成分(D)が、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル及び炭素数10〜18のアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルケニルエーテルから選ばれる1種以上である請求項1記載の化粧料。
さらに成分(F)として融点が60℃以上の油性成分、成分(G)としてポリエーテル変性シリコーン、成分(H)として有機粉体、成分(I)として無機粉体、成分(J)として酸化防止剤及び成分(K)としてポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項6記載の化粧料。
さらに、成分(L)として炭素数2〜4の低級アルコール、成分(M)として水溶性高分子、成分(N)としてモノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルからなる群から選ばれる1種又は2種以上、成分(O)としてトリメチルシロキシケイ酸、並びに成分(K)としてポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項8記載の化粧料。
さらに、成分(P)としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、成分(G)としてポリエーテル変性シリコーン、及び成分(L)としてエタノールから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項10記載の化粧料。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明化粧料の成分(A)は、イソプロピルメチルフェノールである。イソプロピルメチルフェノールは、強い殺菌作用を有し、本発明の化粧料には、殺菌成分及び消臭成分として配合される。
成分(A)の含有量は、十分な殺菌効果を得る観点、皮膚上での残留性の観点、長期保存安定性の観点、使用感の観点から化粧料全量中に0.01質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また長期保存安定性の観点から、好ましくは0.15質量%以下であり、より好ましくは0.10質量%以下である。成分(A)の好ましい含有量の範囲は、0.02質量%以上0.15質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上0.10質量%以下である。
【0009】
成分(B)は、カルボン酸又はその塩である。成分(B)は、肌のpHを低下させ菌の増殖抑制による防臭効果発現と防臭効果の持続性、化粧料の安定性、及びべたつき感低減の為に配合される。
カルボン酸又はその塩としては、好ましくは炭素数1以上8以下の有機カルボン酸またはその塩が挙げられ、より好ましくは炭素数3以上8以下の有機カルボン酸またはその塩が挙げられる。
成分(B)のカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸などが挙げられる。
また、塩を構成する対イオンの具体例としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のカチオンが挙げられる。塩は、好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩である。
成分(B)としては、皮膚上に成分(A)を残留させる観点、菌の増殖抑制による防臭効果の発現と防臭効果の持続性の観点、成分(A)の長期安定性の観点、及びべたつき感低減の観点から、好ましくはジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸およびこれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上であり、より好ましくはクエン酸、コハク酸、アジピン酸およびこれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上である。さらに、防臭効果が発現し、その効果が持続するためには、肌のpHを5以下に維持することができるクエン酸が特に好ましい。
【0010】
成分(B)の含有量は、皮膚上に成分(A)を残留させる観点、菌の増殖抑制による防臭効果の発現と防臭効果の持続性の観点、成分(A)の長期安定性の観点、及びべたつき感低減の観点から、化粧料全量中に0.1質量%以上3質量%以下であり、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、また好ましくは2.8質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下である。成分(B)の好ましい含有量の具体的な範囲としては0.2質量%以上2.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2.5質量%以下がより好ましい。
【0011】
成分(C)は、1,3−ブチレングリコールである。成分(C)は、成分(A)を皮膚上に残留させる作用、成分(A)の長期保存安定性、殺菌性能、冷涼感、及びべたつきの低減に寄与する。特に、1,3−ブチレングリコールの成分(A)を皮膚上に十分量残留させる作用は顕著である。
成分(C)の含有量は、十分な殺菌効果を得る観点、皮膚上での残留性の観点、長期保存安定性の観点、べたつきの低減の観点、及び冷涼感の観点から化粧料全量中に0.1質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは1.2質量%以上であり、また好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。成分(C)の好ましい含有量の範囲は、0.5質量%以上8質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上5質量%以下であり、さらに好ましくは1.2質量%以上3質量%以下である。
【0012】
