本発明の一実施形態によるインダクタは、複数のコイルパターンがビアを介して接続されて形成されたコイルを内部に配置した本体を含み、上記ビアは、第1導電層と、上記第1導電層上に形成された第2導電層と、を含み、下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有するようにすることにより、コイルの層間接続面積を広くして、電気的特性及び接続信頼性を向上させることができる。
前記本体の厚さ方向の断面において、一つの前記コイルパターンと厚さ方向に隣接するコイルパターンとの間の絶縁層の厚さは5〜10μmである、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のインダクタ。
前記本体の厚さ方向の断面において、一つの前記コイルパターンと厚さ方向に隣接するコイルパターンとの間の絶縁層の厚さは5〜10μmである、請求項13から請求項15の何れか一項に記載のインダクタの製造方法。
前記導電性ビアは、前記導電性ビアの前記第1コイルパターンとの接触面と前記第2コイルパターンとの接触面の間でテーパー状を有する、請求項19または請求項20に記載のインダクタ本体。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0015】
以下、本発明によるインダクタ100について説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態によるインダクタの概略的な斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるインダクタの概略的な断面図であり、
図3は本発明の一実施形態によるインダクタの概略的な側面断面図である。
【0017】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるインダクタ100は、複数のコイルパターンがビア130を介して接続されて形成されたコイル120を内部に配置した本体110を含み、ビア130は、第1導電層と、上記第1導電層上に形成された第2導電層と、を含み、第2導電層は、導電性粉末及び有機物を含む。
【0018】
上記本体110は、図示していないが、第1主面及び第2主面、並びに上記第1主面と第2主面を接続する側面を含むことができる。上記側面は、絶縁層が積層される方向と直交する方向の面であることができる。
【0019】
従来のインダクタは、コイルパターンが形成された複数のセラミック層を積層及び焼成して本体を形成していた。しかし、この場合、コイルパターンが形成されている部分とコイルが形成されていない部分との間の段差が原因でクラックまたは層間剥離が発生するという問題点があった。
【0020】
本発明の一実施形態によるインダクタ100は、上記本体110を絶縁材料で構成することができる。上記本体を絶縁材料で構成すると、コイルパターンによる段差が発生しないため、クラックなどの不良を防止することができる。また、セラミック材料を用いた従来のインダクタに比べて低い誘電率を有することができることから、寄生容量(capacitance)を減少させることができるため、インダクタのQ特性を確保することができる。
【0021】
上記本体110は、絶縁層を積層して形成することができる。
【0022】
上記絶縁材料は、感光性樹脂、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、フェノール系、及びスルホン系のうち少なくとも一つであることができる。
【0023】
上記絶縁層111は、積層及び硬化後の境界がほとんど確認できないほど一体化していることができる。このような本体の形状、寸法、及び絶縁層の積層数は本発明の実施形態に示したものに限定されるものではない。
【0024】
上記本体110は内部にコイルを含む。
【0025】
上記コイル120は、銀(Ag)または銅(Cu)を含む材料、またはこれらの合金を含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0026】
上記コイル120の端部は、上記本体の両側面に引き出されて、外部電極と電気的に接続されることができる。
【0027】
上記コイル120は、複数のコイルパターンがビア130を介して順に接続されて積層方向に沿って重なりながら螺旋構造を有することができる。
【0028】
上記ビア130は、各絶縁層111の間で互いに離れるように配置することができる。
【0029】
このとき、本体110の上部面及び下部面のうち少なくとも一つに、本体110内のコイルを保護するためのカバー層(図示せず)を形成することができる。
【0030】
上記カバー層は、上記絶縁層と同一の材料からなるペーストを一定の厚さで印刷して形成することができる。
