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特開2018-70057鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-70057(P2018-70057A)
(43)【公開日】2018年5月10日
(54)【発明の名称】鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 99/00 20090101AFI20180406BHJP
   B62J 35/00 20060101ALI20180406BHJP
   B62K 11/04 20060101ALI20180406BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20180406BHJP
   F02M 35/024 20060101ALI20180406BHJP
【FI】
   B62J99/00 G
   B62J35/00 A
   B62K11/04 E
   F02M35/16 N
   F02M35/024 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-215130(P2016-215130)
(22)【出願日】2016年11月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】濱澤 康平
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AF04
3D011AH01
3D011AK14
3D011AK23
3D011AL32
3D011AL34
3D011AL37
(57)【要約】
【課題】車幅の狭い車両において内燃機関の上方に配置するエアークリーナーの容量を大きくし、且つ内燃機関の上方に他の部品を適切に配置する。
【解決手段】
本発明の自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5は、ヘッドパイプ10から車幅方向に分岐して後斜め下方に延びる一対のメインフレーム11を含む車体フレーム2と、メインフレーム11の下方に配置される並列2気筒のエンジン4と、エンジン4の上方に配置され、ケース本体54およびキャップ部55を有するクリーナーケース50の内部に設けられたフィルターを含むエアークリーナー42と、を備え、エアークリーナー42は、平面から見て前記一対のメインフレーム11の間にて一対のメインフレーム11から離間して配置され、且つ側面から見てクリーナーケース50の合せ面Fの前側半分以上をメインフレーム11の上端よりも下方に位置させるように配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプから車幅方向に分岐して後斜め下方に延びる一対のメインフレームを含む車体フレームと、
前記メインフレームの下方に配置される並列2気筒の内燃機関と、
前記内燃機関の上方に配置され、ケース本体および前記ケース本体上に設けられたキャップ部を有するクリーナーケースと前記クリーナーケース内に設けられたフィルターとを含むエアークリーナーと、を備え、
前記エアークリーナーは、平面から見て前記一対のメインフレームの間にて前記一対のメインフレームから離間して配置され、且つ側面から見て前記ケース本体と前記キャップ部との合せ面の前側半分以上を前記メインフレームの上端よりも下方に位置させるように配置されていることを特徴とする鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造。
【請求項2】
前記エアークリーナーの上方に配置され、前記内燃機関に供給するための燃料を貯留する燃料タンクを更に備え、
前記燃料タンクは、
平面から見て前記一対のメインフレームの一部を覆うように形成される外側本体部と、
前記一対のメインフレームの車幅方向内側に対応する領域で前記外側本体部の下面から上方に窪む状態に形成される内側凹部と、を含み、
前記燃料タンクは、前記外側本体部と前記内側凹部との間に前記燃料を貯留する貯留空間を構成し、
前記エアークリーナーの上部は、前記内側凹部の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造。
【請求項3】
前記エアークリーナーは、側面から見て、前記ヘッドパイプの後方に配置され、且つ前記合せ面を前記ヘッドパイプの上端よりも下方に位置させるように配置され、
前記ケース本体および前記キャップ部のそれぞれの前端部には、前記キャップ部を前記ケース本体に対して回動可能に支持させる係合構造が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造。
【請求項4】
前記車体フレームは、前記ヘッドパイプの上下両端部と前記一対のメインフレームとを連結する上下一対の補強部材を更に含み、
前記エアークリーナーは、前記クリーナーケース内に外気を取り込むように前記クリーナーケースの前面に設けられるインレットチューブを更に含み、
前記インレットチューブの開口部は、前記ヘッドパイプの後方、且つ前記上下一対の補強部材の間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造。
【請求項5】
前記クリーナーケースの上面に配置される電装部材を更に備え、
前記エアークリーナーは、前記クリーナーケース内に取り込まれ、前記フィルターを通過した外気を前記内燃機関に向けて供給する2つのアウトレットチューブを更に含み、
前記2つのアウトレットチューブは、前記クリーナーケースの後部で車幅方向に並んで設けられ、
