピタキシャル層24の表面側からn型ボディ領域28にコンタクトできるようになっている。
【0044】
各第2単位セル32において、n型ボディ領域28の表面部にはp
+型ソース領域39が形成されている。また、このp型エピタキシャル層24の表面からp
+型ソース領域39を貫通してn型ボディ領域28に達するn
+型ボディコンタクト領域40が形成されている。これにより、p型エピタキシャル層24の表面側からn型ボディ領域28にコンタクトできるようになっている。
【0045】
各第3単位セル33は、その表面部にソース領域等を有しておらず、ゲートトレンチ30の底部から開口端に至るまでn型ボディ領域28で占められている。
ゲートトレンチ30には、ゲート絶縁膜41をゲート電極42が埋め込まれている。ゲート電極42は、
図2に示すように、第1ゲートトレンチ34に埋め込まれた第1ゲート電極43と、第2ゲートトレンチ35に埋め込まれた第2ゲート電極44と、第3ゲートトレンチ36に埋め込まれた第3ゲート電極45とに区別することができる。第1ゲート電極43および第2ゲート電極44は、これらの電極43,44の間の第3ゲート電極45によって共通に接続されている。
【0046】
第1ゲート電極43は、各第1単位セル31のp
+型ソース領域37、n型ボディ領域28およびp型ドレイン領域29に対向している。これにより、各第1単位セル31において、pチャネル型MISFETである第1トランジスタTr1が構成されている。また、第1単位セル31には、p型ドレイン領域29とn型ボディ領域28とのpn接合によって構成された寄生ダイオード(第1寄生ダイオード54)が設けられている。
【0047】
第2ゲート電極44は、各第2単位セル32のp
+型ソース領域39、n型ボディ領域28およびp型ドレイン領域29に対向している。これにより、各第2単位セル32において、pチャネル型MISFETである第2トランジスタTr2が構成されている。また、第2単位セル32には、p型ドレイン領域29とn型ボディ領域28とのpn接合によって構成された寄生ダイオード(第1寄生ダイオード55)が設けられている。
【0048】
第3ゲート電極45は、各第3単位セル33のn型ボディ領域28に対向している。
半導体層22上には、層間絶縁膜46が形成されている。層間絶縁膜46には、第1コンタクトホール47、第2コンタクトホール48および第3コンタクトホール49が形成されている。第1コンタクトホール47は、第1単位セル31のp
+型ソース領域37およびn
+型ボディコンタクト領域38を露出させる。第2コンタクトホール48は、第2単位セル32のp
+型ソース領域39およびn
+型ボディコンタクト領域40を露出させる。また、第3コンタクトホール49は、第3ゲート電極45を露出させる。
【0049】
層間絶縁膜46上には、
図1で示した電極膜8が形成されている。電極膜8のうち、第1ソース配線10は、第1コンタクトホール47を介して、第1単位セル31のp
+型ソース領域37およびn
+型ボディコンタクト領域38に接続されている。第2ソース配線11は、第2コンタクトホール48を介して、第2単位セル32のp
+型ソース領域39およびn
+型ボディコンタクト領域40に接続されている。また、ゲートフィンガー13(
図2では中央部15)は、第3コンタクトホール49を介して、第3ゲート電極45に接続されている。
【0050】
そして、電極膜8上には、電極膜8を覆うように表面保護膜50が形成されている。表面保護膜50には、第1ソース配線10および第2ソース配線11の一部をパッドとして露出させるパッド開口51,52が形成されている。一方、ゲートフィンガー13は、表面保護膜50に被覆されている。
半導体層22(p
+型半導体基板23)の裏面には、その全体にドレイン電極53が形成されている。ドレイン電極53は、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2の共通の電極である。
【0051】
半導体チップ6の構成に関して、以下の説明を加える。
p
+型半導体基板23は、たとえばp型のシリコン基板からなる。p
+型半導体基板23の厚さは、たとえば、40μm〜250μmである。また、p
+型半導体基板23は、p型不純物として、たとえばB(ホウ素)等を含み、その濃度は1×10
21cm
−3〜1×10
22cm
−3程度である。
【0052】
p型エピタキシャル層24の厚さは、たとえば、3μm〜8μm程度である。また、p型エピタキシャル層24は、p型不純物として、たとえばB(ホウ素)等を含み、その濃度は1×10
16cm
−3〜1×10
17cm
−3程度である。
n型ボディ領域28は、n型不純物として、たとえばP(りん)やAs(ヒ素)等を含み、その濃度は2×10
16cm
−3〜3×10
17cm
−3程度である。
【0053】
p型ドレイン領域29は、p型不純物として、たとえばB(ホウ素)等を含み、その濃度は1×10
16cm
−3〜1×10
17cm
−3程度である。
p
+型ソース領域37,39は、p型不純物として、たとえばB(ホウ素)等を含み、その濃度は1×10
21cm
−3〜5×10
21cm
−3程度である。
n
+型ボディコンタクト領域38,40は、n型不純物として、たとえばP(りん)やAs(ヒ素)等を含み、その濃度は1×10
21cm
−3〜5×10
21cm
−3程度である。
【0054】
ゲート絶縁膜41は、たとえばSiO
2(酸化シリコン)からなり、ゲート電極42は、たとえばポリシリコン(ドープトポリシリコン)からなる。
また、層間絶縁膜46は、たとえばSiO
2(酸化シリコン)からなり、表面保護膜50は、たとえばSiN(窒化シリコン)からなる。
ゲート配線9、第1ソース配線10、第2ソース配線11およびドレイン電極53は、たとえば、AlもしくはAlを含む合金からなる。
【0055】
図4Aおよび
図4Bは、半導体チップ6の回路構成を示す図であって、
図4Aがドレインに電位が与えられない(ドレインが電気的にフローティングされている)構成であり、
図4Bがドレインに電位が与えられる構成である。
図5は、半導体チップ6のI−V特性を示す図である。
次に、
図2および
図4A,4Bを参照して、半導体チップ6の動作について説明する。なお、
図4A,4Bのアルファベット符号と
図2の各構成との対応関係は以下の通りである。
【0056】
第1ソースS
1:第1ソース配線10 第2ソースS
2:第2ソース配線11
ドレインD:ドレイン電極53 ゲートG:ゲート配線9
まず、ゲートGに電圧が印加されていない状態で、第1ソースS
1と第2ソースS
2との間(S
1−S
2間)に電圧が印加される。より具体的には、第1ソースS
1に正の電圧(+)が印加され、第2ソースS
2およびゲートGの電圧は0Vとされる。また、
図4Aの構成では、ドレインDは電気的にフローティングされている。一方、
図4Bのように、ドレインDが端子として利用されてもよい。第1および第2ゲート電極43,44は、第3ゲート電極45に共通に接続されているので、互いに同電位に保持される。
【0057】
第1トランジスタTr1では、n型ボディ領域28の電位が、n
+型ボディコンタクト領域38を介して第1ソース配線10(第1ソースS
