(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-6726(P2018-6726A)
(43)【公開日】2018年1月11日
(54)【発明の名称】抵抗素子及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
H01C 1/142 20060101AFI20171208BHJP
H01C 7/00 20060101ALI20171208BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20171208BHJP
H05K 3/34 20060101ALN20171208BHJP
【FI】
H01C1/142
H01C7/00 110
H05K1/18 K
H05K3/34 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-223450(P2016-223450)
(22)【出願日】2016年11月16日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0079902
(32)【優先日】2016年6月27日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ナム、ジュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジャエ フアン
【テーマコード(参考)】
5E028
5E033
5E319
5E336
【Fターム(参考)】
5E028BA03
5E028BB01
5E028CA02
5E028DA04
5E028JC11
5E033BB02
5E033BC03
5E033BD13
5E033BH02
5E319AA03
5E319AB06
5E319AC01
5E319CC22
5E319GG03
5E336AA04
5E336CC32
5E336CC38
5E336CC42
5E336CC52
5E336EE01
5E336GG14
(57)【要約】
【課題】
本発明は、端子を介して抵抗体で発生する熱を効果的に逃がしながら実装基板との接合強度を向上させることが可能な抵抗素子及びその実装基板に関する。
【解決手段】
本発明の一実施形態による抵抗素子は、ベース基材と、上記ベース基材の一面に互いに分離されるように配置された第1及び第2端子と、上記第1端子と第2端子との間に配置された第3端子と、上記第1端子と第3端子との間及び上記第2端子と第3端子との間に配置され、互いに離隔された第1及び第2抵抗層と、を含み、上記第3端子は、第1及び第2抵抗層の一端部で第1及び第2抵抗層の上面及び下面を覆うように配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材と、
前記ベース基材の一方の主面上に互いに分離して配置された第1及び第2端子と、
前記主面上において、前記第1端子と第2端子との間に配置された第3端子と、
前記主面上において、前記第1端子と前記第3端子との間及び前記第2端子と前記第3端子との間にそれぞれ配置され、互いに離隔して設けられた第1及び第2抵抗層と、を含み、
前記第3端子は、前記第1及び第2抵抗層の一方の端部において前記第1及び第2抵抗層の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される、抵抗素子。
【請求項2】
前記第1及び第2端子は、前記第1及び第2抵抗層の他方の端部において前記第1及び第2抵抗層の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される、請求項1に記載の抵抗素子。
【請求項3】
それぞれの前記第1〜第3端子は、前記ベース基材上に配置された第1〜第3内部電極と、前記第1〜第3内部電極をそれぞれ覆う第1〜第3外部電極と、を含む、請求項1または請求項2に記載の抵抗素子。
【請求項4】
前記第1〜第3内部電極の各々は、前記ベース基材の前記一方の主面上に配置された第1〜第3シード層を含む、請求項3に記載の抵抗素子。
【請求項5】
前記第3内部電極は、前記第1抵抗層と第2抵抗層との間の空間を満たし、前記第1及び第2抵抗層のそれぞれにおける一方の端部の少なくとも一部を覆う第3カバー層を含む、請求項4に記載の抵抗素子。
【請求項6】
前記第1及び第2内部電極の各々は、前記第1及び第2抵抗層の他方の端部の少なくとも一部を囲むように構成されている第1及び第2カバー層を含む、請求項4または請求項5に記載の抵抗素子。
【請求項7】
前記第1〜第3端子の間において前記第1及び第2抵抗層を覆うように配置される保護層をさらに含む、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の抵抗素子。
