【解決手段】スタビライザバーが内面に接着される半円筒状のゴム状弾性体から構成される一対の弾性体が、周方向の2つの端面を互いに突き合わせてスタビライザバーの外周に配置される。弾性体は、弾性体より剛性が高い補強板がそれぞれ埋設される。弾性体の周方向の端面よりも周方向の内側に第1端部および第2端部が配置され、第1端部および第2端部に中間部が連接される。第1端部から内面までの弾性体の径方向の厚さ及び第2端部から内面までの弾性体の径方向の厚さは、中間部から内面までの弾性体の径方向の厚さよりも薄い。
スタビライザバーが内面に接着される半円筒状のゴム状弾性体から構成されると共に周方向の2つの端面を互いに突き合わせて前記スタビライザバーの外周に配置される一対の弾性体と、
前記弾性体にそれぞれ埋設されると共に前記弾性体より剛性が高い補強板と、を備えるスタビライザブッシュであって、
前記補強板は、前記弾性体の周方向の前記端面よりも周方向の内側に配置される第1端部および第2端部と、
前記第1端部および前記第2端部に連接される中間部と、を備え、
前記第1端部から前記内面までの前記弾性体の径方向の厚さ及び前記第2端部から前記内面までの前記弾性体の径方向の厚さは、前記中間部から前記内面までの前記弾性体の径方向の厚さよりも薄いことを特徴とするスタビライザブッシュ。
前記補強板は半円筒状に形成されると共に、少なくとも前記弾性体の周方向の中央に位置する部分に径方向に突き抜ける穴部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタビライザブッシュ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施の形態におけるスタビライザブッシュ10の分解立体図である。
図1に示すようにスタビライザブッシュ10は、スタビライザバー11の外周を取り囲む第1弾性体20及び第2弾性体30と、第1弾性体20及び第2弾性体30を車体(図示せず)に固定するブラケット50とを備えている。
【0012】
第1弾性体20は半円筒状のゴム状弾性体であり、軸方向の端面21に連絡し外周縁が径方向へ張り出すフランジ部22が連接されている。第2弾性体30は半円筒状のゴム状弾性体であり、軸方向の端面31に連絡し外周縁が径方向へ張り出すフランジ部32が連接されている。
【0013】
第1弾性体20及び第2弾性体30は、半円筒状の補強板40が埋設されている。補強板40は、第1弾性体20及び第2弾性体30より剛性の高い部材であり、本実施の形態では金属製の板材である。補強板40は、第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の全長に亘り配置されており、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面21,31に端部が露出する。
【0014】
ブラケット50は、第1弾性体20及び第2弾性体30のフランジ部22,32間の外周に配置される断面U状の金属製の部材である。ブラケット50は、端部から相反する方向へ突出する固定部51によって車体(図示せず)に取り付けられる。ブラケット50は、第1弾性体20及び第2弾性体30を介してスタビライザバー11を車体に固定する。
【0015】
図2は第1弾性体20及び第2弾性体30の正面図である。第1弾性体20は半円筒状の部材であり、スタビライザバー11(
図1参照)の軸Oを中心とする円弧の集合である内面24が形成されている。第2弾性体30は、車体(図示せず)に押し付けられる取付面35を平面にした略U字の部材であり、スタビライザバー11(
図1参照)の軸Oを中心とする円弧の集合である内面34が形成されている。第1弾性体20及び第2弾性体30は、各々の周方向の端面23,33を互いに突き合わせた状態で、スタビライザバー11(
図1参照)の外周に配置される。
【0016】
図3を参照して、第1弾性体20及び第2弾性体30に加硫接合される補強板40について説明する。
図3(a)は補強板40の平面図であり、(b)は
図3(a)のIIIb−IIIb線における補強板40の断面図である。
【0017】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、補強板40は半円筒状の部材である。補強板40は、軸方向へ直線状に延びる第1端部41及び第2端部42と、第1端部41及び第2端部42の軸方向の全長に亘って第1端部41及び第2端部42を連接する半円筒状の中間部43とを備えている。補強板40は、板材の曲げ加工により第1端部41、第2端部42及び中間部43が形成される。
【0018】
図3(b)に示すように補強板40の内面44は、スタビライザバー11(
図1参照)の軸Oを中心とする円弧の集合である仮想曲面45と中間部43で一致し、第1端部41及び第2端部42では仮想曲面45よりも径方向の内側に存在する。中間部43の内面44の曲率は、第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34の曲率と同じである。補強板40は、板材の曲げ加工によって、第1端部41及び第2端部42の内面44の曲率が、中間部43の内面44の曲率よりも小さくなるように作られる。よって、第1端部41及び第2端部42を容易に形成できる。
【0019】
図2に戻って説明する。補強板40は、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33及び内面24,34とそれぞれ間隔をあけて、第1弾性体20及び第2弾性体30の内部に埋め込まれている。補強板40は、第1端部41及び第2端部42が、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33よりも周方向の内側に位置する。
【0020】
