【解決手段】制御コンピュータ13は、製品の製造に関係する物理量を計測する計測装置(センサ)により生成された測定結果データを取得し、取得した計測結果データの表す計測結果を表示装置に表示させる。また、制御コンピュータ13は、表示装置130に表示された画面を表す画像データを取得し、サーバ装置15に送信する。サーバ装置15は画像データを受信し、製造管理データに関する識別情報に対応付けて記憶装置に記憶させる。端末14は、製造管理データの表す内容を表示装置に表示させる際に、その製造管理データに対応する画像データの表す画像を表示させる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1の全体構成を示す図である。記録システム1は製品の製造等に関する情報を記録するシステムである。記録システム1は製造装置11a、11bの動作環境の属性値(温度、湿度等)や製造に用いられた材料の量等の情報を記録する。記録システム1は、撮影装置12a、12b、制御コンピュータ(端末装置の一例)13a、13b、端末14、サーバ装置15、およびサーバ装置16を備える。制御コンピュータ13a、13bは本発明に係る端末装置の一例である。サーバ装置15およびサーバ装置16は本発明に係るサーバ装置の一例である。
【0019】
製造装置11a、11bは製品の組立等の製造を行う装置である。製造装置11a、11bは例えば板金加工を行う装置や、製品の塗装を行う装置であってもよい。以下の説明では、説明の便宜上、製造装置11a、11bに共通する構成や動作を説明する場合には、これらを「製造装置11」と称する。この実施形態では、1または複数の工程を経て製品が製造され、各工程の作業が1または複数の製造装置11により行われる。
【0020】
製造装置11のそれぞれには、各装置の動作に関連する各種物理量を計測する1または複数のセンサSが設けられている(または接続されている)。センサS(計測装置の一例)が計測する物理量の種別は、例えば温度、湿度、照度、材料の流量、機器の電力値、モータの回転数、塗装に係る水槽の洗浄度、pH値であるがこれらに限られない。センサSによって計測される物理量の種別は記録対象の製造装置11の種類や製品の種類によって異なる。この実施形態ではそれぞれの製造装置11に応じた種別のセンサSが予め設けられている。センサSは計測結果を示す計測結果データを制御コンピュータ13に出力する。センサSは、例えば「1分間隔」や「5分間隔」など、予め定められたサンプリング周期で物理量を計測してもよい。
【0021】
製造装置11に設けられた(または接続された)センサSおよび製造装置11の種類や製造元メーカーは様々であり、製造装置11のそれぞれで、センサSなどの外部装置との間で入出力されるデータのフォーマットやインタフェース規格は異なる。製造装置11およびセンサSは独自のインタフェース規格でデータを入出力してもよい。
【0022】
撮影装置12a、12bは撮影し、撮影した画像(静止画像または動画像)を表す画像データを出力する。この実施形態では、撮影装置12aは製造装置11aを撮影し、撮影装置12bは製造装置11bを撮影する。以下の説明では、撮影装置12a、12bに共通する構成や動作を説明する場合には、これらを「撮影装置12」と称する。この実施形態では、撮影装置12は、製造装置11の動作状態や製造装置11に対する操作者の操作を、予め定められたタイミング(例えば、1秒毎)で撮影し、撮影した静止画像を表す画像データ(以下「撮影データ」という)を生成する。撮影装置12は、撮影データ、その撮影データの撮影時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)および撮影装置12を識別する撮影識別子(以下「撮影ID」という)を対応付けてサーバ装置15に送信する。なお、撮影データが動画像である場合、撮影装置12は動画のデータフォーマットのなかに予め定められた単位時間毎の撮影時刻を付与する。なお、
図1の例では、ひとつの製造装置11に対してひとつの撮影装置12が設けられているが、ひとつの製造装置11を複数の撮影装置12が撮影してもよい。
【0023】
制御コンピュータ13aは製造装置11aを制御するコンピュータであり、制御コンピュータ13bは製造装置11bを制御するコンピュータである。制御コンピュータ13aは製造装置11aと有線ケーブルにより接続されている。制御コンピュータ13bは製造装置11aと一体として構成されている。以下の説明では、説明の便宜上、制御コンピュータ13aと制御コンピュータ13bに共通する構成や動作を説明する場合には、これらを「制御コンピュータ13」と称する。制御コンピュータ13は、製造装置11とは別体として構成されていてもよく、また、製造装置11に内蔵されていてもよい。制御コンピュータ13は例えばパーソナルコンピュータであってもよい。
図1の例では、ひとつの製造装置11に対しひとつの制御コンピュータ13が設けられているが、各装置の台数はこれに限られない。例えば、複数の製造装置11についてひとつの制御コンピュータ13が設けられていてもよい。また、ひとつの製造装置11について複数の制御コンピュータ13が設けられていてもよい。
【0024】
制御コンピュータ13は製造装置11の制御に関する各種情報を表示する表示装置130を有する。表示装置130は、制御コンピュータ13に内蔵されていてもよく、また、制御コンピュータ13と別体として構成され有線または無線により制御コンピュータ13と接続されてもよい。また、例えば、表示装置130は製造装置11に設けられた操作パネルであってもよい。表示装置130には、制御コンピュータ13が取得した各種センサSの計測値や、制御コンピュータ13により製造装置11の制御に係る情報が表示される。製造装置11の制御に係る情報は、例えば、製造装置11の制御プログラムを識別するプログラム番号や、製造装置11の運転状態を示す情報を含んでもよい。制御コンピュータ13はオペレータOPにより操作される。表示装置130に表示される画面は、オペレータOPの操作を受け付ける操作画面や、オペレータOPにより編集可能な画面であってもよい。
【0025】
図2乃至
図5は表示装置130に表示される画面の一例を示す図である。
