【解決手段】この換気システム1は、検知機器2と、換気機器4と、操作部44と、検知機器2の状態に応じた空気質連動風量になるように、換気機器4の風量を調整する自動換気モードと、ユーザの設定操作に応じた設定風量になるように、換気機器4の風量を調整する手動換気モードとを実行するように構成される制御手段27と、を備える。制御手段27は、自動換気モードを実行中に、操作部44へのユーザの設定操作に基づいて手動換気モードに切り替えた場合、手動換気モードを所定の時間実行するとともに、所定の時間経過後に、ユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量に基づいた風量(空気質連動風量)で、自動換気モードを新たに実行するように構成されている。
前記制御手段は、前記風量設定手段への前記ユーザの設定操作に基づいて前記第2換気モードに切り替えられる前の前記第1換気モードにおける前記換気手段の風量と、切り替えられた後の前記ユーザの設定操作に応じた前記換気手段の前記設定風量との風量差に基づいて、前記所定の時間経過後の新たな前記第1換気モードにおける前記換気手段の風量を調整するように構成されている、請求項1に記載の換気システム。
前記第1換気モードにおける前記換気手段の風量より、切り替えられた後の前記ユーザの設定操作に応じた前記換気手段の前記設定風量が小さい場合における前記学習加算点の絶対値は、前記第1換気モードにおける前記換気手段の風量より、切り替えられた後の前記ユーザの設定操作に応じた前記換気手段の前記設定風量が大きい場合における前記学習加算点の絶対値よりも大きい、請求項3に記載の換気システム。
前記制御手段は、前記第1換気モードにおいて、前記調理器の駆動状態に応じた風量と、前記空気質検知機器の空気質検知状態に応じた風量とのうち、いずれか大きな風量を採用して、採用した風量になるように、前記換気手段の風量を調整するように構成されている、請求項5に記載の換気システム。
前記制御手段は、前記第2換気モードに切り替えられた際の前記ユーザの設定操作に応じた風量で前記第2換気モードを前記所定の時間実行する間に、前記風量設定手段への前記ユーザの設定操作が新たに行われた場合には、前記所定の時間経過後に、新たに行われた前記ユーザの設定操作に応じた前記換気手段の前記設定風量に基づいた風量で、前記第1換気モードを新たに実行するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の換気システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(換気システムの構成)
図1〜
図4を参照して、本発明の一実施形態による換気システム1の全体構成について説明する。
【0019】
図1に示す換気システム1は、検知機器2を備えている。換気システム1は、調理器3を備えている。換気システム1は、換気機器4を備えている。検知機器2と、調理器3と、換気機器4とは、室内500に配置されている。検知機器2は、室内500の空気の状態を検知するように構成されている。具体的には、検知機器2は、ガス警報器である。調理器3は、熱により調理を行うように構成されている。換気機器4は、室内500の空気を換気するように構成されている。検知機器2は、特許請求の範囲の「室内機器」および「空気質検知機器」の一例である。調理器3は、特許請求の範囲の「室内機器」の一例である。
【0020】
(検知機器の構成)
図2に示すように、検知機器2は、各種センサ21を備えている。検知機器2は、表示部22を備えている。検知機器2は、音声スピーカ23を備えている。検知機器2は、通信部24を備えている。検知機器2は、マイコン25を備えている。検知機器2は、操作部26を備えている。検知機器2は、制御手段27を備えている。検知機器2は、記憶手段28を備えている。
【0021】
各種センサ21は、煙センサ211を含んでいる。煙センサ211は、煙を検知するように構成されている。煙センサ211が煙を検知することにより、制御手段27は火災の発生を検知する。
【0022】
各種センサ21は、ガスセンサ212を含んでいる。ガスセンサ212は、所定のガスを検知するように構成されている。ガスセンサ212は、たとえば、メタン都市ガスおよびLPガスなどの燃焼ガスを検知できるセンサである。ガスセンサ212がガスを検知することにより、制御手段27はガス漏れを検知する。
【0023】
各種センサ21は、CO(一酸化炭素)センサ213を含んでいる。COセンサ213は、COガスを検知するように構成されている。COセンサ213がCOガスを検知することにより、制御手段27は室内500のCOガスの存在を検知する。
【0024】
各種センサ21は、空気質センサ214を含んでいる。空気質センサ214は、室内500の空気質を検知するように構成されている。なお、「空気質」とは、特定の気体成分に限定されず、料理の際に発生した臭い、および、ゴミの臭いなどの生活臭を示す広い概念である。空気質センサ214は、言い換えると、においセンサである。
【0025】
制御手段27は、空気質センサ214による空気質の検知結果に基づいて、空気質レベルとして、レベル0からレベル5までの6段階で、室内500の空気質を評価するように構成されている。最小のレベル0は、においがほとんどない状態を示している。最高のレベル5は、においが非常に強い状態を示している。レベル1〜4では、空気質レベルの値が大きくなるに従って、においの程度が強くなる。
【0026】
表示部22は、複数の発光部(たとえば、LED)を含んでいる。表示部22は、煙センサ211による検知状態を報知する発光部221を含んでいる。表示部22は、ガスセンサ212による検知状態を報知する発光部222を含んでいる。表示部22は、COセンサ213による検知状態を報知する発光部223を含んでいる。表示部22は、空気質センサ214による検知状態を報知する発光部224を含んでいる。また、表示部22は、検知機器2の電源の状態を報知する発光部225を含んでいる。
