特開2018-61972(P2018-61972A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大和精工株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社エム・アイ・ケーの特許一覧

<>
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000003
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000004
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000005
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000006
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000007
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000008
  • 特開2018061972-搾油方法及び搾油機 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-61972(P2018-61972A)
(43)【公開日】2018年4月19日
(54)【発明の名称】搾油方法及び搾油機
(51)【国際特許分類】
   B30B 9/06 20060101AFI20180323BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20180323BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20180323BHJP
【FI】
   B30B9/06 CZAB
   B30B9/06 Z
   B09B5/00 Z
   B09B3/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-200972(P2016-200972)
(22)【出願日】2016年10月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000208433
【氏名又は名称】大和精工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】394005812
【氏名又は名称】株式会社エム・アイ・ケー
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 修一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潔
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA04
4D004AA50
4D004CA03
4D004CA13
4D004CB15
4D004CB28
4D004DA01
4D004DA13
4D004DA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】撹拌羽根を回転させていても、ピストンの作動を停止しかつ必要なときに作動を再開でき、運転コストを低減できるようにする。
【解決手段】含油材Uを投入するホッパ3と、このホッパ3内で回転する撹拌羽根4を有する撹拌機構5と、ホッパ3の下部に連通する誘導口6aとこの誘導口6aの下方の多孔6bとを形成した圧搾シリンダ6と、この圧搾シリンダ6内で誘導口6aを超えてピストン7を往復移動させる圧縮機構8と、ピストン7に対向していてピストン7との間で含油材Uを圧搾する押圧機構9とを備えている。撹拌機構5は、撹拌羽根4を回転させる撹拌モータKMと、撹拌羽根4の回転抵抗を感知する撹拌センサKSとを有しており、圧縮機構8は、ピストン7を往復移動させる圧縮モータAMと、撹拌機構5の撹拌センサKSの回転抵抗感知により圧縮モータAMを作動させる連携機構とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパ(3)内に投入された含油材(U)を撹拌羽根(4)の回転で撹拌し、この含油材(U)をホッパ(3)の下部の誘導口(6a)から圧搾シリンダ(6)内に誘導し、この圧搾シリンダ(6)内でピストン(7)を往復移動して押圧機構(9)との間で含油材(U)を圧搾して油を分離する搾油方法であって、
