(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-64917(P2018-64917A)
(43)【公開日】2018年4月26日
(54)【発明の名称】艾交換支援器具
(51)【国際特許分類】
A61H 39/06 20060101AFI20180330BHJP
A61H 39/08 20060101ALI20180330BHJP
【FI】
A61H39/06 318
A61H39/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-215647(P2016-215647)
(22)【出願日】2016年10月17日
(71)【出願人】
【識別番号】302037423
【氏名又は名称】若林 明彦
(72)【発明者】
【氏名】若林 明彦
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101CA04
4C101CB06
4C101CB21
(57)【要約】
【課題】 艾の燃焼灰を素手やちり紙等で一度除去できたとしても、平均3〜5回の艾交換を必要とするし、新たな艾の設置と艾への点火が必要で、火の消えた直後の熱い鍼を艾交換の都度、捕まえ触れる事と成り、熱い鍼柄を優しく確りと支え持ちつつ、灰を除去し新しい艾を差し替えることが必要となるためである。
【解決手段】天井部を有し底部が開放された筒状の器具で、左右其々に二つに分かれ開閉する共通の支点を持ち、天井部中心から天井部外側に二つの弓形状の左右其々、対を成す天井部の鍼誘導縁を備え、左右其々の天井部中心下部に、中心点を境に対峙し合う、鍼挟持部を備える艾交換支援器具で支援できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部を有し底部が開放された筒状の器具で、左右其々に二つに分れ開閉する共通の支点を持ち、天井部中心から天井部外側に二つの弓形状の左右それぞれ対を成す鍼誘導縁を備える艾交換支援器具。
【請求項2】
左右其々の天井部中心下部を境に対峙し合う、鍼挟持部を備える請求項1記載の艾交換支援器具。
【請求項3】
左右に開閉する器具を閉時固定するために開閉支点の反対側の左右両側に、固定用手段を設ける請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の艾交換支援器具。
【請求項4】
左右其々の艾交換支援器具側面の下部に、器具保持部を設け、所定の形状の取り替え可能で、身体に添う器具保持部の皮膚との接触部に緩衝部を設ける請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の艾交換支援器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灸頭鍼用の艾と艾の燃焼灰の取り替え交換を支援する器具に関する。
【背景技術】
【0002】
普段の灸頭鍼による手当てでは、多くの場合、艾の燃焼灰を鍼柄からちり紙等を利用し摘み取り灰皿等に取り除いて置くか、下敷きを用意し、厚紙等で削ぎ落としたりして取り除いて、新しい艾との交換を行うか、燃焼艾の芯に火が残っているのに素手で取り除き、素早く新しい艾との交換をして時間効率が良いとしているのが、現状である。
【0003】
現在、灸頭鍼の艾交換に器具を使うとして、一つは、「片手で握り持ったピンセット状の柄を或いは強く、或いは弱く押圧するのみの極めて簡単な操作で分割片同士を夫々閉開する作用でもって鍼上の灰を的確に除去したり、又、熱した鍼も速やかに、且つ容易に抜去出来るので作業能率が著しく向上し、且つ操作も楽なので弱視の人や婦女子など非力な施術者にとって極めて便利な器具であるのみならず、灰取り作業と鍼抜き作業とが同一器具で行えるので一石二鳥とも言える効果を有する極めて価値ある灸頭鍼治療における灰取り器具」である。(特許文献1)