【0027】
なお、各発光部は、対応するセンサの検知対象に応じた所定の色で発光するように構成することができる。また、発光部224は、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3つの光源を含み、3つの光源から各々出射される光を用いて、種々の色により発光することが可能に構成されている。これにより、種々の色を用いて、室内500が6段階の空気質レベルのうちのいずれの空気質レベルであるかをユーザに報知することが可能である。
【0028】
音声スピーカ23は、検知機器2の状態(警告など)を、音声によりユーザに報知するために設けられている。
【0029】
通信部24は、調理器3の後述する通信部32と通信可能に構成されている。通信部24は、換気機器4の後述する通信部42と通信可能に構成されている。通信部24を用いることにより、検知機器2は調理器3および換気機器4の各々と通信可能である。また、通信部24は、種々の通信規格の通信モジュールを用いることができる。通信部24は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信モジュールを採用することができる。
【0030】
マイコン25は、通信部24を制御するように構成されている。マイコン25は、所定のプログラムにより動作するCPUにより構成されている制御部である。
【0031】
操作部26は、検知機器2に対して、ユーザが各種の入力操作を行えるように設けられている。操作部26は、たとえば、スイッチにより構成されている。
【0032】
制御手段27は、所定のプログラムにより動作するCPUにより構成されている制御部である。制御手段27は、主として、検知機器2の各種制御を行うように構成されている。また、制御手段27は、制御手段36および46の少なくとも一方と連動して動作可能に構成されている。制御手段27の詳細については、後述する。
【0033】
記憶手段28には、後述する空気質連動風量マップ(
図3参照)、実風量マップ(
図4参照)、および、学習加算点マップ(
図5参照)が記憶されている。記憶手段28は、換気機器4の駆動状態を時系列的に記憶することが可能に構成されている。記憶手段28は、換気機器4へのユーザの設定操作の内容を記憶することが可能に構成されている。
【0034】
(調理器の構成)
調理器3は、たとえば、ガスコンロである。なお、調理器3は、ガスコンロに限らず、ガス式の炊飯器や、電磁調理器など、熱により調理を行うための調理器を示す概念である。
【0035】
調理器3は、加熱部31を含んでいる。調理器3は、通信部32を含んでいる。調理器3は、通信部32とは異なる通信部33を含んでいる。調理器3は、操作部34を含んでいる。調理器3は、表示部35を含んでいる。調理器3は、制御手段36を含んでいる。調理器3は、発光部37(
図1参照)を含んでいる。
【0036】
加熱部31は、右コンロ311と、後コンロ312と、左コンロ313と、グリル314とを含んでいる。右コンロ311、後コンロ312、左コンロ313、および、グリル314は、各々、燃焼ガスの燃焼により発熱するように構成されている。
【0037】
通信部32は、通信部24と同一規格または互換性がある規格の通信部である。通信部32を用いることにより、調理器3は検知機器2と通信可能である。
【0038】
通信部33は、通信部32と異なる規格の通信部である。通信部33を用いることにより、調理器3は換気機器4と通信可能である。
【0039】
操作部34は、ユーザが調理器3に対する各種操作を行うための操作部である。操作部34は、たとえば、スイッチにより構成されている。
【0040】
表示部35は、調理器3に関する各種情報を表示するように構成されている。
【0041】
制御手段36は、所定のプログラムにより動作するCPUにより構成されている制御部である。制御手段36は、主として、調理器3の各種制御を行うように構成されている。
【0042】
図1に示す発光部(LED)37は、調理器3の電源入切状態をユーザに報知するように構成されている。
【0043】
(換気機器の構成)
換気機器4は、室内500の空気を室外に排気するためのレンジフードである。換気機器4は、ファンユニット41を含んでいる。換気機器4は、通信部42を含んでいる。換気機器4は、通信部43を含んでいる。換気機器4は、操作部44を含んでいる。換気機器4は、表示部45を含んでいる。換気機器4は、制御手段46を含んでいる。なお、換気機器4は、特許請求の範囲の「換気手段」の一例である。
【0044】
ファンユニット41は、室内500の空気の入れ替えを行うために回転駆動されるファンである。ファンユニット41は、制御手段46により回転数が制御されるように構成されている。ファンユニット41は、4段階(OFF、弱、中および強)で回転駆動するように構成されている。「OFF」は、ファンユニット41が回転駆動しない状態(換気機器4の風量がない状態)を示している。「弱」、「中」、「強」では、この順に、ファンユニット41の回転数が大きくなり、換気機器4の風量が大きくなる。この結果、換気機器4の風量は、風量の大きさに応じた4段階のいずれかに設定可能である。
【0045】
通信部42は、通信部24と同一規格または互換性がある規格の通信部である。通信部42を用いることにより、換気機器4は検知機器2と通信可能である。
【0046】
通信部43は、通信部42と異なる規格の通信部である。通信部43を用いることにより、換気機器4は調理器3と通信可能である。
【0047】