本発明化粧料における成分(A)と成分(C)の含有質量比(A/C)は、成分(A)を皮膚上に十分量残留させる観点、成分(A)の長期保存安定性の観点、防臭効果の発現と防臭効果の持続性の観点、べたつきの低減の観点、及び冷涼感の観点から、0.005以上が好ましく、0.010以上がより好ましく、0.02以上がさらに好ましく、0.03以上がさらに好ましく、0.04以上がさらにより好ましく、また0.6以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましく、0.1以下がさらにより好ましい。具体的なA/Cの範囲は、0.005以上0.6以下が好ましく、0.010以上0.5以下がより好ましく、0.01以上0.4以下がさらに好ましく、0.02以上0.4以下がさらに好ましく、0.03以上0.2以下がさらに好ましく、0.04以上0.1以下がさらにより好ましい。
【0013】
成分(D)は、HLB10〜13のノニオン界面活性剤である。成分(D)の配合により、成分(A)の剤中での乳化安定性が向上し、容器への吸着が抑制されるため、成分(A)の長期保存安定性が向上する。成分(D)としては、HLBが10〜13のノニオン界面活性剤であるが、成分(A)の剤中での乳化安定性向上、容器への吸着抑制及び長期保存安定性向上の点から、HLB11〜13のものがより好ましく、HLB12〜13のものがさらに好ましい。
本発明において、HLB値は、親水性−親油性のバランス(Hydrophile Lipophile Balance)を示す指標であり、本発明においては小田及び寺村らによる次式により算出した値を用いている。また、HLB値は、配合前の各ノニオン界面活性剤のHLBである。
【0015】
成分(D)としては、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル(以下、本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルともいう)が好ましい。
【0016】
上記炭素数は、本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルを構成するアルキル基又はアルケニル基の炭素数を示し、成分(A)の剤中での乳化安定性向上、容器への吸着抑制及び長期保存安定性向上の観点、べたつき低減の観点、冷涼感の観点、殺菌性能の観点から、炭素数10〜16が好ましく、炭素数12〜14がより好ましい。
同様の観点から、上記炭素数のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(炭素数12)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル(炭素数14)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(炭素数16)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(炭素数18)等が挙げられ、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好適なものとして挙げられる。より具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(5E.O.)(HLB:10.6)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(6E.O.)(HLB:11.5)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(7E.O.)(HLB:12.2)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(8E.O.)(HLB:12.9)等が挙げられ、成分(A)の剤中での乳化安定性向上、容器への吸着抑制及び長期保存安定性向上の観点、べたつき低減の観点、冷涼感の観点、殺菌性能の観点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(7E.O.)(HLB:12.2)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(6E.O.)(HLB:11.5)が好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(6E.O.)(HLB:11.5)がより好ましい。
本発明におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイドの付加モル数は、成分(A)の剤中での乳化安定性向上、容器への吸着抑制及び長期保存安定性向上の観点、べたつき低減の観点、冷涼感の観点、殺菌性能の観点から、3以上9以下が好ましく、4以上8以下がより好ましく、5以上7以下が更に好ましい。
【0017】
成分(D)の含有量は、成分(A)の剤中での乳化安定性向上、容器への吸着抑制及び長期保存安定性向上の観点、べたつき低減の観点、冷涼感の観点、殺菌性能の観点から化粧料全量中に0.005質量%以上が好ましく、0.006質量%以上がより好ましく、0.008質量%以上がさらに好ましく、0.01質量%がさらにより好ましい。また、1.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましい。また、同様の観点から、0.005質量%以上1質量%以下であり、好ましくは0.006質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.008質量%以上0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下である。
【0018】
本発明化粧料には、さらに成分(A)の皮膚上での残留性及び冷涼感を向上させる観点から、成分(E)HLB値が4〜7であり、25℃で液状の、グリセリル基を有するノニオン界面活性剤を含有するのが好ましい。
【0019】
25℃で液状とは、25℃での粘度が10万mPa・s以下のものをいう。
かかるノニオン界面活性剤としては、炭素数8〜22の分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、グリセリル基とエーテル結合若しくはエステル結合したもの、又は、アルキレンオキサイド基を介して結合しているものが好ましい。
【0020】
成分(E)のHLB値が4〜7であり、25℃で液状の、グリセリル基を有するノニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。中でも、成分(A)の皮膚上での残留性及び冷涼感向上の観点から、アルキルグリセリルエーテル及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、更にはアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0021】