【0004】
もう一つは、「皿状に凹んだ灰受け部の一方に手で握り持つ短い保持腕を有し、他方向にフォーク状に二股となった灰の把部が形成されており、この二股の一方のアームが他方のアームより短くなっていて、使用時には、灸頭鍼の艾がのっている鍼管の上部に本発明の匙の二股の長い方のアームの突出部分の内側の側面を当て、皿へ導き入れるように匙をスライドしていくことにより、二股の付け根まで差し込み、灰受け部にて灰となった艾を受け取る。素手で灰に触れないので、たとえ燃焼中であっても灰を安全に取り除くことが出来、火傷や汚れ、あるいは火事などの危険性を気にせずに施灸でき、更に、鍼把部の一方を長いアームとしてあることにより、細い鍼と二股の狭い溝同士であっても簡単に二股内に鍼を導くことができるので、灰の取り除き作業が簡単に、そして安全に行える」とする。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 実開平6−17739号公報
【特許文献2】 特開平7−284516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2と共に、灸頭鍼用灰取り器具の考案であり、ちり紙等で灰を除去するよりも、燃焼灰の崩れ落ちによる汚れや火傷や火災防止の点からも評価できますが、灸頭鍼用灰取りだけの支援でしかなく灰取りとしても物足りなく、目立つ一工程を支援するもので、艾と燃焼灰の交換工程を支援するものとしては、物足りない不十分なものとなってしまう課題がある。
【0007】
鍼の刺鍼状態は、もちろん、今まで通りの自立で患者さん自身の身体組織が、深刺し(浅くても20mm以上)での2番鍼(鍼体直径0,18mm)以上の鍼を確りと維持しなくては、確り固めた艾を乗せた鍼の鍼柄部が重くなるために、鍼が湾曲したり倒れたりしてしまうし、深刺しのため深部組織や内臓等を傷付けないように施術部位も限定されるため、艾交換作業時や灰取り器具の操作中は、施術者が各々の器具を持ち支えるため、その器具や腕の姿勢や位置を維持し続けなくてはならないし、注意力や集中力を継続し続けなくてはならず、まごつき、指先が揺れて鍼体と鍼柄との鍼根段差(鍼根部における鍼柄と鍼体との直径の差で出来る段差)などに灰取り器具を引っ掛けて誤抜鍼や刺鍼深度を変えてしまうかもしれないので、手当て中には触ることを避けなければならない鍼体に灰取り時、指を添える様に保持しなくてはならない場合もありうるという課題がある。
【0008】
特許文献1は、使い勝手が良い二等分割したほぼ中央の中心にあり、半円状若しくはやや長めの半楕円形の窪み部に狙いを定めて鍼を挟み込み確保しなくては、灰取り出来なく成ってしまうし、故意の抜鍼ではなく、分割面で挟めても窪み部が鍼根段差にずれて引っ掛かると誤抜鍼をして、極端ではあるが、灰だけを取らずに灰と共に鍼を抜いてしまうことと成りかねない課題がある。
【0009】
また、特許文献2は、長短差のある二股のアームにより二股の付け根まで導き入れ易いが、燃焼灰の付いた鍼柄を狙い定め長短二股のアーム内側側面に手持ちで、導き入れ確保し器具の操作しなくては、ならないし、特許文献1と特許文献2共に、鍼を導き入れる入り口の範囲に限りがあり狭いために、作業し難く成ってしまう課題がある。
【0010】
わざわざ欠点を探し出した訳は、鍼灸手当てを支援する器具であるからです。冷静で器用な鍼灸師がするのであるから、特許文献1と特許文献2ともに、鍼を確保し所定の位置まで鍼誘導等は簡単なはずだが、鍼確保も設置にしても、敢て弱点を指摘させてもらえるなら、施術者が器具を手持ちで設置位置を維持しなくてはならないため、細心の注意力と継続した集中力が施術中と一緒に継続して必要でありながら、鍼を導き入れる凹み部へ挿入するのに狙いを定め少々細かい細工というか、技が必要となる課題があるからです。
【0011】