操作部44は、ユーザが換気機器4に対する各種操作を行うための操作部である。操作部44は、換気機器4の風量に関するユーザの設定操作を受け付けることが可能に構成されている。操作部44は、たとえば、ユーザの押下する回数により、ユーザにより設定操作される換気機器4の風量(後述する設定風量)が切り替わるスイッチを含んでいる。換気機器4では、「OFF」、「弱」、「中」、「強」の順に、風量(設定風量)が切り替わる。なお、操作部44は、特許請求の範囲の「風量設定手段」の一例である。
【0048】
表示部45は、換気機器4に関する各種情報を表示するように構成されている。表示部45は、複数の発光部(たとえば、LED)を含んでいる。表示部45は、電源状態や、換気機器4の風量(実風量)などの各種情報を報知するように構成されている。
【0049】
制御手段46は、所定のプログラムにより動作するCPUにより構成されている制御部である。制御手段46は、主として、換気機器4の各種制御を行うように構成されている。
【0050】
(検知機器の制御手段の詳細な制御内容)
次に、検知機器2の制御手段27の詳細な制御内容について説明する。
【0051】
(換気モードの説明)
検知機器2の制御手段27は、自動換気モード(第1換気モード)と、手動換気モード(第2換気モード)との2つの運転モードにより、換気機器4のファンユニット41の回転駆動を行わせるように構成されている。検知機器2の制御手段27は、手動換気モードである場合を除き、自動で換気機器4の風量を調整する自動換気モードにより、換気機器4のファンユニット41の回転駆動を行わせるように構成されている。
【0052】
(自動換気モードの説明)
自動換気モードでは、検知機器2の制御手段27は、調理器3の駆動状態に基づく換気機器4の風量(調理器連動風量)、または、室内500の空気質に基づく換気機器4の風量(空気質連動風量)のいずれかの風量になるように、換気機器4の風量(実風量)を調整するように構成されている。
【0053】
(調理器の駆動状態に基づく風量決定)
検知機器2の制御手段27は、通信部32および24を介して受信した調理器3の駆動状態に基づいて、換気機器4の風量(調理器連動風量)を取得するように構成されている。この際、制御手段27は、所定の条件に基づいて、換気機器4の調理器連動風量を、「OFF」、「弱」、「中」または「強」のいずれかに決定するように構成されている。所定の条件としては、右コンロ311、後コンロ312、左コンロ313、および、グリル314の駆動の有無、駆動している右コンロ311、後コンロ312、左コンロ313、および、グリル314の各々の駆動状態(火力の大小)、駆動している右コンロ311、後コンロ312、左コンロ313、および、グリル314の位置関係などが挙げられる。
【0054】
(空気質検知状態に基づく風量決定)
検知機器2の制御手段27は、空気質レベルとして評価した室内500の空気質に基づいて、換気機器4の風量(空気質連動風量)を取得するように構成されている。この際、制御手段27は、
図3に示す空気質連動風量マップに基づいて、空気質レベルに対応する換気機器4の空気質連動風量を、「OFF」、「弱」、「中」または「強」のいずれかに決定するように構成されている。
【0055】
なお、初期状態(後述する学習が行われる前の状態)では、空気質レベルがレベル0である場合には、空気質連動風量は、「OFF」となる。初期状態では、空気質レベルがレベル1または2である場合に、空気質連動風量は、「弱」となる。初期状態では、空気質レベルがレベル3または4である場合に、空気質連動風量は、「中」となる。初期状態では、空気質レベルがレベル5である場合に、空気質連動風量は、「強」となる。なお、制御手段27は、リセットなどが行われて、検知機器2の初期設定に切り替えられた場合に、初期状態となる。
【0056】
(自動運転モードにおける風量決定)
検知機器2の制御手段27は、調理器3の駆動状態に基づく換気機器4の風量(調理器連動風量)、および、室内500の空気質に基づく換気機器4の風量(空気質連動風量)のうち、大きな風量を採用して、採用した風量になるように、換気機器4の風量(実風量)を調整するように構成されている。具体的には、検知機器2の制御手段27は、調理器連動風量および空気質連動風量から、
図4に示す実風量マップに基づいて実風量を取得して、実風量になるように、換気機器4の風量を調整するように構成されている。たとえば、調理器3の駆動状態に基づく調理器連動風量が「弱」であり、空気質連動風量が「中」である場合には、制御手段27は「中」を採用する。そして、制御手段27は、採用した風量「中」になるように、換気機器4の風量を調整するように構成されている。
【0057】
(手動換気モードの説明)
ユーザにより換気機器4の操作部44が操作されることにより、換気機器4の風量(設定風量)が「OFF」、「弱」、「中」または「強」のいずれかに設定操作された際に、換気機器4の通信部42を介して、ユーザにより風量の設定操作が行われた旨が検知機器2に伝えられる。検知機器2の制御手段27は、自動換気モード実行中において、ユーザにより風量の設定操作が行われた旨を換気機器4から受信すると、手動換気モードに切り替わる。検知機器2の制御手段27は、ユーザによる設定操作に応じた設定風量になるように、換気機器4の風量(実風量)を調整する。そして、制御手段27により、設定風量は、記憶手段28に記憶される。
【0058】
手動換気モードは、ユーザの設定操作を受け付けてから所定の時間(たとえば、約30分間)継続される。そして、検知機器2の制御手段27は、所定時間経過後に、自動的に手動換気モードから自動換気モードに切り替わるように構成されている。
【0059】