前記撹拌羽根(4)の回転中にピストン(7)の往復移動を停止し、撹拌羽根(4)の回転に抵抗を感知してからピストン(7)の往復移動を再開することを特徴とする搾油方法。
【請求項2】
前記撹拌羽根(4)を撹拌タイマ(KT)で設定した時間回転させ、前記ピストン(7)を圧縮タイマ(AT)で設定した前記撹拌タイマ(KT)設定時間より短い時間往復移動させ、
前記圧縮タイマ(AT)の設定時間満了後でかつ前記撹拌タイマ(KT)の設定時間満了前に、前記撹拌羽根(4)の回転に抵抗を感知したときに圧縮タイマ(AT)を再作動することを特徴とする請求項1に記載の搾油方法。
【請求項3】
前記圧縮タイマ(AT)の設定時間満了時に誘導口(6a)を閉鎖する進出位置(F)でピストン(7)を停止し、前記撹拌タイマ(KT)の設定時間満了時に誘導口(6a)を開放する後退位置(E)までピストン(7)を後退させることを特徴とする請求項2に記載の搾油方法。
【請求項4】
含油材(U)を投入するホッパ(3)と、このホッパ(3)内で回転する撹拌羽根(4)を有する撹拌機構(5)と、ホッパ(3)の下部に連通する誘導口(6a)とこの誘導口(6a)の下方の多孔(6b)とを形成した圧搾シリンダ(6)と、この圧搾シリンダ(6)内で誘導口(6a)を超えてピストン(7)を往復移動させる圧縮機構(8)と、ピストン(7)に対向していてピストン(7)との間で含油材(U)を圧搾する押圧機構(9)とを備えており、
前記撹拌機構(5)は、撹拌羽根(4)を回転させる撹拌モータ(KM)と、撹拌羽根(4)の回転抵抗を感知する撹拌センサ(KS)とを有しており、
前記圧縮機構(8)は、ピストン(7)を往復移動させる圧縮モータ(AM)と、撹拌機構(5)の撹拌センサ(KS)の回転抵抗感知により圧縮モータ(AM)を作動させる連携機構(11)とを有することを特徴とする搾油機。
【請求項5】
前記撹拌機構(5)は撹拌羽根(4)を設定時間回転させる撹拌タイマ(KT)を有しており、
前記圧縮機構(8)はピストン(7)を前記撹拌タイマ(KT)より短い時間作動させる圧縮タイマ(AT)を有しており、
前記撹拌機構(5)は撹拌羽根(4)を抵抗により回転を停止するトルクリミッタ(12)を有し、前記撹拌センサ(KS)は撹拌羽根(4)の一定時間の回転停止を検出可能であることを特徴とする請求項4に記載の搾油機。
【請求項6】
前記撹拌機構(5)は撹拌タイマ(KT)の設定時間満了時に誘導口(6a)を開放する後退位置(E)まで後退したピストン(7)を検出して圧縮機構(8)を停止させる位置センサ(PS)を有しており、
前記圧縮機構(8)は圧縮タイマ(AT)の設定時間満了時に誘導口(6a)を閉鎖する進出位置(F)でピストン(7)を停止させる位置センサ(PS)を有していることを特徴とする請求項5に記載の搾油機。
【請求項7】
前記撹拌羽根(4)は回転によってホッパ(3)内の含油材(U)を誘導口(6a)に
誘導する誘導面(G)を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の搾油機。
【請求項8】
前記撹拌羽根(4)は誘導口(6a)の近傍の回転軸(13)に一対の羽根部材(4A、4B)を設けており、この各羽根部材(4A、4B)は含油材(U)を対向内方向に押動する内方誘導面(G1)と下方へ押動する下方誘導面(G2)とを有することを特徴とする請求項7に記載の搾油機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚げカス等の含油材から油を搾出する搾油方法及び搾油機に関する。
【背景技術】
【0002】
