特開2018-68788(P2018-68788A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-68788(P2018-68788A)
(43)【公開日】2018年5月10日
(54)【発明の名称】引出し
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/969 20170101AFI20180406BHJP
   A47B 77/04 20060101ALI20180406BHJP
【FI】
   A47B88/20
   A47B77/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-213908(P2016-213908)
(22)【出願日】2016年10月31日
(71)【出願人】
【識別番号】313014077
【氏名又は名称】トクラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100086807
【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(72)【発明者】
【氏名】春田 悠貴
(72)【発明者】
【氏名】川路 鯛喜
【テーマコード(参考)】
3B060
【Fターム(参考)】
3B060EC01
3B060MB04
(57)【要約】
【課題】収容物を取り出し易い引出しを提供する。
【解決手段】キャビネット本体15に引き出し可能に設けられた引出し20において、収容物Wを載置するための可撓性シート50を備え、可撓性シート50の後端部がキャビネット本体15に取り付けられ、可撓性シート50の前端部が引出し20に取り付けられ、可撓性シート50のうち引出し20内に配置された領域が、引出し20を収容したときに垂下し、引出し20を引き出したときに上方へ移動するように構成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット本体に引き出し可能に設けられた引出しにおいて、
収容物を載置するための可撓性シートを備え、
前記可撓性シートの後端部が前記キャビネット本体に取り付けられ、前記可撓性シートの前端部が前記引出しに取り付けられ、
前記可撓性シートのうち前記引出し内に配置された領域が、前記引出しを収容したときに垂下し、前記引出しを引き出したときに上方へ移動することを特徴とする、引出し。
【請求項2】
前記引出しの左右の側板間に、奥行き方向に取付位置を変更可能な支持バーが架け渡され、
前記可撓性シートの前端部が前記支持バーに取り付けられる、請求項1に記載の引出し。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネット本体に引き出し可能に設けられた引出しに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチン等に設置されるキャビネットには、キャビネット本体に引出しが設けられている。引出しとして、特許文献1には、引出し内をシート状の仕切りで仕切ることで、効率良く収納物を収容できるようにした収納家具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−223876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シート状の仕切りを使用した従来の引出しでは、シート状の仕切りに収容物を載せて収容しても仕切りは上下しないため、収容物を取り出すには手を伸ばす必要があり、収容物を取り出し難い。
【0005】
そこで本発明は、収容物を取り出し易い引出しを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本発明は、キャビネット本体に引き出し可能に設けられた引出しにおいて、収容物を載置するための可撓性シートを備え、可撓性シートの後端部がキャビネット本体に取り付けられ、可撓性シートの前端部が引出しに取り付けられ、可撓性シートのうち引出し内に配置された領域が、引出しを収容したときに垂下し、引出しを引き出したときに上方へ移動することを特徴とする。
【0007】
引出しにおいて、引出しの左右の側板間に、奥行き方向に取付位置を変更可能な支持バーが架け渡され、前記可撓性シートの前端部が前記支持バーに取り付けられる構成であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、可撓性シートの後端部がキャビネット本体に取り付けられ、可撓性シートの前端部が引出しに取り付けられ、可撓性シートのうち引出し内に配置された領域が、引出しを収容したときに垂下し、引出しを引き出したときに上方へ移動する。そのため引出しを引き出したことにより、可撓性シートに載置された収容物を上方に移動させることができ、収容物を容易に取り出すことができる。
【0009】