1)と同じ正の電位となる。これにより、n型ボディ領域28と第1ゲート電極43との電位差に起因して、n型ボディ領域28内の少数キャリアである正孔が、ゲート絶縁膜41とn型ボディ領域28との接触面に引き付けられる。そして、引き付けられた正孔によってチャネルが形成され、第1トランジスタTr1がオンし、第1ソースS
1からp型ドレイン領域29へと、寄生ダイオード54を経由して電流I
1が流れる。
【0058】
第1トランジスタTr1のオンにより、ドレインDの電位は、第1ソースS
1とほぼ同電位となり、第2ソースS
2に対しては高電位となる。これにより、第2単位セル32の寄生ダイオード55の両端に順方向電圧がかかって寄生ダイオード55がオン状態となり、p型ドレイン領域29と第2ソースS
2との間が、寄生ダイオード55を介して導通状態となる。p型ドレイン領域29へ流れる電流I
1は、電流I
2として、p型ドレイン領域29から第2ソースS
2へと流れることとなる。その結果、第1ソースS
1と第2ソースS
2との間(S
1−S
2間)に電流が流れる。
【0059】
一方、ゲートGに正の電圧を印加していき、ゲートGと第1ソースS
1との電位差(VGS
1)が0に近づくと、第1単位セル31のn型ボディ領域28に形成されたチャネルが消失し、第1トランジスタTr1がオフとされる。これにより、第1ソースS
1と第2ソースS
2との間(S
1−S
2間)の電流が遮断される。
こうして、ゲートGに電圧を印加しないときにS
1−S
2間が導通する一方で、ゲートGに電圧を印加したときにはS
1−S
2間が遮断状態となる。つまり、ノーマリオン動作が実現される。より具体的には、
図5に示すように、
図2の構造を有する半導体チップ6において、第1ソースS
1と第2ソースS
2との間(S
1−S
2間)に5Vの電圧を印加すると、ゲートGに電圧を印加していないときにはS
1−S
2間に約2.2mAの電流IS
1S
2が流れた。一方、ゲートGに印加する電圧を増加させるに連れて電流IS
1S
2が減少し、ゲートGの電圧値が約4.5V付近で、電流IS
1S
2が遮断された。
【0060】
また、この半導体チップ6において電流をオンオフする第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2では、JFETやデプレッション形MISFETとは異なり、電流のオンオフに空乏層の広がりを使用しない。そのため、空乏層を考慮して半導体層22の各不純物領域(28,29,37,39等)の不純物濃度を設計しなくてもよいので、小型化しても、低い抵抗値を維持することができる。しかも、この半導体チップ6では、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2が1チップに集約されているので、より一層小型化を図ることができる。
【0061】
さらに、第1アクティブ領域25と第2アクティブ領域26との間において、半導体層22の表面部よりも裏面側の領域全体(この実施形態では、ゲートトレンチ30の底部よりも下方の領域)が、p型ドレイン領域29で占められている。そのため、第1アクティブ領域25と第2アクティブ領域26との間を流れる電流を妨害する構造(たとえば、絶縁膜による素子分離構造等)がないので、半導体層22の厚さ方向に広い範囲で電流経路を確保することができる。その結果、半導体層22における低い抵抗値を良好に維持することができる。
<他の実施形態>
以下では、
図1〜
図5を参照して説明した半導体パッケージ1および半導体チップ6の他の実施形態について説明する。
【0062】
図6は、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ6の模式的な断面図である。
図2に示した半導体チップ6では、第1ゲート電極43および第2ゲート電極44を共通に接続する電極として、ゲートトレンチ30に埋め込まれた第3ゲート電極45が使用されたが、この埋め込み第3ゲート電極45は省略されてもよい。
この場合、第1ゲート電極43および第2ゲート電極44は、
図6に示すように、中央領域27において半導体層22(p型エピタキシャル層24)の表面に沿って形成された第3ゲート電極56によって互いに接続されていてもよい。第3ゲート電極56は、第1ゲート電極43および第2ゲート電極44に跨り、第1ゲート電極43および第2ゲート電極44のそれぞれに対して上側から接続されている。
【0063】
また、
図6に示すように、中央領域27におけるn型ボディ領域28が省略され、当該省略箇所がp型ドレイン領域29の一部で占められていてもよい。この構成は、前述の
図2の構成に適用してもよい。
図7は、本発明の他の実施形態に係る半導体パッケージ1の概略構成図である。
図8は、
図7の半導体チップ6をVIII−VIII切断線で切断したときに現れる断面図である。
図9は、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2のセルレイアウトを示す図である。なお、
図7では、ゲートフィンガー13を省略している。
【0064】
図2の半導体チップ6では、半導体層22上の領域を2分し、一方側に第1アクティブ領域25および他方側に第2アクティブ領域26が形成されていた。第1ソース配線10および第2ソース配線11は、それぞれ、第1アクティブ領域25および第2アクティブ領域26を覆うように平面状に形成されていた。
一方、
図7の半導体チップ6では、第1ソース配線10および第2ソース配線11は、互いに間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成されている。この場合、半導体層22では、
図8および
図9に示すように、複数の第1単位セル31によって構成された直線状の第1単位セル列57と、複数の第2単位セル32によって構成された直線状の第2単位セル列58とが、互いに間隔を空けて交互に配置されていてもよい。
【0065】
図9に示すように、櫛歯状の第1ソース配線10および第2ソース配線11の各歯部59,60を、それぞれ、各第1単位セル列57および第2単位セル列58の上方に設けることによって、第1ソース配線10と第1トランジスタTr1(p
+型ソース領域37)とのコンタクト、および第2ソース配線11と第2トランジスタTr2(p
+型ソース領域39)とのコンタクトを容易にとることができる。
【0066】
図7〜
図9の構成により、第1トランジスタTr1の位置に関係なく、第1トランジスタTr1から第2トランジスタTr2までの距離を半導体層22の全体にわたって均等にできるので、セル間の電流ばらつきを抑制することができる。
図10は、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ6の模式的な断面図である。
図2の半導体チップ6では、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2としてトレンチゲート構造のMISFETが採用されていたが、
図10に示すように、プレーナゲート構造のMISFETが採用されてもよい。
【0067】
