特開2018-76479(P2018-76479A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-76479フルオロポリマー及びフルオロポリマーを含む膜(I)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-76479(P2018-76479A)
(43)【公開日】2018年5月17日
(54)【発明の名称】フルオロポリマー及びフルオロポリマーを含む膜(I)
(51)【国際特許分類】
   C08F 212/14 20060101AFI20180417BHJP
   C08F 8/00 20060101ALI20180417BHJP
   C08J 9/26 20060101ALI20180417BHJP
   C08J 7/04 20060101ALI20180417BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20180417BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20180417BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/30 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/42 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/68 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/26 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/48 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/66 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/36 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/34 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/52 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/32 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/28 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/80 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 71/82 20060101ALI20180417BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20180417BHJP
【FI】
   C08F212/14
   C08F8/00
   C08J9/26 101
   C08J7/04 A
   B32B27/30 D
   B32B5/18
   B32B27/30 101
   B32B27/32 C
   B01D69/10
   B01D69/12
   B01D71/30
   B01D71/42
   B01D71/68
   B01D71/26
   B01D71/48
   B01D71/66
   B01D71/36
   B01D71/34
   B01D71/52
   B01D71/32
   B01D71/28
   B01D71/80
   B01D71/82 500
   B01D61/14
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-153614(P2017-153614)
(22)【出願日】2017年8月8日
(31)【優先権主張番号】15/237,172
(32)【優先日】2016年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】フランク オケジー オニェマウワ
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン アイット‐ハドゥ
【テーマコード(参考)】
4D006
4F006
4F074
4F100
4J100
【Fターム(参考)】
4D006GA06
4D006GA07
4D006HA01
4D006HA21
4D006HA41
4D006HA61
4D006HA71
4D006JA25C
4D006MA01
4D006MA02
4D006MA03
4D006MA09
4D006MA12
4D006MB14
4D006MB20
4D006MC22
4D006MC24X
4D006MC26
4D006MC27
4D006MC28
4D006MC29
4D006MC30
4D006MC39
4D006MC48
4D006MC61
4D006MC62
4D006MC63
4D006MC73
4D006MC74
4D006MC75
4D006MC77
4D006MC79
4D006MC81
4D006MC83
4D006NA03
4D006NA13
4D006NA46
4D006NA54
4D006NA59
4D006NA64
4D006PA01
4D006PB32
4D006PC01
4F006AA18
4F006AA40
4F006AB16
4F006BA07
4F006BA11
4F006CA08
4F006EA05
4F074AA32
4F074AB01
4F074AB02
4F074AC25
4F074AE01
4F074AG20
4F074CB04
4F074CC02X
4F074CC22X
4F074DA24
4F074DA59
4F100AA20B
4F100AA25B
4F100AC04B
4F100AJ04B
4F100AK05A
4F100AK12B
4F100AK15A
4F100AK17B
4F100AK26A
4F100AK55A
4F100AL01A
4F100AL02B
4F100BA02
4F100CA30B
4F100DE01B
4F100DJ10A
4F100DJ10B
4F100EH46B
4F100EJ81B
4F100GB90
4F100JA20
4F100JB01
4F100JB07
4J100AB07P
4J100AB07Q
4J100BA16H
4J100BA51Q
4J100BB01P
4J100BB18Q
4J100CA04
4J100CA31
4J100DA01
4J100DA25
4J100DA39
4J100GC35
4J100HA61
4J100HC44
4J100HC45
4J100HC46
4J100HC47
4J100HG03
4J100HG12
4J100JA11
4J100JA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マイクロエレクトロニクスの流体から微量の金属を除去する為の膜の提供。