図2に例示される画面は、FEMS(Factory Energy Management System)などの工場エネルギー管理システムにおいて、受配電設備のエネルギー管理や生産設備のエネルギー使用・稼働状況が表示された画面である。
図2の例では、設置された各種機器の電力値、蒸気の量、バルブの状態などが模式的に表示されている。
【0026】
図3に例示される画面は、複数のウィンドウW1、W2、W3を含む。ウィンドウW1には、予め定められた測定対象についての設定値と、実際の測定値とが表示されている。ウィンドウW2およびウィンドウW3には、製造装置11に対する制御コマンドなどの情報が表示されている。
図4に例示される画面は、測定対象である製造装置11に備えられているエンジンの回転数や温度などを表すメーターの画像を含む。
図5に例示される画面は、測定対象である機材についての電気使用量を表す情報などを含む。
【0027】
表示装置130には、センサSによる測定結果以外にも、エラーが発生した旨を示すメッセージや、エラーの種別や内容を表すメッセージまたはエラーコードが表示されてもよい。製造装置11の管理者は、制御コンピュータ13の表示装置130に表示される画面を確認しつつ、製造ラインの管理・保守を行う。
【0028】
制御コンピュータ13のハードウェアは、記録システム1のために設計された専用装置であってもよく、また、汎用的なコンピュータであってもよい。制御コンピュータ13のハードウェアとして利用可能なコンピュータの形態は限定されない。制御コンピュータ13のハードウェアは、例えば、ノート型PC(Personal Computer)、タブレット型PCであってもよい。また、制御コンピュータ13が通話機能を備えたタブレット型PC(いわゆるスマートフォン)であってもよい。
【0029】
図6は制御コンピュータ13のハードウェアとして利用可能なコンピュータの一例であるコンピュータ10の基本構成を示す図である。コンピュータ10は、各種データを記憶するメモリ101と、メモリ101に記憶されているプログラムに従ったデータ処理を行うプロセッサ102と、計時を行うクロック103と、データ通信を行うインタフェースである通信IF104と、タッチパネルなどの操作装置105とを備える。なお、コンピュータ10は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ)と操作装置(例えばタッチパネル)が一体として構成されたタッチディスプレイを備えていてもよい。
【0030】
図7は制御コンピュータ13の機能構成を示す図である。すなわち、コンピュータ10がプログラムに従ったデータ処理を行うことにより、
図7に示す構成部を備える制御コンピュータ13が実現される。以下に制御コンピュータ13が備える機能構成部を説明する。
【0031】
計測結果取得手段131は、製品の製造に関係する物理量を計測する計測装置(センサS)により生成された測定結果データを取得する。測定装置により計測される物理量は、例えば、製造装置11の運転に関係する計測値(機器の電力値、モータの回転数、材料の流量)や、製造装置11が設けられている環境の温度、湿度、照度、製造装置11に含まれる部品の温度であってもよい。
【0032】
計測結果表示指示手段132は、計測結果取得手段131により取得された計測結果データの表す計測結果を表示装置(タッチディスプレイなど)に表示させる。
【0033】
画像データ取得手段133は、製品の製造に関係する物理量を計測する計測装置(センサS)により計測された計測結果を表す画像データを取得する。この実施形態では、画像データ取得手段133は表示装置130に表示された画面がキャプチャされて生成された画像データ(以下「キャプチャデータ」という)を取得する。取得されるキャプチャデータには、キャプチャされた時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)や制御コンピュータ13を識別する制御IDが付される。
【0034】
送信手段134は、製品の製造に関係する製造管理データを、画像データ取得手段133により取得された画像データまたは画像データに関する情報に対応付けて記憶装置に記憶させるサーバ装置(サーバ装置16)に送信する。
【0035】
指示取得手段135は、記録の開始指示を示す開始指示データと、記録の終了指示を示す終了指示データとを取得する。条件データ取得手段136は、画面を取得するタイミングに関する条件を示す条件データを取得する。
【0036】
制御コンピュータ13には製造装置11の制御用の第1のプログラムと、表示される画面をキャプチャしてサーバ装置15にアップロードする第2のプログラムとが記憶されている。制御コンピュータ13が第1のプログラムを実行することにより、計測結果取得手段131と計測結果表示指示手段132が実現される。制御コンピュータ13が第2のプログラムを実行することにより、画像データ取得手段133および送信手段134が実現される。より具体的には、制御コンピュータ13は、第1のプログラムを実行することにより、各種センサSから測定結果データを取得し、取得した測定結果データの示す測定結果を表示装置130に表示させる。また、制御コンピュータ13は、第2のプログラムを実行することにより、表示装置130に表示された測定結果を表す画面をキャプチャし、キャプチャデータをサーバ装置15にアップロードするとともに、製造管理データをサーバ装置16に送信する。
【0037】
この実施形態では、上記第1のプログラムと第2のプログラムはマルチタスクOSにより並行して実行される。すなわち、この実施形態では、製造装置11の制御処理とキャプチャ画像のアップロード処理とが制御コンピュータ13により並行して実行される。
【0038】
図1の説明に戻る。サーバ装置15は、例えば汎用のサーバコンピュータであり、撮影装置12から出力される撮影データや、制御コンピュータ13によりキャプチャされたキャプチャデータなどの画像データを蓄積する。サーバ装置15のハードウェアは、記録システム1のために設計された専用装置であってもよいが、汎用的なコンピュータが用いられてもよい。サーバ装置15のハードウェアとして利用可能なコンピュータの形態は限定されない。例えば、デスクトップ型PC、ノート型PCであってもよい。
【0039】
