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特開2018-75432多関節器具位置決め装置およびそれを採用するシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-75432(P2018-75432A)
(43)【公開日】2018年5月17日
(54)【発明の名称】多関節器具位置決め装置およびそれを採用するシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20180417BHJP
   B25J 18/06 20060101ALI20180417BHJP
【FI】
   A61B34/30
   B25J18/06
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】93
(21)【出願番号】特願2018-231(P2018-231)
(22)【出願日】2018年1月4日
(62)【分割の表示】特願2016-520200(P2016-520200)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(31)【優先権主張番号】61/837,112
(32)【優先日】2013年6月19日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】515353512
【氏名又は名称】タイタン メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Titan Medical Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】レネー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アレン ジトニック
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジョン ケネス キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】レナード エム. ファリア
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア バジョー
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BS18
3C707CU07
3C707CV09
3C707CW09
3C707HT04
3C707JT02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ケーブルの押込および引張に対応し、単純な組立が可能な多関節器具位置決め装置の提供。
【解決手段】第1の結合ガイド30がベース部材22と中間部材間24、第2の結合ガイド36が中間部材と先端部材間26、第3の結合ガイド42が先端部材と器具ホルダ間に配置される。ベース部材、中間部材、先端部材、第2器具ホルダ、第1、第2、第3の結合ガイドは、中心開口部と、可撓性制御リンクをベース部材にまたは別の物体に固定するガイド開口部または固定点を有する。第1の制御リンクの押込か引張により、ベース部材、第1、第2の結合ガイド、中間、先端部材が、連続曲線を画定する。他の可撓性制御リンクの押込か引張のとき、第2の制御リンクが、先端部材がベース部材と同じ向きを維持する。第3の制御リンクの押込か引張により、器具ホルダが任意の向きに移動し、第3の結合ガイドが、先端部材、器具ホルダ間の連続曲線を画定する構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多関節器具位置決め装置であって、
連続して配置されたベース部材、中間部材、先端部材および第1器具ホルダであって、前記ベース部材、前記中間部材、前記先端部材および前記器具ホルダの各々がそれぞれの中心開口部を有している、ベース部材、中間部材、先端部材および第1器具ホルダと、
前記ベース部材と前記中間部材との間の第1の複数の結合ガイドであって、前記第1の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つが前記ベース部材に結合され、前記第1の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つが前記中間部材に結合され、前記第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドがそれぞれの中心開口部を有している、第1の複数の結合ガイドと、
前記中間部材と前記先端部材との間の第2の複数の結合ガイドであって、前記第2の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つが前記中間部材に結合され、前記第2の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つが前記先端部材に結合され、前記第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドがそれぞれの中心開口部を有している、第2の複数の結合ガイドと、
前記先端部材と前記器具ホルダとの間の第3の複数の結合ガイドであって、前記第3の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つが前記先端部材に結合され、前記第3の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つが前記器具ホルダに結合され、前記第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドがそれぞれの中心開口部を有している、第3の複数の結合ガイドと、
前記ベース部材の第1ガイド開口部、および前記第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドの対応する概して位置合せされた第1ガイド開口部と、
平行な間隔を空けた関係で配置され、前記ベース部材の前記第1ガイド開口部のそれぞれの開口部を通ってかつ前記第1の複数の結合ガイドの前記対応する第1ガイド開口部のそれぞれの開口部を通って延在する第1の複数の可撓性制御リンクであって、前記第1の複数の可撓性制御リンクの各々が、前記中間部材に接続されたそれぞれの第1端部と、前記ベース部材から離れるように延在するそれぞれの第2端部とを有する、第1の複数の可撓性制御リンクと、
前記中間部材の第2ガイド開口部、および前記第1の複数の結合ガイドおよび前記第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドの対応する概して位置合せされた第2ガイド開口部と、
平行な間隔を空けた関係で配置された第2の複数の可撓性制御リンクであって、各々が、前記先端部材に接続された第1端と、前記ベース部材および前記基部から間隔を空けて配置された物体のうちの少なくとも1つに接続された第2端とを有し、かつ前記第1端と前記第2端との間に中間部を有し、前記中間部の各々が、前記中間部材のそれぞれの第2ガイド開口部を通って、かつ前記第1の複数の結合ガイドおよび前記第2の複数の結合ガイドの各ガイドのそれぞれの第2ガイド開口部を通って延在する、第2の複数の可撓性制御リンクと、
前記ベース部材の、前記第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドの、前記中間部材の、前記第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドの、前記先端部材の、かつ前記第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドの第3ガイド開口部と、
平行な間隔を空けた関係で配置され、前記ベース部材のそれぞれの前記第3ガイド開口部を通って、前記第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドのそれぞれの前記第3ガイド開口部を通って、前記中間部材のそれぞれの前記第3ガイド開口部を通って、前記第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドのそれぞれの前記第3ガイド開口部を通って、前記先端部材のそれぞれの前記第3ガイド開口部を通って、かつ前記第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドのそれぞれの前記第3ガイド開口部を通って延在する、第3の複数の可撓性制御リンクであって、前記第3の複数の可撓性制御リンクの前記可撓性制御リンクの各々が、前記器具ホルダに接続された第1端と前記ベース部材から離れる方向に延在する第2端とを有する、第3の複数の可撓性制御リンクと、
を備え、
前記第1の複数の制御リンクの制御リンクを押し込むかまたは引っ張ることにより、前記部材、前記第1の複数の結合ガイド、前記中間部材、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記先端部材が、連続曲線を選択的に画定する位置を呈し、
前記第1可撓性制御リンクおよび前記第3可撓性制御リンクのいずれかが押し込まれるかまたは引っ張られたときに、前記第2の複数の制御リンクが、前記先端部材が前記ベース部材と概して同じ向きを維持するようにし、
前記第3の複数の制御リンクの制御リンクを押し込むかまたは引っ張ることにより、前記器具ホルダが複数の向きのうちの任意の向きに選択的に移動し、それにより、前記先端部材と前記器具ホルダとの間の前記第3の複数の結合ガイドが、前記先端部材から前記器具ホルダまで連続曲線を画定する、装置。
【請求項2】
前記第1の複数の可撓性制御リンク、前記第2の複数の可撓性制御リンクおよび前記第3の複数の可撓性制御リンクが、降伏なしに約200Nの引張および圧縮ならびに最大約2%から4%の歪みを受けることができるワイヤを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ワイヤのうちの少なくとも1本が、形状記憶および超弾性を有するニッケルおよびチタンの金属合金から構成されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の複数の制御リンクが、共通の剛性を有するワイヤを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ベース部材、前記中間部材、前記先端部材、前記器具ホルダ、ならびに前記第1の複数の結合ガイド、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記第3の複数の結合ガイドの前記結合ガイドが各々、略円形円筒状外面部を有し、前記略円形円筒状外面部の各々が共通の直径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ベース部材、前記中間部材、前記先端部材、前記器具ホルダ、ならびに前記第1の複数の結合ガイド、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記第3の複数の結合ガイドの前記結合ガイドが各々、略環状セグメントを有し、
前記ベース部材の少なくとも1つの環状セグメントと、前記第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドの少なくとも1つの環状セグメントとが、前記第1ガイド開口部を有し、
前記第1の複数の結合ガイドおよび前記第2の結合ガイドの各結合ガイドの少なくとも1つの環状セグメントと、前記中間部材の少なくとも1つの環状セグメントとが、前記第2ガイド開口部を有し、