前記クリーナーケースの後面には、前記電装部材から延びる配線を通すための配線溝が前記2つのアウトレットチューブの間に向けて窪む状態に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車等の鞍乗型車両は、内燃機関において燃焼に用いる空気に含まれる異物を除去するエアークリーナーを備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ヘッドパイプに接続され後方に延びた左右一対のメインフレームと、メインフレームの下方に懸架された並列4気筒エンジンと、エンジンの上方に配置されたエアークリーナーと、を備えた自動二輪車が開示されている。エアークリーナーは、左右一対のメインフレームの間に配置されている。エアークリーナーは、アッパケースとロアケースとで上下2分割に構成されている。アッパケースとロアケースとの継ぎ目は、側面から見てメインフレームの上端よりも上方に位置している。エアークリーナーの上方には、燃料タンクが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5742136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の自動二輪車は、エアークリーナーで清浄化された空気が上方から下方に流れてエンジンに流入する所謂ダウンドラフト形式の吸気系を採用していた。この自動二輪車は並列4気筒エンジンを備えており、車幅が広い。それゆえ、エンジンの上方に大容量のエアークリーナーを配置することができた。
【0006】
しかしながら、例えば、並列2気筒エンジンを備えた車幅の狭い鞍乗型車両にダウンドラフト形式の吸気系を採用する場合、エンジン上方の空間が狭いため、エンジン上方に大容量のエアークリーナーを配置することは困難である。
【0007】
また、スポーツタイプの鞍乗型車両は高出力のエンジンが求められ、エンジン出力に見合った大容量のエアークリーナーが求められる。しかしながら、ダウンドラフト形式の吸気系が採用されるスポーツタイプの鞍乗型車両は、操縦性を考慮して車幅を小さく抑えることが求められ、さらに車両を小型化する場合には、エンジン上方の空間は極めて狭くなる。その結果、エンジン出力に見合った大容量のエアークリーナーを配置することは容易でない。
【0008】
また、車幅の狭い鞍乗型車両において、エンジン上方にエアークリーナーを配置すると、エンジン上方において大きな空間がエアークリーナーによって奪われるため、エンジン上方に他の部品を適切に配置することが難しくなる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、車幅の狭い車両においてエアークリーナーを内燃機関の上方に配置する場合でも、エアークリーナーの容量を大きくすることができ、且つ内燃機関の上方に他の部品を適切に配置することができる鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造は、ヘッドパイプから車幅方向に分岐して後斜め下方に延びる一対のメインフレームを含む車体フレームと、前記メインフレームの下方に配置される並列2気筒の内燃機関と、前記内燃機関の上方に配置され、ケース本体および前記ケース本体上に設けられたキャップ部を有するクリーナーケースと前記クリーナーケース内に設けられたフィルターとを含むエアークリーナーと、を備え、前記エアークリーナーは、平面から見て前記一対のメインフレームの間にて前記一対のメインフレームから離間して配置され、且つ側面から見て前記ケース本体と前記キャップ部との合せ面の前側半分以上を前記メインフレームの上端よりも下方に位置させるように配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車幅の狭い車両においてエアークリーナーを内燃機関の上方に配置する場合でも、エアークリーナーの容量を大きくすることができ、且つ内燃機関の上方に他の部品を適切に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る自動二輪車を示す側面図である。
図2】本発明の実施例に係る自動二輪車の要部を示す側面図である。
図3】本発明の実施例に係る自動二輪車の要部を示す正面図である。
図4】本発明の実施例に係る自動二輪車の要部を示す平面図である。
図5】本発明の実施例に係る自動二輪車のエアークリーナー配置構造を示す側面図である。
図6】本発明の実施例に係るエアークリーナーを示す斜視図である。
図7】本発明の実施例に係るエアークリーナーを示す断面図である。
図8】本発明の実施例に係るエアークリーナーのケース本体等を示す平面図である。
図9図5のIX−IX断面図である。
図10】本発明の実施例に係る自動二輪車のエアークリーナー配置構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るエアークリーナー配置構造は、自動二輪車、自動三輪車、バギー車等の鞍乗型車両に設けられる。鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造は、内燃機関において燃焼に用いる空気から異物を除去するエアークリーナーの配置に関するものである。
【0014】
本実施形態に係る鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造は、車体フレームと、内燃機関と、エアークリーナーと、を備えている。
【0015】
車体フレームは、鞍乗型車両の骨格を構成するものである。車体フレームは、ヘッドパイプと、メインフレームと、を含んでいる。メインフレームは、鞍乗型車両の前部上側に配置されたヘッドパイプから車幅方向に分岐して後斜め下方に延びている。
【0016】
内燃機関は、燃料を燃焼させて動力を取り出す機関である。内燃機関は、メインフレームの下方に配置される並列2気筒のエンジンである。
【0017】
エアークリーナーは、吸入した空気に含まれる異物を取り除くための装置である。エアークリーナーは、内燃機関の上方に配置されている。エアークリーナーは、ケース本体およびケース本体上に設けられたキャップ部を有するクリーナーケースと、クリーナーケース内に設けられたフィルターとを含んでいる。エアークリーナーで清浄化された空気は、上方から下方に流れ、燃料と混合されて内燃機関に流入する。つまり、この内燃機関は、所謂ダウンドラフト形式の吸気系を備えている。
