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特開2018-7477発電機、並びに、発電方法、発電方法のプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-7477(P2018-7477A)
(43)【公開日】2018年1月11日
(54)【発明の名称】発電機、並びに、発電方法、発電方法のプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/14 20060101AFI20171208BHJP
   H02N 11/00 20060101ALI20171208BHJP
   H02K 16/02 20060101ALI20171208BHJP
【FI】
   H02K21/14 G
   H02N11/00
   H02K16/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-133974(P2016-133974)
(22)【出願日】2016年7月6日
(71)【出願人】
【識別番号】513313060
【氏名又は名称】株式会社エネプラン
(71)【出願人】
【識別番号】516203298
【氏名又は名称】有限会社パートナーズプラン
(74)【代理人】
【識別番号】100182198
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 貴男
(72)【発明者】
【氏名】末松 満
(72)【発明者】
【氏名】門倉 浩壽
【テーマコード(参考)】
5H621
【Fターム(参考)】
5H621BB02
5H621HH01
5H621JK14
(57)【要約】
【課題】ステータに駆動用ステータと発電用ステータとを交互に配置することによって、高品質かつ高効率に電力を発電する発電機または発電方法を提供すること。
【解決手段】永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電機であって、発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置した、略円環形状のステータと、前記永久磁石を等間隔に円周に配置した、略円板形状のロータとを有し、前記ロータの回転軸となる前記略円板形状の中心を、前記ステータの略円環形状の中心に配置することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電機であって、
発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置した、略円環形状のステータと、
前記永久磁石を等間隔に円周に配置した、略円板形状のロータと
を有し、
前記ロータの回転軸となる前記略円板形状の中心を、前記ステータの略円環形状の中心に配置することを特徴とする発電機。
【請求項2】
前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御するフォトインタラプタを更に有し、
前記フォトインタラプタは、円周方向に等間隔に配置した開口を有するスリット円板と、前記スリット円板に光を照射する発光器と、前記開口を通過した光を受光する受光器とを備え、
前記スリット円板は、前記ロータと同期して回転し、
前記受光器が前記開口を通過した光を受光したときに、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の発電機。
【請求項3】
前記ロータの前記永久磁石の数は、前記発電用電磁石の数と前記駆動用電磁石の数の合計より多くする、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の発電機。
【請求項4】
前記発電用電磁石のコイルの電線の径を、前記駆動用電磁石のコイルの電線の径より大きくする、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発電機。
【請求項5】
前記発電用電磁石から出力された電気エネルギを充電する充放電手段を更に有し、
前記充放電手段は、発電時に前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発電機。
【請求項6】
発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置した略円環形状のステータと、永久磁石を等間隔に円周に配置した略円板形状のロータとを有する発電機を用いて、前記永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電方法であって、
前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する電気供給ステップと、
前記駆動用電磁石の磁力を用いて、前記ロータを回転する駆動ステップと、
回転する前記ロータの前記永久磁石の磁力を利用して、前記発電用電磁石で発電する発電ステップと
を含むことを特徴とする発電方法。
【請求項7】
前記発電機は、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御するフォトインタラプタを更に有し、
前記フォトインタラプタは、円周方向に等間隔に配置した開口を有するスリット円板と、前記スリット円板に光を照射する発光器と、前記開口を通過した光を受光する受光器とを備え、