【0031】
一般に、積層型インダクタの製造方法では、各コイルを接続するためのビアを形成し、ビアの内部に金属を充填する方式を用いて層間接続を成している。
【0032】
従来は、この金属バンプの断面形状がビアの形状に従う長方形を有していたが、各層を接続する際の接続面積に制限があるため、各層のアライメントが合わず、接続性が悪くなるという問題点があった。
【0033】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるインダクタ100は、上記ビア130が、第1導電層130aと、上記第1導電層130a上に形成された第2導電層130bと、を含み、且つ下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有する。
【0034】
上記ビア130において、下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有するとは、下部に配置されたコイルパターンと接するビアの下部から上部に上がるほど上記ビア130の断面がより広くなることを意味する。
【0035】
より具体的には、本体を平行な面に切断したとき、上記ビア130における下部及び上部のそれぞれの断面積が互いに異なり、上部の断面積が下部の断面積よりも大きな形状を有する。
【0036】
これにより、コイルの層間接続面積を広くすることで、電気的特性及び接続信頼性を向上させることができる。
【0037】
本発明の一実施形態によると、上記ビア130は、下部に配置されたコイルパターンと上部に配置されたコイルパターンを接続して、コイル120を形成する。ここで、上記ビア130と、上記下部及び上部に配置されたコイルパターンと、が接触する面積は、上記ビア130において下部よりも上部でさらに大きい。
【0038】
すなわち、上記ビア130において、下部に配置されたコイルパターンと接するビアの下部から上部に上がるほど上記ビア130の断面が広くなり、上部に配置されたコイルパターンと接するビアの上部で最大の断面積を有するようになる。
【0039】
上記第1導電層130aは、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及びスズ(Sn)のうち少なくとも一つからなることができ、これに限定されるものではないが、銅(Cu)であることができる。
【0040】
上記第2導電層130bは、導電性粉末及び有機物を含み、上記導電性粉末は、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)、及びビスマス(Bi)のうち少なくとも一つまたはこれらの合金であることができる。
【0041】
上記導電性粉末は、サイズが異なる二つ以上の粉末を含むことができる。例えば、上記導電性粉末は、これに限定されるものではないが、3μmのスズ(Sn)またはビスマス(Bi)と、1μmの銀(Ag)と、を含む形態であってもよい。
【0042】
上記有機物は、ポリマー(polymer)及びフラックス(flux)のうち少なくとも一つであることができる。上記有機物は、これに限定されるものではないが、例えば、エポキシ、アクリレート、及びフェノール系樹脂のうちから選択された一つであることができる。
【0043】
本発明の一実施形態によると、上記ビア130の断面形状は、上記ビア130の断面においてビアの下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有していれば特に制限されず、例えば、逆台形や扇形などであってもよい。
【0044】
上記本体110の幅−厚さ方向の断面において、上記ビア130のうち第1導電層130aは扇状を有することができる。
【0045】
上記本体110の製造工程上において、貫通孔の内部に第1導電層130aを形成し、且つ絶縁層の上部面を超えて第1導電層130aを形成することにより、このような構造を実現することができる。より詳細な説明は後述する。
【0046】
上記本体110の幅−厚さ方向の断面において、上記第1導電層130a及び第2導電層130bは扇形状を有することができる。
【0047】
すなわち、上記ビア130の断面は、下部よりも上部の断面積がさらに大きい扇形状を有することができる。このとき、第1導電層130a及び第2導電層130bがともに上部面が円弧状である扇形状を有することができる。
【0048】
一方、上記本体110の両側面に外部電極115a、115bを配置する。
【0049】
上記外部電極115a、115bは、電気導電性に優れた材料を用いて形成することができ、例えば、銀(Ag)または銅(Cu)のような導電性材料、またはこれらの合金を含んで形成することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