【解決手段】コポリマー、コポリマーから作製される多孔質膜、及び多孔質膜を使用して流体を処理して、例えばマイクロエレクトロニクス産業において生じる流体から金属イオンを除去する方法。前記コポリマーは、重合したモノマー単位I及びIIを含み、モノマー単位Iは、式A−X−CH−B[AはRf−(CH)n;Rfは式CF−(CF−(xは3〜12)のペルフルオロアルキル基;nは1〜6の整数;XはO又はS;Bはビニルフェニル]を有し、モノマー単位IIはハロアルキルスチレンであり、任意選択で、ハロアルキルのハロ基は、任意選択の置換基、例えば、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、又はイミノジコハク酸で置き換えられている方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合したモノマー単位I及びIIを含むコポリマーであって、
モノマー単位Iが、式A−X−CH−B[式中、AはRf−(CH)nであり、Rfは式CF−(CF−(式中、xは3〜12である)のペルフルオロアルキル基であり、nは1〜6であり、XはO又はS、Bはビニルフェニルである]
を有し、
モノマー単位IIが、ハロアルキルスチレンであり、
任意選択で、ハロアルキルのハロ基が、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えられている、
コポリマー。
【請求項2】
n=2である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
x=4〜8である、請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項4】
モノマー単位IIがクロロアルキルスチレンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項5】
前記ハロアルキルがクロロメチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項6】
ブロックコポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
ランダムコポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項8】
多孔質支持体上に配置された請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマーを含む、多孔質膜。
【請求項9】
前記多孔質支持体が多孔質ポリマー支持体である、請求項8に記載の多孔質膜。
【請求項10】
前記多孔質ポリマー支持体が、PVC/PAN、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、HDPE、PET、PPS、PPSU(ポリフェニルスルホン)、PTFE、PVDF、PVF(ポリフッ化ビニル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、FEP(フッ化エチレン−プロピレン)、ETFE(ポリエチレンテトラフルオロエチレン)、ECTFE(ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン)、PFPE(ペルフルオロポリエーテル)、PFSA(ペルフルオロスルホン酸)、及びペルフルオロポリオキセタンから選択される、請求項9に記載の多孔質膜。
【請求項11】
コポリマーを含む多孔質膜を調製する方法であって、
前記コポリマーが、重合したモノマー単位I及びIIを含み、
モノマー単位Iが、式A−X−CH−B[式中、AはRf−(CH)nであり、Rfは式CF−(CF−(式中、xは3〜12である)のペルフルオロアルキル基であり、nは1〜6、XはO又はS、Bはビニルフェニルである]を有し、
モノマー単位IIが、ハロアルキルスチレンであり、
前記方法が、
(i) 前記コポリマーを溶媒に溶解させて、前記コポリマーを含む溶液を得るステップ;
(ii) (i)からの溶液を流延して、コーティングを得るステップ;
(iii) 前記コーティングから前記溶媒を蒸発させるステップ;任意選択で
(iv) 前記コーティングを洗浄して、前記多孔質膜を得るステップ;並びに
(v) 任意選択で、ハロアルキルのハロ基のうちの1つ又は複数を、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えるステップ
を含む、方法。
【請求項12】
コポリマーを含む多孔質膜を調製する方法であって、
前記コポリマーが、重合したモノマー単位I及びIIを含み、
モノマー単位Iが、式A−X−CH−B[式中、AはRf−(CH)nであり、Rfは式CF−(CF−(式中、xは3〜12である)のペルフルオロアルキル基であり、nは1〜6、XはO又はS、Bはビニルフェニルである]を有し、
モノマー単位IIが、ハロアルキルスチレンであり、
前記方法が、
(i) 前記コポリマー及び第2のポリマーを溶媒に溶解させて、前記コポリマー及び前記第2のポリマーを含む溶液を得るステップ;
(ii) (i)からの溶液を、細孔を形成する粉末と混合して、混合物を得るステップ;
(iii) (ii)からの混合物を流延して、コーティングを得るステップ;
(iv) 前記コーティングから前記溶媒を蒸発させるステップ;
(v) 前記コーティングを洗浄して、前記細孔を形成する粉末を除去するステップ;並びに
(vi)得られた膜を乾燥させるステップ;並びに
(v) 任意選択で、ハロアルキルのハロ基のうちの1つ又は複数を、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えるステップ
を含む、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法によって調製される、多孔質膜。
【請求項14】
流体をろ過する方法であって、請求項8〜10のいずれか一項に記載の多孔質膜又は請求項13に記載の膜に前記流体を通過させるステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]フルオロポリマーを含む膜は、種々の流体をろ過するために、例えば、マイクロエレクトロニクスの流体から微量の金属不純物を除去するために検討されている。これらの膜のうちのあるものは、低い表面エネルギー値若しくは臨界ぬれ表面張力(CWST)値、並びに/又は有機溶媒及び反応性の高い化学物質に対する高い耐性によって特徴付けられる。これらの膜の1つ又は複数の利点にもかかわらず、低CWST値並びに/又は有機溶媒及び/若しくは反応性の高い化学物質に対する増大した耐性などの改善された性質を有するフルオロポリマー及びかかるフルオロポリマーを含む膜に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0002】
[0002]本発明は、低CWST値を有するフルオロポリマー、及び上記フルオロポリマーから作製された膜を提供する。一実施形態において、本発明は、重合したモノマー単位I及びIIを含むコポリマーであって,
モノマー単位Iが、式:A−X−CH−B
[式中、AはRf−(CHであり、Rfは式CF−(CF−のペルフルオロアルキル基であり、xは3〜12であり、nは1〜6であり、XはO又はSであり、Bはビニルフェニルである]
を有し、
モノマー単位IIが、ハロアルキルスチレンであり、任意選択で、
ハロアルキルスチレンのハロ基が、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えられている、
コポリマーを提供する。
【0003】