引出しの左右の側部間に奥行き方向に取付位置を変更可能な支持バーが架け渡され、可撓性シートの前端部が支持バーに取り付けられる構成にすれば、支持バーの取付位置を変更することにより垂下部の位置や大きさを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るシステムキッチンを示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る引出しを収容した状態を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿う断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る引出しを収容した状態を示し、図2(b)のB−B線に沿う断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る引出しにおいて支持バーに可撓性シートを装着する形態を示す斜視図であり、(a)は装着前の状態を示し、(b)は装着後の状態を示す。
図5】本発明の実施形態に係る引出しが取り付けられたキャビネット本体に支持バーを装着する形態を示す斜視図であり、(a)は装着前の状態を示し、(b)は装着後の状態を示す。
図6】本発明の実施形態に係る引出しを引き出した状態を示し、(a)は平面図、(b)はC−C線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら詳細に説明する。図中、矢印Xは幅方向を示し、矢印Yは前後方向を示し、矢印Zは上下方向を示す。本実施形態のシステムキッチン10は、図1に示すように、シンクキャビネット11、加熱調理器キャビネット12及び中間キャビネット13を備えている。各キャビネットは、キャビネット本体15に引出し20が設けられて構成されている。以下では、中間キャビネット13の引出し20の例を用いて説明する。
【0012】
本実施形態での引出し20は、図1乃至図3に示すように、底板21と、前方に設けられた化粧板からなる前板22と、後方に設けられた背板23と、幅方向の左右両側に設けられた側板24としての一対の側面部材25と前板22と背板23とを繋ぐパイプ部材37aと、を備えている。
【0013】
引出し20の底板21における幅方向の両側縁には引出側レール部材27が設けられている。キャビネット本体15の側板16にはキャビネット側レール部材17が設けられている。キャビネット側レール部材17に引出側レール部材27がスライド可能に支持されている。
【0014】
このようなキャビネット本体15に引き出し可能に設けられた引出し20において、収容物Wを載置するための可撓性シート50が装着されている。可撓性シート50の後端部がキャビネット本体15に取り付けられ、可撓性シート50の前端部が引出し20に取り付けられている。可撓性シート50の前端部及び後端部には支持バー40が装着されている。キャビネット本体15には、支持バー40を取り付けるためのキャビネット側取付部35が設けられ、引出し20には支持バー40を取り付けるための引出し側取付部37が設けられている。
【0015】
可撓性シート50は、支持バー40を引出し20の底板21よりも上方に配置することで後方が垂下して垂下部51を形成可能な可撓性を有するとともに、垂下部51に収容物Wを載置して支持可能な強度を有する薄肉材料からなる。可撓性シート50の素材として、綿、麻の天然繊維、合成繊維からなる織物を使用してもよい。可撓性シート50は、前端部及び後端部にて支持バー40に支持され、引出し20が収容された状態で引出し20内に所望の収容空間としての垂下部51を形成し、引出し20を引き出し可能な位置まで引き出すことが可能な大きさの略長方形を有する。また、可撓性シート50の幅は、本実施形態では、引出し20の側面部材25、25の内側間の距離とほぼ同じである。
【0016】
支持バー40には支持部46が軸方向に設けられ、支持部46が可撓性シート50前後の各端部すなわち、可撓性シート50の前後の辺を着脱自在に支持する。支持部46は、図4に示すように、支持バー40の軸方向に沿って連続して設けられた中空部46aと、支持バー40の軸方向に沿って連続して設けられて中空部46aに連通したスリット46bと、を有する。一方、可撓性シート50の前後の各端部には厚肉部52が設けられている。厚肉部52は、可撓性シート50の本体を形成するシート材に対してテープを取り付けてシート材よりも厚みを持たせることで形成してもよい。可撓性シート50を支持部46に係止させるには、支持バー40の左右何れかの端部から可撓性シート50の厚肉部52を中空部46aに挿入し、可撓性シート50において厚肉部52に隣接した隣接部53をスリット46bに挿入する。そして可撓性シート50の厚肉部52及び隣接部53を軸方向に摺動させて、適切な位置に配置する。
【0017】
キャビネット側取付部35は、キャビネット本体15の左右の側板16に対向するように設けられている。キャビネット側取付部35は、図2及び図5に示すように、側板16に固定されたパッド部35aと、パッド部35aに固定されて上向きに開口するフック部35bと、を備えている。左右の側板16に固定されたキャビネット側取付部35のフック部35bの間に、一方の支持バー40aが架け渡されて装着される。詳細な図示は省略しているが一方の支持バー40aはフック部35bから離脱不能に係合されていることが好ましい。
【0018】