また、このように形成された外部電極115a、115bの表面に、必要に応じて、ニッケル(Ni)またはスズ(Sn)をめっき処理してめっき層を形成することができる。
【0051】
図4及び
図5は、
図3のA領域の拡大図であって、ビアの側面の傾き角度を測定するための概略図である。
【0052】
図4及び
図5には、下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有する本発明の一実施形態によるビア130のうちその断面形状が扇形状である場合が示されている。
【0053】
上記断面形状が扇形状であるビア130は、一定のテーパー(Taper)を有し、点線で示される部分の逆台形状における側面の傾きθが、床面と一定の角度を維持することができるように調節することで、各コイルを接合する際に広い断面積を確保することができる。
【0054】
本発明の一実施形態によると、上部開口部のサイズよりも大きい円弧を確保するために、上記ビア130の側面の傾きθは40°〜70°の角度を有することができる。
【0055】
より好ましくは、上記ビア130の側面の傾きθは50°〜60°の角度を有することができる。
【0056】
以下、上記ビア130の側面の傾きθを測定して求める方法について具体的に説明する。
【0057】
上記ビア130の側面の傾きθは、
図4に示すように、上記ビア130の上部開口部のサイズ(Top Open Size)TO、下部開口部のサイズ(Bottom Open Size)BO、及び絶縁材の厚さTを測定した後、計算して得ることができる。
【0058】
より具体的には、上記ビア130の側面の傾きθは、下記数式によって測定した上部開口部のサイズ(Top Open Size)TO、下部開口部のサイズ(Bottom Open Size)BO、及び絶縁材の厚さTの値を通じて計算することができる。
【0061】
図5は、扇形状のビア130の各部分の距離を実測して、上記ビアをより詳細に分析するための概略図であり、具体的には、上記扇形状のビアの下部開放部の両頂点からそれぞれ伸びる仮想の延長線が交わる地点までをつなげて扇形を完成して示す概略図である。
【0062】
ここで、rとは上記一定のテーパー(Taper)を有するビアの側面距離のことであり、Rとは上記上部開口部から上記仮想の延長線同士が交わる地点までの側面距離のことであり、Xとは上記上部開口部から上記仮想の延長線と接する地点までの垂直距離のことである。
【0063】
下記表1は、各部分の実測値、上記数式1及び2を通じて計算された上記ビア130の側面傾きθ、テーパー(Taper)、及び円弧の各値を示している。
【0065】
上記表1を参照すると、最も下部に示された数値は各項目の上記データ全体の平均値を示し、絶縁層の厚さが小さくなるほど円弧の大きさが上部開口部のサイズよりも広くなることが分かる。
【0066】
上記表1のデータに基づくと、下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有するビアにおいて、一定のレベル以上の円弧を有し、且つコイルの層間接続面積が広くなるようにしながらも、コイルの層間接続時の信号の干渉を最小限に抑えることができる絶縁層の厚さを決定することができるようになる。
【0067】
本発明の一実施形態によると、コイルの層間接続面積を広くするとともに、コイルの層間接続時の信号の干渉を最小限に抑えることができる絶縁層の厚さは5〜10μmであることができる。
【0068】
本発明の一実施形態では、コイルの層間接続面積を広くするとともに、コイルの層間接続時の信号の干渉を最小限に抑えることができる絶縁層の厚さを7μmに設定した。
【0069】
上記絶縁層の厚さが10μmを超えると、ビアの高さが原因でビアの内部へのめっき液の供給が円滑に行われず未めっき不良が発生する可能性がある。
【0070】
一方、上記絶縁層の厚さが5μm未満の場合には、コイルの層間間隔が狭くなって、電気信号の干渉が発生するおそれがある。
【0071】
下記表2はビアの形状によるコイルの層間接続面積を比較したものである。
【0072】
下記表2において、比較例は断面形状が四角形である従来のビアの形状を示す場合であり、実施例1はビアの断面形状が逆台形である本発明の第1実施形態を示す場合であり、実施例2はビアの断面形状が扇形である本発明の第2実施形態を示す場合である。
【0074】
上記表2を参照すると、断面形状が四角形である従来のビアの形状を示す比較例に比べて、実施例1及び2は、コイルの層間接続面積がそれぞれ178%及び190%に増加することが分かる。
【0075】
以下、本発明によるインダクタの製造方法について詳細に説明する。