前記ベース部材、前記中間部材、前記先端部材、ならびに前記第1の複数の結合ガイド、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドの少なくとも1つの環状セグメントが、前記第3ガイド開口部を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の複数の結合ガイドの前記結合ガイドの前記環状セグメントの各々が、前記結合ガイドの前記中心開口部の軸に対して鋭角に配置された対向面を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の複数の結合ガイドの前記環状セグメントの各々が、前記結合ガイドの前記中心開口部の軸に対して鋭角に配置された対向面を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第3の複数の結合ガイドの前記環状セグメントの各々が、前記結合ガイドの前記中心開口部の軸に対して鋭角に配置された対向面を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の複数の結合ガイドおよび前記第2の複数の結合ガイドの前記結合ガイドの環状セグメントの前記対向面が、前記軸に対して第1鋭角に配置され、前記第3の複数の前記結合ガイドの前記結合ガイドの環状セグメントの前記対向面が、前記軸に対して第2鋭角に配置され、前記第2鋭角が前記第1鋭角とは異なる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2鋭角が前記第1鋭角より大きい、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の複数の結合ガイド、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記第3の複数の結合ガイドの隣接する結合ガイドの対が、前記対の一方のガイドにおける少なくとも1つの突起と前記対の他方のガイドにおける突起を受け入れる受け部とによって結合される、請求項6〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の複数の結合ガイド、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記第3の複数の結合ガイドの前記結合ガイドの各々が、切頭球状部を有する軸方向に延在する突起を有し、隣接する結合ガイドを互いに対して球状に枢動するのを可能にするように、隣接する結合ガイドの軸方向に延在する突起を受け入れるように軸方向に位置合せされたソケットを有し、前記結合ガイドの前記中心開口部が、前記突起の第1境界と前記ソケットの第2境界とを有し、それにより、隣接する結合ガイドの中心開口部が、前記器具ホルダによって保持される器具の一部を受け入れるように動作可能な中心チャネルを画定するように、互いに連通している、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
第1開放端および第2開放端を有する第1支持導管をさらに備え、前記基部が、前記基部を支持するように前記支持導管の前記第1開放端に接続され、前記第1制御リンクおよび前記第3制御リンクの前記第2端部が、前記第1支持導管の前記第2開放端から延出するように前記第1支持導管を通って延在している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置を備え、第1エンドエフェクタ、前記第1エンドエフェクタを前記器具ホルダに結合する第1カプラ、前記ベース部材と前記器具ホルダとの間に画定された長さとおよそ同じ長さを有する第1可撓性シャフト部、前記第1支持導管の長さとおよそ等しい長さを有する第1剛性シャフト部、ならびに前記第1エンドエフェクタに接続された第1端および前記第1剛性シャフト部から延在する第2端を有する第1器具制御リンクを備える第1器具をさらに備え、前記第1剛性シャフト部が、前記第1器具ホルダの前記中心開口部に受け入れられ、かつ、前記第3の複数の結合ガイドの前記中心開口部、前記先端部材の前記中心開口部、前記第2の複数の結合ガイドの前記中心開口部、前記中間部材の前記中心開口部、前記第1の複数の結合ガイドの前記中心開口部、前記ベース部材の前記中心開口部、および第1支持導管を通って延在し、それにより、前記第1可撓性シャフト部が前記器具位置決め装置と同軸状であり、前記第1剛性シャフト部が前記第1支持導管と概して同軸状であり、前記第1器具制御リンクの前記第2端部が、前記第1支持導管の前記第2端部から延在する、器具アセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載の器具アセンブリを備え、第1制御取付具をさらに備える器具コントローラアセンブリであって、前記器具位置決め装置の前記第1支持導管が前記第1制御取付具に、前記第1制御取付具が前記第1支持導管の第1長手方向軸の第1側にあるように接続され、前記第1制御取付具が、前記ベース部材、前記第1の複数の結合ガイド、前記中間部材、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記先端部材に対して、連続曲線を選択的に画定させ、前記器具ホルダに対して複数の向きのうちの任意の向きに選択的に移動させ、それにより、前記先端部材と前記第1器具ホルダ装置との間の前記第3の複数の結合ガイドが、前記先端部材から前記第1の器具ホルダまで連続曲線を画定するように、前記それぞれの可撓性制御リンクの前記第2端部を選択的に押し込みかつ引っ張る、前記第1の器具位置決め装置の前記第1の複数の前記可撓性制御リンクおよび前記第3の複数の前記可撓性制御リンクのそれぞれの可撓性制御リンクに接続された第1の複数のアクチュエータを有し、
前記第1制御取付具が、前記エンドエフェクタの動作をもたらすように前記第1器具制御リンクの前記第2端部を選択的に押し込みかつ引っ張る、前記第1器具の前記第1器具制御リンクに接続された第1器具アクチュエータを含む、器具コントローラアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の複数のアクチュエータおよび前記第1の器具アクチュエータの各アクチュエータが、
それぞれの回転可能スプール部であって、それぞれの制御リンクが接続されて、前記スプール部の対応する回転に応じて前記それぞれの制御リンクの一部分が前記スプール部に巻き取られるかまたはそこから繰り出されるのを可能にするスプール部と、
第1方向および反対の第2方向に前記スプール部を選択的に回転させるそれぞれの駆動装置であって、前記それぞれの制御リンクの前記部分を巻き取るように前記スプール部が前記第1方向に回転するとき、前記それぞれの制御リンクが引っ張られ、前記それぞれの制御リンクの前記部分を繰り出すように前記スプール部が前記第2方向に回転するとき、前記それぞれの制御リンクが押し込まれる、駆動装置と、
を備える、請求項16に記載の器具コントローラアセンブリ。
【請求項18】
前記駆動装置の各々が歯車セグメントを含む、請求項17に記載の器具コントローラアセンブリ。
【請求項19】
前記第1制御取付具が第1取付面を有し、前記歯車セグメントの各々が、第1器具コントローラ取付具の対応する駆動歯車と係合するように前記第1取付面を越えて突出する部分を有する、請求項18に記載の器具コントローラアセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載の第1器具コントローラアセンブリを保持する第1器具コントローラ取付インタフェースを備え、前記第1器具コントローラアセンブリのそれぞれの歯車セグメントと係合する第1の複数の駆動歯車をさらに備える器具コントローラ取付具。
【請求項21】
前記第1の複数の駆動歯車の前記駆動歯車が、平行な間隔が空けられた関係で直線状に摺動するように動作可能に構成されたそれぞれのリニアギアラックを含む、請求項20に記載の器具コントローラ取付具。
【請求項22】
前記第2の複数の駆動歯車のうちの対応する歯車に対する移動を与えるように前記リニアギアラックを直線状に摺動させる、それぞれの前記リニアギアラックに接続された第1の複数のリニアアクチュエータをさらに含む、請求項21に記載の器具コントローラ取付具。
【請求項23】
請求項19に記載の第2器具コントローラアセンブリにおけるそれぞれの歯車セグメントと係合する第2の複数の駆動歯車を備えた第2器具コントローラ取付インタフェースをさらに備える、請求項20〜22のいずれか一項に記載の器具コントローラ取付具。
【請求項24】
前記第2の複数の駆動歯車の前記駆動歯車が、平行な間隔が空けられた関係で直線状に摺動するように動作可能に構成されたそれぞれのリニアギアラックを含む、請求項23に記載の器具コントローラ取付具。
【請求項25】
前記第2の複数の駆動歯車のうちの対応する駆動歯車に移動を与えるように前記リニアギアラックを直線状に摺動させる、それぞれの前記リニアギアラックに接続された第2の複数のアクチュエータをさらに含む、請求項24に記載の器具コントローラ取付具。
【請求項26】
器具監視装置であって、
請求項19に記載の器具コントローラアセンブリの少なくとも1つの支持導管を受け入れるように位置決めされた位置決めチューブであって、前記少なくとも1つの支持導管によって支持される器具ホルダが前記位置決めチューブの遠位端から延在するように、前記少なくとも1つの支持導管の長さとおよそ同じかまたはそれより短い長さを有する位置決めチューブと、
前記位置決めチューブの軸から外れた位置にあるカメラホルダであって、それにより、前記カメラが、前記少なくとも1つの器具ホルダによって保持される器具のエンドエフェクタに向かって向けられて、前記エンドエフェクタの動きの視覚的監視を容易にする、カメラホルダと、
を備える器具監視装置。
【請求項27】
前記カメラホルダが、請求項1〜19のいずれか一項に記載の器具ホルダを含み、前記カメラホルダの前記支持導管が前記位置決めチューブの内部に延在し、前記カメラホルダの器具位置決め装置が、前記位置決めチューブの前記遠位端から延在し、かつ前記第2軸から外れた前記位置において前記カメラを保持しかつ位置決めするように動作可能に構成され、前記第2軸が、前記支持導管の前記長手方向軸に対して概して垂直である、請求項26に記載の器具監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットマニピュレータ、特に、腹腔鏡手術に対して使用する例での多関節器具位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
腹腔鏡手術用の関節式外科手術システムが受け入れられている。Malkowskiらの2012年10月4日に公開された米国特許出願公開第2012/0253131A1号明細書に記載されているシステムを含む、さまざまなシステムが存在する。
【0003】
Malkowskiらは、内部を通して通路を画定している1本または複数本のアームを含む外科手術システムについて記載している。アームは、患者の身体の外側に位置決めするように構成された近位部と、体内腔内に位置決めするように構成された遠位部とを含む。遠位部は、第1関節運動可能セグメントおよび第2関節運動可能セグメントを含み、それらは、互いに間隔を開けて配置され、実質的に直線状の形態と関節運動形態との間で独立した関節運動が可能である。1本のアームの近位部に第1関節運動アセンブリが結合され、第1関節運動可能セグメントを実質的に直線状の形態と関節運動形態との間で関節運動させるように、第1状態と第2状態との間で遷移可能である。アームの近位部に第2関節運動アセンブリが結合され、第2関節運動可能セグメントを実質的に直線状の形態と関節運動形態との間で関節運動させるように、複数の位置の間で移動するように構成されている。関節運動アセンブリの関節運動可能セグメントを形成するリンクは、ばねによって実質的に直線状の位置に付勢され、第1関節運動アセンブリおよび第2関節運動アセンブリの部品を選択的に引っ張るように、ケーブルが引っ張られかつ緩められ、それにより、対向する内部ケーブルの間の張力の中立が失われ、これにより、アームが複数の位置の間で移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Malkowskiらによって記載された構成は、リンクにばねがあることにより組立が複雑である可能性があり、関節運動可能セグメントが望ましくないように直線状になるのを回避するために、ばねが作用する付勢を抑制することに留意しなければならない術者による、注意深い操作が必要である可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、関節式リンクの間で終端部材を接続する引張および圧縮が可能なケーブルを使用することにより、多関節セグメントを直線位置にばね付勢する必要をなくし、それにより、ケーブルの押込および引張の両方に対応しかつより単純な組立てを可能にする、代替的な多関節器具位置決め装置を提供する。
【0006】