【0018】
エアークリーナーは、平面から見て一対のメインフレームの間にて一対のメインフレームから離間して配置されている。その結果、エアークリーナーと一対のメインフレームとの間には、索状部材等を配線可能な程度の大きな幅を有する隙間が形成されている。エアークリーナーは、側面から見てケース本体とキャップ部との合せ面の前側半分以上をメインフレームの上端よりも下方に位置させるように配置されている。
【0019】
本実施形態に係る鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造によれば、エアークリーナーを並列2気筒の内燃機関の上方の空間に配置し、エアークリーナーの合せ面の前側半分以上を側面視でメインフレームの上端よりも下方に位置させることで、エアークリーナーの位置を下げることができる。これにより、エアークリーナーを上下方向に大きく形成することができる。したがって、エアークリーナーが車幅方向に大きくなることを抑えつつ、エアークリーナーの容量を大きくすることができる。
【0020】
また、鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造によれば、並列2気筒の内燃機関の上方の空間において、エアークリーナーと一対のメインフレームとの間に隙間を形成することで、その隙間に燃料ホース、ハーネス、ケーブル等の索状部材を配線することができる。これにより、その隙間において索状部材の配線にかかる自由度が向上し、索状部材が他の部品に接触して潰されることが抑制されるため、索状部材の耐久性を向上させることができる。また、この隙間において索状部材の配線を容易に行うことができる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例に係る鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造について説明する。
【0022】
まず、図1ないし図5を参照して、鞍乗型車両の一例としての自動二輪車1の全体構成について説明する。図1は自動二輪車1を示す側面図である。図2は自動二輪車1の要部を示す側面図である。図3は自動二輪車1の要部を示す正面図である。図4は自動二輪車1の要部を示す平面図である。図5は自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5を示す側面図である。なお、以下の説明において、前、後、左、右、上および下の方向は、自動二輪車1のシート32に着座した運転者を基準とする。
【0023】
図1に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム2と、車体カバー3と、エンジン4と、を備えて概略構成されている。車体フレーム2は、自動二輪車1の骨格を構成する。車体カバー3は、車体フレーム2等を覆うように設けられる。エンジン4は、車体フレーム2に搭載されている。
【0024】
図2ないし図4に示すように、車体フレーム2は、ヘッドパイプ10と、左右一対のメインフレーム11と、左右一対のピボットフレーム12と、左右一対のシートレール13と、左右一対のサイドフレーム14と、を含んでいる。
【0025】
ヘッドパイプ10は、車両の前部上側に配置され、ステアリングシャフト(図示せず)を回転可能に支持している。ステアリングシャフトは、ブラケット(図示せず)を介して左右一対のフロントフォーク15を支持している(図1参照)。フロントフォーク15の下端部には前輪16が回転可能に支持され、フロントフォーク15の上端部にはハンドルバー17が支持されている(図1参照)。
【0026】
左右一対のメインフレーム11は、ヘッドパイプ10から左右方向(車幅方向)に分岐して後斜め下方に延びている。メインフレーム11は、円形断面を有する上下一対のメインパイプ11U,11Dで構成されている。左右一対のメインフレーム11(メインパイプ11U)の上側には、燃料タンク30が設けられている。燃料タンク30は、エンジン4に供給するための燃料(例えばガソリン)を貯留している。
【0027】
左右一対のピボットフレーム12は、それぞれ、メインフレーム11の後部に連結され、メインフレーム11から下方に延びている(図2参照)。図1に示すように、左右一対のピボットフレーム12の間には、ピボット軸12aを介してスイングアーム18が上下方向に揺動可能に支持されている。スイングアーム18の後端部には、後輪19が回転可能に支持されている。ピボットフレーム12の上部とスイングアーム18との間には、リヤサスペンション31が架け渡して設けられている。
【0028】
図2に示すように、左右一対のシートレール13は、それぞれ、ピボットフレーム12の上端部(メインフレーム11の後部)に連結され、後斜め上方に延びている。左右一対のシートレール13の間には、フレームブリッジ13aが架け渡されて設けられている。左右一対のサイドフレーム14は、それぞれ、ピボットフレーム12の上部とシートレール13の後部との間に架け渡して設けられている。シートレール13とサイドフレーム14とは、円形断面を有するパイプで構成されている。
【0029】
左右一対のシートレール13の上側には、運転者が着座するためのシート32が設けられている(図1参照)。シート32は、燃料タンク30の後方に連なるように設けられている。シート32の下方には、様々な電気部品に電力を供給するバッテリー33が配置されている。
【0030】
図2ないし図4に示すように、メインフレーム11には、複数の補強部材が連結されている。複数の補強部材は、左右一対のロアーパイプ20と、左右一対の第1補強パイプ21と、左右一対の第2補強パイプ22と、アッパーパイプ23と、アッパープレート24と、ロアープレート25と、を含んでいる。
【0031】