[0003]上記コポリマーは超疎水性ポリマーであり、疎油性の性質の材料表面、すなわち、25ダイン/cm未満の表面張力を付与するために使用することができる。本発明はまた、多孔質支持体上に配置された上記コポリマーを含む多孔質膜を調製する方法を提供する。本発明は、流体、特にマイクロエレクトロニクスの流体をろ過して、濃度を1ppb未満、好ましくは0.005ppb未満、又はほとんどの機器の検出限界未満にする方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】NaHCOなどの粒子を使用して細孔を作成する、本発明の一実施形態による、多孔質膜を調製する方法を示す図である。
図2A】本発明の一実施形態によって調製された平膜の断面のSEM顕微鏡写真を示す図である。
図2B】平膜の一方の側面のSEM顕微鏡写真を示す図である。
図2C】平膜の他方の側面のSEM顕微鏡写真を示す図である。
図3】本発明の別の実施形態によって調製された多孔質の断面のSEM顕微鏡写真を示す図である。
図4】一実施形態による、表面上に官能基を含むように多孔質膜を修飾する方法を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によって調製された膜の金属除去効率を示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0005】
[0009]一実施形態によれば、本発明は、重合したモノマー単位I及びIIを含むコポリマーであって、
モノマー単位Iが、式:A−X−CH−B
[式中、AはRf−(CHであり、Rfは式CF−(CF−のペルフルオロアルキル基であり、xは3〜12であり、nは1〜6であり、XはO又はSであり、Bはビニルフェニルである]
を有し、
モノマー単位IIが、ハロアルキルスチレンであり、任意選択で、
ハロアルキルスチレンのハロ基が、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えられている、
コポリマーを提供する。
【0006】
[0010]上記コポリマーの一実施形態において、n=2、3、又は4であり、特に2である。
【0007】
[0011]上の実施形態のいずれかにおいて、x=4、5、6、7、又は8であり、特に6である。
【0008】
[0012]上の実施形態のいずれかにおいて、モノマー単位IIはクロロアルキルスチレンであり、特にクロロメチルスチレンである。ハロアルキル、若しくはクロロアルキルは、スチレン上でメタ置換されていることも、若しくはパラ置換されていることもでき、又はモノマーIIは、メタ置換及びパラ置換されたハロアルキルスチレンの混合物であることもできる。
【0009】
[0013]ペルフルオロアルキル基は、Bのフェニル環上の、任意の適切な位置、すなわち、オルト、メタ、若しくはパラに存在することができ、好ましくはメタ若しくはパラ位であり、又は、o、m、及び/若しくはパラ異性体の混合物を使用することができる。本明細書では、「p/m」とは、パラ及びメタ異性体の混合物を指す。
【0010】
[0014]上の実施形態のいずれかにおいて、上記コポリマーは、ブロックコポリマー、例えば、ジブロック、トリブロック、若しくはマルチブロックコポリマーであるか、又はランダムコポリマーである。
【0011】
[0015]「アルキル」基は、直鎖であっても分枝であってもよい。一実施形態によれば、アルキル基は、好ましくはC〜C22アルキルである。アルキル基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、ヘキサデシルなどが挙げられる。この定義は、「アルキル」がヒドロキシアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、及びトリハロアルキルなどにおいて出現する場合であっても常に当てはまる。C〜C22アルキル基はまた、シクロアルキル基、例えば、C〜C11シクロアルキル基でさらに置換されてもよい。
【0012】
[0016]一実施形態によれば、「アルコキシ」基は、好ましくはC〜C22アルコキシである。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキソキシ、ヘキサデシルオキシなどが挙げられる。
【0013】
[0017]「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲンを指し、好ましくは塩素を指す。
【0014】
[0018]構造中の原子の数の範囲が示されている場合は常に(例えば、C1〜22、C1〜12、C1〜8、C1〜6、又はC1〜4アルキル、アルコキシなど)、示された範囲内の任意の部分範囲又は個々の炭素原子数も使用することができることが具体的に企図される。よって、例えば、1〜22個の炭素原子(例えば、C〜C22)、1〜20個の炭素原子(例えば、C〜C20)、1〜18個の炭素原子(例えば、C〜C20)、1〜16個の炭素原子(例えば、C〜C16)、1〜14個の炭素原子(例えば、C〜C14)、1〜12個の炭素原子(例えば、C〜C12)、1〜10個の炭素原子(例えば、C〜C10)、1〜8個の炭素原子(例えば、C〜C)、1〜6個の炭素原子(例えば、C〜C)、1〜4個の炭素原子(例えば、C〜C)、1〜3個の炭素原子(例えば、C〜C)、又は2〜8個の炭素原子(例えば、C〜C)という範囲の記述は、本明細書において言及される任意の化学基(例えば、アルキル、アルコキシなど)に関して使用される場合、適宜、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又は22個の炭素原子を包含し、具体的に言い表すとともに、その任意の部分範囲、例えば、適宜、1〜2個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜9個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜11個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜13個の炭素原子、1〜14個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜16個の炭素原子、1〜17個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、1〜19個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜21個の炭素原子、及び1〜22個の炭素原子、並びに間にある任意のもの、例えば、2〜3個の炭素原子、2〜4個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、2〜7個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜9個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜11個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜13個の炭素原子、2〜14個の炭素原子、2〜15個の炭素原子、2〜16個の炭素原子、2〜17個の炭素原子、2〜18個の炭素原子、2〜19個の炭素原子、2〜20個の炭素原子、2〜21個の炭素原子、及び2〜22個の炭素原子、3〜4個の炭素原子、3〜5個の炭素原子、3〜6個の炭素原子、3〜7個の炭素原子、3〜8個の炭素原子、3〜9個の炭素原子、3〜10個の炭素原子、3〜11個の炭素原子、3〜12個の炭素原子、3〜13個の炭素原子、3〜14個の炭素原子、3〜15個の炭素原子、3〜16個の炭素原子、3〜17個の炭素原子、3〜18個の炭素原子、3〜19個の炭素原子、3〜20個の炭素原子、3〜21個の炭素原子、及び3〜22個の炭素原子、並びに4〜5個の炭素原子、4〜6個の炭素原子、4〜7個の炭素原子、4〜8個の炭素原子、4〜9個の炭素原子、4〜10個の炭素原子、4〜11個の炭素原子、4〜12個の炭素原子、4〜13個の炭素原子、4〜14個の炭素原子、4〜15個の炭素原子、4〜16個の炭素原子、4〜17個の炭素原子、4〜18個の炭素原子、4〜19個の炭素原子、4〜20個の炭素原子、4〜21個の炭素原子、4〜22個の炭素原子なども包含し、具体的に言い表す。
