【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるフラットコンタクトソケットでは、この目的は、ソケット本体における少なくとも2つの離間した区域から離れるように延び、接続部の共通接続面を形成する少なくとも2つの延長部によって達成される。本発明による接続組立体では、この目的は、接続面が少なくとも1つの導電体に導電的に接続される本発明によるフラットコンタクトソケットによって達成される。
【0005】
本発明による解決策により、少なくとも2つの延長部を介してフラットコンタクトソケットを通して電流の流れを伝導し、それにより、電流の流れを分配することができる。その結果、損傷が生じるほど個々の区域が電流の流れによって強く加熱されるのを防止することが可能である。経験から、200アンペアを超える電流をこのようにしてフラットコンタクトソケットを通して伝導することができる。延長部が延びる少なくとも2つの区域は離間しているので、電流は、さらに、フラットコンタクトソケットまたはソケット本体の異なるポイントに伝導することができ、その結果、フラットコンタクトレセプタクルに配置されたフラットコンタクトへの電流の流れのより良好な分配が達成される。
【0006】
本発明による解決策は様々な構成によってさらに改善することができる。様々な構成は、各々、それ自体有利であり、望むように互いに組み合わせることができる。これらの構成および関連する利点を以下で論じる。
【0007】
本発明による解決策は、角度がついた接続(90°接続)または直線接続(180°接続)のいずれかで使用することができる。90°接続の場合には、接続部は、接続状態において、導電体が、少なくとも接続部の区域で、フラットコンタクトレセプタクルへのフラットコンタクトの挿入方向を横断して延びることができる。180°接続の場合には、少なくとも接続部の区域で導電体が挿入方向と平行に延びるように、接続部が延在することができる。
【0008】
フラットコンタクトソケットを簡単に取り扱うために、接続部は、フラットコンタクトレセプタクルから離間しているが、フラットコンタクトレセプタクルに接続されていることが好ましい。
【0009】
延長部のうちの少なくとも1つは、ソケット本体と一体に形成されて、簡単な構造と良好な導電性とを達成することができる。
【0010】
接続面は、特に、溶接またははんだ付けによって少なくとも1つの導電体に接続されるものとすることができる。この目的のために、接続面は、まっすぐで、平坦で、工具を近づけやすいことが好ましい。
【0011】
特に簡単な構造のソケット本体を得るために、ソケット本体は、少なくとも2つの脚部を有することができる。少なくとも2つの脚部はフラットコンタクト面を挟んで互いに対向して配置され、少なくとも2つの脚部は、フラットコンタクト面を横断してフラットコンタクトレセプタクルの境界を定める。2つの脚部は、特に、実質的に平坦であり、フラットコンタクト面と平行に向けることができる。
【0012】
脚部とともに形成される、好ましくは脚部と一体に形成される少なくとも1つの延長部が、脚部の各々から離れるように延びることができる。その結果、2つの脚部の各々は、関連する延長部を介して導電体に接続され得る。このようにして、フラットコンタクトレセプタクルに受容されたフラットコンタクトは、2つの脚部を介して電気的に接触され得る。これは、接続部からの電流の流れが最初に2つの脚部のうちの1つで生じ、続いてその脚部から他の脚部へと生じる構成と比較して、フラットコンタクトソケットを通る電流の流れを増加させることができるので有利である。
【0013】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの延長部は、その関連する脚部から接続部にまっすぐに連続的に延びることができる。特に、脚部と、それに接続された、またはそれと一体に形成された延長部とは、フラットコンタクト面と平行に延びることができる。対向する脚部とともに形成された、または対向する脚部に接続された少なくとも1つのさらなる延長部は、この場合、最初にフラットコンタクト面を実質的に横断して反対側の脚部の方に、続いて接続部へと延びるように形成することができ、その結果、少なくとも2つの延長部は、フラットコンタクト面を横断して見たとき、脚部のうちの1つの内面の高さに配置された接続面を形成する。