引出し側取付部37は、パイプ部材37aが引出し20の側面部材25よりも上方位置において前板22と背板23との間に架け渡され、パイプ部材37aには、図3に示すように前後に移動させて固定可能な取付ブロック37bが装着されている。他方の支持バー40bは、左右の取付ブロック37bに取り付けて固定されている。これにより他方の支持バー40bが引出し20の左右の側部24間に架け渡されて配置される。他方の支持バー40bが引出し20の側面部材25の上端よりも上方の位置に配置され、他方の支持バー40bが引出し側取付部37を固定し他方の支持バー40bが可撓性シート50の前端部を支持するため、引出し20を収容した状態では可撓性シート50が引出し20内に垂下して垂下部51を形成する。
【0019】
この実施形態では、引出し側取付部37とキャビネット側取付部35との位置関係は次のような作用を奏するように設定される。第1に、引出し20を収容した状態で引出し20内に垂下部51が形成される。第2に、引出し20を引き出したときには、可撓性シート50のうち垂下部51を形成する領域がキャビネット本体15の前側へ引き出されることで上方へ移動する。
【0020】
具体的には、引出し20を収容した状態では、可撓性シート50の後端部が可撓性シート50の前端部より後方に配置され、かつ可撓性シート50の前端部よりも高い位置に配置されるように、引出し側取付部37とキャビネット側取付部35とが取り付けられている。すなわち、可撓性シート50の後端部は、引出し20の開閉により可撓性シート50の前端部が移動する領域よりも後方かつ上方となるようにキャビネット本体15に取り付けられている。
【0021】
このような引出し20に収容物を収容する方法について説明する。
可撓性シート50の後端部を一方の支持バー40aに係止させ、可撓性シート50の前端部を他方の支持バー40bに係止させる。
キャビネット10の側板16に取り付けられているキャビネット側取付部35に一方の支持バー40aを取り付けて固定する。
引出し20の幅方向両側の側面部材25において引出し側取付部37に他方の支持バー40bを取り付けて固定する。その際、引出し20を閉じたときに他方の支持バー40bの後方に所望の大きさの垂下部51が形成されるように、左右のパイプ部材37aに取付ブロック37bの位置を調整して固定する。
そして、図6に示すように、引出し20を引き出して可撓性シート50の前端部をキャビネット本体15よりも前に引き出すことで、可撓性シート50のうち引出し20内に配置された領域が上方に移動する。この状態で可撓性シート50上に収容物Wを載置する。
その後引出し20を閉じると、図2に示すように、引出し20内において他方の支持バー40bの後方に配置された可撓性シート50の領域が垂下して垂下部51が形成される。そのため収容物Wが可撓性シート50上で下降し、垂下部51に安定して収容される。
さらにその後、図6に示すように、引出し20を引き出すと、可撓性シート50がキャビネット本体15と引出し20との間で引っ張られることで、垂下部51を形成している可撓性シート50の領域が上昇する。その結果、垂下部51に収容されていた収容物Wが上昇し、収容物Wを容易に取り出すことができる。
【0022】
本実施形態の引出し20によれば、可撓性シート50の後端部がキャビネット本体15に取り付けられ、可撓性シート50の前端部が引出し20に取り付けられ、可撓性シート50のうち引出し20内に配置された領域が、引出し20を収容したときに垂下し、引出し20を引き出したときに上方へ移動する。そのため引出し20を引き出すことにより、可撓性シート50に載置された収容物Wを上方に移動させることができ、収容物Wを容易に取り出すことができる。
【0023】
本実施形態によれば、引出し20の左右の側部間に他方の支持バー40bが架け渡され、引出し20が収容している状態では他方の支持バー40bの後方に可撓性シート50による垂下部51が形成されている。引出し20が引き出されることにより、垂下部51を形成した可撓性シート50の領域がキャビネット本体15の前側へ引き出されることで上方へ移動する。そのため他方の支持バー40bの設置位置を変更することで、収容物Wを挿入して載置可能な垂下部51の位置や大きさを設定することができ、その結果、収容物Wをより容易に取り出すことができる。
【符号の説明】
【0024】
W 収容物
Wa 突出部
X 幅方向
Y 前後方向
Z 上下方向
10 キャビネット
11 シンクキャビネット
12 加熱調理器キャビネット
13 中間キャビネット
15 キャビネット本体
16 側板
17 キャビネット側レール部材
20 引出し
21 底板
22 前板
23 背板
24 側部
25 側面部材
27 引出側レール部材
35 キャビネット側取付部
35a パッド部
35b フック部
37 引出し側取付部
37a パイプ部材
37b 取付ブロック
40,40a,40b 支持バー
42a 内側摺動片
42b ピン
43 外側摺動駒
43a 外側摺動片
43b 挿入部
43c 貫通孔
46 支持部
46a 中空部
46b スリット
50 可撓性シート
51 垂下部
52 厚肉部
53 隣接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6