プレーナゲート構造の第1および第2トランジスタTr1,Tr2では、ゲート絶縁膜41が半導体層22の表面に形成され、このゲート絶縁膜41上にゲート電極42が形成される。第1ゲート電極43および第2ゲート電極44は、それぞれ、半導体層22の表面に露出するn型ボディ領域28の部分に対向している。
図11は、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2のセルレイアウトを示す図である。
【0068】
図2の半導体チップ6では、複数の第1単位セル31(第1トランジスタTr1)および複数の第2単位セル32(第2トランジスタTr2)は、それぞれ、一定の領域(第1アクティブ領域25および第2アクティブ領域26)に集約されて配置されていた。
一方、行列状に配列された複数の第1単位セル31および複数の第2単位セル32は、
図11に示すように、行方向および列方向のそれぞれにおいて交互に配置されていてもよい。この構成によっても、
図7〜
図9に示した構成と同様に、第1トランジスタTr1から第2トランジスタTr2までの距離を半導体層22の全体にわたって均等にできるので、セル間の電流ばらつきを抑制することができる。
【0069】
図12は、本発明の他の実施形態に係る半導体パッケージ1の概略構成図である。
図1の半導体パッケージ1では、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2が1つの半導体チップ6に集約されて1チップ化されていたが、
図4A、4Bに示す回路構成図を満たす半導体装置であれば、たとえば、
図12に示すような形態でもよい。
図12の半導体パッケージ1は、アイランド68と、複数の端子62〜64と、第1半導体チップ65と、第2半導体チップ66と、封止樹脂7とを含む。
【0070】
アイランド68には、第1半導体チップ65および第2半導体チップ66の両方が設けられている。つまり、アイランド68は、第1半導体チップ65(第1トランジスタTr1)および第2半導体チップ66(第2トランジスタTr2)のドレインに対して共通の電極となっていてもよい。
複数の端子62〜64は、第1ソース端子62、第2ソース端子63およびゲート端子64を含む。
【0071】
第1ソース端子62は、ボンディングワイヤ69を介して、第1半導体チップ65のソースパッド70に接続されている。一方、第2ソース端子63は、ボンディングワイヤ71を介して、第2半導体チップ66のソースパッド72に接続されている。
ゲート端子64は、ボンディングワイヤ73,74を介して、第1半導体チップ65のゲートパッド75および第2半導体チップ66のゲートパッド76に接続されている。つまり、ゲート端子64は、第1半導体チップ65(第1トランジスタTr1)および第2半導体チップ66(第2トランジスタTr2)のゲートに対して共通の電極となっている。
【0072】
図13は、本発明の他の実施形態に係る半導体パッケージ1の模式的な斜視図である。
図14は、
図13の半導体パッケージ1の模式的な平面図である。
図15は、
図13の半導体パッケージ1の模式的な断面図である。なお、
図15は、
図13および
図14の特定部分の断面を示すものではなく、半導体パッケージ1の内部構造の説明に必要な構成要素を選択的に示したものである。
【0073】
図13および
図14の半導体パッケージ1は、WL−CSP(Wafer Level−Chip Size Package:ウエハレベルチップサイズパッケージ)のパッケージ構造を有している。すなわち、半導体パッケージ1では、前述の半導体チップ6が平面視長方形状の半導体層22(半導体基板)を有しており、当該半導体層22の外形サイズとほぼ同じサイズで構成されている。たとえば、半導体パッケージ1の長さLは0.50mm未満(好ましくは、0.40mm以上)であり、幅Wは0.40mm未満(好ましくは、0.30mm以上)であり、厚さDは0.15mm未満(好ましくは、0.10mm以上)である。つまり、半導体パッケージ1は、0403サイズの非常に小型なパッケージ構造を有している。また、半導体パッケージ1の厚さが0.15mm未満であることで、半導体パッケージ1が傾いて実装されても、半導体パッケージ1の側面の通常位置からの出っ張り量を小さくすることができる。これにより、半導体パッケージ1が高密度実装された場合でも、隣接する半導体パッケージとの接触を抑止することができる。
【0074】
半導体パッケージ1がWL−CSPのパッケージ構造を有することから、以下において、半導体パッケージ1および半導体層22の形状、サイズ、他の構成要素の配置位置等を説明したときに、当該説明の主体は、他方に置き換えてもよい。たとえば、平面視四角形状の半導体層22は、平面視四角形状の半導体パッケージ1と置き換えてもよいし、半導体層22の周縁部にパッドが配置されているという説明は、半導体パッケージ1の周縁部にパッドが配置されているという説明に置き換えてもよい。
【0075】
直方体形状の半導体層22は、表面22Aと、表面22Aの反対側の裏面22Bと、表面22Aと裏面22Bとの間の4つの側面22C,22D,22E,22Fとを有し、表面22Aおよび側面22C〜22Fが表面保護膜50で覆われている(
図15参照)。半導体層22の4つの側面22C〜22Fのうち、側面22C,22Eが半導体層22の長辺77に沿う側面であり、側面22D,22Fが半導体層22の短辺78に沿う側面である。隣接する側面22C〜22Fの各交差部には、半導体層22の角部80CD,80DE,80EF,80FCが形成されている。
【0076】
半導体層22の表面22Aにおいて、長辺77側の一つの側面22Cに沿う第1周縁部81には、第1ソースパッド83が配置されている。第1ソースパッド83は、
図15に示すように、第1ソース配線10の一部がパッド開口51から露出した部分である。第1ソースパッド83は、第1周縁部81の両端角部80CD,80FCから間隔を空けた中央部に形成されており、第1ソースパッド83と各角部80CD,80FCとの間には、表面保護膜50で覆われた一定間隔(たとえば、0.1mm〜0.15mm程度)の領域が設けられている。
【0077】
一方、第1周縁部81に対向する半導体層22の第2周縁部82の一端角部80EFには、第2ソースパッド84が配置され、第2周縁部82の他端角部80DEには、ゲートパッド85が配置されている。第2ソースパッド84は、
図15に示すように、第2ソース配線11の一部がパッド開口52から露出した部分である。一方、ゲートパッド85は、
図15では示さない位置において、ゲート配線9の一部がパッド開口79(
図13,
図14参照)から露出した部分である。
【0078】
なお、
図13〜
図15の半導体パッケージ1において、ゲート配線9、第1ソース配線10および第2ソース配線11のレイアウトは、
図1に示したレイアウト(ゲートパッド85の角部80DEに配置)であってもよいし、半導体層22上の構造を多層配線構造とすることによって、ゲート配線9、第1ソース配線10および第2ソース配線11を、互いに干渉しないように、適宜の形状および大きさで引き回してもよい。
【0079】
次に、第1ソースパッド83、第2ソースパッド84およびゲートパッド85のレイアウトおよび形状について説明する。
第1ソースパッド83は、
図14に示すように、第2周縁部82の一端角部80EFの頂点V1を中心とし、半導体層22の短辺78の長さ(