図8は、サーバ装置15のハードウェアとして利用可能なコンピュータの一例であるコンピュータ20の基本構成を示した図である。コンピュータ20は、各種データを記憶するメモリ201と、メモリ201に記憶されているプログラムに従ったデータ処理を行うプロセッサ202と、データ通信を行うインタフェースである通信IF203を備える。
【0040】
図9はサーバ装置15の機能構成を示した図である。すなわち、コンピュータ20がプログラムに従ったデータ処理を行うことにより、
図9に示す構成部を備えるサーバ装置15が実現される。以下にサーバ装置15が備える機能構成部を説明する。
【0041】
画像データ取得手段151は、撮影装置12から撮影データを受信する。受信される撮影データには、タイムスタンプや撮影IDが付されている。また、画像データ取得手段151は制御コンピュータ13からキャプチャデータを受信する。受信されるキャプチャデータには、タイムスタンプや制御IDが付されている。
【0042】
記憶制御手段152は受信された画像データ(撮影データやキャプチャデータ)を、製造管理データまたは製造管理データに関する情報に対応付けて画像データベース153に記憶する。この実施形態では、製造管理データに関する情報として制御IDまたは撮影IDが用いられる。画像データベース153には、撮影データが時刻情報および撮影IDに対応付けて記憶されるとともに、キャプチャデータが時刻情報および制御IDに対応付けて記憶される。この実施形態では、製造管理データに装置IDが含まれているとともに、画像データベース153に記憶される画像データに撮影IDや制御IDが付されている。装置IDと撮影IDおよび制御IDとの対応関係は後述する対応関係テーブルに記憶されているため、装置ID、制御IDおよび撮影IDにより製造管理データと画像データとが紐づいている。なお、画像データに付される、製造管理データに関する情報は制御IDや撮影IDに限られない。製造管理データに関する情報は他の情報であってもよい。
【0043】
送信手段154は、端末14からの要求に応じて画像データベース153から画像データ群を読み出し、読み出した画像データ群を要求元の端末14に送信する。端末14から受信される要求には、画像データの種別を示す情報(撮影データかキャプチャデータかを示す情報)、時刻情報、撮影IDまたは制御IDが含まれてもよい。
【0044】
サーバ装置15には画像データベース153が記憶されている。画像データベース153には、上述したように、撮影装置12で撮影された撮影データや、制御コンピュータ13でキャプチャされたキャプチャデータが記憶される。画像データベース153に記憶される各データには、撮影された時刻やキャプチャされた時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)が付されている。
【0045】
図1の説明に戻る。サーバ装置16は、例えば汎用のサーバコンピュータであり、製造装置11の製造工程を管理するための各種の処理を行う。サーバ装置16は、センサSの計測結果を示す計測結果データを受信する。
図1において、撮影装置12、制御コンピュータ13、端末14、サーバ装置15およびサーバ装置16は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信網200に接続されている。
【0046】
サーバ装置16のハードウェアは、記録システム1のために設計された専用装置であってもよいが、汎用的なコンピュータが用いられてもよい。サーバ装置16のハードウェアとして利用可能なコンピュータの形態は限定されない。例えば、デスクトップ型PC、ノート型PCであってもよい。
【0047】
図10は、サーバ装置16のハードウェアとして利用可能なコンピュータの一例であるコンピュータ30の基本構成を示した図である。コンピュータ30は、各種データを記憶するメモリ301と、メモリ301に記憶されているプログラムに従ったデータ処理を行うプロセッサ302と、データ通信を行うインタフェースである通信IF303を備える。
【0048】
図11はサーバ装置16の機能構成を示した図である。すなわち、コンピュータ30がプログラムに従ったデータ処理を行うことにより、
図11に示す構成部を備えるサーバ装置16が実現される。以下にサーバ装置16が備える機能構成部を説明する。
【0049】
製造管理データ取得手段162は、製品の製造に関係する製造管理データを取得する。この実施形態では、製造管理データ取得手段162は、制御コンピュータ13から製造管理データを受信することによって該データを受信する。
【0050】
記憶制御手段163は、製造管理データ取得手段162により取得された製造管理データを、画像データ(撮影データやキャプチャデータ)または画像データに関連する情報に対応付けて記憶装置に記憶させる。この実施形態では、画像データに関連する情報として撮影IDと制御IDとが用いられる。この実施形態では、製造管理データに装置IDが含まれているとともに、画像データベース153に記憶される画像データに撮影IDや制御IDが付されている。装置IDと撮影IDおよび制御IDとの対応関係は後述する対応関係テーブルに記憶されているため、装置ID、制御IDおよび撮影IDにより製造管理データと画像データとが紐づいている。なお、製造管理データに付される、画像データに関する情報は撮影IDや制御IDに限られない。画像データに関する情報は他の情報であってもよい。
【0051】
表示指示手段164は、製造管理データの表す内容を表示装置に表示させる際に、その製造管理データに対応する画像データの表す画像を表示させる。この実施形態では、表示指示手段164は、製造管理データと画像データとを端末14に送信し、端末14に表示を指示する。撮影データ取得手段165は、製造に関係する撮影対象物(製造装置11など)を撮影する撮影装置12により生成された撮影データを取得する。条件データ送信手段166は、製造管理データに応じた画像データの取得タイミングに関する条件を示す条件データを記憶装置から読み出し、画像データの送信元である端末に送信する。
【0052】
図12はサーバ装置16に記憶されている製造管理テーブルの構成を例示した図である。製造管理テーブルには、記録システム1における製造を管理するためのデータ(製造管理データの一例)が記録される。
【0053】