【請求項8】
前記第1または第2抵抗層をトリミング(trimming)処理することで、前記第1端子と第3端子との間の抵抗値または前記第2端子と第3端子との間の抵抗値が調整可能となるように構成されている、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の抵抗素子。
【請求項9】
複数の電極パッドを有する回路基板と、
前記回路基板に配置されて前記複数の電極パッドと電気的に接続された抵抗素子と、を含み、
前記抵抗素子は、ベース基材と、前記ベース基材の一方の主面上に互いに分離して配置された第1及び第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間に配置された第3端子と、前記第1端子と前記第3端子との間及び前記第2端子と前記第3端子との間にそれぞれ配置され、互いに離隔して設けられた第1及び第2抵抗層と、を含み、
前記第3端子は、前記第1及び第2抵抗層の一方の端部において前記第1及び第2抵抗層の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される、抵抗素子の実装基板。
【請求項10】
前記第1及び第2端子は、前記第1及び第2抵抗層の他方の端部において前記第1及び第2抵抗層の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される、請求項9に記載の抵抗素子の実装基板。
【請求項11】
前記第1〜第3端子の各々は、前記ベース基材上に配置された第1〜第3内部電極と、前記第1〜第3内部電極をそれぞれ覆う第1〜第3外部電極と、を含む、請求項9または請求項10に記載の抵抗素子の実装基板。
【請求項12】
前記第1〜第3内部電極の各々は、前記ベース基材の一方の主面上に配置された第1〜第3シード層を含む、請求項11に記載の抵抗素子の実装基板。
【請求項13】
前記第3内部電極は、前記第1抵抗層と前記第2抵抗層との間の空間を満たし、前記第1及び第2抵抗層のそれぞれにおける一方の端部の少なくとも一部を覆う第3カバー層を含む、請求項12に記載の抵抗素子の実装基板。
【請求項14】
それぞれの前記第1及び第2内部電極は、前記第1及び第2抵抗層の他方の端部の少なくとも一部を囲むように構成されている第1及び第2カバー層を含む、請求項12に記載の抵抗素子の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗素子及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
チップ形状の抵抗素子は精密抵抗の実現に適した素子であり、回路内で電流を調節し、電圧を降下させる役割を担うことができる。
【0003】
抵抗を用いた回路設計において、抵抗が外部からの電気的な衝撃(サージ、静電気など)によって損傷して不良(短絡状態など)が発生する場合、電源から供給される全電流がICに流れ、回路に二次的な損害が生じる場合が発生し得る。
【0004】
このような現象を防止するためには、回路を設計する時に、複数の抵抗を用いて回路を設計する場合が考えられる。しかし、このような回路設計は、基板上に素子を実装するための空間使用量が不可避的に増加してしまうという問題点がある。
【0005】
特に、ますます小型化及び精密化が進んでいるモバイル機器の場合、上述のように基板上に素子を実装するための空間使用量が増加することは回路の安定性の点から好ましくないため、回路に流れる電流をより効果的に調節することができる抵抗素子に関する研究開発が求められている状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2015‐0123548号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態によると、端子を介して抵抗体で発生する熱を効果的に伝達することで、定格電力が向上し、回路基板との安定した接続が保証される抵抗素子及び当該抵抗素子の実装基板を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による抵抗素子は、ベース基材と、上記ベース基材の一方の主面上に互いに分離して配置された第1及び第2端子と、上記主面上において上記第1端子と第2端子との間に配置された第3端子と、上記主面上において上記第1端子と上記第3端子との間及び上記第2端子と上記第3端子との間にそれぞれ配置され、互いに離隔して設けられた第1及び第2抵抗層と、を含み、上記第3端子は、第1及び第2抵抗層の一方の端部において第1及び第2抵抗層の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0009】
