【解決手段】コンタクト1は、接続端子11とピアシング端子12を備える。又、コンタクト1は、圧入片13とL字状の連結アーム14を備える。接続端子11は、一対の挟持アーム111・111を有する。一対の挟持アーム111・111は、相手側コンタクトを挟持できる。ピアシング端子12は、一組の圧接刃12p・12pを有する。圧接刃12pは、誘電体Diを突き刺して中心導体Wcに接触できる。圧入片13は、ハウジング2に圧入できる。連結アーム14は、接続端子11の基端部とピアシング端子12の基端部を連結している。連結アーム14は、弾性変形が容易な首振り部14bを有する。首振り部14bは、ピアシング端子12に対して接続端子11を揺動自在に連結している。
前記接続端子は、前記相手側コンタクトの外周に接触できる半円弧状の接点突起を前記挟持アームの先端部の内壁から突出している、請求項1記載のピアシング型コンタクト。
中心導体、この中心導体を包囲する誘電体、この誘電体を覆う外部導体、及び、この外部導体を被覆する絶縁シースを有する同軸ケーブルの端末を結線する同軸コネクタであって、
請求項1又は2記載のピアシング型コンタクトと、
相手側コンタクトを導入自在に一方の面を開口し、一対の前記挟持アームを内部に配置した第1収容室を有する円板部、及び、この円板部から一部が外周方向に突出した方形部を有し、一部が前記第1収容室に連通すると共に、前記挟持アームの突出方向から前記ピアシング型コンタクトを導入、及び、前記同軸ケーブルの端末を導入できる第2収容室を他方の面に開口した前円後方形状のハウジングと、
一対の前記挟持アームが突出する方向と同じ方向から、一方の面に向って前記円板部を収容自在な円筒部、この円筒部の外周の一部が連続して略平行に延び、前記方形部を内部に収容自在な一対の延在片を有する導電性のシェルと、を備え、
前記ハウジングは、一端部を前記円板部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記第2収容室を開閉できる帯板状のリッドハウジングを有し、
前記シェルは、一端部を前記円筒部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記リッドハウジングと連動して、当該シェルの他方の面を開閉できる底板片を有するケーブルクランプを有し、
前記ケーブルクランプは、
前記外部導体を圧着自在な一対のコンダクタバレルと、
前記絶縁シースを一対のインシュレーショングリップと、
一対の前記延在片を介して、前記方形部を圧着自在な一対のクリンプバレルと、を含み、
前記ケーブルクランプの底板片が前記シェルの他方の面を閉鎖した状態では、前記リッドハウジングの他端部が前記圧接刃を圧接した前記同軸ケーブルの端末を前記圧接刃と反対側から押圧している、同軸コネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図17は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す縦断面図である。
図18は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す右側面図である。
図19は、
図18のA−A矢視断面図である。
【0007】
図20は、従来技術による同軸コネクタの構成を示す背面図であり、同軸コネクタに同軸ケーブルを接続する前の状態図である。
図21は、従来技術による同軸コネクタに備わるコンタクトの構成を示す正面図であり、
図20のB−B矢視の拡大図である。
【0008】
図22は、従来技術による同軸コネクタに備わるコンタクトの構成を示す右側面図であり、
図21の右側面の拡大図である。なお、本願の
図17から
図22は、特許文献1の
図1から
図6に相当している。
【0009】
図17から
図20を参照すると、従来技術による同軸コネクタ9は、同軸ケーブルCbの端末を結線できる。同軸ケーブルCbは、撚線からなる円形の中心導体Wc、中心導体Wcの周囲を囲うフッ素系樹脂などの誘電体Di、誘電体Diの周囲を囲う編組線などの外部導体Wb、及び、外部導体Wbを被覆保護する絶縁シースWiで構成している。同軸ケーブルCbは、各構成部材がそれらの端末から所定の剥離長で予め剥離されている(
図17又は
図18を参照)。つまり、同軸ケーブルCbは、端末処理されている。
【0010】
図17から
図22を参照すると、同軸コネクタ9は、帯板状のコンタクト91、前円後方形状の板状のハウジング92、及び、導電性のシェル93を備えている。
【0011】
図20又は