前記スリット円板は前記ロータと同期して回転し、前記受光器が前記開口を通過した光を受光したときに、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する制御ステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の発電方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の発電方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石と電磁石とを利用して発電する発電機および発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、永久磁石と電磁石の磁力利用により回転モードと発電モードを繰り返しながら回転して第1電力を出力する磁力回転式モータ発電機と、前記磁力回転式モータ発電機に回転軸を介して連結され、ロータに等間隔に埋設された永久磁石群に対向して配設されたステータ側のコイル群より第2電力を出力する増設発電機とで成り、前記第1電力及び第2電力を合算して出力するようになっており、前記磁力回転式モータ発電機と前記増設発電機との間に介在して円柱状に形成された非磁性材のスペーサが設けられ、前記磁力回転式モータ発電機の端面が前記スペーサの一方側の端面に接触すると共に前記増設発電機の端面が前記スペーサの他方側の端面に接触して設けられ、前記増設発電機において発電された電力の出力経路に該電力を蓄えるコンデンサが設けられていることを特徴とする磁力発電装置に関する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−306700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、時間を区切って回転駆動モードと発電モードとで電磁コイルを使い分けるため、出力電圧及び出力電流が途切れる現象があり、高品質で安定した電気エネルギ(例えば交流または直流)を出力することができない場合がある。また、特許文献1では、回転駆動モードと発電モードとに電磁コイルを切り替えて発電するため、出力された電力を直流交流変換して品質を実用に耐えるレベルにするための変換器を必要とし、かつ、変換工程で電力損失が発生する場合があった。更に、様々な環境負荷(例えば火力発電では大量の炭酸ガス排出、原子力発電では放射性廃棄物、水力発電ではダムによる生態系環境破壊)を生じるという課題に対して、環境保護を目的にCO2排出量の少ない、核廃棄物を生成しない、騒音の少ない、あるいは、環境破壊に繋がらない発電機および発電方法が求められている。
【0005】
本発明は、ステータ(固定子)に駆動用ステータと発電用ステータとを交互に配置することによって、高品質かつ高効率に電力を発電する発電機または発電方法を提供することを目的とする。また、本発明は、発電された電気エネルギを充電し、充電していた電気エネルギを発電時に供給することによって、可搬性に優れた小型化を実現した独立系システムを構成することができる発電機または発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一つの実施形態は、永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電機であって、発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置した、略円環形状のステータと、前記永久磁石を等間隔に円周に配置した、略円板形状のロータとを有し、前記ロータの回転軸となる前記略円板形状の中心を、前記ステータの略円環形状の中心に配置することを特徴とする発電機を提供する。また、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御するフォトインタラプタを更に有し、前記フォトインタラプタは、円周方向に等間隔に配置した開口を有するスリット円板と、前記スリット円板に光を照射する発光器と、前記開口を通過した光を受光する受光器とを備え、前記スリット円板は、前記ロータと同期して回転し、前記受光器が前記開口を通過した光を受光したときに、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する、ことを特徴とする発電機であってもよい。また、前記ロータの前記永久磁石の数は、前記発電用電磁石の数と前記駆動用電磁石の数の合計より多くする、ことを特徴とする発電機であってもよい。また、前記発電用電磁石のコイルの電線の径を、前記駆動用電磁石のコイルの電線の径より大きくする、ことを特徴とする発電機であってもよい。また、前記発電用電磁石から出力された電気エネルギを充電する充放電手段を更に有し、前記充放電手段は、発電時に前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する、ことを特徴とする発電機であってもよい。
【0007】
本発明の他の実施形態は、発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置した略円環形状のステータと、永久磁石を等間隔に円周に配置した略円板形状のロータとを有する発電機を用いて、前記永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電方法であって、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給し、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する電気供給ステップと、前記駆動用電磁石の磁力を用いて、前記ロータを回転する駆動ステップと、回転する前記ロータの前記永久磁石の磁力を利用して、前記発電用電磁石で発電する発電ステップとを含むことを特徴とする発電方法を提供する。また、前記発電機は、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御するフォトインタラプタを更に有し、前記フォトインタラプタは、円周方向に等間隔に配置した開口を有するスリット円板と、前記スリット円板に光を照射する発光器と、前記開口を通過した光を受光する受光器とを備え、前記スリット円板は前記ロータと同期して回転し、前記受光器が前記開口を通過した光を受光したときに、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する制御ステップを更に含む、ことを特徴とする発電方法であってもよい。