(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-78843(P2018-78843A)
(43)【公開日】2018年5月24日
(54)【発明の名称】浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキ
(51)【国際特許分類】
A01K 93/00 20060101AFI20180420BHJP
【FI】
A01K93/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-224074(P2016-224074)
(22)【出願日】2016年11月17日
(71)【出願人】
【識別番号】515337154
【氏名又は名称】ウ,ドンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ドンヒョン
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307HA04
2B307HA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】釣りの環境に応じて棒ウキの形態を多様に可変させて安定的に釣り仕掛けを運用することを可能とする、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを提供する。
【解決手段】本発明の浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキは、一端部には係止部220が設けられ、他端部には釣糸の挿通する輪部240が設けられる一字型の棒部200と、前記棒部200を隙間を空けて収容する貫通孔が設けられて前記棒部200の長さ方向に沿って移動し、海水に対して一定の比重を有する浮力胴体部400と、前記浮力胴体部400の一端部に結合されて前記浮力胴体部400を前記棒部200の一定の位置に固定させる第1胴体固定部600とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って移動し或いは釣糸の一定の位置に固定されるように結束される釣り用棒ウキであって、
一端部には係止部が設けられ、他端部には釣糸の挿通する輪部が設けられる一字型の棒部と、
前記棒部を隙間を空けて収容する貫通孔が設けられて前記棒部の長さ方向に沿って移動し、海水に対して一定の比重を有する浮力胴体部と、
前記浮力胴体部の一端部に結合されて前記浮力胴体部を前記棒部の一定の位置に固定させる第1胴体固定部とを含むことを特徴とする、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキ。
【請求項2】
前記浮力胴体部の他端部に結合されて前記浮力胴体部の固定を補強する第2胴体固定部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキ。
【請求項3】
前記浮力胴体部の一端部及び他端部は、前記棒部の外周を隙間を空けて取り囲むが、外力により前記棒部に対して密着または密着解除され、
前記第1胴体固定部及び前記第2胴体固定部は、それぞれ前記浮力胴体部の一端部及び他端部を加圧するように結合され、前記浮力胴体部の一端部及び他端部を前記棒部に対して密着固定させることを特徴とする、請求項2に記載の浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキ。
【請求項4】
前記浮力胴体部の一端部及び他端部には、それぞれ長さ方向に切開された周り調節溝が設けられ、
前記第1胴体固定部及び前記第2胴体固定部の内周面は、テーパーされるように形成され、前記浮力胴体部の一端部及び他端部にそれぞれ螺合されることを特徴とする、請求項3に記載の浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキ。
【請求項5】
前記棒部の外周を隙間を空けて取り囲んで前記係止部と前記浮力胴体部との間を移動し、海水と同じ比重またはそれより相対的に低い比重を持つ識別具をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキに係り、さらに詳しくは、釣りの環境に応じて棒ウキの形態を多様に可変させて安定的に釣り仕掛けを運用することを可能とする、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキに関する。
【背景技術】
【0002】
釣りは、三方を海に囲まれた韓国で簡単に楽しむことができるレジャーの一つであって、老若男女問わずお好みに応じた多様なジャンルの釣りが行われている。
【0003】
特に、淡水釣りと海釣りの両方ともによく使用されるウキは、釣りをする上で様々な機能を提供する。
【0004】
ウキは、一定の浮力を維持しながらオモリとエサを水底に着くまで沈め、釣糸に乗って伝わる魚のアタリを伝達するものであって、地形や魚のエサの食べ方に応じて水面で出たり入ったりする。ウキは、水深を測定する場合には物差しの役割もするが、オモリが着底したか水草や障害物に引っかかったかなどを判別できるようにする。さらに、ウキは、水底の形や水草の有無も判別することができ、水の流動状態、方向及び速度を知ることができるようにする。
【0005】
このようなウキは、魚信を知らせる役割が主な機能であるが、場合によっては仕掛けを遠くへ運ぶ役割をし、種類によっては仕掛けとエサが所望の水深に留まるようする機能や複雑な潮流に同調するようにする機能などを持つものもある。このようなウキは、その種類が多様であって、対象魚と駆使技法に応じてその使い方も変わってくる。
【0006】
特に、棒ウキは、中通しウキとは異なり、長さの長い棒状であって、水面に対して直立した状態で仕掛けが整列されるので、遠距離からもアタリの把握が容易である。