図21を参照すると、コンタクト91は、接続端子91cを先端部側に備えている。接続端子91cは、二股状に分岐した一対の挟持アーム911・911で構成している。又、コンタクト91は、ピアシング端子91pを基端部に備えている。ピアシング端子91pは、コンタクト91の板厚面から突出した一組の圧接刃912・912を有している(
図21又は
図22参照)。
【0012】
図17を参照すると、接続端子91cは、図示しないプリント基板に実装した相手側のコネクタ8の中心部に配置した相手側のコンタクト81と電気的に接続できる。ピアシング端子91pは、誘電体Diの外周方向から、一組の圧接刃912・912を誘電体Diに突き刺すことで、中心導体Wcと圧接接続できる(
図19参照)。
【0013】
図17又は
図20を参照すると、ハウジング92は、円板部921と方形部922を有している。方形部922は、円板部921からその一部が外周方向に突出している。ハウジング92は、接続端子91cを円板部921の中心部から突出している。又、ハウジング92は、ピアシング端子91pを方形部922から接続端子91cと同じ方向に突出している。更に、ハウジング92は、接続端子91c及びピアシング端子91pが露出した状態で、コンタクト91を絶縁している。
【0014】
図17又は
図18及び
図20を参照すると、シェル93は、略円形の枠状片931、一対の延在片932・932、及び矩形の底板片933を有している。枠状片931は、相手側の円筒状のシェル82と接続自在に一方の面を開口している(
図17参照)。又、枠状片931には、接続端子91cが突出する方向と同じ方向から、一方の面に向って円板部921を収容できる。
【0015】
図20を参照すると、一対の延在片932・932は、枠状片931の末端部から連続して略平行に延びている。そして、一対の延在片932・932には、その内部に方形部922を収容できる。
【0016】
図17又は
図18及び
図20を参照すると、底板片933は、一対の延在片932・932と反対側で、枠状片931と一部が連結している。又、底板片933は、枠状片931の他方の面から、枠状片931及び一対の延在片932・932を閉止している。そして、底板片933には、ハウジング92を載置している。
【0017】
図17又は
図18及び
図20を参照すると、シェル93は、ケーブルクランプ934を更に有している。ケーブルクランプ934は、底板片933から連続して突出している。そして、ケーブルクランプ934は、同軸ケーブルCbの端末を一対の延在片932・932と同軸に固定できる(
図1から
図3参照)。
【0018】
図20を参照すると、ケーブルクランプ934は、一対のコンダクタバレルBc・Bcと一対のインシュレーショングリップGi・Giを含んでいる。一対のコンダクタバレルBc・Bcは、外部導体Wbを圧着できる(
図17又は
図18参照)。そして、一対のコンダクタバレルBc・Bcは、外部導体Wbとシェル93を電気的に接続できる。
【0019】
図17又は
図18及び
図20を参照すると、一対のインシュレーショングリップGi・Giは、絶縁シースWiを圧着できる。そして、一対のインシュレーショングリップGi・Giは、同軸ケーブルCbの端末に同軸コネクタ9を固定できる。
【0020】
図20を参照すると、シェル93は、一対のクリンプバレルBa・Baを一対の延在片932・932に配置している。
図17を参照して、方形部922に形成した段差に、誘電体Diの端面を突き当てた状態で、ハウジング92の一部を巻き込んで、一対のクリンプバレルBa・Baを誘電体Diに圧着すると(
図19参照)、一組の圧接刃912・912が誘電体Diを突き抜くことで、コンタクト91と中心導体Wcを電気的に接続できる(
図17参照)。
【0021】
特許文献1による同軸コネクタは、シェルに配置した一対のクリンプバレルを誘電体に圧着することで、コンタクトと中心導体を確実、かつ、容易に接続できる、としている。
【0022】
しかし、
図17を参照すると、従来技術によるピアシング型コンタクトは、相手側のコンタクトと嵌合したときに、位置ずれがあると、ハウジングに対して、ピアシング型コンタクトの長手方向に沿って、ピアシング型コンタクトが移動する心配がある。これにより、圧接刃と中心導体の導通が不安定になる心配がある。
【0023】
