【解決手段】スタッドピン1は、ボディ2と、ボディ2の先端側から突出するシャフト5と、ボディ2の基端側に設けられた台座部4とを備える。台座部4は、シャフト5が延びる方向から見て図心Pを通り互いに直交する縦軸Yと横軸Xを有し、横軸X方向と縦軸Y方向の長さが異なり、縦軸Y方向において両端部の少なくとも一方には突出部11が設けられている。突出部11は、縦軸Yについて対称に形成された2つの傾斜部10によって構成され、傾斜部10と縦軸Yとの間でなされる角度θは鋭角である。
前記台座部の前記2つの傾斜部は、前記シャフトが延びる方向から見て、前記横軸に対して片側に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスタッドピン。
ボディと、前記ボディの先端側から突出するシャフトと、前記ボディの基端側に設けられ、前記シャフトが延びる方向から見て図心を通り互いに直交する縦軸と横軸を有し、前記横軸方向よりも前記縦軸方向に長く形成された台座部とを備えたスタッドピンと、
トレッド部に形成され、前記スタッドピンが装着されるピン穴と、
を備え、
前記台座部の前記縦軸方向とタイヤ回転方向が一致するように前記スタッドピンが前記ピン穴に装着されている空気入りタイヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のスタッドピンでは、台座部の形状を工夫してタイヤへの保持性を改良することについては考慮されていない。
【0005】
本発明は、タイヤへの保持性を改良したスタッドピンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
ボディと、
前記ボディの先端側から突出するシャフトと、
前記ボディの基端側に設けられた台座部と、
を備えたスタッドピンであって、
前記台座部は、前記シャフトが延びる方向から見て図心を通り互いに直交する縦軸と横軸を有し、前記横軸方向と前記縦軸方向の長さが異なり、前記縦軸方向において両端部の少なくとも一方には突出部が設けられており、
前記突出部は、前記縦軸について対称に形成された2つの傾斜部によって構成され、前記傾斜部と前記縦軸との間でなされる角度は鋭角であるスタッドピンを提供する。
【0007】
この構成によれば、台座部が縦横いずれかに長く形成されているので、スタッドピンをタイヤに装着した際に縦横長く形成された方向に台座部が強く締め付けられる。そのため、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。また、縦軸方向の端部には突出部が設けられているので、スタッドピンをタイヤに装着した際に突出部がタイヤに食い込み、その反力でスタッドピンが強く締め付けられる。そのため、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。特に、傾斜部と縦軸との間でなされる角度が鋭角であるため、突出部のタイヤへの食い込み量を大きくすることができ、重量の増加も抑制できる。また、2つの傾斜部が縦軸について対称な形状であるため、横軸方向において、それぞれ反対方向の力が台座部に作用したときにそれぞれ同様の保持性を発揮できる。
【0008】
前記台座部は、前記横軸方向よりも前記縦軸方向に長く形成されていてもよい。
【0009】
この構成によれば、台座部が縦長に形成されているため、スタッドピンをタイヤに装着した際に縦軸方向に台座部が強く締め付けられる。さらに強く締め付けられる縦軸方向の端部に突出部が設けられているため、突出部が強くタイヤに食い込み、その反力でスタッドピンがより強く締め付けられる。そのため、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。
【0010】
前記台座部は、前記シャフトが延びる方向から見て、前記横軸について非対称な形状であってもよい。
【0011】
この構成によれば、台座部の形状が横軸に対して非対称であるので、スタッドピンをタイヤに装着した際に縦軸方向の両端部で異なる締め付け力を受ける。締め付け力に異方性が発生するため、様々な方向に抜け難くでき、タイヤへの保持性を改良できる。
【0012】