なお、手動換気モード実行中において、ユーザの設定操作が新たに行われた場合には、検知機器2の制御手段27により、ユーザに新たに設定操作された設定風量になるように、換気機器4の風量(実風量)が調整される。この場合、手動換気モードは、ユーザの最初の設定操作を受け付けてから所定の時間(たとえば、約30分間)行われる。
【0060】
手動換気モード実行中で、かつ、ユーザに新たに設定操作された設定風量になるように、換気機器4の風量が調整されている際に、調理器3の右コンロ311、後コンロ312、左コンロ313、および、グリル314のいずれか1つの駆動が変更された場合(全て未駆動にされた場合は除く)には、検知機器2の制御手段27は、変更された調理器3の駆動状態に基づく調理器連動風量になるように、換気機器4の風量(実風量)を調整するように構成されている。さらに、手動換気モード実行中で、かつ、調理器の駆動状態に基づく調理器連動風量になるように、換気機器4の風量が調整されている際に、ユーザの設定操作が新たに行われた場合には、検知機器2の制御手段27により、ユーザに新たに設定操作された設定風量になるように、換気機器4の風量(実風量)が調整される。つまり、制御手段27は、手動換気モード実行中においては、調理器3に対するユーザの設定操作または換気機器4に対するユーザの設定操作のうち、最後に行われた設定操作に応じた風量(調理器連動風量または設定風量)に基づいて、換気機器4の風量(実風量)が調整されるように構成されている。
【0061】
(学習機能の説明)
ここで、本実施形態では、検知機器2の制御手段27は、手動換気モードが所定の時間実行されて、所定時間経過後に、自動的に手動換気モードから自動換気モードに切り替わった際に、ユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量に基づいた風量で、新たに自動換気モードを実行するように構成されている。
【0062】
具体的には、制御手段27は、換気機器4の操作部44へのユーザの設定操作に基づいて手動換気モードに切り替えられる前の自動換気モードにおける換気機器4の風量と、切り替えられた後の手動換気モードにおけるユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量との風量差に基づいて、所定の時間経過後の新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量を調整するように構成されている。ここで、制御手段27は、換気機器4の操作部44へのユーザの設定操作に基づいて手動換気モードに切り替えられる前の自動換気モードにおける換気機器4の風量として、室内500の空気質に基づく換気機器4の風量(空気質連動風量)を採用するように構成されている。また、制御手段27は、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量として、空気質連動風量を調整するように構成されている。
【0063】
また、制御手段27は、手動換気モードに切り替えられてから所定の時間経過する前に、新たにユーザの設定操作が行われた場合には、所定の時間経過後において、新たに行われたユーザの設定操作に応じた設定風量と、手動換気モードに切り替えられる前の自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)との風量差に基づいて、所定の時間経過後の新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)を調整するように構成されている。つまり、手動換気モードにおいて最後に行われたユーザの設定操作に応じて、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)が調整される。
【0064】
(学習加算点の取得)
この際、制御手段27は、
図5に示す学習加算点マップを用いて、風量差に基づく学習加算点を取得するように構成されている。学習加算点マップには、切り替えられる前の自動換気モードにおける空気質連動風量と、切り替えられた後の手動換気モードにおける設定風量との風量差が反映される学習加算点が記載されている。たとえば、空気質連動風量が「強」であり、設定風量が「弱」である第1の場合には、学習加算点として、「−2」が取得される。また、たとえば、空気質連動風量が「強」であり、設定風量が「中」である第2の場合には、学習加算点として、「−1」が取得される。また、たとえば、空気質連動風量が「弱」であり、設定風量が「強」である第3の場合には、学習加算点として、「+1」が取得される。
【0065】
ここで、学習加算点は、切り替えられる前の自動換気モードにおける空気質連動風量と、切り替えられた後の手動換気モードにおける設定風量との風量差が大きくなるに従って、絶対値が大きくなるように設定されている。たとえば、空気質連動風量が「強」であり設定風量が「弱」である第1の場合は、空気質連動風量が「強」であり設定風量が「中」である第2の場合よりも風量差が大きい。このため、第1の場合の学習加算点の絶対値は「2」であり、第2の場合の学習加算点の絶対値「1」よりも大きく設定されている。
【0066】
また、切り替えられる前の自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)より、切り替えられた後の手動換気モードにおける設定風量が小さい場合における学習加算点の絶対値は、自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)より、手動換気モードにおける設定風量が大きい場合における学習加算点の絶対値よりも大きくなるように、学習加算点が設定されている。たとえば、空気質連動風量が「強」であり、設定風量が「弱」である第1の場合と、空気質連動風量が「弱」であり、設定風量が「強」である第3の場合とは、空気質連動風量および設定風量が逆になっている。ここで、空気質連動風量より設定風量が小さい第1の場合における学習加算点の絶対値(=2)は、空気質連動風量より設定風量が大きい第3の場合における学習加算点の絶対値(=1)よりも大きくなるように、学習加算点が設定されている。