図21を参照して、コンタクト91に設けた一対の挟持アーム911・911の基端部からの立ち上り長を長くすれば、位置ずれを吸収できると考えられる。しかし、一対の挟持アーム911・911の基端部からの立ち上り長を長くすると、同軸コネクタの実装高さを高くするという問題がある。同軸コネクタの低背化を維持でき、相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる、ピアシング型コンタクト、及びこのピアシング型コンタクトを備えた同軸コネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0024】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、同軸コネクタの低背化を維持でき、相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる、ピアシング型コンタクト、及びこのピアシング型コンタクトを備えた同軸コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明者らは、相手側コンタクトと接続する接続端子と同軸ケーブルに結線するピアシング端子をL字状の連結アームで連結し、連結アームには、ピアシング端子に対して接続端子を揺動自在に連結した首振り部を形成することで、ピアシング型コンタクトが相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できると考え、これに基づいて、以下のような新たなピアシング型コンタクト、及び、このピアシング型コンタクトを備えた同軸コネクタを発明するに至った。
【0026】
(1)本発明によるピアシング型コンタクトは、相手側コンタクトと同軸ケーブルを電気的に接続するための板状のピアシング型コンタクトであって、前記相手側コンタクトを外周方向から挟持自在に、二股状に分岐した一対の挟持アームを基端部から突出した接続端子と、前記接続端子に隣接配置され、前記同軸ケーブルに備わる誘電体を突き刺して中心導体に接触できる、一つ以上の圧接刃を前記挟持アームの突出方向と反対方向に基端部から突出した帯状のピアシング端子と、前記圧接刃の突出方向と反対方向に前記ピアシング端子から突出し、ハウジングに圧入できる矩形の圧入片と、前記接続端子の基端部と前記ピアシング端子の基端部を連結するL字状の連結アームと、を備え、前記連結アームは、前記ピアシング端子に対して前記接続端子を揺動自在に連結している、弾性変形が容易な首振り部を有している。
【0027】
(2)前記接続端子は、前記相手側コンタクトの外周に接触できる半円弧状の接点突起を前記挟持アームの先端部の内壁から突出していることが好ましい。
【0028】
(3)本発明による同軸コネクタは、中心導体、この中心導体を包囲する誘電体、この誘電体を覆う外部導体、及び、この外部導体を被覆する絶縁シースを有する同軸ケーブルの端末を結線する同軸コネクタであって、ピアシング型コンタクトと、相手側コンタクトを導入自在に一方の面を開口し、一対の前記挟持アームを内部に配置した第1収容室を有する円板部、及び、この円板部から一部が外周方向に突出した方形部を有し、一部が前記第1収容室に連通すると共に、前記挟持アームの突出方向から前記ピアシング型コンタクトを導入、及び、前記同軸ケーブルの端末を導入できる第2収容室を他方の面に開口した前円後方形状のハウジングと、一対の前記挟持アームが突出する方向と同じ方向から、一方の面に向って前記円板部を収容自在な円筒部、この円筒部の外周の一部が連続して略平行に延び、前記方形部を内部に収容自在な一対の延在片を有する導電性のシェルと、を備え、前記ハウジングは、一端部を前記円板部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記第2収容室を開閉できる帯板状のリッドハウジングを有し、前記シェルは、一端部を前記円筒部の一部と屈曲自在に連結し、他端部側が前記リッドハウジングと連動して、当該シェルの他方の面を開閉できる底板片を有するケーブルクランプを有し、前記ケーブルクランプは、前記外部導体を圧着自在な一対のコンダクタバレルと、前記絶縁シースを一対のインシュレーショングリップと、一対の前記延在片を介して、前記方形部を圧着自在な一対のクリンプバレルと、を含み、前記ケーブルクランプの底板片が前記シェルの他方の面を閉鎖した状態では、前記リッドハウジングの他端部が前記圧接刃を圧接した前記同軸ケーブルの端末を前記圧接刃と反対側から押圧している。
【0029】
(4)前記円板部は、一対の前記挟持アームの奥部に介在した架橋部を有し、この架橋部は、前記ハウジングの他方の面から一方の面に向けて、前記接続端子が移動することを阻止していることが好ましい。
【0030】