本発明の一態様によれば、多関節器具位置決め装置が提供される。本装置は、連続して配置されたベース部材、中間部材、先端部材および第1器具ホルダを含み、ベース部材、中間部材、先端部材および器具ホルダの各々は、それぞれの中心開口部を有している。本装置は、ベース部材と中間部材との間の第1の複数の結合ガイドをさらに含む。第1の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つは、ベース部材に結合され、第1の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つは、中間部材に結合されている。第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドは、それぞれの中心開口部を有している。本装置は、中間部材と先端部材との間の第2の複数の結合ガイドをさらに含む。第2の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つは、中間部材に結合され、第2の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つは、先端部材に結合されている。第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドもまたそれぞれの中心開口部を有している。本装置は、先端部材と器具ホルダとの間の第3の複数の結合ガイドをさらに含む。第3の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つは、先端部材に結合され、第3の複数の結合ガイドのうちの少なくとも1つは、器具ホルダに結合されている。第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドもまたそれぞれの中心開口部を有している。本装置は、ベース部材の第1ガイド開口部、および第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドの対応する概して位置合せされた第1ガイド開口部をさらに含む。平行な間隔を空けた関係で配置された第1の複数の可撓性制御リンクが、ベース部材の第1ガイド開口部のそれぞれの開口部を通って、かつ第1の複数の結合ガイドの対応する第1ガイド開口部のそれぞれの開口部を通って延在する。第1の複数の可撓性制御リンクの各々は、中間部材に接続されたそれぞれの第1端部と、ベース部材から離れるように延在するそれぞれの第2端部とを有している。
【0007】
本装置は、中間部材の第2ガイド開口部、および第1の複数の結合ガイドおよび第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドの対応する第2ガイド開口部をさらに含む。本装置は、平行な間隔を空けた関係で配置された第2の複数の可撓性制御リンクをさらに含み、その各々は、先端部材に接続された第1端と、ベース部材および基礎部材から間隔を空けて配置された物体のうちの少なくとも1つに接続された第2端とを有している。第2可撓性制御リンクの各々は、第1端と前記第2端との間に中間部を含む。各中間部は、中間部材のそれぞれの第2ガイド開口部を通って、かつ第1の複数の結合ガイドおよび第2の複数の結合ガイドの各ガイドのそれぞれの第2ガイド開口部を通って延在する。
【0008】
本装置は、ベース部材に、第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドに、中間部材に、第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドに、先端部材に、かつ第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドに第3ガイド開口部をさらに含む。
【0009】
本装置は、平行な間隔を空けた関係で配置され、ベース部材のそれぞれの第3ガイド開口部を通って、第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドのそれぞれにおいて、中間部材のそれぞれの第3ガイド開口部を通って、第2の複数の結合ガイドの各結合ガイドのそれぞれの第3ガイド開口部を通って、先端部材のそれぞれの第3ガイド開口部を通って、かつ第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドのそれぞれの第3ガイド開口部を通って延在する、第3の複数の可撓性制御リンクをさらに含む。第3の複数の可撓性制御リンクの各可撓性制御リンクは、器具ホルダに接続された第1端とベース部材から離れる方向に延在する第2端とを有している。
【0010】
第1の複数の制御リンクの制御リンクを押し込むかまたは引っ張ることにより、ベース部材、第1の複数の結合ガイド、中間部材、第2の複数の結合ガイドおよび先端部材が、連続曲線を選択的に画定する。第1可撓性制御リンクおよび第3可撓性制御リンクのいずれか押し込まれるかまたは引っ張られたときに、第2の複数の制御リンクが、先端部材がベース部材と概して同じ向きを維持するようにする。第3の複数の制御リンクの制御リンクを押し込むかまたは引っ張ることにより、器具ホルダが複数の向きのうちの任意の向きに選択的に移動し、それにより、先端部材と器具ホルダとの間の第3の複数の結合ガイドが先端部材から器具ホルダまで連続曲線を画定する。
【0011】
第1の複数の可撓性制御リンク、第2の複数の可撓性制御リンクおよび第3の複数の可撓性制御リンクは、降伏なしに約200Nの引張および圧縮ならびに最大約2%から4%の歪みを受けることができるワイヤを含むことができる。
【0012】
ワイヤは、形状記憶および超弾性を有するニッケルおよびチタンの金属合金から構成することができる。
【0013】
第2の複数の制御リンクは、共通の剛性を有するワイヤを含むことができる。
【0014】
ベース部材、中間部材、先端部材、第1器具ホルダ、ならびに第1の複数の結合ガイド、第2の複数の結合ガイドおよび第3の複数の結合ガイドの結合ガイドは各々、略円形円筒状外面部を有することができ、各略円形円筒状外面部は、共通の直径を有することができる。
【0015】
ベース部材、中間部材、先端部材、第1器具ホルダ、ならびに第1の複数の結合ガイド、第2の複数の結合ガイドおよび第3の複数の結合ガイドの結合ガイドは各々、略環状セグメントを有することができる。ベース部材の少なくとも1つの環状セグメントと、第1の複数の結合ガイドの各結合ガイドの少なくとも1つの環状セグメントとは、第1ガイド開口部を有することができる。第1の複数の結合ガイドおよび第2の結合ガイドの各結合ガイドの少なくとも1つの環状セグメントと、中間部材の少なくとも1つの環状セグメントとは、第2ガイド開口部を有することができ、ベース部材、中間部材、先端部材、ならびに第1の複数の結合ガイド、第2の複数の結合ガイドおよび第3の複数の結合ガイドの各結合ガイドの少なくとも1つの環状セグメントは、第3ガイド開口部を有することができる。
【0016】
第1の複数の結合ガイドの結合ガイドの環状セグメントの各々は、その結合ガイドの中心開口部の軸に対して鋭角に配置された対向面を有することができる。
【0017】
第2の複数の結合ガイドの環状セグメントの各々は、その結合ガイドの中心開口部の軸に対して鋭角に配置された対向面を有することができる。
【0018】
第3の複数の結合ガイドの環状セグメントの各々は、その結合ガイドの中心開口部の軸に対して鋭角に配置された対向面を有することができる。
【0019】
第1の複数の結合ガイドおよび第2の複数の結合ガイドの結合ガイドの環状セグメントの対向面は、軸に対して第1鋭角に配置することができ、第3の複数の結合ガイドの結合ガイドの環状セグメントの対向面は、軸に対して第2鋭角に配置することができ、第2鋭角は第1鋭角とは異なり得る。
【0020】
第2鋭角を第1鋭角より大きいものとすることができる。
【0021】
第1の複数の結合ガイド、第2の複数の結合ガイドおよび第3の複数の結合ガイドの隣接する結合ガイドの対が、対の一方のガイドにおける少なくとも1つの突起と対の他方のガイドにおける突起を受け入れる受け部とによって結合され得る。
【0022】
第1の複数の結合ガイド、第2の複数の結合ガイドおよび第3の複数の結合ガイドの結合ガイドの各々は、切頭球状部を有する軸方向に延在する突起と、隣接する結合ガイドを互いに対して球状に枢動するのを可能にするように、隣接する結合ガイドの軸方向に延在する突起を受け入れるように軸方向に位置合せされたソケットとを有することができる。結合ガイドの中心開口部は、突起の第1境界とソケットの第2境界とを有し、それにより、隣接する結合ガイドの中心開口部が、器具ホルダによって保持される器具の一部を受け入れるように動作可能な中心チャネルを画定するように、互いに連通している。
【0023】
本装置は、第1開放端および第2開放端を有する第1支持導管をさらに含むことができ、基部は、基部を支持するように支持導管の第1開放端に接続することができ、第1制御リンクおよび第3制御リンクの第2端部は、第1支持導管の第2開放端から延出するように第1支持導管を通って延在することができる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、上述したような装置を備え、第1器具をさらに含む器具アセンブリが提供される。第1器具は、第1エンドエフェクタ、第1エンドエフェクタを器具ホルダに結合する第1カプラを含むことができ、器具は、ベース部材と器具ホルダとの間に画定された長さとおよそ同じ長さを有する第1可撓性シャフト部と、第1支持導管の長さとおよそ等しい長さを有する第1剛性シャフト部とをさらに含むことができる。器具は、第1エンドエフェクタに接続された第1端および第1剛性シャフト部から延在する第2端を有する第1器具制御リンクをさらに含むことができる。第1剛性シャフト部は、第1器具ホルダの中心開口部に受け入れられることが可能であり、かつ、第3の複数の結合ガイドの中心開口部を通って、先端部材の中心開口部を通って、第2の複数の結合ガイドの中心開口部を通って、中間部材の中心開口部を通って、第1の複数の結合ガイドの中心開口部を通って、ベース部材の中心開口部および第1支持導管を通って延在することができ、それにより、第1可撓性シャフト部は器具位置決め装置と同軸状であり、第1剛性シャフト部は第1支持導管と概して同軸状であり、第1器具制御リンクの第2端部は第1支持導管の第2端部から延在する。
【0025】
本発明の別の態様によれば、上述した器具アセンブリを含み、第1制御取付具をさらに含む器具コントローラアセンブリが提供される。器具位置決め装置の第1支持導管は、第1制御取付具に、第1制御取付具が第1支持導管の第1長手方向軸の第1側にあるように接続され得る。第1制御取付具は、ベース部材、第1の複数の結合ガイド、中間部材、第2の複数の結合ガイドおよび先端部材に対して、連続曲線を選択的に画定させ、器具ホルダに対して複数の向きのうちの任意の向きに選択的に移動させ、それにより、先端部材と第1器具ホルダ装置との間の第3の複数の結合ガイドが、先端部材から第1の器具ホルダまで連続曲線を画定することができるように、それぞれの可撓性制御リンクの第2端部を選択的に押し込みかつ引っ張る、第1の器具位置決め装置の第1の複数の可撓性制御リンクおよび第3の複数の可撓性制御リンクのそれぞれの可撓性制御リンクに接続された第1の複数のアクチュエータを有することができる。第1制御取付具は、エンドエフェクタの動作をもたらすように第1器具制御リンクの第2端部を選択的に押し込みかつ引っ張る、第1器具の第1器具制御リンクに接続された第1器具アクチュエータを含むことができる。
【0026】
第1の複数のアクチュエータおよび第1の器具アクチュエータの各アクチュエータは、それぞれの回転可能スプール部であって、それぞれの制御リンクが接続されて、スプール部の対応する回転に応じてそれぞれの制御リンクの一部分がスプール部に巻き取られるかまたはそこから繰り出されるのを可能にするスプール部と、反対の第1方向および第2方向にスプール部を選択的に回転させるそれぞれの駆動装置とを含むことができる。それぞれの制御リンクの上記部分を巻き取るようにスプール部が第1方向に回転するとき、それぞれの制御リンクが引っ張ることができ、それぞれの制御リンクの上記部分を繰り出すようにスプール部が第2方向に回転するとき、それぞれの制御リンクを押し込むことができる。
【0027】
各駆動装置は歯車セグメントを含むことができる。
【0028】
第1制御取付具は第1取付面を有することができ、各歯車セグメントは、第1器具コントローラ取付具の対応する駆動歯車と係合するように第1取付面を越えて突出する部分を有することができる。
【0029】
本発明の別の態様によれば、上述したような第1器具コントローラアセンブリ取付インタフェースを含む器具コントローラ取付具が提供され、第1器具コントローラアセンブリのそれぞれの歯車セグメントと係合する第1の複数の駆動歯車をさらに含むことができる。
【0030】
第1の複数の駆動歯車の駆動歯車は、平行な間隔が空けられた関係で直線状に摺動するように動作可能に構成されたそれぞれのリニアギアラックを含むことができる。
【0031】
本装置は、第2の複数の駆動歯車のうちの対応する歯車に対する移動を与えるようにリニアギアラックを直線状に摺動させる、それぞれのリニアギアラックに接続された第1の複数のリニアアクチュエータをさらに含むことができる。
【0032】
本装置は、上述した第1器具コントローラに類似する第2器具コントローラにおけるそれぞれの歯車セグメントと係合する第2の複数の駆動歯車を備えた第2器具コントローラ取付インタフェースをさらに含むことができる。
【0033】
第2の複数の駆動歯車の駆動歯車は、平行な間隔が空けられた関係で直線状に摺動するように動作可能に構成されたそれぞれのリニアギアラックを含むことができる。
【0034】
本装置は、第2の複数の駆動歯車のうちの対応する駆動歯車に移動を与えるようにリニアギアラックを直線状に摺動させる、それぞれのリニアギアラックに接続された第2の複数のアクチュエータをさらに含むことができる。
