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特開2018-66630情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-66630(P2018-66630A)
(43)【公開日】2018年4月26日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理端末
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20180330BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20180330BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20180330BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20180330BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G08G1/0969
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-204953(P2016-204953)
(22)【出願日】2016年10月19日
(71)【出願人】
【識別番号】592048110
【氏名又は名称】損害保険ジャパン日本興亜株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(74)【代理人】
【識別番号】100198960
【弁理士】
【氏名又は名称】奥住 忍
(72)【発明者】
【氏名】杉本 光祐
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雄太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐介
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HB15
2C032HC08
2C032HC27
2C032HD16
2C032HD21
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC07
2F129DD03
2F129DD21
2F129DD38
2F129DD47
2F129DD51
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE95
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF37
2F129FF72
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ドライバー自身でどのルートを通るか判断しなくても、ドライバーにとって使い勝手のよいルートを探索する情報処理システム、装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム100は、目的地を取得する目的地取得部101と、出発地を取得する出発地取得部102と、出発地から目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索手段部(探索部103)を備える。事故件数情報は、交差点において起こった事故件数に関連する情報である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を取得する目的地取得手段と、
出発地を取得する出発地取得手段と、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索手段と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記事故件数情報は、事故発生地点における事故件数に関連する情報である請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記探索手段は、前記事故件数に応じたコストを前記ルート上の各交差点に付与し、前記各交差点のコストを加算した加算コストを用いて、前記ルートを探索する請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記探索手段は、各交差点を、前記事故件数と少なくとも1つの閾値とを用いて分類し、前記分類に応じて、前記コストを付与する請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
目的地を取得する目的地取得手段と、
出発地を取得する出発地取得手段と、
事故件数情報に基づいて前記出発地から前記目的地までのルートを探索する探索手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項6】
目的地を取得する目的地取得ステップと、
出発地を取得する出発地取得ステップと、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを
目的地を取得する目的地取得手段、
出発地を取得する出発地取得手段、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項8】
目的地を取得する目的地取得手段と、
出発地を取得する出発地取得手段と、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索するサーバに対し、前記目的地および前記出発地の情報を送信する送信手段と、
前記サーバから前記ルートの探索結果を受信する受信手段と、
を備えた情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、現在地から目的地までの複数のルートを提示し、各ルート上に事故発生件数に関する情報を表示して、事故地点を報知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−315080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、ドライバーは事故件数に関する表示を見て、ドライバー自身でどのルートを通るか判断しなければならないので、ドライバーにとって使い勝手のよいルート探索ができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理システムは、
目的地を取得する目的地取得手段と、
出発地を取得する出発地取得手段と、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索手段と、
を備えた。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
目的地を取得する目的地取得手段と、
出発地を取得する出発地取得手段と、
事故件数情報に基づいて前記出発地から前記目的地までのルートを探索する探索手段と、
を備えた。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
目的地を取得する目的地取得ステップと、
出発地を取得する出発地取得ステップと、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索ステップと、