また、上記のいずれか一つの発電方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る発電機によれば、ステータ(固定子)に駆動用ステータと発電用ステータとを交互に配置することによって、高品質かつ高効率に電力を発電する発電機または発電方法を提供することができる。また、本発明に係る発電機によれば、発電された電気エネルギを充電し、充電していた電気エネルギを発電時に供給することによって、可搬性に優れた、かつ、小型化を実現した独立系システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る発電機の一例を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る発電機のロータの一例を説明する概略構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る発電機の発電用ステータの一例を説明する概略構成図である。
図4】本発明の実施形態に係る発電機の駆動用ステータの一例を説明する概略構成図である。
図5】本発明の実施形態に係る発電機のフォトインタラプタの一例を説明する概略構成図である。
図6】本発明の実施形態に係る発電機のフォトインタラプタのスリット円板の一例を説明する概略構成図である。
図7】本発明の実施形態に係る発電機の動作の一例を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電機の実施形態を用いて、本発明を説明する。なお、本発明は、以後に説明する発電機に限定されるものではない。本発明は、以後に説明する発電機以外でも、ステータ(固定子)に駆動用ステータ(駆動用電磁石)と発電用ステータ(駆動用電磁石)とを交互に複数配置するもの(装置、機械、部品、システム、アプリケーションなど)であれば、いずれのものにも用いることができる。
【0011】
下記に示す順序で、本発明を説明する。
1.発電機の構成
2.発電機の動作
3.発電方法のプログラム及び記録媒体
【0012】
(1.発電機の構成)
図1乃至図6を用いて、本発明の実施形態に係る発電機100の構成を説明する。ここで、図1は、発電機100の一例を示す概略構成図である。図2は、発電機100のロータ10の一例を説明する概略構成図である。図3は、発電機100の発電用ステータ21の一例を説明する概略構成図である。図4は、発電機100の駆動用ステータ22の一例を説明する概略構成図である。図5は、発電機100のフォトインタラプタ30の一例を説明する概略構成図である。図6は、発電機100のフォトインタラプタ30のスリット円板31の一例を説明する概略構成図である。なお、図1等に示す発電機100等の例は一例であり、本発明は図1等に示す発電機等に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、発電機100は、本実施形態では、複数の永久磁石(図2の11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11H)を等間隔に円周に配置したロータ(回転子)10と、複数の発電用電磁石(図3の21A,21B,21C)と複数の駆動用電磁石(図4のの22A,22B,22C)とを円周方向に交互に配置したステータ(固定子)20と、を有する。また、図5に示すように、発電機100は、駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御するフォトインタラプタ30を更に有してもよい。なお、発電機100は、発電機全体の動作を制御する制御手段(不図示)を更に有する。発電機全体の動作を制御する方法は、公知の技術を用いることができる。
【0014】
ロータ10は、図2に示すように、略円板形状である。ステータ20(発電用ステータ21および駆動用ステータ22)は、図3および図4に示すように、略円環形状である。発電機100は、ロータ10の回転軸となる略円板形状の中心12(図2)を、ステータ20の略円環形状の中心に配置する。これにより、本発明に係る発電機100は、駆動用ステータ22の電磁石の磁力を用いてロータ10を回転し、回転しているロータ10の永久磁石の磁力を用いて電磁誘導の法則に基づいて発電用ステータ21の電磁石に電気を発生させる。すなわち、本発明に係る発電機100は、永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電することができる。
【0015】
以下に、各構成を具体的に説明する。
【0016】
ロータ10は、磁石とコイルとを相対的に回転して電気を発生させる場合の回転側の部材(回転子)である。ロータ10は、本実施形態では、図2に示すように、略円板形状の平板部材(例えば合成樹脂製円板)に、複数の永久磁石11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11Hを等間隔に円周に配置したものである。永久磁石11Aは、回転方向に対して所定の角度でS極11ASとN極11ANを配置している。永久磁石11B,11C,11D,11E,11F,11G,11Hも、永久磁石11Aと同様に、S極とN極を配置している。永久磁石の配置位置や所定の角度は、回転時のトルクムラ(コギングトルクなど)を考慮して、予め実験・設計によって定めることができる。
【0017】
なお、永久磁石は、本実施形態では、8個配置しているが、8個未満または9個以上であってもよい。また、永久磁石は、ネオジウム磁石が好ましいが、その他の磁石であってもよい。
【0018】