【0015】
[0019]一実施形態において、上記コポリマーは、パラ及び/又はメタ置換された[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンモノマーとハロアルキルスチレンモノマーとのコポリマー;パラ及び/又はメタ置換された[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレンモノマーとハロアルキルスチレンモノマーとのコポリマー;ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレンとポリ[クロロメチルスチレン]とのコポリマー;ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンとポリ[クロロメチルスチレン]とポリ[クロロメチルスチレン]とのコポリマーからなる群から選択される。
【0016】
[0020]本発明の一実施形態によれば、セグメントAは、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアルコール、2−(ペルフルオロオクチル)エチルチオール、2−(ペルフルオロオクチル)エチルアルコール、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルチオール、パラ及び/又はメタ置換された[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレン、並びにパラ及び/又はメタ置換された[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレンからなる群から選択されるモノマーを含む。いかなる特定の理論又は機構にも拘束されることを望むものではないが、ペルフルオロ炭化水素は、疎油性の性質をもたらし、基材に対する付着性を改善する。
【0017】
[0021]一実施形態において、セグメントBは、スチレン及びハロゲン基を含み、ここでは、ハロゲン基は塩素である。別の実施形態において、セグメントBは、4−ビニルベンジルクロリド、3−ビニルベンジルクロリド、3,4−ビニルベンジルクロリドからなる群から選択されるモノマーを含む。スチレン基中の二重結合によって他のポリマーとの重合が容易になり、他の官能基で置換することができるハロゲン基によって、スチレンは、正及び/又は負に荷電した基を含めた種々の官能基のうちの1種又は複数で容易に修飾できるようになり得る。
【0018】
[0022]上記コポリマーは、任意の適切な技法によって調製することができる。例えば、ブロックコポリマーは、スキーム1に例示する通りに調製することができ、ランダムコポリマーは、スキーム2に例示するとおりに調製することができる。
【0019】
【化1】
【0020】
[0023]一実施形態において、ランダムコポリマーは、1.4当量の4−パラ又は3,4−パラ−メタ−クロロメチルスチレンを1当量のパラ又はp,m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレンと、適切な濃度のトルエン(例えば、p,m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレンの66重量%)中で混合することによって合成することができる。次いで3mol%のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加し、混合物を20分間脱気し、その後、反応混合物を適切な温度、例えば摂氏60℃で、適切な時間、例えば14時間撹拌する。反応混合物を冷却し、アセトンで希釈する。得られた生成物をメタノール中で沈殿させ、2時間混合する。溶媒をデカントし、沈殿物をアセトンに再溶解させる。アセトン中の生成物を新たなメタノール中で再沈殿させ、粗いガラス漏斗(fritted funnel)を使用してろ過し、メタノールで洗浄し、真空オーブン中で一晩乾燥させる。
【0021】
[0024]一実施形態において、ランダムコポリマーの数平均分子量は、約1KDa〜約500KDaであり、例えば、10KDa〜約50KDa、特に約20KDaである。一実施形態において、数平均分子量は398KDaである。数平均分子量は、GPCを使用することによって決定する。
【0022】
[0025]ブロックコポリマーは、例えば、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ヨウ素移動重合(ITP)、アニオン重合、及びニトロキシドを介するラジカル重合(NMP)という他の形を含めた、任意の適切なプロセスによって合成することができる。
【0023】
[0026]ブロックコポリマーの数平均分子量は、約1KDa〜約9000KDaであり、特に10KDa〜約50KDaであり、より特に約20KDaである。ブロックコポリマーの分子量は重合の継続時間に依存するであろうが、ブロックの平均分子量は、86時間の運転で約8178KDaである。
【0024】
[0027]本発明は、多孔質支持体、例えば多孔質ポリマー支持体上に配置された上述のコポリマーのいずれかを含む多孔質膜をさらに提供する。
【0025】
[0028]一実施形態において、多孔質ポリマー支持体は、PVC/PAN、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、HDPE、PET、PPS、PPSU(ポリフェニルスルホン)、PTFE、PVDF、PVF(ポリフッ化ビニル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、FEP(フッ化エチレン−プロピレン)、ETFE(ポリエチレンテトラフルオロエチレン)、ECTFE(ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン)、PFPE(ペルフルオロポリエーテル)、PFSA(ペルフルオロスルホン酸)、及びペルフルオロポリオキセタンから選択される。
【0026】
[0029]本発明は、上述の通りのコポリマーを含む多孔質膜を調製する方法であって、一実施形態において、
(i) 上記コポリマーを溶媒に溶解させて、上記コポリマーを含む溶液を得るステップ;
(ii) (i)からの溶液を流延して、コーティングを得るステップ;
(iii) 上記コーティングから上記溶媒を蒸発させるステップ;任意選択で
(iv) 上記コーティングを洗浄して、上記多孔質膜を得るステップ;並びに
(v) 任意選択で、ハロアルキルのハロ基のうちの1つ又は複数を、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えるステップ
を含む、方法をさらに提供する。
【0027】
[0030]上で示す通りにハロ基を置換基で任意選択で置き換えると、得られたコポリマーの表面張力値は高くなり、例えば、最大約45ダイン/cm、特に約40〜約45ダイン/cmとなる。