を含む。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理プログラムは、
コンピュータを
目的地を取得する目的地取得手段、
出発地を取得する出発地取得手段、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する探索手段、
として機能させる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理端末は、
目的地を取得する目的地取得手段と、
出発地を取得する出発地取得手段と、
前記出発地から前記目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索するサーバに対し、前記目的地および前記出発地の情報を送信する送信手段と、
前記サーバから前記ルートの探索結果を受信する受信手段と、
を備えた。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドライバー自身でどのルートを通るか判断しなくてもよいので、ドライバーにとって使い勝手のよいルート探索ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの動作の概要を説明する図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの情報処理装置が有する交差点情報テーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6A】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置の処理手順を説明するフローチャートである。
図6B】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理端末の処理手順を説明するフローチャートである。
図7】本発明の第3実施形態に係る情報処理端末の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る情報処理端末の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理システム100について、図1を用いて説明する。情報処理システム100は、出発地から目的地までの推奨ルートを探索するシステムである。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム100は、目的地取得部101と、出発地取得部102と、探索部103とを含む。目的地取得部101は、目的地を取得する。出発地取得部102は、出発地を取得する。探索部103は、出発地から目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する。
【0016】
本実施形態によれば、ドライバー自身でどのルートを通るか判断しなくてもよいので、ドライバーにとって使い勝手のよいルート探索ができる。
【0017】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理システム200について、図2乃至図6を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理システム200の動作の概要を説明するための図である。情報処理システム200は、サーバなどの情報処理装置201と、スマートフォンや車載端末などの情報処理端末202とを含む。
【0018】
ここで、車両のドライバー(運転者)などが目的地までのルートを調べる場合を考える。車両のドライバーが、目的地までのルートを調べるために、情報処理端末202に目的地と出発地(現在地等)とを入力する。目的地と出発地との入力を受け付けた情報処理端末202は、入力された目的地および出発地を情報処理装置201へ送信する。情報処理装置201は、情報処理端末202から送信された目的地および出発地に基づいて、出発地から目的地までのルートを探索(検索)する。そして、情報処理装置201は、ルートの探索結果を情報処理端末202へ送信する。ルートの探索結果を受信した情報処理端末202は、探索結果をディスプレイなどの表示部に表示する。ドライバーは、情報処理端末202の表示部に表示されたルートに従って、車両を運転する。
【0019】
この場合、探索結果に含まれる目的地までのルートは、1つではなく、情報処理装置201は、様々な種類のルートを探索結果として情報処理端末202へ送信する。探索結果には、例えば、高速道路を用いるルート(高速)や、高速道路などの有料道路を含まないルート(無料)、走行距離が短いルート(距離)、燃料の消費量が少ない(ECO)ルートなどが含まれる。
【0020】
そして、本実施形態においては、ドライバーが情報処理端末202の表示部に表示された探索結果の表示画面の「安全」ボタン222をタップやクリックすると、情報処理装置201は、事故発生件数の少ないルートを表示する。なお、この「安全」ボタン222は、例えば、「安心」ボタンや「推奨」ボタンなどとして表示されてもよい。
【0021】
次に、「安全」ボタン222について説明する。ドライバーが「安全」ボタン222をタップすると、出発地から目的地までのルートのうち、事故発生件数の少ないルートが広域表示221として表示される。また、右下に表示された切替ボタン223をタップすると、車両の現在地を中心に、例えば、半径数100mの地図が表示される(詳細表示224)。さらに、この詳細表示224において、右下に表示された「>」ボタン226をタップすると、案内地点を1か所ずつ表示させることができる(案内地点表示228)。また、右上の切替ボタン225をタップすると、ルート上の案内地点のリストが表示される(リスト表示227)。ドライバーは、このように表示されたルートに沿って車両を運転すれば、自然と事故発生件数の少ないルートを走行することができる。また、「音声案内開始」ボタン229をタップすると、音声ガイダンスによるルート案内がなされる。なお、事故には、車両同士、車両単独、車両と車両以外による事故が含まれる。事故の種類としては、追突や正面衝突などが含まれる。また、車両には、自動車、自動二輪車、自転車などが含まれる。
【0022】
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。情報処理システム200は、情報処理装置201と、情報処理端末202とを有する。
【0023】
<情報処理装置>
情報処理装置201は、目的地取得部311と、出発地取得部312と、探索部313と、送信部314と、を備える。情報処理装置201は、さらに、記憶部303と通信可能に接続されている。
【0024】
目的地取得部311は、車両のドライバーが情報処理端末202を用いて入力した目的地を取得する。出発地取得部312は、車両のドライバーが情報処理端末202を用いて入力した出発地を取得する。探索部313は、取得した目的地および出発地に基づいて、出発地から目的地までのルートを探索する。より具体的には、探索部313は、出発地から目的地までのルートを事故件数情報に基づいて探索する。ここで、事故件数情報は、事故発生地点における事故件数に関連する情報である。また、事故発生地点とは、交差点や道路上で事故が発生した地点あって、交差点には、丁字路や、三叉路、十字路、五叉路、側道からの合流点や側道への分岐点などが含まれるが、これらには限定されない。
【0025】