一対のロアーパイプ20は、それぞれ、メインパイプ11Dに前端部に接続されている。ロアーパイプ20は、メインパイプ11Dから後斜め下方に向けて伸長している。一対の第1補強パイプ21は、それぞれ、ロアーパイプ20の下部とメインパイプ11Uの後部との間に架け渡して設けられている。正確には、第1補強パイプ21は、ロアーパイプ20とメインパイプ11Dとに接続され、且つ上下一対のメインパイプ11U,11Dの間に接続されている。一対の第2補強パイプ22は、それぞれ、ヘッドパイプ10の後方で、上下一対のメインパイプ11U,11Dの間に架け渡して設けられている。アッパーパイプ23は、ヘッドパイプ10の後方で左右一対のメインパイプ11Uの間に架け渡して設けられている(図4参照)。ロアーパイプ20、各補強パイプ21,22およびアッパーパイプ23は、円形断面を有するパイプで構成されている。
【0032】
アッパープレート24は、ヘッドパイプ10の上端部と左右一対のメインパイプ11Uとアッパーパイプ23との間に架け渡して設けられている。ロアープレート25は、ヘッドパイプ10の下端部と左右一対のメインパイプ11Dと左右一対のロアーパイプ20との間に架け渡して設けられている。アッパープレート24とロアープレート25とは、略板状に形成されている。
【0033】
図1に示すように、車体カバー3は、アッパーカウル3aと、アンダーカウル3bと、左右一対のシートカウル3cと、含んでいる。アッパーカウル3aは、フロントフォーク15の上部を覆うように設けられている。アンダーカウル3bは、アッパーカウル3aの下端に連結され、エンジン4の一部を覆うように設けられている。左右一対のシートカウル3cは、メインフレーム11とシートレール13とサイドフレーム14とを覆うように設けられている。シートカウル3cは、アッパーカウル3aの上部に連結され、燃料タンク30とシート32との下端に沿って後方に延びている。
【0034】
図2および図3に示すように、内燃機関の一例としてのエンジン4は、並列2気筒エンジンであって、メインフレーム11の下方に配置されている。エンジン4は、複数のブラケットを介してメインフレーム11およびピボットフレーム12に支持されている。また、エンジン4は、ボルトB1を介してロアーパイプ20の下端部に固定されている。さらに、エンジン4は、ピボット軸12aを介してスイングアーム18と共締めされ、車体フレーム2の構造部材として機能する(図1参照)。
【0035】
クランクケース40の内部には、クランクシャフト(図示せず)が回転可能に設けられている。各シリンダー41の内部には、コンロッド(図示せず)を介してクランクシャフトに連結されるピストン(図示せず)が設けられている。なお、2本のシリンダー41は略同一構造であるため、以下の説明では、主に1本のシリンダー41およびその周辺の部材について説明する。
【0036】
シリンダー41は、クランクケース40の上面にて前方に傾いた姿勢で設けられている。シリンダー41の上部には、シリンダーヘッド66が設けられ、シリンダーヘッド66の上部には、ヘッドカバー67が設けられている。
【0037】
シリンダー41(ヘッドカバー67)の上方には、空気に含まれる異物を取り除くためのエアークリーナー42が配置されている。エアークリーナー42は、燃料タンク30とシリンダー41との間に配置されている。エアークリーナー42は、左右一対のメインフレーム11の間に配置されている(図4参照)。
【0038】
図5に示すように、シリンダーヘッド66の後部には、吸気ポート43が形成されている。吸気ポート43には、スロットルボディ44が接続され、例えば、スロットルボディ43aの下流側には、インジェクター49が設けられている。
【0039】
スロットルボディ44は、その内部に設けられたスロットルバルブ(図示せず)によって、エアークリーナー42から吸気ポート43に供給される清浄空気の量を調整する装置である。スロットルボディ44は、エアークリーナー42の後部の直下に配置されている。スロットルボディ44は、エアークリーナー42の下面から下方に突出するアウトレットチューブ53に接続されている。このエンジン4は、清浄空気を上方から下方に流してシリンダー41内に供給する所謂ダウンドラフト形式の吸気系を備えている。インジェクター68は、燃料タンク30から供給された燃料を吸気ポート43に向けて噴射する装置である。インジェクター68は、デリバリーパイプ69を介して燃料タンク30に接続されている。
【0040】
図2に示すように、シリンダーヘッド66の前部には、排気管46を接続する排気ポート45が形成されている。排気管46は、Uターンして後方に伸長している。なお、2本のシリンダー41から伸長した2本の排気管46の後部は、1本に合流して排気マフラー47に接続されている。
【0041】
自動二輪車1は、スロットルボディ44、インジェクター68、その他の電子機器を制御する電装部材の一例としてのECU48(Engine Control Unit)を備えている(図4および図5参照)。ここで、エンジン4の作用について簡単に説明する。清浄空気は、エアークリーナー42からスロットルボディ44に流入し、インジェクター68から噴射された燃料と混合される。混合気は、吸気ポート43を介してシリンダー41内に供給される。エンジン4は、混合気をシリンダー41内で燃焼させてピストンを往復運動させる。ピストンの往復運動は、クランクシャフトの回転運動に変換され、ドライブチェーン等(図示せず)を介して後輪19を回転させる。燃焼後の排気ガスは、排気管46を通して排気マフラー47から外部に排気される。
【0042】