このような成分(E)としては、例えば、イソステアリルグリセリルエーテル(HLB5.4)、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(HLB7)、モノイソステアリン酸グリセリル(HLB6)、モノイソステアリン酸(重合度2)ポリグリセリル(HLB5.5)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油(HLB4)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油(HLB5)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油(HLB7)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油(HLB4)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油(HLB5)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(HLB6)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油(HLB7)などが挙げられる。
これらのうち、成分(A)の皮膚上での残留性及び冷涼感向上の観点から、イソステアリルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノイソステアリン酸グリセリルが好ましく、使用感の点から、イソステアリルグリセリルエーテルが好ましい。
【0022】
成分(E)の含有量は、皮膚上での残留性及び冷涼感向上の観点から化粧料全量中に0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0023】
本発明化粧料中における成分(D)と成分(E)の含有質量比(D/E)は、成分(A)の皮膚への残留性及び長期保存安定性の点から、1以上が好ましく、また100以下が好ましく、80以下が好ましく、60以下がさらに好ましい。D/Eの好ましい範囲は1〜100が好ましく、1〜80がより好ましく、1〜60がさらに好ましい。
【0024】
本発明の化粧料は、後記実施例に示すように、優れた殺菌効果、及び皮膚上への成分(A)の残留性に優れるとともに、べたつきがない等の使用感が良好であり、冷涼感にも優れ、かつポリエチレン等の樹脂製の容器に長期保存しても成分(A)の含有量が保持される。従って、本発明の化粧料は、皮膚化粧料(頭皮を含む)として有用であり、特にデオドラント化粧料として有用である。
【0025】
本発明の化粧料には、前記成分の他、成分(A)以外の殺菌剤、制汗剤、粉体、油脂類、ワックス類、シリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、他の界面活性剤、高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキス、水等を含有させることができる。
【0026】
成分(A)以外の殺菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ピロクトンオラミン、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、トリクロカルバン、サリチル酸、パラベン、クロルヘキシジン又はその塩、リゾチーム又はその塩、アクリノール、エタノール、グルコン酸、アルキルジアミノグリシン又はその塩、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、クレゾール、感光素101号、感光素201号、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、ハロカルバン、3,4,4−トリクロロカルバニリド、トリエチルシトレート、レゾルシン、フェノール、ソルビン酸、ヘキサクロロフェン、銀担持ゼオライト、銀担持シリカが挙げられる。
【0027】
制汗剤としては、クロルヒドロキシアルミニウム、酸化亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アルミニウムジルコニウムオクタクロルハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロルハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロルハイドレート、ジルコニウムクロルハイドレート、が挙げられる。本発明において、制汗剤は配合してもしなくても問題ないが、配合しない方が成分(A)の皮膚への残留性、使用感の点からより好ましい。
【0028】
本発明の化粧料の剤形は、特に限定されないが、クリーム、ロールオンタイプ、ミスト、ローション、エアゾール、スプレー、スティック、乳液、ジェル、不織布等に含浸させたシート状等の形態が挙げられるが、クリームの形態、ロールオンタイプ、スプレータイプ、ミスト又はローションの形態とするのが、成分(A)の皮膚上での残留性を高める点からより好ましい。
【0029】
本発明の化粧料をクリームの形態とする場合には、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)以外に、成分(F)として融点が60℃以上の油性成分、成分(G)としてポリエーテル変性シリコーン、成分(H)として有機粉体、成分(I)として無機粉体、成分(J)として酸化防止剤及び成分(K)としてポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有させることができる。
【0030】
成分(F)の融点が60℃以上の油性成分は、融点が60℃以上で、常温(25℃)で固体のものであり、好ましくは融点が60〜110℃のものである。
このような高融点の油性成分を用いることにより、成分(A)の残留性を向上させ、なめらかな使用感を得ることができる。
本発明において、融点は、医薬部外品原料規格I(一般試験法、70.融点測定法 第1法)により測定した値のものである。
【0031】
かかる油性成分としては、通常の皮膚外用剤に用いられるもので、炭化水素類、ロウ類、エステル類、シリコーン類等の固形油が挙げられ、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス、これらの混合物等から選ばれる。例えば、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナバロウ等を用いることができる。