補強板40は第1端部41及び第2端部42の曲率が中間部43の曲率よりも小さいので、第1端部41及び第2端部42から内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD1を、中間部43から内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD2よりも薄くできる。厚さD1,D2は、軸Oと垂直に交わる直線が、補強板40の内面44(
図3(b)参照)及び第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34によって切り取られた線分の長さである。
【0021】
第1弾性体20及び第2弾性体30は、例えば、以下のような方法によってスタビライザバー11に接着される。まず、第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34とスタビライザバー11の外周との間に接着剤(図示せず)を介在させる。次いで、第1弾性体20及び第2弾性体30を径方向の外側からクランプ金具(図示せず)で取り囲み、内面24,34をスタビライザバー11に押し付けて加圧する。高周波加熱によってスタビライザバー11を介して接着剤、第1弾性体20及び第2弾性体30を加熱し、接着剤を硬化させてスタビライザバー11に第1弾性体20及び第2弾性体30を接着する。
【0022】
図4(a)は、接着剤を硬化させるために、内面24,34をスタビライザバー11に押し付けて加圧したときのスタビライザブッシュ10の圧力分布の模式図であり、
図4(b)は、
図4(a)の場合と同じ条件で加圧したときの比較例におけるスタビライザブッシュ60の圧力分布の模式図である。
図4(a)及び
図4(b)は、コンピュータを使ったシミュレーションの結果を、第1弾性体20及び第2弾性体30のそれぞれ周の半分の部分について図示したものである。
【0023】
比較例におけるスタビライザブッシュ60は、第1弾性体20及び第2弾性体30に補強板61が埋設されている。スタビライザブッシュ60は、補強板61の形状が補強板40の形状と異なる以外は、スタビライザブッシュ10と同一である。補強板61は、周方向の全長に亘って曲率が同一に設定されている点が、第1端部41及び第2端部42の曲率と中間部43の曲率とが相違する補強板40と異なる。
【0024】
第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34をスタビライザバー11に押し付けて加圧すると、内面24,34は、スタビライザバー11から圧力を受ける。第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34に示された曲線12,13,14は、同じ圧力の部分を結んだ曲線である。圧力は曲線14、曲線13、曲線12の順に高い。曲線14の外の部分は、曲線14で囲まれた部分より圧力の低い部分である。
【0025】
図4(b)から明らかなように、接着のときにスタビライザバー11から第1弾性体20及び第2弾性体30が受ける圧力は、周方向の中央の圧力が最も高く、端面23,33に近づくにつれて圧力が小さくなる。第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33付近に補強板61が存在しないからである。その結果、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33付近の接着強度が、周方向の中央付近の接着強度に比べて小さくなる。よって、スタビライザバー11が第1弾性体20及び第2弾性体30に入力する繰り返し荷重によって、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33付近が剥がれ易いという問題点がある。
【0026】
これに対し、スタビライザブッシュ10は、比較例におけるスタビライザブッシュ60に比べて、曲線13,14を端面23,33に近づけることができ、曲線14の部分よりも圧力の低い部分(曲線14の外の部分)の面積を小さくできる。これは、補強板40の第1端部41(
図2参照)から第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD1、及び、補強板40の第2端部42から第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD1を、補強板40の中間部43から第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD2よりも薄くしたからである。
【0027】
その結果、接着のときに補強板40の第1端部41及び第2端部42付近の第1弾性体20及び第2弾性体30がスタビライザバー11(
図1参照)から受ける圧力と、補強板40の中間部43付近の第1弾性体20及び第2弾性体30がスタビライザバー11から受ける圧力と、の差を小さくできる。その結果、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33付近に存在する圧力の小さい部分の面積を小さくできるので、接着強度が小さい部分の面積を小さくできる。よって、スタビライザバー11から第1弾性体20及び第2弾性体30に繰り返し荷重が入力されても、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33付近を剥がれ難くできる。従って、スタビライザブッシュ10の耐久性を向上できる。
【0028】
なお、補強板40は、第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の全長に亘って加硫接合されているので、第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の全長に亘って、内面24,34の圧力を確保できる。その結果、第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の全長に亘って、接着強度を確保できる。
【0029】
次に
図5及び