ところで、この自動二輪車1は、並列2気筒のエンジン4を採用することで車幅を小さく(狭く)構成されている。ところが、車幅の縮小に伴って、一対のメインフレーム11の間隔が狭くなるため、エンジン4の上方の空間が縮小する。このため、車幅の狭い車両においてエンジン4の上方に大容量のエアークリーナー42を配置することが困難であった。また、燃料タンク30の高さや幅の拡大を抑え、且つ燃料タンク30の容量を確保することが困難であった。ダウンドラフト形式の吸気系は、スポーツ性の高い自動二輪車1に採用されることが多く、大容量のエアークリーナー42が求められる。一方で、スポーツ性の高い自動二輪車1では操縦性を考慮して車幅を小さく抑えることが求められるため、エンジン4の上方の空間に大容量のエアークリーナー42やその他様々な部品を配置することが更に困難になっていた。また、ダウンドラフト形式の吸気系の場合、エンジン4と燃料タンク30との間にエアークリーナー42が配置されるため、車幅方向の寸法を小さく抑えながら必要な燃料タンク30の容量を確保することが困難であった。仮に、容量を確保するために燃料タンク30の幅や高さが増加した場合、運転者が適正なライディングポジションをとることができないという問題や、車両の重心が高くなるという問題が生じる。そこで、本実施例に係る自動二輪車1は、車幅の狭い車両のエンジン4の上方にエアークリーナー42を配置した場合でも、必要な性能を満たすようにエアークリーナー42および燃料タンク30のそれぞれの容量を大きくすることができるエアークリーナー配置構造5を備えている。
【0043】
図3ないし図5に示すように、自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5は、車体フレーム2、エンジン4、燃料タンク30、エアークリーナー42、ECU48で構成されている。これらの部材は、自動二輪車1を構成する部材であるが、本実施例では、エアークリーナー配置構造5を構成する部材でもある。以下、エアークリーナー配置構造5の説明に先立ち、エアークリーナー42および燃料タンク30の構造について説明する。
【0044】
まず、図6ないし図8を参照して、エアークリーナー42について説明する。図6はエアークリーナー42を示す斜視図である。図7はエアークリーナー42を示す断面図である。図8はエアークリーナー42のケース本体54等を示す平面図である。
【0045】
エアークリーナー42は、クリーナーケース50と、フィルター51と、インレットチューブ52と、2つのアウトレットチューブ53と、を含んでいる。
【0046】
クリーナーケース50は、例えば、合成樹脂製で略直方体状に形成されている。クリーナーケース50は、平面から見て前方から後方に向けて徐々に幅方向に狭く形成されている(図4参照)。クリーナーケース50は、ケース本体54とキャップ部55とを上下方向に分割可能に係合させる係合構造56を含んでいる。
【0047】
ケース本体54は、フィルター保持部54aと、チューブ保持部54bと、を含んでいる。フィルター保持部54aは、上面を開口させた略トレイ状に形成されている。フィルター保持部54aは、フィルター51を着脱可能に支持している(図7参照)。チューブ保持部54bは、フィルター保持部54aの後端上部から後方に伸長している。チューブ保持部54bは、フィルター保持部54aよりも浅い略トレイ状(略プレート状)に形成されている。チューブ保持部54bは、左右一対のアウトレットチューブ53を支持している。
【0048】
キャップ部55は、下面を開口させた略箱状(略バスタブ状)に形成されている。キャップ部55は、フィルター51を挟んでケース本体54の上部に設けられている(図7参照)。キャップ部55は、フィルター保持部54aとチューブ保持部54bとを覆うように配置されている。
【0049】
キャップ部55(ケース本体54)の前端部は、側面から見て、キャップ部55の上面との間に段差面55aを介してキャップ部55の上面よりも下方に位置している。段差面55aには、取付片55bが前方に突き出した状態で設けられている。取付片55bは、アッパープレート24から後方に延びるアッパーブラケット24aにボルトB2で固定されている(図4参照)。キャップ部55の上面には、ECU48を取り付けるための取付凹部55cが形成されている。取付凹部55cは、上面から下方に凹んだ状態で形成されている。キャップ部55の上面後部は、面取りされて傾斜面55dを形成している。傾斜面55dは、前方から後方に向けて下り勾配に形成されている。
【0050】
キャップ部55の前後方向中央部で左右両側および後端部で左右両側には、ネジ57を貫通させる4つの貫通穴(図示せず)が形成されている(図4参照)。取付凹部55cの前後および左右方向の略中央部には、ネジ57を貫通させる貫通筒58の上端が開口している(図7参照)。貫通筒58は、キャップ部55の上端から下端まで伸長している。ケース本体54には、4つの貫通穴および貫通筒58に対応する位置に5つのネジ穴54cが形成されている(図8参照)。
【0051】
図7および図8に示すように、係合構造56は、ケース本体54およびキャップ部55の前端部に設けられている。詳細には、係合構造56は、ケース本体54に形成される左右一対のフック部56aと、キャップ部55に形成される左右一対の突起部56bと、を含んでいる。フック部56aは、ケース本体54の前面上部から前斜め上方に向けて突出している。フック部56aは、正面から見てアーチ状(略逆U字状)に形成されている。突起部56bは、キャップ部55の前面下部から前方に突出している。突起部56bは、略直方体状に形成されている。
【0052】
一対の突起部56bは、それぞれ、後方からアーチ状のフック部56aに進入する(図7参照)。すると、突起部56bが上方に移動不能な状態でフック部56aに係合し、キャップ部55の前部がケース本体54に取り付けられる。一方、キャップ部55の後部は、5つのネジ57でケース本体54に固定される(図6参照)。
【0053】
図7および図8に示すように、フィルター51は、空気に含まれる埃等の異物を濾過する部材である。フィルター51は、上下方向に扁平な厚板状に形成されている。フィルター51は、平面から見て略正方形状に形成され、取付板51aを介してフィルター保持部54aに保持されている。フィルター51は、フィルター保持部54aとキャップ部55との間に挟まれるように配置されている。つまり、フィルター51は、ケース本体54とキャップ部55との合せ面F(継目部分)に取り付けられている。
【0054】
