特開2018-79938(P2018-79938A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-79938(P2018-79938A)
(43)【公開日】2018年5月24日
(54)【発明の名称】ピペット保管装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/42 20060101AFI20180420BHJP
   B01L 9/00 20060101ALI20180420BHJP
【FI】
   B65D85/42 Z
   B01L9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-221579(P2016-221579)
(22)【出願日】2016年11月14日
(71)【出願人】
【識別番号】396020556
【氏名又は名称】ムロオカ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 幸泉
【テーマコード(参考)】
3E096
4G057
【Fターム(参考)】
3E096AA09
3E096BA30
3E096BB01
3E096CA02
3E096CA05
3E096CB03
3E096DA01
3E096DA04
3E096DB04
3E096DB08
3E096DC02
3E096EA02X
3E096FA09
3E096FA19
3E096GA03
3E096GA09
4G057AE08
4G057AE15
4G057AE23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のピペットチップを収納したピペット装置を持ち運ぶ場合であっても、その収納されたピペットチップ同士の接触を防止する保管装置を提供する。
【解決手段】ピペットチップを保管するために開口部21を有する保管装置本体20と、ピペットチップの先端を挿通するための孔部34を有する底部と前記ピペットチップの胴部を保持するための中空筒状の保持部35とを有する保管部30と、を具備し、前記保管部は、前記保管装置本体の開口部に配置したピペットチップ保管装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペットチップを保管するために開口部を有する保管装置本体と、
ピペットチップの先端を挿通するための孔部を有する底部と前記ピペットチップの胴部を保持するための中空筒状の保持部とを有する保管部と、を具備し、
前記保管部は、前記保管装置本体の開口部に配置したピペットチップ保管装置。
【請求項2】
前記保管部に載置するための蓋部をさらに有する請求項1記載のピペットチップ保管装置。
【請求項3】
前記保持部を複数配置し、その複数配置した各保持部同士を連結する縦連結部をさらに有する請求項1または2記載のピペットチップ保管装置。
【請求項4】
前記保持部を複数配置し、その複数配置した各保持部同士を連結する横連結部をさらに有する請求項1から3いずれか1項記載のピペットチップ保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペットチップの保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピペットチップの保管装置として、特表平8-503911号公報が開示され、ピペットチップの保存装置としてチップラックに関する発明が開示されている。これは、再使用可能なチップラック(12)用の交換用のピペットチップ(24)を配列するために、この、この補充パック(35)は整理状態に配列されたピペットチップ(24)を受入れる穴(28)が配列された支持プレート(22)を含む。また、補充パックはスカート状のガイド(27)を有して、支持プレート(22)をチップラック(12)上に芯出ししてガイドするようになされることが好ましく、ピペットチップ(24)の先端部(30)はチップラック(12)の整理トレー(21)の対応する穴と整合されてその中に延入するというものである。
【0003】
上記保管装置は、合成樹脂性のピペットチップを保管するためのものであり、ガラス製のピペットチップに対する保管装置ではない。従って、ガラス製のピペットチップをその保管装置に配置した場合に、隣り合うガラス製のピペットチップが互いに接触し破損する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平8-503911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、複数のピペットチップを収納したまま持ち運ぶ場合であっても、その収納されたピペットチップ同士の接触を防止する保管装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
鋭意研究開発の結果前記の課題を解決するため、第1観点のピペットチップ保管装置は、ピペットチップを保管するために開口部を有する保管装置本体と、
ピペットチップの先端を挿通するための孔部を有する底部と、ピペットチップの胴部を保持するための中空筒状の保持部と、を有する保管部と、を具備し、保管部は、保管装置本体の開口部に配置したピペットチップ保管装置である。
【0007】
第2観点のピペットチップ保管装置は、第1観点において、保管部に載置するための蓋部をさらに有するというものである。
【0008】
第3観点のピペットチップ保管装置は、第1観点または第2観点において、保持部を複数配置し、複数配置した各保持部同士を連結するための縦連結部をさらに有するというものである。
【0009】