艾の燃焼灰を一度除去できたとしても、灸頭鍼療法は、平均3〜5回の艾交換を必要とするし、手当ての効果を高めるためには一瞬の間合いも無駄にしない、新たな艾の設置と艾への点火が必要で、火が消えた直後の熱い鍼を艾交換の都度捕まえ触れることとなり、熱い鍼柄を優しくしっかりと支え持ちつつ、灰を除去し新しい艾を差し替えることが必要となる。このとき、私は、鍼柄に艾を設置する作業中、時間的制約の元、そう簡単に刺鍼深度は変わるものでは無いが、指先が外れて刺鍼深度が変わらないようにと気遣い、しかも、作業の振動が鍼を伝わり患者さんが不愉快と感じるのではないのか、作業中に刺鍼深度が変わるのではないかと不安を抱くのではないか、と作業中不安になり、心配し、気遣いしすぎ、気疲れし、大変ストレスを感じる作業行為であるが、とても信頼している療法でもあるという活用上の課題もある。
【0012】
灸頭鍼療法の中の一工程である、燃焼灰取り除きと艾付け替え交換作業行為ではあるが、患者さんへの施術工程の一部であり、施術者には、患者さんとの意思疎通の良い機会でもあり、個々の施術者によりその責任感や話術力による技量から受ける心理的圧力に差があるし、手当て行為への責任は、その施術者が負うべきであるが、施術行為への過ちが起こることへの対処・対策が、施術者自身の注意力と経験だけに、委ねられて施術行為への安全性や療法事故防止への対処が無防備で無策と言われても、しかたないのではないかとの課題を心酔する療法だからこそ感じない訳にはいかないのである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一実施形態の艾交換支援器具は、天井部を有し底部が開放された筒状の器具で、左右其々に二つに分かれ開閉する共通の支点を持ち、天井部中心から天井部外側に二つの弓形状の左右それぞれ対を成す、天井部の鍼誘導縁を備える。
【0014】
本発明の第二実施形態の艾交換支援器具は、左右其々の天井部中心下部に、中心点を境に対峙し合う、鍼挟持部を備える。
【0015】
本発明の第三実施形態の艾交換支援器具は、左右に開閉する器具を閉時固定するために、開閉支点の反対側に固定用手段を設ける。
【0016】
本発明の第四実施形態の艾交換支援器具は、左右其々の器具側面の下部に、器具保持部を設け、所定の形状の取替え可能で、身体に添う器具保持部の皮膚との接触部に緩衝部を設ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第一実施形態の艾交換支援器具は、器具の内側に灸頭鍼を素早く収めることが出来て、左右各々の天井中央部に備える弓形状の鍼誘導縁同士を重複させることで、本器具の鍼設置位置である天井部中心を、鍼へ鍼に手を添える事無く誘導し設置する事が、出来ることと成る。
【0018】
本発明の第二実施形態の艾交換支援器具は、第一実施形態により天井部中心を導き設置された鍼を、鍼挟持用固定部付き鍼挟持部により、左右両側から確りと挟み安定維持する固定確保が行なえる。
【0019】
本発明の第三実施形態の艾交換支援器具は、本器具の開閉用支持柄の近くに設けた本器具の閉ざし固定用手段により、器具の閉ざし続けを確り保つことが出来ることとなり、安定した本器具の閉ざした状態を維持することにより、鍼の挟持固定を確り維持継続出来ることともなる。
【0020】
本発明の第四実施形態の艾交換支援器具は、本器具の側面下部の器具保持部に緩衝部を設けることで、装着刺激感の優しく身体に沿いつつ安定維持しながら、しかも、設置痕の残り難いものとすることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図5】 艾交換支援器具の使用段階図 (a)艾交換支援器具を開き鍼を収めようとする例図 (b)艾交換支援器具の鍼を収める例図 (c)艾交換支援器具の鍼誘導縁の使用例図 (d)艾交換支援器具の艾交換例図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、一実施例を示します。