【0076】
本発明の一実施形態によるインダクタの製造方法は、基板上にコイルパターンを形成する段階と、上記基板上に上記コイルパターンを覆うように絶縁層を形成する段階と、上記絶縁層に下部よりも上部の断面積がさらに大きい貫通孔を形成する段階と、上記貫通孔の内部に第1導電層を形成し、且つ上記絶縁層の上部面を超えて第1導電層を形成する段階と、上記第1導電層の上部に導電性ペーストを印刷して第2導電層を形成する段階と、上記基板と、上記コイルパターン、上記第1及び第2導電層が含まれる上記絶縁層とを分離する段階と、上記分離された複数の絶縁層を積層して、コイルパターン、及び上記コイルパターンと接続された第1及び第2導電層を含むビアで構成されたコイルを含む本体を形成する段階と、を含む。
【0077】
上記絶縁層は、感光性樹脂、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、フェノール系、及びスルホン系のうち少なくとも一つからなることができる。
【0078】
上記絶縁層が上記感光性樹脂からなる場合、上記貫通孔は、フォトレジスト法で形成することができる。また、上記絶縁層がエポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、フェノール系、及びスルホン系のうち少なくとも一つからなる場合、上記貫通孔は、レーザードリルを用いて形成することができる。
【0079】
上記貫通孔に導電性ペーストを印刷またはめっきしてビアを形成する。本発明の一実施形態による貫通孔の形状は、例えば、逆台形状であってもよい。
【0080】
上記第1導電層130aは、めっき法で形成することができ、導電性金属からなることができる。上記導電性金属は、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及びスズ(Sn)のうち少なくとも一つであることができ、これに限定されないが、銅(Cu)であることができる。
【0081】
上記第2導電層130bは、導電性粉末及び有機物を含む導電性ペーストを印刷して形成することができる。
【0082】
上記導電性ペーストは、熱硬化型ペースト及び230℃以下で焼結可能な低温焼結型ペーストのうち一つであってもよい。
【0083】
上記導電性ペーストは、導電性粉末及び有機物を含むことができる。
【0084】
上記導電性粉末は、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)、及びビスマス(Bi)のうち少なくとも一つであることができ、サイズが異なる二つ以上の粉末を含むこともできる。例えば、上記導電性粉末は、これに限定されるものではないが、3μmのスズ(Sn)またはビスマス(Bi)と、1μmの銀(Ag)と、を含む形態であってもよい。
【0085】
上記有機物は、ポリマー及びフラックスのうち少なくとも一つであることができる。上記有機物は、これに限定されるものではないが、例えば、エポキシ、アクリレート、及びフェノール系樹脂のうち選択された一つであることができる。
【0086】
図6a〜
図6gは、本発明の一実施形態によるインダクタの製造方法を説明するための概略的な工程断面図であり、ビアの形成工程について具体的に示したものである。
【0087】
図6aを参照すると、基板上にコイルパターンを形成する。
【0088】
上記基板は、銅張積層板(copper clad laminate;CCL)であってもよい。上記銅張積層板は、基材の片面または両面に銅箔を施したプリント配線板用の積層板であり、上記基材は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などであることができる。
【0089】
上記コイルパターンは、上記銅張積層板に露光及び現像工程を行って形成することができる。
【0090】
上記コイルパターンは、銀(Ag)または銅(Cu)を含む材料、またはこれらの合金を含むことができ、これに限定されるものではないが、銅(Cu)であることができる。
【0091】
図6b及び
図6cを参照すると、上記基板上に上記コイルパターンを覆うように絶縁層111を形成し、上記絶縁層111に貫通孔135を形成する。
【0092】
上記絶縁層111は、感光性樹脂であってもよい。上記絶縁層111が感光性樹脂であれば、上記貫通孔135は、フォトレジスト(photoresist;PR)工程で形成することができる。
【0093】
上記貫通孔135は、上記絶縁層111を貫通して上記コイルパターンに接するように形成する。
【0094】
上記貫通孔135の断面は、上記絶縁層がネガ型(negative type)フォトレジストである場合は台形状を有することができ、上記絶縁層がポジ型(positive type)フォトレジストである場合は上面の長さが下面の長さよりも大きい逆台形状を有することができる。