また、本発明の他の実施形態による抵抗素子の実装基板は、複数の電極パッドを有する回路基板と、上記回路基板に配置され、上記複数の電極パッドに電気的に接続された抵抗素子と、を含み、上記抵抗素子は、ベース基材と、上記ベース基材の一方の面に互いに分離して配置された第1及び第2端子と、上記第1端子と第2端子との間に配置された第3端子と、上記第1端子と上記第3端子との間及び上記第2端子と上記第3端子との間にそれぞれ配置され、互いに離隔して設けられた第1及び第2抵抗層と、を含み、上記第3端子は、第1及び第2抵抗層の一方の端部において第1及び第2抵抗層の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態による抵抗素子は、基板上に素子を実装する際における実装空間の使用効率に優れており、印刷回路基板との間の安定的な接続を可能にするという効果を有する。
【0011】
また、端子が抵抗体の一方の端部を少なくとも部分的に囲む構造を採用することで、抵抗体で発生する熱を回路基板またはベース基材に効果的に伝達することができる。
【0012】
また、一方の端子と他方の端子との間に位置する中心端子の面積を増加させることができるため、端子間の抵抗値を容易に測定することが可能であり、抵抗素子を基板上に接合して実装する際に、接合面における基板と抵抗素子との間の固着強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による抵抗素子を示す斜視図である。
【
図3】本発明の他の実施形態による抵抗素子を示す断面図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施形態による抵抗素子を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による抵抗素子の実装基板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0015】
図1は本発明の一実施形態による抵抗素子100を示す斜視図であり、
図2は
図1に示す抵抗素子をI−I'線に沿った切断面で切って見た場合の断面図である。なお、
図1および
図2において、全体が略六面体形状を有する抵抗素子100における厚さ方向を方向T、長さ方向を方向L、幅方向を方向Wで表す。
図3〜
図6に示す方向T、方向L及び方向Wについても同様である。
【0016】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による抵抗素子100は、ベース基材110と、第1及び第2抵抗層121、122と、第1〜第3端子131、132、133と、を含む。
【0017】
上記ベース基材110は、第1及び第2抵抗層121、122を支持するとともに、抵抗素子100の強度を確保する役割を果たす部材である。ベース基材110の形態はこれに限定されるものではないが、所定の厚さを有し、主面の形状が長方形である薄い板状の形態とすることができる。
【0018】
また、ベース基材110は、熱伝導性に優れた材質で形成されることで、抵抗素子の通電時に第1及び第2抵抗層121、122で生成された熱を外部に発散させる熱拡散経路の役割を担うことができる。
【0019】
例えば、上記ベース基材110は、アルミナ(Al
2O
3)などのセラミック製またはポリマー製の基材として形成することができる。特定の例として、上記ベース基材110は、薄い板状のアルミニウムの表面を陽極酸化処理(anodizing)することで得られたアルミナ基板として形成することができる。
【0020】
第1及び第2抵抗層121、122は上記ベース基材110の一方の主面上に配置される。上記主面上において、第1抵抗層121は、互いに離隔して設けられた第1端子131と第3端子133との間に配置され、第2抵抗層122は、互いに離隔して設けられた第2端子132と第3端133との間に配置される。上記ベース基材110の上記主面上に形成されたこのような配列において、第1抵抗層121及び第2抵抗層122は第3端子133を共通端子とし、上記第1及び第2端子131、132をそれぞれの独立端子として採用する。
【0021】
例えば、第1及び第2抵抗層121、122の形成材料としては、種々の金属または合金や、酸化物などの化合物を用いることができる。そのような形成材料は、例えば、Cu‐Ni系合金、Ni‐Cr系合金、Ru酸化物、Si酸化物、Mn及びMn系合金の少なくとも一つを含むことができる。
【0022】
また、第1及び第2抵抗層121、122は、トリミング(trimming)処理工程により抵抗値を適切な値に調整することができる。トリミング処理工程とは、抵抗層を形成した後に、当該抵抗層が有する抵抗値を調整して回路設計結果に適合した抵抗値となるようにするために、微細カッティング(cutting)処理などによって当該抵抗層の一部を部分的に除去する処理工程を意味する。
