【課題】担当者が、納入しようとしている商品が最新のものであるか否かを、容易にかつ正確に判断することができる出荷情報管理装置、出荷情報管理方法および出荷情報管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態においては、警告表示部が、得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報、ロット識別情報および有効期限情報を含む商品情報を含む過去出荷情報を参照して、ユーザにより入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報およびロット識別情報と同じものを含む商品情報を特定し、ユーザにより入力された有効期限情報が、当該特定した商品情報に含まれる有効期限情報より古い場合に警告を表示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る出荷情報管理装置、出荷情報管理方法および出荷情報管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
医薬品業界や食品業界等の分野において、メーカーが製造した試薬や食品等の商品を得意先に納入する際に、存在する在庫から引当を無条件に行うと、前回取引時より古いロット番号を有する商品が引当されてしまう可能性がある。しかしながら、得意先からは、最新のロット番号を有する商品が欲しいという要望が多々あるため、メーカーの担当者は、従来、引当しようとしている商品のロット番号が最新のものであるか否かを引当時に逐一確認していたが、この確認作業には大変な労力を要していた。
【0015】
そこで、本実施形態においては、得意先に納入した商品の最終出荷ロット番号を記憶(保持)しておくことにより、引当時に、前記最終出荷ロット番号より古いロット番号を有する商品を引当の対象外とすることができ、結果として、前記確認作業の労力を省くことができ、また、得意先に対して最終出荷ロット番号を有する商品の出荷を正確にかつ安定して行うことができる出荷情報管理装置、出荷情報管理方法および出荷情報管理プログラムを提供している。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0016】
[2.構成]
本実施形態に係る出荷情報管理装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、出荷情報管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
出荷情報管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、出荷情報管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0018】
出荷情報管理装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。出荷情報管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、出荷情報管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、出荷情報管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、過去出荷情報しての前回出荷ロット情報106aおよび在庫情報106bを備えている。なお、在庫情報106bは、任意の構成要素であり、出荷情報管理装置100に含まれていても含まれていなくてもよいが、以下の[3.処理の具体例]にて説明する引当処理を行う際に必要な情報であるため、含まれることが好ましい。
【0023】
前記過去出荷情報は、商品の過去の出荷に関する情報を管理するための情報テーブルであり、具体的には、過去に出荷した各商品に関して、得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報、ロット識別情報、有効期限情報等の項目を含む。これらのうち、得意先は、商品の取引を行う相手先のことである。また、納入先は、商品を納入する相手先のことである。得意先と納入先とは、同じ相手であってもよいし、異なる相手であってもよい。
【0024】
前記得意先識別情報、前記納入先識別情報、前記商品識別情報、前記ロット識別情報および前記有効期限情報は、各商品を識別するための情報である。このため、これらの情報の表記は、各商品を識別するという目的を達成可能な表記であればいかなる表記であってもよく、具体的には、アルファベットや数字の羅列のような識別コードであってもよいし、または、実際の得意先企業名、納入先企業名、商品名、ロット番号および有効期限年月日であってもよい。なお、前記有効期限年月日の表記については、年のみの表記としてもよいし、年月までの表記としてもよいし、年月日までの表記としてもよいし、年月日に加えて時間まで表記してもよい。
【0025】
前記在庫情報は、商品の在庫に関する情報を管理するための情報テーブルであり、具体的には、各在庫に関して、ロット識別情報および引当可能数等の項目を含む。引当可能数は、商品を引当することができる残り数量のことであり、以下の[3.処理の具体例]にて説明するとおり、この数量を上回る商品数を受注すると、引当することはできない。また、前記在庫情報は、前記項目に加えて、例えば、商品識別情報、有効期限情報等の項目を含んでいてもよい。前記在庫情報におけるロット識別情報、商品識別情報および有効期限情報の具体的な内容は、前述の過去出荷情報におけるロット識別情報、商品識別情報および有効期限情報の記載を援用できる。
【0026】