製造管理テーブルは、フィールドとして、[製品種別]、「工程種別」、[装置ID]、[時刻情報]、[撮影タイミング条件]、および[キャプチャタイミング条件]を備える。[製品種別]は、「製品01」等の製造対象の種別を示すデータを格納する。[工程種別]は、「工程01」等の工程の種別を示すデータを格納する。1つの製品(対象物)に対し複数の製造工程が行われることが多い。[装置ID]は、「装置01」等の製造装置11を識別するデータを格納する。[時刻情報]は、製造動作の開始時刻や終了時刻を示す時刻情報が格納される。[時刻情報]に続く[撮影タイミング条件]以降のフィールドは、[時刻情報]に格納されるデータの各々に応じたデータを格納する。
【0054】
[撮影タイミング条件]は、対象物の製造に応じた撮影タイミングに関する条件を示す撮影タイミング条件データを格納する。撮影タイミングに関する条件として典型的なものは、「60秒間隔」等の所定時間の経過という条件である。この条件に従う場合、対象物の製造に応じた所定の時間間隔で撮影装置12により撮影が行われる。また、撮影タイミングに関する条件として、例えば、「温度変化=1℃」といったものの考えられる。この条件に従う場合、センサSにより計測される温度が1℃変化する毎に撮影装置12により撮影が行われる。
【0055】
[キャプチャタイミング条件]は、制御コンピュータ13が表示装置130の画面をキャプチャするタイミングに関する条件を示すキャプチャタイミング条件データを格納する。キャプチャタイミングに関する条件として典型的なものは、「5分間隔」といった条件である。この場合、表示装置130の画面が5分の経過毎にキャプチャされる。また、キャプチャタイミングに関する条件として、例えば「撮影タイミングと同期」といったものも考えられる。この条件に従う場合、撮影装置12により撮影が行われるタイミングに同期したタイミングで表示装置130の画面がキャプチャされる。
【0056】
なお、製造管理テーブルには、上述した以外のフィールドが含まれていてもよい。例えば、製造管理テーブルは、センサSの計測タイミングに関する条件を示す継続タイミング条件データを格納する[計測タイミング条件]のフィールドを含んでもよい。製造される対象物によって計測対象の物理量は異なり、また、1つの製造装置11に応じて複数の物理量が計測対象となる場合もある。計測タイミングに関する条件は、例えば、「温度:5分間隔」であってもよい。この条件が用いられる場合、センサSにより温度が5分の経過毎に計測される。計測タイミングに関する条件は、「湿度:撮影タイミングと同期」であってもよい。この条件が用いられる場合、撮影装置12により撮影が行われるタイミングでセンサSによる湿度の計測が行われる。また、例えば、製造管理テーブルは、製品の納期を示す情報を格納するフィールドや、オペレータを示す情報を格納するフィールド、進捗状況を示すフィールドを含んでいてもよい。
【0057】
なお、上述した撮影タイミング、キャプチャタイミングおよび計測タイミングに関する条件はあくまでも例示であり、他に様々な種類の条件が採用可能である。
【0058】
図13はサーバ装置16に記憶されている対応関係テーブルの構成を例示した図である。対応関係テーブルは製造装置11、撮影装置12、および制御コンピュータ13の対応関係を記憶するテーブルである。記録管理テーブルは、フィールドとして[装置ID]、[撮影ID]、および[制御ID]を備える。[装置ID]は製造装置11を識別する識別IDを格納する。[撮影ID]は、製造装置11を撮影する撮影装置12を識別する撮影IDを格納する。[制御ID]は製造装置11を制御する制御コンピュータ13を識別する制御IDを格納する。
【0059】
図1の説明に戻る。端末14は、ユーザの操作に応じて各種の処理を行う。端末14は例えばパーソナルコンピュータである。端末14は記録システム1の管理者により用いられる。管理者は、端末14を用いて製品の製造に関する進捗状況等の種々の情報を把握する。端末14は、制御コンピュータ13や製造装置11が設けられている場所以外の場所に設けられてもよい。なお、制御コンピュータ13が記録のために用いられていない間は、制御コンピュータ13が情報の閲覧に用いられてもよい。この場合、制御コンピュータ13が一時的に端末14として用いられる。
【0060】
端末14のハードウェアは、記録システム1のために設計された専用装置であってもよく、また、汎用的なコンピュータであってもよい。端末14のハードウェアとして利用可能なコンピュータの形態は限定されない。端末14のハードウェアは、例えば、ノート型PC、タブレット型PCであってもよい。また、端末14が通話機能を備えたタブレット型PCであってもよい。
【0061】
図14は端末14のハードウェアとして利用可能なコンピュータの一例であるコンピュータ40の基本構成を示す図である。コンピュータ40は、各種データを記憶するメモリ401と、メモリ401に記憶されているプログラムに従ったデータ処理を行うプロセッサ402と、計時を行うクロック403と、データ通信を行うインタフェースである通信IF404と、表示装置(例えば液晶ディスプレイ)と操作装置(例えばタッチパネル)が一体として構成されたタッチディスプレイ405とを備える。
【0062】
図15は端末14の機能構成を示した図である。すなわち、コンピュータ40がプログラムに従ったデータ処理を行うことにより、
図15に示す構成部を備える端末14が実現される。図において、表示指示手段141は、サーバ装置16の送信手段134から送信されてくる画像データを受信し、受信した画像データの表す画像を表示装置142に表示させる。表示装置142は表示指示手段141からの指示に従って画像を表示する。
【0063】
図16は記録システム1の記録動作の一例を示すシーケンスチャートである。製造装置11は制御コンピュータ13の制御の下、製品の製造等の動作を行う。ステップS101において、制御コンピュータ13は管理者の操作に応じたタイミング等の予め定められたタイミングで、自装置が制御する製造装置11の装置IDを含むデータ(製造管理データの一例)をサーバ装置16に送信する。ステップS102において、サーバ装置16は制御コンピュータ13からデータを受信すると、受信されたデータに従って製造管理テーブルを更新する。
【0064】