(5)前記ハウジングは、前記円板部の他方の面に開口した、空気層を含む一対の第1方形溝部と、前記方形部の一方の面に開口した、空気層を含む一対の第2方形溝部と、前記円板部と同心円状に配置され、前記円板部の一方の面に開口した、空気層を含む複数の円弧溝部と、を有し、これらの第1方形溝部、前記第2方形溝部、及び、前記円弧溝部は、前記ハウジングの比誘電率を低減させていることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によるピアシング型コンタクトは、相手側コンタクトと接続する接続端子と同軸ケーブルに結線するピアシング端子をL字状の連結アームで連結し、連結アームには、ハウジングに固定したピアシング端子に対して、接続端子を揺動自在に連結した首振り部を形成しているので、相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる。
【0032】
又、本発明による同軸コネクタは、相手側コンタクトと接続する接続端子と同軸ケーブルに結線するピアシング端子をL字状の連結アームで連結し、連結アームには、ピアシング端子に対して接続端子を揺動自在に連結した首振り部を形成したピアシング型コンタクトを備えているので、相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を示す斜視図であり、ピアシング型コンタクトを正面側から観た状態図である。
【
図2】前記実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を示す斜視図であり、ピアシング型コンタクトを背面側から観た状態図である。
【
図3】前記実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を示す正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態図である。
【
図5】前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態を
図4と異なる方向から観た状態図である。
【
図6】実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線した状態図である。
【
図7】前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視分解組立図である。
【
図8】前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を結線した同軸コネクタを裏面から観た状態図である。
【
図9】前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す図であり、
図9(A)は、同軸コネクタの背面図、
図9(B)は、
図9(A)の正面図、
図9(C)は、
図9(A)の左側面図、
図9(D)は、
図9(A)の背面図、
図9(E)は、
図9(A)の下面図である。
【
図10】前記実施形態による同軸コネクタに備わるハウジングの構成を示す斜視図であり、
図10(A)は、ハウジングを一方の側面側から観た状態図、
図10(B)は、ハウジングを他方の側面側から観た状態図である。
【
図11】前記実施形態による同軸コネクタに備わるハウジングの構成を示す図であり、
図11(A)は、ハウジングの平面図、
図11(B)は、ハウジングの正面図、
図11(C)は、ハウジングの右側面図、
図11(D)は、ハウジングの下面図、
図11(E)は、ハウジングの背面図である。
【
図12】前記実施形態による同軸コネクタに備わるシェルの構成を示す斜視図である。
【
図13】前記実施形態による同軸コネクタに備わるシェルの構成を示す図であり、
図13(A)は、シェルの平面図、
図13(B)は、シェルの正面図、
図13(C)は、シェルの右側面図、
図13(D)は、シェルの背面図、
図13(E)は、シェルの下面図である。
【
図14】前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を結線した同軸コネクタを縦断面図で示している。
【
図15】前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す縦断面図である。
【
図16】前記実施形態による同軸コネクタの要部を拡大した縦断面図である。
【
図17】従来技術による同軸コネクタの構成を示す縦断面図である。
【
図18】従来技術による同軸コネクタの構成を示す右側面図である。
【