図1乃至
図4に示しましたのが、灸頭鍼用の艾交換支援器具1の全体斜視図・上面図・側面図・底面図です。また、鍼16は、
図5(c)(d)に示しました。
【0023】
艾の燃焼灰や艾の零れ防止用に天井部6を備え天井部外側に散乱防止用の天井部側面7を備え底部が開放され、左右に大きく開閉できる共通の外側部に開閉用支点3を有した二段状側面2の筒状の艾交換支援器具1で、天井部6の中央に左右が互いに重複し合う鍼誘導縁5を内側に設置し、直線ではなく弓形状にし、弓形状の鍼誘導縁5を設け開閉するために左右各々に設けている艾交換支援器具1の開閉用支持柄10と鍼挟持部8の操作柄9を左右握り持ち、有効開閉角度Aが拡張可能な広い開口域を活用し開くことで、速やかに燃焼灰を乗せた灸頭鍼を開口域内に収め、艾交換支援器具1の閉じる動きをすることで、両側の弓形状をした鍼誘導縁5により鍼16に手で触れる事無く、鍼体16cに優しく接し、天井部中心4を導くような一つの動きとなり、鍼設置位置である天井部中心4を鍼16に設置することが出来ることとなる。
【0024】
この艾交換支援器具1は、作業の邪魔に成り難い低い天井部側面7を備えた平らな天井部6を有し、艾の燃焼灰除去や艾交換時に小さな灰や艾を零した場合受け止めることが出来、患部を汚し難い、火傷等を負わせ難い施術支援器具となれるし、従来の施術技法による灸頭鍼施術範囲解除のために、浅く刺鍼された細い不安定な灸頭鍼を、艾交換時、この艾交換支援器具1により不動と出来るため、浅刺しで振動し易く、抜け易く、倒れたり曲がり易い、不安定な灸頭鍼のその鍼体16cを確り鍼挟持用固定部8bにより挟持固定する補完により、灸頭鍼療法が気持ちいい施術部位の限定された療法から、全身へ施せる安全で快適な療法へ移行し、施術関係者や患者さんを支援し施術出来る患部の適応範囲拡大へ大いに貢献できる器具となれる。
【0025】
この艾交換支援器具1は、従来からの深い刺鍼で確り安定した立位の灸頭鍼では、単独で灸頭鍼を挟持することで、上部からの作業微振動を下部へ伝わり難いものとし艾交換を支え、浅刺しや切皮で辛うじて立っている1番鍼(0,16mm)以下の細い鍼では、従来からの灸頭鍼用の補助具等が仕上げた灸頭鍼の弱点である振動し易さと抜け易さに、この艾交換支援器具1の器具保持部14の選択設置により、補助具等の上より確り固定挟持することで挟持部以下に上からの作業振動を伝わり難くし確り安定維持することで灸頭鍼を支え、灸頭鍼施術を施す事が可能な鍼であれば、この自在に大きく開き広い開口域を備え持つ艾交換支援器具1の内側に、灸頭鍼を素早く収めることが出来て、操作が簡単で、鍼に手を触れる事無く、衛生的で安全に天井部中心4を鍼へ、速やかな誘導をし確りした鍼の確保維持を行い、灰の除去と艾の交換が出来ることとなる。
【0026】
艾交換支援器具1の天井部中心4は、左右天井部の中央縁が重複し合うことの無い、一点です。艾交換支援器具1を閉じようとすると、向かい側の前方より徐々に順序よく重複し合う弓形状の鍼誘導縁5が重複し合うことで、鍼へ艾交換支援器具1の天井部中心4を誘導したうえで設置する、鍼に手を触れる事無く衛生的で円滑な誘導操作が行え、適切で素早い艾交換支援器具1操作による誘導により天井部中心4を鍼へ誘導設置することが出来ることとなる。
【0027】
図2乃至
図4で示すように艾交換支援器具1の内側中心の天井部6下部には、天井部中心4の鍼に対し左右対峙する鍼挟持用固定部8b付き鍼挟持部8を備え付け、艾交換支援器具1の開閉用支持柄10と鍼挟持部8の操作柄9を共に握り持ち、左右に開いた艾交換支援器具1を閉じるように動かすことで、内側に収められた鍼へ速やかに天井部中心4を誘導設置し、艾交換支援器具1が閉じたことを確かめたうえで、鍼体16cを、鍼挟持部8の操作柄9を左右緩めることで、鍼挟持用動作部8a内のバネの反発力により鍼挟持用固定部8bに繋がる軸が、押し出され確りと左右から点ではなく面での鍼挟持用固定部8bの当接作用部をゴム等で形成する鍼固定用挟持部分8cが、摩擦力の大きく強い面で、鍼体16cを挟み持つことが出来、灸頭鍼を確保しやすく、灸頭鍼が傾き難く、ずれ難く、灸頭鍼上部の作業による振動等の影響を下部へ伝わり難いものと出来る。