前記台座部の前記2つの傾斜部は、前記シャフトが延びる方向から見て、前記横軸に対して片側に設けられていてもよい。
【0013】
この構成によれば、台座部の傾斜部が横軸に対して片側に設けられていることで、多くの場合、シャフトが延びる方向から見て台座部の傾斜部がボディよりも外側に配置される。台座部の傾斜部がボディよりも外側に配置されるため、スタッドピンがタイヤから抜けようとする際に台座部の傾斜部が引っ掛かり、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。
【0014】
前記台座部の前記突出部は、前記縦軸方向の前記両端部のいずれか一方に形成されており、
前記突出部が形成されていない側の端部には、前記シャフトが延びる方向から見て、前記横軸と平行な平坦部が設けられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、台座部に平坦部が設けられているため、平坦部とそれ以外の部分との境界に角部が形成される。角部がスタッドピンの抜けに対して引っ掛かるため、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。また、台座部の平坦部が横軸と平行であることで、スタッドピンに横軸に対して傾斜した方向に力が加えられた際、角部が引っ掛かり、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。
【0016】
前記台座部は、前記傾斜部および前記平坦部を接続する2つの円弧部をさらに有し、
前記台座部の外形は、前記突出部と、前記2つの傾斜部と、前記2つの円弧部と、前記平坦部とによって画定されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、台座部は、突出部、2つの傾斜部、2つの円弧部、および平坦部によって外形を画定されている。そのため、タイヤへの保持性を改良した具体的な形状例を規定できる。
【0018】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
ボディと、前記ボディの先端側から突出するシャフトと、前記ボディの基端側に設けられ、前記シャフトが延びる方向から見て図心を通り互いに直交する縦軸と横軸を有し、前記横軸方向よりも前記縦軸方向に長く形成された台座部とを備えたスタッドピンと、
トレッド部に形成され、前記スタッドピンが装着されるピン穴と、
を備え、
前記台座部の前記縦軸方向とタイヤ回転方向が一致するように前記スタッドピンが前記ピン穴に装着されている空気入りタイヤを提供する。
【0019】
この構成によれば、台座部の縦軸方向とタイヤ回転方向が一致するようにスタッドピンがピン穴に装着されているため、通常タイヤ回転方向に大きく伸縮するタイヤに対し、タイヤ回転方向に強くスタッドピンが締め付けられ、タイヤへの保持性を改良できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スタッドピンの台座部を縦長形状とし、その端部に突出部を設けたため、タイヤに装着した際にスタッドピンが強く締め付けられる。そのため、タイヤへの保持性を改良できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致するものではない。
【0023】
図1及び
図2は、第1実施形態に係るスタッドピン1を示す。スタッドピン1は、アルミニウム、アルミニウム合金等を成形加工等により形成したもので、ボディ2と、このボディ2の下方側に続くシャンク3と、さらにその下方側に続く台座部4と、ボディ2の上面中央部に設けられるシャフト5とで構成されている。換言すれば、スタッドピン1は、ボディ2と、ボディ2の先端側から突出するシャフト5と、ボディ2の基端側に設けられたシャンク3および台座部4とを備える。
【0024】
ボディ2は、ほぼ円柱状であるが、外周面の一部には軸心と平行な側面6が形成されている。なお、
図9を参照して後述するように、完全な円柱状であってもよい。
【0025】