図20】従来技術による同軸コネクタの構成を示す背面図であり、同軸コネクタに同軸ケーブルを接続する前の状態図である。
【
図21】従来技術による同軸コネクタに備わるコンタクトの構成を示す正面図であり、
図20のB−B矢視の拡大図である。
【
図22】、従来技術による同軸コネクタに備わるコンタクトの構成を示す右側面図であり、
図21の右側面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[ピアシング型コンタクトの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を示す斜視図であり、ピアシング型コンタクトを正面側から観た状態図である。
【0036】
図2は、前記実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を示す斜視図であり、ピアシング型コンタクトを背面側から観た状態図である。
【0037】
図3は、前記実施形態によるピアシング型コンタクトの構成を示す正面図である。なお、従来技術で用いた符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略する場合がある。
【0038】
図1から
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるピアシング型コンタクト(以下、コンタクトと略称する)1は、図示しない相手側コンタクトと同軸ケーブルCbを電気的に接続できる。
【0039】
図1から
図3を参照すると、コンタクト1は、接続端子11と帯状のピアシング端子12を備えている。又、コンタクト1は、矩形の圧入片13とL字状の連結アーム14を備えている。接続端子11は、二股状に分岐した一対の挟持アーム111・111を基端部から突出している。一対の挟持アーム111・111は、図示しない相手側コンタクトを外周方向から挟持できる。
【0040】
図1から
図3を参照すると、接続端子11は、半円弧状の接点突起11sを挟持アーム111の先端部の内壁から突出している。一対の接点突起11s・11sは、図示しない相手側コンタクトの外周に接触できる。
【0041】
図1から
図3を参照すると、ピアシング端子12は、接続端子11に隣接配置されている。ピアシング端子12は、一組の圧接刃12p・12pを有している。一組の圧接刃12p・12pは、挟持アーム111の突出方向と反対方向に基端部から突出している。一組の圧接刃12p・12pは、同軸ケーブルCbに備わる誘電体Diを突き刺して中心導体Wcに接触できる(
図17参照)。
【0042】
図1から
図3を参照すると、圧入片13は、圧接刃12pの突出方向と反対方向に、ピアシング端子12から突出している。圧入片13は、その板厚面から僅かに突出する抜け止め用の一対のバーブ(barb:刺)13b・13bを両側部に設けている。
【0043】
図1から
図3を参照して、圧入片13を後述するハウジング2に開口した圧入溝22dに圧入すると(
図10参照)、一対のバーブ13b・13bがハウジング2に食い込むことで、ピアシング端子12をハウジング2に固定できる。
【0044】
図1から
図3を参照すると、連結アーム14は、接続端子11の基端部とピアシング端子12の基端部を連結している。連結アーム14は、弾性変形が容易な首振り部14bを有している。首振り部14bは、ピアシング端子12に対して接続端子11を揺動自在に連結している。これにより、コンタクト1は、図示しない相手側コンタクトとの位置ずれを吸収できる。
【0045】
図1から
図3を参照すると、コンタクト1は、導電性を有する金属板からなることが好ましく、導電性を有する金属板を打ち抜き加工することで、所望の形状のピアシング型コンタクトを得ることができる。コンタクト1は、銅合金からなることが好ましいが、銅合金に限定されない。
【0046】
[ピアシング型コンタクトの作用]
次に、実施形態によるコンタクト1の作用及び効果を説明する。
図1から
図3を参照すると、実施形態によるコンタクト1は、図示しない相手側コンタクトと接続する接続端子11と同軸ケーブルCbに結線するピアシング端子12をL字状の連結アーム14で連結し、連結アーム14には、ハウジング2に固定したピアシング端子12に対して、接続端子11を揺動自在に連結した首振り部14bを形成しているので、ハウジングに固定した相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる。
【0047】
[同軸コネクタの構成]
