特開2018-72263(P2018-72263A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-72263測定装置及び該装置を用いたパラメータ設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-72263(P2018-72263A)
(43)【公開日】2018年5月10日
(54)【発明の名称】測定装置及び該装置を用いたパラメータ設定方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 21/00 20060101AFI20180406BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20180406BHJP
   H04B 17/00 20150101ALN20180406BHJP
【FI】
   G01D21/00 M
   H04L1/00 C
   H04B17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-215451(P2016-215451)
(22)【出願日】2016年11月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】保坂 恭男
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 岳人
(72)【発明者】
【氏名】大日向 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】砂山 諒
【テーマコード(参考)】
2F076
5K014
【Fターム(参考)】
2F076BE01
2F076BE04
2F076BE05
2F076BE09
2F076BE10
2F076BE14
5K014GA02
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって使い勝手の良い測定装置を提供する。
【解決手段】装置本体に装着されたモジュールの中から指定されるモジュールの設定画面21を表示画面5aに表示するとともに、表示画面5aに表示される設定画面21の複数のパラメータの中から特定のパラメータを識別ラベル22にて識別表示する。複数のモジュールにまたがるパラメータが設定可能なユーザカスタマイズ画面に対し、識別ラベル22にて識別表示された特定のパラメータから選択された特定のパラメータを追加パラメータとして追加する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに設定画面(21)が存在し、測定内容に応じて装置本体(11)に選択的に着脱可能に装着される複数のモジュール(2)を備えた測定装置(1)において、
前記装置本体に装着されたモジュールの中から指定されるモジュールの設定画面を表示画面(5a)に表示し、該表示画面に表示される設定画面の複数のパラメータの中から特定のパラメータを識別表示するとともに、前記複数のモジュールにまたがるパラメータが設定可能なユーザカスタマイズ画面(23)に対し、前記識別表示された特定のパラメータから選択された特定のパラメータを追加パラメータとして追加する制御部(6)を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記特定のパラメータが追加パラメータとして前記ユーザカスタマイズ画面(23)に追加されたときに、その旨を通知するトーストメッセージ(24)を表示することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
それぞれに設定画面(21)が存在し、測定内容に応じて装置本体(11)に選択的に着脱可能に装着される複数のモジュール(2)を備えた測定装置(1)を用いたパラメータ設定方法において、
前記装置本体に装着されたモジュールの中から指定されるモジュールの設定画面を表示画面(5a)に表示するステップと、
前記表示画面に表示される設定画面の複数のパラメータの中から特定のパラメータを識別表示するステップと、
前記複数のモジュールにまたがるパラメータが設定可能なユーザカスタマイズ画面(23)に対し、前記識別表示された特定のパラメータから選択された特定のパラメータを追加パラメータとして追加するステップとを含むことを特徴とする測定装置を用いたパラメータ設定方法。
【請求項4】
前記特定のパラメータが追加パラメータとして前記ユーザカスタマイズ画面(23)に追加されたときに、その旨を通知するトーストメッセージ(24)を表示するステップを含むことを特徴とする請求項3記載の測定装置を用いたパラメータ設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれに設定画面が存在し、測定内容に応じて装置本体に選択的に着脱可能に装着される複数のモジュールを備えた測定装置及び該装置を用いたパラメータ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の各種ディジタル通信装置は、利用者数の増加やマルチメディア通信の普及に伴い、より大容量の伝送能力が求められており、これらのディジタル通信装置におけるディジタル信号の品質評価の指標の一つとして、受信データのうち符号誤りが発生した数と受信データの総数との比較として定義されるビット誤り率(以下、誤り率と略称する)が知られている。