図13の幅W)を半径とする第1円弧86と、第2周縁部82の他端角部80DEの頂点V2を中心とし、半導体層22の短辺78の長さ(
図13の幅W)を半径とする第2円弧87とを半導体層22の表面22Aに描いたとき、第1円弧86の外側領域であって、かつ第2円弧87の外側領域に配置されている。そして、第1ソースパッド83は、当該外側領域において、第1円弧86と第2円弧87との交点88から第1円弧86および第2円弧87それぞれに対して引いた1対の接線を二辺とする三角形状に形成されている。
【0080】
一方、第2ソースパッド84は、第1円弧86と同一の中心を有する扇形状に形成されている。第2ソースパッド84の半径R1は、たとえば、0.1mm〜0.13mmである。また、ゲートパッド85は、第2円弧87と同一の中心を有する扇形状に形成されている。ゲートパッド85の半径R2は、たとえば、0.1mm〜0.13mmである。
図13〜
図15の半導体パッケージ1によれば、WL−CSPのパッケージ構造であることから、パッケージ内部の電気的な接続が全て、ボンディングワイヤを使用しないワイヤレス構造となっている。これにより、ワイヤ抵抗も削減できるので、パッケージサイズ当たりのオン抵抗を大幅に削減することができる。
【0081】
また、半導体パッケージ1がWL−CSPのパッケージ構造ではあるが、半導体層22の側面22C〜22Fが表面保護膜50で覆われている。そのため、半導体パッケージ1が高密度実装された場合に、隣接する半導体パッケージとの間の短絡を防止することができる。
以上、
図1〜
図15を参照して本発明の一実施形態を説明したが、半導体パッケージ1および半導体チップ6の構成は、前述のものに限らず、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0082】
たとえば、前述の実施形態では、第1トランジスタTr1および第2トランジスタTr2の構造として、縦型構造の素子のみを示したが、横型構造の素子を適用することもできる。
図16は、本発明の一実施形態に係る半導体装置101の模式的な斜視図である。
図17は、本発明の一実施形態に係る半導体装置101の模式的な平面図である。
【0083】
半導体装置101は、WL−CSP(Wafer Level−Chip Size Package:ウエハレベルチップサイズパッケージ)のパッケージ構造を有している。すなわち、半導体装置101は、平面視長方形状の半導体基板102を有しており、当該半導体基板102の外形サイズとほぼ同じサイズで構成されている。たとえば、半導体装置101の長さLは0.50mm未満(好ましくは、0.40mm以上)であり、幅Wは0.40mm未満(好ましくは、0.30mm以上)であり、厚さDは0.15mm未満(好ましくは、0.10mm以上)である。たとえば、半導体装置101の長さLが0.50mmであり幅Wが0.40mmである場合、半導体装置101の平面面積は0.20mm
2である。また、半導体装置101の長さLが0.40mmであり幅Wが0.30mmである場合、半導体装置101の平面面積は0.12mm
2である。つまり、半導体装置101は、0403サイズの非常に小型なパッケージ構造を有している。また、半導体装置101の厚さが0.15mm未満であることで、半導体装置101が傾いて実装されても、半導体装置101の側面の通常位置からの出っ張り量を小さくすることができる。これにより、半導体装置101が高密度実装された場合でも、隣接する半導体装置との接触を抑止することができる。
【0084】
半導体装置101がWL−CSPのパッケージ構造を有することから、以下において、半導体装置101および半導体基板102の形状、サイズ、他の構成要素の配置位置等を説明したときに、当該説明の主体は、他方に置き換えてもよい。たとえば、平面視四角形状の半導体基板102は、平面視四角形状の半導体装置101と置き換えてもよいし、半導体基板102の周縁部にパッドが配置されているという説明は、半導体装置101の周縁部にパッドが配置されているという説明に置き換えてもよい。
【0085】
直方体形状の半導体基板102は、表面102Aと、表面102Aの反対側の裏面102Bと、表面102Aと裏面102Bとの間の4つの側面102C,102D,102E,102Fとを有し、表面102Aおよび側面102C〜102Fが表面絶縁膜103で覆われている。半導体基板102の4つの側面102C〜102Fのうち、側面102C,102Eが半導体基板102の長辺121に沿う側面であり、側面102D,102Fが半導体基板102の短辺122に沿う側面である。隣接する側面102C〜102Fの各交差部には、半導体基板102の角部104CD,104DE,104EF,104FCが形成されている。
【0086】
半導体基板102の表面102Aにおいて、長辺121側の一つの側面102Cに沿う第1周縁部105には、ドレインパッド107(第1パッド)が配置されている。ドレインパッド107は、第1周縁部105の両端角部104CD,104FCから間隔を空けた中央部に形成されており、ドレインパッド107と各角部104CD,104FCとの間には、表面絶縁膜103で覆われた一定間隔(たとえば、0.1mm〜0.15mm程度)の領域が設けられている。
【0087】
一方、第1周縁部105に対向する半導体基板102の第2周縁部106の一端角部104EFには、ソースパッド108(第2パッド)が配置され、第2周縁部106の他端角部104DEには、ゲートパッド109(第3パッド)が配置されている。
次に、ドレインパッド107、ソースパッド108およびゲートパッド109のレイアウトおよび形状について説明する。
【0088】
ドレインパッド107は、
図17に示すように、第2周縁部106の一端角部104EFの頂点V1を中心とし、半導体基板102の短辺122の長さ(
図16の幅W)を半径とする第1円弧110と、第2周縁部106の他端角部104DEの頂点V2を中心とし、半導体基板102の短辺122の長さ(
図16の幅W)を半径とする第2円弧111とを半導体基板102の表面102Aに描いたとき、第1円弧110の外側領域であって、かつ第2円弧111の外側領域に配置されている。そして、ドレインパッド107は、当該外側領域において、第1円弧110と第2円弧111との交点112から第1円弧110および第2円弧111それぞれに対して引いた1対の接線を二辺とする三角形状に形成されている。
【0089】
一方、ソースパッド108は、第1円弧110と同一の中心を有する扇形状に形成されている。ソースパッド108の半径R1は、たとえば、0.07mm〜0.13mm(好ましくは、0.10mm以上)である。たとえば、半径R1が0.07mmである場合、ソースパッド108の面積は3.85×10
−3mm
2であり、半径R1が0.10mmである場合、ソースパッド108の面積は7.85×10
−3mm
2である。また、ゲートパッド109は、第2円弧111と同一の中心を有する扇形状に形成されている。ゲートパッド109の半径R2は、たとえば、0.07mm〜0.13mm(好ましくは、0.10mm以上)である。たとえば、半径R2が0.07mmである場合、ゲートパッド109の面積は3.85×10
−3mm