第4観点のピペットチップ保管装置は、第1観点から第3観点において、保持部を複数配置し、複数配置した各保持部同士を連結するための横連結部をさらに有するというものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、複数のピペットチップを収納したまま、持ち運ぶ場合であっても、その収納されたピペットチップ同士の接触を防止する保管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ピペットチップ保管装置と蓋部との分解斜視図。
図2】Aは、保管部の平面図。Bは、保管部の側面図。Cは、保管部の底面図である。
図3】Aは、蓋部を配置したピペットチップ保管装置の平面図。Bは、AのIIIB-IIIB線端面図である。
図4】Aはピペットチップ保管装置に複数のピペットチップを配置した状態の平面図。Bは、AのIVB-IVB線端面図である。
図5】Aは、ピペットチップの正面図。Bは、ピペットチップの側面図である。
図6】ピペット装置とピペットチップ保管装置の使用状態図である。
図7】他の実施例のピペットチップ保管装置の分解斜視図である。
図8】Aは、他の実施例の保管部の平面図。Bは、他の実施例の保管部の側面図。Cは、他の実施例の保管部の底面図である。
図9】Aは、他の実施例のピペットチップ保管装置に複数のピペットチップを配置した状態の平面図。Bは、AのIXB-IXB線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施例のピペットチップ保管装置10について説明する。第1の実施例におけるピペットチップ保管装置10は、保管装置本体20と、保管部30とを具備するものである。保管装置本体20は、後述するように、保管部30にピペットチップ100を配置して収納可能なように所定の容積を有するものである。また、さらに保管装置本体20は、平面視矩形状を呈する開口部21を有し、その下方にその開口部21を取り囲むように壁部22を有し。その壁部の下方に底部23を有し、それら全体として箱状を呈する。また開口部21の周辺に、その開口部21を周回するように取り囲むように配置された縁部24を有する。この縁部24は、後述するように保管部30を載置するためのものである。またこの縁部24は、開口部21から、水平に突出するように構成されている。なお、本実施例のピペットチップ保管装置10の配置するピペットチップ100はガラス製が好ましい。
【0013】
保管部30は、板状の平面視矩形状を呈する保管天井部31を有している。また、保管天井部31における上面31aの外周に後述する蓋体50と嵌合するための、蓋体嵌合部32aを有する。この蓋体嵌合部32aは、上方に突出し、上面31aを取り囲むように壁状を呈している。また、蓋体嵌合部32aの外周に保管縁部33を有する。保管縁部33は、水平に突出するように構成され保管部30を保管装置本体20に載置する場合に、その保管装置本体20に支持されるものである(図1、2参照)。
【0014】
また、保管天井部31の上面31aは、後述するピペットチップ100を保持するために、孔部34を複数有する。また、保管天井部31の下面31bから下方に延びるように、中空筒状の保持部35を複数有する。さらに、その複数の各保持部35の下方に底部36を有し、その底部36の中央には第2孔部37を有する。なお、本実施例においては、孔部34は、20箇所配置されている。従って、保持部35と底部36と第2孔部37についても同様であることはいうまでもない。もっともこの数に限られることはない(図2参照)。
【0015】
上記保管天井部31の上面31aに複数配置した各孔部34と、保管天井部31の下面31bから下方に延びるように、複数配置した中空筒状の保持部35における第2孔部37は、それぞれ連通するように構成され、後述するピペットチップ100を差し入れることができる(図1、2参照)。
【0016】
また、複数の保持部35同士を接続する縦連結部38と横連結部39とを、それぞれ複数有する。この縦連結部38と横連結部39とによって、いわば、各保持部35同士は、縦方向及び横方向に、それぞれ十字状に連結されている。また、複数の保持部35が、保管縦連結部38と横連結部39とによって、天井部31の保管天井部31の下面31bに、一体に接続されている(図2参照)。
【0017】
また、保管天井部31の下面31bの周辺に、保管装置本体20と嵌合するための、保管装置本体嵌合部32bを有する。保管装置本体嵌合部32bと、上述の縦連結部38と横連結部39とは、連結され一体となっている。このように各保持部35同士は、縦連結部38と横連結部39とによっていわば、各保持部35同士を、縦方向及び横方向に、それぞれ十字状に連結され、この保管天井部31と一体であるために、各保持部35はぶれることなく複数の後述するピペットチップ100を保持する。従って、その各保持部35に配置したピペットチップ100同士が接触する恐れは少ない。なお、本実施例において、縦連結部38は、5箇所配置され、横連結部39は、4箇所配置されている(図2C参照)。もっともこの数に限られることはない。
【0018】
また、蓋部40は、所定の容積を有し、平面視矩形状を呈する蓋開口部41を有し、その上方にその蓋開口部41を取り囲むように立設した側壁部42とを有する。側壁部42における蓋開口部41の反対側に蓋上部43を有し、それら全体として箱状を呈する。また蓋開口部41の周辺に周回するように蓋縁部44を有する。この蓋縁部44は、上述の保管部30に載置するためのものである。またこの蓋縁部44は、蓋開口部41から、水平に突出するように構成されている。
【0019】
このような構成の本実施例のピペットチップ保管装置10に、複数のピペットチップ100を配置する。具体的には、ピペットチップ100を孔部34に挿入し、このピペットチップ100の先端部101をさらに、第2孔部37に挿通する。このようにピペットチップ100を配置すると、そのピペットチップ100を先端部101に接続される肩部102は、その底部36に接し、ピペットチップ100の胴部103は、保持部35の内部に接することで保持される。このように、ピペットチップ100は保持部35に保持され配置することができる。本実施例においては上記のとおり孔部34は、20箇所配置されているので、ピペットチップ100を20本配置することができる(図4参照)。