これらのうち、炭化水素類が好ましく、特にセレシン(融点72〜76℃)、マイクロクリスタリンワックス(融点60〜85℃)、ポリエチレンワックス、(融点75〜105℃)、パラフィンワックス(融点70〜78℃)が、成分(A)の皮膚上への残留性、使用感の点で好ましい。
成分(F)の含有量は成分(A)の皮膚上への残留性、使用感の点から、化粧料全量中に0.5〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜6質量%がさらに好ましい。
【0032】
成分(G)のポリエーテル変性シリコーンを用いることにより、成分(A)の皮膚への残留性を向上させ、良好な使用感(べたつきのなさ)が得られる。成分(G)のポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリオキシエチレン基又はポリオキシプロピレン基を有するジメチルポリシロキサンであればよいが、例えば、下記式(1)又は(2)で表わされるものが挙げられ、これらのうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してよい。
【0034】
(式(1)中、R
1は、−(CH
2)
3−O−(C
2H
4O)
p−(C
3H
6O)
q−A(但し、Aは、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0〜50の整数を示し、且つp+q≧1である)、R
2は、それぞれ独立して、メチル基又は−(CH
2)
3−O−(C
2H
4O)
s−(C
3H
6O)
t−B(但し、Bは、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、s及びtは、それぞれ独立して、0〜50の整数を示し、且つs+t≧1である)であり、mは1〜2000の整数を示し、nは0〜1000の整数を示す。但し、nが0の場合は、R
2の少なくとも1つは−(CH
2)
3−O−(C
2H
4O)
s−(C
3H
6O)
t−B(但し、B、s及びtは前記と同義である)である。)
【0036】
(式(2)中、rは1〜20の整数を示し、x、y及びzはそれぞれ独立して1〜500の整数を示す。)
【0037】
成分(G)の市販品としては、KF6011、KF6012、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017、KF6028(いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0038】
成分(G)の含有量は、成分(A)の皮膚への残留性の向上、使用感の点から、化粧料全量中に0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましい。
【0039】
成分(H)として有機粉体を用いることにより、成分(A)の皮膚への残留性が向上し、良好な使用感が得られる。成分(H)有機粉体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してよい。また、その形状は、球状、針状、板状のいずれでもよい。また、アルミナ、シリカ、亜鉛等で処理されたものや、シリコーン等で疎水処理したものであってもよい。
【0040】
上記有機粉体としては、ラウロイルリシン、メチルポリシロキサン網状重合体、架橋型メチルポリシロキサン、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、架橋樹脂粉体等が挙げられる。
【0041】
上記成分(H)の有機粉体としては、架橋樹脂粉体、メチルポリシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種以上がより好ましい。メチルポリシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンは既に化粧品原料として市販されているものであり、何ら限定なく使用できる。それらの中で、球状で粒径が0.09〜30.0μmの範囲のものが好ましく、さらに好ましくは0.2〜15μmである。尚、ここで平均粒子径は、粉体の単分散時の平均粒子径であって、静的光散乱法で測定された粒子径の体積平均粒子径である。
【0042】
メチルシロキサン網状重合体とは、メチルトリメトキシシロキサンをアルカリ水溶液中で乳化重合させた固形物であり、具体的には、GE東芝シリコーン社製のトスパールシリーズ(トスパール145A等)が挙げられる。架橋型メチルポリシロキサンは、ジメトキシジメチルシロキサンに少量のメチルトリメトキシシロキサンを加えて重合したものであり、内部にメチルトリメトキシシロキサンによる架橋構造を有する。このものは、メチルシロキサン網状重合体と同様に乳化重合することにより製造でき、具体的には、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製のトレフィルシリーズ(トレフィルE506W、トレフィルE505C、トレフィルE506C、トレフィルE505W等)などを挙げることができる。また、これらを単独でも組み合わせて用いてもよく、各種の溶媒等に分散したものや他の成分と事前に混合されたものも何ら問題なく使用できる。これらのものとして例えば、トレフィルE507液、BY29−119及びBY29−122等が挙げられる。また、シリコーン樹脂/ゴム複合パウダーである信越化学工業社製X−52−1139K、X−52−1139Gも挙げられる。これらの中でなめらかさの面でメチルシロキサン網状重合体であるトスパールシリーズが特に好ましい。
【0043】
架橋樹脂粉体としては、例えば特開2006−225338号記載の架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体が挙げられる。
【0044】
成分(H)の有機粉体の含有量は、成分(A)の皮膚上への残留性及び使用感の観点から、化粧料全量中に、1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
【0045】
また、成分(I)の無機粉体を用いる事により成分(A)の皮膚への残留性が向上し、良好な使用感が得られる。成分(I)の無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、シリカ、多孔質シリカ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩等が挙げられる。