制御部102は、出荷情報管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、(1)前記過去出荷情報を参照して、入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報およびロット識別情報と同じものを含む商品情報を特定し、入力された有効期限情報が、当該特定した商品情報に含まれる有効期限情報より古い場合に警告を表示する警告表示手段としての警告表示部102aと、(2)前記過去出荷情報を参照して、入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含む商品情報を特定し、更に、特定する商品情報が、前記過去出荷情報中に存在しない場合、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報に加え、入力されたロット識別情報および有効期限情報を含む新たな商品情報を、前記過去出荷情報に追加し、入力されたロット識別情報および有効期限情報のうち少なくとも一方が、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報および有効期限情報のうち少なくとも一方と比較して新しい場合には、前記入力されたロット識別情報および有効期限情報を、当該特定した商品情報に含まれる情報として、前記過去出荷情報に追加し、入力されたロット識別情報および有効期限情報が、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報および有効期限情報と比較して同じまたは古い場合には、前記過去出荷情報に何の変更も加えない、過去出荷情報更新手段としての過去出荷情報更新部102bと、(3)前記過去出荷情報を参照して、入力された受注情報に含まれる得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含む商品情報を特定し、更に、前記在庫情報を参照して、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報と同じものを含む各在庫情報を特定し、当該入力された受注情報に含まれる商品数が、当該特定した各在庫情報に含まれる引当可能数以下である場合、引当処理を行う引当手段としての引当部102cとを備えている。なお、過去出荷情報更新部102bおよび引当部102cは、任意の構成要素であり、出荷情報管理装置100に含まれていても含まれていなくてもよいが、以下の[3.処理の具体例]にて説明する理由により、含まれることが好ましい。また、警告表示部102a、過去出荷情報更新部102bおよび引当部102cが実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0027】
なお、入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報、ロット識別情報および有効期限情報は、ユーザ(例えば、メーカーにおける商品の納入担当者等)が、納入しようとしている商品について入力する情報である。これらの各項目の具体的な内容は、前述の過去出荷情報の記載を援用できる。
【0028】
[3.処理の具体例]
本実施形態に係る処理の具体例について、
図2から
図4を参照して詳細に説明する。
図2は、警告表示の一例を示す図である。
図3は、過去出荷情報の更新の一例を示す図である。
図4は、引当処理の一例を示す図である。
【0029】
[3−1.警告表示]
まず、警告表示部102aが行う警告表示を、
図2を用いて詳細に説明する。本項目においては、最初に、ロット番号LOTO103の商品について警告が表示される場面を説明し、つぎに、ロット番号LOTO102の商品について警告が表示されない場面を説明する。
【0030】
最初に、警告が表示される場面を説明する。まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図2の「下記条件で売上・受注入力を実施した場合、」という文の下にある受注入力画面に示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0001が入力される。また、
図2には示してないが、コンピュータ内には商品名の情報として、Shouhin_01が事前に入力されている。そして、
図2の「前回出荷ロットより古い場合、警告。」という文の下にある受注入力画面に示すように、ロット番号として、LOTO103が、有効期限として、2015/09/30が入力される。
【0031】
続いて、警告表示部102aは、過去出荷情報としての
図2の前回出荷ロットのテーブルを参照して、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報およびロット識別情報(A0100、N0001、Shouhin_01およびLOTO103)と同じものを含む商品情報を比較対象として特定する。ここで、
図2の前回出荷ロットのテーブルを参照すると、上から1つ目の商品情報は、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報およびロット識別情報と同じものを含むため、比較対象として特定される。
【0032】
そして、警告表示部102aは、入力された有効期限情報(2015/09/30)が、前記比較対象として特定した商品情報に含まれる有効期限情報(2015/10/31)より古いため、
図2の「前回出荷ロットより古い場合、警告。」という文の下にある受注入力画面の下に「警告!!」の文字を表示する。
【0033】
つぎに、警告が表示されない場面を説明する。まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図2の「下記条件で売上・受注入力を実施した場合、」という文の下にある受注入力画面に、得意先として、A0100が、納入先として、N0002(
図2では、N0001となっているが、ユーザにより、N0002へと変更される)が入力される。また、
図2には示してないが、コンピュータ内には商品名の情報として、Shouhin_01が事前に入力されている。そして、
図2の「前回出荷ロットより古くない場合、警告なし」という文の下にある受注入力画面に示すように、ロット番号として、LOTO102が、有効期限として、2015/09/30が入力される。
【0034】
続いて、警告表示部102aは、過去出荷情報としての
図2の前回出荷ロットのテーブルを参照して、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報およびロット識別情報(A0100、N0002、Shouhin_01およびLOTO102)と同じものを含む商品情報を比較対象として特定する。ここで、
図2の前回出荷ロットのテーブルを参照すると、上から2つ目の商品情報は、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報、商品識別情報およびロット識別情報と同じものを含むため、比較対象として特定される。
【0035】