次に、本発明の一実施形態による同軸コネクタの構成を説明する。
図4は、本発明の一実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態図である。
【0048】
図5は、前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線する前の状態を
図4と異なる方向から観た状態図である。
【0049】
図6は、実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を同軸コネクタに結線した状態図である。
【0050】
図7は、前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視分解組立図である。
図8は、前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を結線した同軸コネクタを裏面から観た状態図である。
【0051】
図9は、前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す図であり、
図9(A)は、同軸コネクタの背面図、
図9(B)は、
図9(A)の正面図、
図9(C)は、
図9(A)の左側面図、
図9(D)は、
図9(A)の背面図、
図9(E)は、
図9(A)の下面図である。
【0052】
図10は、前記実施形態による同軸コネクタに備わるハウジングの構成を示す斜視図であり、
図10(A)は、ハウジングを一方の側面側から観た状態図、
図10(B)は、ハウジングを他方の側面側から観た状態図である。
【0053】
図11は、前記実施形態による同軸コネクタに備わるハウジングの構成を示す図であり、
図11(A)は、ハウジングの平面図、
図11(B)は、ハウジングの正面図、
図11(C)は、ハウジングの右側面図、
図11(D)は、ハウジングの下面図、
図11(E)は、ハウジングの背面図である。
【0054】
図12は、前記実施形態による同軸コネクタに備わるシェルの構成を示す斜視図である。
図13は、前記実施形態による同軸コネクタに備わるシェルの構成を示す図であり、
図13(A)は、シェルの平面図、
図13(B)は、シェルの正面図、
図13(C)は、シェルの右側面図、
図13(D)は、シェルの背面図、
図13(E)は、シェルの下面図である。
【0055】
図14は、前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す斜視図であり、同軸ケーブルの端末を結線した同軸コネクタを縦断面図で示している。
図15は、前記実施形態による同軸コネクタの構成を示す縦断面図である。
図16は、前記実施形態による同軸コネクタの要部を拡大した縦断面図である。
【0056】
(全体構成)
図1から
図16を参照すると、本発明の一実施形態による同軸コネクタ10は、同軸ケーブルCbの端末を結線できる。同軸コネクタ10は、板状のコンタクト1、前円後方形状のハウジング2、及び、導電性のシェル3を備えている。ハウジング2は、帯板状のリッドハウジングを有している。シェル3は、ケーブルクランプ31を有している。
【0057】
図10又は
図11を参照すると、ハウジング2は、円板部22と方形部23を有している。方形部23は、円板部22からその一部が外周方向に突出している。円板部22は、第1収容室221を中心部に有している(
図8又は
図9(A)及び
図11(D)参照)。
【0058】
図8又は
図9(A)及び
図11(D)を参照すると、第1収容室221は、図示しない相手側コンタクトを導入自在に、ハウジング2の一方の面を円形に開口している。そして、第1収容室221には、一対の挟持アーム111・111を内部に配置している(
図16参照)。
【0059】
又、
図4から
図7を参照すると、ハウジング2は、第2収容室222を他方の面に矩形に開口している。第2収容室222は、その一部が第1収容室221に連通している。
図15又は
図16を参照すると、第2収容室222には、挟持アーム111の突出方向からコンタクト1を導入できる。又、第2収容室222には、同軸ケーブルCbの端末を導入できる。
【0060】
図12又は
図13を参照すると、シェル3は、円筒部32と一対の延在片33・33を有している。円筒部32には、一対の挟持アーム111・111が突出する方向と同じ方向から、円筒部32の一方の面に向って、円板部22を収容できる(
図4から
図7参照)。
【0061】
図12又は