【0067】
(空気質連動風量の更新)
そして、制御手段27は、
図3に示す空気質連動風量マップと、取得した学習加算点とに基づいて、空気質連動風量を更新するように構成されている。たとえば、空気質連動風量が「強」であり、設定風量が「弱」である第1の場合には、取得した学習加算点が「−2」である。この場合、空気質連動風量マップに基づいて、空気質レベルがレベル0または1である場合には、空気質連動風量は、「OFF」となり、空気質レベルがレベル2、3または4である場合には、空気質連動風量は、「弱」となり、空気質レベルがレベル5である場合には、空気質連動風量は、「中」となるように、空気質連動風量が更新される。そして、制御手段27は、自動運転モードにおいて、更新された空気質連動風量と、上記した調理器連動風量とに基づいて、換気機器4の風量(実風量)を調整するように構成されている。
【0068】
(制御フロー)
次に、
図2および
図6を参照して、本発明の一実施形態による換気システム1の制御フローについて説明する。なお、本制御フローは、検知機器2の制御手段27により実行される。
【0069】
換気システム1の制御フローでは、
図6に示すように、ステップS1において、制御手段27により、空気質センサ214からの検知結果に基づいて、空気質レベル(レベル0〜5のいずれか)が取得される。ステップS2において、制御手段27により、
図3に示す空気質連動風量マップと学習加算点とに基づいて、空気質レベルに応じた空気質連動風量が取得される。なお、初期状態における学習加算点は、「0」である。
【0070】
ステップS3において、制御手段27により、通信部32および24を介して受信した調理器3の駆動状態(未駆動状態も含む)に基づいて、調理器3の駆動状態に応じた調理器連動風量が取得される。
【0071】
ステップS4において、制御手段27により、
図4に示す実風量マップ、調理器連動風量および空気質連動風量に基づいて、実風量が取得される。なお、実風量として、調理器連動風量および空気質連動風量のうち、大きな風量が採用される。
【0072】
ステップS5において、制御手段27により、取得した実風量になるように、換気機器4の風量が調整される。
【0073】
ステップS6において、制御手段27により、ユーザにより風量の設定操作が行われたか否かが判断される。風量の設定操作が行われていないと判断された場合には、ステップS1に戻る。なお、ステップS1〜S6の制御フローは、自動換気モードにおける制御フローである。
【0074】
風量の設定操作が行われたと判断された場合には、自動換気モードから手動換気モードに切り替わり、ステップS7において、制御手段27により、ユーザの設定操作に応じた設定風量になるように、換気機器4の風量が調整される。
【0075】
ステップS8において、制御手段27により、調理器3の駆動が変更されていない、または、調理器3の右コンロ311、後コンロ312、左コンロ313、および、グリル314の全ての駆動が未駆動に変更された(調理器3が未駆動に変更された)か否かが判断される。調理器3の駆動が変更されていない、または、調理器3が未駆動に変更されたと判断された場合には、ステップS10に進む。調理器3の駆動が変更された(調理器3が未駆動に変更された場合は除く)と判断された場合は、ステップS9において、制御手段27により変更された調理器の駆動状態に対応する調理器連動風量になるように、換気機器4の風量が調整される。
【0076】
ステップS10において、制御手段27により、ユーザにより新たに風量の設定操作が行われたか否かが判断される。新たな風量の設定操作が行われたと判断された場合には、ステップS11において、制御手段27により、ユーザによる新たな設定操作に応じた設定風量になるように、換気機器4の風量が調整される。そして、ステップS8に戻る。
【0077】
ステップS10において、再度設定操作されていないと判断された場合には、ステップS12において、制御手段27により、ユーザによる設定操作から所定の時間経過したか否かが判断される。なお、ユーザにより複数回の設定操作が行われている場合には、制御手段27により、最初の設定操作から所定の時間経過したか否かが判断される。ユーザによる設定操作から所定の時間経過していないと判断された場合には、ステップS8に戻る。
【0078】
ユーザによる設定操作から所定の時間経過したと判断された場合には、手動換気モードから自動換気モードに切り替わり、ステップS13において、制御手段27により、
図5に示す学習加算点マップに基づいて、空気質連動風量と設定風量との風量差に応じた学習加算点が取得される。なお、手動換気モードにおいて、ユーザにより複数回の設定操作が行われている場合には、最後の設定操作に応じた設定風量が用いられる。
【0079】
そして、ステップS1に戻り、制御手段27により、空気質レベルが取得され、ステップS2において、空気質連動風量マップとステップS13において取得された学習加算点とに基づいて、空気質レベルに応じた空気質連動風量が取得される。そして、制御手段27により、ステップS3以降の制御が行われる。
【0080】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0081】