【0028】
この艾交換支援器具1の鍼を挟み持つ動きは、衛生的で操作手順も円滑に安全に設置された鍼を、平面で挟み持ち固定する鍼挟持用固定部8b付き鍼挟持部8により、施術中、衛生面から素手で直に持つ事を避け、細く外力等の影響を受け易い鍼体16cを、左右両側から確りと面で挟み安定維持出来る挟持固定のため、施術中の灰取り艾交換作業等の動きにより起きる鍼の小さな横揺れや微振動等のブレへの対処は、普段の施術行為では、施術者の細心の注意力と集中力の継続により防止されていますが、この艾交換支援器具1の鍼挟持部8の鍼固定用挟持部分8cの面による鍼体16cの挟み持つ固定は、より確りと鍼体16cの挟持部以下を固定し、微振動等を伝わり難くブレ難く防ぐことで艾交換行為進行への支援が出来ることとなり、患者さんも施術者も互いに、より安全で必要以上の余分な注意力や集中力等の気遣いをこの行為から軽減させたうえで、他の施術行為へより多く集中できる様に支援する艾交換支援器具1となれる。
【0029】
この艾交換支援器具1は、艾燃焼内部の火が消えたその熱い鍼を、艾交換支援器具1の鍼誘導縁5により鍼に直接触れる事無く天井部中心4を、鍼へ導き設置することが出来る事は、安全性からも衛生面からも作業効率からも正に、優れた効果と言える。
【0030】
これらのように、確り鍼を挟み持つことが出来るのは、
図4で示すように灸頭鍼用の艾交換支援器具1の開閉用支点3の反対側の艾交換支援器具1の開閉用支持柄10の近くに備えた閉時固定用爪11が下から、片方の艾交換支援器具1の開閉用支持柄10の近くに備える閉時固定用穴12と確り噛み合い収まることで、左右両側に開かれ分けられた艾交換支援器具1が、一体となり維持されることで、鍼の挟持固定維持の役割を果たすことが出来ることとなる。
【0031】
この艾交換支援器具1が一体となった固定を解除し開く時は、左右の艾交換支援器具1の開閉用支持柄10と鍼挟持部8の操作柄9を握り持ち、固定用穴12の上部に設けた解除用円柱13を下へ押すことで閉時固定用爪11は、閉時固定用穴12から押し出され、艾交換支援器具1の操作により左右に優しく開くこととなり、広い開口域を取り戻すと共に、確り挟持していた灸頭鍼を素早く開放することとなります。
【0032】
この艾交換支援器具1は、施術者の補助をし、無いに越した事の無い、もしもの艾交換中の誤抜鍼や刺鍼の深度変動への不安と患者さんへの気遣いの軽減の一部の助けに、大いに対応し対処できるし、在ってはならないが、最悪、燃焼中の灸頭鍼をこの艾交換支援器具1で抜かなくてはならないような場合、艾交換支援器具1を設置し閉じ固定を確認の上で、それでも、安全が確保できない場合には、こちらも、想定外ではあるが、艾交換支援器具1を優しく持ち上げれば抜鍼も実行出来ることとなる。
【0033】
この鍼挟持部8と艾交換支援器具1の閉ざし固定手段(閉時固定用爪11と閉時固定用穴12)により鍼を確り固定維持出来る艾交換支援器具1は、鍼の刺鍼深度を変動し難く、鍼体16cをブレ難くすることにより、最悪、艾交換作業中に大きな動作や誤った動きにより大きな誤った衝撃力が起き、鍼柄16aに伝わったとしても、固定された艾交換支援器具1に挟持された鍼体16cと衝撃を受ける鍼柄16aの間の細い鍼体16cが、衝撃を受け曲がることで、誤って発生した衝撃力を消去若しくは軽減することが出来ることとなり、起きては成らない、刺鍼深度を大きく深める等の事故被害を最少減に防止することが出来ます。
【0034】