【0007】
このような棒ウキは、視認性に優れるという利点により、遠距離ポイントを攻略するときに或いはアタリの把握が下手な初心者に多く使われている。
【0008】
しかし、棒ウキは、ウキトップが水面上に突き出した状態で仕掛けが整列されるので、気象状態が良くない場合、風や波に大きく影響されてアタリの把握が難しいという問題点がある。
【0009】
つまり、強い風や波によってウキトップが傾いたり激しく揺れたりすることにより、アタリの見分けが難しくなるのである。
【0010】
そこで、従来では、気象が良くないときに強い風や波からの影響を最小限に抑えるため、小型オモリをハリスに連結することにより、ウキトップの一部が水面下に浸かるようにする方法が使用されてきた。しかし、この場合には、追加される小型オモリによって浮力が可変するので、ウキの鋭敏さに欠け、浮力に応じた対象魚種を攻略することが難しくなるという問題点を伴う。
【0011】
一方、上述した問題点を解決するための従来技術として、韓国登録特許第10−0538779号公報が提案されており、ウキトップの一定の区間をゴム製パッキンやウキトップ自体に一体に形成された段差部によって区画し、この区画されたウキトップ区間でのみウキ胴体が上下に自由に動くようにすることを特徴とする。
【0012】
ところが、前述した従来技術は、浮力具の役割をするウキ胴体が上下に動くので、正確な浮力の釣り仕掛けを構成することが難しいという問題点がある。
【0013】
さらに、ウキ胴体の上下移動範囲を決定するゴム製パッキンは、海水により腐食しやすい特性のため、耐久性が低下して緩んだり破損したりするなどの問題点を引き起こす。
【0014】
また、前記ゴム製パッキンと同じ役割をするものであってウキトップ自体に一体的に形成される段差部は、接着剤などによって位置が固定されるので、ウキトップの高さを調節することができないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0538779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、浮力具の高さを簡単に調節することを可能とすることにより、釣り状況に応じて、ウキトップが水面上で浮上する高さを容易に可変させることができる、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、ウキトップ及びウキ足をなす棒部の一箇所に浮力具が動かずにしっかりと固定できるようにして、正確な浮力の釣り仕掛けを構成することを可能とする、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、浮力具の位置を固定するストッパーの耐久性を向上させることにより、海水でも長期間性能低下なく使用できるようにする、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを提供することにある。
【0019】
一方、本発明の目的は上述した目的に制限されず、上述していない別の目的は以降の記載から明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するための本発明は、釣糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って移動し或いは釣糸の一定の位置に固定されるように結束される釣り用棒ウキであって、一端部には係止部が設けられ、他端部には釣糸の挿通する輪部が設けられる一字型の棒部と、前記棒部を隙間を空けて収容する貫通孔が設けられて前記棒部の長さ方向に沿って移動し、海水に対して一定の比重を有する浮力胴体部と、前記浮力胴体部の一端部に結合されて前記浮力胴体部を前記棒部の一定の位置に固定させる第1胴体固定部とを含むことを特徴とする、浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを提供する。
【0021】
好ましくは、前記浮力胴体部の他端部に結合されて前記浮力胴体部の固定を補強する第2胴体固定部をさらに含むことができる。
【0022】
好ましくは、前記浮力胴体部の一端部及び他端部は、前記棒部の外周を隙間を空けて取り囲むが、外力により前記棒部に対して密着または密着解除され、前記第1胴体固定部及び前記第2胴体固定部はそれぞれ前記浮力胴体部の一端部及び他端部を加圧するように結合され、前記浮力胴体部の一端部及び他端部を前記棒部に対して密着固定させることを特徴とする。
【0023】
好ましくは、前記浮力胴体部の一端部及び他端部には、それぞれ長さ方向に切開された周り調節溝が設けられ、前記第1胴体固定部及び前記第2胴体固定部の内周面は、テーパーされるように形成され、前記浮力胴体部の一端部及び他端部にそれぞれ螺合されることを特徴とする。
【0024】
好ましくは、前記棒部の外周を隙間を空けて取り囲んで前記係止部と前記浮力胴体部との間を移動し、海水と同じ比重またはそれより相対的に低い比重を持つ識別具をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
前述した本発明によれば、次の効果を期待することができる。
【0026】
第一に、浮力胴体部の高さを調節して、ウキトップが水面上で浮上する高さを容易に可変させることができるので、釣りの状況に応じて安定した仕掛け運用をすることができるという効果がある。
【0027】
第二に、浮力胴体部の高さ調節の際に棒部の一箇所に浮力胴体部が動かずにしっかりと固定されるようにすることで、正確な浮力の釣り仕掛けを構成することができるという効果がある。
【0028】