製造装置11が動作している期間またはその前後の期間にわたって、製造装置11の付近に設けられた各種のセンサSがそれぞれ物理量を計測し、計測結果を示す計測結果データを制御コンピュータ13に出力する。
【0065】
ステップS103において、制御コンピュータ13はセンサSから出力された計測結果データを取得する。ステップS104において、制御コンピュータ13は取得した計測結果データの表す計測結果を含む制御画面をリアルタイムで表示装置130に表示させる。このとき、制御コンピュータ13は取得された計測結果データの示す内容を視覚的に把握し易い形態で表示装置130に表示させる。具体的には、例えば、制御コンピュータ13は、
図4に例示されるような、温度メーターの画像や湿度メーターの画像を含む画面を表示装置130に表示させてもよく、また、例えば、工場に設置された装置の配置を概略的に示す配置図を表示装置130に表示させてもよい。製造装置11に対応する表示装置130には、
図2乃至
図5に例示される、製造装置11に関連する計測内容を表す画面が表示される。また、製造装置11やセンサSにおいてエラーが検知された場合にその旨やエラーの内容を制御コンピュータ13が表示装置130に表示させてもよい。製造装置11の管理者は、表示装置130に表示される画面を視認することにより、製造装置11の環境、動作状況、エラーの発生の有無などを把握する。
【0066】
ステップS105において、制御コンピュータ13は、サーバ装置16にキャプチャ条件データや撮影条件データの取得要求を送信する。この取得要求には、製造装置11を識別する装置IDが含まれる。なお、
図16の例では、ステップS101乃至S104の後にステップS105の処理が行われるが、処理の順序は図示されたものに限られない。
【0067】
ステップS106において、サーバ装置16は、取得要求を受信すると、受信された取得要求に含まれる装置IDに対応するキャプチャ条件データや撮影条件データを製造管理テーブルから読み出し、読み出したデータを制御コンピュータ13へ送信する。
【0068】
制御コンピュータ13はサーバ装置16からキャプチャ条件データや撮影条件データを受信する。ステップS107において、制御コンピュータ13はサーバ装置16から受信されたキャプチャ条件データの示すタイミングで、表示装置130に表示された画面をキャプチャしてキャプチャデータを生成する(画像データを取得する)。ステップS108において、制御コンピュータ13は、キャプチャした画面を表すキャプチャデータに時刻情報と制御IDとを付与して、サーバ装置15へ逐次送信する。
【0069】
ステップS109において、サーバ装置15は、制御コンピュータ13から送信されてくるキャプチャデータを受信し、受信したキャプチャデータを画像データベース153に蓄積していく。これにより、画像データベース153には、予め定められたタイミングでキャプチャされたキャプチャデータが順次蓄積されていく。具体的には、
図2乃至
図5に例示される画面のキャプチャ画像を表すデータが画像データベース153に記憶される。
【0070】
一方、ステップS110において、撮影装置12の各々は、予め定められたタイミング(例えば1秒毎)で、製造装置11を撮影し、撮影した画像を表す撮影データに撮影時刻情報と撮影IDとを付与して、サーバ装置15へ逐次送信する。撮影装置12により、例えば製造装置11における製品への加工状況の変化が静止画像の群として記録される。サーバ装置15は、撮影装置12から送信されてくる撮影データを受信する。ステップS111において、サーバ装置15は受信した撮影データを画像データベース153に蓄積していく。これにより、画像データベース153には、予め定められたタイミングで撮影された撮影データが順次蓄積されていく。
【0071】
また、ステップS112において、制御コンピュータ13は製造装置11の動作の対象物である製品の製品ID、工程ID、その製品についての製造動作を開始した時刻や終了した時刻を示すデータ等、製品の製造に関係する製造管理データを取得し、取得した製造管理データをサーバ装置16へ送信する。製造管理データは、管理者が制御コンピュータ13を操作することによって入力してもよく、また、製造装置11から出力される情報に応じて制御コンピュータ13が生成してもよい。製造管理データがサーバ装置16へ送信されるタイミングは、例えば予め定められた単位時間毎の定期的なタイミングであってもよく、また、例えば、管理者によって送信するための操作が行われたタイミングであってもよい。
【0072】
制御コンピュータ13から送信された製造管理データは、サーバ装置16により受信される。ステップS113において、サーバ装置16は受信した製造管理データを製造管理テーブルに登録し、製造管理テーブルを更新する。これにより、製造管理テーブルには、製造装置11による製品の製造に係る製造管理データが順次蓄積されていく。
【0073】
図17は製造管理データの閲覧動作の一例を示すシーケンスチャートである。サーバ装置16に蓄積された製造管理データやサーバ装置15に蓄積された画像データは、管理者等が過去に行われた製品の製造の様子を確認したい場合に利用される。例えば端末14のユーザが端末14を操作してサーバ装置16が提供する管理者用のWebサイトにログインすると、ステップS120において、端末14からサーバ装置16に画像閲覧画面のWebページ要求データが送信される。ステップS121において、サーバ装置16はWebページ要求データに応じてWebページデータを生成し、端末14に送信する。ステップS122において、端末14はサーバ装置16から受信したWebページデータに従い、検索条件を指定するための画面(以下「条件指定画面」という)を表示する。
【0074】
条件指定画面において、ユーザは、「製品ID」や「期間」などの検索条件を入力した後、「検索」ボタンを操作する。この操作に応じて、端末14はステップS123において、操作された内容に応じた検索条件データをサーバ装置16に送信する。ステップS124において、サーバ装置16は検索条件データを受信し、受信された検索条件に対応する製造管理データ群を製造管理テーブルから読み出し、読み出した製造管理データ群を端末14に送信する。ステップS125において、端末14は製造管理データ群を受信し、受信したデータ群の表す内容を自装置に接続された表示装置に表示する。これにより、ユーザに指定された検索条件に対応する製造管理データのリストが端末14の表示装置に表示される。