2であり、半径R2が0.10mmである場合、ゲートパッド109の面積は7.85×10
−3mm
2である。
【0090】
次に、前述のドレインパッド107、ソースパッド108およびゲートパッド109のレイアウトおよび形状によって、半導体装置101の実装面積をどの程度減らすことができるかを、
図18を参照して説明する。
図18は、半導体装置101と比較形態に係る半導体装置200とのチップサイズを比較するための図である。
図18では、明瞭化のため、
図16および
図17に示した参照符号のうち、比較に必要な参照符号のみを示し、その他の参照符号は省略している。
【0091】
まず、比較形態の半導体装置200のように、ソースパッド108およびゲートパッド109が、半導体基板102の短辺122において隣り合って配置される場合、半導体装置200のパッケージサイズは、たとえば、長さL=0.6mm、幅W=0.4mmとなる。これは、短辺方向のソース−ゲート間の短絡を避けるため、ソースパッド108とゲートパッド109との間の距離として、少なくともピッチP=0.2mmを確保するためである。また、ドレインパッド107が、短辺122の一端角部から他端角部に至る形状で形成されている。そのため、パッドレイアウトを変更しないでパッケージサイズを小さくすると、ソース−ゲート間のピッチPが0.2mmを下回り、実装時に、ソース−ゲート間の短絡という問題が生じる。一方、ソースパッド108およびゲートパッド109を長辺121において隣り合うように配置しても、パッド間の短絡の問題を解消することが難しい。なぜなら、このパッドレイアウトでは、参照符号「107´」および破線で示すように、ドレインパッド107が長辺121の一端角部から他端角部に至る形状となる。そのため、パッケージサイズの減少に伴い、ソース−ドレイン間、またはゲート−ドレイン間の短絡の問題が生じる。
【0092】
これに対し、前述の半導体装置101の構成では、ソースパッド108およびゲートパッド109が長辺121において隣り合うように配置されている。さらに、ドレインパッド107が、半導体基板102の長辺121の中央部に配置されており、ドレインパッド107と長辺121の両端角部104CD,104FCとの間には、表面絶縁膜103で覆われた一定間隔の領域が設けられている。これにより、ドレインパッド107とソースパッド108との距離(ピッチP1)、およびドレインパッド107とゲートパッド109との距離(ピッチP2)を、比較形態の半導体装置200に比べて長くすることができる。したがって、半導体装置101のパッケージサイズを、たとえば、長さL=0.44mm、幅W=0.32mmと小型化しても、ピッチP1およびピッチP2を、半導体装置200におけるソース−ゲート間のピッチPと同等の0.2mmに維持することができる。すなわち、パッド間に確保する距離は、半導体装置101のパッケージの短辺122の0.20/0.32=62.5%以上にある。少なくとも、パッケージの短辺122が0.40mmの場合、パッド間に確保する距離は、半導体装置101のパッケージの短辺122の0.20/0.40=50%以上にある。また、半導体装置101のパッケージサイズが1.41×10
−1mm
2であり、パッド半径R1、R2が0.10mmの場合、パッド面積が7.85×10
−3mm
2であるため、ソースパッド108およびゲートパッド109の面積(パッド面積)は、パッケージサイズの5%以上にある。そのため、実装時の短絡を避けながら、半導体装置200よりも半導体基板のサイズを小さくすることができる。これにより、小型化された半導体装置を提供することができる。
【0093】
また、半導体装置101では、
図17に示すように、ドレインパッド107が、それぞれ短辺122の長さを半径とする第1円弧110および第2円弧111の外側領域に配置されている。そのため、ピッチP1およびピッチP2として、少なくとも半導体装置101の短辺122の長さとソースパッド108およびゲートパッド109の大きさ(幅)との差に相当する長さを確保することができる。さらに、ドレインパッド107が、第1円弧110と第2円弧111との交点112から第1円弧110および第2円弧111それぞれに対して引いた1対の接線を二辺とする三角形状に形成されている。これにより、半導体装置101を小型化しながらも、ドレインパッド107に十分な接合面積を確保することができる。そのため、半導体装置101の実装時の固着強度の低下を抑えることもできる。
【0094】
半導体装置101の実装時の固着強度の確保に関して、さらに、ソースパッド108およびゲートパッド109が、それぞれ、第1円弧110および第2円弧111と同一の中心を有する扇形状に形成されている。これにより、ピッチP1およびピッチP2として0.2mmの長さを確保しながら、ソースパッド108およびゲートパッド109に十分な接合面積を確保することができる。
【0095】
以上、半導体装置101によれば、隣り合うパッド間のピッチおよびパッドの接合面積を十分確保しながら、比較形態の半導体装置200に比べて、実装面積を約40%程度も低減することができる。
次に、
図19〜
図25を参照して、半導体装置101の内部構造について説明する。
図19〜
図21は、半導体装置101の内部構造を示す図である。
図19は、主に、アクティブ領域113のレイアウトを示し、
図20は、主に、第1配線層144のレイアウトを示し、
図21は、主に、トップ配線層154のレイアウトを示している。
図22は、半導体装置101の表面構造を示す図であって、主に、パッド開口160〜162のレイアウトを示している。
図23および
図24は、半導体装置101の模式的な断面図である。
図23は、アクティブ領域113のソース側断面を示し、
図24は、アクティブ領域113のドレイン側断面を示している。
図25は、半導体装置101の模式的な断面図であって、保護ダイオード領域114の断面を示している。なお、
図23〜
図25は、
図19〜
図21の平面図の特定部分の断面を示すものではなく、半導体装置101の内部構造の説明に必要な構成要素を選択的に示したものである。
【0096】
前述したように、半導体装置101は、半導体基板102を有している。半導体基板102には、アクティブ領域113および保護ダイオード領域114が設定されている。この実施形態では、
図19に示すように、半導体基板102の一つの角部104DEに、たとえば平面視四角形状の保護ダイオード領域114が形成されている。アクティブ領域113は、保護ダイオード領域114と一定の間隔を空け、角部104DEを除く、半導体基板102の表面領域のほぼ全体に形成されている。
【0097】
図23および
図24に示すように、半導体基板102は、その表面部に、アクティブ領域113の一部を電気的にフローティングされた領域として他の部分から分離する分離ウェル115を含んでいる。より具体的には、半導体基板102は、p型シリコン基板116および当該p型シリコン基板116上に形成されたn
−型エピタキシャル層117を含んでいる。p型の分離ウェル115は、平面視で閉曲線を描く帯状に形成され、n
−型エピタキシャル層117の表面102Aからp型シリコン基板116に達している。n
−型エピタキシャル層117の厚さは、たとえば、5.0μm〜10μmである。
【0098】