天ぷらカス、フライカス、その他の揚げカス等の含油材から油を搾出する搾油機は、特許文献1に開示されているように、含油材を投入するホッパと、このホッパ内で回転する撹拌羽根と、ホッパの下部に連通する供給口とこの供給口の下方の多孔とを形成した圧搾筒と、この圧搾筒内で往復移動するピストンと、ピストンに対向していてピストンとの間で含油材を圧搾する押圧部材と、撹拌羽根及びピストンを作動させる駆動装置とを備えており、ホッパ内に投入された含油材を撹拌羽根の回転で撹拌し、この含油材をホッパの下部の供給口から圧搾筒内に誘導し、この圧搾筒内でピストンを往復移動して押圧部材との間で含油材を圧搾して油を分離し、油を油回収容器に落下供給し、カスはカス収納容器に排出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5336992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、撹拌羽根及びピストンを1台の駆動装置(モータ)からの動力で駆動しており、撹拌羽根及びピストンを同時にかつ連続して駆動しているため、搾油が完了して含油材がホッパ内に存在しないときも、駆動に大負荷のかかるピストンを作動しており、運転コストのかかるものになっている。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした搾油方法及び搾油機を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、撹拌羽根を回転させていても、ピストンの作動を停止しかつ必要なときに作動を再開でき、運転コストを低減できるようにした搾油方法を提供することを目的とする。
本発明は、撹拌羽根とピストンとを別個のモータで駆動し、撹拌羽根の回転中に、ピストンの作動を停止しかつ必要なときに作動を再開させ、運転コストを低減できるようにした搾油機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
搾油方法は第1に、ホッパ3内に投入された含油材Uを撹拌羽根4の回転で撹拌し、この含油材Uをホッパ3の下部の誘導口6aから圧搾シリンダ6内に誘導し、この圧搾シリンダ6内でピストン7を往復移動して押圧機構9との間で含油材Uを圧搾して油を分離する搾油方法であって、
前記撹拌羽根4の回転中にピストン7の往復移動を停止し、撹拌羽根4の回転に抵抗を感知してからピストン7の往復移動を再開することを特徴とする。
【0007】
搾油方法は第2に、前記撹拌羽根4を撹拌タイマKTで設定した時間回転させ、前記ピストン7を圧縮タイマATで設定した前記撹拌タイマKT設定時間より短い時間往復移動させ、
前記圧縮タイマATの設定時間満了後でかつ前記撹拌タイマKTの設定時間満了前に、前記撹拌羽根4の回転に抵抗を感知したときに圧縮タイマATを再作動することを特徴とする。
【0008】
搾油方法は第3に、前記圧縮タイマATの設定時間満了時に誘導口6aを閉鎖する進出位置Fでピストン7を停止し、前記撹拌タイマKTの設定時間満了時に誘導口6aを開放する後退位置Eまでピストン7を後退させることを特徴とする。
搾油機は第1に、含油材Uを投入するホッパ3と、このホッパ3内で回転する撹拌羽根4を有する撹拌機構5と、ホッパ3の下部に連通する誘導口6aとこの誘導口6aの下方
の多孔6bとを形成した圧搾シリンダ6と、この圧搾シリンダ6内で誘導口6aを超えてピストン7を往復移動させる圧縮機構8と、ピストン7に対向していてピストン7との間で含油材Uを圧搾する押圧機構9とを備えており、
前記撹拌機構5は、撹拌羽根4を回転させる撹拌モータKMと、撹拌羽根4の回転抵抗を感知する撹拌センサKSとを有しており、
前記圧縮機構8は、ピストン7を往復移動させる圧縮モータAMと、撹拌機構5の撹拌センサKSの回転抵抗感知により圧縮モータAMを作動させる連携機構11とを有することを特徴とする。
【0009】
搾油機は第2に、前記撹拌機構5は撹拌羽根4を設定時間回転させる撹拌タイマKTを有しており、
前記圧縮機構8はピストン7を前記撹拌タイマKTより短い時間作動させる圧縮タイマATを有しており、
前記撹拌機構5は撹拌羽根4を抵抗により回転を停止するトルクリミッタ12を有し、前記撹拌センサKSは撹拌羽根4の一定時間の回転停止を検出可能であることを特徴とする。
【0010】
搾油機は第3に、前記撹拌機構5は撹拌タイマKTの設定時間満了時に誘導口6aを開放する後退位置Eまで後退したピストン7を検出して圧縮機構8を停止させる位置センサPSを有しており、
前記圧縮機構8は圧縮タイマATの設定時間満了時に誘導口6aを閉鎖する進出位置Fでピストン7を停止させる位置センサPSを有していることを特徴とする。
【0011】