図13を参照すると、一対の延在片33・33は、円筒部32の外周の一部が連続して略平行に延びている。そして、一対の延在片33・33には、その内部に方形部23を収容できる(
図4から
図7参照)。
【0062】
図10又は
図11を参照すると、リッドハウジング21は、その一端部を円板部22の一部と屈曲自在にヒンジ21hで連結している。そして、リッドハウジング21は、その他端部側が第2収容室222を開閉できる(
図15又は
図16参照)。
【0063】
図12又は
図13を参照すると、ケーブルクランプ31は、底板片311を有している。底板片311は、その一端部を円筒部32の一部と屈曲自在にヒンジ31hで連結している。又、底板片311は、その他端部側がリッドハウジング21と連動して、シェル3の他方の面を開閉できる(
図15又は
図16参照)。
【0064】
図12又は
図13を参照すると、ケーブルクランプ31は、一対のコンダクタバレル31c・31cと一対のインシュレーショングリップ31i・31iを含んでいる。一対のコンダクタバレル31c・31cは、外部導体Wbを圧着できる(
図8又は
図15参照)。そして、一対のコンダクタバレル31c・31cは、外部導体Wbとシェル3を電気的に接続できる。
【0065】
図8又は
図15を参照すると、一対のインシュレーショングリップ31i・31iは、絶縁シースWiを圧着できる。そして、一対のインシュレーショングリップ31i・31iは、同軸ケーブルCbの端末に同軸コネクタ10を固定できる。
【0066】
図12又は
図13を参照すると、ケーブルクランプ31は、一対のクリンプバレル31a・31aを更に含んでいる。一対のクリンプバレル31a・31aは、一対の延在片33・33を介して、方形部23を圧着できる(
図8又は
図9参照)。
【0067】
図14から
図16を参照して、ケーブルクランプ31の底板片311がシェル3の他方の面を閉鎖した状態では、リッドハウジング21の他端部が圧接刃12pを圧接した同軸ケーブルCbの端末を圧接刃12pと反対側から押圧している。これにより、コンタクト1と同軸ケーブルCbを確実に機械的及び電気的に接続できる。
【0068】
図1から
図16を参照すると、同軸コネクタ10は、図示しない相手側コンタクトと接続する接続端子11と同軸ケーブルCbに結線するピアシング端子12をL字状の連結アーム14で連結し、連結アーム14には、ピアシング端子12に対して接続端子11を揺動自在に連結した首振り部14bを形成したコンタクト1を備えているので、図示しない相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる。
【0069】
(ハウジング及びリッドハウジングの構成)
次に、実施形態によるハウジング2及びリッドハウジング21の構成を説明する。
図10又は
図11を参照すると、ハウジング2及びリッドハウジング21は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して所望の形状のリッドハウジング21付きハウジング2を得ることができる。
【0070】
図10(B)又は
図11(A)及び
図15又は
図16を参照すると、ハウジング2の円板部22は、第1収容室221と第2収容室222の間に架橋部22bを設けている。架橋部22bは、一対の挟持アーム111・111の奥部に介在している(
図15又は
図16参照)。これにより、架橋部22bは、ハウジング2の他方の面から一方の面に向けて、接続端子11が移動することを阻止している。
【0071】
又、
図10を参照すると、ハウジング2の方形部23は、方形の第3収容室223を有している。第3収容室223は、第2収容室222に連通している。第3収容室223には、同軸ケーブルCbの端末を収容できる。より具体的には、第3収容室223には、端末処理された誘電体Diを収容できる(
図15又は
図16参照)。又、
図10を参照して、第3収容室223に形成した段差に、誘電体Diの端面を突き当てることで、誘電体Diの挿入長を規定できる(
図15又は
図16参照)。
【0072】
図10又は
図11(A)を参照すると、第3収容室223は、圧入溝22dを底面に穿設している。圧入溝22dには、コンタクト1の圧入片13を圧入できる(
図15又は
図16参照)。圧入片13を圧入溝22dに圧入することで、一組の圧接刃12p・12pを第3収容室223に配置できる。
【0073】
図10又は
図11(A)を参照すると、ハウジング2は、空気層を含む一対の第1方形溝部D1・D1を有している。これらの第1方形溝部D1・D1は、円板部22の他方の面に開口している。又、
