【実施例1】
【0021】
まず、本発明である充電端子保護ホルダーの構造について説明する。
図1は、充電端子保護ホルダーの(a)斜め前から見た斜視図及び(b)斜め後から見た斜視図である。
図2は、充電端子保護ホルダーの(a)正面図及び(b)背面図である。
図3は、充電端子保護ホルダーの(a)平面図及び(b)底面図である。
図4は、充電端子保護ホルダーの左側面図(右側面図も同様)である。
【0022】
充電端子保護ホルダー100は、樹脂等を成形したもので、充電式コントローラ、タブレットPC又はスマートフォン等の端末機器に装着される。なお、端末機器は充電式であり、端末機器の側面に充電端子差込口が設けられているとする。端末機器は、充電端子差込口に充電用ケーブルを接続して充電が行われる。充電端子保護ホルダー100は、充電端子差込口と充電用ケーブルのコネクタとを電気的に接続する充電端子を保護するために使用される。
【0023】
図1〜4に示すように、充電端子保護ホルダー100は、端末機器の側面に設けられた充電端子差込口の外方に配置され、充電端子差込口に充電用ケーブルのコネクタを差し込む前に貫通させる筒状の固定ケース200と、固定ケース200から端末機器の側面に沿って横方向に延設されたアーム300と、アーム300に中間部(湾曲部410)が係止され、先端のうち一端(上片420)が端末機器の上面に、他端(下片430)が端末機器の下面に延びるように湾曲した弾性のあるクリップ400と、を有する。
【0024】
固定ケース200は、矩形等の内部が中空の管材であり、充電用ケーブルのコネクタを通す貫通孔210を有する。貫通孔210は、コネクタの外形に合わせて最大径の部分が通過できるように空けられれば良い。また、貫通孔210の向きは、コネクタを充電端子差込口に差し込む方向と一直線上になれば良い。
【0025】
固定ケース200は、クリップ400で端末機器を挟持したときに充電端子差込口の位置に合うように固定され、コネクタを充電端子差込口に差し込むときに差込角度が一定となるようにガイドする。
【0026】
アーム300は、固定ケース200の側面から外へ向かって横方向に延びる板材である。固定ケース200が端末機器の側面に対し垂直に配置されている場合、アーム300は端末機器の側面に沿って延びることになる。
【0027】
アーム300は、延設先に端末装置の側面に縦方向に当てられ、クリップ400の湾曲部410を端末装置の上面から下面に渡すように掛けるための係止部320を有する。係止部320は、使用時にクリップ400が外れないように、左右両端よりも中央を窪ませた受け溝330を有する。係止部320は交換可能に着脱させても良い。係止部320を連結するため、さらに連結を補強するために連結材310を介しても良い。
【0028】
クリップ400は、「つ」の字状に湾曲した帯材であり、中間の湾曲部410と、湾曲部410の上側から延びる上片420と、湾曲部410の下側から延びる下片430とを有する。上片420と下片430とは先端に向かうにしたがって近接しており(
図4に示す間隔Hを参照)、上片420と下片430を上下に開いて端末機器に嵌め込む。湾曲部410の弾性によって上片420と下片430とが元の位置に戻る力を利用して挟持させる。
【0029】
クリップ400は、端末機器の上面及び下面の表示並びにそれに対する操作を妨げないように切欠部450を設けても良い。また、上片420又は下片430を細くしたり、湾曲等させたりして、端末機器の画面やボタン等の位置を回避するようにしても良い。端末機器の表示が見やすくなり、誤操作もなくなる。
【0030】
また、クリップ400は、先端に端末機器を挟持したときに押さえ付けるための球面部440を有する。球面部440は、上片420又は下片430の一方だけでも両方にしても良い。先端を球状に突出させることで、クリップ400の弾性を確保したり、上片420又は下片430と端末機器との間に隙間を設けて端末機器の表示を確保したりしても良い。
【0031】
図5は、充電端子保護ホルダーの各パーツの組み立てを示す図であり、(a)は固定ケースとアーム、(b)はアームとクリップの組み立てを示す。
図6は、充電端子保護ホルダーのコントローラへの装着を示す図であり、(a)は斜め前から見た斜視図、(b)は斜め後から見た斜視図である。
図7は、充電端子保護ホルダーの装着について説明する図である。なお、端末機器としてコントローラ500を例に説明する。
【0032】
図5(a)に示すように、固定ケース200とアーム300及び連結材310とが一体的に成形されている場合に、連結材310に対して係止部320を嵌合させる等して取り付ける。端末機器の種類が複数ある場合に、端末機器の形状ごとに係止部320を用意しておき、使用する端末機器に合わせて係止部320を交換すれば良い。また、係止部320を破損した場合に、係止部320のみを交換すれば良い。
【0033】