上記成分(I)の無機粉体は成分(A)の皮膚への残留性の観点から、無水ケイ酸を含有するのがより好ましい。
【0046】
また、成分(I)の無機粉体の含有量は、成分(A)の皮膚上への残留性及びさらさらとした使用感を付与する点から化粧料全量中に0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
【0047】
成分(J)の酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT);ブチルヒドロキシアニソール;δトコフェロールなどのビタミンE、及びその誘導体;チオタウリン、メマツヨイグサ抽出液、βカロチン、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物などを例示することができる。カテキン化合物は緑茶エキス等として用いることができる。この中でも、使用感を向上させる観点から、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、またはδトコフェロールが好ましい。これらの酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。
【0048】
成分(J)の含有量は、酸化防止の観点から、化粧料全量中に0.001質量%以上、特に0.005質量%以上、塗布後のべたつき感の低減の観点から、1質量%以下、特に0.5質量%以下含有することが好ましい。
【0049】
成分(K)のポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーとしては、オルガノポリシロキサンセグメントの末端若しくは側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(3)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなるシリコーン系ポリマーが挙げられる。
【0051】
(式中、R
3は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、lは2又は3の数を示す)
【0052】
かかるシリコーン系ポリマーの好ましい例としては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルプロピレンイミン)変性シリコーン等が挙げられる。
【0053】
成分(K)の含有量は、成分(A)の皮膚上への残留性と使用感の点から、化粧料全量中に、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜8質量%がより好ましく、0.5〜6質量%がさらに好ましい。
【0054】
本発明の化粧料は、ロールオンタイプの化粧料とすることができる。ここでロールオンタイプとは、ロールオン容器に化粧料組成物が充填されてなる化粧料であり、適用部位にロールをあてて塗布するものである。ロールオンタイプの化粧料には、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)以外に、成分(L)として炭素数2〜4の低級アルコール、成分(M)として水溶性高分子、成分(N)としてモノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルからなる群から選ばれる1種又は2種以上、成分(O)としてトリメチルシロキシケイ酸、並びに成分(K)としてポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有させることができる。
【0055】
成分(L)の炭素数2〜4の低級アルコールとしては、エタノールが好ましい。成分(L)の炭素数2〜4の低級アルコールの含有量は、使用感、冷涼感の点から20〜80質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
【0056】
成分(M)として水溶性高分子を含有させることにより、成分(A)の皮膚上への残留性を向上させることができる。水溶性高分子は、天然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれでも使用することができる。
天然高分子の例としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸等が挙げられる。半合成多糖系高分子としては、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等の変性多糖類が挙げられる。合成高分子としてはカルボマー(架橋ポリアクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体等のアクリル系ポリマー;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、カルボマー、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
【0057】
カルボマーの市販品としては、カーボポール910、カーボポール934、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980、カーボポール981(以上、Lubrizol Advanced Materials,Inc.製)等が挙げられ、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体の市販品としては、カーボポール1382、カーボポールETD2020、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2(以上、Lubrizol Advanced Materials,Inc.製)等が挙げられ、ヒドロキシプロピルセルロースの市販品としては、HPC−M、HPC−H(日本曹達製)等が挙げられ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの市販品としては、CMCダイセル(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
【0058】