本実施形態では、上記のように、制御手段27を、自動換気モードを実行中に、操作部44へのユーザの設定操作に基づいて手動換気モードに切り替えた場合、手動換気モードを所定の時間実行するとともに、所定の時間経過後に、ユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量に基づいた風量(空気質連動風量)で、自動換気モードを新たに実行するように構成する。これにより、室内機器の状態に応じた自動換気モードにおける風量(空気質連動風量)が、操作部44へのユーザの設定操作に基づく設定風量に基づく風量(空気質連動風量)になるので、手動換気モードに設定された際のユーザの設定操作を、新たな自動換気モードにおける風量(空気質連動風量)に反映させることができる。この結果、ユーザの意図(好み)を新たな自動換気モードにおける風量(検知機器2の空気質検知状態に応じた空気質連動風量)に反映させることができるので、手動運転後に自動運転が行われる場合に、ユーザの意図に合わせて適切に自動運転を行うことができる。
【0082】
また、本実施形態では、制御手段27を、操作部44へのユーザの設定操作に基づいて手動換気モードに切り替えられる前の自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)と、切り替えられた後のユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量との風量差に基づいて、所定の時間経過後の新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)を調整するように構成する。これにより、風量差に基づいて、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)が調整されるので、ユーザの意図する設定風量と検知機器2の空気質検知状態に応じた空気質連動風量とのずれを、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)に確実に反映させることができる。この結果、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)が、ユーザの意図(好み)とは異なる風量(空気質連動風量)になるのを確実に抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態では、制御手段27を、空気質連動風量と設定風量との風量差に対応し、風量差が大きくなるに従って、絶対値が大きくなる学習加算点に基づいて、所定の時間経過後の新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)を調整するように構成する。これにより、風量差に対応する学習加算点を用いてユーザの意図(好み)を容易に数値化することができるので、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)にユーザの意図(好み)を容易に反映させることができる。また、学習加算点の絶対値を、風量差が大きくなるに従って大きくなるように設定することによって、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)に、風量差の大小を反映させることができる。これにより、新たな自動換気モード(自動運転モード)における換気機器4の風量(空気質連動風量)を、ユーザの意図する風量に適切に近づけることができる。
【0084】
また、本実施形態では、自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)より、切り替えられた後のユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量が小さい場合における学習加算点の絶対値を、自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)より、切り替えられた後のユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量が大きい場合における学習加算点の絶対値よりも大きくする。これにより、ユーザによる設定風量を小さくする設定操作を、ユーザによる設定風量を大きくする設定操作よりも、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)に大きく反映させることができる。この結果、ユーザが自動換気モード後(自動運転後)に再度手動により設定操作する頻度を減少させることができる。
【0085】
また、本実施形態では、制御手段27を、自動換気モードにおいて、調理器3の駆動状態に応じた調理器連動風量、または、検知機器2の空気質検知状態に応じた空気質連動風量になるように、換気機器4の風量(実風量)を調整するように構成する。そして、制御手段27を、所定の時間経過後の新たな自動換気モードにおいて、検知機器2の空気質検知状態に応じた風量で、かつ、ユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量に基づいた風量になるように、換気機器4の風量(空気質連動風量)を調整するように構成する。これにより、新たな自動換気モードにおいて、検知機器2の空気質検知状態に応じた空気質連動風量に、ユーザの意図(好み)を反映させることができる。
【0086】