【0014】
代替として、少なくとも2つの延長部は、それらのうちの少なくとも1つが2つの脚部の各々から離れるように延び、最初に反対側の脚部の方に、続いて接続部に延びることができる。この場合、接続面の高さは、フラットコンタクト面を横断して見たとき、2つの対向する脚部の間に配置され得る。特に、延長部は、2つの脚部の間の中央に配置された面に沿って延びることができる。
【0015】
脚部のうちの少なくとも1つは、フラットコンタクトに電気的に接触するための少なくとも1つのコンタクト部を内脚面に有することができる。内面は、フラットコンタクトレセプタクルの方を向いておりフラットコンタクトレセプタクルの境界を定める面である。
【0016】
好ましくは、2つの脚部は各々コンタクト部を有する。これらのコンタクト部は、フラットコンタクト面を挟んで互いに対向して配置されることが好ましい。少なくとも1つの延長部が脚部の各々から延びる場合、コンタクト部の各々は、関連する延長部を介して接続面に接続され得る。その結果、2つのコンタクト部は、どの場合にも延長部を介して少なくとも1つの導電体に接続することができ、それによって、電流は接続部からコンタクト部に直接流れることができる。
【0017】
少なくとも1つのコンタクト部と、フラットコンタクトレセプタクルに受容されたフラットコンタクトとの間の電気接触を改善するために、少なくとも1つのコンタクト部は、少なくとも1つのコンタクトばねを備えることができる。少なくとも1つのコンタクトばねは、フラットコンタクトレセプタクル内に突出し、脚部の方に弾性的に撓むことができる。少なくとも1つのコンタクト部は、このタイプの複数のコンタクトばねを有することが好ましい。
【0018】
少なくとも1つのコンタクトばねは、脚部と一体に形成される必要はない。特に、少なくとも1つのコンタクト部は、複数のコンタクトばねを有するコンタクトプレートを備えることができる。コンタクトプレートは、良好な導電性のために選択された材料から形成することができる。少なくとも1つのコンタクトプレートは、材料係合によって、特に溶接によって少なくとも1つの脚部の内面に接続されることが好ましい。少なくとも2つの脚部の各々は少なくとも1つのコンタクトプレートを備える。このプレートは、フラットコンタクトレセプタクルを挟んで互いに対向して配置されることが好ましい。
【0019】
本発明によるフラットコンタクトソケットの特にコンパクトな実施形態は、2つの延長部が接続部において互いに対置して配置されフラットコンタクト面と平行に延びる接続面を形成する故に得ることができる。特に、2つの延長部は、互いに対置して配置することができる。
【0020】
少なくとも2つの延長部によって形成される共通接続面は、必ずしも連続して形成される必要はない。例えば、製造に由来する間隙が2つの延長部間に存在することも可能である。この場合、少なくとも1つの導電体が、特に溶接によって両方の延長部に接続され、それにより、2つの延長部を通る電流の流れを可能にすることができる。
【0021】
接続面は、複数の導電体に接続可能とすることもできる。例えば、少なくとも2つの延長部の各々は、少なくとも1つの導電体に接続され得る。これは、特に、1つの導電体のみを使用して接続するケーブルの断面よりも小さい断面をもつ導電体、例えばケーブルを使用するように意図される場合に有利である。この構成は、例えばケーブルのより小さい曲げ半径が必要とされる場合に選択することができる。
【0022】
複数の導電体を使用した接続では、延長部のうちの1つは、導電体のうちの1つに接続されることが好ましい。例えば、延長部の各々は、関連する導電体、例えばケーブルに溶接することができる。
【0023】