ステータ20は、磁石とコイルとを相対的に回転して電気を発生させる場合の固定側の部材(固定子)である。ステータ20は、本実施形態では、発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置する。具体的には、ステータ20は、図1に示すように、発電用ステータ21A,21B,21Cおよび駆動用ステータ22A,22B,22Cを円周方向に交互に配置する。これにより、本発明に係る発電機100は、小型・軽量化を図ることができ、かつ、回転時のトルクムラ(コギングトルクなど)を低減できるので発電時の低振動・低騒音化を図ることができ、発電効率を向上することができる。
【0019】
発電用ステータ21は、図3に示すように、3つの発電用電磁石21A,21B,21Cを備える。発電用電磁石21Aは、発電用コイル21ACを有する。発電用電磁石21B,21Cも、発電用電磁石21Aと同様に、発電用コイルを有する。発電用電磁石の配置位置並びに発電用コイルの電線の径および巻き数は、必要な発電性能および/または回転時のトルクムラ(コギングトルクなど)を考慮して、予め実験・設計によって定めることができる。なお、発電用電磁石は、本実施形態では、3個配置しているが、3個未満または4個以上であってもよい。また、本発明に係る発電機100は、発電用コイルの形状および数、配置位置は特に限定されない。
【0020】
駆動用ステータ22は、図4に示すように、3つの駆動用電磁石22A,22B,22Cを備える。駆動用電磁石22Aは、駆動用コイル22ACを有する。駆動用電磁石22B,22Cも、駆動用電磁石22Aと同様に、駆動用コイルを有する。駆動用電磁石の配置位置並びに駆動用コイルの電線の径および巻き数は、必要な発電性能および/または回転時のトルクムラ(コギングトルクなど)を考慮して、予め実験・設計によって定めることができる。なお、駆動用電磁石は、本実施形態では、3個配置しているが、3個未満または4個以上であってもよい。また、本発明に係る発電機100は、駆動用コイルの形状および数、配置位置は特に限定されない。
【0021】
本発明に係る発電機100は、ロータ10の永久磁石の数を発電用電磁石の数と駆動用電磁石の数の合計より多くしてもよい。これにより、本発明に係る発電機100は、回転時のトルクムラ(コギングトルクなど)を低減することができ、発電効率の向上と騒音・振動の低減を図ることができる。また、本発明に係る発電機100は、発電用電磁石のコイルの電線の径を、駆動用電磁石のコイルの電線の径より大きくしてもよい。これにより、本発明に係る発電機100は、駆動用電磁石のコイルの電気抵抗より発電用電磁石のコイルの電気抵抗を低減することができ、発電効率を向上することができる。
【0022】
フォトインタラプタ30は、駆動用電磁石(図4の22A,22B,22C)に電気エネルギを供給するタイミングを制御するものである。フォトインタラプタ30は、本実施形態では、図5に示すように、円周方向に等間隔に配置した開口を有するスリット円板31と、スリット円板31に光LTを照射する発光器32と、開口を通過した光を受光する受光器33とを備える。スリット円板31は、図6に示すように、駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングに対応する開口31a,31b,31cを有する。なお、スリット円板31の開口の形状・位置・数は、発電効率などに基づいて実験・設計によって予め定めることができる。また、フォトインタラプタ30は、スリット円板31の開口の替わりに、光透過性塗料と光不透過性塗料を円板に塗布してもよい。
【0023】
フォトインタラプタ30は、スリット円板31をロータ10(図1)と同期して回転させ、受光器33が開口を通過した光を受光したときに、駆動用電磁石に電気エネルギを供給する。これにより、本発明に係る発電機100は、スリット円板31の開口を所定の形状にすることによって、所望のタイミングで駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御することができる。また、本発明に係る発電機100は、スリット円板31をロータ10(図1)に固定することによって、ロータ10の回転位置に応じて、駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御することができ、電気的に制御する必要がなく、発電機の構成を簡素にすることができる。
【0024】
なお、本発明に係る発電機100は、発電した電気エネルギを充電する充放電手段(不図示)を更に有する。充放電手段は、二次電池、蓄電池及びその他公知の技術を用いることができる。これにより、本発明に係る発電機100は、発電用電磁石から出力された電気エネルギを充電することができ、発電時に駆動用電磁石に電気エネルギを供給(循環)することができる。
【0025】
以上のとおり、本発明に係る発電機100によれば、ステータに駆動用ステータと発電用ステータとを交互に配置することによって、高品質かつ高効率に電力を発電する発電機を提供することができる。また、本発明に係る発電機100によれば、発電された電気エネルギを充電し、発電時に充電していた電気エネルギを供給することによって、可搬性に優れ、かつ、小型化を実現した独立系システムを構成することができる。
【0026】
また、本発明に係る発電機100によれば、(1)駆動用電磁石は、ロータとステータの大きさ(直径)に従って、1個または2個以上に任意に選定することができる。(2)発電用電磁石は、ロータとステータの大きさ(直径)に従って、1個または2個以上に任意に選定することができる。(3)ロータに配置する永久磁石の数は、駆動用電磁石(または発電用電磁石)の2倍以上にしてもよい。(4)ロータとステータで構成される発電機は、発電の出力を増加するために積層してもよい。(5)なお、駆動用電磁石に供給する電流は直流が好ましい。(6)なお、発電された交流電流を直流に変換し、充放電手段に蓄電してもよい。(7)なお、充放電手段に蓄電した直流電流を任意の交流電流に変換するインバーターを併設してもよい。