フィルター51は、クリーナーケース50の内部空間を上下2つの室に区画する。詳細には、クリーナーケース50の内部空間は、フィルター51を挟んで下側のダーティサイドR1と上側のクリーンサイドR2とに区画される。ダーティサイドR1はフィルター保持部54aの内部に構成され、クリーンサイドR2はキャップ部55の内部に構成される。正確には、クリーンサイドR2は、キャップ部55とチューブ保持部54bとで囲まれた空間で構成されている。なお、本実施例では、ケース本体54とキャップ部55との合せ面Fが上下2つの室の境界と一致しているが、両者は一致していなくてもよい。
【0055】
インレットチューブ52は、ケース本体54の前面に設けられている。インレットチューブ52は、左右方向に長い略楕円形断面を有する筒状に形成されている。インレットチューブ52は、前後方向に延びる姿勢で設けられている。インレットチューブ52は、ケース本体54の前面を貫通し、ダーティサイドR1に通じている。インレットチューブ52は、空気(外気)をダーティサイドR1に取り込むために設けられている。インレットチューブ52の前端部(開口部52a)は、下方に湾曲した状態に形成されている。また、インレットチューブ52の開口部52aは、径方向に広がるように形成されている。
【0056】
2つのアウトレットチューブ53は、ケース本体54のチューブ保持部54bの後部で左右方向に並んで設けられている。アウトレットチューブ53は、略円筒状に形成されている。アウトレットチューブ53は、チューブ保持部54bの底面に上下方向に延びる起立姿勢で設けられている。アウトレットチューブ53は、チューブ保持部54bの底面を貫通し、クリーンサイドR2に通じている。アウトレットチューブ53の上端部は、クリーンサイドR2の内部において前方に湾曲した状態に形成されている。また、アウトレットチューブ53の上端部は、径方向に広がるように形成されている。アウトレットチューブ53の下端部は、クリーナーケース50の下方に突出し、スロットルボディ44に接続されている(図5参照)。アウトレットチューブ53は、フィルター51を通過した空気をエンジン4に向けて供給するために設けられている。
【0057】
図7の白抜き矢印に示すように、空気(外気)は、インレットチューブ52の開口部52aからダーティサイドR1に導入される。空気は、ダーティサイドR1からクリーンサイドR2に向けてフィルター51を通過することで埃等の異物を除去される。フィルター51で清浄化された空気は、アウトレットチューブ53を通ってクリーンサイドR2からスロットルボディ44に流入する。
【0058】
図6に示すように、クリーナーケース50の上面には、ECU48が配置されている。ECU48は、略直方体状に形成されている。ECU48は、キャップ部55の上面の取付凹部55cに嵌め込まれ、固定バンド48aで固定されている。ECU48の後端面には、複数のケーブルを束ねたハーネス48bが接続されている。ハーネス48bは、ECU48や電装部材(例えば、バッテリー33等)に電気的に接続されている。
【0059】
クリーナーケース50の後面には、ECU48から延びるハーネス48b(配線)を通すための配線溝59が形成されている。配線溝59は、左右方向略中央においてケース本体54の下端からキャップ部55の上端までに亘って形成されている。配線溝59は、2つのアウトレットチューブ53の間に向けて窪む状態に形成されている(図8参照)。
【0060】
図8に示すように、ケース本体54のチューブ保持部54bの底面には、ドレン用ニップルN1と、ISC(Idol Speed Control)用ニップルN2と、二次エアー用ニップルN3と、ブリーザ用ニップルN4と、が設けられている。ドレン用ニップルN1は、チューブ保持部54bの後端左側に配置されている。ドレン用ニップルN1は、ドレンチューブ(図示せず)を介して大気に開放されている。ISC用ニップルN2は、チューブ保持部54bの後端で略左右方向中央部に配置されている。ISC用ニップルN2は、2つのアウトレットチューブ53の間に配置されている。ISC用ニップルN2は、チューブ(図示せず)を介してスロットルボディ44に接続されている。二次エアー用ニップルN3は、チューブ保持部54bの前端左側に配置されている。ブリーザ用ニップルN4は、チューブ保持部54bの後端右側に配置されている。二次エアー用ニップルN3およびブリーザ用ニップルN4は、それぞれ、チューブ(図示せず)を介してエンジン4に接続されている。
【0061】
次に、図5および図9を参照して、燃料タンク30について説明する。図9は、図5のIX−IX断面図である。
【0062】
燃料タンク30は、エアークリーナー42の上方に配置されている。燃料タンク30は、例えば、薄肉の板金製で、前後方向に長い箱状に形成されている。燃料タンク30は、メインフレーム11の前端部からシートレール13の前端部まで伸長している(図2参照)。
【0063】
図5に示すように、燃料タンク30は、左右一対のメインフレーム11に固定されている。詳細には、燃料タンク30の前端部は、前側タンクブラケット60を介してアッパープレート24にボルト(図示せず)で固定されている。燃料タンク30の後端部は、後側タンク支持機構61を介してフレームブリッジ13aにボルト(図示せず)で固定されている。燃料タンク30は、前側タンクブラケット60のボルトを取り外した状態で、後側タンク支持機構61の支持軸61aを中心に回動可能に構成されている(図2の矢印参照)。
【0064】
図5および図9に示すように、燃料タンク30は、外側本体部62の内側に内側凹部63を配置し、外側本体部62と内側凹部63との間に燃料を貯留する貯留空間64を構成している。外側本体部62と内側凹部63とは、一体に形成されている。
【0065】
外側本体部62は、燃料タンク30の外形を構成している。外側本体部62は、平面から見て一対のメインフレーム11の一部を覆うように形成されている(図4参照)。つまり、外側本体部62は、一対のメインフレーム11の間隔よりも僅かに幅広く形成されている。外側本体部62は、一対のメインフレーム11に架け渡すことのできる幅に形成されている。外側本体部62は、平面から見てメインフレーム11の前後方向中間部から後端までを覆っている。