図6を参照して第2実施の形態について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図5は第2実施の形態におけるスタビライザブッシュ70の第1弾性体20及び第2弾性体30の正面図であり、
図6(a)は補強板80の平面図であり、
図6(b)は
図6(a)のVIb−VIb線における補強板80の断面図である。第2実施の形態における第1弾性体20及び第2弾性体30は、第1実施の形態で説明した第1弾性体20及び第2弾性体30に代えて、ブラケット50(
図1参照)を用いて車体(図示せず)に固定される。
【0030】
図5に示すようにスタビライザブッシュ70は、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の端面23,33を互いに突き合わせた状態で、スタビライザバー11(
図1参照)の外周に配置される。第1弾性体20及び第2弾性体30は補強板80が埋め込まれている。補強板80は、第1弾性体20及び第2弾性体30に加硫接合される金属製の板材である。
【0031】
図6(a)及び
図6(b)に示すように補強板80は、第1端部41及び第2端部42を連接する半円筒状の中間部43の周方向の中央の位置に、径方向へ突き抜ける穴部81が形成されている。本実施の形態では、穴部81は、周方向の長さに比べて軸方向の長さが長い矩形状に形成されており、中間部43の軸方向の中央を貫通している。
【0032】
図5に戻って説明する。補強板80は、第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34よりも径方向の外側に位置し、第1端部41及び第2端部42が、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33よりも周方向の内側に位置する。補強板80の第1端部41及び第2端部42から内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD1は、中間部43から内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD2よりも薄い。
【0033】
その結果、接着のときに補強板80の第1端部41及び第2端部42付近の第1弾性体20及び第2弾性体30がスタビライザバー11(
図1参照)から受ける圧力と、補強板80の中間部43付近の第1弾性体20及び第2弾性体30がスタビライザバー11から受ける圧力と、の差を小さくできる。
【0034】
さらに、中間部43に形成された穴部81によって、接着のときに受ける第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の中央(
図4(a)に示す曲線12で囲まれた部分)の圧力を小さくできる。よって、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の中央の部分がスタビライザバー11(
図1参照)から受ける圧力と、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の端面23,33の近くの部分がスタビライザバー11から受ける圧力と、の差を小さくできる。その結果、接着のときの第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の圧力のムラを小さくできる。よって、第1弾性体20及び第2弾性体30の接着強度の周方向のムラを小さくできる。
【0035】
第1弾性体20及び第2弾性体30の接着強度のムラが大きいと、スタビライザバー11からの繰り返し荷重の入力によって、接着強度の小さい部分が剥がれ易くなるという問題点がある。スタビライザブッシュ70によれば、補強板80に穴部81を設けることによってこの問題点を解決することができ、第1実施の形態で説明した作用効果に加え、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向における接着強度のばらつきを抑制できる。
【0036】
次に
図7及び
図8を参照して第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、補強板80に穴部81が形成される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、補強板100が2つに分割される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
【0037】
図7は第3実施の形態におけるスタビライザブッシュ90の第1弾性体20及び第2弾性体30の正面図であり、
図8(a)は補強板100の平面図であり、
図8(b)は
図8(a)のVIIIb−VIIIb線における補強板100の断面図である。第3実施の形態における第1弾性体20及び第2弾性体30は、第1実施の形態で説明した第1弾性体20及び第2弾性体30に代えて、ブラケット50(
図1参照)を用いて車体(図示せず)に固定される。
【0038】
図7に示すようにスタビライザブッシュ90は、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の端面23,33を互いに突き合わせた状態で、スタビライザバー11(
図1参照)の外周に配置される。第1弾性体20及び第2弾性体30は補強板100が埋め込まれている。補強板100は、第1弾性体20及び第2弾性体30に加硫接合される金属製の板材である。
【0039】
図8(a)及び
図8(b)に示すように補強板100は、第1端部41及び第2端部42に連接される中間部103を備えている。中間部103は、第1端部41の軸方向の全長に亘って第1端部41に連接される第1部101と、第2端部42の軸方向の全長に亘って第2端部42に連接される第2部102とを備えている。第1部101及び第2部102は分かれており、それぞれ凹に湾曲する内面104,105を備えている。
【0040】