【0003】
このため、所望のディジタル通信装置を被測定物とし、この被測定物の誤り率を測定する場合には、例えば、下記特許文献1に開示されるような誤り率測定装置が測定装置として用いられる。この種の誤り率測定装置では、被測定物が電気的なストレスをどの程度許容できるかを測定するため、パターン発生器から既知パターンの電気的ストレス信号をテスト信号として印可し、このテスト信号を被測定物内部又は外部でループバックし、エラー検出器で受信してテスト信号との比較により、テスト信号の印可量に対してエラーの有無を測定するジッタ耐力測定を行っている。
【0004】
そして、この種の誤り率を測定する誤り率測定装置としては、規格に基づく被測定物の各種試験を行うため、装置本体に備えた複数のスロットに対して着脱可能なモジュール構成とし、測定内容に応じて複数のモジュールの増設、取り外し、組み換えを自由に行い、様々な形態で被測定物の測定を行うことができるものが知られている。
【0005】
なお、上述した誤り率測定装置のように、複数のモジュールの増設、取り外し、組み換えが自由に行える測定装置としては、例えば下記特許文献2に開示されるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−274474号公報
【特許文献2】特開2015−176581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したモジュール構成の測定装置では、それぞれのモジュールが別々の機能を有しており、モジュール毎の画面が存在する。例えば誤り率測定装置の場合には、ジッタモジュールによるジッタ設定の表示、エンファシスモジュールによるエンファシス設定の表示、誤り測定モジュールによる誤り率測定結果の表示等がそれぞれ異なる画面になっている。このため、複数のモジュールのパラメータを確認しながら設定を変更するためには、その都度画面を切り替える必要があった。
【0008】
そこで、上述した問題を解決するため、複数のモジュールにまたがるパラメータの設定や参照が可能なユーザカスタマイズ画面を予め用意することが考えられる。図6はユーザカスタマイズ画面51の一例を示す図である。図6のユーザカスタマイズ画面51では、画面の左側に所定のモジュールの機能が割り当てられた複数の機能ボタン52が配置され、これら複数の機能ボタン52のそれぞれに対応して右側にパラメータ値を入力するための入力ボックス53が表示される。
【0009】
さらに説明すると、図6の例では、ユーザカスタマイズ画面51に6つの機能ボタン52a,52b,52c,52d,52e,62fが縦に並べて配置され、機能ボタン52aに「1:4:1 MU181040A Data Input」、機能ボタン52bに「1:3:1 MU181020A Output Offset」、機能ボタン52cに「1:3:1 MU181020A Data/X Data ON/OFF」、機能ボタン52dに「1:4:1 MU181040A Mark Ratio」、機能ボタン52eに「1:4:1 MU181040A EC Insertion」が割り当てられている。また、機能ボタン52a,52b,52c,52dには、それぞれに対応してパラメータ値を入力するための入力ボックス53a,53b,53c,53dが表示される。なお、機能が割り当てられていない空きの機能ボタン52fは「Items」と表示される。
【0010】
このユーザカスタマイズ画面51では、空きの機能ボタン52fの「Items」に所望のモジュールの機能を割り当てる場合、機能ボタン52fの「Items」をクリックすると、図7(a)に示すような機能選択画面54が表示され、割り当て対象となる機能が選択できるようになっている。機能選択画面54では、「Modules」の入力ボックス55から所望のモジュールを選択し、機能一覧56から割り当て対象となる機能を選択する。そして、割り当て対象となる機能を選択して「OK」の確定ボタン57をクリックすると、選択した機能が機能ボタン52fの「Items」に割り当てられる。図7(a)の例では、「Modules」の入力ボックス55から「1:2:1 MU181000A」を選択し、機能一覧56から「Center Frequency」を割り当て対象の機能として選択して確定したときの表示状態を示している。
【0011】