【0023】
第1〜第3端子131、132、133は、ベース基材110の一方の主面上に互いに分離して配置される。また、上記主面上において、第3端子133は、第1端子131と第2端子132との間に配置され、上記第1及び第2抵抗層121、122のそれぞれにおける一方の端部の少なくとも一部を囲む形態で上記第1及び第2抵抗層121、122と接続される。すなわち、第3端子133は、第1及び第2抵抗層121、122の一方の端部において第1及び第2抵抗層121、122の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0024】
図2に示されたように、第1端子131は第1内部電極131a‐1、131c、131d及び第1外部電極131bを含み、第2端子132は第2内部電極132a‐1、132c、132d及び第2外部電極132bを含むことができる。また、第3端子133は第3内部電極133a‐1、133a‐2及び第3外部電極133bを含むことができる。上記第1〜第3内部電極(内部電極131a‐1、131c、131d、132a‐1、132c、132d、133a‐1、133a‐2)はベース基材110上に配置され、上記第1〜第3外部電極は上記第1〜第3内部電極をそれぞれ覆うように形成される。
【0025】
以下、上記第1〜第3内部電極(
図2に示す内部電極131a‐1、131c、131d、132a‐1、132c、132d、133a‐1、133a‐2)の実施形態を具体的に説明する。
【0026】
例えば、それぞれの上記第1〜第3内部電極は、上記ベース基材110の一方の主面上に配置された第1〜第3シード層131a‐1、132a‐1、133a‐1を含むことができる。
【0027】
また、上記第3内部電極は、上記主面上において、第1抵抗層121と第2抵抗層122との間の空間を満たし、上記第1抵抗層121及び第2抵抗層122のそれぞれにおける一方の端部を覆う第3カバー層133a‐2を含むことができる。
【0028】
第3シード層133a‐1及び第3カバー層133a‐2は、第1抵抗層121及び第2抵抗層122のそれぞれにおける一方の端部の少なくとも一部を囲むような構造を実現するために、断面形状がI字状となるように形成されている。これにより、第3内部電極と第1及び第2抵抗層121、122との間の接触面積を極大化することが可能となる。また、これにより、第1及び第2抵抗層121、122で発生する熱をベース基材110に効果的に伝達することが可能となる。
【0029】
また、ベース基材110の上記主面上において、第3カバー層133a‐2が形成される領域W1は、第1抵抗層121と第2抵抗層122との間の空間のみに限定されず、当該領域を第1抵抗層121と第2抵抗層122との間の空間よりも広くすることで、第3端子133の表面積をより広くすることができる。これにより、上述したトリミング(trimming)処理工程時において抵抗値を容易に測定することが可能となる。また、抵抗素子100を回路基板上に接合して実装する工程の実行時に、半田を用いて抵抗素子100と回路基板を接合するための接合面積を充分に確保することができる。そのため、回路基板と抵抗素子100との間の接合面における固着強度を向上させることができる。
【0030】
また、選択的に、上記第1及び第2シード層131a-1、132a-1と対向するように、上記ベース基材110の一方の主面と向い合う他方の主面上に第1及び第2裏面電極131d、132dを配置することができる。上記のように上記ベース基材110の他方の主面に第1及び第2裏面電極131d、132dを配置する場合、第1及び第2シード層131a‐1、132a‐1と第1及び第2裏面電極131d、132dは、焼成工程において第1及び第2抵抗層121、122がベース基材110に加える変形応力を相殺して、第1及び第2抵抗層121、122によってベース基材110が反り返る現象を防止することができる。
【0031】
これに限定されるものではないが、上記第1及び第2裏面電極131d、132dは導電性ペーストを印刷することで形成することができる。
【0032】
また、上記ベース基材110、第1及び第2抵抗層121、122、及び第1〜第3シード層131a‐1、132a‐1、133a‐1が配置されて形成された積層体の長手方向Lにおける両端面には、第1シード層131a‐1及び第2シード層132a‐1とそれぞれ連結される第1側面電極131c及び第2側面電極132cを任意付加的に配置することができる。
【0033】
すなわち、上記第1側面電極131cは、第1シード層131a‐1及び第1裏面電極131dと接続されるように配置され、第2側面電極132cは第2シード層132a‐1及び第2裏面電極132dと接続されるように配置されるようにすることができる。
【0034】