【0028】
[0031]任意選択による置き換えは、任意の適切な方法によって行うことができる。例えば、工程(iv)の最後に得られた多孔質膜は、水、NaOH、及びDMFの混合物中の修飾剤、例えばイミノジコハク酸(IDSA)の溶液中に適切な時間浸漬することができる。この溶液は、80℃に加熱することができる。次いで、膜を水及びイソプロパノール(IPA)で洗浄し、乾燥させる。次いで、膜をHCl中に浸漬し、IPAで洗い流し、乾燥させる。
【0029】
[0032]一実施形態において、IDSA(15g)を、水(18g)、8M NaOH(10g)、及びDMF(45g)の混合物に溶解させる。この混合物を、ペトリ皿中で予めDMFで湿らせた膜の上に注ぐ。膜を一晩80℃に加熱し、多量の水、次いでIPAで洗い流す。その後、膜を80℃で1時間乾燥させる。膜を3%HCl中に2時間浸漬し、水及びIPAで1時間洗い流し、80℃で45分間再び乾燥させる。膜の表面張力は、40〜45ダイン/cmの範囲である。
【0030】
[0033]別の実施形態において、イミノ二酢酸(IDA)(60g)を、水(120g)、8M NaOH(140g)、及びDMF(160g)の混合物に溶解させる。次いでこの混合物を、ペトリ皿中で予めDMFで湿らせた膜の上に注ぐ。膜を一晩80℃に加熱し、多量の水、次いでIPAで洗い流す。その後、膜を80℃で1時間乾燥させる。膜を3%HCl中に2時間浸漬し、水及びIPAで洗い流し、次いで80℃で45分間再び乾燥させる。得られた膜の表面張力は、45〜48ダイン/cmの範囲である。
【0031】
[0034]さらに別の実施形態において、水50(mL)中33%のトリエチルアミン(TEA)をIPA(50mL)と混合し、この溶液中に、ポリ(pfotms−ran−cms)でコーティングされた、23ダイン/cmのCWSTを有する0.2μmのPTFEを一晩室温で浸漬する。その後、膜を多量の水で洗い流し、次いでIPA中に一晩浸漬する。膜を80℃で30分間乾燥させ、表面張力を測定する。CWSTは、38ダイン/cmである。
【0032】
[0035]別の実施形態において、本発明は、上述の通りのコポリマーを含む多孔質膜を調製する方法であって、
(i) 上記コポリマー及び第2のポリマーを溶媒に溶解させて、上記コポリマー及び上記第2のポリマーを含む溶液を得るステップ;
(ii) (i)からの溶液を、細孔を形成する粉末と混合して、混合物を得るステップ;
(iii) (ii)からの混合物を流延して、コーティングを得るステップ;
(iv) 上記コーティングから上記溶媒を蒸発させるステップ;
(v) 上記コーティングを洗浄して、上記細孔を形成する粉末を除去するステップ;並びに
(vi) 得られた膜を乾燥させるステップ;並びに
(v) 任意選択で、ハロアルキルのハロ基のうちの1つ又は複数を、アルコキシ、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、酸性基、塩基性基、カチオン、アニオン、双性イオン、ヒドロキシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アルデヒド、アミド、カルバモイル、ウレイド、シアノ、ニトロ、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、及びイミノジコハク酸からなる群から選択される置換基で置き換えるステップ
を含む、方法を提供する。
【0033】
[0036]上記多孔質膜は、疎油性であることができ、特に、約23ダイン/cm以下、例えば、22又は21ダイン/cmのCWSTを有する疎油性の膜であることができる。上記多孔質膜は、例えば、多孔質支持体を伴わずにコポリマーの薄膜又は繊維を含む、機能的に作製されたままである膜であることも、又はコポリマーでコーティングされた多孔質支持体であることもできる。
【0034】
[0037]CWSTは、適切な方法で測定することができる。一実施形態において、その方法は、一定の組成の一組の溶液に依存する。各溶液は、特定の表面張力を有する。溶液の表面張力は、小さい非等価な増分で15〜92ダイン/cmの範囲である。膜の表面張力を測定するために、膜を白色光テーブルの上部に置き、ある特定の表面張力の溶液一滴をその多孔質膜の表面に適用し、その液滴が膜に浸透し、光が多孔質膜を透過したことの指標として明るい白色となる時間を記録する。液滴が多孔質膜に浸透するのにかかる時間が≦10秒であるとき、瞬間ぬれと考えられる。その時間が>10秒であれば、溶液は多孔質膜を部分的にぬらすと考えられる。
【0035】
[0038]本発明の一実施形態によれば、上記多孔質膜は多孔質膜であり、例えば、ナノ多孔質膜、例えば、1nm〜100nmの間の直径の細孔を有する多孔質膜、又は1μm〜10μmの間の直径の細孔を有する微孔質膜である。
【0036】
[0039]上記多孔質膜はまた、コポリマー上に1種又は複数の追加官能基を含む機能性膜であってもよい。上記多孔質膜は、例えば、荷電膜であることができる。コポリマー膜を官能化すると、CWSTを最大約50ダイン/cmにすることができる。官能基として、例えば、カチオン基、アニオン基、又は極性基が挙げられる。
【0037】
[0040]本発明の実施形態によれば、多孔質膜は、平面、平板、ひだ状、管状、らせん状、及び中空糸を含めた、種々の立体構造を有することができる。一実施形態において、上記多孔質膜は、中空糸膜である。
【0038】
[0041]本発明の実施形態による多孔質膜は、典型的には、少なくとも1つの注入口及び少なくとも1つの流出口を備え、注入口と流出口の間に少なくとも1つの流体流路を画定する筐体内に配置されており、ここでは、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターは、流体流路を横断してフィルター装置又はフィルターモジュールを形成する。一実施形態において、注入口及び第1の流出口を備え、注入口と第1の流出口の間に第1の流体流路を画定する筐体と、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターとを備え、本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが、筐体内に第1の流体流路を横断して配置される、フィルター装置が提供される。
【0039】
[0042]クロスフロー用途の場合、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターは、少なくとも1つの注入口及び少なくとも2つの流出口を備えており、注入口と第1の流出口の間に少なくとも第1の流体流路及び注入口と第2の流出口の間に第2の流体流路を画定する筐体内に配置され、ここで、本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが、第1の流体流路を横断してフィルター装置又はフィルターモジュールを形成することが好ましい。例示的実施形態において、フィルター装置は、クロスフローフィルターモジュールを備え、筐体は、注入口、濃縮液流出口を備えた第1の流出口、及び透過液流出口を備えた第2の流出口を備え、注入口と第1の流出口の間に第1の流体流路、及び注入口と第2の流出口の間に第2の流体流路を画定し、ここで、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターは、第1の流体流路を横断して配置される。
【0040】
[0043]上記フィルター装置又はモジュールは、滅菌可能であってもよい。適切な形状であり、注入口及び1つ又は複数の流出口を備える任意の筐体を用いてもよい。