第三に、浮力胴体部の位置を固定させる胴体固定部がゴム製のストッパー方式ではなく、螺合される構造であって、耐久性の向上を図ることができるうえ、海水でも長期間性能低下なく使用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキを示す正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキの動作特性を説明するための第1例示図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキの動作特性を説明するための第2例示図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキの動作特性を説明するための第3例示図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点、特徴、及びそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現される。但し、本実施形態は、単に本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。そして、本明細書で使用された用語は、実施形態を説明するためのもので、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数型は、特に言及しない限り、複数型も含む。
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。一方、当該技術分野における通常の知識を有する者が容易に分かる構成、それに対する作用及び効果についての図示及び詳細な説明は簡略化または省略し、本発明に関連した部分を中心に詳細に説明する。
【0032】
本発明の実施形態に係る浮力具の位置調節が容易な釣り用棒ウキは、釣糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って移動し或いは釣糸の一定の位置に固定されるように結束されるものであって、
図1〜
図6に示すように、大きく棒部200、浮力胴体部400及び第1胴体固定部600を含んでなる。
【0033】
まず、棒部200は、一字型であって、一端部には係止部220が設けられ、他端部には釣糸の挿通する輪部240が設けられる。ここで、前記輪部240に直接釣糸を通過させずに、ウキホルダーを先に釣糸に通した後、前記輪部240をウキホルダーに締結させることもできる。
【0034】
このような棒部200は、一般なハリスウキのように浮力が低いため、対象魚のアタリの際に異物感が最小限に抑えられるようにする。また、一字型で長く構成され、遠距離でも魚信の把握を容易にし、遠距離でも視認性を持つことができるように原色の目立つ色が塗布されることが好ましい。それだけでなく、アタリをより容易に把握するために、前記係止部220には前記棒部200とは対比される色が塗布されるとよい。
【0035】
ここで、図示してはいないが、前記棒部200の一端部の先端にはケミホルダーが装着されることもあるが、前記ケミホルダーにケミホタル(ケミカルライト)が着脱可能に取り付けられる。このようなケミホタルは、夜間に視認性を確保して魚信を感知することができるようにする。前記ケミホルダーはゴム材質のチューブ形態からなってもよい。前記ケミホルダーには、ケミホタルが締まり嵌め方式で嵌合される。それだけでなく、前記ケミホルダーの代わりにバッテリーによって発光するLEDを備えた電子ケミホタルが装着されてもよい。
【0036】
次に、浮力胴体部400は、前記棒部200を隙間を空けて収容する貫通孔を備えて前記棒部200の長さ方向に沿って移動し、海水に対して一定の比重を持つように形成されて海水に対する浮力を調節することができるようにする。
【0037】
ここで、本発明の浮力胴体部400は、棒部200と一体型に結合されるのではなく、前記棒部200の長さ方向に沿って移動可能に結合されて、後述の第1胴体固定部600及び第2胴体固定部800の少なくとも一つによって一定の位置に固定されるのである。すなわち、
図3に示すように、前記浮力胴体部400は、第1胴体固定部600と第2胴体固定部800が結合解除されたときにそれらの間を移動することが可能となるのである。
【0038】
一方、前記浮力胴体部の一端部420及び他端部440は、前記棒部200の外周を隙間を空けて取り囲むが、外力により前記棒部200に対して密着または密着解除される。つまり、前記浮力胴体部の一端部420及び他端部440が、外力によって棒部200に対して密着すると前記棒部200の一定の位置に固定されるのに対し、棒部200に対して密着解除されると前記棒部200の長さ方向に沿って移動することが可能となるのである。
【0039】
ちなみに、前記浮力胴体部400は、前記棒部200の色とは対比される高明示性の色が塗布され、視認性が極大化できるようにする。
【0040】
また、前記浮力胴体部400は、様々な形状に変換され、潮流に反応する程度を調節することができ、特に潮流に一層よく流動できる形態に体積を変形させて、弱い潮流でも仕掛けを容易に流すことができるようにすることにより、広い範囲を探索することができる。
【0041】
前記第1胴体固定部600は、前記浮力胴体部の一端部420に結合されて前記浮力胴体部400を前記棒部200の一定の位置に固定させる。
【0042】
それだけでなく、前記浮力胴体部の他端部440に結合されて前記浮力胴体部400の固定を補強する第2胴体固定部800をさらに含むことができる。
【0043】
すなわち、前記第1胴体固定部600及び前記第2胴体固定部800は、それぞれ前記浮力胴体部の一端部420及び他端部440を加圧するように結合され、前記浮力胴体部の一端部420及び他端部440を前記棒部200に密着固定させる。
【0044】
図4及び