また、本実施形態では、制御手段27を、自動換気モードにおいて、調理器3の駆動状態に応じた調理器連動風量と、検知機器2の空気質検知状態に応じた空気質連動風量とのうち、いずれか大きな風量を採用して、採用した風量になるように、換気機器4の風量(実風量)を調整するように構成する。これにより、換気機器4の風量(実風量)が、調理器3の駆動状態に応じた調理器連動風量、および、検知機器2の空気質検知状態に応じた空気質連動風量よりも小さな風量になるのを抑制することができる。この結果、調理器3の駆動に必要な風量を確実に供給することができるとともに、室内の空気の質が低下するのを抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態では、制御手段27を、手動換気モードに切り替えられた際のユーザの設定操作に応じた風量で手動換気モードを所定の時間実行する間に、操作部44へのユーザの設定操作が新たに行われた場合には、所定の時間経過後に、新たに行われたユーザの設定操作に応じた換気機器4の設定風量に基づいた風量(空気質連動風量)で、自動換気モードを新たに実行するように構成する。このように構成すれば、ユーザの最新の意図(好み)を、新たな自動換気モードにおける換気機器4の風量(空気質連動風量)に確実に反映させることができる。
【0088】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0089】
たとえば、上記実施形態では、換気システム1が、制御手段27を含む検知機器2と、調理器3と、換気機器4(換気手段)とを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、換気システムが、制御手段を含む検知機器および換気手段のみを備える構成でもよい。また、換気システムが、検知機器、調理器、および、換気機器以外の機器を含んでいてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、換気システム1の実質的な制御(
図6に示す制御フロー)を行う制御手段27が、検知機器2に内蔵されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段が、検知機器に内蔵されていなくてもよい。すなわち、制御手段が、検知機器と別個に設けられた装置に備えられていてもよい。具体的には、調理器の制御手段または換気機器の制御手段により、換気システムの実質的な制御を行ってもよい。また、検知機器、調理器および換気機器以外の制御手段により、換気システムの実質的な制御を行ってもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、制御手段27が、空気質連動風量と設定風量との風量差に基づいて、新たな自動換気モード(第1換気モード)における換気機器4(換気手段)の空気質連動風量を調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御手段は、調理器連動風量と設定風量との風量差に基づいて、新たな自動換気モードにおける換気手段の調理器連動風量を調整してもよい。なお、この場合、新たな第1換気モードにおいて、換気手段の調理器連動風量を大きくする場合には風量差を反映させる一方、換気手段の調理器連動風量を小さくする場合には風量差を反映させないように換気システムを構成するのが好ましい。これにより、調理器に供給される空気量が減少して、調理器における燃焼が不安定化するのを抑制しつつ、換気手段の調理器連動風量に、ユーザの好みをある程度反映させることが可能である。
【0092】
また、制御手段を、調理器連動風量と設定風量との風量差に基づいた調理器連動風量と、空気質連動風量と設定風量との風量差に基づいた空気質連動風量との両方に基づいて、新たな第1換気モードにおける換気手段の風量を調整するように構成してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、制御手段27が、空気質連動風量と設定風量との風量差に対応する学習加算点に基づいて、新たな自動換気モード(第1換気モード)における換気機器4(換気手段)の風量(空気質連動風量)を調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段は、空気質連動風量と設定風量との風量差を、学習加算点以外の方法で、新たな第1換気モードにおける換気手段の風量に反映させてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、制御手段27が、記憶手段28に記憶された空気質連動風量マップ、実風量マップ、および、学習加算点マップに基づいて、それぞれ、空気質連動風量、実風量および学習加算点を取得した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段は、計算式などのマップ以外の方法で、空気質連動風量、実風量または学習加算点を取得してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、制御手段27を、自動換気モード(第1換気モード)において、調理器3の駆動状態に応じた調理器連動風量と、検知機器2(空気質検知機器)の空気質検知状態に応じた空気質連動風量とのうち、いずれか大きな風量を採用して、採用した風量になるように、換気機器4(換気手段)の風量(実風量)を調整するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御手段は、第1換気モードにおいて、調理器連動風量と空気質連動風量との平均の風量を取得して、取得した風量になるように、換気機器4の風量を調整してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、制御手段27を、空気質連動風量と設定風量との風量差に基づいて、所定の時間経過後の新たな自動換気モード(第1換気モード)における換気機器4(換気手段)の空気質連動風量を調整するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段を、空気質連動風量と設定風量との風量差以外のパラメータに基づいて、所定の時間経過後の新たな第1換気モードにおける換気手段の風量を調整するように構成してもよい。