特開2018-66662(P2018-66662A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-66662(P2018-66662A)
(43)【公開日】2018年4月26日
(54)【発明の名称】タイヤの接地状態測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20180330BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20180330BHJP
【FI】
   G01L5/00 101Z
   B60C19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-205643(P2016-205643)
(22)【出願日】2016年10月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松延 裕子
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB03
2F051AB06
(57)【要約】
【課題】高負荷時であってもタイヤの接地状態を測定する測定用シートの損傷を防ぐことができるタイヤの接地状態測定装置を提供する。
【解決手段】走行面1と、走行面1にタイヤTを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置2と、走行面1の一部領域に載置され、タイヤTの接地状態を測定するための測定用シート3と、測定用シート3を覆う保護シート4と、保護シート4に対してタイヤ進行方向MDに沿った張力を加える前後張力付加機構5と、を備え、前後張力付加機構5は、保護シート4がタイヤTから受けるタイヤ進行方向MDに沿った力を打ち消すように、タイヤ進行方向MDに沿った張力を調整する前後張力調整機構を有する。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行面と、
前記走行面にタイヤを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置と、
前記走行面の一部領域に載置され、タイヤの接地状態を測定するための測定用シートと、
前記測定用シートを覆う保護シートと、
前記保護シートに対してタイヤ進行方向に沿った張力を加える前後張力付加機構と、を備え、
前記前後張力付加機構は、前記保護シートがタイヤから受ける前記タイヤ進行方向に沿った力を打ち消すように、前記タイヤ進行方向に沿った張力を調整する前後張力調整機構を有するタイヤの接地状態測定装置。
【請求項2】
前記前後張力調整機構は、前記保護シートがタイヤから受ける力の方向と逆方向の張力を増加させることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項3】
前記前後張力調整機構による張力の増加分は、前記保護シートがタイヤから受ける力の1〜1.5倍であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項4】
前記走行面には、前記測定用シートのタイヤ進行方向の両側に、前記保護シートを走行面よりも下方に導く空間が形成されており、前記前後張力付加機構は、前記保護シートのタイヤ進行方向の両端を前記走行面の下方から引っ張るように構成されており、
前記前後張力調整機構は、前記保護シートのタイヤ進行方向の両端を引っ張る力を調整することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項5】
前記保護シートに対して、タイヤ進行方向に直交する幅方向に沿った張力を加える幅方向張力付加機構を備え、
前記幅方向張力付加機構は、前記保護シートがタイヤから受ける前記幅方向に沿った力を打ち消すように、前記幅方向に沿った張力を調整する幅方向張力調整機構を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項6】
前記幅方向張力調整機構は、前記保護シートがタイヤから受ける力の方向と逆方向の張力を増加させることを特徴とする請求項5に記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項7】
前記幅方向張力調整機構による張力の増加分は、前記保護シートがタイヤから受ける力の1〜1.5倍であることを特徴とする請求項6に記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項8】
前記走行面には、前記測定用シートの幅方向の両側に、前記保護シートを走行面よりも下方に導く空間が形成されており、前記幅方向張力付加機構は、前記保護シートの幅方向の両端を前記走行面の下方から引っ張るように構成されており、
前記幅方向張力調整機構は、前記保護シートの幅方向の両端を引っ張る力を調整することを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載のタイヤの接地状態測定装置。
【請求項9】
走行面と、
前記走行面にタイヤを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置と、
前記走行面の一部領域に載置され、タイヤの接地状態を測定するための測定用シートと、