図11(D)を参照すると、ハウジング2は、空気層を含む一対の第2方形溝部D2・D2を有している。これらの第2方形溝部D2・D2は、方形部23の一方の面に開口している。
【0074】
更に、
図8又は
図11(D)を参照すると、ハウジング2は、空気層を含む複数の円弧溝部D3を有している。これらの円弧溝部D3は、円板部22と同心円状に配置され、円板部22の一方の面に開口している。
【0075】
これらの第1方形溝部D1・D1、第2方形溝部D2・D2、及び、複数の円弧溝部D3は、空気層を含むことで、ハウジング2の比誘電率を低減させている。これにより、同軸コネクタ10の特性インピーダンスを調整できる。
【0076】
(シェル及びケーブルクランプの構成)
次に、実施形態によるシェル3及びケーブルクランプ31の構成を説明する。
図12又は
図13を参照して、シェル3及びケーブルクランプ31は、導電性を有する金属板からなり、所定の外形に加工された導電性を有する展開板を成形加工して、所望の形状のケーブルクランプ31付きシェル3を得ることが好ましい。
【0077】
図12又は
図13を参照して、シェル3は、導電性を有する展開板を折り曲げ加工して、円筒部32と一対の延在片33・33を成形しておくことが好ましい。又、ケーブルクランプ31には、一対のコンダクタバレル31c・31c、及び一対のインシュレーショングリップ31i・31iを開口した状態で、折り曲げ成形しておくことが好ましい。更に、一対のインシュレーショングリップ31i・31iは、対向配置した状態で、折り曲げ成形しておくことが好ましい。
【0078】
[同軸コネクタの作用]
次に、実施形態による同軸コネクタ10の組立順序を説明しながら、実施形態による同軸コネクタ10の作用及び効果を説明する。
【0079】
最初に、
図4又は
図5及び
図15又は
図16を参照して、コンタクト1をハウジング2に圧入しておく。次に、
図7を参照して、コンタクト1付きハウジング2をシェル3の一方の面からシェル3に挿入する(
図4又は
図5参照)。これにより、シェル3は、コンタクト1付きハウジング2を保持できる。
【0080】
次に、
図7を参照して、ハウジング2の第3収容室223に向かって、同軸ケーブルCbの端末を第3収容室223に収容する(
図6参照)。次に、
図6に示すように、シェル3に対して、ケーブルクランプ31が起立した状態から、シェル3の他方の面に向って、ケーブルクランプ31を屈曲する(
図8参照)。
【0081】
次に、
図14から
図16を参照して、ケーブルクランプ31の底板片311がシェル3の他方の面を閉鎖した状態では、リッドハウジング21の他端部が圧接刃12pを圧接した同軸ケーブルCbの端末を圧接刃12pと反対側から押圧している。これにより、コンタクト1と同軸ケーブルCbを確実に機械的及び電気的に接続できる。
【0082】
次に、
図8又は
図9を参照して、一対の延在片33・33を介して、一対のクリンプバレル31a・31aを方形部23に圧着することで、ピアシング端子12の圧接状態を維持できる。
【0083】
次に、
図8又は
図15を参照して、一対のコンダクタバレル31c・31cを外部導体Wbに圧着することで、外部導体Wbとシェル3を電気的に接続できる。次に、
図8又は
図15を参照して、一対のインシュレーショングリップ31i・31iを絶縁シースWiに圧着することで、同軸ケーブルCbの端末に同軸コネクタ10を固定できる。そして、一連の組立作業を終了する。
【0084】
図14から
図16を参照すると、同軸コネクタ10は、図示しない相手側コンタクトと接続する接続端子11と同軸ケーブルCbに結線するピアシング端子12をL字状の連結アーム14で連結し、連結アーム14には、ピアシング端子12に対して接続端子11を揺動自在に連結した首振り部14bを形成したコンタクト1を備えているので、図示しない相手側のコンタクトとの位置ずれを吸収できる。
【0085】
図15又は
図16を参照すると、ハウジング2の円板部22は、第1収容室221と第2収容室222の間に架橋部22bを設けている。架橋部22bは、一対の挟持アーム111・111の奥部に介在しているので、架橋部22bは、ハウジング2の他方の面から一方の面に向けて、接続端子11が移動することを阻止できる。
【0086】
図4から
図16を参照すると、ハウジング2に設けた一対の第1方形溝部D1・D1、第2方形溝部D2・D2、及び、複数の円弧溝部D3は、空気層を含むことで、ハウジング2の比誘電率を低減できる。これにより、同軸コネクタ10の特性インピーダンスを調整できる。