搾油機は第4に、前記撹拌羽根4は回転によってホッパ3内の含油材Uを誘導口6aに誘導する誘導面Gを有することを特徴とする。
搾油機は第5に、前記撹拌羽根4は誘導口6aの近傍の回転軸13に一対の羽根部材4A、4Bを設けており、この各羽根部材4A、4Bは含油材Uを対向内方向に押動する内方誘導面G1と下方へ押動する下方誘導面G2とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、必要なときにのみピストンの作動を再開でき、運転コストを低減できる。
即ち、請求項1に係る発明は、撹拌羽根4の回転中にピストン7の往復移動を停止し、撹拌羽根4の回転に抵抗を感知してからピストン7の往復移動を再開するので、大負荷のかかるピストン7の作動を必要なときにのみ行うことができ、運転コストを低減できる。
【0013】
請求項2に係る発明は、撹拌タイマKT設定時間より短く設定した圧縮タイマATの設定時間でピストン7の作動を停止し、撹拌羽根4の回転に抵抗を感知したときに圧縮タイマATを再作動してピストンを往復移動させるので、撹拌タイマKT及び圧縮タイマATの設定時間管理と撹拌羽根4の回転抵抗感知とで、必要なときにのみピストン7を作動させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、圧縮タイマATの設定時間満了時に誘導口6aを閉鎖する進出位置Fでピストン7を停止するので、ピストン7の停止後の作動再開を迅速に行うことができ、撹拌タイマKTの設定時間満了時に誘導口6aを開放する後退位置Eまでピストン7を後退させるので、運転終了後の圧搾シリンダ6の清掃等を簡単かつ速やかに行うことができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、撹拌羽根4とピストン7とを別々のモータで駆動するのでピストン7の作動停止を容易にでき、撹拌羽根4の回転抵抗を撹拌センサKSで感知して連携機構11を介してピストン7の往復移動を再開することができる。
請求項5に係る発明は、撹拌羽根4を撹拌タイマKT設定時間回転させ、ピストン7を撹拌タイマKTより短い圧縮タイマAT設定時間の満了時に停止させ、トルクリミッタ12によって撹拌羽根4が抵抗により回転が停止されたときにそれを撹拌センサKSで検出して、必要を感知したときにのみピストン7の往復移動を再開することができる。
【0016】
請求項6に係る発明は、撹拌タイマKTの設定時間満了時に誘導口6aを開放する後退位置Eまで後退したピストン7を位置センサPSで検出して圧縮機構8を停止させるので
、運転終了後にピストン7を圧搾シリンダ6の清掃の障害にならない位置に配置でき、圧縮タイマATの設定時間満了時に誘導口6aを閉鎖する進出位置Fに位置センサPSを介してピストン7を停止させるので、ピストン7の停止後のホッパ3内での含油材Uの存在確認及びピストン7の作動再開を迅速に行うことができる。
【0017】
請求項7に係る発明は、撹拌羽根4は回転によってホッパ3内の含油材Uを誘導口6aに誘導する誘導面Gを有するので、圧搾シリンダ6への含油材Uの誘導を確実に行うことができる。
請求項8に係る発明は、回転軸13上の一対の羽根部材4A、4Bは含油材Uを対向内方向に押動する内方誘導面G1と下方へ押動する下方誘導面G2とを有するので、撹拌羽根4による回転抵抗の感知を迅速かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態を示す断面正面図である。
図2】要部の斜視図である。
図3】要部の平面図である。
図4図1のX−X線断面図である。
図5】撹拌機構の斜視図である。
図6図1のY−Y線断面図である。
図7】搾油運転の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6において、搾油機1は装置台21上に、含油材Uを投入するホッパ3と、撹拌羽根4を有する撹拌機構5と、ホッパ3の下部に連通する圧搾シリンダ6と、この圧搾シリンダ6内でピストン7を往復移動させる圧縮機構8と、ピストン7に対向している押圧機構9とを備えており、装置台21の下面側に受け皿22が設けられ、この受け皿22の下方には油回収容器及びカス収納容器(図示せず)が挿脱自在に配置される。
【0020】