前記測定用シートを覆う保護シートと、
前記保護シートに対してタイヤ進行方向に沿った張力を加える前後張力付加機構と、
前記保護シートに対して、タイヤ進行方向に直交する幅方向に沿った張力を加える幅方向張力付加機構と、を備え、
前記幅方向張力付加機構は、前記保護シートがタイヤから受ける前記幅方向に沿った力を打ち消すように、前記幅方向に沿った張力を調整する幅方向張力調整機構を有するタイヤの接地状態測定装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの接地面圧及び接地面形状を測定可能なタイヤの接地状態測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの接地面圧を計測する装置として、特許文献1には、走行面と、走行面にタイヤを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置と、測定用シートとして圧力センサシートと、圧力センサシートを覆う保護シートと、保護シートに対してタイヤ進行方向に張力を加える前後張力付加機構と、を有する装置が開示されている。
【0003】
圧力センサシートは、面に垂直な方向には強度を有するものの、引っ張り力に弱い。タイヤの制動、駆動、旋回、スリップ角やキャンバー角が設定されている場合には、圧力センサシートに引っ張り力が作用するために、保護シートで保護する必要がある。タイヤの転動によって保護シードが動かないようにするために、前後張力付加機構によって、保護シートに対してタイヤ進行方向に張力を付加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−217726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、タイヤの制動時、旋回時などの測定条件下では、保護シートを介して圧力センサシートに高い負荷が加わるため、圧力センサシートが損傷するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、高負荷時であってもタイヤの接地状態を測定する測定用シートの損傷を防ぐことができるタイヤの接地状態測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
【0008】
すなわち、本発明のタイヤの接地状態測定装置は、
走行面と、
前記走行面にタイヤを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置と、
前記走行面の一部領域に載置され、タイヤの接地状態を測定するための測定用シートと、
前記測定用シートを覆う保護シートと、
前記保護シートに対してタイヤ進行方向に沿った張力を加える前後張力付加機構と、を備え、
前記前後張力付加機構は、前記保護シートがタイヤから受ける前記タイヤ進行方向に沿った力を打ち消すように、前記タイヤ進行方向に沿った張力を調整する前後張力調整機構を有するものである。
【0009】
この構成によれば、保護シートがタイヤから受けるタイヤ進行方向に沿った力を打ち消すことができるため、タイヤからの力が保護シートを介して測定用シートに伝わらず、高負荷時であっても測定用シートの損傷を防ぐことができる。
【0010】
本発明において、前記前後張力調整機構は、前記保護シートがタイヤから受ける力の方向と逆方向の張力を増加させることが好ましい。
【0011】
また、本発明において、前記前後張力調整機構による張力の増加分は、前記保護シートがタイヤから受ける力の1〜1.5倍であることが好ましい。
【0012】
これらの構成によれば、保護シートがタイヤから受けるタイヤ進行方向に沿った力を適切に打ち消すことができる。
【0013】
本発明において、前記走行面には、前記測定用シートのタイヤ進行方向の両側に、前記保護シートを走行面よりも下方に導く空間が形成されており、前記前後張力付加機構は、前記保護シートのタイヤ進行方向の両端を前記走行面の下方から引っ張るように構成されており、前記前後張力調整機構は、前記保護シートのタイヤ進行方向の両端を引っ張る力を調整することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、保護シートに対してタイヤ進行方向に張力を加える前後張力付加機構が走行面よりも下方に配置されるので、装置を小型化することが可能となる。
【0015】
本発明において、前記保護シートに対して、タイヤ進行方向に直交する幅方向に沿った張力を加える幅方向張力付加機構を備え、
前記幅方向張力付加機構は、前記保護シートがタイヤから受ける前記幅方向に沿った力を打ち消すように、前記幅方向に沿った張力を調整する幅方向張力調整機構を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、保護シートがタイヤから受けるタイヤ進行方向に直交する幅方向に沿った力を打ち消すことができるため、タイヤからの力が保護シートを介して測定用シートに伝わらず、高負荷時であっても測定用シートの損傷を防ぐことができる。
【0017】
本発明において、前記幅方向張力調整機構は、前記保護シートがタイヤから受ける力の方向と逆方向の張力を増加させることが好ましい。
【0018】