探索部313が実行するルートの探索は、一般的なナビゲーションシステムで用いられるダイクストラ法などの公知のルート探索手法を用いて実行される。ここで、ダイクストラ法は、基準となる基準位置(一般的には、出発地に近いノード)から、順次、接続されたリンクを辿って次のノードに到達し、辿ったリンクのリンクコスト(距離やリンク通過に要する所要時間等)を積算する。そして、リンクコストが最小となるように次に辿るリンク群(探索ルート)を管理しながら、終了条件に達するまで探索ルートを広げていく手法である。
【0026】
そして、探索部313は、このダイクストラ法を用いたルート探索において、交差点において起こった事故の事故件数を加味してルート探索を行う。すなわち、事故の発生件数に応じて、交差点を少なくとも2つに分類し、この分類に応じた重み付けにより、探索部313は、ルート探索を行う。交差点を2つに分類する場合、例えば、所定の閾値に対して、その所定の閾値以上の事故件数の交差点と、その所定の閾値未満の事故件数の交差点とに分類される。
【0027】
具体的には、事故の発生件数に応じて、交差点を分類し、この分類を用いて、当該交差点までに探索されたルートのリンクコストの積算値に加算する加算コスト(重み付け)を算出する。そして、算出した加算コストを各交差点に割り当てて、各交差点に割り当てられた加算コストを用いて、ルート探索を行う。なお、事故発生件数が0回の交差点の場合には、加算コストは0となる。
【0028】
例えば、交差点を3つに分類する場合、交差点の分類は、事故の発生件数の基準値(閾値)をX回とすると次のように行われる。すなわち、事故発生件数が、1回〜X−1回の交差点、X回の交差点、X+1回以上の交差点の3つに分類することができる。
【0029】
そして、このように分類した交差点について、その交差点のコストの値(例えば、C)に所定の係数を掛けた値を加算コストとする。つまり、事故発生件数が1回からX−1回の交差点では、加算コストが、αCとなり、同様に、X回の交差点では、加算コストが、βCとなり、X+1回以上の交差点では、γCとなる。この場合、α,β,γの関係は、例えば、α<β<γとするが、これには限定されない。これらの加算コストを、当該交差点に付与しておき、当該交差点までに探索されたルートのリンクコストに加算して、探索部313は、ルート探索を行う。なお、ここでは、X回を基準として、交差点を3つに分類したが、分類の仕方はここに示した分類方法には限定されず、2つまたは4つ以上に分類してもよい。また、回数の基準値も1つには限定されず、複数であってもよい。
【0030】
送信部314は、探索部313による探索結果を情報処理端末202へ送信する。
【0031】
記憶部303は、地図データベースなどを記憶する。探索部313は、記憶部303に記憶された地図データベースや、事故件数情報などを取得して、ルート探索を実行する。地図データベースは、所定のタイミングで更新される。なお、記憶部303は、情報処理装置201の外部構成として示しているが、情報処理装置201の内部構成であってもよい。
【0032】
<情報処理端末>
情報処理端末202は、目的地取得部321と、出発地取得部322と、送信部323と、受信部324と、を備える。
【0033】
目的地取得部321は、車両のドライバーが入力した目的地を取得する。出発地取得部322は、車両の出発地を取得する。車両の出発地は、ドライバーが直接入力してもよいし、情報処理端末202に実装されたGPS(Global Positioning System)などの位置情報取得機器から取得した出発地情報に基づいて、自動的に取得してもよい。
【0034】
送信部323は、目的地取得部321および出発地取得部322が取得した、目的地および出発地を情報処理装置201へ送信する。
【0035】
受信部324は、情報処理装置201から送信された、ルートの探索結果を受信する。受信した探索結果は、例えば、不図示の表示部や、車両に備え付けられたモニタやディスプレイなどの表示装置に表示される。
【0036】
図4は、本実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置201が有する交差点情報テーブルの一例を示す図である。交差点情報テーブル401は、交差点ID(Identifier)411に関連付けて、緯度経度412と、交差点分類413と、コスト414とを記憶する。緯度経度412は、交差点の位置座標である。交差点分類413は、交差点を事故件数に応じて分類したものであり、この交差点分類413に応じて、加算コストを計算する際の重み付けの値が決まる。コスト414は、各交差点に付与されたコストである。なお、交差点情報テーブル401は、接続リンク本数や交差点名称などを記憶してもよい。そして、探索部313は、交差点情報テーブル401を参照して、それまでに探索された出発地から目的地までのルートのリンクコストに加算するコストを算出して、ルートを探索する。
【0037】
図5は、本実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図3の情報処理装置201の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびその他のプログラムを記憶する。また、ネットワークインタフェース530は、ネットワークを介して他の装置などと通信する。なお、CPU510は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、ネットワークインタフェース530は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)540の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM540とストレージ550との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、入出力インタフェース560は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM540の領域に入出力データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。したがって、CPU510は、RAM540にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU510は、処理結果をRAM540に準備し、後の送信あるいは転送はネットワークインタフェース530やDMAC、あるいは入出力インタフェース560に任せる。
【0038】
RAM540は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。目的地541は、車両のドライバーが入力した車両の到達目標となる地点である。出発地542は、車両のドライバーが入力した目的地までのルート案内の起点となる地点である。地図データ543は、ルート探索に必要な地図のデータであり、記憶部303などから取得したデータである。交差点情報544は、ルート探索の重み付けとして用いる交差点に関する情報であり、交差点情報テーブル401から展開されたデータである。コスト545は、各交差点に付与されたコストであり、それまでに探索されたルートのリンクコストに加算されるコストを示すデータである。
【0039】