成分(M)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、成分(A)の皮膚上への残留性と使用感の点から、化粧料全量中に、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。また、成分(M)の含有量は、化粧料全量中に0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。
【0059】
成分(N)としてモノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルからなる群から選択される1種又は2種以上を含有させることにより、成分(A)の皮膚への残留性と使用感が向上する。
【0060】
成分(N)の含有量は、成分(A)の皮膚への残留性と使用感の点から、化粧料全量中に、0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%がさらに好ましい。
【0061】
成分(O)のトリメチルシロキシケイ酸としては、化粧料に通常用いられるものであれば限定されず、何れのものも使用でき、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CH
3)
3SiO
1/2]
X[SiO
2]
Yで表されるもの(Xは1〜3、Yは0.5〜8)が好ましい。
また、トリメチルシロキシケイ酸は、成分(A)の皮膚上への残留性と使用感の点から、重量平均分子量が1000〜10000のものが好ましく、2000〜9000のものがより好ましく、3000〜6000のものがさらに好ましい。また、その性状は、25℃で液状、ガム状、ペースト状、固体状などのいずれでも良いが、固体状のものが好ましい。また、配合性の観点から、溶剤によって希釈された溶液や分散液であること、または、事前に混合して得られる溶液や分散液であることが好ましい。成分(O)を希釈又は分散させる溶剤としては、ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカンから選ばれる1種または2種以上が好ましく、揮発性のジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンがより好ましい。尚、揮発性とは、35〜90℃の引火点を有するものである。
成分(O)の市販品としては、予め溶剤に溶解させたKF−7312T、KF−7312J、KF−7312K(以上、信越化学工業社製)等を好適に使用することができる。
【0062】
成分(O)の含有量は、成分(A)の皮膚上への残留性及び使用感の点から、化粧料全量中に、0.005〜2質量%が好ましく、0.008〜1質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%がさらに好ましい。
【0063】
成分(K)のポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーの含有量はロールオンタイプの場合には、成分(A)の皮膚上への残留性と使用感の点から、化粧料全量中に、0.3〜5質量%が好ましく、0.4〜4質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
【0064】
本発明の化粧料をミスト、スプレー又はローションの形態とする場合には、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)以外に、成分(P)としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(例えばPPG−6デシルテトラデセス−30)、成分(G)としてポリエーテル変性シリコーン、及び成分(L)としてエタノールから選ばれる1種又は2種以上を含有させることができる。
【0065】
成分(P)の含有量は、冷涼感と長期保存安定性の点から、化粧料全量中に、0.05〜2質量%が好ましく、0.08〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。
ミスト、スプレー又はローションの場合には、成分(G)の含有量は、皮膚への伸び、なじみ、経時安定性の点から、化粧料全量中に、0.05〜2質量%が好ましく、0.08〜1.5質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
【0066】
本発明の化粧料は、前述のように種々の形態で使用されることから、成分(A)〜(D)及び他の成分を加えて、混合し、必要に応じて加熱し、種々の形態に応じた容器に充填して製造することができる。
【0067】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の化粧料を開示する。
【0068】
<1>次の成分(A)〜(D)を含有する化粧料。
(A)イソプロピルメチルフェノール 0.01質量%以上0.2質量%以下
(B)カルボン酸又はその塩 0.1質量%以上3質量%以下
(C)1,3−ブチレングリコール 0.1質量%以上10質量%以下
(D)HLB10〜13のノニオン界面活性剤 0.005質量%以上1質量%以下
【0069】
<2>成分(A)の含有量が、化粧料全量中に、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、また好ましくは0.15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である<1>記載の化粧料。
<3>成分(B)が、好ましくは炭素数1以上8以下の有機カルボン酸またはその塩、より好ましくは炭素数3以上8以下の有機カルボン酸またはその塩である<1>又は<2>記載の化粧料。
<4>成分(B)が、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸、酸性アミノ酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<3>のいずれかに記載の化粧料。
<5>成分(B)が、コハク酸、アジピン酸、クエン酸及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である<1>〜<4>のいずれかに記載の化粧料。
<6>成分(B)の含有量が、化粧料全量中に好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、また好ましくは2.8質量%以上であり、より好ましくは2.5質量%以下である<1>〜<5>のいずれかに記載の化粧料。