【0035】
本発明の別の態様によれば、上述したような器具コントローラアセンブリの少なくとも1つの支持導管を受け入れるように位置決めされた位置決めチューブを含む器具監視装置が提供される。位置決めチューブは、支持導管によって支持される器具ホルダが位置決めチューブの遠位端から延在するように、支持導管の長さとおよそ同じかまたはそれより短い長さを有することができる。器具監視装置は、カメラホルダをさらに含み、それは、位置決めチューブの軸から外れた位置にあって、それにより、カメラを少なくとも1つの器具ホルダによって保持される器具のエンドエフェクタに向かって向けて、エンドエフェクタの動きの視覚的監視を容易にすることができる。
【0036】
カメラホルダは、器具ホルダを含むことができる。カメラホルダの支持導管は、位置決めチューブの内部に延在することができ、カメラホルダの器具位置決め装置は、位置決めチューブの遠位端から延在することができ、かつ第2軸から外れた位置においてカメラを保持しかつ位置決めするように動作可能に構成され得る。第2軸は、支持導管の長手方向軸に対して概して垂直であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1実施形態による多関節器具位置決め装置の斜視図である。
図2図1に示す装置のベース部材の遠位端の斜視図である。
図3図2に示すベース部材の遠位端面図である。
図4図1に示す装置の結合ガイドの近位側の斜視図である。
図5図1に示す結合ガイドの上面図である。
図6図4および図5に示す結合ガイドを含む、図1に示す装置の2つの結合ガイドの組立分解図である。
図7】係合して示されている図6の結合ガイドの側面図である。
図8図1に示す器具位置決め装置の曲げられた形態を示す図1に示す装置の斜視図である。
図9図1に示す装置の中間部材の近位面の斜視図である。
図10図9に示す中間部材の遠位面の斜視図である。
図11図1に示す装置の先端部材の近位側の斜視図である。
図12図11に示す側部部材の遠位側の斜視図である。
図13図1に示す装置の器具ホルダの近位側の斜視図である。
図14図13に示す器具ホルダの遠位側の斜視図である。
図15図1に示す器具位置決め装置と使用される器具装置の側面図である。
図16図15に示す器具装置が接続されている図1に示す装置から構成された器具アセンブリの斜視図である。
図17図16に示す器具アセンブリに接続されて示されている器具コントローラの斜視図である。
図18図17に示すデバイスを採用する腹腔鏡手術装置の斜視図である。
図19図18に示す装置のヘッドおよびヘッドに結合されるように動作可能なカプラの側面図である。
図20】カプラがヘッドに接続されている図19のヘッドおよびカプラの側面図である。
図21】カプラに接続された滅菌カバーがヘッドおよび近くの構成部材の上にたらされている、図19および図20のヘッドに接続されたカプラの側面図である。
図22図19図21のヘッドおよびカプラならびにカプラに結合されるように動作可能なカメラ/送達チューブアセンブリの側面図である。
図23図22に示すカメラ/送達チューブアセンブリの詳細図である。
図24図19図22に示すカプラに結合された図23に示すカメラ/送達チューブアセンブリの側面図である。
図25】カプラに結合されたカメラ/送達チューブアセンブリならびにそれに係合されている図17に示すタイプの器具位置決めデバイスの側面図である。
図26】器具位置決めデバイスに関連するチューブが図23に示す送達チューブに挿入されている、図19図22のカプラに接続された図17の器具コントローラの下からの斜視図である。
図27図1の器具位置決め装置を支持する第1チューブが内部を通して延在している、図23の送達チューブの側面図である。
図28図23の送達チューブを通して延在している第2器具位置決め装置を支持する第2器具支持チューブをさらに含む、図27の装置の側面図である。
図29図1図28に記載した装置を採用する腹腔鏡手術装置の側面図である。
図30図29に示す装置を制御する外科医のワークステーションの斜視図である。
図31】本発明の代替実施形態によるカプラにおける図17に示すタイプの2つの器具コントローラの下からの斜視図である。
図32図31に示すカプラの送達チューブの端部から異なる距離に延在している第1多関節器具位置決め装置および第2多関節器具位置決め装置の、それらの上の第1器具コントローラおよび第2器具コントローラが送達チューブから異なる直線距離に配置された場合の断片化された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による多関節器具位置決め装置が全体として20で示されている。この実施形態では、装置20は、図1に示すように連続して配置された、ベース部材22、中間部材24、先端部材26および第1器具ホルダ28を含む。ベース部材22は、近位位置にあるものとみなすことができ、器具ホルダは、遠位位置にあるものとみなすことができる。したがって、ベース部材22、中間部材24、先端部材26および第1器具ホルダ28は、近位位置から遠位位置まで連続して配置されている。
【0039】
装置20は、ベース部材22と中間部材24との間に配置された第1の複数の結合ガイド30をさらに含む。第1の複数の結合ガイド30の少なくとも1つ(32)は、ベース部材22に結合され、第1の複数の結合ガイド30のうちの別の1つ(34)は、中間部材24に結合されている。第1の複数の結合ガイド30の各々は、隣接するガイドにまたはベース部材22あるいは中間部材24に結合されている。
【0040】
器具位置決め装置20は、中間部材24と先端部材26との間に第2の複数の結合ガイド36をさらに含む。第2の複数の結合ガイド36のうちの少なくとも1つ(38)は、中間部材24に結合され、第2の複数の結合ガイド36のうちの別の1つ(40)は、先端部材26に結合されている。したがって、第2の複数の結合ガイド36のうちの結合ガイドの各々は、第2の複数の隣接するガイドにまたは中間部材24あるいは先端部材26に接続されている。
【0041】
装置20は、先端部材26と器具ホルダ28との間に第3の複数の結合ガイド42をさらに含む。第3の複数の結合ガイド42のうちの少なくとも1つ(44)は、先端部材26に結合され、第3の複数の結合ガイド42のうちの別の1つ(46)は、器具ホルダ28に結合されている。したがって、第3の複数の結合ガイド42の各々は、第3の複数の隣接する結合ガイドにまたは先端部材26あるいは器具ホルダ28に接続されている。
【0042】
図2を参照すると、ベース部材22は、第1直径を有する略円形円筒状の第1外面部50と、第1直径より小さい第2直径を有する第2の同軸状の略円形円筒状の表面部52とを有している。直径が小さい方の表面部52は、後述するように、隣接する支持導管への接続を容易にする。
【0043】
再び図1を参照すると、中間部材24もまた、略円形円筒状の外面部54を有し、先端部材26は同様の外面部56を有し、器具ホルダ28は同様の外面部58を有し、それらはすべて、ベース部材22の第1外面部50の直径と同じ直径を有している。さらに、第1の複数の結合ガイド30、第2の複数の結合ガイド36および第3の複数の結合ガイド42の各結合ガイドは、外側円形円筒状表面部を有し、そのうちの例示的なものがそれぞれ60、62および64に示されている。したがって、器具位置決め装置20は複数の概して同軸状に位置合せされた構成部材を有し、それらはすべて、同じ共通の外径の外面を有している。
【0044】
図2および図3を参照すると、ベース部材22は、遠位向き端面66を有する略円筒状本体を有し、端面66は、中心開口部72が形成されている切頭(truncated)球状部70を備えた、軸方向に延在する突起68を有している。中心開口部72は、ベース部材22全体を通して軸方向に延在している。遠位向き端面66はまた、受け部74および76を有し、それらは互いに180度反対側に配置され、図1に示す結合ガイド32の対応する突起を受け入れるように外面部50内に延在している。
【0045】
図1および図2を参照すると、後に説明するように、切頭球状部70ならびに受け部74および76は、ベース部材22を第1の複数の結合ガイド30のうちの結合ガイド32に結合する役割を果たす。
【0046】
再び図2および図3を参照すると、遠位向き端面66は、第1の複数のガイド開口部80、82、84、86をさらに有しており、そこを通って、中間部材24に接続された第1の複数の可撓性制御リンク88、90、92、94がベース部材22を通して延在する。
【0047】
図示する実施形態では、遠位向き端面66はまた、複数の受け部96、98、100および102を有し、そこに、ベース部材22と先端部材26との間に延在する第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108、110のそれぞれの端部が接続される。代替実施形態では、複数の受け部96、98、100および102は、代りに、ベース部材22を通って延在する複数の開口部とすることができ、それにより、第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108、110がベース部材22を通りかつそこから離れるように延在することができる。この代替実施形態では、第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108、110のそれぞれの端部は、ベース部材22から間隔を空けて配置された、固定された物体(図示せず)に接続されている。固定された物体は、図17において602で記載されているタイプの器具コントローラとすることができ、それは、第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108、110のそれぞれの端部がたとえばそのベースプレート612に接続されるように好適に変更されている。
【0048】
遠位向き端面66はまた、第3の複数のガイド開口部112、114、116、118を有し、それらを通して、器具ホルダ28に接続された第3の複数の可撓性制御リンク120、122、124、126のそれぞれがベース部材22を通って延在している。
【0049】
第1の可撓性制御リンク、第2の可撓性制御リンクおよび第3の可撓性制御リンクの各リンクは、永久的な変形なしに引張および圧縮において約200Nが可能でありかつ最大約4%の歪みを受けることができる、1本のニチノールワイヤであり得る。ニチノールは、形状記憶および超弾性を有するニッケルおよびチタンの合金であり、それが引張および圧縮の両方に対応することができることにより、永久的な変形なしにリンクを同様の力で選択的に押し込むかまたは引っ張ることができ、それにより、可撓性制御リンクの精密な制御、作動冗長性および構造的剛性の向上が可能になる。したがって、ベース部材22対して器具ホルダの全範囲の移動を達成するために、第1の複数の可撓性制御リンク、第2の複数の可撓性制御リンクおよび第3の複数の可撓性制御リンクの各々において、2つの可撓性制御リンクのみが必要である。
【0050】
再び図1を参照すると、第1の複数の結合ガイド30は、器具位置決め装置20が、可撓性部分を有し、同時に、第1可撓性制御リンク88、90、92、94、第2可撓性制御リンク104、106、108、110および第3可撓性制御リンク120、122、124、126を互いに対して事前に定義された間隔が空けられた関係で維持するように、構成されている。概して、複数の可撓性制御リンクの各々における個別の可撓性制御リンクは、所与の複数の可撓性制御リンクが可能な限り遠くに互いに間隔を空けて配置されるように、円の上で角度的に間隔を空けて配置される。これにより、作動負荷が低減しかつ平衡化し、可撓性部分の剛性が向上し、可撓性制御リンクを押し込みかつ引っ張ることに応じて可撓性制御リンクに対する力の方向が変化する際に、バックラッシュ効果が低減する。
【0051】
図示する実施形態では、第1の複数の結合ガイド30は、14の結合ガイドを含む。結合ガイド32は、第1の複数の結合ガイド30のうちの例示的な結合ガイドであり、図4により詳細に示す。
【0052】
図4を参照すると、結合ガイド32は、近位向き側130および遠位向き側132と第1環状セグメント134および第2環状セグメント136とを有する本体を有している。
【0053】
近位向き側130は、互いに180度反対側に配置された第1突起138および第2突起140を有し、環状セグメント134および136は、突起138と突起140との間に画定されている。突起138および140は、ベース部材22の受け部74および76に受け入れられるように動作可能に成形されている。環状セグメント134および136は受け部142および144を有し、それらは、互いに180度反対側に配置され、かつ第1突起138および第2突起140から90度角度的にずれた位置に配置されている。
【0054】