装置台21は装置枠23の上面に支持された平板であって、受け皿22の上方に油落下口21aとカス落下口21bとが形成されており、油落下口21aの上方には圧搾シリンダ6の中途部が配置され、カス落下口21bの上方には圧搾シリンダ6と押圧機構9との対向部分が配置されている。
圧搾シリンダ6は長手方向両端が開放された円筒体であり、円筒の長手方向中途部の上部にホッパ3の下部に連通する誘導口6aが形成され、この誘導口6aと対向する下略半分に油Bが排出される多孔6bが形成されており、この多孔6bは軸方向及び周方向に間隔をおいて多数形成されている。
【0021】
圧搾シリンダ6は軸芯を左右方向水平に配置して装置台21に左右取付体24を介して固定されており、内部にピストン7が往復移動可能に挿入されている。
ピストン7は中実円体であり、後部にピンを介してクランク棒25の先端が揺動自在に連結されている。このクランク棒25は後部に偏心ピン26を回動自在に有し、この偏心ピン26を介して回転板27に連結されている。
【0022】
図1の符号AMは圧縮モータ(ギヤードモータ)であり、装置台21上に固定の支持台28に固定されており、圧縮モータAMの垂直方向の出力軸29に前記回転板27が取り付けられており、縦軸状の出力軸29の回転によって回転板27が水平面上で回転し、この回転板27を介して偏心ピン26が偏心運動することにより、クランク棒25を介してピストン7が往復運動をする。
【0023】
圧縮モータAMはクランク棒25の真上に位置し、上下方向に長いホッパ3と平行に配置されていて、搾油機1の前後幅を狭くできるように構成している。
前記支持台28には回転板27の外周面と転動する2個のコロ28aが支持されており、ピストン7が圧縮運動をするときの荷重を受けるバックアップ部材を構成している。また、圧縮モータAMはクランク棒25、回転板27及びコロ28a等の真上に位置し、上下方向に長いホッパ3と平行に配置されていて、搾油機1の前後幅を狭くできるように構成している。
【0024】
前記ピストン7、クランク棒25、圧縮モータAM等によって圧縮機構8が構成され、この圧縮機構8にはピストン7及びクランク棒25が誘導口6aを開放する後退位置Eにきたときにそれを検出する位置センサPSも設けられている、
なお、この位置センサPSの検出から一定時間後には、ピストン7が誘導口6aを閉鎖する進出位置(圧縮位置)Fに進出することになり、位置センサPSは進出位置Fを検出設定するセンサにもなっている。
【0025】
図1〜3において、押圧機構9は、先端の円錐部30aと後部の摺動軸部30bとを有して圧搾シリンダ6と同心上に配置される押圧体30と、摺動軸部30bに嵌装されたスプリング31と、押圧体30を軸方向摺動自在に支持するアジャスタ32と、このアジャスタ32を軸方向位置調整自在に支持するホルダ33と、このホルダ33を装置台21上に着脱自在に固定する固定機構36とを備えている。
【0026】
この固定機構36は、前記装置台21及び取付体24に対して固定された係合部材37と、ホルダ33から外側方に突出していて係合部材37に係脱自在に係合する係合突起33aと、装置台21に固定の固定台38と、この固定台38に枢支されていて側壁に係合溝39を有する装着体40と、ホルダ33から外側方に突出していて装着体40の係合溝39に挿入された締結部33bとを有している。
【0027】
前記装着体40の係合溝39は正面視略L字形状であり、ホルダ33の係合突起33aを係合部材37に係合しかつホルダ33の締結部33bを装着体40の係合溝39の垂直部分に係合することにより、ホルダ33は装置台21に対して固定される。
前記固定状態から、装着体40を僅かに上昇させて係合溝39の略水平な部分を締結部33bに対向させると、ホルダ33の係合突起33aは係合部材37から離脱可能になり、固定台38に対して装着体40を回動すると、装着体40をホルダ33とともに上昇できる。圧搾シリンダ6の清掃時には、押圧体30を圧搾シリンダ6から離隔する。
【0028】
前記押圧体30の円錐部30aは圧搾シリンダ6の端部に挿入されており、ピストン7によって押動されてくる含油材Uを受け止めて圧搾し、その圧搾力によってスプリング31に抗して移動して圧搾シリンダ6の端部との間に間隙を作り、その間隙からカスを排出する。前記スプリング31の抵抗力はアジャスタ32の軸方向位置調整によって調整される。