【0027】
(2.発電機の動作)
図7を用いて、発電機100(図1)が発電する動作(発電方法)を説明する。ここで、図7は、本発明の実施形態に係る発電機100の動作の例を説明するフローチャート図である。なお、図7に示す発電機の動作は一例であり、本発明は図7に示す発電機の動作に限定されるものではない。
【0028】
図7に示すように、発電機100は、ステップS701において、先ず、発電する動作を開始する。発電機100は、例えば発電機100の外部から入力された情報に応じて駆動用電磁石(駆動用ステータ)に電気エネルギを供給し、発電する動作を開始することができる(電気供給ステップ)。その後、発電機100は、ステップS702に進む。
【0029】
次に、ステップS702において、発電機100は、駆動用ステータ22(図4)を用いて、駆動用電磁石22A,22B,22C(図4)の磁力を利用して、ロータ10(図2)を回転する(駆動ステップ)。その後、発電機100は、ステップS703に進む。
【0030】
次いで、ステップS703において、発電機100は、フォトインタラプタ30(図5)を用いて、駆動用電磁石22A,22B,22Cに電気エネルギを供給するタイミングを制御する(制御ステップ)。ここで、発電機100は、例えば発電機100の外部から入力された情報を更に用いて発電する動作を制御してもよい。その後、発電機100は、ステップS704に進む。
【0031】
ステップS704において、発電機100は、発電用ステータ21(図3)を用いて、ロータ10の永久磁石11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11Hの磁力を利用して、発電用電磁石21A,21B,21C(図3)で発電する(発電ステップ)。このとき、発電機100は、発電した電気エネルギを充電に利用してもよい。その後、発電機100は、ステップS705に進む。
【0032】
ステップS705において、発電機100は、発電する動作を繰り返すか否かを判断する。発電機100は、例えば発電機100の外部から入力された情報を更に用いて、発電する動作を繰り返すか否かを判断することができる。これにより、発電機100は、所望の発電量を発電することができる。その後、発電する動作を繰り返すと判断した場合には、発電機100は、ステップS703に戻る。発電する動作を終了すると判断した場合には、発電機100は、図中の「END」に進み、動作を終了する。
【0033】
以上のとおり、本発明に係る発電方法は、所望のタイミングおよび発電量を発電することができ、ユーザーの要望に応じて発電することができる。また、本発明に係る発電方法によれば、本発明に係る発電機100(前述)と同等の効果が得られる。
【0034】
(3.発電方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る発電方法のプログラムPrは、発電用電磁石と駆動用電磁石とを円周方向に交互に配置した略円環形状のステータと、永久磁石を等間隔に円周に配置した略円板形状のロータとを有する発電機を用いて、前記永久磁石と電磁石の磁力を利用して発電する発電方法であって、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する電気供給ステップと、前記駆動用電磁石の磁力を用いて、前記ロータを回転する駆動ステップと、回転する前記ロータの前記永久磁石の磁力を利用して、前記発電用電磁石で発電する発電ステップとを含むことを特徴とする発電方法を実行する。また、本発明に係る発電方法のプログラムPrにおいて、前記発電機は、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給するタイミングを制御するフォトインタラプタを更に有し、前記フォトインタラプタは、円周方向に等間隔に配置した開口を有するスリット円板と、前記スリット円板に光を照射する発光器と、前記開口を通過した光を受光する受光器とを備え、前記スリット円板は前記ロータと同期して回転し、前記受光器が前記開口を通過した光を受光したときに、前記駆動用電磁石に電気エネルギを供給する制御ステップを更に含む、ことを特徴とする発電方法を実行してもよい。
【0035】
上記のプログラムPrによれば、本発明に係る発電機100(前述)と同等の効果が得られる。
【0036】
また、本発明は、プログラムPrを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Mdとしてもよい。記録媒体Mdには、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPrをインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
【0037】
以上のとおり、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載の内容に基づいて、様々に変形、変更又はその他任意に改変され得る。
【符号の説明】
【0038】
100 : 発電機
10 : ロータ(回転子など)
11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G,11H : 永久磁石
11AN : 永久磁石のN極
11AS : 永久磁石のS極
12 : 回転軸
20 : ステータ(固定子など)
21 : 発電用ステータ
21A,21B,21C : 発電用電磁石
21AC : 発電用コイル
22 : 駆動用ステータ
22A,22B,22C : 駆動用電磁石
22AC : 駆動用コイル
30 : フォトインタラプタ
31 : スリット円板
31a,31b,31c : 開口
32 : 発光器
33 : 受光器
Pr : プログラム
Md : 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7