図7に戻って説明する。補強板100は、第1部101及び第2部102が、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の中央の位置を除いて、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向に間隔をあけて配置されている。第1部101及び第2部102は、軸方向の全長に亘って同一の間隔をあけて第1弾性体20及び第2弾性体30に加硫接合されている。
【0041】
補強板100は、第1弾性体20及び第2弾性体30の内面24,34よりも径方向の外側に位置し、第1端部41及び第2端部42が、第1弾性体20及び第2弾性体30の端面23,33よりも周方向の内側に位置する。補強板100の第1端部41及び第2端部42から内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD1は、第1部101及び第2部102の内面104,105(
図8(b)参照)から内面24,34までの第1弾性体20及び第2弾性体30の径方向の厚さD2よりも薄い。
【0042】
その結果、接着のときに補強板100の第1端部41及び第2端部42付近の第1弾性体20及び第2弾性体30がスタビライザバー11(
図1参照)から受ける圧力と、補強板100の第1部101及び第2部102付近の第1弾性体20及び第2弾性体30がスタビライザバー11から受ける圧力と、の差を小さくできる。
【0043】
さらに、第1部101と第2部102との周方向の間隙によって、接着のときに受ける第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の中央(
図4(a)に示す曲線12で囲まれた部分)の圧力を小さくできる。よって、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の中央の部分がスタビライザバー11(
図1参照)から受ける圧力と、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の端面23,33の近くの部分がスタビライザバー11から受ける圧力と、の差を小さくできる。その結果、接着のときの第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の圧力のムラを小さくすることができ、接着強度の周方向のムラを小さくできる。スタビライザブッシュ90によれば、互いに間隔をあけて第1部101及び第2部102を設けることにより、第1実施の形態で説明した作用効果に加え、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向における接着強度のばらつきを抑制できる。
【0044】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、補強板80に形成された穴部81の形状や大きさ等は適宜設定できる。穴部81に加え、接着時の圧力を調整するために、必要に応じて任意の位置に穴部を設けることは可能である。
【0045】
上記各実施の形態では、断面U状のブラケット50を用いて第1弾性体20及び第2弾性体30を車体(図示せず)に固定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1弾性体20及び第2弾性体30の外周が嵌る凹部をそれぞれ設けた一対の部材を備える周知のブラケットを用いることは当然可能である。このブラケットは一対の部材で第1弾性体20及び第2弾性体30を挟み付けた状態で車体に固定される。
【0046】
上記各実施の形態では、補強板40,80,100が金属製の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。合成樹脂製の補強板40,80,100を採用することは当然可能である。第1弾性体20及び第2弾性体30の剛性よりも補強板40,80,100の剛性が高ければ、接着のときの圧力を高めることができるからである。
【0047】
上記各実施の形態では、補強板40,80,100の軸方向の端面が第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の端面21,31に露出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の端面21,31に補強板40,80,100が露出しないように、第1弾性体20及び第2弾性体30の軸方向の端面21,31の内側に補強板40,80,100を埋め込むことは当然可能である。
【0048】
上記各実施の形態では、板材を曲げ加工するときの曲率を変えて補強板40,80,100の第1端部41及び第2端部42を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1端部41及び第2端部42の板厚を中間部43,103の板厚よりも厚くすることにより、厚さD1を厚さD2よりも薄くすることは当然可能である。この場合にも、上記各実施の形態と同様に、第1弾性体20及び第2弾性体30の周方向の端面23,33付近の内面24,34の圧力を高くできる。
【0049】
上記第2実施の形態では、補強板80の中間部43において、軸方向の中央を厚さ方向に貫通する穴部81を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。補強板80の中間部43において、軸方向の端縁の中央から軸方向の中央へ向かう切り込みを設け、この切り込みを穴部とすることは当然可能である。切り込みからなる穴部も、貫通穴からなる穴部81と同様に径方向へ突き抜けているので、補強板80(中間部43)による圧力を低くすることができる。切り込みからなる穴部の軸方向の長さ及び周方向の幅や数等は適宜設定できる。
【0050】
上記第3実施の形態では、補強板100を2分割した場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。接着時の圧力を調整するために、必要に応じて補強板100を3つ以上に分割することは可能である。