図5(b)に示すように、係止部320が取り付けられたアーム300に対して、クリップの上片420と下片430の間に係止部320を通して、受け溝330でクリップ400の湾曲部410を受け止めるようにして取り付ける。
【0034】
図6(a)(b)に示すように、充電端子保護ホルダー100をコントローラ500に装着する。両側のクリップ400でコントローラ500を挟持したときに、固定ケース200がコントローラ500の側面にある充電端子差込口の位置に合うように固定される。充電用ケーブルのコネクタを固定ケース200に通せば、充電端子が差込口に差し込まれ、充電端子の差込角度も一定となる。
【0035】
また、充電端子に上下等の向きがある場合に、貫通孔210の形状を変えることで充電端子の向きを一定にさせることも可能である。固定ケース200とコネクタとの間に若干の摩擦が生じるようにしておけば、充電端子が差込口から外れにくくなり、充電端子のぐらつきもなくなる。
【0036】
アーム300の係止部320はコントローラ500の側面に当接しており、クリップ400の弾力によりコントローラ500の上下から挟み込み、その先端の摩擦力によって充電端子保護ホルダー100が外れないように固定される。クリップ400は、コントローラ500の操作部510、表示部520(
図8、9参照)、把持部530等に干渉しない位置で、かつ充電端子保護ホルダー100にフィットする位置に配される。
【0037】
コントローラ500の下面など複雑な凹凸がないような場合は、クリップ400の下片については、きしめんのような帯状にして装着面に沿って這わせるように押さえても良い。また、下片を装着面に密着するように変形させても良い。
【0038】
図7(a)に示すように、角度Aは、充電用ケーブル620を差し込む方向に対する係止部320の当接面340の傾きである。なお、当接面340は、コントローラ500の側面に当てられる部分である。また、
図7(b)に示すように、角度aは、充電用ケーブル620を差し込む方向に対するコントローラ500の側面の傾きである。幅hは、コントローラ500の厚み(高さ)である。
【0039】
充電用ケーブル620は、充電端子600をコントローラ500の充電端子差込口540に差し込むのに邪魔とならないコネクタ610の形状を有する。充電端子保護ホルダー100を装着するにあたり、固定ケース200、アーム300及び係止部320が充電端子600の接続の邪魔とならず、適切な接続を確保する必要がある。
【0040】
固定ケース200の場合、貫通孔210が充電用ケーブル620を差し込む方向と同じ方向に延びるし、必ずしもコントローラ500の側面に接触しなくても良い。固定ケース200に延設されるアーム300も、必ずしもコントローラ500の側面に接触しなくても良い。
【0041】
アーム300に連設される係止部320は、当接面340でコントローラ500の側面に接触するので、コントローラ500の側面の形状に合わせて傾けたり、凹凸があればそれに合わせて切削等の加工を施したりすれば良い。すなわち、係止部320の当接面340の角度Aを、コントローラ500の側面の角度aに合わせれば良い。また、係止部320の当接面340を、コントローラ500の幅hに渡って形状を合わせれば良い。
【0042】
クリップ400について、
図4に示す間隔Hは、幅hよりも狭くし、弾力により幅hよりも開くことで、コントローラ500に装着し、復元力により上下から押さえ付けることで、固定ケース200の位置の固定を可能にする。
【実施例2】
【0043】
図8は、充電端子保護ホルダーのタブレットPCへの装着を示す図である。充電端子保護ホルダー100aは、実施例1と同様に、固定ケース200a、アーム300a(係止部320aを含む)、及びクリップ400a等を有する。なお、端末機器としてタブレットPC500aを例に説明する。
【0044】
タブレットPC500aは重量があるため、充電用ケーブル620を着脱させるときに、コネクタを摘まんで持ち上げたりすると、充電端子差込口に嵌合されている充電端子に負荷が掛かって、充電端子の根元で折れて充電端子差込口内に残ったままになったり、充電端子差込口の形状を変形させて、充電端子が挿入できなくなったりする場合がある。そのため、充電用ケーブルのコネクタの差込角度が変わらないようにする必要がある。
【0045】
充電端子保護ホルダー100aでは、固定ケース200aが固定されている角度を保持するために、アーム300aに保持具350aを設けても良い。保持具350aは、係止部320aと同様にタブレットPC500aの側面に当接し、爪状のものでタブレットPC500aを掴ませる。
【0046】
図9は、充電端子保護ホルダーのスマートフォンへの装着を示す図である。充電端子保護ホルダー100bも同様に、固定ケース200b、アーム300b(係止部320b及び保持具350を含む)、及びクリップ400b等を有する。なお、端末機器としてスマートフォン500bを例に説明する。