【0041】
[0044]上記筐体は、処理される流体と適合性のある、任意の不浸透性の熱可塑性材料を含めた、任意の適切な剛性の不浸透性材料から製作することができる。例えば、筐体は、ステンレス鋼などの金属から、又はポリマー、例えば、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリカーボネート樹脂などの透明又は半透明のポリマーから製作することができる。
【0042】
[0045]上記多孔質膜は、機能的に作製されたままである膜(「FAM膜」)であることができ、この膜は、例えば、図1に例示する通りに、THF中でポリ(pftoms−ran−cms)に第2のポリマー、例えば、PVC−ANをブレンドし、600rpmで60分間撹拌し、次いで所望の孔径を実現する溶解可能な粒子、例えばNaHCO粒子などを溶液中に添加し、1500rpmで120分間撹拌することによって、調製することができる。次いで、この混合物をガラス板上のPET基材上に流延する。THFを室温でゆっくり蒸発させた後、膜を希HCl溶液中に一晩浸漬して粒子を除去する。得られた膜を、溶媒の沸点に応じた適切な温度で、例えば、40℃〜100℃、特に80℃で、オーブン中又は室温で、溶媒を除去するのに適切な時間、例えば60分間乾燥させる。
【0043】
[0046]適切な第2のポリマーとして、PVC−AN、HDPE、PET、PPS、PPSU(ポリフェニルスルホン)、PTFE、PVDF、PVF(ポリフッ化ビニル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、FEP(フッ化エチレン−プロピレン)、ETFE(ポリエチレンテトラフルオロエチレン)、ECTFE(ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン)、PFPE(ペルフルオロポリエーテル)、PFSA(ペルフルオロスルホン酸)、及びペルフルオロポリオキセタンが挙げられる。
【0044】
[0047]上の方法で使用することができる他の溶解可能又は除去可能な粒子として、炭酸カリウム、ゼオライト、セルロース、可溶性繊維、シリカ粒子、及びナノ粒子;例えば酸化亜鉛が挙げられる。
【0045】
[0048]上記多孔質膜は、多くの方法のうちの1つでコポリマーを含むことができる。例えば、上記多孔質膜は、上記コポリマーを含むコーティングを含んでもよい。コーティングされた膜は、例えば、膜コーティングによって作製することができ、膜コーティングは、2%のコポリマーをアセトンに溶解させ、膜をポリマー溶液に2秒間浸すことによって実施される。得られた膜をオーブン中で、適切な温度、例えば80℃で約20分間乾燥させ、この多孔質膜をIPA中に約2時間浸漬し、80℃のオーブン中で30分間乾燥させ、表面張力及び重量増加を測定する。膜の実施例のSEM顕微鏡写真を図2に表す。
【0046】
[0049]上記多孔質膜は、1種又は複数の官能基を含むように修飾することができる。機能性膜を構築する一般的スキームを図4に示す。上記多孔質膜は、荷電基で官能化することができる。例えば、一実施形態において、上記多孔質膜は、アニオン性基で官能化される。アニオン性膜の調製は、例えば、水(100g)、8M NaOH(100g)、及びDMF(200g)の混合物にEDTA(40g)を溶解させることを含む。次いで、この混合物を、ペトリ皿中で予めDMFで湿らせてある膜の上に注ぐ。膜を一晩80℃に加熱し、多量の水、次いでIPAで洗い流す。この多孔質膜を80℃で1時間乾燥させ、3%HCl中に2時間浸漬し、水及びIPAで洗い流し、次いで80℃で45分間再び乾燥させる。膜の表面張力は、45〜50ダイン/cmの範囲である。この方法で得られた膜は、イソプロピルアルコールから大半の微量金属の99%を除去する。
【0047】
[0050]フッ化鎖は、疎油性を上記多孔質膜に付与するために、上記ポリマーの少なくとも35体積%存在しなければならない。
【0048】
[0051]加えて、上記ランダムコポリマー中のペルフルオロ−スチレンブロックの体積比は、ポリマーが非フッ化溶媒に可溶性であるように、50%より多くてはいけない。
【0049】
[0052]別の実施形態において、多孔質膜はカチオン性基で官能化され、その多孔質膜は、例えば、水50(mL)中33%のトリエチルアミンをIPA(50mL)と混合し、その混合物に多孔質膜、例えばPTFEを室温で一晩浸すことによって調製することができる。その後、膜を水で洗い流し、IPA中で一晩浸漬する。膜を80℃で30分間乾燥させ、表面張力を測定する。CWSTは、38ダイン/cmであった。
【0050】
[0053]本発明は以下の実施形態を含むが、これらに限定されない:
1) セグメントA及びセグメントAを含むランダムコポリマーであって、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンである、ランダムコポリマー;
2) セグメントA及びセグメントBを含むブロックコポリマーであって、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンである、ブロックコポリマー;
3) 官能化可能なランダムコポリマー及び官能基であって、上記ランダムコポリマーがセグメントA、セグメントAを含み、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記官能基が、親水性、疎水性、正電荷、又は負電荷の官能基を含む、官能化可能なランダムコポリマー及び官能基;
4) 官能化可能なブロックコポリマー及び官能基であって、上記ブロックコポリマーがセグメントA、セグメントBを含み、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記官能基が、親水性、疎水性、正電荷、又は負電荷の官能基を含む、官能化可能なブロックコポリマー及び官能基;
5) 親水性、疎水性、又は荷電膜と、セグメントA及びセグメントBを含むランダムコポリマーを含むコーティングとを含む多孔質膜であって、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記コポリマーでコーティングされているとき、上記多孔質膜が、23ダイン/cm以下の表面張力を有する疎油性の膜である、多孔質膜;
6) 親水性、疎水性、又は荷電膜と、ランダムコポリマー及び官能基を含むコーティングとを含む機能性膜であって、上記ランダムコポリマーが、セグメントA、セグメントB、及び官能基を含み、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記官能基が荷電基又は親水基であり、コーティングされているとき、上記多孔質膜が、23ダイン/cm以下の表面張力を有する、機能性膜;
7) 親水性、疎水性、又は荷電膜と、セグメントA及びセグメントBを含むブロックコポリマーを含むコーティングとを含む多孔質膜であって、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記コポリマーでコーティングされているとき、上記多孔質膜が、23ダイン/cm以下の表面張力を有する疎油性の膜である、多孔質膜;