近位向き側130はまた、ベース部材22の突起68を受け入れるようにその突起の切頭球形状に対して相補的な形状を有するソケット146も有している。ベース部材22の突起68および結合ガイド32のソケット146により、結合ガイドは突起68を中心に枢動することができ、こうした枢動は、ベース部材22の遠位向き端面66の受け部74および76に受け入れられた突起138および140により、垂直方向またはピッチ方向(たとえば、図7の図面の平面において上下)に制約される。
【0055】
ソケット146は、遠位向き側132から延在する図5に示す切頭球状突起150に配置された円筒状壁148で終端している。円筒状壁148は、結合ガイド32の本体に中心開口部152を画定している。
【0056】
再び図4を参照すると、環状セグメント134および136は、第1の複数のガイド開口部160、162、164および166を有し、それらは、第1の複数の可撓性制御リンク(88、90、92および94)を、結合ガイド32を通して案内するように、ベース部材22の第1ガイド開口部80、82、84および86と概して位置合せされる。
【0057】
環状セグメント134および136はまた、第2の複数のガイド開口部168、170、172および174も有し、それらは、第2の複数の可撓性制御リンク(図2および図3に示す104、106、108および110)を、結合ガイド32を通して案内するように、ベース部材22の第2受け部96、98、100および102(図2および図3に示す)と概して位置合せされる。
【0058】
環状セグメント134および136はまた、第3の複数のガイド開口部176、178、180および182も有し、それらは、第3の複数の可撓性制御リンク(120、122、124、126)を、結合ガイド32を通して案内するように、ベース部材22の第3の複数のガイド開口部112、114、116および118と概して位置合せされる。
【0059】
図5を参照すると、結合ガイド32は、図1における矢印189の方向に見て上方から示されている。環状セグメント134および136は、結合ガイド32の軸200と交差する水平面において鈍角を形成する角度付き面194および196をそれぞれ有する部分190および192を有している。これらの面194および196は、結合ガイド32の軸200に対して垂直な第1平面198に対して約6度の角度で対称的に延在している。
【0060】
再び図4を参照すると、結合ガイド32はまた、受け部142と受け部144との間に画定された近位向き面202および204も有し、それらは、結合ガイド32の軸200と交差する垂直平面において鈍角を形成している。これは、図5において近位向き面202におけるわずかな傾斜として見ることができ、それは、結合ガイド32の軸200に対して垂直な第2平面199と約6度の角度を形成し、ベース部材22に対して、ピッチ方向に最大6度の回転を可能にする。
【0061】
図6を参照すると、結合ガイド32の遠位向き側132が、直接遠位側に隣接する結合ガイド60とともに示されている。直接遠位側に隣接する結合ガイド60は、同じ第1の複数のガイド開口部160、162、164および166、同じ第2の複数のガイド開口部168、170、172および174ならびに同じ第3の複数のガイド開口部176、178、180および182を有する環状セグメントを含むという点で、結合ガイド32と同様である。それはまた、ボア209を有する切頭球状突起207も有している。それはまた、その近位向き側に、結合ガイド32のソケット146と同様のソケット(図示せず)も有している。
【0062】
直接隣接する結合ガイド60は、結合ガイド32の突起138および140が配置される受け部210および212を有し、結合ガイド32の受け部142および144が配置される突起(そのうちの1つのみが214に示されている)を有するという点で、結合ガイド32とは異なる。
【0063】
さらに、図7を参照すると、直接隣接する結合ガイド60は、受け部210と受け部212との間に延在する環状セグメント216および218を有し、それらは、直接遠位側に隣接する結合ガイド60の軸と交差する垂直面において鈍角を形成する遠位向き面224および226と、軸230と交差する水平面において鈍角を形成する、受け部210と受け部212との間に延在する近位向き面(そのうちの1つのみが図7において227に示されている)とを有している。遠位向き面224および226は、軸230と交差しかつそれに対して垂直な第1垂直面228に対して約6度の角度で配置されており、近位向き面(そのうちの1つのみが227に示されている)は、軸230と交差する第2垂直面229に対して約6度の角度で配置されている。
【0064】
引続き図7を参照すると、結合ガイド32および直接遠位側に隣接する結合ガイド60は、直接遠位側に隣接する結合ガイド60のソケット(図示せず)に結合ガイド32の突起150を受け入れ、直接遠位側に隣接する結合ガイド60の近位向き突起(そのうちの1つのみが214に示されている)を、対応する受け部(そのうちの1つのみが結合ガイド32の144に示されている)に受け入れることにより、合わせて結合されて、一対の結合ガイドを形成する。突起150およびソケット配置により、あらゆる方向における枢動が可能になり、対応する受け部144に受け入れられた近位向き突起214が、結合ガイド32に対する直接遠位に隣接する結合ガイド60の軸230を中心とするねじり運動を防止し、水平方向またはヨー方向として示されているものに対する、すなわちページの平面に入りかつそこから出る相対的な回転運動を制限する。直接遠位側に隣接する結合ガイド60の角度付き面227は、結合ガイド32の角度付き面196に面し、これにより、ヨー方向における最大合計12度の切頭球状突起150を中心とする相対運動枢動に対する隙間が提供される。
【0065】
同様に、直接遠位側に隣接する結合ガイド60における角度付き遠位向き面224および226は、次の遠位側に隣接する結合ガイド205における面202および204と同様の近位向き面に面し、これにより、直接隣接する結合ガイド60と次の遠位側に隣接する結合ガイド205との間のピッチ方向における最大12度の相対的な回転運動が可能になる。したがって、結合ガイドの各対は、ピッチ方向およびヨー方向において、制限された、定義された移動を可能にする。より全体的には、すべての奇数が付された結合ガイドは、垂直面(ピッチ方向)において回転するように動作可能であり、すべての偶数が付された結合ガイドは、水平面(ヨー方向)において回転するように動作可能である。
【0066】
再び図1を参照すると、図示する実施形態では、第1の複数の結合ガイド30は、結合ガイドの7つの対を含み、それにより、第1の複数の結合ガイドは、最大90度を通して延在する連続弧を画定するのに十分なピッチ曲げ成分およびヨー曲げ成分を有することができる。したがって、図8に示すようなベース部材の軸から外れた最大約90度の角度、ベース部材22の軸に対する任意の方向の向きで、中間部材24を配置することができる。
【0067】
図9を参照すると、中間部材24は、近位向き側250および遠位向き側252を有する本体を有している。近位向き側250は、第1の複数の結合ガイド30に向かって近位側に突出する第1の突起258と第2の突起260との間に配置された第1環状セグメント254および第2環状セグメント256を有している。これらの突起258および260は、図1に示すような第1の複数の結合ガイド30の直接隣接する結合ガイド34における、図6において210および212に示すものと同様の受け部に受け入れられる。再び図9を参照すると、近位向き側250は、本体を通して中心開口部266を画定する環状壁264で終端するソケット262を有している。第1の複数の結合ガイド30の直接隣接する結合ガイド32の図6の207に示すものと同様の突起が、ソケット262内に受け入れられるように動作可能であり、突起258および260は、直接隣接する結合ガイド34の図6において210および212に示すものに類似する受け部に受け入れられる。これにより、直接隣接する結合ガイド34は、ピッチ方向において突起207を中心に枢動することができる。
【0068】
中間部材24は、第1受け部270、第2受け部272、第3受け部274および第4受け部276をさらに含み、それらは、直接隣接する結合ガイド34の第1組のガイド開口部160、162、164および166を通って延在する、第1の複数の可撓性制御リンク88、90、92および94それぞれの端部を受け入れかつ保持するように、直接隣接する結合ガイド34における第1組のガイド開口部160、162、164および166のそれぞれに位置合せされた位置に配置される。
【0069】
近位向き側250は、内部を通して第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108および110を案内するように、中間部材24を完全に通って延在する第2の複数の開口部280、282、284および288をさらに含む。さらに、近位向き側250は、内部を通して第3の複数の可撓性制御リンク120、122、124および126を案内するように中間部材24全体を通して延在する第3の複数のガイド開口部290、292、294および296を含む。
【0070】
図10を参照すると、中間部材24は、遠位向き側252から突出する突起300をさらに含み、外面部54において180度反対側に配置され、遠位向き側252の端面306で終端する、第1受け部302および第2受け部304を有している。再び図1を参照すると、受け部302および304は、第2の複数の結合ガイド36の直接隣接する結合ガイド38における対応する突起を受け入れる。第2の複数の結合ガイドは、図4図7に関連して上述した第1の複数の結合ガイドと同じである。
【0071】
図11を参照すると、先端部材26は、近位向き側350および遠位向き側352を有する本体を有している。近位向き側350は、第2の複数の結合ガイド36に向かって近位側に突出する第1突起358と第2突起360との間に配置された第1環状セグメント354および第2環状セグメント356を有している。これらの突起358および360は、図1に示すような第2の複数の結合ガイド36の直接隣接する結合ガイド40における、図6において210および212に示すものと同様の受け部に受け入れられる。
【0072】
再び図11を参照すると、近位向き側350は、本体を通して中心開口部366を画定する環状壁364で終端するソケット362を有している。第2の複数の結合ガイド36の隣接する結合ガイド40の図6において207に示すものと同様の突起が、ソケット362に受け入れられるように動作可能であり、突起358および360は、直接隣接する結合ガイド40の図6において210および212に示すものに類似する受け部に受け入れられる。これにより、直接隣接する結合ガイド40がピッチ方向において突起(207)を中心に枢動することができる。
【0073】
先端部材26は、第1受け部370、第2受け部372、第3受け部374および第4受け部376をさらに含み、それらは、直接隣接する結合ガイド40の第2ガイド開口部168、170、172および174を通って延在する、第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108および110それぞれの端部を受け入れかつ保持するように、隣接する結合ガイド40における第2組のガイド開口部168、170、172および174のそれぞれに位置合せされた位置に配置されている。
【0074】
近位向き側350は、内部を通して第3の複数の可撓性制御リンク120、122、124および126を案内するように、先端部材26を完全に通って延在する第3の複数の開口部380、382、384および386をさらに含む。
【0075】
図12を参照すると、先端部材26は、遠位向き側352から突出する突起400をさらに含み、外面部56に配置されかつ遠位向き側352の平坦な感情端面406で終端する、第1受け部402および第2受け部404を有している。再び図1を参照すると、受け部402および404は、第3の複数の結合ガイドの直接隣接する結合ガイド44の対応する突起を受け入れる。
【0076】
第3の複数の結合ガイド42は、以下を除き図4図7に示すものと同じ結合ガイドを含み、すなわち、表面194および196は、結合ガイドの軸に対して垂直な第1平面198に対して約8.5度の角度で対称的に延在し、近位向き面202および204は、結合ガイドの軸に対して垂直な第2平面199と約8.5度の角度を形成する。第3の結合ガイドの示された表面の角度が、第1の複数の結合ガイドおよび第2の複数の結合ガイドにおける角度よりわずかに大きいことにより、第3の複数の結合ガイドは、約10個の結合ガイドしかないこの実施形態で示すもののようなより少ない要素を含むことができ、先端部材26から延在する部分を、第1の複数の結合ガイド30および第2の複数の結合ガイド36を図8に示すように曲げることができるより、狭い半径で曲げることができるようにすることができる。