また、本発明において、前記幅方向張力調整機構による張力の増加分は、前記保護シートがタイヤから受ける力の1〜1.5倍であることが好ましい。
【0019】
これらの構成によれば、保護シートがタイヤから受けるタイヤ進行方向に直交する幅方向に沿った力を適切に打ち消すことができる。
【0020】
本発明において、前記走行面には、前記測定用シートの幅方向の両側に、前記保護シートを走行面よりも下方に導く空間が形成されており、前記幅方向張力付加機構は、前記保護シートの幅方向の両端を前記走行面の下方から引っ張るように構成されており、
前記幅方向張力調整機構は、前記保護シートの幅方向の両端を引っ張る力を調整することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、保護シートに対して幅方向に張力を加える幅方向張力付加機構が走行面よりも下方に配置されるので、装置を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明における第1実施形態のタイヤ接地状態測定装置を示す側面図
図2A】第1実施形態のタイヤ接地状態測定装置を示す平面図
図2B図2AにおけるA−A部位断面図
図3A】前後張力付加機構の一例を示す断面図
図3B】前後張力付加機構の別例を示す断面図
図4】第2実施形態のタイヤ接地状態測定装置を示す平面図
図5A】第3実施形態のタイヤ接地状態測定装置を示す平面図
図5B図5AにおけるB−B部位断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態のタイヤの接地状態測定装置について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1図2A及び図2Bに示すように、タイヤの接地状態測定装置は、タイヤTを走行させるための走行面1と、走行面1にタイヤTを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置2と、走行面1の一部領域Ar1に載置され、タイヤTの接地状態を測定するための測定用シート3と、測定用シート3を覆う保護シート4と、を有する。
【0025】
図2A及び図2Bに示すように、走行面1は、平面視で矩形状をなし、測定領域Ar1及び走行領域Ar2を有する。本実施形態では、測定領域Ar1のタイヤ進行方向MDの遅れ側及び進み側の両側に走行領域Ar2が設定されているが、これに限定されない。測定領域Ar1のタイヤ進行方向MDの遅れ側のみに走行領域Ar2があってもよいし、測定領域Ar1のタイヤ進行方向MDの進み側のみに走行領域Ar2があってもよい。
【0026】
図1に示すように、タイヤ駆動装置2は、タイヤTを走行面1に押圧して接地させ、タイヤ進行方向MDに沿ってスライド移動することで、タイヤTを転動させる。本実施形態では、走行面1を固定としてタイヤ駆動装置2がスライド移動する。走行面1とタイヤ駆動装置2が相対的に移動可能であれば、これに限定されない。例えば、タイヤ駆動装置2を固定とし走行面1を動かしてもよい。
【0027】
図2A及び図2Bに示すように、測定用シート3は、走行面1の一部領域(測定領域Ar1)に載置され、固定される。本実施形態では、測定用シート3は、圧力に応じた電気信号を出力する既知の圧力センサシートであるが、これに限定されない。例えば、撮像した画像から圧力を計測する方法において使用される、撮像用シートでもよい。このシートは表面に微小突起を有し、圧力に応じて微小突起の潰れ具合が変わり、微小突起の潰れ具合に応じて画像に明暗ができることを利用した既知の測定方法である。
【0028】
保護シート4は、測定用シート3を保護するために設けられ、或る程度の強度を有する。保護シート4の材料としては、例えば、ポリカーボネートが挙げられるが、これに限定されない。厚みは、0.5mm以下が好ましい。なお、図2Bにおいて、位置関係を明確に表すために、保護シート4が測定用シート3から浮いた様子で示しているが、厳密には接している。
【0029】
走行面1には、測定用シート3のタイヤ進行方向MDの両側に、保護シート4を走行面1よりも下方に導く空間6が形成されている。前後張力付加機構5は、保護シート4のタイヤ進行方向MDの両端を走行面1の下方から引っ張ることで、保護シート4に対してタイヤ進行方向MDに沿った張力を付加する。引っ張り機構として、図3Aに示すように、保護シート4の端をロール状に巻き取る構造にしてもよいし、図3Bに示すように、保護シート4の端をクランプ機構で挟み込んで引っ張る構造にしてもよい。
【0030】
前後張力付加機構5は、保護シート4がタイヤTから受けるタイヤ進行方向MDに沿った力を打ち消すように、タイヤ進行方向MDに沿った張力を調整する前後張力調整機構を有する。前後張力調整機構としては、上記の引っ張り機構を利用することができる。すなわち、保護シート4の端をロール状に巻き取る構造の場合には、保護シート4を巻き取る量を調整できるように構成し、保護シート4の端をクランプ機構で挟み込んで引っ張る構造の場合には、保護シート4の端を挟み込んだクランプ機構の位置を上下に調整できるように構成すればよい。
【0031】