一方、上記第1〜第3端子131、132、133の間で上記第1及び第2抵抗層121、122上に保護層140を配置することができる。例えば、保護層140は、第3カバー層133a‐2が配置されていない第1及び第2抵抗層121、122の一部領域を覆うように配置され、第1及び第2抵抗層121、122を外部の衝撃から保護する。
【0035】
これに限定されるものではないが、上記保護層140を形成する材料は、シリコン(SiO
2)やガラス(glass)を含むことができ、上述した材料をオーバーコート(上塗りコーティング処理)することにより形成することができる。
【0036】
保護層140が第1及び第2抵抗層121、122上に配置されたとしても、第1〜第3端子131、132、133が保護層140よりも高く突出した形状を有するように抵抗素子100を構成することができる。こうすることで、基板上に抵抗素子100を実装する際に、保護層140が邪魔にならないので、第1〜第3端子131、132、133と基板に配置された電極パッドとを容易に接合することができる。
【0037】
また、上記保護層140を形成した後、基板上に抵抗素子100を実装するために、上記第1〜第3内部電極上に第1〜第3外部電極131b、132b、133bをそれぞれ形成することができる。
【0038】
上記第1及び第2内部電極が第1及び第2裏面電極131d、132d及び第1及び第2側面電極131c、132cを含む形で形成される場合、上記裏面電極及び側面電極上にも、それぞれ第1及び第2外部電極131b、132bを形成することができる。
【0039】
例えば、第1外部電極131bは、第1シード層131a‐1、第1裏面電極131d、及び第1側面電極131cを覆うように形成することができ、この場合、第1側面電極131cは、上記第1シード層131a‐1と上記第1裏面電極との間を接続するように形成することができる。また、第2外部電極132bは、第2シード層132a‐1、第2裏面電極132d、及び第2側面電極132cを覆うように形成することができ、この場合、第2側面電極132cは、上記第2シード層132a‐1と上記第2裏面電極との間を接続するように形成することができる。
【0040】
第1〜第3端子131、132、133を構成する内部電極は、導電性ペーストを用いた印刷工程(印刷後に焼成)または蒸着工程により形成することができる。上記内部電極は、外部電極131b、132b、133bを形成するためのめっき処理工程においてシード(seed)層としての役割を果たすことができる。例えば、上記内部電極は、導電性ペーストの形成材料として、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)の少なくとも一つを含んで形成されてもよい。
【0041】
また、第1〜第3端子131、132、133を構成する外部電極131b、132b、133bは、めっき処理工程により形成することができる。上記外部電極131b、132b、133bは、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、鉛(Pd)、クロム(Cr)の少なくとも一つを含んで形成することができる。例えば、上記外部電極131b、132b、133bは、Niめっき層とSnめっき層の二重層を含んで形成することができる。Niめっき層は、抵抗素子100を基板上に接合して実装する時に、接合に用いる半田の成分が内部電極の成分(例えば、Ag)に混入してしまうことを防止することができ、Snめっき層は、抵抗素子100を基板上に接合して実装する時に、接合に用いる半田成分と容易に接合可能とするために配合することができる。
【0042】
一方、
図2に示されたように、第1及び第2外部電極131b、132bの厚さは、第3外部電極133bの厚さよりも厚くなるように形成することができる。第1及び第2外部電極131b、132bを上記のように厚く形成することで、内部電極及び外部電極を含む第1〜第3端子131、132、133の全体の厚さが均一となるように第1〜第3端子131、132、133を形成することができる。
【0043】
図3及び
図4は本発明の他の実施形態による抵抗素子100Aを示す断面図である。
【0044】
図3及び
図4を参照すると、
図2に示した抵抗素子100に比べて、この実施形態による抵抗素子100A、100A'は、第1及び第2端子131、132の構成が変形されていることが確認できる。
【0045】
第1及び第2端子131、132の内部電極はそれぞれ、第1カバー層131a‐2及び第2カバー層132a‐2を含むことができる。
図3に示すように、第1及び第2カバー層131a‐2、132a‐2の各々は、第1及び第2シード層131a‐1、132a‐1を覆うように延在する第1及び第2抵抗層121、122の他方の端部をさらに上から覆うように形成することができる。