<7>成分(C)の含有量が化粧料全量中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは1.2質量%以上であり、また好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である<1>〜<6>のいずれかに記載の化粧料。
<8>成分(A)と成分(C)の含有質量比(A/C)が、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.010以上、さらに好ましくは0.02以上、さらに好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.4以上、また好ましくは0.6以下、より好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.1以下である<1>〜<7>のいずれかに記載の化粧料。
<9>成分(D)が、好ましくはHLB11〜13のノニオン界面活性剤、より好ましくはHLB12〜13のノニオン界面活性剤である<1>〜<8>のいずれかに記載の化粧料。
<10>成分(D)が、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルケニルエーテルであり、より好ましくは炭素数10〜16のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルである<1>〜<9>のいずれかに記載の化粧料。
<11>成分(D)の含有量が、化粧料全量中に、好ましくは0.005質量%以上0.8質量%以下であり、より好ましくは0.006質量%以上1質量%以下であり、さらに好ましくは0.008質量%以上0.8質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.01〜0.5質量%である<1>〜<10>のいずれかに記載の化粧料。
<12>さらに、成分(E)HLB値が4〜7であり、25℃で液状のグリセリル基を有するノニオン界面活性剤を含有する<1>〜<11>のいずれかに記載の化粧料。
<13>成分(E)が、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはアルキルグリセリルエーテル及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上である<12>記載の化粧料。
<14>成分(E)の含有量が、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である<12>又は<13>記載の化粧料。
<15>成分(D)と成分(E)の含有質量比(D/E)が、好ましくは1以上であり、また好ましくは100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは60以下である<12>〜<14>のいずれかに記載の化粧料。
<16>好ましくは皮膚化粧料であり、より好ましくはデオドラント化粧料である<1>〜<15>のいずれかに記載の化粧料。
<17>さらに、成分(A)以外の殺菌剤、好ましくは、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ピロクトンオラミン、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、トリクロカルバン、サリチル酸、パラベン、クロルヘキシジン又はその塩、リゾチーム又はその塩、アクリノール、エタノール、グルコン酸、アルキルジアミノグリシン又はその塩、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、クレゾール、感光素101号、感光素201号、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、ハロカルバン、3,4,4−トリクロロカルバニリド、トリエチルシトレート、レゾルシン、フェノール、ソルビン酸、ヘキサクロロフェン、銀担持ゼオライト及び銀担持シリカから選ばれる殺菌剤の1種又は2種以上を含有する<1>〜<16>のいずれかに記載の化粧料。
<18>さらに、制汗剤、好ましくはクロルヒドロキシアルミニウム、酸化亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム及びパラフェノールスルホン酸亜鉛から選ばれる1種又は2種以上の制汗剤を含有する<1>〜<17>のいずれかに記載の化粧料。
<19>剤形が、クリーム、ロールオンタイプ、ミスト、ローション、エアゾール、スプレー、スティック、乳液、ジェル及び不織布等に含浸させたシート状から選ばれる剤形、好ましくはクリーム、ロールオンタイプ、スプレータイプ、ミスト又はローションの剤形である<1>〜<18>のいずれかに記載の化粧料。
<20>剤形がクリームであって、さらに成分(F)融点が60℃以上の油性成分、成分(G)ポリエーテル変性シリコーン、成分(H)有機粉体、成分(I)無機粉体、成分(J)酸化防止剤及び成分(K)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有する<1>〜<19>のいずれかに記載の化粧料。
<21>剤形が、ロールオンタイプであって、さらに成分(L)炭素数2〜4の低級アルコール、成分(M)水溶性高分子、成分(N)モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルからなる群から選ばれる1種又は2種以上、成分(O)トリメチルシロキシケイ酸、並びに成分(K)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)結合シリコーン系ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有する<1>〜<19>のいずれかに記載の化粧料。
<22>剤形がミスト、スプレー又はローションであって、さらに成分(P)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(例えばPPG−6デシルテトラデセス−30)、成分(G)ポリエーテル変性シリコーン、及び成分(L)エタノールから選ばれる1種又は2種以上を含有する<1>〜<19>のいずれかに記載の化粧料。
<23>デオドラントとしての<1>〜<19>のいずれかに記載の化粧料の使用。
【実施例】
【0070】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例中、%は質量%を意味する。