図5は浮力胴体部400が固定される位置に応じた棒部200の長さ可変を示しているが、浮力胴体部400が棒部200に固定される位置に応じてウキトップとウキ足の長さが可変することが分かる。
【0045】
図4の一例では、浮力胴体部400が棒部200の上部に偏って固定されることにより、ウキトップの長さαがウキ足の長さよりも相対的に短くなる。
【0046】
図5の一例では、浮力胴体部400が棒部200の下部に偏って固定されることにより、ウキトップの長さβがウキ足の長さよりも相対的に長くなる。
【0047】
従来の棒ウキは、浮力胴体部が棒部と一体型であるので、ウキトップが水面上に浮上する高さを調節するためにはハリスにオモリを加減しなければならなかったが、これに対し、本発明は、オモリを加減することなく、簡単な操作のみでウキトップの高さを可変させることができる。
【0048】
したがって、本発明の実施形態によれば、強い風が吹く環境ではウキトップの長さを最小化することにより、棒部200が傾く現象を防止し且つ安定感を極大化させることができる。
【0049】
また、従来の棒ウキは、風の影響でウキトップが傾く現象を最小限に抑えるため、オモリをハリスにつける場合にウキトップを最大限水面まで下げることはできるが、風、潮流または渦流現象でウキトップが水面下に浸かる現象が発生する。しかし、本発明は、浮力胴体部400自体を棒部200の上部に上げてウキトップの高さを最小化したものなので、風、潮流または渦流現象でも最高の安定感を維持することができるのである。
【0050】
さらに、本発明は、浮力胴体部400の位置を自由に調節することができるので、前記浮力胴体部400を上方に移動させるほどオモリの位置が下方にさらに下がって強い風にもウキトップが傾く現象が著しく減少し、最高の安定感を演出することができる。言い換えれば、船舶の下部(水に浸っている部位)の深さが深いほど船舶のローリング現象が少ないこととほぼ同様の概念といえる。
【0051】
特に、釣りをする際に、あらゆる人の個性及びお好みが異なる点を考慮して、一人一人のお好みに合わせてウキトップの高さを調節して使用することができるので、簡便でありながら釣りの楽しみをさらに一層倍加させることができるのである。
【0052】
また、
図3及び
図6を参照すると、前記浮力胴体部の一端部420及び他端部440には、それぞれ長さ方向に切開された周り調節溝422、442が設けられてもよい。このような周り調節溝422、442は、その間隔が外力によって調節されることにより、前記浮力胴体部400が棒部200に対して密着及び密着解除されることが容易となるようにする。
【0053】
このとき、前記第1胴体固定部600及び前記第2胴体固定部800の内周面は、テーパーされるように形成されて前記浮力胴体部の一端部420及び他端部440にそれぞれ螺合される。つまり、螺合の際に、テーパーされた内周面によって前記周り調節溝422、442の間隔が調節されることにより、前記浮力胴体部400が棒部200に対して密着及び密着解除できるのである。
【0054】
一方、前記棒部200の外周を隙間を空けて取り囲んで前記係止部220と前記浮力胴体部400との間を移動することができるように構成される識別具300をさらに含むことができる。このような識別具300は、海水と同じ比重またはそれより相対的に低い比重を持つように構成され、少なくとも一部が水面に浮いた状態を維持する。
【0055】
ここで、前記浮力胴体部400が完全に水面に浸かる潜水(水中)ウキの形態で運営される場合、前記識別具300は、遠距離投擲を容易にするためにある程度の重量と体積を持つように形成された高浮力の中通しウキの形態であってもよい。このように、前記識別具300が高浮力で構成されても、棒部200とは離隔した状態で水面上で別途流動するので、前記棒部200に浮力に対する干渉を与えなくなる。すなわち、前記識別具300は、魚信(アタリ)に関連する浮力具ではなく、前記棒部200と対比して視認性をより確保し或いは遠距離投擲を行うための浮力具である。それだけでなく、前記識別具300は、前記棒部200の色とは対比される高明示性の色が塗布され、遠距離視認性が極大化できるようにすることが好ましい。
【0056】
上述した本発明の実施形態によれば、次の効果を期待することができる。
【0057】
第一に、浮力胴体部の高さを調節して、ウキトップが水面上で浮上する高さを容易に可変させることができるので、釣りの状況に応じて安定した仕掛け運用をすることができるという効果がある。
【0058】
第二に、浮力胴体部の高さ調節の際に棒部の一箇所に浮力胴体部が動かずにしっかり固定されるようにすることで、正確な浮力の釣り仕掛けを構成することができるという効果がある。
【0059】
第三に、浮力胴体部の位置を固定させる胴体固定部がゴム製のストッパー方式ではなく、螺合される構造であって、耐久性の向上を図ることができるうえ、海水でも長期間性能低下なく使用できるという効果がある。
【0060】
前述した内容は、後述する請求の範囲をさらによく理解することができるように、本発明の特徴および技術的利点を多少幅広く詳述している。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、本発明が他の具体的な形態に実施できることを理解するだろう。したがって、上述した実施形態は、すべての面で例示的なもので、限定的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲およびその均等概念から導出されるすべての変更または変形形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0061】
200 棒部
220 係止部
240 輪部
300 識別具
400 浮力胴体部
420 浮力胴体部の一端部
422 周り調節溝
440 浮力胴体部の他端部
442 周り調節溝
600 第1胴体固定部
800 第2胴体固定部