ここで、空きの機能ボタン52fに割り当てられるモジュールの実際の設定画面58の部分拡大図を図7(b)に示す。図7(b)の設定画面58では、「Operation Frequency」、「Reference Clock」がパラメータ項目として表示される。また、設定画面58には、パラメータ項目の各パラメータ(「Operaration」、「Center Frequency」、「Offset」、「Source」)に対応してパラメータ値を入力するための入力ボックスが表示される。なお、点線で囲まれたパラメータ「Center Frequency」と「Offset」は、図7(a)の機能一覧56の「Center Frequency」と「Center Frequency Offset」とそれぞれ対応している。
【0012】
そして、機能選択画面54でモジュールと機能を選択して確定すると、図8に示すように、図6の空きの機能ボタン52fの「Items」に対し、機能選択画面54で選択されたモジュールの機能が割り当てられる。図8の例では、図6の空きの機能ボタン52fの「Items」に対し、図7の機能選択画面54で選択された「1:2:1 MU181000A」が割り当てられ、この「1:2:1 MU181000A」の機能ボタン52fに対応してパラメータ値を入力するための入力ボックス53fが表示される。
【0013】
しかしながら、上述したユーザカスタマイズ画面51では、機能ボタン52に割り当てる機能の選択を図7(a)の機能選択画面54で行うため、機能選択画面54で割り当てられた機能のパラメータが図7(b)の実際のモジュールの設定画面58のどのパラメータを指しているのかが認識しずらく、複数のモジュールにまたがるパラメータの設定を行う際に、ユーザにとって使い勝手が悪いという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、複数のモジュールにまたがるパラメータを設定する際に、ユーザにとって使い勝手の良い測定装置および該装置を用いたパラメータ設定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された測定装置は、それぞれに設定画面21が存在し、測定内容に応じて装置本体11に選択的に着脱可能に装着される複数のモジュール2を備えた測定装置1において、
前記装置本体に装着されたモジュールの中から指定されるモジュールの設定画面を表示画面5aに表示し、該表示画面に表示される設定画面の複数のパラメータの中から特定のパラメータを識別表示するとともに、前記複数のモジュールにまたがるパラメータが設定可能なユーザカスタマイズ画面23に対し、前記識別表示された特定のパラメータから選択された特定のパラメータを追加パラメータとして追加する制御部6を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載された測定装置は、請求項1の測定装置において、
前記特定のパラメータが追加パラメータとして前記ユーザカスタマイズ画面23に追加されたときに、その旨を通知するトーストメッセージ24を表示することを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載された測定装置を用いたパラメータ設定方法は、それぞれに設定画面21が存在し、測定内容に応じて装置本体11に選択的に着脱可能に装着される複数のモジュール2を備えた測定装置1を用いたパラメータ設定方法において、
前記装置本体に装着されたモジュールの中から指定されるモジュールの設定画面を表示画面5aに表示するステップと、
前記表示画面に表示される設定画面の複数のパラメータの中から特定のパラメータを識別表示するステップと、
前記複数のモジュールにまたがるパラメータが設定可能なユーザカスタマイズ画面23に対し、前記識別表示された特定のパラメータから選択された特定のパラメータを追加パラメータとして追加するステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載された測定装置を用いたパラメータ設定方法は、請求項3の測定装置を用いたパラメータ設定方法において、
前記特定のパラメータが追加パラメータとして前記ユーザカスタマイズ画面23に追加されたときに、その旨を通知するトーストメッセージ24を表示するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のモジュールにまたがるパラメータを設定する際に、モジュールの設定画面とユーザカスタマイズ画面との間におけるパラメータの対応関係が認識しやく、ユーザにとって使い勝手の良い測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明に係る測定装置の外観の一例を示す斜視図である。
図3】本発明に係る測定装置のモジュールの設定画面の表示状態の一例を示す図である。
図4】(a)図3のモジュールの設定画面の部分拡大図である。 (b)トーストメッセージの一例を示す図である。
図5】本発明に係る測定装置のユーザカスタマイズ画面の表示状態の一例を示す図である。
図6】ユーザカスタマイズ画面の一例を示す図である。
図7】(a)図6のユーザカスタマイズ画面において空きの機能ボタンに機能を割り当てる際に表示される機能設定画面の一例を示す図である。 (b)実際のモジュールの設定画面の部分拡大図である。