【0047】
スマートフォン500bは比較的小型で軽量であるため、アーム300bの延設を一方のみにしたり、係止部320bを連設する側を一方のみにしたりしても良い。クリップ400bによる固定が一方で十分であれば、スマートフォン500bの表示部520(操作部を含む)等の邪魔となる装着物を減らしても良い。
【0048】
クリップ400bについては、スマートフォン500bを挟持する力を持たせるために、指で摘まむと両端が開き、指を離すと両端が閉まるようなものとしても良い。スマートフォン500bの機種に依らず対応するために、段階的に挟持するものでも良い。なお、挟持力は、ゴムやバネなどを利用しても良い。また、クリップ400bの一端から端末機器の反対側を跨ぐようにベルト状のものを延ばしてクリップ400bの他端で留めることにより、充電端子保護ホルダー100bが外れないように補強しても良い。
【0049】
また、クリップ400b等について、表示部520等の邪魔とならない範囲でデザイン性を持たせても良い。例えば、クリップ400bを開閉させる際の摘まみをウサギの耳の形状にする等である。
【実施例3】
【0050】
図10は、充電端子保護ホルダーに付属させる充電用ケーブル用の補強材を示す斜視図である。
図11は、充電端子保護ホルダーの補強材の装着を示す図であり、(a)は充電用ケーブルへの装着、(b)は充電端子保護ホルダーへの接続を示す。
図12は、充電端子保護ホルダーの補強材について説明する図であり、(a)は充電端子保護ホルダーへ接続した状態、(b)はその内部の状態を示す。
【0051】
端末機器と充電用ケーブルのコネクタの接続を保護しても、使用状況によっては、充電用ケーブルとコネクタの付け根630(
図7参照)には負荷が掛かりやすいので、充電用ケーブルの被覆が切れて内部の電線が剥き出しになったり、電線自体が切断されたりする。また、充電用ケーブルのうち頻繁に湾曲する箇所や、折り畳んだような状態が長い時間続いた場合も同様である。そのため、充電用ケーブルの付け根630等における折り曲げを緩和する必要がある。
【0052】
図10に示すように、充電端子保護ホルダー100cは、実施例1、2と同様であるが、補強材700を付属させる。補強材700は、充電用ケーブルよりも一回り大きい径の管材であり、充電用ケーブルに装着するために長手方向に通し溝710を空けるが、充電用ケーブルから外れないように、間欠的に押さえ720も設ける。補強材700は、柔らかい樹脂を成形し、同じ箇所に空きのある複数のリングが間欠的に連結したような形状にすれば良い。
【0053】
図11(a)に示すように、補強材700を充電用ケーブル620に嵌め込み、
図11(b)に示すように、その状態で充電用ケーブル620のコネクタ610を、充電端子保護ホルダー100cの固定ケース200に通せば良い。補強材700がある部分において充電用ケーブル620の曲げ等が制限される。
【0054】
図12(a)に示すように、補強材700の一部が固定ケース200内に入るようにすれば、補強材700が固定ケース200と充電用ケーブル620とにより挟まれるので、充電用ケーブル620の曲げ等がより制限される。
【0055】
図12(b)に示すように、固定ケース200の先端Pから距離dだけ内部に入った位置に付け根630があるが、先端Pにおいて充電用ケーブル620が保持されるので、付け根630に余計な負荷が掛かることもない。なお、補強材700は、固定ケース200に連設される形で付属させても良い。
【0056】
本発明によれば、端末機器の充電差込口における充電端子の接合がぐらつくのを防止することができる。また、充電端子のコネクタが破損したり、ケーブルが断線したりすることを防止することができる。それにより、端末機器の故障等により頻繁に交換することもなくなり、断線等により短絡して火災になることも防ぐことができる。
【0057】
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、本発明では各パーツを組み立てて端末機器に装着することで、端末機器の機種が異なっても対応させることが可能であるが、端末機器の形状に合わせて全部又は一部を一体成形しても良い。また、本発明では、アームと係止部とが着脱可能であるが、固定ケースとアーム及び係止部とが着脱可能のようにしても良い。
【0058】
本発明は、ドローンやマルチコプター等の遠隔操縦可能な小型の無人航空機、又はラジオコントロールのヘリコプターや車両等の無線により遠隔操作可能な飛行体又は移動体、その他作業用ロボットなどのプロポ(プロポーショナル方式の送信機)にも適用可能である。充電端子もUSB接続だけでなくその他の接続形式のものにも適用可能である。買物弱者対策、災害時のレスキュー、危険箇所での作業に利用する場合など、様々な端末機器に応用が期待される。