安定したフラットコンタクトソケットを得るために、少なくとも2つの脚部は、挿入方向において挿入開口の反対側に配置された少なくとも1つのウエブを介して接続することができる。その結果、特に、少なくとも2つの脚部間の距離を固定することができる。特に、180°接続のためのフラットコンタクトソケットでは、さらに、挿入方向で見たとき少なくとも1つのウエブがフラットコンタクトレセプタクルの側部に配置されるように、少なくとも1つのウエブを配置することは得策であり得る。
【0024】
フラットコンタクトソケットは、ハウジングとのポジティブ係合を確立するために、挿入方向に対して実質的に平行に、または挿入方向を横断してフラットコンタクトソケット内に延びる少なくとも1つのポジティブ係合凹部を有することができる。少なくとも1つのポジティブ係合凹部は、特に、接続部とソケット本体との間に配置することができる。
【0025】
90°接続の場合には、少なくとも1つのポジティブ係合凹部は、フラットコンタクトの挿入方向と平行にフラットコンタクトソケット内に延びることができることが好ましい。180°接続では、少なくとも1つのポジティブ係合凹部は、挿入方向を横断してフラットコンタクトソケット内に延びることが好ましい。
【0026】
少なくとも1つのポジティブ係合凹部の結果として、挿入方向に対して平行に延びる、または挿入方向を横断して延びる少なくとも1つの停止面を、フラットコンタクトソケットをハウジングに固定するためにソケット本体に形成することができる。
【0027】
ハウジング、例えばフラットコンタクトソケットを受容するための絶縁ハウジングは、フラットコンタクトソケットがハウジングに受容された組立て状態で、ポジティブ係合凹部に受け取られるポジティブ係合要素を有することができる。特に、ハウジングは、ポジティブ係合要素がポジティブ係合凹部に受け取られる向きと異なる向きでフラットコンタクトソケットをハウジングに挿入しようとする場合に、ポジティブ係合要素がフラットコンタクトソケットの別の部分にぶつかるように形成することができる。したがって、ポジティブ係合要素のポジティブ係合凹部との協働は、組立て中のエラーを防止するための要素を形成する。組立て状態では、ポジティブ係合要素は停止面に打ち当たることができ、それは、フラットコンタクトソケットがハウジングから外れる、特に、接続部の方に外れるのを効果的に防止することができる。これは、特に、接続部に接続された導電体に引張り力が加えられる場合に当てはまる。
【0028】
製造にとって迅速で都合のよいフラットコンタクトソケットを得るために、上記ソケットは、特に、打抜き曲げ部品として生産することができる。
【0029】
本発明によるフラットコンタクトソケットの安定性をさらに向上させるために、特に、少なくとも2つの脚部が曲がって互いに離れるのを防止するために、フラットコンタクトソケットは、挿入方向と反対方向に向いている脚部端部を互いに接続するかまたはラッチする少なくとも1つのラッチ要素を有することができる。
【0030】
本発明によるフラットコンタクトソケットは横方向ガイド要素を有することができる。横方向ガイド要素は、ソケット本体と一体に形成されており、好ましくは打抜き曲げによって形作られており、フラットコンタクトを、挿入方向を横断して案内することができる。ガイド要素は、特に、挿入開口に対して横断面方向で配置された側部に2つの脚部を少なくとも部分的にロックできるように配置することができる。
【0031】
本発明によるフラットコンタクトソケットがハウジングに受容されることになる場合、フラットコンタクトソケットは、ポジティブ係合においてハウジングの少なくとも1つの相補的に形成された位置固定要素を受け取るように形成された少なくとも1つの刻み目を備えることができる。
【0032】
以下、例として、図面を参照しながら有利な実施形態によって本発明をより詳細に説明する。特定の用途では、実施形態において例として示される特徴の組合せは、上述で規定されたようにさらなる特徴が適宜に補足されてもよい。さらに、個々の特徴は、特定の用途においてこの特徴の効果が必須でない場合、再度、上述で規定されたように、記載する実施形態では省略されてもよい。
【0033】
図面において、同じ参照番号は、常に、同じ機能および/または同じ構造をもつ要素に使用される。