図8図6のユーザカスタマイズ画面において空きの機能ボタンに機能を割り当てた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態の測定装置としての誤り率測定装置1は、複数のモジュール2、設定入力部3、記憶部4、表示部5、制御部6を含んで概略構成され、被測定物Wに既知のパターン信号を入力し、このパターン信号の入力に伴って被測定物Wから受信した入力データとパターン信号との比較に基づく誤り率の測定を含め、規格に基づく被測定物Wの各種測定を行う機能を有する。
【0023】
複数のモジュール2は、図1に示すように、送信モジュール2aと受信モジュール2bとを含む。複数のモジュール2は、例えば、パターン発生モジュール、誤り測定モジュール、変調信号発生モジュール、ジッタモジュール、エンファシスモジュール、多重変換モジュール、逆多重変換モジュールなどで構成され、試験内容に応じたパラメータを設定するためのモジュールごとの固有の設定画面が存在する。
【0024】
複数のモジュール2は、図2に示す矩形状の筐体からなる装置本体11の側面部の開口部11a内に備えた不図示の複数のスロットに対して着脱可能であり、被測定物Wの測定内容に応じて必要な数だけ選択して装着される。すなわち、様々な形態で規格に基づく被測定物Wの各種測定を行うため、測定内容に応じて選択される複数のモジュール2の増設、取り外し、組み換えが可能となっている。
【0025】
複数のモジュール2は、スロットに装着した状態において、記憶部4や制御部6を実装した制御回路基板(不図示)と電気的に接続される。また、制御回路基板には設定入力部3や表示部5なども配線接続される。
【0026】
設定入力部3は、ユーザによって操作される例えば、キー、スイッチ、ボタン、表示部5の表示画面5a上のソフトキー、カーソルキー、矢印キー、スライダーボタン、タブなどで構成され、被測定物Wの測定開始や停止の指示、図3に示す設定画面21を表示するモジュール2の指定、設定画面21上のパラメータの設定/変更/参照、図5に示すユーザカスタマイズ画面23の表示、ユーザカスタマイズ画面23上のパラメータの設定/変更/削除/参照などを行う際に操作される。
【0027】
記憶部4は、設定画面21で設定したパラメータ(例えば、中心周波数、変調周波数、振幅、エンファシス量など)、ユーザカスタマイズ画面23に追加可能な特定のパラメータ、ユーザカスタマイズ画面23で設定したパラメータ、被測定物Wに送信されるパターン信号の発生時間や発生回数、測定結果など、被測定物Wの測定や測定結果に関する各種情報を記憶する。
【0028】
表示部5は、例えば、図2に示す装置本体11の前面に装備された液晶表示器などで構成される。表示部5は、制御部6の制御により、図3図4(a)に示すような設定画面21を表示画面5a上に表示する。設定画面21は、表示部5の一つの表示画面5a上に表示され、装置本体11に装着された複数のモジュール2の中から設定入力部3にて指定されたモジュール2のパラメータ設定を行う画面である。
【0029】
図3および図4(a)は、複数のモジュール2から「Unit1:6:1 MU181000B」を指定し、「12.5GHz 4Port Synthesizer」のパラメータ設定を行うときの設定画面21を示している。この設定画面21には、図4(a)に示すように、「Operation Frequency」、「Reference Clock」、「Spectrum Spread」がパラメータ項目31(31a,31b,31c)として表示される。また、設定画面21には、パラメータ項目31a,31b,31cの各パラメータ32(「Operaration」32a、「Center Frequency」32b、「Offset」32c、「Source」32d、「SSC」32e、「Spread Mehtod32f」)に対応してパラメータ値を入力するための入力ボックス33(33a,33b,33c,33d,33e,33f)が表示される。
【0030】
表示部5は、上述した設定画面21を表示画面5aに表示する際、制御部6の制御により、設定画面21の複数のパラメータの中から特定のパラメータ(ユーザカスタマイズ画面23に追加可能なパラメータ)のみを他のパラメータと区別できるように識別ラベル22にて識別表示する。具体的には、ユーザカスタマイズ画面23に追加可能な特定のパラメータを下線部付きの色付きラベル(識別ラベル22)で識別表示する。例えば図3図4(a)に示すように、設定画面21のパラメータ項目「Operation Frequency」において点線で囲まれたパラメータ「Center Frequency」、「Offset」を特定のパラメータとして下線部付きの青ラベル(識別ラベル22)で識別表示する。なお、特定のパラメータは、他のパラメータと識別できる形態であれば良く、下線部付きの色付きラベルに限定されるものではない。
【0031】
特定のパラメータは、ユーザが一つの表示画面5a上で見たいユーザカスタマイズ画面23に追加可能な複数のモジュール2にまたがるパラメータであり、予め測定内容に応じて設定される。
【0032】