【0077】
図13および図14を参照すると、器具ホルダ28は、近位向き側450および遠位向き側452を有する本体を有している。近位向き側450は、第3の複数の結合ガイド42に向かって近位側に突出する第1突起458と第2突起460との間に配置された第1環状セグメント454および第2環状セグメント456を有している。これらの突起458および460は、図1に示すような第3の複数の結合ガイド42の直接隣接する結合ガイド46における、図6において210および212に示すものと同様の受け部に受け入れられる。再び図13を参照すると、近位向き側450は、本体を通して中心ボア466を画定する環状壁464で終端するソケット462を有している。第3の複数の結合ガイド42の隣接する結合ガイド46の図6において207に示すものと同様の突起が、ソケット462内に受け入れられるように動作可能であり、突起458および460は、直接隣接する結合ガイド46の図6において210および212に示すものに類似する受け部に受け入れられる。これにより、直接隣接する結合ガイド46は、ピッチ方向において突起207を中心に枢動することができる。
【0078】
器具ホルダ28は、第1受け部470、第2受け部472、第3受け部474および第4受け部476をさらに含み、それらは、直接隣接する結合ガイド46の第2組のガイド開口部176、178、180および182を通って延在する、第3の複数の可撓性制御リンク120、122、124および126それぞれの端部を受け入れかつ保持するように、隣接する結合ガイド46において第3組のガイド開口部176、178、180および182のそれぞれに位置合せされた位置に配置されている。
【0079】
図14を参照すると、器具ホルダ28は、遠位向き側452に平坦な環状端面500を有し、ボア466は、環状端面500と境界を共有している。位置合せされた開口部502および504が、壁464を通して延在する弦において位置合せされ、たとえば、器具が器具ホルダにおいて軸方向に回転することができるように、器具を器具ホルダ28内に固定するために、ねじ切り締結具を受け入れるように動作可能である。
【0080】
図15を参照すると、図13および図14に示す器具ホルダで使用される例示的な器具が、全体として550に示されている。図示する実施形態では、器具550は、エンドエフェクタ552を含み、それは、図示する実施形態では、基部558から延在する、対向する固定ジョー554および枢支ジョー556を有するグリッパを含む。別法として他の器具構成を採用することができる。たとえば、器具は、別法として、焼灼デバイス、吸引デバイス、引込みデバイスまたは把持デバイスであり得る。図示する実施形態では、可撓性器具制御リンク560が、枢支ジョー556に接続され、基部558の軸方向開口部を通して延在して、可撓性制御リンク560の直線運動に応じて固定ジョー556の上で枢支ジョー554を開閉する。
【0081】
器具550は、間隔を空けて配置された第1シリンダ562および第2シリンダ564から構成されたカプラをさらに含み、第1シリンダ562および第2シリンダ564は、基部558に堅固に接続され、器具550を器具ホルダ28内でぴったりと保持することができるように、器具ホルダ28のボア466の直径よりわずかに小さい円筒状外面563および565を有している。器具ホルダ28とベース部材22との間の距離とおよそ等しい長さを有する可撓性導管566が、シリンダ564に接続された第1端568と、圧着コネクタ576によって剛性導管574の第1端部572に接続された第2端570とを有している。可撓性器具制御リンク560は、シリンダ562および564を通って、可撓性導管566を通ってかつ剛性導管574を通って延在し、剛性導管574の近位端580から外側に延在する第2端578を有している。したがって、剛性導管574の近位端580に対する可撓性器具制御リンク560の第2端578の直線運動により、枢支ジョー556が開閉する。
【0082】
図15および図16を参照すると、器具550は器具ホルダ28に設置されているように示されており、それにより、基部558ならびにジョー554および556のみが、器具ホルダから遠位側に突出し、可撓性導管566は、第3の複数の結合ガイド42の中心開口部152と、先端部材26の中心開口部266と、第2の複数の結合ガイド36の中心開口部152と、中間部材24の中心開口部266と、第1の複数の結合ガイド30の中心開口部(152)とを通って延在する。圧着コネクタ576は、ベース部材22の中心開口部72内に配置され、ベース部材と約同じ長さであり、剛性導管574は、ベース部材から近位方向に外側に延在する。したがって、器具ホルダに設置された器具550は、器具550と器具位置決め装置20とから構成された器具アセンブリ600を形成する。
【0083】
図17を参照すると、器具アセンブリ600は、ベース部材22の低減した直径の外面部52に堅固に接続された第1端606と、駆動機構610に接続された第2端608とを有する第2剛性導管604を備える器具コントローラ602に接続されている。駆動機構610はベースプレート612を含み、それは、第2剛性導管604をベースプレート612に堅固に接続する導管継手614を有している。さらに、駆動機構は、剛性導管574の近位端580に接続された回転継手616を含み、そこで、回転継手616の回転により、剛性導管574のその軸を中心とする対応する回転運動がもたらされる。回転可撓性制御リンク618が、回転継手616に接続され、歯車セグメント622に接続された回転スプール620まで通され、それにより、歯車セグメントが回転すると、剛性導管574が対応する量だけ回転する。剛性導管574のこうした回転により、対応する量だけ器具550が回転する。
【0084】
第1可撓性制御リンク88、90、92および94、第3可撓性制御リンク120、122、124および126ならびに器具可撓性制御リンク560は、第2剛性導管604の内部を通って延在し、第2剛性導管604の第2端608から出る。駆動機構610は、器具歯車セグメント628に接続された器具スプール626まで器具制御リンク560を案内する、全体として624に示すリンクガイドを有している。第1方向における器具歯車の回転により器具550のエンドエフェクタ552が開放し、反対の第2方向における器具スプール626の回転によりエンドエフェクタが閉鎖するように、器具制御リンク560は器具スプール626に巻回されている。
【0085】
リンク120および126またはリンク122および124等、器具ホルダ28の水平面における第3可撓性制御リンクのうちの2つは、水平器具制御歯車632に接続された水平器具制御スプール630において反対方向に巻回され、それにより、第1方向における水平器具制御歯車632の回転により、たとえば左側リンク120または122が引っ張られ、一方で、対応する右側リンク126または124が押し込まれ、第1方向とは反対側の第2方向における水平器具制御歯車632の回転により、左側リンク120または122が押し込まれ、一方で、対応する右側リンク126または124が引っ張られる。これには、器具ホルダ28を左右に移動させるという効果がある。
【0086】
リンク120および122またはリンク124および126等、器具ホルダ28の垂直面における第3可撓性制御リンクのうちの2つは、これらのリンクのうちのいずれが水平器具制御スプール630にすでに接続されていないかに応じて、垂直器具制御歯車636に接続された垂直器具制御スプール634に反対方向に巻回され、それにより、第1方向における垂直器具制御歯車636の回転により、たとえば上方リンク120または126が引っ張られ、一方で、対応する下方リンク122または124が押し込まれ、第1方向とは反対側の第2方向における垂直制御歯車636の回転により、上方リンク120または122が押し込まれ、一方で、対応する下方リンク122または124が引っ張られる。これには、器具ホルダ28を上下に移動させるという効果がある。
【0087】
リンク88および94またはリンク90および92等、中間部材24の水平面における第1可撓性制御リンクのうちの2つは、水平S字曲線歯車640に接続された水平S字曲線制御スプール638において反対方向に巻回され、それにより、第1方向における水平S字曲線制御歯車640の回転により、たとえば左側リンク88または90が引っ張られ、一方で、対応する右側リンク92または94が押し込まれ、第1方向とは反対側の第2方向における水平S字曲線制御歯車640の回転により、左側リンク88または90が押し込まれ、一方で、対応する右側リンク92または94が引っ張られる。これには、中間部材24を左右に移動させるという効果がある。
【0088】
リンク88および90またはリンク92または94等、中間部材24の垂直面における第1可撓性制御リンクのうちの2つは、これらのリンクのうちのいずれが水平S字曲線制御スプール638にすでに接続されていないかに応じて、垂直S字曲線制御歯車644に接続された垂直S字曲線制御スプール642において反対方向に巻回され、それにより、第1方向における垂直S字曲線制御歯車644の回転により、たとえば上方リンク88または94が引っ張られ、一方で、対応する下方リンク90または92が押し込まれ、第1方向とは反対側の第2方向における垂直S字曲線制御歯車644の回転により、上方リンク88または94が押し込まれ、一方で、対応する下方リンク90または92が引っ張られる。これには、中間部材24を上下に移動させるという効果がある。
【0089】
スプール626、620、630、634、638および642ならびに対応する歯車セグメント628、622、632、636、640および644は、図17に示すように特定の順序で配置されているが、順序は重要ではない。したがって、たとえば、スプール626および対応する歯車セグメント628を、スプール620と対応する歯車セグメント622との間、およびスプール630と対応する歯車セグメント632との間に位置決めされるように配置することができる。
【0090】
ベース部材22と先端部材26との間に接続されている第2可撓性制御リンク104、106、108および110は、2つの方向においてある種の平行四辺形として作用して、先端部材26をベース部材22と同じ向きで維持する傾向がある。第1の複数の可撓性制御リンク88、90、92および94は、中間部材24を移動させるが、第2の複数の制御リンクの平行四辺形効果は、先端部材26をベース部材22と同じ向きに維持する傾向がある。同様に、第3の複数の制御リンク120、122、124および126は、器具ホルダ28を移動させるが、この場合もまた、先端部材26は、第2の複数の可撓性制御リンクによって形成された平方四辺形の制約の下で保持され、ベース部材22と同じ向きを維持する。
【0091】
第2の複数の可撓性制御リンク104、106、108および110は、ベース部材22と先端部材26との間に接続されているように示されていたが、第2の複数の可撓性制御リンクの近位端が何らかの基準点に固定されることのみが必要である。したがって、たとえば、それらは、ベース部材22に接続される必要はなく、別法として、ベース部材22から離れて近位方向に位置する何らかの他の固定構造に接続することができる。
【0092】
したがって、歯車セグメント622、628、632、636、640および644を回転させることにより、エンドエフェクタを5自由度移動させることができ、ジョーを開閉することができる。後述するように、エンドエフェクタ550を、動作を行うように空間において操作するように、歯車セグメント622、628、632、636、640および644を駆動するように、好適な歯車駆動機構を使用することができる。こうした動作は、たとえば医療動作であり得る。
【0093】
たとえば、本明細書に記載する装置は、図18に示すもの等の腹腔鏡手術を行う際に使用することができる。これを行うために、イーサネットネットワーク等のコンピュータネットワークに有線でまたは無線で接続されたコンピュータ704を収容するキャビネット702が固定される、可動プラットフォーム700が提供される。全体として706に示す全体位置決め機構が、キャビネット702に接続され、図17に示す器具コントローラ602が最終的に固定されるヘッド708を有している。全体位置決め機構706および可動プラットフォーム700により、所望の腹腔鏡手術が行われるのを可能にする位置で、器具位置決め装置20を患者の体内に配置することができるように、ヘッド708を空間における位置に配置することができる。
【0094】
図19を参照すると、滅菌環境を維持しながら器具コントローラ(602)のヘッド708への接続を容易にするために、ヘッドには、機械的コネクタの第1部712と、間隔を空けて配置された同軸状の第1の複数の駆動歯車セグメントおよび第2の複数の駆動歯車セグメント(各複数の歯車セグメントのうちの1つの歯車セグメントのみが図19において710および711に示されている)とが設けられている。後述するように、第1の複数の駆動歯車セグメントはカメラの位置を制御し、第2の複数の駆動歯車セグメントは器具コントローラ(602)を制御する。この実施形態では、図18に示すコンピュータ704から受け取られる制御信号に応じた方向で、速度で、かつ時間、各駆動歯車を独立して駆動するように、それぞれの別個のモータ(それらのうちの2つのみが714および715に示されている)が設けられる。