【0020】
複数のピペットチップ100を保持部35に載置し、この保持部35を保管装置本体20に配置する。この場合上述のとおり、保管天井部31の下面31bの周辺に、保管装置本体20と嵌合するための、保管装置本体嵌合部32bを有している。従って、その保管装置本体嵌合部32bが、保管装置本体20における開口部21と嵌合し、縁部24の上に、上記保管天井部31における保管縁部33が載置される。また、蓋部40を、その保管装置本体20に被せれば、上記保管縁部33上に蓋縁部44が、載置される。このように保管装置本体20に、保管部30を配置し、さらに蓋部40を配置することで、保管部30は、保管装置本体20と蓋部40とによって、挟まれるように配置される。よって、その保管部30が、保管装置本体20と蓋部40とによって固定することができる(図4参照)。
【0021】
このように、保持部35にピペットチップ100を配置した場合に、孔部34から底部36までの寸法を、ピペットチップ100の後端部104が突出するように、設定することが好ましい。もっとも上述のとおり蓋部40を被せるが、配置したピペットチップ100の後端部104が、蓋上部43に接しないように、中空筒状の保持部35の長さを調整することができる。
【0022】
次にピペット装置200について簡単に説明する。使用者が押圧する押圧部210と、その押圧部210に接続されたピストンロッド部220と、ピストンロッド部220の一部を収納するケース部230と、ピストン部240と、そのピストン部240を内部に配置するためのピストン収納部250と、を有しており、さらに、ピッペットチップ100は取り外し可能に配置することができる。ケース部230とピストン収納部250は一体である。また、押圧部210とピストンロッド部220と、ピストン収納部250と、ピストン部240とのそれぞれの中心は、同一線上に配置されている。このようなピペット装置200について、使用者が押圧部210を押圧すると、液体をその先端に取り付けられたピペットチップ100から吸引することができるというものである。ここでこのピペットチップ100はガラス製が好ましく、交換容易のため、ピストン収納部250の先端に後述する取り付け部300を取り付け、その取り付け部300に、ピペットチップ100を取り外し可能に配置することができる(図5参照)。
【0023】
また、複数のピペットチップ100をピペットチップ保管装置10に配置した場合に、保管部30における複数の中空筒状の保持部35同士が、縦連結部38と横連結部39とによって、各保持部35同士を、縦方向及び横方向に、それぞれ十字状に連結されているために、各保持部35が、保管天井部31に固定されている。従って、これらに配置する複数のピペットチップ100同士が、互いに接触せず破損することがない。特にその複数のピペットチップ100が、ガラス製である場合に、それらの破損を防止することができる。
【0024】
また、ピペットチップ100より全体が短い他のピペットチップ100Aを配置するためには、保持部35よりその長さが短い第2保持部35Aを有する第2のピペットチップ保管装置10Aを使用することができる。具体的には第2の保持部35Aに他のピペットチップ100Aを配置した場合に、他のピペットチップ100Aの後端部104Aの位置を、蓋上部43に触れないように、第2保持部35Aにおける孔部34から底部36までの寸法を構成することが好ましい。なお他の構成は、ピペットチップ保管装置10と同様であるので、同様の符号を付しその説明を省略する(図7、8、9参照)。なお、本実施例のピペットチップ保管装置10Aに配置するピペットチップ100Aも、ガラス製が好ましい。
【0025】
次に、第1の実施例におけるピペットチップ保管装置10において、ピペットチップ100を複数配置した状態において、ピペット装置200に、ピペットチップ100を取り付ける。具体的には、ピペット装置200には、取り付け部300が取り外し可能に配置されている。この取り付け部300は、ゴムまたは柔軟な合成樹脂性で構成され、中空筒状を呈し、取り付け先端部301にピペットチップ100の後端部104を差し入れることによって、そのピペットチップ100を使用者の手に触れることなく、ピペットチップ100をピペット装置200に取り付けることができる(図6参照)。なお、本実施例のピペットチップ保管装置10Aに配置したピペットチップ100Aについても、取り付け先端部301にピペットチップ100Aの後端部104Aを差し入れることによって、そのピペットチップ100Aを使用者の手に触れることなく、ピペットチップ100Aをピペット装置200に取り付けることができる。また、第1の実施例におけるピペットチップ保管装置10および第2のピペットチップ保管装置10Aは、ポリプロピレンまたはポリエチレンで製作することが好ましい。
【符号の説明】
【0026】
10 ピペットチップ保管装置
10A 第2のピペットチップ保管装置
20 保管装置本体
21 開口部
22 壁部
23 底部
24 縁部
30 保管部
31 保管天井部
31a 上面
31b 下面
32a 蓋体嵌合部
33 保管縁部
34 孔部
35 保持部
35A 第2保持部
36 底部
37 第2孔部
38 縦連結部
39 横連結部
40 蓋部
41 蓋開口部
42 側壁部
43 蓋上部
44 蓋縁部
100 ピペットチップ
100A 他のピペットチップ
200 ピペット装置
300 取り付け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9