また、ボディ2の上面外縁部はテーパ面7で構成されている。テーパ面7は、スタッドピン1を空気入りタイヤ(スタッドタイヤ)に装着し、路面を走行した際、路面に接触する最初の領域となる。ここでは、側面6の上端縁部に形成されるテーパ面7(ボディ側エッジ部8)が最初に路面に衝突する領域となる。したがって、ボディ側エッジ部8が路面に衝突する際、面当たりとなる。但し、路面に対して尖った部分が衝突しないようにできるのであれば、ここで言うテーパ面7には多少の湾曲面形状を含むものと解する。また、ボディ側エッジ部以外の部分は円弧状に限らず、複数の線分で繋がった多角形状の一部で構成してもよい。但し、線分の長さは、ボディ側エッジ部8よりも短くする必要がある。
【0026】
さらに、ボディ2では、平面視で、円柱部分の直径L1とボディ側エッジ部8の長さL2との関係は、1/4<L2/L1<3/4を満足するように設定されている。1/4以下では、接地時の部分的な接触圧が大きくなり過ぎ、3/4以上では、接地時に破損しやすくなる。
【0027】
図3に示すように、台座部4は、平面視で、即ちシャフト5が延びる方向から見て図心Pを通り互いに直交する縦軸Yと横軸Xを有している。台座部4は、縦軸Y方向の最大長さaと横軸X方向の最大長さbがa>bを満足する縦長形状に形成されている。ただし、台座部4は、必ずしも縦長形状に形成されている必要はなく、横長形状であってもよい。
【0028】
台座部4の縦軸Y方向の一端側には、平面視で横軸Xと平行であり、即ちボディ2の側面6と平行な平坦部9が形成されている。台座部4の縦軸Y方向の他端側には、2つの傾斜部10によって三角形状に突出する突出部11が形成されている。従って、台座部4は、横軸Xについて非対称な形状である。これに対し、2つの傾斜部10は縦軸Yを挟んで左右対称である。さらに、傾斜部10が縦軸Yとなす角度θは、鋭角(90°未満)となるように設定されている。
【0029】
台座部4の2つの傾斜部10は、平面視で横軸Xに対して片側に設けられている。換言すれば、台座部4の2つの傾斜部10は、横軸Xを超えて形成されないような所定の長さかつ所定の角度θをもって設けられている。
【0030】
また、平坦部9と各傾斜部10とを結ぶ2箇所が円弧部12となる。つまり、平面視における台座部4の外形は、突出部11と、2つの傾斜部10と、2つの円弧部12と、平坦部9とによって画定されている。なお、台座部4の外縁部下面にはテーパ面13が形成されている(
図2参照)。
【0031】
台座部4の形状は、ここで記載した形状に限定されず、円形、多角形等、平面視でボディ2よりも外径側に広がっているのであれば、種々の形態とすることができる。
【0032】
シャフト5は、平面視奇数角形(ここでは、五角形)をした第1突部14を備えている。第1突部14の1つの辺(エッジ)を含む第1エッジ部15は、ボディ2の側面6と平行な平面である。第1エッジ部15は、ボディ側エッジ部8の長さよりも短く設定されている。また、第1エッジ部15に隣接する両側の第2エッジ部16及び第3エッジ部17は、台座部4の円弧部分に対向している。さらに、第2エッジ部16に隣接する第4エッジ部18と、第3エッジ部17に隣接する第5エッジ部19は、台座部4の各傾斜部10に対向している。
【0033】
第1突部14の上面には第2突部20が形成されている。第2突部20は平面視矩形状で、その長辺の一方が第1突部14の第1エッジ部15と平行な第6エッジ部21となっている。但し、第2突部20の他のエッジ部(第7エッジ部22、第8エッジ部23及び第9エッジ部24)は第1突部14の他のエッジ部とは延びる方向が相違している。
【0034】
また、シャフト5は、その軸心がボディ2の軸心と合致するように設けられている。これにより、ボディ2の外縁からシャフト5までに全方位で十分な距離を確保することができる。また、第1突部14に比べて第2突部20のエッジ部の数を少なくしている。具体的に、第1突部14では5箇所、第2突部20では4箇所としている。さらにここでは、シャフト5の高さを0.5mm以上、2.5mm以下としている。0.5mm未満では、シャフト5としての機能を十分に発揮できないからであり、2.5mmを超えると、ボディ2よりも先にシャフト5が接地してしまい損傷しやすいからである。また、第1突部14に対する第2突部20の高さの比率を10%以上、80%以下としている。10%未満では、第2突部20のエッジ効果が不十分であり、80%を超えると、第1突部14のエッジ効果を十分に発揮できなくなる。