【0075】
図18は表示装置に表示される画面の一例を示す図である。この画面には、製品の製造に関係する製造管理データの表す情報の一覧が表示される。なお、表示される製造管理データは
図18に例示するものに限られない。表示される製造管理データに他の情報が含まれていてもよい。また、例えば、表示される製造管理データに[製品納期]のフィールドが含まれていなくてもよい。また、表示されるリストは、例えば製品種別や装置IDでソートされて表示されてもよく、他のレイアウトで表示されてもよい。
【0076】
ユーザが表示されたリストからいずれかの製造管理データを選択すると、
図17のステップS126において、端末14は選択された製造管理データに含まれる装置IDと時刻情報とを含む画像取得要求を、サーバ装置16に送信する。ステップS127において、サーバ装置16は、端末14から画像取得要求を受信すると、受信した画像取得要求に含まれる装置IDに対応する制御IDと撮影IDとを対応関係テーブルから読み出し、読み出した制御ID、撮影ID、端末14から受信した時刻情報および端末14を示す情報を含む画像取得要求をサーバ装置15に送信する。ステップS128において、サーバ装置15は、サーバ装置16から画像取得要求を受信すると、受信した画像取得要求に含まれる装置IDと時刻情報に対応するキャプチャデータの群を画像データベース153から読み出すとともに、受信した画像取得要求に含まれる撮影IDと時刻情報に対応する撮影データの群を画像データベース153から読み出す。ステップS129において、サーバ装置15は、読み出したキャプチャデータ群と撮影データ群とを端末14に応答として送信する。なお、ステップS129においてサーバ装置15は画像データ群をサーバ装置16に送信し、サーバ装置16が端末14への画像データの送信を中継してもよい。
【0077】
ステップS130において、端末14はサーバ装置15からキャプチャデータ群と撮影データ群とを受信すると、受信したキャプチャデータ群の表す画像や受信した撮影データ群の表す画像を、製造管理データの表す内容とともに表示装置に順次表示させる。これにより、ユーザに選択された製造管理データに対応する撮影データやキャプチャデータの表す画像が表示装置に時系列に順番に表示される。これにより、撮影された製造装置11による加工状況の変化や製造に係る各種計測値の変化を管理者が時系列に確認することができる。
【0078】
図19は表示装置に表示される画面の一例を示す図である。この画面は、リスト表示エリアA31と、撮影画像表示エリアA32と、キャプチャ画像表示エリアA33とを含む。端末14は
図18のリストをリスト表示エリアA31に表示するとともに、サーバ装置15から取得された撮影データ群の表す画像を撮影画像表示エリアA32に表示する。また、端末14は、サーバ装置15から取得されたキャプチャデータ群の表す画像をキャプチャ画像表示エリアA33に表示する。このとき、端末14は、キャプチャデータの表す画像と撮影データの表す画像とを時間的に同期させて表示再生する。
【0079】
この実施形態では、端末14は、受信した画像データ(撮影データやキャプチャデータ)の表す画像を、タッチディスプレイ405等の操作子から出力される情報に応じた切替速度で、画像データに付与された時刻情報に従って時系列に表示する。より具体的には、例えば、端末14は、複数の静止画像を、例えば0.5秒毎に切り替えて表示してもよい。また、
図19に例示する画面において、ユーザは、タッチディスプレイ405を用いて静止画像の切替速度を変更することができる。具体的には、例えば、端末14が、
図19に示すようなタブA34,A35を表示し、ユーザがタッチディスプレイ405を用いてタブA34,A35の位置を移動させることによって切替速度を変更してもよい。ユーザによって操作が行われると、タッチディスプレイ405は操作された内容に応じた情報を出力し、端末14は、タッチディスプレイ405から出力される情報に応じて、表示する画像の切替速度を変更する。このとき、端末14は、一方の画像データ(撮影データまたはキャプチャデータ)の切替速度がユーザにより変更された場合に、他方の画像データの切替速度もあわせて変更してもよい。
【0080】
管理者は、端末14の表示装置に表示される画面により、製造装置11による加工状況の変化とそれに伴う測定結果の変化をひとつの画面で確認することができる。
【0081】
ところで、製品の製造等に関する情報を記録する方法としては、人が監視して記録する方法や、センサなどによる計測値が記録される方法がある。しかし、記録された数値の羅列をみてもユーザが当時の状況を判断することは難しい場合がある。また、計測値の保存形式はセンサの種類などによって異なり、データの再現をまとめて行うことが困難な場合がある。
【0082】
装置のセンサやコントロールデータは多種多様であり、それぞれのセンサやデータが種々のメーカーによって作られ様々な種類のデータとして記録されている。センサのメーカーなどによってデータのフォーマットはそれぞれ異なるため、それぞれのデータを記録しようとすれば、それぞれに対応するインタフェースを準備する必要があり、その作業は煩雑である。更に、複数の種類の計測結果データをまとめて表示しようとすると、データのフォーマットを統一させたりするなどの煩雑な作業が必要になってしまう。そのため、記録された各種データを統括的に確認するには多大な時間と費用、手間が必要である。
【0083】
それに対しこの実施形態では、製品の製造過程において制御コンピュータ13により表示される制御画面をキャプチャして画像として逐次記録し、製造に関係する製造管理データに紐付けて管理する。画面をキャプチャするため、製造に係る各種のデータのそれぞれのデータ形式に依存することなく、全てを統括して単一のデータ形式にまとめることができる。そのため、データの記録に係る手間や費用を抑えることができ、また、ユーザは製造に係る各種データを統括的に確認し易い。特に、この実施形態では制御画面を画像として汎用性の高いデータ形式で保存するため、過去の製造状況を確認するために、専用の装置だけでなく種々のコンピュータが利用され得る。このように、この実施形態では、複数の異なるデータフォーマットの計測結果データがまとめて表示された画面をキャプチャすることにより、それらの計測結果データのデータフォーマットの違いがある場合であっても、それらの計測結果をまとめて記録することができる。また、記録システム1は、製造ラインに含まれる複数の製造装置11について撮影画像やキャプチャ画像を蓄積することにより、一連の製造工程を経て生産される製品の製造ラインで適用可能である。