また、分離ウェル115は、上側に配置されたp
+型ウェル領域118と、下側に配置されたp
−型ローアイソレーション(L/I)領域119との2層構造からなり、これらの領域118,119の境界がn
−型エピタキシャル層117の厚さ方向途中部に設定されている。たとえば、領域118,119の境界は、n
−型エピタキシャル層117の表面102Aから1.0μm〜2.0μmの深さ位置に設定されている。
【0099】
これにより、半導体基板102には、p型シリコン基板116上において分離ウェル115によって取り囲まれたn
−型エピタキシャル層117の一部からなる素子領域120が区画されている。
素子領域120には、n
+型埋め込み層(B/L)123が選択的に形成されている。n
+型埋め込み層123は、半導体基板102において、p型シリコン基板116とn
−型エピタキシャル層117との境界を跨ぐように形成されている。n
+型埋め込み層123の膜厚は、たとえば、2.0μm〜3.0μmである。
【0100】
分離ウェル115の表面には、フィールド絶縁膜124が形成されている。フィールド絶縁膜124は、たとえば、n
−型エピタキシャル層117の表面を選択的に酸化させて形成したLOCOS膜である。
素子領域120には、DMOSFET(Double-Diffused MOSFET)125が形成されている。DMOSFET125は、n
−型エピタキシャル層117の表面に、互いに間隔を空けて形成されたn
−型ウェル領域126とp
−型ウェル領域127とを含む。n
−型ウェル領域126およびp
−型ウェル領域127は、
図19〜
図22の平面で示すように、半導体基板102の第1周縁部105から第2周縁部106に向かう短辺方向に延びるストライプ状に形成され、交互に配列されている。なお、
図19〜
図22では、明瞭化のため、n
−型ウェル領域126およびp
−型ウェル領域127に加え、これらの内方領域に形成されたストライプ状のn
+型ドレイン領域128(後述)、n
+型ソース領域129(後述)およびn
−型不純物領域130(後述)をまとめて示している。
【0101】
n
−型ウェル領域126の表面には、n
−型ウェル領域126よりも高い不純物濃度を有するn
+型ドレイン領域128が形成されている。また、p
−型ウェル領域127の表面には、n
+型ソース領域129が形成され、それを取り囲むようにn
−型不純物領域130が形成されている。
n
+型ソース領域129の外周縁は、p
−型ウェル領域127の外周縁から内側に一定の距離を空けた位置に配置されている。
【0102】
n
−型エピタキシャル層117の表面には、n
−型ウェル領域126とp
−型ウェル領域127との間の部分にフィールド絶縁膜131が形成されている。フィールド絶縁膜131は、前述のフィールド絶縁膜124と同一工程で形成されたLOCOS膜である。
フィールド絶縁膜131の一方周縁は、n
+型ドレイン領域128の周縁上に配置され、フィールド絶縁膜131の他方周縁は、n
−型ウェル領域126の外周縁から内側に一定の間隔を空けたn
−型ウェル領域126上に配置されている。n
+型ドレイン領域128は、フィールド絶縁膜131の周縁とフィールド絶縁膜124とによって挟まれた領域に形成されている。
【0103】
また、n
−型エピタキシャル層117の表面には、n
−型エピタキシャル層117とp
−型ウェル領域127との間に跨るようにゲート絶縁膜132が形成されている。そして、ゲート絶縁膜132を介してゲート電極133が形成されている。ゲート電極133は、ゲート絶縁膜132の一部およびフィールド絶縁膜131の一部を選択的に覆うように形成されている。
【0104】
ゲート電極133は、たとえば、Poly−Si(ポリシリコン)を含む下層膜134と、WSi/Si(タングステンシリサイド/シリコン)を含む上層膜135とからなっていてもよい。ゲート絶縁膜132は、たとえば、n
−型エピタキシャル層117の表面を酸化させて形成した酸化シリコン(SiO
2)であってもよい。
ゲート電極133がゲート絶縁膜132を介してp
−型ウェル領域127と対向する領域が、DMOSFET125のチャネル領域136である。チャネル領域136のチャネルの形成は、ゲート電極133によって制御されている。
【0105】
一方、保護ダイオード領域114には、
図25に示すように、ゲート絶縁膜132上に、保護ダイオード137が形成されている。保護ダイオード137は、p型部138およびn型部139を含む。p型部138およびn型部139は、
図19〜
図22の平面で示すように、半導体基板102の第1周縁部105から第2周縁部106に向かう短辺方向に延びるストライプ状に形成され、交互に配列されている。当該ストライプパターンの両端に配置されるのは、いずれもp型部138である。保護ダイオード137は、互いに隣接する一対のp型部138およびn型部139で構成されている。また、保護ダイオード137は、ゲート電極133と同様に、下層膜134と上層膜135との二層構造を有していてもよい。
【0106】
そして、半導体基板102の表面領域全体を覆うように第1層間膜140および第2層間膜141が形成されている。第1層間膜140および第2層間膜141は、たとえば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁材料によって形成されている。なお、この実施形態では、第1層間膜140および第2層間膜141が形成されているが、第2層間膜141の上層膜として、さらに第3、第4またはそれ以上の層間膜が形成された構成であってもよい。また、第1層間膜140と半導体基板102との間、および第2層間膜141と第1層間膜140との間には、それぞれ、たとえば窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜142,143が挟まれていてもよい。エッチングストップ膜142は、フィールド絶縁膜124,131上に形成されていてもよい。
【0107】
第1層間膜140上には、第1配線層144が形成されている。第1配線層144は、ソース第1メタル145、ドレイン第1メタル146およびゲート第1メタル147を含む。これらは、たとえば、AlCu等の金属層からなり、必要に応じて、その表裏面にバリア層(たとえば、Ti、TiN等)が形成されていてもよい。
ソース第1メタル145は、
図20に示すように、アクティブ領域113の第2周縁部106側の略半分の領域を覆うように形成されている。具体的には、保護ダイオード領域114を避けるように、保護ダイオード領域114に対して長手方向における側面102F側に形成されるとともに、幅方向における側面102C側に形成されている。したがって、平面視において、略四角形状の保護ダイオード領域114は、その内方側の二辺がソース第1メタル145と隣り合っている。ソース第1メタル145は、ストライプ状のn
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129の第2周縁部106側のソース側端部領域148において、プラグ(たとえば、タングステンプラグ)149を介して、n
+型ソース領域129に接続されている。また、ソース第1メタル145は、