【0029】
図1〜6において、圧搾シリンダ6の上方に設けたホッパ3は、逆四角錐形であって略垂直な基板3aに3面の板材が固定され、かつ下部に取付板3bが固定されており、この取付板3bが装置台21から立設した装着台41に取り付けられている。この装着台41には圧搾シリンダ6の誘導口6aを形成している部分も取り付けられており、前記取付板3b及び装着台41には圧搾シリンダ6の誘導口6aと連通する誘導口(供給口)が形成されている。
【0030】
ホッパ3の上部は間口の広い投入口となっており、このホッパ3の上部には補助ホッパ43が設けられており、この補助ホッパ43には格子状の異物投入防止柵44が設けられている。
前記ホッパ3には撹拌機構5が支持されている。ホッパ3の基板3aとそれに対向する板材との間に、誘導口6aの近傍の回転軸13Dとその上方の回転軸13Uとが回転自在に設けられており、下の回転軸13Dには一対の羽根部材4A、4Bが設けられ、上の回転軸13Uには1つの羽根部材4Cが設けられている。各羽根部材4A、4B、4Cは帯板の中央に回転軸13U、13Dに嵌合する孔を穿設し、その両側を反対方向に捻った形状である。
【0031】
前記一対の羽根部材4A、4Bは、捻り面で含油材Uを対向内方向に押動する内方誘導面G1と下方へ押動する下方誘導面G2とを形成しており、捻り方向が反対であり、回転軸13Uの軸方向で略正対向しており、誘導口6aの真上で略対応する位置に配置されている。
即ち、羽根部材4A、4Bは軸方向で略対称形状であり、内方誘導面G1及び下方誘導面G2は3次元的に湾曲した曲面であって、主に軸方向に向いた曲面部分が内方誘導面G1であって、含油材Uに切り込みながら対向内方向に押動し、主にラジアル方向に向いた
曲面部分が下方誘導面G2であって、含油材Uを下方の誘導口6aへ押動する機能を有する。
【0032】
前記羽根部材4Cは上の回転軸13Uの軸方向略中央に配置されており、羽根部材4Aと同様に、3次元的に湾曲した内方誘導面G1及び下方誘導面G2を有し、内方誘導面G1は上方から投入される含油材Uを切り込みながら基板3a側に押動し、下方誘導面G2は含油材Uを下方へ押動し、投入された含油材Uのブリッジ発生を防止しながら羽根部材4A、4Bの方へ供給するようにしている。この羽根部材4Cは回転軸13U上に複数設けてもよい。
【0033】
ホッパ3の基板3aの背面側には、撹拌羽根4を回転するための駆動機構が設けられている。前記撹拌機構5の駆動機構は、撹拌羽根4を回転させる撹拌モータKM及びギヤ群と、撹拌羽根4を抵抗により回転を停止するトルクリミッタ12と、撹拌羽根4の回転抵抗を感知する撹拌センサKSとを備えている。
下の回転軸13Dには第1ギヤ50が設けられ、この第1ギヤ50にアイドラギヤ51が噛合しており、上の回転軸13Uには第2ギヤ52が設けられ、この第2ギヤ52とアイドラギヤ51とに駆動ギヤ53が噛合しており、この駆動ギヤ53はトルクリミッタ12を介在して撹拌モータKMの出力軸に連動連結されている。
【0034】
前記撹拌モータKMは第1ギヤ50及び第2ギヤ52を同一方向に同時に駆動して回転軸13U、13Dを回転するが、羽根部材4A、4B、4Cに大きな抵抗が加わるとトルクリミッタ12が作動して、撹拌モータKMは回転するが、回転軸13U、13Dの回転が停止することになる。
前記撹拌センサKSは第1ギヤ50の回転により一定間隔で発生する信号を検出するものであり、前記信号が一定時間発生しないこと、即ち、撹拌羽根4の一定時間の回転停止を検出することが可能になっており、その検出信号は圧縮機構8の作動に応用される。ピストン7が往復移動しているとき、撹拌センサKSは作動しない。
【0035】
次に、図7の搾油運転の概略フロー図及び図1〜6に基づいて、搾油方法を説明する。
搾油機1は通常運転モードとエコ運転モードの2種類の運転モードがある。通常運転モードは撹拌モータKMと圧縮モータAMとを同時に作動して同時に停止するモードであり、含油材Uをホッパ3内に投入して、撹拌モータKMと圧縮モータAMとを作動させると、撹拌羽根4が回転して含油材Uを撹拌し、この含油材Uをホッパ3の下部の誘導口6aから圧搾シリンダ6内に誘導し、この圧搾シリンダ6内でピストン7が押圧機構9に対向して往復移動し、押圧機構9との間で含油材Uを圧搾して油を分離し、総ての含油材Uを圧搾した後に撹拌モータKM及び圧縮モータAMの作動を停止する。