【0046】
また、第1及び第2カバー層131a‐2、132a‐2は、第1及び第2シード層131a‐1、132a‐1と接続されるように形成することができる。
【0047】
図4を参照すると、第1及び第2シード層131a‐1、132a‐1と接続される第1及び第2カバー層131a‐2、132a‐2がそれぞれ第1及び第2抵抗層の他方の端部(第1及び第2抵抗層121、122の構成部分のうち、第1及び第2シード層131a‐1、132a‐1を覆うように延在する端部)を覆うように形成されていることを確認することができる。
【0048】
これにより、第1及び第2内部電極は、第1及び第2抵抗層121、122の上記他方の端部を少なくとも部分的に囲む構造を実現するために、断面形状がI字状となるように形成され、その結果、第1及び第2内部電極と第1及び第2抵抗層121、122との間の接触面積を極大化することが可能となる。これにより、第1及び第2抵抗層121、122で発生する熱をベース基材110に効果的に伝達することが可能となる。
【0049】
図3および
図4に示す抵抗素子100Aおよび100A'に関するその他の構成及び機能は、
図1及び
図2を参照して説明した抵抗素子100と同様の構成及び機能であるため、重複する説明は省略する。
【0050】
図5は本発明の一実施形態による抵抗素子の実装基板を示す斜視図であり、
図6は
図5に示す実装基板をII−II'線に沿った切断面で切って見た場合の断面図である。
【0051】
図5及び
図6を参照すると、本発明の一実施形態による抵抗素子の実装基板10は、互いに離隔して配置された複数の電極パッド及び抵抗素子100が実装された回路基板11を含む。
【0052】
上記抵抗素子100は、ベース基材110と、上記ベース基材110の一方の主面上に互いに分離して配置された第1及び第2端子131、132と、上記第1端子131と第2端子132との間に配置された第3端子133と、上記第1端子と上記第3端子との間及び上記第2端子と上記第3端子との間にそれぞれ配置され、互いに離隔して設けられた第1及び第2抵抗層121、122と、を含む。
【0053】
また、上記第3端子133は、第1及び第2抵抗層121、122の一方の端部において第1及び第2抵抗層121、122の上面及び下面の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0054】
上記抵抗素子100は、
図1〜
図4を参照して説明した抵抗素子100、100A及び100A'と同様の構成であるため、重複した説明は省略する。
【0055】
回路基板11は電子回路が形成される部分であって、電子機器における特定の作動や制御を実現するための集積回路(IC)などが形成され、別途設けた電源から供給される電流が流れるようにすることができる。
【0056】
この場合、回路基板11は、様々な配線ラインを含むか、またはトランジスターなどのような他の種類の半導体素子をさらに含むことができる。また、回路基板11は、導電層または誘電層を含むなど、必要に応じて多様に構成することができる。
【0057】
第1〜第3電極パッド12、13、14は回路基板11上において互いに離隔される形で配置されるものであって、半田15を介して抵抗素子100の第1〜第3端子131、132、133とそれぞれ電気的に接続されるようにすることができる。
【0058】
図5及び
図6では、第1電極パッド12が第1端子131と接続され、第2電極パッド13が第2端子132と接続されると示したが、設計を変更することにより、第1電極パッド12が第2端子132と接続され、第2電極パッド13が第1端子131と接続されるようにすることもできる。
【0059】
上述のように、第3端子133は第1及び第2抵抗層121、122のそれぞれの一方の端部を少なくとも部分的に囲むような構造を有するため、第3端子133と第1及び第2抵抗層121、122との間の接触面積を極大化することが可能となる。これにより、第1及び第2抵抗層121、122で発生する熱をベース基材110だけでなく回路基板11にも効果的に伝達することができる。
【0060】
また、第3端子133の表面積が広くなるため、半田15を用いて第3端子133を第3電極パッド14と接合する際に、第3端子133と第3電極パッド14との間に充分な接合面積を確保することが可能となり、回路基板11と抵抗素子100との間の固着強度を向上させることが可能となる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0062】
100、100A、100A' 抵抗素子
110 ベース基材
121、122 抵抗層
131、132、133 第1〜第3端子
140 保護層
10 抵抗素子の実装基板
11 回路基板
12、13、14 第1〜第3電極パッド
15 半田