図25に示すように、プラグ(たとえば、タングステンプラグ)150を介して、保護ダイオード137の一方側端部に配置されたp型部138に接続されている。
【0108】
ドレイン第1メタル146は、
図20に示すように、アクティブ領域113の第1周縁部105側の略半分の領域を覆うように形成されている。ドレイン第1メタル146は、ストライプ状のn
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129の第1周縁部105側のドレイン側端部領域151において、プラグ(たとえば、タングステンプラグ)152を介して、n
+型ドレイン領域128に接続されている。
【0109】
ゲート第1メタル147は、
図25に示すように、プラグ(たとえば、タングステンプラグ)153を介して、保護ダイオード137の他方側端部に配置されたp型部138に接続されている。また、ゲート第1メタル147は、図示しない位置において、ゲート電極133に接続されている。
第2層間膜141上には、トップ配線層154が形成されている。この実施形態では、第2層間膜141が最上層層間膜であるためトップ配線層154と称しているが、第2層間膜141上にさらに第3層間膜等が形成される場合は、当該第2層間膜141の配線層は、第2配線層と称してもよい。
【0110】
トップ配線層154は、ソーストップメタル155、ドレイントップメタル156およびゲートトップメタル157を含む。これらは、たとえば、AlCu等の金属層からなり、必要に応じて、その表裏面にバリア層(たとえば、Ti、TiN等)が形成されていてもよい。
ゲートトップメタル157は、
図21に示すように、ゲートパッド109よりも大きい相似形の平面視扇形状に形成され、その一部が、保護ダイオード137および保護ダイオード領域114に対して側面102C側のソース側端部領域148にオーバーラップしている。また、ゲートトップメタル157は、図示しない位置において、ゲート第1メタル147に接続されている。
【0111】
ソーストップメタル155は、
図21に示すように、アクティブ領域113の第2周縁部106側の略半分の領域を覆うように形成されている。具体的には、ゲートトップメタル157を避けるように、ゲートトップメタル157に対して長手方向における側面102F側に形成されるとともに、幅方向における側面102C側に形成されている。したがって、平面視扇形状のゲートトップメタル157は、その円弧部分がソーストップメタル155と隣り合っている。ソーストップメタル155は、
図23に示すように、プラグ(たとえば、タングステンプラグ)158を介して、ソース第1メタル145に接続されている。
【0112】
ドレイントップメタル156は、
図21に示すように、アクティブ領域113の第1周縁部105側の略半分の領域を覆うように形成されている。ドレイントップメタル156は、
図24に示すように、プラグ(たとえば、タングステンプラグ)159を介して、ドレイン第1メタル146に接続されている。
そして、第2層間膜141上には、トップ配線層154を覆うように、表面絶縁膜103が形成されている。表面絶縁膜103は、半導体基板102の表面102A側を覆うとともに、半導体基板102の側面102C〜102Fも覆っている(
図23参照)。表面絶縁膜103は、たとえば窒化シリコン(SiN)からなっていてもよい。
【0113】
表面絶縁膜103には、ソーストップメタル155、ドレイントップメタル156およびゲートトップメタル157の一部を、それぞれ、ソースパッド108、ドレインパッド107およびゲートパッド109として露出させるパッド開口160〜162が形成されている。
ソースパッド108には、
図23に示すように、ソース端子163(バンプ)が形成されている。ドレインパッド107には、
図24に示すように、ドレイン端子164(バンプ)が形成されている。また、図示しないが、ゲートパッド109にも、ゲート端子(バンプ)が形成されている。これらの端子は、たとえば、めっき法によって積層されたNi層165、Pd層166およびAu層167の積層構造を有していてもよい。最表面にAu層167を有することで、耐腐食性、半田濡れ性に優れ、信頼性の高い端子(電極)を提供することができる。
【0114】
以上の通り、半導体装置101によれば、ソース第1メタル145、ソーストップメタル155、ドレイン第1メタル146およびドレイントップメタル156が、それぞれ、アクティブ領域113の略半分の領域を覆う大きさで形成されている。これにより、ソース−ドレイン間の電流経路を広く確保することができる。そのため、半導体装置101を小型化しながらも、MISトランジスタのオン抵抗の上昇を抑えることができる。さらに、半導体装置101がWL−CSPのパッケージ構造であることから、パッケージ内部の電気的な接続が全て、ボンディングワイヤを使用しないワイヤレス構造となっている。これにより、ワイヤ抵抗も削減できるので、パッケージサイズ当たりのオン抵抗を大幅に削減することができる。
【0115】
また、半導体装置101がWL−CSPのパッケージ構造ではあるが、半導体基板102の側面102C〜102Fが表面絶縁膜103で覆われている。そのため、半導体装置101が高密度実装された場合に、隣接する半導体装置との間の短絡を防止することができる。
次に、
図26A〜
図26Fを参照して、半導体装置101の製造工程について説明する。
図26A〜
図26Fは、半導体装置101の製造工程の一例を説明するための断面図である。なお、
図26A〜
図26Fは、それぞれ
図23に対応している。
【0116】
半導体装置101を製造するには、ウエハ状態のp型シリコン基板116が用意される。次に、p型シリコン基板116の表面にn型の不純物とp型の不純物とが選択的に注入される。そして、たとえば1100℃以上の温度下で、n型の不純物を添加しながらp型シリコン基板116のシリコンをエピタキシャル成長させる。これにより、
図26Aに示すように、p型シリコン基板116とn
−型エピタキシャル層117とを含む半導体基板102(ウエハ)が形成される。
【0117】
p型シリコン基板116のエピタキシャル成長に際して、p型シリコン基板116に注入されたn型の不純物およびp型の不純物は、n
−型エピタキシャル層117の成長方向に拡散する。これにより、p型シリコン基板116とn
−型エピタキシャル層117との境界を跨ぐn
+型埋め込み層123とp
−型ローアイソレーション領域119とが形成される。なお、p型の不純物としては、たとえば、B(ホウ素),Al(アルミニウム)等を挙げることができ、n型の不純物としては、たとえば、P(リン),As(砒素)等を挙げることができる。
【0118】
次に、p
+型ウェル領域118を形成すべき領域に選択的に開口を有するイオン注入マスク(図示せず)がn
−型エピタキシャル層117上に形成される。そして、当該イオン注入マスクを介してp型の不純物がn
−型エピタキシャル層117に注入される。これにより、p
+型ウェル領域118とp
−型ローアイソレーション領域119との2層構造からなる分離ウェル115が形成される。分離ウェル115が形成された後、イオン注入マスクは除去される。
【0119】
次に、フィールド絶縁膜124,131を形成すべき領域に選択的に開口を有するハードマスク(図示せず)がn