【0036】
図7において、エコ運転モードは、含油材Uをホッパ3内に投入してからまたはその前に、エコ運転モードスイッチ60を入れ、撹拌タイマKTと圧縮タイマATのスイッチを作動させる。撹拌タイマKTと圧縮タイマATの設定時間は種々設定でき、例えば、撹拌タイマKTは30分、60分等とすると、圧縮タイマATは撹拌タイマKTより短い5分、10分等に設定される。
【0037】
撹拌タイマKTと圧縮タイマATのスイッチの作動により、撹拌モータKMと圧縮モータAMとは作動し、撹拌モータKMの回転によって、撹拌羽根4は含油材Uを撹拌しかつ含油材Uをホッパ3の下方の誘導口6aから圧搾シリンダ6内に誘導する。また、圧縮モータAMの回転によって、ピストン7が押圧機構9に対向して往復移動しかつ押圧体30との間で含油材Uを圧搾し、圧搾シリンダ6内から油を排出する。
【0038】
圧縮タイマATの設定時間内はピストン7の圧縮動作が行われ、圧縮タイマATの設定時間満了後に圧縮モータAMが停止する。このとき、位置センサPSがピストン7の位置を検出して一定時間経過後に、ピストン7が誘導口6aを閉鎖する進出位置(圧縮位置)Fに来たときに、ピストン7を停止させる。
含油材Uが新たに投入されない場合は、撹拌タイマKTが設定時間満了後に撹拌モータKMを停止する。このとき圧縮モータAMを若干作動させて、ピストン7が誘導口6aを開放する後退位置Eまで後退したときに、位置センサPSが作動して運転を終了する(運転終了62)。
【0039】
圧縮タイマATの設定時間が満了しても撹拌タイマKTの設定時間が満了していない場合、圧縮モータAMは停止しているが撹拌モータKMは回転を続けており、そこに含油材Uが新たに投入されると、撹拌羽根4は含油材Uを撹拌しかつホッパ3の下部の誘導口6aに誘導する。
このときピストン7は誘導口6aを閉鎖する進出位置Fにあるので、ホッパ3の下部での含油材U充填量は急速に増加し、撹拌羽根4は満杯になった含油材Uから回転抵抗を受けることになり、その回転抵抗がトルクリミッタ12の設定値より大きくなると、撹拌羽根4は回転しきれなくなって停止する。
【0040】
撹拌羽根4の回転停止という抵抗を撹拌センサKSが感知すると、その信号を連携機構11を介して圧縮タイマATに伝達し、圧縮タイマATを再度作動して圧縮機構8の圧縮モータAMを再起動し、圧縮タイマATの設定時間だけピストン7を往復移動させる。
圧縮機構8の圧縮モータAMの再起動は、撹拌タイマKTの設定時間満了までは循環機構61を使って何回も行うことができ、撹拌タイマKTが設定時間を満了すると、撹拌機構5及び圧縮機構8は共に停止し、運転停止62となる。
【0041】
撹拌機構5の停止中にホッパ3に含油材Uが投入されると、エコ運転モードスイッチ60を再度入れる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、撹拌羽根4の回転抵抗を感知する撹拌センサKSは、第1ギヤ50の回転停止を検出する代わりに、撹拌モータKMにかかる負荷の増大を直接的に検出するセンサでもよい。
【0042】
また、ピストン7が誘導口6aを閉鎖する進出位置Fにきたときにピストン7の位置を検出する位置センサPSを設けて、圧縮タイマATの設定時間満了時にその位置センサPSの作動によりピストン7を停止させるようにしてもよい。
さらに、圧縮タイマATの設定時間満了時にも、撹拌タイマKTの設定時間満了後と同様に、ピストン7を誘導口6aを開放する後退位置Eまで後退させてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 搾油機
3 ホッパ
4 撹拌羽根
5 撹拌機構
6 圧搾シリンダ
6a 誘導口
6b 多孔
7 ピストン
8 圧縮機構
9 押圧機構
11 連携機構
12 トルクリミッタ
13 回転軸
AM 圧縮モータ
AT 圧縮タイマ
E 後退位置
F 進出位置
G2 下方誘導面
G1 内方誘導面
G 誘導面
KM 撹拌モータ
KS 撹拌センサ
KT 撹拌タイマ
PS 位置センサ
U 含油材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7