前後張力調整機構は、保護シート4がタイヤから受ける力の方向と逆方向の張力を増加させる。例えば、タイヤTの制動時には、保護シート4は、タイヤ進行方向MDの進み側への力をタイヤTから受ける。そのため、タイヤ進行方向MDの遅れ側にある前後張力付加機構5により保護シート4に付加する張力を増加させる。前後張力調整機構による張力の増加分は、保護シート4がタイヤTから受ける力の1〜1.5倍であるのが好ましく、1倍とするのが特に好ましい。前後張力調整機構による張力の増加分と保護シート4がタイヤTから受ける力とを等しくすることで、保護シート4がタイヤTから受けるタイヤ進行方向MDに沿った力を完全に打ち消すことができる。
【0032】
さらに、保護シート4に対して、タイヤ進行方向MDに直交する幅方向WDに張力を加える幅方向張力付加機構7が設けられている。幅方向張力付加機構7は、前後張力付加機構5と同様に構成されている。すなわち、走行面1には、測定用シート3の幅方向WDの両側に、保護シート4を走行面1よりも下方に導く空間8が形成されており、幅方向張力付加機構7は、保護シート4の幅方向WDの両端を走行面1の下方から引っ張るように構成されている。この場合、保護シート4は、平面視で十字状に形成されており、各々の辺が空間6,8から下方に導かれ、引っ張られている。
【0033】
幅方向張力付加機構7は、保護シート4がタイヤTから受ける幅方向WDに沿った力を打ち消すように、幅方向WDに沿った張力を調整する幅方向張力調整機構を有する。幅方向張力調整機構は、上記の前後張力調整機構と同様に構成されている。
【0034】
幅方向張力調整機構は、保護シート4がタイヤから受ける力の方向と逆方向の張力を増加させる。例えば、タイヤTの右旋回時には、保護シート4は、タイヤ進行方向MDに向かって右側(図2Aの上側)への力をタイヤTから受ける。そのため、タイヤ進行方向MDに向かって左側(図2Aの下側)にある幅方向張力付加機構7により保護シート4に付加する張力を増加させる。幅方向張力調整機構による張力の増加分は、保護シート4がタイヤTから受ける力の1〜1.5倍であるのが好ましく、1倍とするのが特に好ましい。幅方向張力調整機構による張力の増加分と保護シート4がタイヤTから受ける力とを等しくすることで、保護シート4がタイヤTから受ける幅方向WDに沿った力を完全に打ち消すことができる。
【0035】
タイヤの接地状態測定装置は、保護シート4がタイヤTから受ける力を検出することができる。一般的に、タイヤ駆動装置2は、タイヤTに働く力を検出する機能を有する。タイヤTに働く力を検出することで、保護シート4がタイヤTから受ける力が分かる。接地状態測定装置は、不図示の制御部を有しており、制御部は、保護シート4がタイヤTから受ける力に応じて保護シート4に付加する張力を設定する。この設定された張力となるように、前後張力調整機構によりタイヤ進行方向MDに沿った張力を調整し、幅方向張力調整機構により幅方向WDに沿った張力を調整する。
【0036】
<第2実施形態、第3実施形態、その他の変形例>
保護シート4の形状は平面視十字状(図2A参照)に限定されるものではなく、平面視で矩形状(図4参照)、又は、円形状でもよい。
【0037】
また、幅方向張力付加機構7を、従来と同様に、水平方向に沿って引っ張るように構成してもよい。また、図4に示す第2実施形態のように幅方向張力付加機構を設けなくてもよい。空間6の形状は、図2Aに示す第1実施形態のように走行面1内で終端する溝でもよく、図4に示す第2実施形態のように、走行面1の端に開口するスリットでもよい。
【0038】
上記第1実施形態(図2A図2B)及び第2実施形態(図4)では、走行面1は、測定用シート3のタイヤ進行方向MDの遅れ側及び進み側の両側に空間6が形成されているが、図5A及び図5Bに示す第3実施形態のようにどちらか一方のみに空間6を形成してもよい。図5A及び図5Bの例では、測定用シート3のタイヤ進行方向MDの遅れ側のみに空間を形成している。
【0039】
また、本発明のタイヤの接地状態測定装置は、走行面1と、走行面1にタイヤTを接地させ且つ転動させるタイヤ駆動装置2と、走行面1の一部領域Ar1に載置され、タイヤTの接地状態を測定するための測定用シート3と、測定用シート3を覆う保護シート4と、保護シート4に対してタイヤ進行方向MDに沿った張力を加える前後張力付加機構5と、保護シート4に対して、タイヤ進行方向MDに直交する幅方向WDに沿った張力を加える幅方向張力付加機構7と、を備え、幅方向張力付加機構7は、保護シート4がタイヤTから受ける幅方向WDに沿った力を打ち消すように、幅方向WDに沿った張力を調整する幅方向張力調整機構を有するものでもよい。この装置によれば、前後張力付加機構5によりタイヤ進行方向MDに沿った一定の張力を保護シート4に加えつつ(前後張力付加機構5によってタイヤ進行方向MDに沿った張力を調整することなく)、保護シート4がタイヤTから受ける幅方向WDに沿った力を幅方向張力付加機構7の幅方向張力調整機構によって打ち消すことができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0041】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…走行面
2…タイヤ駆動装置
3…測定用シート
4…保護シート
5…前後張力付加機構
6…空間
7…幅方向張力付加機構
8…空間
T…タイヤ
MD…タイヤ進行方向
WD…幅方向


図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B