【0095】
コンピュータ704は、モータを制御するようにネットワークからコマンドを受け取ることができ、外科手術を行っている外科医によって制御される入力デバイスに接続された別個のコンピュータ(図30に示す)が、コマンドを生成し、外科手術を行っている外科医のたとえば手、指および腕の動きに応じて、コマンドをネットワークで送信する。外科手術を行っている外科医は、手術室において患者の近くに位置することができ、または世界中の任意の場所で遠隔に位置することができる。
【0096】
ハウジング722を備えかつ機械的コネクタの第2コネクタ部724を有するカプラ720が、機械的コネクタの第2コネクタ部724の真下のハウジング722の外周部に接続されたプラスチックカバー726を有している。機械的コネクタの第2部724は第1コネクタ部712に接続されているため、プラスチックカバー726は、プラスチックカバー726の開放端部728が下方に面するように下方にたれるように配置される。そして、カプラ720は、図20に示すように第2コネクタ部724が第1コネクタ部712と嵌合するように、適所まで移動する。そして、図21を参照すると、プラスチックカバー726は、ヘッド708にわたってかつ全体位置決めアーム706の一部の上に引き上げられ、プラスチックカバー726がハウジング722に取り付けられる外周線の下方のカプラ720の部分のみが、患者に露出されたままになる。
【0097】
図22を参照すると、カプラ720は、カメラ/送達チューブアセンブリ730をヘッド708に結合する役割を果たし、図17において602に示すタイプの1つまたは複数の器具コントローラをヘッド708に接続する役割をさらに果たす。
【0098】
カメラ/送達チューブアセンブリは、カプラ720の対応するコネクタ部736と嵌合するコネクタ部734を有する基部732を備えている。およそ約1インチ(2.5cm)の直径、約20インチ(51cm)の長さであり、壁厚さが約0.035インチ(0.1cm)である、透明なプラスチック送達チューブ738が、基部732に接続された近位端部740を有し、遠位第2端部742を有している。カメラ750およびカメラ位置決め装置752を備えるカメラアセンブリ748が、送達チューブの遠位端に位置し、剛性カメラ位置決め装置支持チューブ754が、カメラ位置決め装置752から、送達チューブ738の遠位第2端部742から送達チューブ738を上って延在し、基部732に堅固に接続されている。
【0099】
図23を参照すると、カメラ位置決め装置752は、器具位置決め装置20と同じであり、カメラ750が送達チューブ738の軸762上にまたは軸762から外れて位置決めされるのを可能にする、図17において602に示す器具コントローラと同様のカメラコントローラ760に結合され得る。カメラ750は、上述した器具位置決め装置20と同じ動きの範囲を有する必要はなく、したがって、カメラ位置決め装置752において使用される可撓性制御リンクはより少なくすることができる。たとえば、送達チューブ738の軸外の垂直方向にカメラ位置決め装置752を移動させるために必要なのは、第1可撓性制御リンクのうちの2つのみとすることができ、器具を回転させるための可撓性制御リンクを不要とすることができる。これにより、スプールおよび歯車セグメントが少なくなるという点で、カメラコントローラ760が簡略化する。図23には、1つの歯車セグメントのみが761に示されているが、カメラ位置を制御する可撓性制御リンクがあるのと同程度の数の歯車セグメントがある。再び図19を参照すると、各歯車セグメントは、カプラの対応するリニアギアラック763と係合する。カプラ720のリニアギアラック763は、ヘッド708の歯車セグメント711と係合するように上方に面する歯車部を有し、かつカメラ/送達チューブアセンブリ730の図23に示す歯車セグメント761と係合するように下方に面する歯車部を有している。
【0100】
再び図19を参照すると、カプラ720はまた、ヘッド708の対応する歯車セグメント710と係合する上方に面する歯車部765を有する複数のリニアギアラックも有し、かつ後述するように、図17における602等の少なくとも1つの器具コントローラの対応する歯車セグメントと係合するように下方に面する歯車部767を有している。
【0101】
再び図23を参照すると、基部732は、基部732から近位方向に突出する光コネクタ770および電気コネクタ722をさらに有し、それにより、基部が図22に示す継手720に結合されると、それらは、ヘッド708の対応する光コネクタ774および電気コネクタ776と嵌合する。ヘッド708の光コネクタ774は、光ファイバ778によって光を提供し、基部732の光コネクタ770に接続された対応する光ファイバ780は、カメラ位置決め装置に通され、カメラ750によって撮影された画像の対象を照明するようにカメラ750のレンズ781の上方の位置で終端する。基部の電気コネクタ772は、画像信号を受け取るようにカメラ750に接続され、ヘッド708の電気コネクタ776にこれらの画像信号を渡し、電気コネクタ776は、それらを図18に示すコンピュータ704に通信する。カメラ750は、2つのレンズを有するか、または他の方法で、たとえば3次元画像信号を生成するように構成することができる。コンピュータ704は、必要に応じて画像信号をフォーマットし、外科医によって操作されている入力デバイスにまたはその近くに配置することができるディスプレイを含む、ネットワークに接続されたデバイスによって画像信号の取込みを可能にするように、ネットワークに画像信号を送信する。
【0102】
再び図23を参照すると、送達チューブ738は、基部732の後方に延在する近位端部782を有している。
【0103】
図24を参照すると、基部732は、カプラ720に結合されて示されており、そこでは、カメラ位置決め装置752を制御する歯車セグメント(そのうちの1つが711に示されている)が、カプラ720のリニアギアラック763と係合する。さらに、器具位置決め装置に関連する歯車セグメント710は、カプラ720の対応するリニアギアラック765と係合する。歯車セグメント(器具コントローラ602の628、622、632、636、640および644)が対応するリニアギアラック(そのうちの1つのみが図24において765に示されている)と係合するように、少なくとも1つの器具コントローラが取り付けられるのを可能にする空間が、リニアギアラック765に隣接して設けられている。また図24に示す位置では、光コネクタ(770)および(774)ならびに電気コネクタ(772)および(776)は、光がカメラヘッドに送信されるのを可能にするように、かつカメラが図18のコンピュータ704に画像信号を送信するのを可能にするように接続されている。また、カメラ/送達チューブアセンブリ730がカプラ720に接続されたとき、送達チューブの近位端部782は、リニアギアラック765に隣接する空間に隣接して配置される。
【0104】
図25を参照すると、カメラ/送達チューブアセンブリ730がカプラ720に接続された状態で、器具コントローラ602を設置することができる。図26を参照すると、器具コントローラ602を設置するために、器具550が送達チューブ(738)の近位端部782内に挿入され、かつ図27に示すように、器具550および器具位置決め装置20が送達チューブの遠位第2端部742から外側に延在するまで、送達チューブを通して押されるように、器具コントローラは位置決めされる。したがって、第2剛性導管606は、カメラ位置決め装置支持チューブ754に対して平行に送達チューブの内部に延在し、器具位置決め装置20は、送達チューブの遠位第2端部742に隣接する空間内で自由に移動することができる。図26および図27を参照すると、歯車セグメント628、622、632、636、640および644がそれらの対応するリニアギアラック(629、623、633、637、642および645)と係合したときに、器具位置決め装置20が送達チューブ738の完全に外側にあるように、第2剛性導管606の長さを事前に構成することができる。
【0105】
図26を参照すると、図示する実施形態では、カプラ720は、第1器具コントローラおよび第2器具コントローラをそれぞれ受け入れるように動作可能な第1リニアギアラックアセンブリ800および第2リニアギアラックアセンブリ802を有している。第1器具コントローラが602に示されており、第2器具コントローラが804で破線の輪郭に示されている。第1器具コントローラ602の上述した設計では、各歯車セグメント628、622、632、636、640および644は、同じハブに対称的に反対側の歯車セグメント928、922、932、936、940および944を有している。これらの歯車セグメント928、922、932、936、940および944は、ベースプレート612が位置する平行面から事前定義された距離でそれぞれの平行面に位置し、ベースプレート612の縁950を越えて、それらの対応する反対側の歯車セグメントがベースプレート612の反対側の縁952を越えて突出するのと同じ量だけ、突出する。図示する実施形態では、第1器具コントローラ602は、第1リニアギアラックアセンブリ800と協働するようにカプラ720に設置され、この協働を行うように設置されるとき、第1器具コントローラ602の縁952は、第1リニアギアラックアセンブリ800に面している。
【0106】
第2器具コントローラ804は、第1器具コントローラ602と同じであるが、図26において破線の輪郭で示すように、第1器具コントローラ602に対して鏡像の向きで設置される。この向きでは、第1器具コントローラ602の縁950に対応する第2器具コントローラ804の縁954が、第2リニアギアラックアセンブリ802に面し、第2器具コントローラ804の歯車セグメント(第1器具コントローラ602の928、922、932、936、940および944と等価)が、第2リニアギアラックアセンブリ802の対応するリニアギアラックと係合する。したがって、第2器具コントローラ804に接続された第2器具位置決め装置812を、図28に示すように送達チューブの外側に延在するように、送達チューブ738を通して送ることができる。
【0107】
図29を参照すると、上述した構成要素が上述したように合わせて接続された状態で、図18に示す腹腔鏡手術装置がさらに記載されている。可動プラットフォーム700を用いて、ヘッド708を図示するような位置まで移動させることができ、そこでは、器具550および810ならびにカメラ750が、単一の相対的に小さい切開部から患者(図示せず)の体内に配置される。最初に、カメラ750ならびに第1器具位置決め装置および第2器具位置決め装置は、送達チューブ738の直径内で互いに密に隣接するように位置決めされ、それにより、カメラと第1器具位置決め装置20および第2器具位置決め装置812ならびにそれらの上の器具550および810とを、小さい切開部を通して患者の体内に挿入するのが容易になる。そして、従来の方法で、患者をCOで膨張させることができ、その後、カメラを、送達チューブの軸外に、たとえば上方に位置決めし、たとえば器具550および810の位置を囲む視野を有するように位置決めすることができる。カメラ750はまた、器具550および810の付近で患者の体内の特定の対象となる任意の領域にズームインするズーム機能も有することができる。そして、器具の動作がカメラ750によって見られている間に、手術を行うように、器具550および810を位置決めし操作することができる。
【0108】
器具550および810の位置決めおよび操作は、図30において860に示すようなワークステーションを操作する外科医によって指示され、ワークステーションは、カメラ750によって画面上に生成された3次元画像を見るための、たとえば3Dポータル862を有し、可動プラットフォーム872に取り付けられた、左入力デバイス864および右入力デバイス866、ハンドレスト868ならびに支持キャビネット870を有している。可動プラットフォームは、第1フットスイッチ874および第2フットスイッチ876を有することができる。支持キャビネット870はコンピュータ878を含むことができ、コンピュータ878は、左入力デバイス864および866からかつ第1フットスイッチ874および第2フットスイッチ876から信号を受け取り、コマンド信号を生成してネットワークで図29に示す腹腔鏡手術装置850に送信して、リニアギアラックを、器具の所望の動きをもたらす方向および距離で移動させるように、動作可能に構成されている。
【0109】