8) 親水性、疎水性、又は荷電膜と、ランダムコポリマー及び官能基を含むコーティングとを含む荷電膜であって、上記ランダムコポリマーが、セグメントA及びセグメントBを含み、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記官能基が、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、又はイミノジコハク酸を含み、上記コポリマーでコーティングされているとき、上記多孔質膜が、微量の金属イオンをマイクロエレクトロニクスの流体及び水から除去するために使用することができる最大50ダイン/cmの表面張力を有する、荷電膜;
9) 第1のポリマーと、セグメントA及びセグメントBを含むランダムコポリマーとのブレンドを含む、疎油性の、機能的に作製されたままである膜であって、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンであり、上記多孔質膜が、23ダイン/cm以下の表面張力を有する、機能的に作製されたままである膜;
10) 23ダイン以下の表面張力を有する疎油性の中空糸膜であって、上記多孔質膜が、上記多孔質膜用のポリマー(例えば、PES、PTFE、PVDF PVC/AN、PP、PE、HDPE、PET、PPS、及びPPSUなど)と、セグメントA及びセグメントBを含むランダム又はブロックコポリマーとを含み、セグメントAが、ポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレン又はポリ[p/m−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)オキシ]メチル]−スチレンであり、セグメントBが、クロロメチルスチレンである、中空糸膜。
【0051】
[0054]本発明の実施形態による多孔質膜は、例えば、診断用途(例えば、試料調製及び/又は診断用ラテラルフロー装置を含む)、インクジェット用途、リソグラフィー、例えば、HD/UHMW PEベースの媒体の代用品として、製薬産業用の流体のろ過、金属除去、超純水の生成、工業用水及び地表水の処理、医療用途用の流体のろ過(家庭用及び/又は患者用の使用を含む、例えば、静脈注射用途、また、例えば、血液などの体液のろ過を含む(例えば、ウイルス除去))、エレクトロニクス産業用の流体のろ過(例えば、マイクロエレクトロニクス産業におけるフォトレジスト流体及び高温SPMのろ過)、飲食産業用の流体のろ過、ビールのろ過、浄化、抗体及び/又はタンパク質を含有する流体のろ過、核酸を含有する流体のろ過、細胞検出(インサイチュを含む)、細胞採取、及び/又は細胞培養流体のろ過を含めた、種々の用途に使用することができる。代替的に、又は追加的に、本発明の実施形態による多孔質膜は、空気及び/若しくはガスをろ過するために使用することができ、並びに/又は通気用途用(例えば、空気及び/又はガスはその膜を通過させるが、液体は通過させない)に使用することができる。本発明の実施形態による多孔質膜は、手術用装置を含めた種々の装置及び製品、例えば眼科手術用品などに使用することができる。
【0052】
[0055]本発明は、流体をろ過する方法であって、上述の多孔質膜に流体を通過させるステップを含む、方法をさらに提供する。例えば、微量金属不純物は、次世代半導体及びマイクロエレクトロニクス材料の製造に問題を引き起こし続けている。本発明の一実施形態は、金属を含有する流体を、上記コポリマーを含む多孔質膜に通し、金属を流体から除去することによって、流体、特にマイクロエレクトロニクスの流体から金属を除去する、方法を含む。一実施形態において、本発明の方法は、金属を含有する流体を、上記コポリマー及び官能基を含む機能性多孔質膜に通し、金属を流体から除去するステップを含む。上記機能性膜は、大半の微量金属の約99%を流体から除去することができる。
【0053】
[0056]微量金属の例として、Li、Na、K(及び他の第1族金属);Mg、Ca(及び他の第2族金属);Al(及び他の第3族金属)、Pb(及び他の第4族金属)、Sb、Bi(及び他の第5族金属)、及びCd、Cr、Mo、Pd、Ag、W、V、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn(及び他の遷移金属)が挙げられる。
【0054】
[0057]上記コポリマーが、疎油性の性質を、例えば多孔質膜などの材料に付与して、後処理の必要なく材料に23ダイン以下の表面張力をもたらすことができることは、有利である。上記コポリマーを含む多孔質膜は、酸、塩基、有機溶媒、酸化剤中で安定であり、高温で安定であり、且つガンマ線照射に対して安定である。多孔質膜において高い水漏出圧及び空気流量を実現することができ、多孔質膜は、例えば、カチオン性及びアニオン性基などで容易に官能化することができる。
【0055】
[0058]上記多孔質膜は、多くの用途における水及び有機流体から、例えば、マイクロエレクトロニクス産業におけるものなどから微量金属を除去して、例えば、ろ液が0.005ppbの濃度を有するように、又は機器の検出限界に下がるようにするために使用することができる。一実施形態において、処理しようとする流体は1ppb以上の微量金属を含有し、ろ液は0.005ppbの微量金属濃度を有する。
【0056】
[0059]以下の実施例は本発明をさらに例示するが、当然のことながら、決して本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0057】
実施例1
[0060]この実施例は、本発明の一実施形態による、p−[[(ペルフルオロヘキシルエチレン)チオ]メチル]−スチレンとクロロメチルスチレンとのランダムコポリマー、すなわちポリ(pfotms−ran−cms)の調製を例示する。
【0058】
[0061]250mLのオーブン乾燥された丸底フラスコ中で、ペルフルオロヘキシルエチルチオメチルスチレン(60.3g、121.6mmol)、4−クロロメチルスチレン(26g、171mmol、1.4当量)、トルエン(20mL)、及びAIBN(838mg、5mmol、3mol%)を混合した。反応混合物を、窒素ガスを用いて0℃で45分間脱気し、60℃で14時間撹拌し、その後反応混合物を冷却し、30mLのアセトンを添加した。コポリマー生成物をメタノール(1L)中で沈殿させ、2時間混合した。溶媒をデカントし、沈殿物をアセトン(200mL)に再溶解させた。アセトン中の生成物を新たなメタノール(2L)中で再沈殿させ、ろ過し、メタノール(500mL)で洗浄し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。得られたコポリマーは、58gの重量であった。H NMRスペクトルから、コポリマーの構造が確認された。
【0059】
[0062]p−[[(ペルフルオロオチルエチレン)チオ]メチル]−スチレンとクロロメチルスチレンとのランダムコポリマー、((ポリ(pfdtms−ran−cms))も、同じ手順を使用して合成した。
【0060】
実施例2
[0063]この実施例は、本発明の一実施形態による、ポリ(pfotms−ran−cms)からの膜の調製を例示する。
【0061】
[0064]ランダムコポリマーをアセトンに溶解させ、多孔質支持体上に流延した。よって、アセトン中2%のコポリマー溶液を調製し、PTFE又はPESのいずれかの多孔質支持体をこのコポリマー溶液に2秒間浸した。得られたコーティングされた支持体を80℃のオーブン中で20分間乾燥させ、IPA中に2時間浸漬し、80℃のオーブン中で30分間乾燥させ、表面張力及び重量増加を測定した。得られた重量増加及び表面張力の結果を表1〜2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
実施例3