表示部5は、制御部6の制御により、設定画面21上に識別表示された所望の特定のパラメータが追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23の一覧に追加されると、その旨をユーザに通知するための例えば図4(b)に示すようなトーストメッセージ24を表示する。図4(b)のトーストメッセージ24では、選択したパラメータがユーザカスタマイズ画面23に追加され、設定画面21の右上のスライダーボタン3aを操作(タップ又はクリック操作)することでユーザカスタマイズ画面23が確認できる旨を英語表記によりユーザに通知している。
【0033】
なお、トーストメッセージ24は、図4(b)に示すような英語表記に限定されるものではなく、使用するユーザや地域に応じた言語表記に適宜切り替えて表示することができる。
【0034】
表示部5は、設定画面21上に識別表示された所望の特定のパラメータが選択されてユーザカスタマイズ画面23に追加された状態で、設定入力部3を所定操作(例えばトーストメッセージ24に基づく設定画面21の右上のスライダーボタン21aのタップ又はクリック操作)すると、制御部6の制御により、図5に示すようなユーザカスタマイズ画面23を設定画面21の上にスライド表示する。このユーザカスタマイズ画面23には、追加された特定のパラメータの追加パラメータ項目41と入力ボックス42が一覧表示される。
【0035】
図5のユーザカスタマイズ画面23では、「1:4:1 MU183040A Data Input」、「1:5:1 MU183020A Output Offset」、「1:2:1 MU181000A Center Frequency」が追加パラメータ項目41(41a,41b,41c)として一覧に追加表示され、これら追加パラメータ項目41a,41b,41cにおける追加パラメータのパラメータ値を入力するための入力ボックス42(42a,42b,42c)が表示される。
【0036】
ユーザカスタマイズ画面23に追加された追加パラメータ項目41(41a,41b,41c)のパラメータは、各追加パラメータ項目41a,41b,41cごとに表示されたチェックボックス43(43a,43b,43c)にチェックを入れた状態で「Delete」の消去ボタン44を押下することで消去が可能となっている。
【0037】
なお、表示部6は、装置本体11とは別体のモニタ装置(表示機能を備えた端末装置を含む)とし、制御回路基板との間を電気的に接続する構成としてもよい。
【0038】
制御部5は、規格に基づく所望の測定(例えば被測定物Wの誤り率の測定)を行うにあたって、複数のモジュール2、設定入力部3、記憶部4、表示部5を統括制御するものであり、表示制御手段6a、パラメータ追加制御手段6bを含んで構成される。
【0039】
表示制御手段6aは、表示部5の表示画面5aに対して設定画面21やユーザカスタマイズ画面23の表示制御を行う。すなわち、表示制御手段6aは、装置本体11に装着されたモジュール2の中から指定されるモジュール2の設定画面21を表示部5の表示画面5aに表示し、表示画面5aに表示される設定画面21の複数のパラメータ2の中から特定のパラメータを識別ラベル22にて識別表示するように表示部5の表示を制御する。
【0040】
また、表示制御手段6aは、設定画面21上に識別表示された所望の特定のパラメータが追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23の一覧に追加されると、その旨をユーザに通知するトーストメッセージ24を設定画面21上に表示するように表示部5の表示を制御する。
【0041】
パラメータ追加制御手段6bは、設定画面21上に識別表示された特定のパラメータから所望の特定のパラメータが選択されると、選択された特定のパラメータを追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23に追加するように制御する。
【0042】
次に、上記のように構成される誤り率測定装置1を用いたパラメータ設定方法として、ユーザカスタマイズ画面23に特定のパラメータを追加する方法について説明する。ここでは、被測定物Wにテスト信号を入力して誤り率を測定する際に、12.5GHzの4ポートのシンセサイザの中心周波数を所望の特定のパラメータとし、この中心周波数を追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23に追加する場合を例にとって説明する。
【0043】
まず、複数のモジュール2の中から12.5GHzの4ポートのシンセサイザを含むモジュール2を設定入力部3にて指定する。12.5GHzの4ポートのシンセサイザを含むモジュール2として、「Unit1:6:1 MU181000B」が指定されると、図3に示す設定画面21を表示する。
【0044】