【0084】
また、この実施形態に係る記録システム1は、撮影装置12を現場に設置するとともに、画面をキャプチャするプログラムを制御コンピュータ13にインストールすることで導入されるため、特殊なデータインタフェースを準備する必要がなく、既存の製造ラインなどに容易に導入可能である。
【0085】
また、この実施形態では、撮影装置12により製造装置11の動作状態や管理者による操作が撮影され、画像として記録される。この撮影画像がキャプチャ画像と時間的に同期再生されるため、ユーザは当時の状況を把握し易い。また、例えばエラーが発生した場合にはその旨やエラーの内容が表示された画面のキャプチャ画像が記録されるため、その画像が表示再生されることで、ユーザは当時の状況を視覚的に把握し易い。
【0086】
また、この実施形態によれば、例えば、センサが異なる種類のものに交換された場合であっても、新たに設置されたセンサに対応するインタフェースを準備する必要がなく、記録システム1に変更を加えることなく、キャプチャ画像や撮影画像をそれまでと同様に記録することができる。
【0087】
[変形例]
上述した実施形態は一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、上述した実施形態と以下に例示する変形例はそれらの2以上が組み合わされてもよい。
【0088】
(1)記録システム1において、オペレータOPを撮影し、撮影データをサーバ装置15にアップロードする撮影装置が設けられてもよい。
【0089】
図20は変形例にかかる記録システム1Bの全体構成を示した図である。記録システム1Bの構成が上述した実施形態に係る記録システム1の構成と異なる点は、オペレータOPを撮影する撮影装置17が設けられている点である。撮影装置17は、オペレータOPが撮影される位置に設けられており、予め定められたタイミングで撮影を行い、撮影データを出力する。撮影装置17が撮影データを出力するタイミングは、撮影装置12が撮影データを出力するタイミングおよび/または制御コンピュータがキャプチャデータを出力するタイミングと同期されたタイミングであってもよい。
【0090】
撮影データはサーバ装置15にアップロードされ、画像データベース153に蓄積される。この変形例においては、管理者が端末14を用いて製造管理データを閲覧する際に、製造管理データや撮影データ、キャプチャ画像とあわせて、撮影装置17によって撮影された撮影データの表す画像が表示装置に表示される。管理者は、表示装置に表示された画面により、製造装置11による製造状況の変化とそれに伴う測定結果の変化とともに、オペレータOPによる作業状況の変化をあわせて確認することができる。
【0091】
(2)上述の記録システム1において、管理者が端末14を用いて製造管理データを閲覧する際に、閲覧したい画像データを検索するための機能が設けられてもよい。例えば、端末14が上述の
図17のステップS122において、センサSの計測値の範囲(例えば温度の範囲、湿度の範囲)を指定するための画面を表示してもよい。この場合、管理者は、表示された画面を用いてセンサSの計測値の範囲を指定する。端末14は、管理者により指定された範囲を示すデータを検索条件として含む画像取得要求を、サーバ装置16に送信する。サーバ装置16は、端末14から受信された画像取得要求に対応する画像取得要求をサーバ装置15へ送信する。サーバ装置15は画像取得要求を受信すると、受信された画像取得要求に含まれる検索条件に従って画像データの検索を行う。
【0092】
サーバ装置15が行う検索処理においては、画像認識が用いられてもよい。具体的には、例えば、キャプチャ画像としてセンサSの計測結果を表すメーター画像がキャプチャされたデータが用いられる場合、センサSの計測値の範囲に対応するメーター画像(またはメータ画像の特徴)を表す照合用データを予め所定の記憶領域に記憶させておき、サーバ装置15が、照合用データを用いて画像データのパターンマッチング処理を行うことにより、画像データベース153に蓄積された画像データの中から、照合された画像データを読み出して端末14に送信してもよい。この態様によれば、管理者が閲覧したい条件に対応する画像データが検索されて端末14の表示装置に表示される。この態様においても、上述の実施形態と同様に、各種センサからの出力データに対応するインタフェースのつくりこみは不要である。
【0093】
(3)上述の実施形態では、撮影装置12と制御コンピュータ13とは別体の装置であったが、撮影装置12の機能と制御コンピュータ13の機能とを備える装置が用いられてもよい。また、上述の実施形態では、サーバ装置15とサーバ装置16の2つのサーバ装置が用いられたが、サーバ装置の台数は2に限られない。例えば、サーバ装置15の機能とサーバ装置16の機能を有する単体のサーバ装置が用いられてもよい。また、サーバ装置15の機能とサーバ装置16の機能とが3以上のサーバ装置により分担されて提供されてもよい。
【0094】
(4)本発明に係る記録システムは、種々の形態で利用可能である。例えば、本発明に係るシステムは、板金加工を行う工場において板金加工を行う装置の動作に関する情報を記録するシステムや、食品の梱包を行う工場において各種情報を記録するシステムとして用いられてもよい。また、例えば、集積回路等の各種の製品についての製造ラインに関する情報を記録するために用いられてもよい。また、建造物の建設装置の建設工程に関する情報を記録するために用いられてもよい。また、本発明に係る製品は、製造業に係る製品に限定されるものではなく、サービス業に係る商品や、部品等の中間製品も含む。
【0095】
(5)上述の実施形態では、画像データ取得手段133は、表示装置130に表示された画面がキャプチャされた画像データを取得したが、画像データはキャプチャされたデータに限られない。画像データ取得手段133によって取得される画像データは、例えば、表示装置130に表示された画面を撮影した撮影装置により生成された画像データであってもよい。