この艾交換支援器具1の鍼挟持固定と艾交換支援器具1の閉ざし固定手段は、鍼を確り挟み持つことにより、従来の灰除去時の動きにより鍼が誤抜鍼されかねないとき艾交換支援器具1の僅かな重みを付加させ、鍼単体よりは、僅かな抵抗ではあるが抜け難いものとし、引っ掛けによる誤抜鍼等に僅かな抵抗を付加させ誤抜鍼行為を気付かせるきっかけと出来る。
【0035】
図3で示すように艾交換支援器具1の側面下部の器具保持部14は、手当て範囲の限定を広く解除し身体全体を施術適応範囲として、施術できる灸頭鍼による鍼灸手当て療法となるよう、繊細で過敏な患部へも側面下部の器具保持部14が、そのまま直接皮膚に触れ設置しても異物感や刺激を感じたり、設置痕を残さないように、器具保持部14の足元に緩衝部15を設けることで、硬い異物の接触感や刺激を、優しい柔らかな接触感に変えることで和らげた装着とすることや、保持部接触面を緩衝部15により広げることで優しい装着とし受ける面を広げることで設置痕も付き難くなり、このように柔らかな優しい接触感に改善することで繊細で過敏な患部へも、しなやかで鋭敏な設置痕を絶対に残せない女性の顔面部へも、灸頭鍼による手当てを施し対応もできることとなる。
【0036】
灸頭鍼施術適応部位を今までの限定から広く限定を解除するためには、艾交換支援器具1の二段状側面2の下部に器具保持部14を設け、患部形状に合わせ交換自在で器具設置の高さも選択自由で、身体の形状に添うだけの保持部では無く、設置触感の優しい、設置痕の残り難い緩衝部15を備える事で、多くの複雑で過敏な患部に対しても施術支援することが出来ることと成ります。
【0037】
艾交換支援器具1により、刺鍼深度を自由に患部の状況に合わせ選択出来ることは、従来の倒れないための灸頭鍼の刺鍼ではなく、施療の為の刺鍼へ取り戻し、活用出来る適応部位を広げることとなり、過敏で皮肉の薄い灸頭鍼施療を施し難く、艾交換し難い状況下では、より一層強力に補完関係を強め確り鍼を確保する支援器具となれます。
【0038】
図5(a)・(b)・(c)・(d)各図は、艾交換支援器具1の一使用例を段階図で示したものですが、
図5(a)のように、艾交換支援器具1の内側開口域を大きく開き、鍼を中に取り入れ易く、
図5(b)のように、艾交換支援器具1の天井部中心4を円滑に導き、鍼を収めようとし、
図5(c)のように閉じる動きにより鍼に触れる事無く、艾交換支援器具1の天井部中心4を鍼16へ誘導し、
図5(d)で示すように、艾交換支援器具1の天井部中心4に鍼を確保し天井部6の下では、鍼体16cへ、
図4で示す鍼固定用挟持部分8cと鍼挟持用固定部8bの面による鍼の挟持固定が確り行なわれ、天井部6の上では鍼柄16aから艾の燃焼灰18を取り除き、艾17を鍼柄16aへ据える速やかな艾交換を行い、艾下部への着火を済ませ、更に、役割を果たした後の確り閉ざされた艾交換支援器具1の解除は、開閉用支持柄10と鍼挟持部8の操作柄9を左右握り持ち、閉時固定用穴12の上部に設けられた解除用円柱13を、上から押すことにより、閉時固定用爪11が閉時固定用穴12から押し出され、確り一体となっていた艾交換支援器具1は、ゆっくりと閉じ固定を解除し、左右に開き大きく開口域を確保するとともに灸頭鍼を開放し、灸頭鍼施療を継続することとなる。
【0039】
艾交換支援器具1の衛生管理は、当たり前であるが、鍼体を挟持する鍼固定用挟持部分8cの衛生管理を徹底したい。
【符号の説明】
【0039】
1 艾交換支援器具
2 二段状側面
3 開閉用支点
4 天井部中心
5 鍼誘導縁
6 天井部
7 天井部側面
8 鍼挟持部
8a 鍼挟持用動作部
8b 鍼挟持用固定部
8c 鍼固定用挟持部分
9 操作柄
10 開閉用支持柄
11 閉時固定用爪
12 閉時固定用穴
13 解除用円柱
14 器具保持部
15 緩衝部
16 鍼
16a 鍼柄
16b 鍼根
16c 鍼体
17 艾
18 燃焼灰
A 有効開閉角度