図3に示す設定画面21では、ユーザカスタマイズ画面23に追加可能なパラメータとして、パラメータ「Center Frequency」と「Offset」が例えば下線部付きの青ラベルによる識別ラベル22にて他のパラメータと識別表示される。この状態で、中心周波数を示すパラメータ「Center Frequency」を選択すると、パラメータ「Center Frequency」が追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23の一覧に追加される。その際、選択したパラメータ「Center Frequency」が追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23の一覧に追加された旨をユーザに通知するため、図4(b)に示すようなトーストメッセージ24が設定画面21上に表示される。このトーストメッセージ24は、数秒かけて徐々に消えていく。
【0045】
そして、図3の設定画面21において、右上のスライダーボタン3aを操作(タップ操作又はクリック操作)すると、図5に示すように、追加パラメータの一覧を示すユーザカスタマイズ画面23が設定画面21上にスライド表示される。図5のユーザカスタマイズ画面23には、点線で示すように、追加対象の中心周波数を示すパラメータ「Center Frequency」が追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23の一覧に追加されている。以上の操作により、12.5GHzの4ポートのシンセサイザの中心周波数が追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23に追加される。
【0046】
このように、本実施の形態では、装置本体11に装着されたモジュール2の中から指定されるモジュール2の設定画面21を表示部5の表示画面5aに表示し、この表示画面5aに表示される設定画面21の複数のパラメータの中から特定のパラメータ(ユーザカスタマイズ画面23に追加可能なパラメータ)を識別ラベル22にて識別表示する。
【0047】
そして、識別表示された特定のパラメータから所望の特定のパラメータを選択すると、選択した特定のパラメータを追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23の一覧に追加し、その旨がトーストメッセージ24の表示によってユーザに通知される。
【0048】
そして、スライダーボタン3aを操作(タップ操作又はクリック操作)すると、ユーザカスタマイズ画面23が設定画面21上にスライド表示される。これにより、ユーザは自分が選択した特定のパラメータが追加パラメータとしてユーザカスタマイズ画面23に追加されたか否かをスライダーボタン3aを操作(タップ操作又はクリック操作)し、識別表示されたパラメータを見るだけで容易に確認することができ、複数のモジュール2にまたがるパラメータの設定(参照を含む)をユーザカスタマイズ画面23で行う際に、ユーザカスタマイズ画面23にあるパラメータがモジュール2の設定画面21のどのパラメータに相当するか分かりやすくなる。その結果、モジュール2の設定画面とユーザカスタマイズ画面23との間におけるパラメータの対応関係が認識しやく、ユーザにとって使い勝手の良い測定装置を提供することができる。
【0049】
ところで、上述した実施の形態では、本発明が採用される測定装置として、被測定物Wにテスト信号を入力して誤り率を測定する誤り率測定装置1を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、それぞれに設定画面が存在し、測定内容に応じて装置本体に選択的に着脱可能に装着される複数のモジュールを備えた測定装置のパラメータを設定する場合に採用することができる。
【0050】
以上、本発明に係る測定装置及び該装置を用いたパラメータ設定方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
1 誤り率測定装置(測定装置)
2 複数のモジュール
2a 送信モジュール
2b 受信モジュール
3 設定入力部
3a スライダーボタン
4 記憶部
5 表示部
5a 表示画面
6 制御部
6a 表示制御手段
6b パラメータ追加制御手段
11 装置本体
11a 開口部
21 設定画面
22 識別ラベル
23 ユーザカスタマイズ画面
24 トーストメッセージ
31(31a,31b,31c) パラメータ項目
32(32a,32b,32c,32d,32e,32f) パラメータ
33(33a,33b,33c,33d,33e,33f) 入力ボックス
41(41a,41b,41c) 追加パラメータ項目
42(42a,42b,42c) 入力ボックス
43(43a,43b,43c) チェックボックス
44 消去ボタン
51 ユーザカスタマイズ画面
52(52a,52b,52c,52d,52e,52f) 機能ボタン
53(53a,53b,53c,53d,53f) 入力ボックス
54 機能選択画面
55 入力ボックス
56 機能一覧
57 確定ボタン
58 設定画面
W 被測定物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8