【0035】
このようにシャフト5を2段で形成することにより、エッジ長さの総計を大きくすることができ、十分なエッジ効果を発揮させることができる。しかも、路面には第1突部14と第2突部20の種々の方向に延びるエッジが衝突することになり、直進方向のみならず、コーナリング時等、種々の方向に対してエッジ効果を発揮させることができる。なお、シャフト5は3段以上で構成することも可能である。
【0036】
前記構成のスタッドピン1は、
図4に示すように、スタッドタイヤのトレッド部25に形成したピン穴26に装着して使用する。ピン穴26は、
図5に示すように、同一内径の小径部27と、その奥に形成された拡径部28とで構成されている。ピン穴26へのスタッドピン1の装着作業は、ピン打ち込み装置(図示せず)によって自動的に行う。この場合、台座部4の形状を円形等の点対称な形状ではなく、前述のような縦長の異形状としているため、その方向を容易に把握してピン穴26へと正確に装着することができる。スタッドピン1は、台座部4の縦軸Y方向とタイヤ回転方向が一致するようにピン穴26に装着される。さらにここでは、ボディ2の側面6がタイヤ蹴出側で、タイヤ周方向に直交してタイヤ幅方向に延びるように位置決めされている。この状態では、トレッド部25の表面からスタッドピン1のボディ2の上端部(テーパ面7)よりも上の部分が露出する。
【0037】
このようにタイヤに装着されたスタッドピン1によれば、走行する際、まずボディ2の上端部分のボディ側エッジ部8が路面に衝突する。ボディ側エッジ部8は、十分な長さと面積を有する。このため、ボディ側エッジ部8が路面に衝突しても、路面への単位面積当たりの衝撃力を抑制することができる。この結果、ドライ路面を走行する場合であっても、路面割れ等の不具合を回避することが可能となる。また、凍結した路面(氷面)を走行する際、ボディ側エッジ部8が路面に噛み込み、優れた駆動力を発揮する。
【0038】
続いて、シャフト5が路面に衝突する。この場合、ボディ2とシャフト5との間には十分な距離が確保されている。このため、路面にボディ2が衝突する前にシャフト5が衝突することが回避される。これにより、路面衝突時のシャフト5の損傷を防止することができる。
【0039】
また、路面に衝突するシャフト5は、2段で構成され、周囲の尖った辺の方向が第1突部14と第2突部20とで1箇所を除いて相違している。したがって、そのエッジ効果を十分に発揮させることができる。すなわち、直進であれば、第1エッジ部15が路面(氷面)に作用する。また、カーブを走行するコーナリング時であれば、第2エッジ部16又は第3エッジ部17が路面に対する横ずれを防止する。さらに、ブレーキを踏んだ際には、第4エッジ部18及び第5エッジ部19が路面に対して制動力を作用させる。
【0040】
路面走行時、スタッドピン1には、ボディ2やシャンク3を介してピン穴26から脱落させるような力が作用する場合がある。スタッドピン1では、ボディ2よりも小径となったシャンク3と、これに続くボディ2よりも大径となった台座部4とを備えており、その脱落が有効に防止される。
【0041】
本実施形態によれば、台座部4が縦長に形成されているので、スタッドピン1をタイヤに装着した際に縦軸Y方向に台座部4が強く締め付けられる。そのため、スタッドピン1のタイヤへの保持性を改良できる。また、縦軸Y方向の端部には突出部11が設けられているので、スタッドピン1をタイヤに装着した際に突出部11がタイヤに食い込み、その反力でスタッドピン1が強く締め付けられる。そのため、スタッドピン1のタイヤへの保持性を改良できる。特に、2つの傾斜部10が縦軸Yについて対称な形状であり、傾斜部10と縦軸Yとの間でなされる角度θが鋭角であるため、突出部11のタイヤへの食い込み量を大きくすることができ、重量の増加も抑制できる。
【0042】
また、台座部4の形状が横軸Xに対して非対称であるので、スタッドピン1をタイヤに装着した際に縦軸Y方向の両端部で異なる締め付け力を受ける。締め付け力に異方性が発生するため、様々な方向に抜け難くでき、タイヤへの保持性を改良できる。