そして、警告表示部102aは、入力された有効期限情報(2015/09/30)が、前記比較対象として特定した商品情報に含まれる有効期限情報(2015/09/30)より古くない(同じ日付である)ため、
図2の「前回出荷ロットより古くない場合、警告なし」における受注入力画面に示すように、警告を表示しない。
【0036】
このように、本実施形態に係る出荷情報管理装置100によれば、商品の納入担当者が、前回取引時より古い商品の情報を入力した場合に、システム上の処理により警告を表示することができるため、担当者は、納入しようとしている商品が最新のものであるか否かを、容易にかつ正確に判断することができる。
【0037】
[3−2.過去出荷情報更新]
つぎに、過去出荷情報更新部102bが行う過去出荷情報の更新を、
図3を用いて詳細に説明する。
【0038】
前記過去出荷情報の更新とは、以下の3つの処理のうち、少なくとも1つの処理が行われることを意味する。1つ目の処理は、前記過去出荷情報を参照して、入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含む商品情報を特定できない場合(すなわち、特定する商品情報が、前記過去出荷情報中に存在しない場合)、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報に加え、入力されたロット識別情報および有効期限情報を含む新たな商品情報を、前記過去出荷情報に追加する処理(全情報追加処理)である。2つ目の処理は、前記過去出荷情報を参照して、入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含む商品情報を特定し、更に、入力されたロット識別情報および有効期限情報のうち少なくとも一方が、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報および有効期限情報のうち少なくとも一方と比較して新しい場合には、前記入力されたロット識別情報および有効期限情報を、当該特定した商品情報に含まれる情報として、前記過去出荷情報に追加する処理(一部情報追加処理)である。3つ目の処理は、前記過去出荷情報を参照して、入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含む商品情報を特定し、更に、入力されたロット識別情報および有効期限情報が、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報および有効期限情報と比較して同じまたは古い場合には、前記過去出荷情報に何の変更も加えない処理(無変更処理)である。前述のように、前記過去出荷情報の更新とは、前述の3つの処理のうち、少なくとも1つの処理が行われることを意味するため、前記過去出荷情報の更新として、前記3つの処理のうち1つの処理のみ行われてもよいし、2つの処理のみ行われてもよいし、前記3つの処理すべてが行われてもよいが、以下においては、前記全情報追加処理、前記一部情報追加処理、前記無変更処理の3つの処理すべてが行われ、過去出荷情報が更新される場合について、この順で説明する。
【0039】
(全情報追加処理)
最初に、全情報追加処理について説明する。
【0040】
まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図3の左下の出荷情報テーブルの上から2つ目の商品情報(伝票No.102)に示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0002が、商品名として、Shouhin_01が、ロット番号として、LOTO102が、有効期限として、2015/09/30が入力される。
【0041】
続いて、過去出荷情報更新部102bは、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルを参照して、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報(A0100、N0002およびShouhin_01)と同じものを含む商品情報を比較対象として特定する。ここで、
図3の右上の前回出荷ロットテーブル中のいずれの商品も、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含まないため、特定する商品情報が過去出荷情報中に存在しない。
【0042】
この場合、過去出荷情報更新部102bは、前記入力された得意先識別情報(A0100)、納入先識別情報(N0002)および商品識別情報(Shouhin_01)に加え、前記入力されたロット識別情報(LOTO102)および有効期限情報(2015/09/30)を含む新たな商品情報、すなわち、納入商品の商品情報の全情報を、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルに追加する。追加された商品情報は、
図3の右下の更新後の前回出荷ロットテーブルにおける、上から2つ目の商品情報である。
【0043】
(一部情報追加処理)
つぎに、一部情報追加処理について説明する。
【0044】
まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図3の左下の出荷情報テーブルの上から1つ目の商品情報(伝票No.101)に示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0001が、商品名として、Shouhin_01が、ロット番号として、LOTO103が、有効期限として、2015/10/31が入力される。
【0045】
続いて、過去出荷情報更新部102bは、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルを参照して、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報(A0100、N0001およびShouhin_01)と同じものを含む商品情報を比較対象として特定する。ここで、
図3の右上の前回出荷ロットテーブルを参照すると、上から1つ目の商品情報は、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含むため、比較対象として特定される。
【0046】