−型エピタキシャル層117上に形成される。そして、当該ハードマスクを介してn
−型エピタキシャル層117の表面に熱酸化処理が施されてLOCOS膜からなるフィールド絶縁膜124,131が形成される。その後、ハードマスクは除去される。
【0120】
次に、n
−型エピタキシャル層117の表面に熱酸化処理が施されてゲート絶縁膜132が形成される。このとき、ゲート絶縁膜132はフィールド絶縁膜124,131と連なるように形成される。次に、ゲート電極133用の材料がn
−型エピタキシャル層117上に選択的に形成され、ゲート電極133および保護ダイオード137(図示せず)が形成される。
【0121】
次に、n
−型ウェル領域126とp
−型ウェル領域127とが形成される。n
−型ウェル領域126を形成するには、まず、n
−型ウェル領域126を形成すべき領域に選択的に開口を有するイオン注入マスク(図示せず)が形成される。そして、当該イオン注入マスクを介してn型の不純物がn
−型エピタキシャル層117に注入される。これにより、n
−型ウェル領域126が形成される。n
−型ウェル領域126が形成された後、イオン注入マスクは、除去される。また、同様の手順で、p
−型ウェル領域127を形成すべき領域に選択的に開口を有するイオン注入マスク(図示せず)が形成される。そして、当該イオン注入マスクを介してp型の不純物がn
−型エピタキシャル層117に注入される。これにより、p
−型ウェル領域127が形成される。p
−型ウェル領域127が形成された後、イオン注入マスクは、除去される。
【0122】
次に、p
−型ウェル領域127の内方領域にn
−型不純物領域130が形成される。n
−型不純物領域130を形成するには、まず、n
−型不純物領域130を形成すべき領域に選択的に開口を有するイオン注入マスク(図示せず)が形成される。そして、当該イオン注入マスクを介してn型の不純物がp
−型ウェル領域127に注入される。これにより、p
−型ウェル領域127の内方領域にn
−型不純物領域130が形成される。n
−型不純物領域130が形成された後、イオン注入マスクは、除去される。
【0123】
次に、n
−型ウェル領域126およびp
−型ウェル領域127の各内方領域にn
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129がそれぞれ選択的に形成される。n
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129を形成するには、まず、n
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129を形成すべき領域に選択的に開口を有するイオン注入マスク(図示せず)が形成される。そして、当該イオン注入マスクを介してn型の不純物がn
−型ウェル領域126およびp
−型ウェル領域127に注入される。これにより、n
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129が形成される。n
+型ドレイン領域128およびn
+型ソース領域129が形成された後、イオン注入マスクは、除去される。
【0124】
次に、
図26Bに示すように、ゲート電極133を覆うように絶縁材料が堆積されて第1層間膜140が形成される。次に、第1層間膜140を貫通するようにプラグ149,150,152,153が形成される。次に、第1層間膜140上に、エッチングストップ膜143が形成された後、選択的に、ソース第1メタル145、ドレイン第1メタル146およびゲート第1メタル147が形成される。
【0125】
次に、
図26Cに示すように、ソース第1メタル145、ドレイン第1メタル146およびゲート第1メタル147を覆うように絶縁材料が堆積されて第2層間膜141が形成される。次に、第2層間膜141を貫通するようにプラグ158,159が形成される。次に、第2層間膜141上に、選択的に、ソーストップメタル155、ドレイントップメタル156およびゲートトップメタル157が形成される。
【0126】
次に、ソーストップメタル155、ドレイントップメタル156およびゲートトップメタル157を覆うように絶縁材料が堆積されて表面絶縁膜103が形成される。その後、表面絶縁膜103が選択的に除去されることによって、パッド開口160〜162が形成される。
次に、
図26Dに示すように、たとえばプラズマエッチングによって、予め設定された素子境界ラインに沿って半導体基板102が選択的に除去される。これにより、隣り合うトランジスタ領域の間に、半導体基板102の表面102Aから半導体基板102の厚さ途中まで到達する所定深さの溝168が形成される。溝168は、互いに対向する1対の側壁168Aと、当該1対の側壁168Aの下端(半導体基板102の裏面102B側の端)の間を結ぶ底壁168Bとによって区画されている。
【0127】
次に、
図26Eに示すように、CVD法によって、SiNからなる絶縁膜を、半導体基板102の表面102A側の領域全体に亘って形成する。このとき、溝168の内周面(前述した側壁168Aおよび底壁168B)の全域にも当該絶縁膜が形成される。これにより、表面絶縁膜103の側面102C〜102Fに覆う部分が形成される。
次に、無電解めっきによって、各パッド開口160〜162から露出したソースパッド108、ドレインパッド107およびゲートパッド109からNi、PdおよびAuを順にめっき成長させる。これにより、
図26Eに示すように、Ni層165/Pd層166/Au層167の積層膜からなるソース端子163、ドレイン端子164(図示せず)およびゲート端子(図示せず)が形成される。
【0128】
次に、ウエハ状態の半導体基板102の表面102A側に支持テープ(図示せず)が貼着され、その状態で、半導体基板102が裏面102B側から研削される。研削によって、溝168の底壁168Bの上面に達するまで半導体基板102が薄型化されると、隣り合う半製品を連結するものがなくなるので、溝168を境界として半導体基板102が分割される。以上の工程を経て、
図26Fに示すように、半導体装置101の個片が得られる。
【0129】
以上、
図16〜
図26Fを参照して本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、半導体基板102は、平面視長方形状である必要はなく、平面視正方形状等の他の四角形であってもよい。
また、ドレインパッド107は、たとえば、平面視において円形、半円形等であってもよく、ソースパッド108およびゲートパッド109は、たとえば、平面視において円形、三角形等であってもよい。
【0130】
また、前述の実施形態では、半導体装置101素子構造の一例として、MOSFETの構造のみを示したが、半導体装置101に内蔵される素子は、たとえば、IGBT、ベイポーラトランジスタ等の他の素子であってもよい。
本発明の半導体装置は、特に小型化が要求される用途であるウェアラブル機器(たとえば、スマートフォン、タブレットPC等)に好適に使用することができる。
【0131】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。