【0096】
また、画像データ取得手段133が取得する画像データは、表示された画面を表す画像データに限られない。例えば、製造装置11の製造に関する物理量の計測結果を示すメーターが製造装置11に設けられている場合に、そのメーターを撮影する撮影装置を設け、撮影した画像を表す画像データがサーバ装置15にアップロードされてもよい。
【0097】
図21はこの変形例に係る撮影装置18の概略を示す図である。図において、メーター19は、製造装置11に設けられ、製造装置11の製造に関する物理量(温度、湿度など)の計測結果を示すメーターである。撮影装置18は、メーター19を撮影し、撮影結果を示す画像データを、サーバ装置15にアップロードする。この場合、管理者が端末14を用いて製造管理データを閲覧する際、製造管理データとあわせて、撮影装置18によって生成された画像データの表す画像が表示装置に表示される。管理者は、表示装置に表示された画面により、製造装置11による製造状況の変化とそれに伴う測定結果の変化をひとつの画面上で容易に確認することができる。
【0098】
(6)上述の実施形態では、サーバ装置15にアップロードされる画像データと、サーバ装置16にアップロードされる製造管理データとは、装置ID、撮影ID、制御IDおよび対応関係テーブルにより対応付けられていた。画像データと製造管理データとを対応付ける方法は上述したものに限られない。画像データと製造管理データとは他の種類の情報により紐付けられてもよい。また、画像データと製造管理データとを直接対応付けるデータベースが用いられてもよい。
【0099】
(7)上述の実施形態では、画像データベース153には、撮影装置12によって撮影された撮影データと、制御コンピュータ13によりキャプチャされたキャプチャデータとが記憶された。画像データベース153に撮影データが記憶されなくてもよい。この場合、制御コンピュータ13から送信されてくるキャプチャデータが画像データベース153に蓄積される。
【0100】
(8)上述の実施形態では、撮影装置12、制御コンピュータ13、端末14、サーバ装置15、サーバ装置16が通信網200に接続されていたが、記録システム1の構成はこれに限られない。例えば、記録システム1に係る装置の一部または全部が一体となって構成され、スタンドアロンで動作する装置が用いられてもよい。
【0101】
(9)上述の実施形態では、キャプチャデータは制御IDと時刻情報とが付与されて画像データベース153に記憶されたが、他のデータが付与されてもよい。また、撮影データは撮影IDと時刻情報とが付与されて画像データベース153に記憶されたが、他のデータが付与されてもよい。また、製造管理データに含まれるデータは上述した実施形態で示したものに限られない。他のデータが製造管理データに含まれてもよい。
【0102】
(10)上述の実施形態において、記録の開始および終了は制御コンピュータ13を操作するオペレータOPによって指示されてもよい。この場合、制御コンピュータ13の指示取得手段135は、オペレータOPの操作に応じた開始指示データおよび終了指示データを取得することになる。また、他の例として、予め定められたイベントの発生等をトリガに、ユーザの操作を要することなく制御コンピュータ13に対する記録の開始および終了の少なくとも一方が指示されてもよい。例えば、製造管理テーブルに、製造内容の各々に応じた開始タイミングおよび終了タイミングを示すデータを記憶する[予定動作時間]のフィールドを設けておき、制御コンピュータ13がサーバ装置16から当該データを受信し、当該データが示す開始タイミングにキャプチャ画像の記録を開始し、当該データが示す終了タイミングにキャプチャを終了する構成が採用されてもよい。この場合、制御コンピュータ13の指示取得手段135は、サーバ装置16から受信したデータが示すタイミングの到来時に開始指示データおよび終了指示データを取得することになる。また、記録の開始タイミングおよび終了タイミングはオペレータOPやサーバ装置16から直接指定される必要はない。例えば、オペレータOPが制御コンピュータ13に対し記録の開始操作を行ったタイミングから所定時間の経過後に自動的に記録の終了が行われる構成が採用されてもよい。
【0103】
(11)上述した実施形態においては、撮影装置12および制御コンピュータ13は画像データを生成後速やかにサーバ装置15に送信する。これに代えて、撮影装置12および/または制御コンピュータ13が生成した画像データを記憶しておき、例えば所定時間の経過毎、作業の終了時、撮影装置12および/または制御コンピュータ13が通信速度の速いネットワークに接続したとき、等に記憶しておいた画像データをサーバ装置15に送信してもよい。
【0104】
(12)上述した実施形態において、制御コンピュータ13、端末14、サーバ装置15およびサーバ装置16はコンピュータがプログラムに従った処理を実行することにより実現されるものとした。これに代えて、制御コンピュータ13、端末14、サーバ装置15およびサーバ装置16の少なくともいずれかひとつが、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備える専用装置として構成されてもよい。
【0105】
(13)上述した実施形態において、PC10に例示されるコンピュータに制御コンピュータ13の処理を実行させるためのプログラム、コンピュータ20に例示されるコンピュータにサーバ装置15の処理を実行させるためのプログラム、コンピュータ30に例示されるコンピュータにサーバ装置16の処理を実行させるためのプログラム、およびコンピュータ40に例示されるコンピュータに端末14の処理を実行させるためのプログラムは、持続的にデータを記録する記録媒体に記録されて配布されてもよいし、インターネット等のデータ通信ネットワークを介してコンピュータへダウンロードされる形態で配布されてもよい。
【0106】
(14)上述した実施形態において例示した各種データの構成は様々に変更されてよい。例えば、サーバ装置16に記憶されている製造管理テーブルがオペレータのフィールドを備える構成であってもよい。また、例えば、製造管理テーブルが工程種別のフィールドを備えない構成であってもよい。