【0071】
実施例1〜27及び比較例1〜5
表1及び2記載の化粧料を製造し、べたつき感、冷涼感、残留性、殺菌効果及び容器中での安定性を評価した。結果を表1及び2に示す。
【0072】
(製造方法)
配合槽1を利用し、成分(A)と成分(C)と水の一部を混合し、特許第5908635号記載のように100〜180℃で加熱溶解させる。
配合槽2では、残りの水に成分(B)を加え溶解させる。更に配合槽3を利用し、残りの成分(D)、成分(E)、メチルポリシロキサン、メントールを配合し、混合する。
配合槽1に配合槽3で混合したものを加え、均一撹拌させる。その後配合槽2で混合したものを加え化粧料を得る。
【0073】
(べたつきの評価)
専門パネル5人による官能評価を行いスコアの平均を評価値とした。
スコア付けは、次のとおりとした。
すごくべたつく 1
べたつく 2
ややべたつく べたついた感じがする 3
どちらとも言えない、べたつくと言えない 4
べたつかない 5
【0074】
(冷涼感の評価)
専門パネル5人による官能評価を行いスコアの平均を評価値とした。
スコア付けは、次の通りとした
冷涼感を感じない 1
かすかに冷涼感を感じる 2
冷涼感を感じる 3
冷涼感がある 4
すごく冷涼感がある 5
【0075】
(残留性の評価)
以下の手順で残留性の評価を行った。
(i)化粧料を一方の前腕内側に10μL/cm
2だけ塗布し乾燥させる。
(ii)化粧料を他方の前腕内側に10μL/cm
2だけ塗布し、乾燥させる。乾燥後、サンプル塗布部を水に30秒浸漬する。その後水から前腕を引き上げ、ドライヤーでサンプル塗布部の水に浸漬した部分を乾燥させる。
(iii)、(i)、(ii)のサンプル塗布部から5mLのエタノールでカップシェイクし、残留していた化粧料を回収する。回収した溶液を0.45μmのフィルターでろ過し、それぞれ、サンプル(i)’、(ii)’とする。
(iv)(i)’、(ii)’それぞれのサンプル中のイソプロピルメチルフェノール(IPMP)のUV吸光度を測定する。
(v)(i)’の吸光度(A)と(ii)’の吸光度(B)を以下の数式にあてはめ残留率を算出した。
(残留率(%))=(B/A)×100
【0076】
(殺菌性能の評価)
ワキ部位をアルコールで清拭し、化粧料を0.02g/cm
2塗布する。8時間後にスタンプ培地(ニッスイ製)で製剤塗布部位から菌を採取する。得られたスタンプを37℃12時間培養し、出現したコロニー数をカウントする。殺菌性能を発現コロニー数で定義する。成人男性のワキを使用し、わき毛の無い部位からスタンプ採取した(N=5)。
1:10未満
2:50未満
3:100未満
4:100以上
【0077】
(安定性の評価)
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)はポリエチレン製の容器で保存すると容器に有効成分が吸着される。その吸着抑制効果を評価した。
【0078】
100gのポリエチレンの容器に80g製剤を充填し、50℃一か月保存後、製剤中に含まれるIPMPの量を定量し、容器への吸着量を評価した。
初期と比較して
95%以上残留している場合を AA
93%以上残留している場合を BB
90%以上残留している場合を CC
90%以下の場合を DD
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
製造例1
ビーカーにラウリルメタクリレート82g、メタクリル酸3g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)を0.75g溶解させたイオン交換水400gを加え、ホモミキサーで粒径が2.2μmになるまで分散させた。この重合した粒子の分散液に1N NaOH3.9gを滴下して中和を行った。4つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5 時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体Aを得た。
【0082】
次に、本発明化粧料の製造例を示す。
【0083】
得られた皮膚化粧料は、残留性も高く、殺菌能力の高いものであった。
処方例:クリーム
【0084】
【表3】
【0085】
処方例:ロールオン
【0086】
【表4】
【0087】
処方例:ローション・ミスト
【0088】
【表5】
【0089】
処方例:ジェル
【0090】
【表6】
【0091】
処方例:乳液
【0092】
【表7】
【0093】
処方例:シート
下記組成の液状組成物4gを、2gの100%コットン不織布(坪量50g/m
2)上にスプレーで噴霧することにより含浸させ、シート状化粧料を製造した。シート基材100質量部に対する液状組成物の含浸率は200質量部である。
【0094】
【表8】
【0095】
*1: エマルゲン108(花王株式会社製)
*2: エマルゲン409PV(花王株式会社製)
*3: ペネトールGE-IS(花王株式会社製)
*4: ペネトールGE-EH(花王株式会社製)
*5: EMALEX GWIS-100EX(日本エマルジョン株式会社製)
*6: シリコーン KF−96L−2CS(信越化学工業株式会社製)
*7: SI-UGE(花王株式会社製)
*8: シリコーン KF−6025(信越化学工業株式会社製)
*9: トコフェロール100(日清オイリオグループ株式会社製)
*10: エステモールN-01(日清オイリオグループ株式会社製)
*11: シリコーンKT-18(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
*12: セレシン#810K(日興リカ株式会社製)
*13: HNP-9(日本精蝋株式会社製)
*14: シリコーン X−52−1621(信越化学工業株式会社製)
*15: シリコーン KSP−105(信越化学工業株式会社製)
*16: シリコーン KF−7312K(信越化学工業株式会社製)
*17: レオドールAO10V(花王株式会社製)
*18: NIKKOL PEN−4630(日光ケミカルズ株式会社製)
*19: EMALEX ET-8020(日本エマルジョン株式会社製)
*20: アデカカーポール DL−80(株式会社ADEKA製)
*21: サラコス99(日清オイリオグループ社製)
*22: IPP(高級アルコール工業社製)
*23: AQUPEC HV-701EDR(住友精化工業株式会社製)
*24: NIKKOL BL-21(ニッコーケミカルズ株式会社製)