[0065]この実施例は、本発明の一実施形態による、ペルフルオロヘキシルエチルチオールとクロロメチルスチレンとのブロックコポリマー、すなわちポリ(pfotms−b−cms)の調製を例示する。
【0065】
[0066]ポリ(pfotms−block−cms)は、クロロメチルスチレンと、次いで40時間後に添加するペルフルオロヘキシエチルチオメチルスチレンとの逐次重合によって合成した。クロロメチルスチレン(14.5ml、100mmol、6.5mLクロロベンゼン中)、再結晶させた過酸化ベンジル(BPO)(0.242g、1mmol)及びTEMPO(0.2g、1.3mmol)の溶液を、丸底フラスコに装入した。氷水浴中で20分間脱気した後、反応混合物を95℃で3時間加熱して、BPOを完全に分解し、125℃で40時間、重合を進行させた。反応混合物を室温まで冷却し、3mLのクロロベンゼンで希釈し、pfotms(31.18g、62.9mmol、6mLクロロベンゼン中)を添加した。混合物を前述の通りに脱気した。反応を130℃で24時間行った。クロロホルム(100mL)で希釈し、メタノールから沈殿させ、乾燥させた後に、モノマーから収率88%でブロックコポリマーが得られた。NMRの結果から、cms/pfotmsの比率が1/0.62であることが示された。DSCの結果から、ブロックコポリマーには2つのTg(53℃及び79℃)があることが示された。ブロックコポリマーのH NMRスペクトルによって、コポリマーの構造を確認した。表3に、ブロックコポリマーの性質のうち幾つか、例えばTgを示す。
【0066】
[0067]p−[[(ペルフルオロオチルエチレン)チオ]メチル]−スチレンとクロロメチルスチレンとのブロックコポリマー、ポリ(pfdtms−b−cms)も、同じ手順を使用して合成した。
【0067】
【表3】
【0068】
実施例4
[0068]この実施例は、本発明の一実施形態によって、コポリマーから多孔質膜を調製する方法を例示する。
【0069】
[0069]p−[[(ペルフルオロオクチルエチレン)チオ]メチル]−スチレン及びクロロメチルスチレン(ポリ(pfdtms−ran−cms))、並びにポリ塩化ビニル/アクリロニトリル(PVC−AN)を、以下のようにブレンドした。ポリ(pfdtms−ran−cms)及びPVC−ANをTHF中で混合し、600rpmで6分間撹拌する。この溶液に1.79μmの平均粒径を有するNaHCO粒子を添加し、1500rpmで120分間撹拌した。次いで、このポリマーブレンドを、PEG 400でコーティングしたガラス板上に流延した。代替的に、このポリマーブレンドを、ガラス板上に装着したPET基材上に流延した。THFを室温でゆっくり蒸発させた後、得られた膜を希HCl溶液中に一晩浸漬し、腐食させて粒子を除去し、80℃のオーブンで60分間乾燥させた。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
[0070]得られた膜を、EDTA、イミノジコハク酸(IDSA)、トリエチルアミン(TEA)、又はイミノ二酢酸(IDA)で処理することによって電荷修飾した。表6は、IDA、EDTA、及びTEAで修飾された多孔質膜の電荷密度値を示す。
【0073】
【表6】
【0074】
実施例5
[0071]この実施例は、実施例4のEDTA又はIDA修飾膜を使用して、マイクロエレクトロニクスの流体、特に水及びイソプロパノールから微量金属イオンを除去する方法を例示する。
【0075】
[0072]本発明の一実施形態による多孔質膜の金属イオン除去効率は、数種の1ppbの金属を入れたイソプロパノールを修飾膜を通してろ過することによって検査する。検査する前に、全ての検査機器を3%HCl中に24時間浸漬し、脱イオン水(DIW)中で流す。3枚の47mmの円板を3枚の異なる平板媒体の試料から切り出す。各円板を、検証するために筐体内に設置する。各試料に、100mLのIPA、次に100mLの5%HCl、最後に200mLのDIWを順次流す。20mLのIPAを多孔質膜を通して流し、最後の10mLを媒体の空試験として収集する。各試料を、1ppbの金属を入れたIPAで検証する。流出液流量を7mL/分に設定する。最初の10mLの流出液を廃棄する。次の10mLの流出液を収集してPFAボトルに入れる。流入液及び全ての流出液試料を収集してICP−MS分析を行う。図5に、ろ液中の金属の濃度を示す。本発明の膜の金属除去率は、一般的な膜の金属除去率より優れている。
【0076】
[0073]本明細書に引用される公報、特許出願、及び特許を含めた全ての参考文献は、各参考文献が参照によって組み込まれ、その全体が本明細書に記されると個々に具体的に示された場合と同程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0077】
[0074]本発明を説明する文脈における(特に添付の特許請求の範囲の文脈における)、「ある(a)」及び「ある(an)」及び「その(the)」及び「少なくとも1つの」という用語、並びに同様の指示語の使用は、本明細書に特に示さない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。1つ又は複数の項目の列挙に続く「少なくとも1つの」という用語の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つの」)は、本明細書に特に示さない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(A又はB)から選択される1つの項目、又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」、及び「含有する」という用語は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に特に示さない限り、その範囲内の各々の別個の値を個々に言及する略記法としての役割を果たすことを単に意図しており、各々の別個の値は、あたかも本明細書に個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特に示さない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に示されるいずれか及び全ての例、又は例を示す言葉(例えば、「など」)の使用は、本発明をより良く明らかにすることを意図するに過ぎず、特に主張しない限り、本発明の範囲に制限を課すことを意図するものではない。本明細書におけるいかなる言葉も、特許請求されない任意の要素が本発明の実施に必須として示されると解釈されるべきではない。
【0078】
[0075]本明細書には、本発明者らが知る本発明を行うための最良の形態を含めた本発明の好ましい実施形態が記載されている。当業者であれば、前述の説明を読めば、これらの好ましい実施形態の変形は明白となり得る。本発明者らは、当業者がかかる変形を適宜用いることを予想しており、また本発明が本明細書に具体的に記載された方法以外で実施されることを意図している。したがって、本発明は、準拠法によって許可されるように、添付の特許請求の範囲に記述される主題を改変したもの及び等価なものを全て含む。さらにまた、上述の要素の、可能な全ての変形での任意の組み合わせが、本明細書に特に示さない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
【外国語明細書】
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