【0043】
また、台座部4の傾斜部10が横軸Xに対して片側に設けられていることで、平面視で台座部4の傾斜部10がボディ2よりも外側に配置される。台座部4の傾斜部10がボディ2よりも外側に配置されるため、スタッドピン1がタイヤから抜けようとする際に台座部4の傾斜部10が引っ掛かり、スタッドピン1のタイヤへの保持性を改良できる。
【0044】
また、台座部4に平坦部9が設けられているため、平坦部9と円弧部12との境界Bに角部が形成される。境界Bの角部がスタッドピン1の抜けに対して引っ掛かるため、スタッドピン1のタイヤへの保持性を改良できる。また、台座部4の平坦部9が横軸Xと平行であることで、スタッドピン1に横軸に対して傾斜した方向に力が加えられた際、角部が引っ掛かり、スタッドピンのタイヤへの保持性を改良できる。
【0045】
また、台座部4は、突出部11、2つの傾斜部10、2つの円弧部12、および平坦部9によって平面視における外形を画定されている。このようにすることで、タイヤへの保持性を改良した具体的な形状例を規定できる。
【0046】
また、台座部4の縦軸Y方向とタイヤ回転方向が一致するようにスタッドピン1がピン穴26に装着されているため、通常タイヤ回転方向に大きく伸縮するタイヤに対し、タイヤ回転方向に強くスタッドピン1が締め付けられ、タイヤへの保持性を改良できる。
【0047】
図6は、本実施形態のスタッドピン1の第1変形例を示している。
【0048】
本変形例では、
図3に示す上記実施形態と比べて台座部4において平坦部9が小さく形成されている。また、台座部4の円弧部12は、曲率の異なる第1部分12aと、第2部分12bと、第3部分12cとを備える。本実施形態では、第1部分12aと第2部分12bと第3部分12cとは、円弧状である。即ち、円弧部12は、変化点C1,C2を境に曲率が変化しており、変化点C1,C2は角部を構成している。ただし、第1部分12aと第2部分12bと第3部分12cとは、円弧状に限らず、いずれか1つまたは2つが直線状であってもよいし、3つ全て直線状であってもよい。また、変化点C1は角部を構成する以外にも第1部分12aと第2部分12bとに接する円を構成してもよく、同様に変化点C2は角部を構成する以外にも第2部分12bと第3部分12cとに接する円を構成してもよい。
【0049】
本変形例によれば、スタッドピン1に対して横軸X方向またはその傾斜方向に力が加えられた際に、変化点C1,C2の角部が引っ掛かるため、スタッドピン1のタイヤへの保持性を改良できる。
【0050】
図7は、本実施形態のスタッドピン1の第2変形例を示している。
【0051】
本変形例では、
図3に示す上記実施形態と比べて台座部4において平坦部9が省略されており、2つの傾斜部10が1つの円弧部12で接続されている。
【0052】
本変形例のように、台座部4において、平坦部9は必須の構成ではなく、設けられていなくてもよい。平坦部9を省略することで、簡易な構成でスタッドピン1を形成できる。
【0053】
図8は、本実施形態のスタッドピン1の第3変形例を示している。
【0054】
本変形例では、
図3に示す上記実施形態と比べて台座部4において平坦部9が突出部11に置換されている。即ち、台座部4は、2つの突出部11を有する。本変形の台座部4は、横軸Xについて対称な形状を有している。
【0055】
本変形例のように、台座部4は、平坦部9を有していなくてもよく、縦軸Y方向の両端部に突出部11を有していてもよい。さらに言えば、台座部4は、横軸Xについて対称な形状であってもよい。
【0056】
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0057】
前記実施形態では、タイヤの蹴出側に、ボディ側エッジ部8を、タイヤ周方向と直交してタイヤ幅方向に延びるように配置したが、タイヤの踏込側に配置するようにしてもよい。これによれば、ボディ側エッジ部8により制動力を作用させやすくなる。
【0058】
さらに言えば、スタッドピン1のボディ2は、ボディ側エッジ部8を有さず、即ち外周面の一部に軸心と平行な側面6が形成されていなくてもよく、例えば
図9に示すような円柱形状であってもよい。