【0095】
本発明の一実施形態によると、上記貫通孔135の断面は、上記絶縁層111がポジ型(positive type)フォトレジストである場合で、上面の長さが下面の長さよりも大きい逆台形状を有することができる。
【0096】
図6dを参照すると、上記貫通孔135の内部に第1導電層130aを形成する。
【0097】
上記第1導電層130aは、電気めっき法で形成し、これに限定されないが、銅(Cu)であることができる。
【0098】
上記第1導電層130aは、上記絶縁層111の厚さのレベルまで銅(Cu)めっきを行い、且つ絶縁層111の上面を超えて扇形状を有するように形成する。
【0099】
図6eを参照すると、上記第1導電層130aの銅(Cu)めっき層の厚さ偏差を補完するために、その上部に小さい荷重でも容易に変形するスズ(Sn)を電気めっき法を用いて形成することで、第2導電層130bのスズ(Sn)めっき層を形成する。
【0100】
上記ビア130は、上記第1及び第2導電層130a、130bを含む。
【0101】
上記第2導電層130bは、電気めっき法で形成するが、これに限定されず、例えば、一定のパターンが形成された金属マスク(metal mask)上に導電性ペーストを塗布した後、スキージ(squeegee)を用いて、上記貫通孔の内部に導電性ペーストを充填して形成することもできる。
【0102】
上記第2導電層130bは、導電性粉末及び有機物を含むことができる。
【0103】
上記導電性粉末は、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)、及びビスマス(Bi)のうち少なくとも一つであることができ、サイズが異なる二つ以上の粉末を含むこともできる。
【0104】
上記有機物は、ポリマー(polymer)及びフラックス(flux)のうち少なくとも一つであることができる。
【0105】
図6f及び
図6gを参照すると、上記基板と、上記コイルパターン、上記第1及び第2導電層130a、130bが含まれる上記絶縁層111とを分離し、分離された複数の絶縁層111を積層して本体110を形成する。
【0106】
上記基板は、エッチング方法を用いて除去することができる。
【0107】
上記分離された複数の絶縁層111を一括積層し、積層された複数の絶縁層111を高温圧着して本体110を形成する。
【0108】
上記本体110を形成する段階は、高い温度で焼結せず、上記絶縁層111及び上記第2導電層130bが硬化することができる温度で行うことができる。
【0109】
また、上記本体110は、上記絶縁層111を多層に積み上げて熱加圧により形成するため、層間の絶縁距離を均一に形成することができ、コイルの抵抗を下げることができる。これにより、インダクタのQ特性を向上させることができる。
【0110】
また、上述のとおり、本発明の一実施形態によるインダクタは、第1及び第2導電層130a、130bを含むビア130を、下部よりも上部の断面積がさらに大きい形状を有するようにすることにより、コイルの層間接続面積を広くして、電気的特性及び接続信頼性を向上させることができる。
【0111】
その後、図示していないが、上記本体110の両側面に外部電極を形成する。
【0112】
上記外部電極は、上記本体を外部電極用ペーストにディッピング(dipping)して形成することができる。
【0113】
上記外部電極用ペーストは、導電性粉末を含み、上記導電性粉末は、銀(Ag)及び銅(Cu)のうち少なくとも一つを含む材料、またはこれらの合金を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0114】
図7は、本発明の一実施形態によるインダクタにおいて、第1及び第2導電層130a、130bを含むビア130を示す断面写真である。
【0115】
図7を参照すると、電気めっき法で絶縁層の厚さだけ第1導電層130aの銅(Cu)層の高さを一致させ、上記第1導電層130aの銅(Cu)層の上部を上の方に丸い形を有するように形成した後、その上にスズ(Sn)めっきを行って第2導電層130bを形成する。
【0116】
これにより、上記ビアは、銅(Cu)層である第1導電層130aと、第1導電層130a上に形成されたスズ(Sn)層である第2導電層130bと、が結合された形状を有するようになる。
【0117】
また、小さい荷重でも、容易に変形しやすいスズ(Sn)金属を銅(Cu)層の上部に形成することにより、コイルの層間接合時の銅(Cu)層の厚さ偏差を最小化することができる。
【0118】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。