たとえば、制御手段を、空気質連動風量と設定風量との比率の大きさに基づいて、所定の時間経過後の新たな第1換気モードにおける換気手段の風量を調整するように構成してもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、換気機器4(換気手段)の風量が、風量の大きさに応じて4段階(「OFF」、「弱」、「中」、「強」)に分かれている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、換気手段の風量は、風量の大きさに応じて4段階以外の複数段階に分かれてもよい。なお、換気手段の風量は、少なくとも3段階(「OFF」、「弱」、「強」)以上の複数段階に分かれているのが好ましい。また、換気手段を、段階的に風量が切り替わるように構成せずに、連続的に風量が切り替わるように構成してもよい。なお、換気手段(ファンユニット)の回転数を風量差(学習加算点)に応じて連続的に異ならせることによって、換気手段を連続的に風量の大きさが切り替わるように構成することが可能である。
【0098】
また、上記実施形態では、
図5に示す学習加算点マップにおいて、切り替えられる前の自動換気モードにおける空気質連動風量と、切り替えられた後の手動換気モードにおける設定風量との風量差が大きくなるに従って、学習加算点の絶対値が大きくなるように学習加算点を設定した例を示したが、
図5に示す学習加算点マップに記載した学習加算点は一例であり、本発明はこれに限られない。
【0099】
また、上記実施形態では、
図5に示す学習加算点マップにおいて、切り替えられる前の自動換気モードにおける空気質連動風量より、切り替えられた後の手動換気モードにおける設定風量が小さい場合における学習加算点の絶対値を、空気質連動風量より設定風量が大きい場合における学習加算点の絶対値よりも大きくなるように、学習加算点を設定した例を示したが、
図5に示す学習加算点マップに記載した学習加算点は一例であり、本発明はこれに限られない。たとえば、空気質連動風量より設定風量が小さい場合における学習加算点の絶対値を、空気質連動風量より設定風量が大きい場合における学習加算点の絶対値と等しくしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「風量設定手段」として、換気機器4の操作部44を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、換気機器以外の機器(検知機器または調理器)に設けられた操作手段を、換気機器の設定風量に関するユーザの設定操作を受け付ける風量設定手段として用いてもよい。また、換気機器の設定風量に関するユーザの設定操作を受け付けるリモコンを、換気システムが備えていてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、検知機器2の各種センサ21が、煙センサ211、ガスセンサ212、COセンサ213および空気質センサ214を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知機器に搭載される各種センサは、上記した煙センサ、ガスセンサ、COセンサおよび空気質センサを含む構成に限らない。たとえば、検知機器は、COセンサを含まなくてもよいし、煙センサを含まなくてもよい。また、たとえば、検知機器に搭載される各種センサは、煙センサ、ガスセンサ、COセンサおよび空気質センサ以外の他のセンサを含む構成であってもよい。
【0102】
また、上記実施形態の構成に加えて、学習加算点を、所定条件を満たす(例えば検知機器の電源をオフにする)場合にリセットされる(初期状態に戻る)ように、検知機器を構成してもよい。この場合、たとえば、手動換気モード(第2換気モード)の実行中に、検知機器の電源がオフにされた時には、学習加算点をリセットするように検知機器を構成してもよい。この場合、新たな自動換気モード(第1換気モード)における換気機器(換気手段)の風量は、調理器連動風量と学習加算点を考慮しない空気質連動風量とに基づいて設定される。
【0103】
また、上記実施形態では、手動換気モード(第2換気モード)の実行中において、ユーザの設定操作が新たに行われた場合に、手動換気モードが、ユーザの最初の設定操作を受け付けてから所定の時間(たとえば、約30分間)行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2換気モードの実行中において、ユーザの設定操作が新たに行われた場合には、第2換気モードをユーザの最後の設定操作を受け付けてから所定の時間行われるように構成してもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、制御手段27を、取得した学習加算点に基づいて、新たな自動換気モード(第1換気モード)における換気機器4(換気手段)の風量(空気質連動風量)を調整するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段を、取得された学習加算点以外の調整要素に基づいて、新たな第1換気モードにおける換気手段の風量を調整するように構成してもよい。たとえば、記憶された過去の学習加算点と取得した学習加算点との全ての学習加算点を積算した値、または、過去の学習加算点と取得した学習加算点とを平均した値を、調整要素として用いてもよい。この場合、所定条件(所定のスイッチ操作など)で、調整要素がリセットされるように構成してもよい。また、所定期間内の学習加算点を積算した値、または、所定期間内の学習加算点を平均した値を、調整要素として用いてもよい。