【0066】
内側凹部63は、一対のメインフレーム11の車幅方向内側に対応する領域で外側本体部62の下面から上方に窪む状態に形成されている(図9参照)。内側凹部63は、一対のメインフレーム11の間隔よりも幅狭く形成されている。内側凹部63は、外側本体部62の下面の前側略半分において略直方体状に凹んだ状態で形成されている。内側凹部63は、エアークリーナー42のキャップ部55が嵌り込むように形成されている。
【0067】
貯留空間64は、外側本体部62と内側凹部63とで囲まれる空間である。貯留空間64は、正面から見て略アーチ状の断面を成す空間である(図9参照)。貯留空間64は、内側凹部63の左右両側、後側および上側を覆うように形成されている。貯留空間64の後部には、インジェクター68に燃料を送る燃料ポンプ65が配置されている(図5参照)。
【0068】
次に、図5および図10を参照して、自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5について説明する。図10は自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5を示す平面図である。
【0069】
図5に示すように、エアークリーナー42は、エンジン4の上方の空間に配置されている。エアークリーナー42は、側面から見て前方から後方に向けて僅かに下方に傾斜する姿勢で配置されている。なお、メインフレーム11は、エアークリーナー42よりも急な角度で傾斜している。すなわち、メインフレーム11と水平線とが成す角度は、エアークリーナー42(合せ面F)と水平線とが成す角度よりも大きく設定されている。
【0070】
図10に示すように、エアークリーナー42は、平面から見て一対のメインフレーム11の間にて一対のメインフレーム11から離間して配置されている。エアークリーナー42の左右両側面は、左右一対のメインフレーム11に対して略平行に形成されている。その結果、クリーナーケース50と左右一対のメインフレーム11との間には、ケーブルやホース等を配線可能な程度の大きな幅を有する隙間Cが形成されている。この隙間Cには、例えば、ECU48から延びるハーネス48b、コネクタ付きケーブル48c、スロットルボディ44に接続されるスロットルケーブル44a、燃料ホース(図示せず)等が配置される。
【0071】
ECU48のハーネス48bは、クリーナーケース50の後面に形成された配線溝59に配置されている。配線溝59は、クリーナーケース50の後面を2つのアウトレットチューブ53の間のデッドスペースに向けて凹ませて形成されている(図8参照)。
【0072】
図5に示すように、エアークリーナー42は、側面から見てヘッドパイプ10の後方に配置されている。クリーナーケース50の前端面は、側面から見てエンジン4(シリンダーヘッド66)の前端部よりも僅かに前方に配置されている。クリーナーケース50の前端部は、アッパープレート24とロアープレート25との間に進入している。すなわち、クリーナーケース50の前端部は、平面から見てアッパープレート24に覆い隠されている(図4参照)。インレットチューブ52の開口部52aは、ヘッドパイプ10の後方、且つアッパープレート24とロアープレート25との間に配置されている。
【0073】
図5に示すように、エアークリーナー42は、側面から見て合せ面Fの前側半分以上をメインフレーム11の上端(メインパイプ11Uの上端)よりも下方に位置させるように配置されている。なお、エアークリーナー42の合せ面Fの後側は、メインパイプ11Uの上端よりも上方に位置している。また、エアークリーナー42は、側面から見て合せ面Fをヘッドパイプ10の上端よりも下方に位置させるように配置されている。そして、燃料タンク30を一対のメインフレーム11上に取り付けると、エアークリーナー42の上部(キャップ部55)は、内側凹部63の内側に配置される。
【0074】
以上説明した本実施例に係る自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5では、エアークリーナー42を並列2気筒のエンジン4の上方の空間に配置し、エアークリーナー42の合せ面Fの前側半分以上を側面視でメインフレーム11の上端よりも下方に位置させる構成とした。この構成により、エアークリーナー42の位置が下がり、エアークリーナー42を上下方向に長く形成することができる。また、エアークリーナー42の上部を燃料タンク30の内側凹部63に進入させることで、エアークリーナー42を上下方向に長く形成することができる。したがって、エアークリーナー42が車幅方向に大きくなることを抑えつつ、エアークリーナー42の容量を大きくすることができる。また、ダウンドラフト形式の吸気系を採用したスポーツタイプの自動二輪車1において、エンジン4の出力に見合った大容量のエアークリーナー42を設けることができる。
【0075】
また、自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5では、並列2気筒のエンジン4の上方の空間において、エアークリーナー42と一対のメインフレーム11との間に隙間Cを形成する構成とした。すなわち、エアークリーナー42の幅を抑えることにより、エアークリーナー42と一対のメインフレーム11との間に、ケーブル、ホース等を配線可能な程度の大きな幅を有する隙間Cを形成した。この構成により、その隙間Cにハーネス48b、コネクタ付きケーブル48c、スロットルケーブル44a、燃料ホース等を配線することができる。これにより、隙間Cにおいてハーネス48b等の配線にかかる自由度が向上し、ハーネス48b等が他の部品に接触して潰されることが抑制されるため、ハーネス48b等の耐久性を向上させることができる。また、この隙間Cにおいてハーネス48b等の配線を容易に行うことができる。
【0076】