リニアギアラックアセンブリのうちの対応するものを移動させることにより、第1可撓性制御リンク88、90、92、94、第2可撓性制御リンク104、106、108、110および/または第3可撓性制御リンク120、122、124、126のさまざまなリンクを引っ張るかまたは押すことによって、エンドエフェクタまたは器具を5自由度で移動させることができることを上述した。器具アセンブリ600および器具コントローラ602を、第2剛性導管604の軸に沿った方向に移動させることにより、移動の第6自由度が提供される。こうした動きは、たとえば、送達チューブ738と一致する線に沿って直線方向にヘッド708を移動させることによって提供することができる。
【0110】
別法として、図26および図31を参照すると、カプラ720の代替実施形態では、第1リニアギアラックアセンブリ800および第2リニアギアラックアセンブリ802を別個の基部900および902に形成することができ、協働するギアラック(カプラ720の上の765)を、第1リニアギアラック800および第2リニアギアラック802がカプラ720の基部904に対して直線状に移動して送達チューブ738の軸の方向に移動の第6自由度を提供することができるように十分長くすることができる。この移動をもたらすために、基部904に、第1基部900および第2基部902の下側の対応するリニア歯車セグメント(図示せず)と係合する第1ギアラック906および第2ギアラック908を設けることができる。第1リニアギアラックアセンブリ800および第2リニアギアラックアセンブリ802の個々のラックが駆動される方法に関して上述したものと同様の方法で、ヘッド(708)の対応する嵌合するギアラック(図示せず)により、第1ギアラックおよび第2ギアラックを作動させることができる。
【0111】
図31に示すカプラ720の代替実施形態では、図32を参照すると、第1器具コントローラ602および第2器具コントローラ804が送達チューブの近位端部782から異なる距離に配置されたとき、それぞれの器具位置決め装置20および812は送達チューブの遠位端部742から異なる距離に配置され、それにより、それぞれの器具550および810が、送達チューブの遠位端部から異なる距離に位置決めされる。
【0112】
有利には、本明細書に記載する装置は、種々のタイプの器具が、器具動作機能から器具位置決め機能を分離する同じタイプの器具位置決め装置によって保持されるようにする。したがって、単一タイプの器具位置決め装置を提供することができ、要求に応じて、その器具位置決め装置において、異なるタイプの器具を選択的に使用することができる。さらに、装置は、左手術器具および右手術器具が患者の同じ切開部を通して受け入れられるようにし、これらの器具が送達チューブによって画定される軸の両側に位置決めされ得るようにする。これにより、外科手術が行われている領域にいずれの側からもアクセスすることができ、外科医に対して、従来のように外科手術を直接行っているように感じさせる。さらに、エンドエフェクタの機能を行うために使用されている同じ器具は、それらの長手方向軸を中心に回転可能であり、それにより、エンドエフェクタのより好都合なかつ独立した位置決めが可能になる。
【0113】
本発明の具体的な実施形態について記載し例示したが、こうした実施形態は、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるように、単に本発明を例示するものであって本発明を限定するものとしてみなされるべきではない。
【0114】
排他的所有権または特権が請求される本発明の実施形態は以下のように定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2018年1月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに結合された遠位端を有する制御リンクと、
前記エンドエフェクタに結合された遠位端を有する導管と、
中心開口部を有する器具位置決め装置と、
を備え、
前記制御リンクが、前記導管を通して延在し、前記エンドエフェクタの少なくとも第1移動を作動させるように動作可能であり、前記導管が、前記器具位置決め装置の前記中心開口部に受け入れられるように構成され、前記エンドエフェクタの第2移動を作動させるように移動可能であり、前記器具位置決め装置が、外科手術中に前記エンドエフェクタを位置決めするように移動するように動作可能である、手術器具装置。
【請求項2】
前記導管が、前記導管の回転により前記エンドエフェクタの回転がもたらされるように、前記エンドエフェクタに結合され、前記制御リンクが、前記第2移動を作動させるように前記導管に沿って移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御リンクが、前記エンドエフェクタの枢動可能なジョーに結合されて、前記制御リンクが前記導管内部で移動する際に前記ジョーの移動をもたらす、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御リンクが、圧縮力及び引張力の両方を伝達することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エンドエフェクタが基部を備え、
前記制御リンクが、前記基部を通って軸方向に延在し、前記第1移動に関連する前記エンドエフェクタの可動部分に結合され、
前記導管が前記基部に結合され、前記エンドエフェクタの前記第2移動が、前記器具位置決め装置の前記中心開口部内での前記導管の回転によって駆動される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基部が、前記器具位置決め装置の遠位端に配置された器具ホルダ内に受け入れられるように動作可能なカプラをさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御リンクが、前記導管に対して長手方向に移動するように構成され、前記導管が、前記エンドエフェクタの回転移動をもたらすように前記器具位置決め装置の前記中心開口部内で回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記導管が、前記器具位置決め装置の前記中心開口部内に受け入れられると、前記中心開口部を通って延在し、前記中心開口部を越えて延在する近位端を有し、前記近位端が、前記導管の前記回転をもたらすように、器具コントローラ内で回転カプラに結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記導管が、可撓性部分および剛性部分を備え、前記可撓性部分が、前記器具位置決め装置の移動に応じて前記導管の横方向曲げ移動を促進する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御リンクが、前記導管の少なくとも前記可撓性部分を通って延在する可撓性部分を備え、前記制御リンクの前記可撓性部分が、圧縮力および引張力の両方を伝達するように動作可能に構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記導管の前記可撓性部分と前記制御リンクの前記可撓性部分とが、前記導管および前記制御リンクのそれぞれの遠位端に配置されている、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記エンドエフェクタが一対の対向するジョーを備え、そのうちの一方が、前記導管内の前記制御リンクの長手方向移動に応じて前記第1移動を提供するように、ピボットを中心に移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記器具位置決め装置が、各々が前記器具位置決め装置の前記中心開口部を提供する中心開口部を有する、複数の結合ガイドを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の結合ガイドが、前記結合ガイドのそれぞれの開口部を通って延在する複数の可撓性制御リンクによって移動するように作動可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の可撓性制御リンクが、前記中心開口部の両側に配置された対応する制御リンクを含み、前記複数の制御リンクの1つの制御リンクを押すと同時に対応する制御リンクを引っ張ることにより、前記複数の結合ガイドが前記引っ張られた制御リンクに向かって曲がる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記制御リンクおよび前記導管が、前記第1移動および前記第2移動が独立した移動を含むように、各々、独立して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記エンドエフェクタが一対の対向するジョーを備え、そのうちの少なくとも一方が、前記導管内の前記制御リンクの長手方向移動に応じて前記第1移動を提供するように、ピボットを中心に移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記導管が、前記導管内での前記制御リンクの自由な移動を可能にするように選択された直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
多関節器具位置決め装置であって、
各々がそれぞれの中心開口部を有する先端部材および器具ホルダであって、前記先端部材が、前記中心開口部を中心に配置されかつ前記先端部材を通って延在する複数のガイド開口部を有する、先端部材および器具ホルダと、
前記先端部材と前記器具ホルダとの間の複数の結合ガイドであって、各々が、中心開口部と前記先端部材の前記ガイド開口部に概して位置合せされたガイド開口部とを有する、複数の結合ガイドと、
各々が第1端部および第2端部を有する複数の可撓性制御リンクであって、前記先端部材の前記ガイド開口部のそれぞれの開口部を通り、かつ前記複数の結合ガイドの対応するガイド開口部のそれぞれの開口部を通って延在し、前記それぞれの第1端部が前記器具ホルダに接続されている、複数の可撓性制御リンクと、
を備え、
前記複数の可撓性制御リンクが、前記中心開口部の両側に配置された対応する制御リンクを含み、前記複数の制御リンクの1つの制御リンクの前記第2端部を押すと同時に対応する制御リンクの第2端部を引っ張ることにより、前記複数の結合ガイド及び前記器具ホルダ部材が前記引っ張られた制御リンクに向かって湾曲する、装置。
【請求項20】
各々がそれぞれの中心開口部を有するベース部材および中間部材であって、前記ベース部材が、前記中心開口部を中心に配置されかつ前記ベース部材を通って延在する第1ガイド開口部を有する、ベース部材および中間部材と、
前記ベース部材と前記中間部材との間の第1の複数の結合ガイドであって、各々が、中心開口部と、前記第1ガイド開口部と概して位置合せされたガイド開口部とを有する、第1の複数の結合ガイドと、
前記中間部材と前記先端部材との間の第2の複数の結合ガイドであって、前記中間部材が、前記中心開口部を中心に配置されかつ前記中間部材を通って延在する第2ガイド開口部を有し、前記結合ガイドが、各々、中心開口部と、前記第2ガイド開口部と概して位置合せされた複数のガイド開口部とを有する、第2の複数の結合ガイドと、
前記ベース部材の前記第1ガイド開口部のそれぞれの開口部を通って、かつ前記第1の複数の結合ガイドの対応するガイド開口部のそれぞれの開口部を通って延在して配置された第1の複数の可撓性制御リンクであって、各々が第1端部および第2端部を有し、前記それぞれの第1端部が前記中間部材に接続されている、第1の複数の可撓性制御リンクと、
各々が第1端部および第2端部を有する第2の複数の可撓性制御リンクであって、前記ベース部材の前記第1ガイド開口部のそれぞれの開口部を通って、前記第1の複数の結合ガイドの対応するガイド開口部のそれぞれの開口部を通って、前記中間部材の対応する第2ガイド開口部を通って、かつ前記第2の複数の結合ガイドの対応するガイド開口部のそれぞれの開口部を通って延在し、前記それぞれの第1端部が前記先端部材に接続され、前記それぞれの第1端部が、前記ベース部材に対して固定基準点に接続されている、第2の複数の可撓性制御リンクと、
を備え、
前記第1の複数の可撓性制御リンクが、前記中心開口部の両側に配置された対応する制御リンクを含み、前記第1の複数の制御リンクの1つの制御リンクを押すと同時に対応する制御リンクを引っ張ることにより、前記第1の複数の結合ガイドおよび前記中間部材が前記引っ張られた制御リンクに向かって湾曲し、前記第2の複数の制御リンクが、前記先端部材が前記ベース部材に対して実質的に同様の向きのままであるように、前記第2の複数の結合ガイドおよび前記先端部材の移動をもたらす、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記器具ホルダが、外科手術を行うエンドエフェクタを備える器具を受け入れるように動作可能に構成されている、請求項19に記載の装置。
【外国語明細書】