入出力データ546は、入出力インタフェース560を介して入出力されるデータである。送受信データ547は、ネットワークインタフェース530を介して送受信されるデータである。また、RAM540は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域548を有する。
【0040】
ストレージ550には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ550は、交差点情報テーブル401を格納する。交差点情報テーブル401は、図4に示した、交差点ID411と交差点分類413などとの関係を管理するテーブルである。ストレージ550は、さらに、目的地取得モジュール551と、出発地取得モジュール552と、探索モジュール553と、送信モジュール554とを格納する。これらのモジュールは、CPU510により実行される。
【0041】
目的地取得モジュール551は、車両の目的地を取得するモジュールである。出発地取得モジュール552は、車両の出発地を取得するモジュールである。探索モジュール553は、交差点において起こった事故の件数に基づいて、出発地から目的地までのルートを探索するモジュールである。送信モジュール554は、出発地から目的地までのルートの探索結果を情報処理端末202へ送信するモジュールである。これらのモジュール551〜554は、CPU510によりRAM540のアプリケーション実行領域548に読み出され、実行される。制御プログラム555は、情報処理装置201の全体を制御するためのプログラムである。
【0042】
入出力インタフェース560は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース560には、表示部561、操作部562、が接続される。また、入出力インタフェース560には、さらに、記憶媒体564が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ563や、音声入力部であるマイク、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、図5に示したRAM540やストレージ550には、情報処理装置201が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0043】
図6Aは、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置201の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、図5のCPU510がRAM540を使用して実行し、図3に示した情報処理装置201の機能構成部を実現する。
【0044】
ステップS601において、情報処理装置201は、情報処理端末202から車両の目的地を取得する。ステップS603において、情報処理装置201は、情報処理端末202から車両の出発地を取得する。なお、ステップS601およびステップS603は、同時に実行してもよいし、また、これらの順序を入れ替えて実行してもよい。
【0045】
ステップS605において、情報処理装置201は、交差点において起こった事故件数に関連する情報に基づいて、出発地から目的地までのルートを探索する。ステップS607において、情報処理装置201は、探索結果を情報処理端末202に送信する。
【0046】
図6Bは、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理端末202の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、不図示のCPUがRAMを使用して実行し、図3に示した情報処理端末202の機能構成部を実現する。
【0047】
ステップS631において、情報処理端末202は、車両のドライバーなどから、車両の目的地の入力を受け付けて、目的地を取得する。ステップS633において、情報処理端末202は、車両のドライバーなどから、車両の出発地の入力を受け付けて、出発地を取得する。なお、ステップS631およびステップS633は、同時に実行してもよいし、また、これらの順序を入れ替えて実行してもよい。
【0048】
ステップS635において、情報処理端末202は、取得した目的地および出発地を情報処理装置201へ送信する。ステップS637において、情報処理端末202は、出発地から目的地までのルートの探索結果を情報処理装置201から受信する。ステップS639において、情報処理端末202は、受信した探索結果に基づいて、ディスプレイなどの表示部にルートを表示する。
【0049】
本実施形態によれば、ドライバー自身でどのルートを通るか判断しなくてもよいので、ドライバーにとって使い勝手のよいルート探索ができる。また、ルート探索において、交差点において発生した事故の事故件数を用いて探索を行うので、ドライバーは事故発生件数の少ないルートを走行できる。
【0050】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理端末について、図7および図8を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理端末の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る情報処理端末は、上記第2実施形態の情報処理システムと比べると、情報処理システムの構成を情報処理端末に集約した点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0051】
情報処理端末700は、例えば、カーナビゲーションシステムなどの車載端末である。情報処理端末700は、目的地取得部701と、出発地取得部702と、探索部703と、表示部704と、記憶部705と、を備える。
【0052】
目的地取得部701は、ドライバーがタッチパネルやキーボードなどの入力機器を用いて入力した目的地を取得する。出発地取得部702は、ドライバーが入力した出発地を取得する。なお、出発地は、ドライバーが入力する他に、GPSなどの位置情報取得機器を用いて自動的に取得してもよい。
【0053】
探索部703は、目的地取得部701および出発地取得部702が取得した目的地および出発地から、交差点において起こった事故件数に関連する情報に基づいて、出発地から目的地までのルートを探索する。表示部704は、探索部703が探索したルートを表示する。記憶部705は、地図データなどを記憶し、探索部703は、記憶部705に記憶された地図データを用いてルート探索を行う。
【0054】
図8は、本実施形態に係る情報処理端末の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、不図示のCPUがRAMを使用して実行し、図7に示した情報処理端末700の機能構成部を実現する。なお、図6Bと同様のステップには、同じステップ番号を付して重複する説明を省略する。ステップS801において、情報処理端末700は、目的地および出発地から、事故件数に基づいて出発地から目的地までのルートを探索する。
【0055】
本実施形態によれば、カーナビゲーションシステムやスマートフォンのアプリなどを用いて、ドライバーは、事故発生件数の少ないルートを探索できる。
【0056】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0057】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8