本実施例に係る自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5では、燃料タンク30を一対のメインフレーム11の間隔と略同じ幅に形成し、エアークリーナー42全体を覆う構成とした(図4参照)。また、エアークリーナー42の上部を燃料タンク30の内側凹部63に進入させる構成とした(図9参照)。これにより、幅の狭いエンジン4に対応するように、燃料タンク30の幅を狭く、且つ燃料タンク30の高さを低く形成することができ、車両の重心を低くすることができる。また、運転者が適正なライディングポジションをとることもできる。さらに、燃料タンク30の内部において、エアークリーナー42を囲むように貯留空間64を形成することで(図9参照)、エアークリーナー42の左右両側を貯留空間64として用いることができる。これにより、燃料タンク30の容量を十分に確保することができる。
【0077】
ここで、エアークリーナー42のフィルター51の交換について簡単に説明する。まず、作業者は、後側タンク支持機構61の支持軸61aを中心に燃料タンク30を上方に回動させ、エアークリーナー42を露出させる。次に、作業者は、エアークリーナー42をアッパーブラケット24aに固定しているボルトB2と、キャップ部55をケース本体54に固定している5つのネジ57とを取り外す(図6参照)。
【0078】
ところで、クリーナーケース50の前端部はアッパープレート24の下側に位置する(図4参照)。このため、ドライバー等の工具を用いてキャップ部55の前端部をケース本体54にネジ等で固定することができない。この点、本実施例では、キャップ部55の突起部56bがケース本体54のフック部56aに引っ掛かることで、キャップ部55の前端部がケース本体54の前端部に固定される(図7参照)。これにより、アッパープレート24の下側までクリーナーケース50を延長することができ、エアークリーナー42の容量を増加させることができる。また、フィルター51を前後方向に拡張することができ、フィルター51の面積を大きくすることができる。
【0079】
次に、ボルトB2と5つのネジ57とを取り外した状態で、キャップ部55は、フック部56aと突起部56bとの係合部分を支点として上方に回動するようになっている。作業者は、キャップ部55を後斜め上方に引き出す。すると、突起部56bがフック部56aから引き抜かれ、キャップ部55がケース本体54から分離される。このように、各ネジ57等を取り外すだけでフィルター51が露出し、フィルター51を容易に交換することができる。この構成によれば、係合構造56は、キャップ部55をケース本体54に対して回動可能に支持させているため、良好なメンテナンス性を確保することができる。なお、作業者は、フィルター51の交換後、上記とは逆の手順によってキャップ部55をケース本体54に固定する。
【0080】
本実施例に係る自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5では、インレットチューブ52をヘッドパイプ10と上下一対のプレート24,25とで囲まれた空間に開口させた構成とした。これにより、エアークリーナー42の内部への水や埃等の異物の侵入を抑制することができる。また、インレットチューブ52はエンジン4から上方に離れて配置されるため、エンジン4からの熱による吸気効率の低下を抑制することができる。
【0081】
本実施例に係る自動二輪車1のエアークリーナー配置構造5では、ハーネス48bを配線溝59に通す構成とした。これにより、エアークリーナー42のデッドスペースを有効活用することができる。配線溝59はクリーナーケース50内で空気の流れを阻害することがないため、エンジン4の出力低下を防止した状態で、ECU48をエアークリーナー42に取り付けることができる。
【0082】
なお、図5に示すように、本実施例に係るエアークリーナー42は、合せ面Fの前側がメインパイプ11Uよりも下方に位置し、後側がメインパイプ11Uよりも上方に位置しているが、合せ面Fの全部がメインパイプ11Uよりも下方に位置するようにエアークリーナー42を配置してもよい。
【0083】
また、本実施例に係るエアークリーナー42の係合構造56は、一対のフック部56aをケース本体54に形成し、一対の突起部56bをキャップ部55に形成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対のフック部56aをキャップ部55に形成し、一対の突起部56bをケース本体54に形成してもよい。またフック部56aおよび突起部56bは、1つ以上形成されていればよい。
【0084】
また、本実施例に係る自動二輪車1では、並列2気筒のエンジン4を搭載していたが、本発明はこれに限定されない。本発明は並列2気筒以外のエンジン、例えば単気筒、または並列3気筒以上のエンジンを備えた鞍乗型車両にも適用することができる。このような並列2気筒以外のエンジンを搭載した鞍乗型車両であっても、本発明を適用することにより、車幅の狭いエンジン上方に大容量のエアークリーナー42を配置可能になる等、上述した作用効果を得ることができる。
【0085】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う鞍乗型車両のエアークリーナー配置構造もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
2 車体フレーム
4 エンジン(内燃機関)
5 エアークリーナー配置構造
10 ヘッドパイプ
11 メインフレーム
24 アッパープレート(補強部材)
25 ロアープレート(補強部材)
30 燃料タンク
42 エアークリーナー
48 ECU(電装部材)
50 クリーナーケース
51 フィルター
52 インレットチューブ
53 アウトレットチューブ
54 ケース本体
55 キャップ部
56 係合構造
59 配線溝
62 外側本体部
63 内側凹部
64 貯留空間
F 合せ面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10