入力されたロット識別情報(LOTO103)および有効期限情報(2015/10/31)は、いずれも、前記比較対象として特定した商品情報に含まれるロット識別情報(LOTO102)および有効期限情報(2015/09/30)と比較して新しい。
【0047】
この場合、過去出荷情報更新部102bは、前記入力されたロット識別情報(LOTO103)および有効期限情報(2015/10/31)を、すなわち、納入商品の商品情報の一部を、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルに追加する。追加されたロット識別情報および有効期限情報は、
図3の右下の更新後の前回出荷ロットテーブルにおける、上から1つ目の商品情報の前回ロット(LOTO103)および前回有効期限(2015/10/31)の項目である。
【0048】
なお、この一部情報追加処理に伴い、比較対象として特定した
図3の右上の前回出荷ロットテーブルの上から1つ目の商品情報に含まれるロット識別情報(LOTO102)および有効期限情報(2015/09/30)は、古い情報となるが、一部情報追加処理の際に消去せずに、
図3の右下の更新後の前回出荷ロットテーブルの上から1つ目の商品情報の前々回ロットおよび前々回有効期限の項目に移動して格納してもよい。これにより、商品の担当者等は、過去出荷情報を参照して、ある商品に関する最新のロット識別情報および有効期限情報を知るだけではなく、1つ古いロット識別情報および有効期限情報も知ることができる。このため、例えば、得意先から1つ古いロット番号または有効期限を有する商品の納入を希望された場合に、担当者は、迅速かつ確実に対処することが可能となる。
【0049】
また、本例においては、入力されたロット識別情報および有効期限情報のいずれもが、過去出荷情報において特定した商品情報におけるロット識別情報および有効期限情報と比較して新しい場合について説明したが、以下の場合にも、一部情報追加処理をしてもよい。すなわち、入力された有効期限情報は、前記過去出荷情報を参照して特定した商品情報に含まれる有効期限情報と同じであるが、入力されたロット識別情報は、前記特定した商品情報に含まれるロット識別情報よりも新しい場合である。これにより、例えば、同日に製造された商品であるため有効期限は同じだが、製造時間や製造ラインが異なるため、ロット番号が新しい商品と古い商品とが存在する場合においても、最新の商品(ロット番号が新しい商品)の商品情報を前記過去出荷情報に追加することが可能となる。
【0050】
(無変更処理)
最後に、無変更処理について説明する。
【0051】
まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図3の左下の出荷情報テーブルの上から3つ目の商品情報(伝票No.103)に示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0001が、商品名として、Shouhin_02が、ロット番号として、LOTO200が、有効期限として、2016/2/1が入力される。
【0052】
続いて、過去出荷情報更新部102bは、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルを参照し、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報(A0100、N0001およびShouhin_02)と同じものを含む商品情報を比較対象として特定する。ここで、
図3の右上の前回出荷ロットテーブルを参照すると、上から2つ目の商品情報は、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含むため、比較対象として特定される。
【0053】
入力されたロット識別情報(LOTO200)および有効期限情報(2016/2/1)は、いずれも、前記比較対象として特定した商品情報に含まれるロット識別情報(LOTO201)および有効期限情報(2016/4/1)と比較して古い。
【0054】
この場合、過去出荷情報更新部102bは、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルに何の変更も加えない。
【0055】
なお、本例においては、入力されたロット識別情報および有効期限情報が、過去出荷情報において特定した商品情報におけるロット識別情報および有効期限情報と比較して古い場合について説明したが、入力されたロット識別情報および有効期限情報が、過去出荷情報において特定した商品情報におけるロット識別情報および有効期限情報と比較して同じ場合においても、過去出荷情報に何の変更も加えないとしてもよい。
【0056】
(過去出荷情報の更新)
以上のように、本例においては、全情報追加処理、一部情報追加処理および無変更処理の3つの処理すべてが行われて、過去出荷情報としての
図3の右上の前回出荷ロットテーブルが、新たな過去出荷情報としての
図3の右下の前回出荷ロットテーブルへと更新される。
【0057】
このように、本実施形態に係る出荷情報管理装置100は、過去出荷情報更新部102bを含めば、最新の取引における情報を、過去出荷情報に自動的に反映することが可能となる。これにより、例えば、最新の取引における情報を過去出荷情報に反映するのを担当者が失念する等のミスがなくなり、得意先に対し、より効率よく、かつ、より確実に最新の商品を納入することができる。
【0058】
[3−3.引当]
最後に、引当部102cが行う引当を、
図4を用いて詳細に説明する。本項目においては、最初に、引当が行われる場面を説明し、つぎに、引当が行われない場面を説明し、最後に、分割による引当が行われる場面について説明する。
【0059】
最初に、引当が行われる場面を説明する。まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図4の伝票NO.J101の受注情報テーブルに示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0001が、商品名として、Shouhin_01が、商品数(数量)として、80が入力される。
【0060】
続いて、引当部102cは、過去出荷情報としての
図4の前回出荷ロットテーブルを参照し、前記入力された受注情報に含まれる得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報(A0100、N0001およびShouhin_01)と同じものを含む商品情報を特定する。ここで、
図4の前回出荷ロットテーブルを参照すると、上から1つ目の商品情報は、前記入力された得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報と同じものを含むため、これが特定される商品情報となる。
【0061】
そして、引当部106cは、前記在庫情報を参照して、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報(LOTO103)と同じものを含む各在庫情報を特定する。ここで、
図4の在庫情報を参照すると、上から3つ目の在庫は、当該特定した商品情報に含まれるロット識別情報(LOTO103)と同じロット識別情報(LOTO103)を含むため、これが特定される各在庫情報となる。
【0062】
さらに、引当部102cは、入力された受注情報に含まれる商品数(80)が、当該特定した各在庫情報に含まれる引当可能数(100)以下であるため、引当処理を行う。引当処理が行われると、
図4の伝票NO.J101の受注情報テーブルから、矢印の右側に示すように、このテーブルの右列に、引当した在庫のロット番号(引当ロット)および引当した商品数(数量)の項目を追加したテーブル作成される。
【0063】
なお、
図4の伝票NO.J103の受注情報テーブルに示す場面についても、これと同様の方法により引当をすることができる。すなわち、
図4の左側の上から3番目の受注情報テーブルにおいて入力された商品数(150)が、当該特定した各在庫情報(
図4の在庫情報における上から2つ目の在庫、LOTO102)に含まれる引当可能数(200)以下であるため、引当処理を行うことができる。
【0064】
つぎに、引当が行われない場面を説明する。まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図4の伝票NO.J102の受注情報テーブルに示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0001が、商品名として、Shouhin_01が、商品数(数量)として、150が入力される。
【0065】
入力された受注情報に含まれる得意先識別情報、納入先識別情報および商品識別情報(A0100、N0001およびShouhin_01)は、前述の引当が行われる場面におけるものと同様なので、
図4の在庫情報の上から3つ目の在庫(LOTO103)が、特定される各在庫情報となる。
【0066】
引当部102cは、入力された受注情報に含まれる商品数(150)が、当該特定した各在庫情報に含まれる引当可能数(100)を上回るため、引当を行うことができない(引当不可)。
【0067】
最後に、分割による引当が行われる場面について説明する。まず、メーカーにおける商品の納入担当者等により、
図4の伝票NO.J104の受注情報テーブルに示すように、得意先として、A0100が、納入先として、N0002が、商品名として、Shouhin_01が、商品数(数量)として、300が入力される。
【0068】
前述の引当が行われる場面と同様の方法により、
図4の前回出荷ロットテーブルの上から2つ目の商品情報が特定される商品情報となり、
図4の在庫情報の上から2つ目の在庫(LOTO102)が、特定される各在庫情報となる。
【0069】
引当部102cは、入力された受注情報に含まれる商品数(300)が、当該特定した各在庫情報に含まれる引当可能数(200)を上回るため、引当を行うことができない。しかしながら、前記在庫情報には、当該特定した各在庫情報(LOTO102)よりも、新しい各在庫情報(LOTO103)が存在する。このように、特定した各在庫情報よりも新しい各在庫情報が存在し、かつ、「入力された受注情報に含まれる商品数(300)≦当該特定した各在庫情報(LOTO102)における引当可能数(200)+それより新しい各在庫情報(LOTO103)における引当可能数(100)」となる場合、引当部102cは、分割して引当を行う、すなわち、LOTO102の在庫およびLOTO103の在庫の両方から、引当を行うことができる。引当処理が行われると、
図4の伝票NO.J104の受注情報テーブルから、矢印の右側に示すように、このテーブルの右側に、引当した在庫のロット番号(引当ロット)および引当した商品数(数量)の項目を追加したテーブル作成される。
【0070】
このように、本実施形態に係る出荷情報管理装置100は、引当部102cを含めば、在庫情報に基づいて、最終出荷ロットからの引当が可能かを自動的に判断し、可能である場合には自動的に引当処理を行うことができるため、担当者が引当処理にかける労力や時間を軽減し、また、引当処理の際に発生する人為的ミスをなくすことができる。
【0071】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0072】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0073】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、出荷情報管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0075】
例えば、出荷情報管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて出荷情報管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0076】
また、このコンピュータプログラムは、出荷情報管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0078】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0079】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0080】
また、出荷情報管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、出荷情報管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0081】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。